(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態にかかる組立順序生成装置、組立順序生成プログラムおよび組立順序生成方法を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する組立順序生成装置、組立順序生成プログラムおよび組立順序生成方法は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0011】
図1は、実施形態にかかる組立順序生成装置の構成例を示すブロック図である。
図1に示す組立順序生成装置1は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置である。組立順序生成装置1は、例えば、製品を組み立てる際の作業順序を示す作業順序情報、製品の3次元CAD(Computer Aided Design)データ等の3Dモデル情報を受け付ける。そして、組立順序生成装置1は、各作業にかかる作業情報を格納する作業情報データベースを参照し、受け付けた作業順序情報および3Dモデル情報をもとに、製品の組立における作業手順書を生成してディスプレイなどに出力する処理を行う。
【0012】
図1に示すように、組立順序生成装置1は、入力部10、出力部20、処理部30および記憶部40を有する。
【0013】
入力部10は、各種情報を処理部30に入力する。例えば、入力部10は、ユーザの指示を受け付けて、受け付けた指示に従って、通信により外部装置から各種情報を取得し、取得した各種情報を処理部30に入力する。例えば、入力部10は、マウスやキーボードなどの操作受付デバイスであってもよい。具体例を挙げて説明すると、入力部10は、作業順序情報および3Dモデル情報などをユーザより受け付けて処理部30に入力する。
【0014】
出力部20は、各種の情報を出力する。例えば、出力部20は、処理部30の処理結果をLCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などの表示装置に表示する。なお、出力部20は、処理部30の処理結果を音声回路およびスピーカなどの音声出力デバイスより音声で出力してもよい。また、出力部20は、処理部30の処理結果をネットワーク機器を介して外部装置へ出力してもよい。また、出力部20は、処理部30の処理結果を印刷装置などにより紙媒体へ印刷してもよい。
【0015】
処理部30は、CPU(Central Processing Unit)等であり、プログラムを実行することにより、製品の組立順序の生成にかかる処理を実行する。
【0016】
記憶部40は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部40は、処理部30で実行されるプログラムを記憶する。また、記憶部40は、入力部10より入力された情報、予め設定されている作業情報データベースなどを記憶する。
【0017】
図2は、実施形態にかかる組立順序生成装置1の機能概要を説明する説明図である。
図2に示すように、事前に入力部10は、変更前の作業順序を示す作業順序情報11と、製品の3Dモデル情報12とを受け付け、受け付けた情報をもとに作業順序に従って実行される各作業の作業情報を抽出する。
【0018】
作業順序情報11は、製品を組み立てる際の作業の順番ごとに、各作業における作業内容(互いに組み付ける部品名、使用する工具および治具、組付け方向や組付け位置等)を記述したものである。また、3Dモデル情報12は、CADによって生成された、製品全体および製品を構成する各部品を含む3次元モデルのデータであり、3次元形状情報の一例である。
【0019】
次いで、入力部10は、抽出した各作業の作業情報を記憶部40の作業情報データベース41に格納する(S1)。すなわち、作業情報データベース41は、作業情報格納部の一例であり、作業情報データベース41には作業順序の変更前における各作業の作業情報が予め格納されている。
【0020】
作業情報データベース41に格納される作業情報には、作業において互いに組み付ける作業対象部品名(ワーク、被組付け)、組付け時の動作、使用する工具および治具、組付け方向や組付け位置などの作業指示情報などが含まれる。
【0021】
次いで、入力部10は、作業順序情報11が示す作業順序を表示した表示画面における編集操作などにより、作業順序情報11が示す作業順序の変更を生産計画者50より受け付ける(S2)。このように、ユーザの一例である生産計画者50は、製品の製造にかかる作業順序を変更することで、繁忙期や閑散期などの生産数変化に対応する。
