(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記報知制御部は、前記放射線発生装置からの照射準備が完了したことを示す照射準備完了信号に同期して、前記照射中状態の報知を開始させることを特徴とする請求項1に記載の放射線制御装置。
前記報知制御部は、前記照射中状態の報知時間が所定時間以上となるように、前記照射中状態の報知終了タイミングを設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の放射線制御装置。
前記報知部は、前記照射中状態を視覚的に報知する表示部及び/又は音で報知する音声出力部を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の放射線制御装置。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野では、X線撮影システムを利用した画像診断が行われている。近年では、入射X線に基づいてX線画像を生成するフラットパネルディテクター(FPD:Flat Panel Detector)の開発に伴い、X線動態撮影による診断手法も確立されつつある。X線動態撮影では、呼吸器や循環器の形態情報だけでなく、X線画像の画素値(濃度)の変化から動態情報も得ることができ、例えば、肺換気機能や肺血流等の胸部動態診断を行うことができる。
【0003】
一般に、X線撮影システムは、X線を発生し被検体に向けて照射するX線発生装置と、被検体を透過したX線の入線量に基づいてX線画像を撮影するX線撮影装置とを備える。
X線発生装置は、X線を被検体に向けて照射するX線管装置、X線管装置に電圧を印加する高電圧発生装置、X線管装置及び高電圧発生装置の動作を制御するX線発生用制御装置、照射条件等の入力及び確認を行うためのX線発生用コンソール、並びにX線の照射を指示するための照射スイッチ等を備える。
X線撮影装置は、被検体を透過したX線を検出し画像データに変換して出力するFPD、FPDの動作を制御するとともに得られたX線画像データに対して所定の処理(例えば、画像処理及び表示制御処理)を行う撮影用制御装置、並びに撮影条件等の入力及び確認を行うための撮影用コンソールを備える。撮影されたX線画像は、撮影用コンソールに表示される。
【0004】
X線撮影システムでは、X線の照射状態を所定色の光で表示することが規定されている(医用X線高電圧装置通則 JIS Z 4702)。一般に、X線発生用コンソールに発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子からなる表示ランプが設けられ、表示ランプの点灯/非点灯により、X線の照射状態が報知されるようになっている。例えば、表示ランプは、X線照射準備状態では緑色で点灯し、X線照射中状態ではオレンジ色で点灯する。
【0005】
X線発生用コンソールの表示ランプでX線の照射状態を表示する場合は、X線発生用制御装置から高電圧発生装置にX線の照射を指示するX線照射信号に従って表示ランプの動作も制御されるので、表示ランプの点灯に遅延が生じることはなく、X線の照射状態を正確に報知することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態に係る放射線制御装置を適用したX線撮影システム1を示す図である。X線撮影システム1では、撮影用制御装置11に、本発明に係る放射線制御装置が適用されている。X線撮影システム1は、X線発生装置20とX線撮影装置10との間で互いに信号等をやりとりして、両者が連携しながらX線撮影が行われる一体型の撮影システムである。
【0015】
図1に示すように、X線撮影システム1は、X線撮影装置10及びX線発生装置20を備える。X線撮影システム1は、通信ネットワークを介して、画像保存通信システム(PACS:Picture Archiving and Communication Systems)31、病院情報システム(HIS:Hospital Information Systems)32、及び放射線科情報システム(RIS:Radiology Information Systems)33に接続される。X線撮影システム1、PACS31、HIS32、及びRIS33を含む通信ネットワークにおいては、例えば、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に従って情報の送受信が行われる。
【0016】
