特許第6972779号(P6972779)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972779
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20211111BHJP
   G01D 7/00 20060101ALI20211111BHJP
   G01D 7/08 20060101ALI20211111BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20211111BHJP
【FI】
   B60K35/00 Z
   G01D7/00 K
   G01D7/08
   B60L3/00 N
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-163252(P2017-163252)
(22)【出願日】2017年8月28日
(65)【公開番号】特開2019-38452(P2019-38452A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2020年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 匠
(72)【発明者】
【氏名】竹之内 守
【審査官】 稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−219502(JP,A)
【文献】 特開2010−132274(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0171541(US,A1)
【文献】 特開2007−086191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
G01D 7/00ー7/12
B60L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリの電力で車両を走行させ、および回生ブレーキにより前記バッテリに充電する電力を発電する電動機を備える車両に設けられる車両用表示装置であって、
前記電動機が前記車両を走行させている場合の前記電動機の動力状態の値を最小値から最大値の範囲で示す動力状態表示部と、
前記電動機が電力を発電している場合の前記電動機の発電状態の値を最小値から最大値の範囲で示す発電状態表示部と、
前記バッテリの残量状態の値を最小値から最大値の範囲で示す残量状態表示部と、
前記動力状態の値または前記発電状態の値を指示する一の指針と、を備え、
前記動力状態表示部の前記最小値と前記発電状態表示部の前記最小値とは、連続して配置されており、
前記発電状態表示部の前記最大値と前記残量状態表示部の前記最小値とは、連続して配置され
前記指針が前記動力状態の値を指示している場合に前記残量状態表示部から前記発電状態表示部への方向の流れを示し、前記指針が前記発電状態の値を指示している場合に前記発電状態表示部から前記残量状態表示部への方向の流れを示す放充電方向表示部をさらに備え、
前記放充電方向表示部は、前記残量状態表示部に重畳して設けられる
車両用表示装置。
【請求項2】
前記放充電方向表示部は、前記流れの上流から下流に向けて寸法を段階的に大きくした複数の記号から構成される、請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記放充電方向表示部は、前記複数の記号を前記流れに沿って順次発光する、請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記動力状態表示部の前記最大値と前記残量状態表示部の前記最大値とは、連続して配置される請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記動力状態表示部、前記発電状態表示部、および前記残量状態表示部は、同一円周に沿って配置された請求項4に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車やオートバイなどの車両には、速度計などの指針式の計器類や、必要な情報をデジタル表示する液晶表示装置を備える表示装置が搭載されている。例えば、電動機の動力を利用して走行する電気自動車やハイブリッド自動車においては、表示装置は、電動機が電力を利用し車両を走行させている場合の動力の状態(動力状態)と、回生ブレーキにより電動機が発電機として作動し発電している場合の発電の状態(発電状態)を連続的に示すようになっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−213311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した電気自動車やハイブリッド自動車に設けられる表示装置は、バッテリの残量の状態も併せて示すようになっている。しかし、従来の表示装置においては、バッテリが充電している状態なのか、放電している状態なのかを直感的にユーザに認識させることについて、バッテリの残量状態の表示と、動力状態および発電状態の表示との関係において改善の余地があった。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、バッテリの放充電状態を直感的に認識することができる車両用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用表示装置は、上述した課題を解決するために、バッテリの電力で車両を走行させ、および回生ブレーキにより前記バッテリに充電する電力を発電する電動機を備える車両に設けられる車両用表示装置であって、前記電動機が前記車両を走行させている場合の前記電動機の動力状態の値を最小値から最大値の範囲で示す動力状態表示部と、前記電動機が電力を発電している場合の前記電動機の発電状態の値を最小値から最大値の範囲で示す発電状態表示部と、前記バッテリの残量状態の値を最小値から最大値の範囲で示す残量状態表示部と、