【0022】
次いで、入力部10は、生産計画者50より受け付けた変更後の作業順序情報13を処理部30へ入力する(S3)。この時、入力部10は、S1において受け付けた3Dモデル情報12を作業順序情報13とともに処理部30へ入力する。
【0023】
処理部30は、再現部31および確認部32を有する。再現部31は、入力された作業順序情報13に含まれる各作業について、作業情報データベース41に格納された各作業にかかる作業情報を取得する。例えば、作業順序情報11、13には、各作業を識別する作業番号(作業ID)が付与されており、作業情報データベース41に格納される各作業についても対応する作業番号が付与されている。よって、再現部31は、作業順序情報13における各順番の作業を示す作業番号と、作業情報データベース41の作業番号とを突き合わせることで、作業順序情報13に含まれる各作業に対応する作業情報を作業情報データベース41より取得する。
【0024】
次いで、再現部31は、作業情報データベース41より取得した作業情報に従って3Dモデル情報12に基づく製品の部品を仮想空間内で動かすことで、作業順序情報13の各作業における組立状態(作業状態)を再現する(S4)。具体的には、再現部31は、作業順序情報13における順番ごとの各作業について、作業情報データベース41より取得した作業情報に含まれる作業対象部品名(ワーク、被組付け)をもとに、組付けを行う部品を特定する。そして、再現部31は、作業情報に含まれる組付け時の動作、使用する工具および治具、組付け方向や組付け位置をもとに、3Dモデル情報12に基づく製品の部品を仮想空間内で動かして各作業における組立状態を再現する。
【0025】
次いで、再現部31は、作業順序情報13が示す順番ごとに、仮想空間内で再現した組立状態(作業状態)を示すCADアニメーションなどのデータを生成し、確認部32へ出力する(S5)。
【0026】
確認部32は、作業順序情報13が示す順番ごとに、再現部31が仮想空間内で再現した組立状態(作業状態)をもとに、各作業における組立動作の確認を行う(S6)。例えば、確認部32は、各作業の組立状態を再現したCADアニメーションにおける部品の衝突の有無に基づき、各作業の組立状態において部品間の干渉がある作業が含まれるか否かを確認する。
【0027】
次いで、確認部32は、S6の確認結果をもとに、作業順序情報13が示す順番ごとに作業を実施することで、組立可能であるか否かを判定する(S7)。具体的には、確認部32は、部品間の干渉がない場合は組立可能であると判定(S7:YES)し、部品間の干渉がある場合は組立可能でないと判定(S7:NO)する。
【0028】
部品間の干渉がない場合(S7:YES)、確認部32は、入力された作業順序情報13と、作業情報データベース41より取得した各作業に対応する作業情報とを出力部20へ出力する。これにより、出力部20は、作業情報が示す作業内容をもとに、入力された作業順序情報13が示す作業順序どおりに製品を作成する作業手順書を生成し、生成した作業手順書を表示装置への表示や紙媒体への印刷によりユーザ(例えば生産計画者50)へ出力する。
【0029】
部品間の干渉がある場合(S7:NO)、確認部32は、部品間の干渉がある作業を出力部20を介してユーザに提示し、作業の修正を入力部10より受け付ける(S8)。次いで、確認部32は、部品間の干渉がある場合に受け付けた修正内容を含め、入力された作業順序情報13と、作業情報データベース41より取得した各作業に対応する作業情報とを出力部20へ出力する。
【0030】
これにより、出力部20は、作業情報が示す作業内容と、受け付けた修正内容とをもとに、修正内容を反映した作業手順書を生成し、生成した作業手順書を表示装置への表示や紙媒体への印刷によりユーザ(例えば生産計画者50)へ出力する。
【0031】
図3は、実施形態にかかる組立順序生成装置1の処理内容を例示するフローチャートである。
図3に示すように、処理が開始されると、入力部10は、3Dモデル情報12および作業順序情報13の入力をユーザ(例えば生産計画者50)より受け付ける(S10)。
【0032】
次いで、再現部31は、入力された作業順序情報13における各作業の作業番号をもとに、作業番号に対応する動作や工具・治具などの作業情報を作業情報データベース41より取得する(S11)。
【0033】
次いで、再現部31は、各作業について、S11で取得した各作業の作業情報に従って3次元の仮想空間に工具や治具などを表示して組み合わせる部品を動かす作業状態を再現し、確認部32へ出力する(S12)。