X線撮影装置10は、撮影用制御装置11、FPD12、撮影台13、及び中継器14等を備える。X線撮影装置10は、例えば、胸部、腹部等の撮影対象部位を透過したX線を可視化して、体内の状態を示すX線画像を撮影する。
【0017】
FPD12は、X線管装置25から照射され被検体を透過したX線を検出し、X線画像データを出力する撮像装置である。FPD12は、例えば、撮影台13に装着され、有線通信によって撮影台13及び中継器14を介して撮影用制御装置11と通信可能に接続される。FPD12は、無線通信によって撮影用制御装置11と接続されてもよい。FPD12が無線通信機能を有する場合、専用の撮影台13に装着するのではなく、FPD12を、被検体が仰臥するベッド上に置いたり、被検体自身に持たせたりして使用することもできる。
【0018】
FPD12は、例えば、入射したX線を光に変換するシンチレーター、画素に対応してマトリックス状に配置されたPD(Photo Diode)、及び各PDに対応して配置されたTFT(Thin Film Transistor)スイッチを有する(いずれも図示略)。入射したX線はシンチレーターで光に変換され、PDに入射して画素ごとに電荷として蓄積される。PDに蓄積された電荷は、TFTスイッチ及び信号線を介して流れ出し、増幅、A/D変換されてX線画像データとして撮影用制御装置11に出力される。なお、FPD12は、上述した間接変換型であってもよいし、X線を直接電気信号に変換する直接変換型であってもよい。
【0019】
撮影台13は、FPD12のX線入射面がX線管装置25と対向する姿勢となるように、FPD12を着脱自在に保持する。
図1では、撮影台13として、被検体を立位姿勢で撮影する立位用撮影台を例示している。撮影台13は、被検体を臥位姿勢で撮影する臥位用撮影台でもよい。撮影台13は、例えば、有線通信によって中継器14を介して撮影用制御装置11と通信可能に接続される。
【0020】
撮影用制御装置11は、X線発生用制御装置21と連携してX線撮影システム1を制御する。撮影用制御装置11は、例えば、FPD12に対して検出条件を送信し、設定する。検出条件は、撮影する画像サイズ、フレームレート(動態撮影の場合)、及びFPD12で実行される信号処理に関する情報(例えば、増幅器のゲイン等)を含む。撮影用制御装置11は、FPD12の各動作を制御するとともに、FPD12からX線画像データを取得し、所定の画像処理を施して表示部113(
図2参照)に表示させる。撮影用制御装置11の詳細については後述する。
【0021】
また、本実施の形態では、撮影用制御装置11は、X線発生装置20の照射用コンソールとしての機能を有する。すなわち、撮影用制御装置11の表示部113及び操作部114(
図2参照)を用いて、X線発生装置20に関する情報の表示及び入力が行われる。
【0022】
X線発生装置20は、X線発生用制御装置21、照射スイッチ23、高電圧発生装置24、及びX線管装置25を備える。
【0023】
X線管装置25は、被検体を挟んでFPD12と対向する位置に配置される。X線管装置25は、高電圧発生装置24によって高電圧が印加されることにより、X線を発生し、被検体に向けて照射する。X線管装置25は、X線の照射野を調整するX線可動絞りを含む。
【0024】
照射スイッチ23は、X線発生用制御装置21に信号ケーブルを介して接続される。照射スイッチ23は、X線の照射を指示するためのスイッチであり、例えば、二段階の自動復帰型押しボタンスイッチで構成される。照射スイッチ23において、一段階目の押下操作が行われると、X線管装置25のウォームアップを開始させるためのウォームアップ開始信号がX線発生用制御装置21に送信され、二段階目の押下操作が行われると、X線管装置25にX線の照射を開始させるための照射開始信号がX線発生用制御装置21に送信される。
【0025】
X線発生用制御装置21は、撮影用制御装置11からの照射条件及び照射スイッチ23からの制御信号(ウォームアップ開始信号及び照射開始信号)に基づいて、高電圧発生装置24及びX線管装置25の動作を制御する。照射条件は、例えば、管電圧、管電流、曝射時間、曝射量、セッティングモード、焦点サイズ、フォトタイマー、コリメーターサイズ、フィルター種別、撮影姿勢(立位/臥位)等の複数のパラメーターを含む。
【0026】
照射条件は、撮影用制御装置11を利用して設定される。撮影用制御装置11において検査オーダーの実行が指示されると、検査オーダーに対応して予め設定されている照射条件がX線発生用制御装置21に自動的に送信され、設定される。利用者は、撮影用制御装置11の操作部114を通じて照射条件を微調整することができる。
【0027】
