【実施例1】
【0011】
[システム構成]
本実施例における表示制御装置を含む運用監視システムについて、
図1を用いて説明する。
図1は、システム構成の一例を示す図である。
図1に示す運用監視システム1は、表示制御装置100と、業務システム500と、運用管理システム600と、監視システム700と、オペレータ端末800とを有する。表示制御装置100の構成については、後に詳しく説明する。
【0012】
本実施例において、表示制御装置100とオペレータ端末800、並びに運用管理システム600及び監視システム700と表示制御装置100とは、無線又は有線のネットワークを通じて通信可能に接続される。かかるネットワークの一態様としては、有線または無線を問わず、携帯電話などの移動体通信、インターネット(Internet)、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの任意の種類の通信網を採用できる。なお、
図1には、運用管理システム600及び監視システム700並びにオペレータ端末800がそれぞれ1つである場合を図示したが、運用監視システム1は、複数の運用管理システム600及び監視システム700並びにオペレータ端末800を含んでもよい。
【0013】
図1に示す業務システム500は、本実施例における監視対象となるシステムである。業務システム500は、例えば複数の物理的なサーバ、又はクラウドにより構成される。業務システム500は、複数のホストを有する。なお、1つのホストは例えば物理的な1つのサーバに対応するが、これに限られず、クラウド上の仮想マシンにより実現されてもよい。なお、業務システム500は、システムの一例であり、複数のホストは、複数の機器の一例である。
【0014】
運用管理システム600は、業務システム500上の各ホストに対する運用作業に関する情報を管理するシステムである。本実施例において、運用作業は、例えば業務システム500へのパッチの適用、サーバへの物理的なメモリの増設などのインフラの更新、セキュリティ修正の適用など、業務システム500に対して行われる全ての作業を含んでもよい。
【0015】
運用管理システム600は、運用履歴DB621を有する。運用履歴DB621は、業務システム500に対して行われた運用作業に関する情報を記憶する。
図2は、実施例1における運用履歴DBの一例を示す図である。
図2に示すように、運用履歴DB621は、「作業ID」に対応付けて、「実施日時」と、「サービス名」と、「ホスト名」と、「チケット数」と、「タイトル」とを記憶する。なお、運用履歴DB621に記憶される情報は、例えば運用作業に関する情報を取得した運用管理システム600により予め入力されるが、これに限られず、運用管理システム600の管理者により予め入力されてもよい。また、運用履歴DB621は、記憶部の一例である。
【0016】
図2において、作業ID(Identifier)は、業務システム500上のホストに対する運用作業を一意に識別する識別子を示す。「実施日時」は、当該運用作業が行われた日時を示す。「サービス名」は、当該運用作業の対象とするサービスの名称を示す。「ホスト名」は、当該運用作業の対象となったホストを示す。「チケット数」は、当該運用作業の工数を示す。「タイトル」は、当該運用作業の具体的な内容を示す。なお、
図2に示すように、同一の作業IDの運用作業が、複数のホストを対象として行われる場合もある。
【0017】
図1に戻って、監視システム700は、業務システム500の状態を監視するシステムである。本実施例において、監視システム700が監視する業務システム500の状態は、例えば各ホストのCPU使用率やメモリ空き容量などであるが、これらに限られず、ディスクへのスループットなどの情報も含まれる。また、本実施例において、監視システム700は、例えば各ホストにおいて発生した事象(インシデント)をさらに監視してもよい。
【0018】
監視システム700は、インシデントDB721と、性能DB722とを有する。インシデントDB721は、業務システムにおいて発生したインシデントに関する情報を記憶する。
図3は、実施例1におけるインシデントDBの一例を示す図である。
図3に示すように、インシデントDB721は、「インシデントID」に対応付けて、「日時」と、「ホスト名」と、「タイトル」と、「チケット数」とを記憶する。なお、インシデントDB721に記憶される情報は、例えばインシデントの発生に関する通知を受けた監視システム700により予め入力されるが、これに限られず、監視システム700のオペレータにより予め入力されてもよい。また、インシデントDB721は、記憶部の一例である。
