(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
絶縁部材は、上記特許文献1に開示されているように、一般に樹脂材料等の非金属で形成されているため、溶接時の熱からどのように保護すべきか、という問題が存在する。また、絶縁部材は、電極端子と容器との絶縁の他、平面視(電極端子の側から容器本体を見た場合)における回り止めまたは位置規制としての機能を担うため、電極端子をどのような態様で保持するかについても問題となる。
【0005】
本願発明者らは、絶縁部材が、電極端子をどのように保持すべきかについて検討した結果、絶縁部材が、電極端子の位置規制等のために、電極端子と密接するように形成された場合、絶縁部材には、電極端子の構造に起因する問題が生じることを見出した。具体的には、電極端子には、端子本体と軸部との接合手法に起因して変形が生じている場合があり、この場合、絶縁部材の変形が生じる可能性がある。また、絶縁部材の材料に樹脂が含まれる場合、絶縁部材に白化が生じる可能性もある。絶縁部材の変形は、容器の外部に配置された他の部材との干渉の問題の要因となり、絶縁部材の白化は、例えば蓄電素子の短寿命化の要因ともなる。また、端子本体と軸部との接合手法に起因する変形は、電極端子ごとに変形量が異なり得るため、複数の電極端子のそれぞれに対応し得る絶縁部材を作製することは容易ではない。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、電極端子の端子本体と容器との間に配置された絶縁部材を備える蓄電素子であって、信頼性の高い蓄電素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子は、容器を備える蓄電素子であって、板状の端子本体及び前記端子本体に接続された軸部を有する電極端子と、前記端子本体及び前記容器の間に配置された絶縁部材であって、前記軸部が貫通する貫通孔が形成された絶縁部材とを備え、前記絶縁部材は、前記端子本体の端面に沿って配置された側壁部を有し、前記側壁部には、平面視において、前記側壁部の延設方向と直交する方向における前記軸部の中心点の側方の位置に、薄肉部または切り欠き部が設けられている。
【0008】
この構成によれば、絶縁部材の側壁部における軸部の側方の位置に、薄肉部または切り欠き部が存在する。そのため、例えば電極端子の製造時において、軸部に力が加えられることで端子本体の幅が軸部の位置で膨らんだ場合であっても、絶縁部材は、端子本体の膨らんだ部分を薄肉部または切り欠き部によって無理なく収容することができる。つまり、本態様の絶縁部材では、端子本体の膨らんだ部分に対応する位置に、側壁部の変形しやすい部分である薄肉部、または、側壁部の切り欠かれた部分(側壁部が存在しない部分)が配置されている。そのため、本態様に係る絶縁部材は、端子本体の膨らみ量に電極端子ごとの個体差がある場合において、複数の電極端子のいずれに対しても適切に保持することができる。より詳細には、少なくとも、側壁部における薄肉部または切り欠き部がない部分は、例えば端子本体の端面に沿う位置に配置されることで、電極端子(端子本体)の回り止めまたは位置規制の機能を果たすことができる。つまり、本態様の絶縁部材は、端子本体の軸部の側方の膨らみを許容しつつ、端子本体の位置規制等を行うことができる。従って、本態様の蓄電素子は、電極端子の端子本体と容器との間に配置された絶縁部材を備える蓄電素子であって、信頼性の高い蓄電素子である。
【0009】
また、本発明の一態様に係る蓄電素子において、前記軸部は、前記端子本体に、塑性接合されているとしてもよい。
【0010】
つまり、本態様の蓄電素子は、端子本体の膨らみが生じやすく、また、その膨らみ量にばらつきが生じやすい一方で、高い接合強度が得られる塑性接合(2部材の少なくとも一方の塑性変形を用いた接合)を用いて製造された電極端子を採用することができる。そのため、軸部と端子本体との接合の信頼性が高く、このことは、蓄電素子の信頼性の向上に寄与する。
【0011】
また、本発明の一態様に係る蓄電素子において、前記薄肉部は、前記軸部を中心とする円弧に沿って形成されているとしてもよい。
【0012】
この構成によれば、例えば、端子本体の膨らんだ部分の形状に近似した形状の薄肉部が側壁部に設けられる。これにより、例えば、薄肉部と、端子本体の膨らんだ部分との間の隙間を減らすことができ、その結果、例えば、当該隙間に異物が侵入及び滞留する可能性が低下する。このことは、蓄電素子の信頼性の向上に寄与する。
【0013】
また、本発明の一態様に係る蓄電素子において、前記薄肉部または前記切り欠き部は、前記平面視において、前記絶縁部材の第一方向で対向する位置のそれぞれに配置されており、かつ、前記絶縁部材の、前記第一方向と直交する第二方向における中央部に配置されているとしてもよい。
【0014】