前記動力状態の値または前記発電状態の値を指示する一の指針と、を備え、前記動力状態表示部の前記最小値と前記発電状態表示部の前記最小値とは、連続して配置されており、前記発電状態表示部の前記最大値と前記残量状態表示部の前記最小値とは、連続して配置されている。
また、前記指針が前記動力状態の値を指示している場合に前記残量状態表示部から前記発電状態表示部への方向の流れを示し、前記指針が前記発電状態の値を指示している場合に前記発電状態表示部から前記残量状態表示部への方向の流れを示す放充電方向表示部をさらに備え、
前記放充電方向表示部は、前記残量状態表示部に重畳して設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る車両用表示装置においては、バッテリの放充電状態を直感的に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る車両用表示装置の一実施形態を示すブロック図。
図2】表示器の表示例を示す説明図。
図3】表示器の他の表示例を示す説明図。
図4】表示器のさらに他の表示例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る車両用表示装置の実施形態を添付図面に基づいて説明する。本発明に係る車両用表示装置は、バッテリの電力で車両を走行させ、および回生ブレーキによりバッテリに充電する電力を発電する電動機を備える車両に搭載される。例えば、車両用表示装置は、電動機の動力を利用して走行する電気自動車や、電動機およびガソリンからなる燃料を用いた内燃機関の動力を利用して走行するハイブリッド自動車に搭載される。本実施形態においては、本発明に係る車両用表示装置が、電気自動車の車両用表示装置として適用された実施の形態について添付図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る車両用表示装置の一実施形態を示すブロック図である。
【0011】
車両用表示装置1(表示装置1)は、表示器2と、入力装置3と、表示制御装置4と、を有している。
【0012】
表示器2は、車両速度や走行距離、電動機が車両を走行させている場合の電動機の動力状態、電動機が電力を発電している場合の電動機の発電状態、バッテリの残量、警報などの車両に関する情報を、表示制御装置4からの制御信号に基づいて表示する。表示器2は、表示パネル10と、指針式表示部11とを有している。表示パネル10は、透過および不透過を切り換えて表示像を形成する、例えば発光ダイオードなどの光源からなるバックライト14を備えた液晶表示パネルである。指針式表示部11(機械式表示部)は、指針軸を軸芯として回転する指針12(図2)により、表示板13に表示された目盛や数値などの指標を指示する。
【0013】
入力装置3は、表示装置1が表示する積算走行距離や区間走行距離などを切り替え表示するためのトリップスイッチである。入力装置3は、例えばユーザの押圧操作により入力された操作信号を表示制御装置4へ出力する。
【0014】
表示制御装置4は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路などであり、所定の処理を実行する。また、表示制御装置4は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリなどであり、プログラムやデータを記憶する記憶部15を有している。また、表示制御装置4は、CAN(Controller Area Network)バス20を介して、バッテリ制御装置21や、メインスイッチユニット22、その他のECU(Electronic Control Unit)23などと通信し、各部から各種センサに基づく車両の情報を入力する。表示制御装置4は、メインスイッチユニット22のメインスイッチ(起動スイッチ)がオンされることによって表示器2を起動させる。その後、表示制御装置4は、得られた信号および情報に基づいて制御信号を生成し出力することにより、表示器2を制御する。本実施形態においては、表示制御装置4は、特に、バッテリ制御装置21から送信されるバッテリ残量(蓄電量)や、対応するECU23から送信される発電機駆動電力、バッテリ電流値などに基づいて、表示器2を制御する。
【0015】
このような本実施形態における表示装置1は、電動機が車両を走行させている場合の電動機の動力状態、電動機が電力を発電している場合の電動機の発電状態、バッテリの残量状態に関する情報を介して、バッテリの放充電状態を直感的に認識することができる。以下、具体的に説明する。
【0016】
図2は、表示器2の表示例を示す説明図である。
【0017】
表示装置1は、動力状態表示部30と、発電状態表示部40と、残量状態表示部50と、放充電方向表示部60と、を有している。動力状態表示部30、発電状態表示部40、および残量状態表示部50は、同一円周に沿って配置されている。動力状態表示部30および発電状態表示部40は、例えば、表示板13が表示パネル10で実現された指針式表示部11である。残量状態表示部50および放充電方向表示部60は、例えば表示パネル10で実現されている。
【0018】
動力状態表示部30は、電動機が車両を走行させている場合の電動機の動力状態の値を最小値から最大値の範囲で示す。動力状態は、例えば、バッテリから発電機への出力電力量の度合いである。動力状態表示部30は、最小値を0%、最大値を100%として表される数値31と、この数値に対応して所定数(図2においては11個)刻まれた円周上の目盛32と、を有している。数値31aである0および目盛32aは最小値を示し、数値31bである100および目盛32bは最大値を示す。動力状態の値は、この数値31および円周上に設けられた目盛32を指針12が指示することにより示される。