【0019】
図3において、インシデントIDは、業務システム500上のホストにおいて発生したインシデントを一意に識別する識別子を示す。「日時」は、当該インシデントが発生した日時を示す。「ホスト名」は、当該インシデントが発生したホストを示す。「タイトル」は、当該インシデントの具体的な内容を示す。「チケット数」は、当該インシデントの工数を示す。なお、同一のインシデントが、複数のホストにおいて同時に発生する場合、インシデントDB721は、同一のインシデントIDを付されたレコードを、当該インシデントが発生したホストごとに記憶する。
【0020】
性能DB722は、業務システム500上の各ホストのCPU使用率や空きメモリ容量などの性能に関する情報を記憶する。
図4は、実施例1における性能DBの一例を示す図である。
図4に示すように、性能DB722は、「日時」ごとに、「CPU使用率」と、「メモリ空き容量」とを記憶する。なお、性能DB722に記憶される情報は、例えば監視システム700が業務システム500の各ホストの性能を取得する都度(例えば1分おきに)、予め入力される。また、性能DB722は、例えば業務システム500の1つのホストごとに、1つのテーブルを記憶する。なお、性能DB722は、記憶部の一例である。
【0021】
本実施例における表示制御装置100は、運用管理システム600及び監視システム700から取得した情報のうち、条件に合致する情報を絞り込んで表示させる。表示制御装置100は、例えば運用管理システム600から、複数のホストのうち、特定の期間に実施された運用作業数が基準を満たすホストを抽出し、運用作業に関する情報とホストとを対応付けて、オペレータ端末800に表示させる。また、表示制御装置100は、時刻又は時間帯の指定を受け付けると、複数のホストのうち、指定された時刻又は時間帯に応じた時間帯に実施された運用作業数が基準を満たすホストを新たに抽出する。そして、表示制御装置100は、抽出したホストと運用作業に関する情報とを対応付けて、オペレータ端末800に表示させる。
【0022】
また、表示制御装置100は、例えば監視システム700から、業務システム500に含まれる複数のホストそれぞれの性能情報と、該性能情報が計測された時刻とを取得する。表示制御装置100は、運用管理システム600から、複数のホストそれぞれに対して実施された運用作業に関する情報と、該運用作業が実施された時刻とを取得する。そして、表示制御装置100は、取得した性能情報のうち、特定の期間内の時刻に対応付けられた性能情報と、取得した運用作業に関する情報のうち、特定の期間内の時刻に対応付けられた運用作業に関する情報とをオペレータ端末800に表示させる。
【0023】
オペレータ端末800は、表示制御装置100に対して処理を要求し、また表示制御装置100による処理結果を表示させる。オペレータ端末800は、例えばオペレータにより操作され、運用監視に関する表示指示を受け付けると、表示制御装置100に対して処理要求を送信する。オペレータ端末800は、表示制御装置100から運用監視に関する処理結果を受信すると、ディスプレイ等の表示部に受信した処理結果を表示させる。さらに、オペレータ端末800は、表示された処理結果に対して、オペレータによる操作を受け付け、操作に対応する処理要求を表示制御装置100に送信すると共に、表示制御装置100から受信した処理結果を表示部に表示させる。
【0024】
以上説明したように、本実施例における表示制御装置は、複数の機器のうち期間内の運用作業数が基準を満たす機器を抽出し、指定された時間帯に応じた実施された運用作業に関する情報を機器に対応付けて表示するので、影響度の高い作業を絞り込める。
【0025】
[機能ブロック]
次に、本実施例における表示制御装置100について、
図5を用いて説明する。
図5は、実施例1における表示制御装置の一例を示す図である。
図5に示す表示制御装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、本実施例における表示制御装置100は、例えばオペレータ端末800から処理要求を受け付けるサーバコンピュータ等のコンピュータであるが、これに限られない。表示制御装置100は、例えばパーソナルコンピュータ等のスタンドアロン型コンピュータであってもよく、またスマートフォンやタブレット、ノート型コンピュータなどの携帯可能なコンピュータであってもよい。
【0026】
通信部110は、有線又は無線を問わず、運用管理システム600、監視システム700及びオペレータ端末800など、その他のコンピュータ等との通信を制御する。通信部110は、例えばNIC(Network Interface Card)等の通信インタフェース等である。