この構成によれば、絶縁部材が、180°の回転対称の形状に形成されるため、例えば、絶縁部材を蓋板に配置する配置工程において、絶縁部材の向きの選択肢が少なくとも2つあり、その2つのいずれでも問題がないため、配置工程の効率化、または、絶縁部材の配置ミスの可能性の低減等が図られる。つまり、信頼性の高い蓄電素子を効率よく製造することができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係る蓄電素子において、前記薄肉部または前記切り欠き部は、前記平面視において、前記絶縁部材の第一方向で対向する位置のそれぞれに配置されており、かつ、前記絶縁部材の、前記第一方向と直交する第二方向で対向する位置のそれぞれに配置されているとしてもよい。
【0016】
この構成によれば、例えば、平面視において略正方形の端子本体の中央に軸部が設けられた電極端子において4辺に膨らみが生じた場合であっても、絶縁部材は、各辺の膨らみを無理なく収容することができる。つまり、例えば、蓄電素子に求められる仕様に応じるために、略正方形の端子本体が採用された場合であっても、信頼性の高い蓄電素子を得ることができる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る蓄電素子において、前記端子本体は、前記平面視において、前記軸部の両側のそれぞれに、外部の導電部材が接合される接合面部を有するとしてもよい。
【0018】
この構成によれば、例えば、端子本体における、機械的に固定された部分の両側に接合面部が存在することで、例えばバスバー等との接合面積が比較的に大きくなる。また、端子本体にバスバー等の導電部材をバランスよく接合することができるため、端子本体の安定化が図られる。
【0019】
また、本発明の一態様に係る蓄電素子において、前記絶縁部材は、前記容器と前記端子本体との間に位置する底面部に形成された凸部であって、前記薄肉部または前記切り欠き部の近傍に位置する凸部を有するとしてもよい。
【0020】
この構成によれば、例えば、凸部によって端子本体の膨らみ部分を下から(容器の側から)支えることができる。そのため、例えば端子本体へのバスバーの溶接時などにおいて、端子本体に押圧力がかけられた場合に、端子本体の膨らみ部分の撓みを抑制することができる。その結果、例えば端子本体の変形が抑制され、このことは蓄電素子の信頼性の向上に寄与する。
【0021】
また、本発明の一態様に係る蓄電素子において、前記絶縁部材はさらに、前記底面部における前記凸部の裏側の位置に形成された凹部を有するとしてもよい。
【0022】
例えば、樹脂成型によって作製される絶縁部材は、肉厚が均一でない場合に収縮等による変形が生じやすい。この点に関し、本態様の絶縁部材では、底面部において凸部の裏側に凹部が形成されている。つまり、底面部の肉厚を大きく変化させない態様で凸部が設けられるため、精度よく絶縁部材が作製される。このことは蓄電素子の信頼性の向上に寄与する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、電極端子の端子本体と容器との間に配置された絶縁部材を備える蓄電素子であって、信頼性の高い蓄電素子を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態及び変形例に係る蓄電素子について説明する。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
【0026】
また、以下で説明する実施の形態及び変形例のそれぞれは、本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態及び変形例で示される形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態及び変形例における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0027】
また、以下実施の形態及び変形例での説明及び図面中において、蓄電素子が有する一対の電極端子の並び方向、一対の集電体の並び方向、電極体の両端部(一対の合材層非形成部)の並び方向、電極体の巻回軸方向、または、容器の短側面の対向方向をX軸方向と定義する。また、容器の長側面の対向方向、容器の短側面の短手方向、または、容器の厚さ方向をY軸方向と定義する。また、蓄電素子の容器本体と蓋板との並び方向、容器の短側面の長手方向、集電体の脚部の延設方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。
【0028】
(実施の形態)
[1.蓄電素子の全般的な説明]
まず、
図1及び
図2を用いて、実施の形態に係る蓄電素子10の全般的な説明を行う。
図1は、実施の形態に係る蓄電素子10の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る蓄電素子10の容器100内に配置されている構成要素を示す斜視図である。具体的には、