【0019】
発電状態表示部40は、電動機が電力を発電している場合の電動機の発電状態の値を最小値から最大値の範囲で示す。発電状態は、例えば、回生ブレーキ等により発電された発電量の度合いである。発電状態表示部40は、最小値から最大値までが所定数(図2においては6個)で刻まれた円周上の目盛42を有している。目盛42aは最小値を示し、目盛42bは最大値を示す。発電状態の値は、この目盛42を指針12が指示することにより示される。本実施形態においては、目盛42aは動力状態表示部30の最小値を示す目盛32aと共通の目盛である。
【0020】
残量状態表示部50は、バッテリの残量状態の値を最小値から最大値の範囲で示す。残量状態表示部50は、バッテリの残量がない状態をE(Empty)として表す記号53a、バッテリ残量が満タンである状態をF(Full)として表す記号53bと、この記号53a、53bに対応して所定数(図2においては7個)刻まれた円周上の目盛52と、を有している。記号53aであるEおよび目盛52aは最小値を示し、記号53bであるFおよび目盛52bは最大値を示す。残量状態の値は、記号53aであるEを始点とし、バッテリ残量に対応する目盛52を終点としてバー54の長さで示される。
【0021】
動力状態表示部30の最小値と、発電状態表示部40の最小値とは、連続して配置されている。すなわち、動力状態表示部30の数値31aおよび目盛32a側と、発電状態表示部40の目盛42a側とは、連続して配置されている。これにより、動力状態の値および発電状態の値は、一の指針12で連続的に指示される。
【0022】
また、発電状態表示部40の最大値と、残量状態表示部50の最小値とは、連続して配置されている。すなわち、発電状態表示部40の目盛42b側と、残量状態表示部50の記号53aおよび目盛52a側とは、連続して配置されている。
【0023】
放充電方向表示部60は、指針12が動力状態の値を指示している場合に、残量状態表示部50から発電状態表示部40への方向(放電方向)の流れを示し、指針12が発電状態の値を指示している場合に発電状態表示部40から残量状態表示部50への方向(充電方向)の流れを示す。放充電方向表示部60は、発電状態表示部40の目盛42b側と残量状態表示部50の記号53aおよび目盛52a側との間に設けられる。放充電方向表示部60は、例えば流れの方向に向う示す矢印61や、この矢印61の方向に沿って順次発光ダイオードで矢印61を照明することにより、放電方向および充電方向を示す。
【0024】
このような本実施形態における表示装置1においては、発電状態表示部40の最大値と、残量状態表示部50の最小値とが連続し配置され、隣接しているため、指針12が発電状態表示部40を指示している場合には電力がバッテリに充電されていることを視覚的に認識させることができる。また、表示装置1は、放充電方向表示部60を有しているため、指針12が動力状態表示部30を指示している場合にはバッテリが放電し、指針12が発電状態表示部40を指示している場合にはバッテリが充電していることをより直感的に認識させることができる。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0026】
例えば、動力状態表示部30、発電状態表示部40および残量状態表示部50は、いずれも指針式表示部11で実現されてもよいし、または表示パネル10で実現されてもよい。
【0027】
また、動力状態表示部30と発電状態表示部40は、共通の指針12で指示できれば、動力状態表示部30の最小値と発電状態表示部40の最小値とを示す目盛32a、42aが共通の目盛である必要はなく、各表示部40、50の間に空間があってもよい。
【0028】
さらに、放充電方向表示部60は省略してもよい。その場合、発電状態表示部40と残量状態表示部50は、発電状態表示部40の最大値と残量状態表示部50の最小値とが隣接して配置されていればよく、各表示部30、40の間に空間があってもよい。
【0029】
さらにまた、放充電方向表示部60は、残量状態表示部50に重畳して設けられてもよい。図3は、表示器2の他の表示例を示す説明図である。表示装置1は、放充電方向表示部60が残量状態表示部50に重畳して設けられた場合であっても、上述した図2の態様と同様の効果を奏することができる。また、図3に示すように、流れの上流から下流に向けて寸法を段階的に大きくした記号62で、放電方向および充電方向を示してもよい。この場合も、流れの方向に沿って記号62を順次発光ダイオードで照明することが好ましい。
【0030】
さらにまた、残量状態表示部50は、発電状態表示部40と連続しているよう視覚的に認識させることができれば、同一円周に沿って配置されている必要はない。図4は、表示器2のさらに他の表示例を示す説明図である。例えば図4に示すように、残量状態表示部50は、発電状態表示部40と連続し配置されて、隣接していれば、任意の位置に設けられてもよく、また直線的に設けられてもよい。また、動力状態表示部30および発電状態表示部40を直線的に設け、指針12を直線的に移動させてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 車両用表示装置(表示装置)
2 表示器
3 入力装置
4 表示制御装置
10 表示パネル
11 指針式表示部
12 指針
13 表示板
14 バックライト
15 記憶部
20 CANバス
21 バッテリ制御装置
22 メインスイッチユニット
23 ECU
30 動力状態表示部
31、31a、31b 数値
32、32a、32b、42、42a、42b、52、52a、52b 目盛
40 発電状態表示部
50 残量状態表示部
53a、53b 記号
54 バー
60 放充電方向表示部
61 矢印
62 記号
図1
図2
図3
図4