図2は、撮影用制御装置11の構成を示す図である。
図2に示すように、撮影用制御装置11は、処理部111、記憶部112、表示部113、操作部114、及び通信部115等を備える。
【0028】
処理部111は、演算/制御装置としてのCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備える(いずれも図示略)。ROMには、基本プログラムや基本的な設定データが記憶される。CPUは、ROM又は記憶部112から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムを実行することにより、FPD12等の動作を集中制御する。
【0029】
記憶部112は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。記憶部112は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、MO((Magneto-Optical disk)等の光磁気ディスクを駆動して情報を読み書きするディスクドライブであってもよい。また例えば、記憶部112は、USBメモリ、SDカード等のメモリカードであってもよい。
【0030】
記憶部112は、処理部111で実行される各種プログラムや、プログラムの実行に必要なパラメーター、及び処理結果等のデータを記憶する。記憶部112は、例えば、撮影条件データ112A及びX線画像データ112Bを記憶する。撮影条件データ112Aは、X線発生装置20における照射条件のデータ及びFPD12における検出条件のデータを含む。
【0031】
撮影条件は、例えば、検査オーダーに含まれる撮影内容(撮影部位、撮影方向、被検体の体型など)に関連付けられている。検査オーダーが選択され、その検査オーダーに撮影条件が設定されていない場合(例えば、初回検査時)に、撮影内容に関連付けられた撮影条件が読み出される。なお、初回検査とは、同一の被検体に対して同一の撮影内容で行われる最初の検査である。
【0032】
表示部113は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイで構成される。表示部113は、処理部111からの表示制御信号に基づいて、検査オーダーの内容や、撮影されたX線画像を表示する。検査オーダーは、被検体である患者の患者情報(例えば、患者ID、患者名、生年月日、性別)、撮影時の姿勢情報(例えば、姿勢(立位/臥位)、照射方向(背面/前面/側面)、撮影部位情報(例えば、胸部)、検査項目(肺換気機能、肺血流など)、被検体の検査履歴(前回検査時の撮影条件など)を含む。
【0033】
本実施の形態では、表示部113に、X線発生装置20におけるX線の照射状態を示すX線照射情報が表示される(
図4A〜
図4D参照)。すなわち、表示部113は、本発明に係る報知部として機能する。
【0034】
操作部114は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を有するキーボードと、マウス等のポインティングデバイスで構成される。操作部114は、キー操作やマウス操作により入力された操作信号を受け付け、処理部111に出力する。利用者は、操作部114を通じて、例えば、撮影条件を入力することができる。
【0035】
なお、表示部113及び操作部114は、例えば、タッチパネル付きのフラットパネルディスプレイのように一体的に構成されてもよい。
【0036】
通信部115は、例えばNIC(Network Interface Card)、MODEM(MOdulator-DEModulator)、USB(Universal Serial Bus)等の通信インターフェースである。処理部111は、通信部115を介して、有線/無線LAN等のネットワークに接続された装置との間で、DICOM規格に従って各種情報の送受信を行う。通信部115には、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信用の通信インターフェースを適用することもできる。
【0037】
処理部111は、撮影プログラムを実行することにより、表示制御部111A、撮影条件設定部111B、報知制御部111Cとして機能する。撮影プログラムは、例えば、処理部111のROMに記憶される。
【0038】