図2は、蓄電素子10を、容器100の蓋板110と容器本体101とを分離して示す斜視図である。
【0029】
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。例えば、蓄電素子10は、EV、HEV、またはPHEV等の各種自動車に適用される。なお、蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電素子10は、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。
【0030】
図1に示すように、蓄電素子10は、容器100と、電極端子200及び300とを備えている。また、
図2に示すように、容器100の内部には、負極側の集電体120と、正極側の集電体130と、電極体400とが収容されている。
【0031】
なお、蓄電素子10は、上記の構成要素の他、集電体120及び130の側方に配置されるスペーサ、または、電極体400等を包み込む絶縁フィルムなどを備えてもよい。また、蓄電素子10の容器100の内部には電解液(非水電解質)などが封入されているが、その図示は省略する。なお、容器100に封入される電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。
【0032】
容器100は、矩形筒状で底を備える容器本体101と、容器本体101の開口を閉塞する板状部材である蓋板110とで構成されている。容器100は、電極体400等を内部に収容後、蓋板110と容器本体101とが溶接等されることにより、内部を密封する構造を有している。なお、蓋板110及び容器本体101の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、またはアルミニウム合金など溶接可能な金属であるのが好ましい。
【0033】
電極体400は、正極板と負極板とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる蓄電要素(発電要素)である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる長尺帯状の集電箔である正極基材層上に正極活物質を含む合材層が形成された極板である。負極板は、銅または銅合金などからなる長尺帯状の集電箔である負極基材層上に負極活物質を含む合材層が形成された極板である。セパレータは、樹脂等からなる微多孔性のシートである。そして、電極体400は、正極板と負極板との間にセパレータが配置され巻回されて形成されている。
【0034】
電極体400の巻回軸方向(本実施の形態ではX軸方向)の両端のそれぞれには、基材層である金属箔が積層されて形成された、集電体120または130と接合される端部が存在する。具体的には、電極体400は、巻回軸方向の一端(
図2ではX軸方向マイナス側の端部)に、正極板の基材層が積層されて形成された正極側端部411aを有する。また、電極体400は、巻回軸方向の他端(
図2ではX軸方向プラス側の端部)に、負極板の基材層が積層されて形成された負極側端部421aを有する。
【0035】
なお、本実施の形態では、電極体400の断面形状として長円形状を図示しているが、楕円形状、円形状、多角形状などでもよい。また、電極体400の形状は巻回型に限らず、平板状極板を積層した積層型であってもよい。
【0036】
負極端子である電極端子200は、集電体120を介して電極体400の負極と電気的に接続されている。正極端子である電極端子300は、集電体130を介して電極体400の正極と電気的に接続されている。電極端子200及び300は、電極体400の上方に配置された蓋板110に、絶縁性を有する上絶縁部材250及び350を介して取り付けられている。
【0037】
集電体120及び130は、電極体400と容器100の壁面との間に配置され、電極端子200及び300と、電極体400の負極板及び正極板とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、集電体130の材質は限定されないが、例えば、電極体400の正極基材層と同様に、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。また、集電体120についても、材質は限定されないが、例えば、電極体400の負極基材層と同様に、銅または銅合金などで形成されている。
【0038】
本実施の形態では、集電体120及び130のそれぞれは、電極体400と、超音波接合によって接合されている。つまり、集電体120は、電極体400の負極側端部421aと、超音波接合によって接合されている。また、集電体130は、電極体400の正極側端部411aと、超音波接合によって接合されている。
【0039】
[2.電極端子の容器への取り付け構造]
次に、本実施の形態に係る蓄電素子10における、電極端子の蓋板110への取り付け構造について、
図3〜