【0034】
図4は、作業状態を出力する処理を例示するフローチャートであり、より具体的には、S12における処理の詳細を説明する図である。
図4に示すように、処理が開始されると、再現部31は、3Dモデル情報12および作業順序情報13の入力を受け付け(S20)、3Dモデル情報12における全部品のグループIDを初期化する(S21)。
次いで、再現部31は、作業順序情報13に含まれる作業の中で処理対象とする作業をカウントするためのIndexを初期化(Index←1)する。また、再現部31は、部品をカウントするためのID
counterを初期化(ID
counter←0)する(S22)。
【0035】
次いで、再現部31は、作業情報データベース41からIndex番目の作業番号に対応する作業(作業情報)を読み込み、部品名と被組付け部品名を取得する(S23)。次いで、再現部31は、部品と被組付け部品それぞれのグループID(ID
work,ID
asm)を取得する(S24)。ここで、部品に対応するグループIDはID
workであり、被組付け部品に対応するグループIDは、ID
asmであるものとする。
【0036】
次いで、再現部31は、取得したグループID(ID
work,ID
asm)について、場合分け判定を行う(S25)。
【0037】
具体的には、再現部31は、ID
work,ID
asmが共に所定の初期値である場合、ID
asmが初期値である場合、ID
workが初期値である場合、共に初期値でない場合のいずれであるかを判定する。
【0038】
S25においてID
work,ID
asmが共に所定の初期値である場合、再現部31は、ID
work,ID
asmにID
counterの値を代入する(S26)。次いで、再現部31は、ID
counterの値をインクリメントする(S27)。
【0039】
S25においてID
asmが初期値である場合、再現部31は、ID
asmにID
workの値を代入する(S28)。
【0040】
S25においてID
workが初期値である場合、再現部31は、ID
workにID
asmの値を代入する(S29)。
【0041】
S25においてID
work,ID
asmが共に初期値ではない場合、再現部31は、ID
workと同じグループIDを持つ部品を抽出する。次いで、再現部31は、抽出した部品のグループIDをID
asmに更新する(S30)。
【0042】
S27〜S30に次いで、再現部31は、ID
workと同じグループIDを持つ部品を作業情報に従って仮想空間内で動かして表示し、index番目の作業状態として出力する(S31)。
【0043】
次いで、再現部31は、作業順序情報13に示された作業順序の全ての作業を読み込んだか否かを判定し(S32)、全ての作業を読み込んだ場合(S32:YES)は処理を終了する。全ての作業を読み込んでいない場合(S32:NO)、再現部31は、indexの値をインクリメントし(S33)、S23へ処理を戻す。これにより、作業順序情報13における作業順序の次の作業が処理対象とされ、処理が継続される。
【0044】
図5は、作業状態の表示を説明する説明図である。
図5に示すように、作業順序情報13の各作業で組付け対象となる部品として、部品A〜Dがあり、作業前(S40)においては非表示の部品としているものとする。
【0045】
図5に示すように、部品Aを部品Bに組み付ける[作業1]では、部品A、BをグループID「1」の初期値の部品とし、この部品A、Bを作業情報に従って動かす作業状態が表示(出力)される(S41)。
【0046】
次いで、部品Cを部品Dに組み付ける[作業2]では、部品C、DをグループIDをインクリメントした「2」の部品とし、この部品C、Dを作業情報に従って動かす作業状態が表示(出力)される(S42)。
【0047】
次いで、部品Bを部品Dに組み付ける[作業3]では、部品A、Bを組付け済である部品と、部品C、Dを組付け済である部品とのグループIDをインクリメントした「1」の部品とし、これらの部品を作業情報に従って動かす作業状態が表示(出力)される(S43)。このように、再現部31は、S20〜S33の処理を実行することで、作業順序情報13における各作業状態を再現し、再現した作業状態を示すCADアニメーションなどのデータを生成して確認部32へ出力する。
【0048】
図3に戻り、確認部32は、各作業状態について再現されたCADアニメーションにおける部品の衝突の有無に基づき、他の部品への干渉・衝突の有無を判定する(S13)。干渉・衝突がない場合(S13:NO)、確認部32は、S17へ処理を進める。
【0049】