【0027】
記憶部120は、例えば制御部130が実行するプログラムや、例えば運用管理システム600や監視システム700から取得したデータなどの各種情報を記憶する。記憶部120は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子や、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置に対応する。
【0028】
制御部130は、表示制御装置100の全体的な処理を司る処理部である。制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されるようにしてもよい。
【0029】
制御部130は、受付部131、データ取得部132、画面出力部133、ホスト特定部134及び時間帯特定部135を有する。なお、受付部131、データ取得部132、画面出力部133、ホスト特定部134及び時間帯特定部135は、プロセッサが有する電子回路の一例やプロセッサが実行するプロセスの一例である。
【0030】
受付部131は、通信部110を通じて、オペレータ端末800との間において情報の入出力を行う。受付部131は、オペレータ端末800から、処理要求を受け付けると、データ取得部132に対して処理開始指示を出力する。また、受付部131は、オペレータ端末800から、ホスト選択操作に関する情報を受け付けると、ホスト特定部134に対してホスト絞り込み指示を出力する。さらに、受付部131は、オペレータ端末800から、時間帯選択操作に関する情報を受け付けると、時間帯特定部135に対して時間帯絞り込み指示を出力する。
【0031】
データ取得部132は、受付部131から処理開始指示の出力を受けると、通信部110を通じて、運用管理システム600から運用作業に関する情報を、当該運用作業が実施された時刻とともに取得する。また、データ取得部132は、監視システム700からインシデントに関する情報を、当該インシデントが発生した時刻とともに取得する。さらに、データ取得部132は、監視システム700からCPU使用率やメモリ空き容量などの各ホストの性能に関する情報を、当該性能が測定された時刻とともに取得する。データ取得部132は、取得した情報を記憶部120に記憶するとともに、画面出力部133に出力する。
【0032】
画面出力部133は、オペレータ端末800に表示させる画面に関する情報を生成して、通信部110を通じてオペレータ端末800に出力する。画面出力部133は、データ取得部132から出力された情報を用いて、例えば後に説明する
図6に示す初期画面の情報を生成する。画面出力部133は、例えば、運用作業に関する情報と、インシデントに関する情報と、性能に関する情報とを含む初期画面を生成する。
【0033】
画面出力部133は、例えば初期画面を生成する際に、出力された運用作業に関する情報のうち、所定の基準を満たすものを絞り込む。例えば、画面出力部133は、出力されたホストに関する情報のうち、当該初期設定期間において生じた運用作業数が、所定の閾値(例えば3件)以上であるホストに絞り込む。また、例えば画面出力部133が、当該初期設定期間において生じた運用作業数が、全てのホストのうち上位5件に含まれるホストのみに絞り込むような構成であってもよい。
【0034】
また、画面出力部133は、ホスト特定部134から出力された情報を用いて、例えば後に説明する
図8に示すホスト絞り込み結果に関する画面の情報を生成する。さらに、画面出力部133は、時間帯特定部135から出力された情報を用いて、例えば後に説明する
図10に示す時間帯絞り込み結果に関する画面の情報を生成する。
【0035】
ホスト特定部134は、ホスト絞り込み指示の出力を受けると、記憶部120を参照し、運用作業に関する情報のうち、条件に合致するホストに対応する情報の絞り込み処理を行う。ホスト特定部134は、絞り込んだホストに関する情報を、画面出力部133に出力する。
【0036】
ホスト特定部134は、例えば、ホスト絞り込み指示として、インシデントに関する情報の選択を受け付ける。この場合、ホスト特定部134は、選択されたインシデントが発生したホストと、同一の種別のホストに関する情報を絞り込み対象とする。
【0037】
また、ホスト特定部134は、例えば、ホスト絞り込み指示として、特定の運用作業に関する情報の選択を受け付ける。この場合、ホスト特定部134は、選択された運用作業が実施された時刻を含む時間帯に実施された運用作業数が所定の基準を満たすホストを絞り込み対象とする。