図6を用いて説明する。なお、本実施の形態では、電極端子200及び300それぞれの蓋板110への取り付け構造は共通している。そのため、以下では、負極側の電極端子200の蓋板110への取り付け構造について説明し、正極側の電極端子300の蓋板110への取り付け構造についての図示及び説明は省略する。
【0040】
図3は、実施の形態に係る電極端子200の蓋板110への取り付け構造を示す分解斜視図である。なお、
図3において、軸部210は、かしめられる前の状態が図示されており、端子本体201の膨らみ(
図4に示す膨出部201a)は表されていない。
【0041】
図4は、実施の形態に係る電極端子200の構成概要を示す平面図であり、
図5は、実施の形態に係る上絶縁部材250の構成概要を示す平面図である。なお、
図5では、軸部210(
図5に図示せず)の中心点(平面視における軸心の位置)Pが黒丸によって表されている。このことは、後述する
図8についても同じである。
【0042】
図6は、実施の形態に係る上絶縁部材250の構成概要を示す断面図である。具体的には、
図6では、
図5におけるVI−VI線断面が図示されている。なお、
図6では、軸部210(
図6に図示せず)の中心軸(中心点Pを通り、かつ、軸方向に平行な仮想軸)Acが一点鎖線で表されている。このことは、後述する
図7についても同じである。
【0043】
図3に示すように、本実施の形態において、電極端子200は、端子本体201と軸部210とを有する。端子本体201は、上絶縁部材250を介して容器100の蓋板110に配置され、軸部210を介して、容器100内の集電体120と電気的に接続されている。
【0044】
より具体的には、電極端子200に備えられた軸部210は、上絶縁部材250の貫通孔252、蓋板110の開口部112、下絶縁部材280の開口部282、及び、集電体120の開口部123に挿入されて先端部がかしめられる。これにより、電極端子200は、上絶縁部材250、下絶縁部材280、及び集電体120とともに蓋板110に固定される。
【0045】
集電体120は、開口部123が形成された端子接続部121と、端子接続部121から延設された一対の脚部122とを有しており、一対の脚部122は、上述のように、電極体400の負極側端部421aと接合される。
【0046】
このように、本実施の形態では、電極端子200に接続された軸部210の先端部がかしめられることで、電極端子200及び集電体120の電気的及び機械的な接続と、これら部材並びに上絶縁部材250及び下絶縁部材280の容器100(蓋板110)への固定とが行われる。
【0047】
また、本実施の形態において、蓋板110と電極端子200との間に配置される上絶縁部材250は、軸部210が貫通する貫通孔252を形成する筒状部259を有しており、筒状部259が、軸部210と蓋板110の開口部112との間の気密を維持する役割を有している。つまり、上絶縁部材250は、いわゆるガスケットとしての役割も有している。なお、上絶縁部材250及び下絶縁部材280のそれぞれは、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、または、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等の絶縁性を有する素材で形成されている。
【0048】
本実施の形態において、端子本体201は、例えばバスバーと接合されることで、バスバーを介して電気エネルギーの入出力を行う部材である。端子本体201とバスバーとを接合する手法としては、例えばレーザー溶接が用いられる。
【0049】
ここで、レーザー溶接を用いてバスバーと端子本体201とを接合する場合、例えば腐食防止及び溶接性の観点から、これら部材はアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されることが望ましい。その一方で、負極側の集電体120は、銅または銅合金で構成されているため、集電体120と機械的及び電気的に接続される軸部210は、銅または銅合金で構成されることが望ましい。
【0050】
従って、電極端子200を作製する場合、例えばアルミニウム製の端子本体201と銅製の軸部210との異種金属同士の接合(異種接合)が必要となる。この異種接合の手法として、一般的には、量産性に優れ、かつ、低コストである塑性接合(塑性変形を用いた接合)が用いられる。塑性接合の例としてはスピンカシメ等によるカシメ接合がある。
【0051】
例えば、軸部210と端子本体201との接合の手法としてカシメ接合を用いた場合、端子本体201の貫通孔に挿入された軸部210が軸方向に押圧されて径方向に膨張し、その結果、端子本体201に変形が生じる場合がある。
【0052】
具体的には、