干渉・衝突がある場合(S13:YES)、確認部32は、部品間の干渉・衝突がある作業について、部品組み付け時に問題が発生することを出力部20を介して表示画面などに出力することで、ユーザ(例えば生産計画者50)に提示する(S14)。具体的には、確認部32は、干渉・衝突がある作業の作業番号に関して再現されたCADアニメーションを表示することで、実際に部品の干渉・衝突があるアニメーションをユーザに提示する。
【0050】
次いで、確認部32は、入力部10によるユーザ(例えば生産計画者50)の指示をもとに、作業の修正を受け付ける(S15)。作業の修正については、干渉・衝突のある作業の内容(例えば、部品の組付け方向)の修正、作業の順番の入れ替えなどがある。
【0051】
図6は、作業順序変更前のデータ例を説明する説明図である。
図6の組立概要14に示すように、3Dモデル情報12における製品Xは、作業順序情報11の作業順序で作成されるものとする。具体的には、製品Xは、「部品Bを部品Cに取付け」、「部品Dを部品Eに取付け」、「部品Cを部品Aに取付け」、「部品Eを部品Aに取付け」、「部品Fを部品Aに取付け」の作業順序で作成されるものとする。また、「部品Dを部品Eに取付け」にかかる作業手順書21などの各作業の作業手順書21は作成済であり、各作業の作業情報は作業情報データベース41に格納されているものとする。
【0052】
図7は、作業順序の変更例を説明する説明図である。
図7に示すように、作業順序情報13は、作業順序情報11の作業順序を変更したものである。具体的には、作業順序情報13では、「部品Cを部品Aに取付け」、「部品Eを部品Aに取付け」、「部品Fを部品Aに取付け」、「部品Dを部品Eに取付け」、「部品Bを部品Cに取付け」の作業順序で製品Xを作成する。
【0053】
図8は、部品の干渉を説明する説明図である。
図8に示すように、作業順序情報13では、「部品Dを部品Eに取付け」の作業で、部品Dが部品Fに干渉している。したがって、S14において、確認部32は、「部品Dを部品Eに取付け」の作業で問題が発生することを出力部20を介して表示画面などに出力することで、ユーザ(例えば生産計画者50)に提示する。
【0054】
図9は、作業順序の修正を説明する説明図である。
図9に示すように、「部品Dを部品Eに取付け」の作業で問題が発生することをユーザに提示することで、確認部32は、例えば、ケースC1またはケースC2の修正をユーザより受け付ける。
【0055】
具体的には、ケースC1に示すように、「部品Dを部品Eに取付け」の作業内容について、部品Dの移動方向を部品Fに干渉しないように修正する指示をユーザより受け付ける。これにより、組立順序生成装置1は、部品の干渉・衝突が生じないように、当初の作業順序情報13の作業内容を修正した作業順序情報13aを得ることができる。
【0056】
また、ケースC2に示すように、「部品Dを部品Eに取付け」の作業順序について、干渉を生じる部品Fの取付け前とするように順番を入れ替える指示をユーザより受け付ける。これにより、当初の作業順序情報13の作業順番を修正した作業順序情報13bを得ることができる。
【0057】
このように、干渉・衝突のある作業内容の修正または作業の順番を入れ替える修正指示をユーザより受け付けることで、部品の干渉・衝突のない作業順序情報13a、13bを作成することができる。
【0058】
次いで、確認部32は、修正した内容での確認の有無を入力部10を介してユーザより受け付けて、確認の有無を判定する(S16)。確認ありの場合(S16:YES)、確認部32は、S11へ処理を戻す。これにより、再現部31は、修正した内容で部品の干渉・衝突があるかを確認する。
【0059】
確認なしの場合(S16:NO)、確認部32は、部品間の干渉がある場合に受け付けた修正内容(S15)を含め、入力された作業順序情報13と、作業情報データベース41より取得した各作業に対応する作業情報とを出力部20へ出力する。これにより、出力部20は、修正内容がある場合は、修正内容を反映した作業手順書を作成し、生成した作業手順書を表示装置への表示や紙媒体への印刷によりユーザへ出力する(S17)。
【0060】