【0038】
なお、ホスト特定部134は、選択された運用作業の対象となったホストと同一の種別のホストに関する情報を絞り込み対象としてもよい。また、ホスト特定部134は、選択された運用作業の作業IDと共通する作業IDが付された運用作業の対象となったホストを絞り込み対象としてもよい。
【0039】
時間帯特定部135は、時間帯絞り込み指示の出力を受けると、記憶部120を参照し、運用作業に関する情報を、指定された時間帯に含まれる情報に絞り込む処理を行う。時間帯特定部135は、絞り込んだ時間帯に関する情報を、画面出力部133に出力する。
【0040】
なお、例えば時間帯特定部135は、時間帯の始期及び周期を含む時間帯絞り込み指示の出力を受けるが、これに限られず、例えば特定の時刻を含む時間帯絞り込み指示の出力を受けるような構成であってもよい。この場合において、時間帯特定部135は、例えば当該特定の時刻を中心とする所定の時間を、指定された時間帯とみなしてもよい。
【0041】
[画面遷移]
表示制御装置100による処理に応じて、表示制御装置100により生成され、又はオペレータ端末800のオペレータによる操作によりオペレータ端末800上に表示される画面の遷移について、
図6乃至
図10を用いて説明する。
図6は、実施例1における初期画面の一例を示す図である。
図6に示す初期画面1000は、業務システム500上の各ホストに対する運用作業に伴う変更要求チケット数を示す第1の項目1010と、業務システム500の各ホストにおいて発生したインシデントの件数に関する第2の項目1020とを有する。また、初期画面1000は、業務システム500の各ホストの性能に関する情報として、CPU使用率に関する第3の項目1030と、メモリ空き容量に関する第4の項目1040とをさらに有する。なお、初期画面においては、例えば初期設定期間として、表示時点前10日間の期間において生じた運用作業及びインシデント、並びに当該初期設定期間において取得された性能に関する情報が表示される。また、
図6に示す初期画面は、例えば各情報の時間軸が揃うように、各情報に対応するグラフを縦に並べて表示させる。
【0042】
図6において、第1の項目1010には、当該初期設定期間において生じた運用作業の対象となったホストのうち、画面出力部133により絞り込まれた、所定の基準を満たすものが表示される。
図6に示す例においては、例えば当該初期設定期間において生じた運用作業数が「1件」以上であるホストが全て表示される。
【0043】
図6において、第2の項目1020には、第1の項目1010において表示対象となったホストにおいて生じたインシデントが表示される。例えば、第1の項目1010には、第1の項目1010に表示された5件のホストのうち、「VCUFROGVGF0002」において発生したインシデントが表示される。
【0044】
図6において、第3の項目1030及び第4の項目1040には、第1の項目1010において表示対象となったホストにおいて取得された性能に関する情報が表示される。
【0045】
図6においては、ホスト「VCUFROGVGF0002」においてインシデントが発生し、かつCPU使用率及びメモリ空き容量が異常値となっていることが特定できる。この場合、オペレータ端末800は、例えばオペレータから、インシデントが発生したホストを選択する操作を受け付ける。
図7は、実施例1におけるホスト選択操作の一例を示す図である。
図7は、オペレータ端末800が、オペレータから、ホスト「VCUFROGVGF0002」の選択操作を受け付けた場合における画面の一例を示す。
【0046】
図7に示すように、オペレータ端末800は、ホストを選択する項目1021を表示させ、オペレータによるホストの選択操作を受け付ける。オペレータ端末800は、
図7に示すような画面においてホストが選択されると、選択されたホストに関する情報を、表示制御装置100に送信する。
【0047】
表示制御装置100のホスト特定部134は、
図7の第1の項目1010に表示された各ホストのうち、選択されたホスト、及び選択されたホストに基づく影響の大きいホストを絞り込む。例えば、ホスト特定部134は、選択されたホストを対象として、当該初期設定期間内において生じた運用作業の対象となったホストを、影響の大きいホストとして特定する。本実施例においては、
図7の第1の項目1010に示すように、ホスト「VCUFROGVGF0001」を対象として、選択されたホスト「VCUFROGVGF0002」を対象とする運用作業が行われている。
【0048】