図4に示すように、端子本体201の、軸部210の側方の位置に膨らみ(膨出部201a)が生じる。つまり、平面視において角丸長方形状であった端子本体201の、軸部210の側方の位置に膨出部201aが形成される。なお、本実施の形態では、平面視における端子本体201の長手方向(X軸方向)の略中心、かつ、短手方向(Y軸方向)の略中心に、軸部210の中心点Pが位置している。そのため、端子本体201において、軸部210に近い短手方向の両側の端面202が外側に膨らみ出すことで、膨出部201aが形成されている。
【0053】
例えば、厚さ数mmで、縦横が数cm程度のアルミニウム製の端子本体201に、直径が5mm〜10mm程度の銅製の軸部210をカシメ接合により接合した場合、膨出部201aにおける膨らみ量dは、0.1mm〜1mm程度である。なお、端子本体201の厚みが小さいほど、及び、端子本体201の縦幅または横幅に対する軸部210の直径の割合が大きいほど、膨らみ量dは大きくなる傾向にある。
【0054】
このように、電極端子200は、その製造工程に起因して端子本体201に膨出部201aが形成される。また、膨出部201aは、例えば金型を用いて成形する場合とは違い、複数の端子本体201のそれぞれにおいて、膨らみ量dの個体差(ばらつき)が比較的に大きくなる。従って、端子本体201が取り付けられる絶縁部材における側壁部を、軸部210との接合前の端子本体201の端面202に沿うように形成した場合、膨出部201aによって側壁部が押圧され、その結果、絶縁部材の変形及び樹脂製の絶縁部材の白化が生じ得る。もちろん、膨出部201aが生じた端子本体201に対して切削加工(トリミング)を施すことで、膨出部201aを削り取ることも技術的には可能である。しかし、このトリミングを行うことは、蓄電素子10の製造効率の低下、または生産コストの上昇等の問題があるため、現実的には採用し難い。
【0055】
そこで、本実施の形態に係る上絶縁部材250では、
図3、
図5、及び
図6に示すように、側壁部251の一部に薄肉部254が設けられている。これにより、端子本体201の膨出部201aによる側壁部251への圧迫が抑制される。
【0056】
このように、本実施の形態に係る蓄電素子10は、板状の端子本体201及び端子本体201に接続された軸部210を有する電極端子200と、端子本体201及び容器100の間に配置された上絶縁部材250であって、軸部210が貫通する貫通孔252が形成された上絶縁部材250とを備える。上絶縁部材250は、端子本体201の端面202に沿って配置された側壁部251を有している。側壁部251には、平面視において、側壁部251の延設方向(本実施の形態ではX軸方向)と直交する方向(本実施の形態ではY軸方向)における軸部210の中心点Pの側方の位置に、薄肉部254が設けられている。本実施の形態では、
図6に示すように、側壁部251における薄肉部254以外の箇所(少なくとも薄肉部254に隣接する箇所)の厚みはTbであり、薄肉部254における肉厚が最も小さい部分の厚みはTa(Ta<Tb)である。
【0057】
この構成によれば、上絶縁部材250は、端子本体201の膨らんだ部分(膨出部201a)を薄肉部254によって無理なく収容することができる。つまり、本態様の上絶縁部材250では、端子本体201の膨出部201aに対応する位置に、側壁部251の変形しやすい部分である薄肉部254が配置されている。そのため、上絶縁部材250は、端子本体201の膨らみ量dに電極端子200ごとの個体差がある場合において、複数の電極端子200のいずれに対しても適切に保持することができる。より詳細には、少なくとも、側壁部251における薄肉部254がない部分は、例えば端子本体201の端面202に沿う位置に配置されることで、電極端子200(端子本体201)の回り止めまたは位置規制の機能を果たすことができる。
【0058】
もちろん、膨らみ量dの個体差を考慮して、側壁部における軸部210の側方の部分を大きく外に逃がすことで、複数の電極端子200のそれぞれに対応する絶縁部材を構成することも考えられる。しかしながら、この場合、例えば絶縁部材のサイズが大きくなり、その結果、当該絶縁部材が、例えば、小型化が求められる蓄電素子10の仕様と合わなくなる可能性がある。また、膨らみ量dが比較的に小さな電極端子200に対しては、端子本体201と側壁部との隙間が比較的に大きくなり、この隙間に埃等の異物がたまりやすくなるという問題も生じ得る。
【0059】
この点に関し、本実施の形態に係る上絶縁部材250では、側壁部における軸部210の側方の位置に薄肉部254を設けることで、上絶縁部材250の外形を大きくすることなく、膨らみ量dの個体差が比較的に大きな電極端子200のそれぞれを適切に保持することができる。また、軸部210との接合後における端子本体201のトリミングが不要であるため、このことは、例えば、蓄電素子10の製造効率または生産コストの観点から有利である。
【0060】
また、仮に、端子本体201に膨出部が形成されていない場合であっても、薄肉部254の存在が、上絶縁部材250への端子本体201の配置の邪魔になることはない。従って、例えば、正極側の電極端子300に、膨らみの問題が存在しない場合であっても、上絶縁部材350として、上絶縁部材250と同一形状の部材を採用することも可能である。つまり、正極側と負極側とで上絶縁部材を共通化することも可能である。