以上のように、組立順序生成装置1の入力部10は、製品の作業順序を示す作業順序情報13と、製品の形状にかかる3Dモデル情報12との入力を受け付ける。組立順序生成装置1の再現部31は、入力された作業順序情報13に含まれる各作業について、作業情報データベース41に格納された各作業にかかる作業情報を取得する。そして、再現部31は、取得した作業情報に従って3Dモデル情報12に基づく製品の部品を仮想空間内で動かして、作業順序情報13に含まれる各作業の組立状態を再現する。組立順序生成装置1の確認部32は、再現された組立状態において部品間の干渉がある作業が含まれる場合、その作業を問題のある作業としてユーザに表示し、作業の修正を受け付ける。組立順序生成装置1の出力部20は、ユーザより受け付けた作業の修正と、作業順序情報13と、各作業にかかる作業情報とに基いて作業手順書21を生成して出力する。したがって、ユーザ(例えば生産計画者50)は、変更後の作業順序情報13における各作業の組立状態において部品間の干渉がある作業を容易に確認して修正することができ、作業手順書21の再作成を容易に行うことができる。
【0061】
また、確認部32は、ユーザより作業の順番の修正を受け付ける。出力部20は、受け付けた順番に従って作業順序情報13が示す作業順序を修正した作業手順書21を出力する。これにより、ユーザは、作業の順番を修正することで、部品の干渉・衝突のない作業手順書21を容易に作成できる。
【0062】
また、確認部32は、ユーザより作業の内容の修正を受け付ける。出力部20は、受け付けた内容に従って修正した作業手順書21を出力する。これにより、ユーザは、作業の内容を修正することで、部品の干渉・衝突のない作業手順書21を容易に作成できる。
【0063】
図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0064】
また、組立順序生成装置1で行われる各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよい。また、各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行されるプログラム上、またはワイヤードロジックによるハードウエア上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよいことは言うまでもない。また、組立順序生成装置1で行われる各種処理機能は、クラウドコンピューティングにより、複数のコンピュータが協働して実行してもよい。
【0065】
ところで、上記の実施形態で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現できる。そこで、以下では、上記の実施形態と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータ(ハードウエア)の一例を説明する。
図10は、実施形態にかかる組立順序生成装置1のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0066】
図10に示すように、組立順序生成装置1は、各種演算処理を実行するCPU101と、データ入力を受け付ける入力装置102と、モニタ103と、スピーカ104とを有する。また、組立順序生成装置1は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読取装置105と、各種装置と接続するためのインタフェース装置106と、有線または無線により外部機器と通信接続するための通信装置107とを有する。また、組立順序生成装置1は、各種情報を一時記憶するRAM108と、ハードディスク装置109とを有する。また、組立順序生成装置1の各部(101〜109)は、バス110に接続される。
【0067】
ハードディスク装置109には、上記の実施形態で説明した各種の処理を実行するためのプログラム111が記憶される。また、ハードディスク装置109には、プログラム111が参照する各種データ112が記憶される。入力装置102は、例えば、組立順序生成装置1の操作者から操作情報の入力を受け付ける。モニタ103は、例えば、操作者が操作する各種画面を表示する。インタフェース装置106は、例えば印刷装置等が接続される。通信装置107は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークと接続され、通信ネットワークを介した外部機器との間で各種情報をやりとりする。
【0068】