このような場合において、ホスト特定部134は、選択されたホスト「VCUFROGVGF0002」に加えて、ホスト「VCUFROGVGF0001」を影響の大きいホストとして特定する。そして、画面出力部133は、特定されたホストに絞り込んだ結果に関する情報を、通信部110を通じてオペレータ端末800に表示させる。
図8は、実施例1におけるホスト絞り込み結果の一例を示す図である。
図8に示すように、ホスト絞り込み結果においては、ホスト「VCUFROGVGF0002」及びホスト「VCUFROGVGF0001」に関する情報だけが表示される。これにより、表示制御装置100は。オペレータ端末800のオペレータに対して、影響度が低い運用作業に関する情報の表示を抑制できる。
【0049】
図8においては、ホスト「VCUFROGVGF0001」においても、ホスト「VCUFROGVGF0002」において発生したインシデントに関連する事象が生じた可能性があることが推測できる。この場合、オペレータ端末800は、例えばオペレータから、ホスト「VCUFROGVGF0002」を対象とする運用作業の前後の時間を選択する操作を受け付ける。
図9は、実施例1における時間帯選択操作の一例を示す図である。
図9は、オペレータ端末800が、オペレータから、ホスト「VCUFROGVGF0002」対象とする運用作業の前後の時間帯1012を選択する操作を受け付けた場合における画面の一例を示す。オペレータ端末800は、選択された時間帯1012に関する情報を、表示制御装置100に送信する。
【0050】
表示制御装置100の時間帯特定部135は、
図8に示す情報のうち、選択された時間帯1012の情報を絞り込む。本実施例においては、時間帯特定部135は、選択された時間帯1012「2017-05-09 15:00」乃至「2017-05-11 03:00」を範囲とする情報に絞り込む。そして、画面出力部133は、絞り込まれた範囲に関する情報を、通信部110を通じてオペレータ端末800に表示させる。
図10は、実施例1における時間帯絞り込み結果の一例を示す図である。
図10に示すように、時間帯絞り込み結果においては、選択された時間帯に限定された情報が表示される。これにより、表示制御装置100は。オペレータ端末800のオペレータに対して、影響度が低いと考えられる時間帯における情報の表示を抑制できる。
【0051】
[処理の流れ]
次に、本実施例における処理について、
図11を用いて説明する。
図11は、実施例1における表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
図11に示すように、表示制御装置100の受付部131は、例えば通信部110を通じて、オペレータ端末800から処理要求を受け付けるまで待機する(S100:No)。
【0052】
受付部131は、処理要求を受け付けたと判定した場合(S100:Yes)、データ取得部132に処理開始指示を出力する。データ取得部132は、運用管理システム600から運用作業に関する情報を取得する(S101)。また、データ取得部132は、監視システム700からインシデントに関する情報を取得する(S102)。さらに、データ取得部132は、監視システム700から性能に関する情報を取得する(S103)。そして、データ取得部132は、取得した情報を、画面出力部133に出力する。
【0053】
画面出力部133は、データ取得部132から出力された情報を用いて、例えば
図6に示すような初期画面を生成し、通信部110を通じてオペレータ端末800に出力する(S104)。そして、受付部131は、オペレータ端末800からホストの選択を受け付けるまで待機する(S110:No)。
【0054】
受付部131は、ホストの選択を受け付けたと判定した場合(S110:Yes)、ホスト特定部134に、ホスト絞り込み指示を出力する。ホスト特定部134は、記憶部120を参照し、選択されたホストにおいて生じたインシデントを特定する(S111)。さらに、ホスト特定部134は、記憶部120を参照し、選択されたホストを対象とする運用作業を特定する(S112)。そして、ホスト特定部134は、特定したインシデント及び運用作業に関する情報を、画面出力部133に出力する。画面出力部133は、出力された情報を用いて、例えば
図8に示すホスト絞り込み結果に関する画面の情報を生成し、オペレータ端末800に出力する(S113)。その後、受付部131は、オペレータ端末800から時間帯の指定を受け付けるまで待機する(S120:No)。
【0055】