X線撮影システム1によりX線撮影を行う場合、撮影用制御装置11において検査オーダーの登録が行われる。登録された検査オーダーは、撮影用制御装置11の表示部113に表示される。検査オーダーは、HIS32やRIS33等の外部システムから入力されてもよいし、利用者により操作部114を通じて手動入力されてもよい。ここでは、HIS32やRIS33等の外部システムから検査オーダーが入力されるものとする。
【0039】
登録された検査オーダーの実行が指示されると、検査オーダーに含まれる撮影条件がX線発生用制御装置21及びFPD12に送信され、設定される(撮影条件設定部111B)。なお、初回検査時は、検査オーダーに含まれる撮影内容に対応する撮影条件が記憶部112から読み出され、設定される。利用者は、操作部114を通じて、照射条件の設定を変更して微調整することができる。この場合、設定変更された照射条件は、改めてX線発生用制御装置21に送信される。
【0040】
利用者によって照射スイッチ23の一段階目の押下操作が行われると、X線管装置25のウォームアップ(フィラメントの加熱等)が開始される。これに伴い、X線発生用制御装置21から撮影用制御装置11に、ウォームアップが開始されたことを示すレディ信号(照射準備開始信号)が送信される。撮影用制御装置11は、レディ信号を受信すると、FPD12に撮影準備(初期化)を指示する。
【0041】
X線管装置25のウォームアップが完了すると、X線発生用制御装置21から撮影用制御装置11に、ウォームアップが完了したことを示すスタート信号(照射準備完了信号)が送信される。また、FPD12から撮影用制御装置11及びX線発生用制御装置21に、撮影準備が完了したことを示すOK信号(撮影準備完了信号)が送信される。
【0042】
利用者によって照射スイッチ23の二段階目の押下操作が行われると、X線発生用制御装置21は、X線の照射を指示するX線照射信号を高電圧発生装置24及び撮影用制御装置11に送信する。高電圧発生装置24によってX線管装置25に高電圧が印加され、X線の照射が開始される。なお、照射スイッチ23の二段階目の押下操作は、X線発生用制御装置21からのスタート信号及びFPD12からのOK信号を受け付ける前に行われてもよい。この場合、スタート信号及びOK信号を受信することに伴い、X線発生用制御装置21からX線照射信号が送信される。
【0043】
単純X線撮影のように照射時間が設定されている場合は、所定の照射時間が経過すると、X線の照射が終了する。動態撮影の場合は、照射スイッチ23の二段階目の押下操作が行われている期間、X線の照射が連続して行われ、照射スイッチ23の押下操作が解放されると、X線の照射が終了する。X線照射の終了に伴いX線照射信号がオフとなり、OK信号、スタート信号及びレディ信号も順次オフとなる。
【0044】
撮影されたX線画像は、FPD12から撮影用制御装置11に送信され、記憶部112に格納される。撮影用制御装置11において、X線画像データに対してオフセット補正やゲイン補正等の各種画像処理が施され、表示部113に表示される(表示制御部111A)。
【0045】
撮影用制御装置11において、報知制御部111Cは、表示部113における報知動作を制御する。報知制御部111Cによる報知動作を示すタイミングチャートを
図3A、
図3Bに示す。また、X線照射情報(照射状態を示すマーク)の表示例を
図4A〜
図4Dに示す。
【0046】
以下において、照射準備状態を示すX線照射情報を「照射準備マーク」、照射中状態を示すX線照射情報を「照射中マーク」と称する。照射準備マークは、例えば緑色で表示され、照射中マークは、例えばオレンジ色で表示される。また、照射スイッチ23では、一段階目の押下操作、二段階目の押下操作、押下操作の解放が一連の動作で行われるものとする。
【0047】
図3Aは、スタート信号に同期して、スタート信号がオンとなるタイミングt2で照射中マークの表示が開始される場合を示している。
図3Aでは、照射スイッチ23において一段階目の押下操作が行われたタイミングt0で、照射準備マークの表示が開始される(
図4B参照)。そして、X線管装置25で照射準備が完了し、スタート信号がオンになったタイミングt2で、X線照射情報は、照射準備マークから照射中マークに切り替わる(
図4C参照)。
【0048】
図3Bは、OK信号に同期して、OK信号がオンとなるタイミングt3で照射中マークの表示が開始される場合を示している。
図3Bでは、照射スイッチ23において一段階目の押下操作が行われたタイミングt0で、照射準備マークの表示が開始される(
図4B参照)。そして、FPD12で撮影準備が完了し、OK信号がオンになったタイミングt3で、X線照射情報は、照射準備マークから照射中マークに切り替わる(
図4C参照)。
【0049】