CPU101は、ハードディスク装置109に記憶されたプログラム111を読み出して、RAM108に展開して実行することで、入力部10、出力部20および処理部30などにかかる処理を行う。なお、プログラム111は、ハードディスク装置109に記憶されていなくてもよい。例えば、組立順序生成装置1が読み取り可能な記憶媒体に記憶されたプログラム111を、組立順序生成装置1が読み出して実行するようにしてもよい。組立順序生成装置1が読み取り可能な記憶媒体は、例えば、CD−ROMやDVDディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等が対応する。また、公衆回線、インターネット、LAN等に接続された装置にこのプログラムを記憶させておき、組立順序生成装置1がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0069】
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0070】
(付記1)製品の作業順序を示す作業順序情報と、前記製品の形状にかかる3次元形状情報との入力を受け付ける入力部と、
入力された前記作業順序情報に含まれる各作業について、作業情報格納部に格納された各作業にかかる作業情報を取得し、当該作業情報に従って前記3次元形状情報に基づく製品の部品を仮想空間内で動かして組立状態を再現する再現部と、
再現された前記組立状態において前記部品間の干渉がある作業が含まれる場合、当該作業を問題のある作業としてユーザに表示し、当該ユーザより作業の修正を受け付ける確認部と、
受け付けた前記修正と、前記作業順序情報と、前記作業情報とに基いて作業手順書を出力する出力部と、
を有することを特徴とする組立順序生成装置。
【0071】
(付記2)前記確認部は、前記ユーザより作業の順番の修正を受け付け、
前記出力部は、受け付けた前記順番に従って前記作業順序情報が示す作業順序を修正した作業手順書を出力する、
ことを特徴とする付記1に記載の組立順序生成装置。
【0072】
(付記3)前記確認部は、前記ユーザより作業の内容の修正を受け付け、
前記出力部は、受け付けた前記内容に従って前記作業情報が示す作業の内容を修正した作業手順書を出力する、
ことを特徴とする付記1に記載の組立順序生成装置。
【0073】
(付記4)製品の作業順序を示す作業順序情報と、前記製品の形状にかかる3次元形状情報との入力を受け付け、
入力された前記作業順序情報に含まれる各作業について、作業情報格納部に格納された各作業にかかる作業情報を取得し、当該作業情報に従って前記3次元形状情報に基づく製品の部品を仮想空間内で動かして組立状態を再現し、
再現された前記組立状態において前記部品間の干渉がある作業が含まれる場合、当該作業を問題のある作業としてユーザに表示し、当該ユーザより作業の修正を受け付ける、
受け付けた前記修正と、前記作業順序情報と、前記作業情報とに基いて作業手順書を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする組立順序生成プログラム。
【0074】
(付記5)前記受け付ける処理は、前記ユーザより作業の順番の修正を受け付け、
前記出力する処理は、受け付けた前記順番に従って前記作業順序情報が示す作業順序を修正した作業手順書を出力する、
ことを特徴とする付記4に記載の組立順序生成プログラム。
【0075】
(付記6)前記受け付ける処理は、前記ユーザより作業の内容の修正を受け付け、
前記出力する処理は、受け付けた前記内容に従って前記作業情報が示す作業の内容を修正した作業手順書を出力する、
ことを特徴とする付記4に記載の組立順序生成プログラム。
【0076】
(付記7)製品の作業順序を示す作業順序情報と、前記製品の形状にかかる3次元形状情報との入力を受け付け、
入力された前記作業順序情報に含まれる各作業について、作業情報格納部に格納された各作業にかかる作業情報を取得し、当該作業情報に従って前記3次元形状情報に基づく製品の部品を仮想空間内で動かして組立状態を再現し、
再現された前記組立状態において前記部品間の干渉がある作業が含まれる場合、当該作業を問題のある作業としてユーザに表示し、当該ユーザより作業の修正を受け付ける、
受け付けた前記修正と、前記作業順序情報と、前記作業情報とに基いて作業手順書を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする組立順序生成方法。
【0077】
(付記8)前記受け付ける処理は、前記ユーザより作業の順番の修正を受け付け、
前記出力する処理は、受け付けた前記順番に従って前記作業順序情報が示す作業順序を修正した作業手順書を出力する、
ことを特徴とする付記7に記載の組立順序生成方法。
【0078】
(付記9)前記受け付ける処理は、前記ユーザより作業の内容の修正を受け付け、
前記出力する処理は、受け付けた前記内容に従って前記作業情報が示す作業の内容を修正した作業手順書を出力する、
ことを特徴とする付記7に記載の組立順序生成方法。