受付部131は、時間帯の指定を受け付けたと判定した場合(S120:Yes)、時間帯特定部135に、時間帯絞り込み指示を出力する。時間帯特定部135は、記憶部120を参照し、運用作業に関する情報を、指定された時間帯に含まれる情報に絞り込み、絞り込み結果を画面出力部133に出力する。画面出力部133は、出力された情報を用いて、例えば
図10に示す時間帯絞り込み結果に関する画面の情報を生成し、オペレータ端末800に出力する(S121)。
【0056】
[効果]
以上説明したように、本実施例における表示制御装置は、システムに含まれる複数の機器それぞれに対して実施された運用作業に関する情報を該複数の機器それぞれに対応付けて記憶する記憶部を参照する。表示制御装置は、複数の機器のうち、特定の期間に実施された運用作業数が基準を満たす機器を抽出し、機器に対して該特定の期間に実施された運用作業に関する情報を該機器に対応付けて表示部に表示させる。表示制御装置は、時刻又は時間帯の指定を受け付けると、記憶部を参照して、複数の機器のうち、指定された時刻又は時間帯に応じた時間帯に実施された運用作業数が基準を満たす機器を新たに抽出する。表示制御装置は、新たに抽出した機器に対して該時間帯に実施された運用作業に関する情報を該機器に対応付けて表示部に表示する。これにより、事象に対する影響度が高い作業を絞り込み、指定された時刻又は時間帯に生じた事象に対する影響度が低い運用作業に関する情報の表示を抑制できる。
【0057】
また、本実施例における表示制御装置は、特定の期間に実施された運用作業数が所定の閾値以上である機器と、複数の機器のうちにおける当該運用作業数の順位が所定の順位以上である機器とのうち少なくともいずれかを抽出する。これにより、指定された時刻又は時間帯に生じた事象に対する影響度が低い運用作業に関する情報の表示を抑制できる。
【0058】
また、本実施例における表示制御装置は、特定の期間に発生したインシデントに関する情報を、当該インシデントが発生した機器に対応付けて表示部に表示する。本実施例における表示制御装置は、表示された特定のインシデントに関する情報のうちいずれかの選択を受け付けると、選択された当該特定のインシデントが発生した機器と同一の種別の機器を新たに抽出する。これにより、同一のインシデントが発生する可能性が高い機器を絞り込むことができる。
【0059】
本実施例における表示制御装置は、表示部に表示された特定の運用作業に関する情報のうちいずれかの選択を受け付けると、選択された当該特定の運用作業が実施された時刻又は時間帯に応じた時間帯に実施された運用作業数が基準を満たす機器を新たに抽出する。また、本実施例における表示制御装置は、選択された当該特定の運用作業の対象となった機器と同一の種別の機器を新たに抽出してもよく、選択された当該特定の運用作業と共通する識別情報が付与された運用作業の対象となる機器を新たに抽出してもよい。これにより、事象に対する影響度が高い作業を絞り込むことができる。
【0060】
さらに、本実施例における表示制御装置は、業務システムへの情報の要求に応じて、業務システムに含まれる複数の機器それぞれの性能情報と、該性能情報が計測された時刻とを取得してもよい。表示制御装置は、複数の機器に対して実施される運用作業を管理する管理システムへの情報の要求に応じて、複数の機器それぞれに対して実施された運用作業に関する情報と、該運用作業が実施された時刻とを取得してもよい。表示制御装置は、取得した性能情報のうち、特定の期間内の時刻に対応付けられた性能情報と、取得した運用作業に関する情報のうち、特定の期間内の時刻に対応付けられた運用作業に関する情報と、を表示部に表示してもよい。これにより、指定された時刻又は時間帯に生じた事象に対する影響度が低い運用作業に関する情報の表示を抑制できる。
【実施例2】
【0061】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。また、図示した各処理は、上記の順番に限定されるものではなく、処理内容を矛盾させない範囲において、同時に実施してもよく、順序を入れ替えて実施してもよい。
【0062】
例えば、表示制御装置100が、表示制御処理の都度、通信部110を介して運用管理システム600及び監視システム700から情報を取得する構成について説明したが、実施の形態はこれに限られない。例えば、表示制御装置100が、事前に運用管理システム600及び監視システム700から情報を取得して予め記憶部120に記憶しておくような構成であってもよい。この場合、画面出力部133、ホスト特定部134及び時間帯特定部135が、記憶部120を参照して処理を行うような構成であってもよい。
【0063】
[分散および統合]