【0061】
このように、本実施の形態に係る上絶縁部材250は、端子本体201の軸部210の側方の膨らみを許容しつつ、端子本体201の位置規制等を行うことができる。従って、本実施の形態に係る蓄電素子10は、電極端子200の端子本体201と容器100との間に配置された上絶縁部材250を備える蓄電素子であって、信頼性の高い蓄電素子である。
【0062】
また、本実施の形態において、軸部210は、端子本体201に、塑性接合されている。
【0063】
つまり、本実施の形態に係る蓄電素子10では、上絶縁部材250に薄肉部254が設けられているので、塑性接合(端子本体201の膨らみが生じやすく、また、その膨らみ量dにばらつきが生じやすい一方で、高い接合強度が得られる塑性接合)を用いて製造された電極端子200を採用することができる。そのため、軸部210と端子本体201との接合の信頼性が高く、このことは蓄電素子10の信頼性の向上に寄与する。
【0064】
なお、軸部210と端子本体201との接合に用いられる塑性接合としては、カシメ接合の他に、例えば、圧入接合が挙げられる。この場合、端子本体201に設けられた孔に対し、当該孔の内径よりも大きな外径を有する軸部210の端部を圧入することで、端子本体201に軸部210が接合される。この圧入接合が行われた結果、端子本体201における軸部210の側方の位置に膨らみが生じる場合がある。そのため、本実施の形態に係る上絶縁部材250は、軸部210と端子本体201とが圧入接合により接合された場合であっても、白化等の不具合を抑制しつつ、端子本体201を適切に保持することができる。
【0065】
また、本実施の形態において、薄肉部254は、軸部210を中心とする円弧に沿って形成されている。
【0066】
具体的には、本実施の形態では、
図5に示すように、軸部210の中心点Pを中心とする円弧Cに沿った内面を形成する薄肉部254が、側壁部251に設けられている。
【0067】
つまり、端子本体201の膨出部201aの形状に近似した形状の薄肉部254が側壁部251に設けられている。これにより、例えば、薄肉部254と、端子本体201の膨出部201aとの間の隙間を減らすことができ、その結果、例えば、当該隙間に異物が侵入、滞留する可能性が低下する。このことは、蓄電素子10の信頼性の向上に寄与する。
【0068】
また、本実施の形態において、薄肉部254は、平面視において、上絶縁部材250の第一方向(本実施の形態ではY軸方向)で対向する位置のそれぞれに配置されている。また、薄肉部254は、平面視において、上絶縁部材250の、第一方向と直交する第二方向(本実施の形態ではX軸方向)における中央部に配置されている。
【0069】
つまり、上絶縁部材250は、中心点Pを中心とする180°の回転対称の形状に形成されている。そのため、例えば、上絶縁部材250を蓋板110に配置する配置工程において、上絶縁部材250の向きの選択肢が少なくとも2つあり、その2つのいずれでも問題がない。その結果、配置工程の効率化、または、上絶縁部材250の配置ミスの可能性の低減等が図られる。つまり、信頼性の高い蓄電素子10を効率よく製造することができる。
【0070】
また、本実施の形態において、端子本体201は、
図4に示すように、平面視において、軸部210の両側のそれぞれに、外部の導電部材が接合される接合面部205を有する。なお、
図5では、接合面部205のおおよその領域を、ドットを付した領域として表している。
【0071】
この構成では、端子本体201における、機械的に固定された部分(軸部210が存在する部分)の両側に接合面部205が存在することになる。その結果、例えばバスバー等の導電部材との接合面積が比較的に大きくなる。また、端子本体201にバスバー等の導電部材をバランスよく接合することができるため、端子本体201の安定化が図られる。なお、
図5では、軸部210に対して、端子本体201の長手方向(X軸方向)の両側にのみ接合面部205が存在しているが、これら一対の接合面部205に換えてまたは加えて、端子本体201の短手方向(Y軸方向)の両側に接合面部205が配置されてもよい。
【0072】
また、本実施の形態において、上絶縁部材250は、
図6に示すように、容器100と端子本体201との間に位置する底面部253に形成された凸部255であって、薄肉部254の近傍に位置する凸部255を有する。
【0073】
なお、底面部253は、上絶縁部材250において、例えば、端子本体201の裏面(Z軸方向マイナス側の面)に対向する底面253aを形成する部分である。
【0074】