なお、照射スイッチ23の一段階目の押下操作が行われるまでは、X線照射情報の表示は行われない(
図4A参照)。また、照射中マークは、X線照射信号がオフとなるタイミングt5で消去され、撮影されたX線画像が表示される(
図4D参照)。
【0050】
いずれの場合も、照射中マークの表示は、X線照射信号によって指示される照射開始タイミングt4よりも前に開始されている。つまり、X線発生用制御装置21からの信号伝達及び表示部113におけるフレーム切替による遅延を考慮して、照射中マークの表示制御が行われている。したがって、X線発生装置20におけるX線の照射中状態を確実に報知することができる。
【0051】
ここで、報知制御部111Cは、照射中状態の報知時間(
図3Aにおける期間t2〜t5、
図3Bにおける期間t3〜t5)が所定時間以上となるように、照射中マークの報知終了タイミングを設定することが好ましい。所定時間とは、照射中マークの表示を目視で認識できる程度の時間であり、例えば200msec以上であることが好ましい。
【0052】
例えば、X線の照射時間(
図3A、
図3Bにおける期間t4〜t5)が所定時間以上である場合には、X線照射信号によって指示される照射終了タイミング(
図3A、
図3Bにおけるタイミングt5)で照射中状態の表示を終了させる。これにより、照射中マークの表示期間が実際の照射期間とかけ離れることなく、確実に照射中状態を認識させることができる。
【0053】
一方、X線の照射時間(
図3A、
図3Bにおける期間t4〜t5)が所定時間未満である場合には、照射終了タイミング(
図3A、
図3Bにおけるタイミングt5)よりも後に照射中マークの表示を終了させる。この場合、照射終了タイミングは、所定時間が確保されるように設定されればよく、レディ信号、スタート信号、又はOK信号と同期しても、同期しなくてもよい。この場合、照射中マークの表示期間が実際の照射期間とかけ離れる(実際の照射が終了しても照射中マークの表示が行われる)ことになるが、確実に照射中状態を認識させることができる。
【0054】
このように、本実施の形態に係る撮影用制御装置11(放射線制御装置)は、X線発生装置20(放射線発生装置)及びX線撮影装置10(放射線撮影装置)を含むX線撮影システム1(放射線撮影システム)をX線発生用制御装置21(放射線発生用制御装置)と連携して制御する。撮影用制御装置11は、X線発生装置20におけるX線の照射状態を表示する表示部113(報知部)と、表示部113における報知動作を制御する報知制御部111Cと、を備える。報知制御部111Cは、X線発生用制御装置21からのX線照射信号よりも前に撮影用制御装置11が受信するX線発生装置20又はX線撮影装置10からの信号に基づいて、X線が照射されていることを示す照射中状態の報知開始タイミングを制御する。
【0055】
撮影用制御装置11によれば、X線発生装置20からのX線照射信号によって指示される照射開始タイミングよりも前に、照射中状態の報知が開始されるので、X線発生装置20におけるX線の照射状態、特に、X線の照射中状態を確実に報知することができる。したがって、撮影用制御装置11は、医用X線高電圧装置通則で規定されている安全性の要件を満たす。
【0056】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0057】
例えば、実施の形態では、表示部113を本発明の報知部として機能させているが、照射中状態を音(例えば、ブザー音)で報知する音声出力部を報知部として機能させてもよい。
【0058】
また例えば、照射中状態の表示を開始するタイミングは、X線発生装置20からのX線照射信号によって指示される照射開始タイミングよりも前であればよく、レディ信号がオンとなるタイミングであってもよい。
【0059】
実施の形態では、本発明を、病院の撮影室に据え置かれる据置型のX線撮影システム1に適用した場合について説明したが、回診車に搭載される移動型のX線撮影システムに適用することもできる。
【0060】
実施の形態では、処理部111(コンピューター)が、報知制御部111Cとして機能することにより、本発明を実現しているが、この機能は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路によって構成することもできる。
【0061】
また、本発明は、X線撮影システムに限らず、γ線等の他の放射線を使用した撮影システムに適用することもできる。
【0062】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。