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、受付部131、データ取得部132、画面出力部133、ホスト特定部134及び時間帯特定部135をオペレータ端末800上に実装してもよい。また、ホスト特定部134と時間帯特定部135とを統合してもよく、データ取得部132を運用管理システム600から情報を取得する処理部と、監視システム700から情報を取得する処理部とに分散してもよい。
【0064】
また、図示した各処理は、上記の順番に限定されるものではなく、処理内容を矛盾させない範囲において、同時に実施してもよく、順序を入れ替えて実施してもよい。例えば、
図11において、S110に示すホストの選択を受け付けるより先に、S120に示す時間帯の指定を受け付け、時間帯を指定した後にホストの選択を受け付けるような構成であってもよい。
【0065】
さらに、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよい。また、各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行されるプログラム上、またはワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0066】
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現できる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
図12は、表示制御プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【0067】
図12に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、データ入力を受け付ける入力装置202と、モニタ203とを有する。また、コンピュータ200は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読取装置204と、各種装置と接続するためのインタフェース装置205と、他の情報処理装置等と有線または無線により接続するための通信装置206とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM207と、ハードディスク装置208とを有する。また、各装置201〜208は、バス209に接続される。
【0068】
ハードディスク装置208には、
図5に示した受付部131、データ取得部132、画面出力部133、ホスト特定部134及び時間帯特定部135の各処理部と同様の機能を有する表示制御プログラムが記憶される。また、ハードディスク装置208には、表示制御プログラムを実現するための各種データが記憶される。入力装置202は、例えば、コンピュータ200のユーザから操作情報等の各種情報の入力を受け付ける。モニタ203は、例えば、コンピュータ200のユーザに対して表示画面等の各種画面を表示する。媒体読取装置204は、撮像画像およびCADデータ等の各種データを読み取る。インタフェース装置205は、例えば印刷装置等が接続される。通信装置206は、例えば、
図5に示した通信部110と同様の機能を有しネットワークと接続され、運用管理システム600、監視システム700及びオペレータ端末等の他の情報処理装置と各種情報をやりとりする。
【0069】
CPU201は、ハードディスク装置208に記憶された各プログラムを読み出して、RAM207に展開して実行することで、各種の処理を行う。また、これらのプログラムは、コンピュータ200を
図5に示した受付部131、データ取得部132、画面出力部133、ホスト特定部134及び時間帯特定部135として機能させることができる。
【0070】
なお、上記の表示制御プログラムは、必ずしもハードディスク装置208に記憶されている必要はない。例えば、コンピュータ200が読み取り可能な記憶媒体に記憶されたプログラムを、コンピュータ200が読み出して実行するようにしてもよい。コンピュータ200が読み取り可能な記憶媒体は、例えば、CD−ROMやDVDディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等が対応する。また、公衆回線、インターネット、LAN等に接続された装置にこの表示制御プログラムを記憶させておき、コンピュータ200がこれらから表示制御プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。