このように、本実施の形態では、薄肉部254の近傍に、底面253aから上方に突出する凸部255が設けられている。これにより、例えば、凸部255によって端子本体201の膨出部201aを下から(容器100の側から)支えることができる。そのため、例えば端子本体201へのバスバーの溶接時などにおいて、端子本体201に押圧力がかけられた場合に、端子本体201の膨出部201aの撓みを抑制することができる。その結果、例えば端子本体201の変形が抑制され、このことは蓄電素子10の信頼性の向上に寄与する。
【0075】
また、本実施の形態において、上絶縁部材250はさらに、
図6に示すように、底面部253における凸部255の裏側の位置に形成された凹部256を有する。
【0076】
ここで、例えば樹脂成型によって作製される上絶縁部材250は、肉厚が均一でない場合に収縮等による変形が生じやすい。この点に関し、本実施の形態に係る上絶縁部材250では、底面部253において凸部255の裏側に凹部256が形成されている。つまり、底面部253の肉厚を大きく変化させない態様で凸部255が設けられるため、精度よく上絶縁部材250が作製される。このことは蓄電素子10の信頼性の向上に寄与する。
【0077】
以上、実施の形態に係る蓄電素子10について説明したが、蓄電素子10は、
図3〜
図6に示す態様とは異なる態様の上絶縁部材250を備えてもよい。そこで、以下に、蓄電素子10における上絶縁部材250に関する構造についての変形例を、上記実施の形態との差分を中心に説明する。
【0078】
(変形例1)
図7は、実施の形態の変形例1に係る上絶縁部材250aの構成概要を示す斜視図である。
図7に示す上絶縁部材250aは、上記実施の形態に係る上絶縁部材250に換えて、端子本体201及び容器100の間に配置される部材である。本変形例に係る上絶縁部材250aには、軸部210(
図3参照)が貫通する貫通孔252が形成されており、かつ、上絶縁部材250aは、端子本体201の端面202(
図3参照)に沿って配置された側壁部251を有している。
【0079】
これらの構成は、上記実施の形態に係る上絶縁部材250と共通している。しかしながら、本変形例に係る上絶縁部材250aの側壁部251には、平面視において、側壁部251の延設方向(本変形例ではX軸方向)と直交する方向(本変形例ではY軸方向)における軸部210の中心点P(
図7における中心軸Ac)の側方の位置に、切り欠き部254aが設けられている。
【0080】
つまり、本変形例に係る上絶縁部材250aでは、側壁部251における軸部210の中心点Pの側方の位置に、薄肉部254に換えて切り欠き部254aが設けられている。これにより、本変形例に係る上絶縁部材250aは、上記実施の形態に係る上絶縁部材250と同様の効果を奏することができる。
【0081】
具体的には、上絶縁部材250aは、端子本体201の膨らんだ部分(膨出部201a)を切り欠き部254aによって無理なく収容することができる。つまり、本変形例に係る上絶縁部材250aでは、端子本体201の膨出部201aに対応する位置に、側壁部251の切り欠かれた部分(側壁部251が存在しない部分)が配置されている。そのため、上絶縁部材250aは、端子本体201の膨らみ量d(
図4参照)に電極端子200ごとの個体差がある場合において、複数の電極端子200のいずれに対しても適切に保持することができる。より詳細には、少なくとも、側壁部251における切り欠き部254aがない部分は、例えば端子本体201の端面202に沿う位置に配置されることで、電極端子200(端子本体201)の回り止めまたは位置規制の機能を果たすことができる。つまり、本変形例に係る上絶縁部材250aは、端子本体201の軸部210の側方の膨らみを許容しつつ、端子本体201の位置規制等を行うことができる。従って、上絶縁部材250aを備える蓄電素子10は、信頼性が高い蓄電素子10である。
【0082】
なお、切り欠き部254aは、例えば、平面視形状が円弧状となるように形成されてもよい。これにより、側壁部251における切り欠き部254aの両端部と、端子本体201の膨出部201aとの間の隙間を減らすことができる。その結果、例えば、側壁部251による、電極端子200(端子本体201)の回り止めまたは位置規制の実効性が向上する。
【0083】
(変形例2)
図8は、実施の形態の変形例2に係る上絶縁部材250bの構成概要を示す平面図であり、
図9は、実施の形態の変形例2に係る電極端子200aの構成概要を示す平面図である。
【0084】
図8に示す上絶縁部材250bは、上記実施の形態に係る上絶縁部材250に換えて、端子本体201及び容器100の間に配置される部材であり、
図9に示す電極端子200aは、上記実施の形態に係る電極端子200に換えて配置される部材である。
【0085】
本変形例に係る電極端子200aは、
図9に示すように、平面視において角丸正方形状であり、軸部210の中心点Pから4辺までの距離は略同一である。そのため、軸部210と端子本体201とのカシメ接合時の押圧力により、平面視における端子本体201の4辺に膨出部201aが形成されている。
【0086】
このように構成された電極端子200aの端子本体201を保持する上絶縁部材250bでは、4つの膨出部201aに対応して、4つの薄肉部254が設けられている。
【0087】
具体的には、本変形例に係る上絶縁部材250bにおいて、薄肉部254は、平面視において、上絶縁部材250bの第一方向(例えばY軸方向)で対向する位置のそれぞれに配置されており、かつ、上絶縁部材250bの第二方向(例えばX軸方向)で対向する位置のそれぞれに配置されている。
【0088】
このように、平面視において略正方形の端子本体201の中央に軸部210が設けられた電極端子200aにおいて4辺に膨出部201aが生じた場合であっても、上絶縁部材250bは、各辺の膨出部201aを無理なく収容することができる。つまり、例えば、蓄電素子10に求められる仕様に応じるために、略正方形の端子本体201が採用された場合であっても、信頼性の高い蓄電素子10を得ることができる。
【0089】
なお、上絶縁部材250bにおいて、4つの薄肉部254のうちの少なくとも1つが、切り欠き部254aに置き換えられてもよい。つまり、端子本体201に複数の膨出部201aが形成されている場合に、上絶縁部材250bは、当該複数の膨出部201aに対応する位置のそれぞれに、薄肉部254または切り欠き部254aを備えていてもよい。また、端子本体201に形成される複数の膨出部201aそれぞれの膨らみ量dは均一である必要はない。
【0090】
(他の実施の形態)
以上、本発明に係る蓄電素子について、実施の形態及びその変形例に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態または変形例に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0091】
例えば、正極側の電極端子300が、負極側の電極端子200と同様に、かしめ接合により接合された端子本体と軸部とで構成されてもよい。この場合、上絶縁部材350の側壁部に薄肉部または切り欠き部を設けることで、電極端子300の端子本体の膨らんだ部分による側壁部への圧迫が抑制される。
【0092】
具体的には、正極側の電極端子300では、端子本体及び軸部の両方が、アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成されることが好ましい。そのため、一般には、例えばアルミニウムの棒材にプレス加工を施すことで、端子本体と軸部とが一体化された部品として、電極端子300が作製される。
【0093】
しかしながら、例えば端子本体の接合面を増やしたいという要求に基づき、比較的に大きな端子本体が必要となる場合がある。この場合、棒材にプレス加工を施すことで端子本体を形成すると、プレス加工後に削除する部分が比較的に大きくなるため、例えばコスト的に不利である。そのため、比較的に大きな端子本体が必要な場合は、端子本体と軸部とを別々の部品として作製した後に、端子本体と軸部とをカシメ接合によって接合する構成が採用される場合がある。つまり、この場合、上記実施の形態に係る電極端子200と同様に、正極側の電極端子300においても端子本体に膨出部が形成される。従って、正極側の上絶縁部材350についても、負極側の上絶縁部材250と同じく薄肉部または切り欠き部を設けることで、膨出部を有する端子本体を、無理なく、かつ、位置規制等が可能な程度に確実に保持することができる。
【0094】
また、例えば、上記実施の形態において、薄肉部254は、円弧Cに沿った形状(
図5参照)であるとしたが、薄肉部254の平面視における形状に特に限定はない。つまり、薄肉部は、平面視において、端子本体201側に開口する凹部として側壁部251に設けられていればよく、凹部の形状は、曲線及び直線のいずれで形成されていてもよい。
【0095】
また、端子本体201と電極端子200との接合は、蓋板110に対して端子本体201と軸部210とが配置された後に行われてもよい。例えば、集電体120に固定された軸部210が、下絶縁部材280の開口部282、蓋板110の開口部112、上絶縁部材250の貫通孔252、及び端子本体201の貫通孔に挿入された状態で、軸部210の先端部がかしめられてもよい。
【0096】
つまり、軸部210は、容器100の外側でかしめられることで、端子本体201と接合されてもよい。この場合、端子本体201が上絶縁部材250に配置された時点では端子本体201に膨らみは生じていないが、軸部210の先端部がかしめられることで、端子本体201の側方に膨出部201aが形成される。このとき、膨出部201aに対向する位置、つまり、側壁部251における軸部210の側方の位置には、薄肉部254または切り欠き部254aが配置されている。これにより、膨出部201aが、側壁部251に白化等の不具合を生じさせるほど押圧することはない。
【0097】
また、本実施の形態では、蓄電素子10は、電極体400を1つのみ備えているが、蓄電素子10が備える電極体400の数は2以上であってもよい。例えば、蓄電素子10が電極体400を2つ備える場合、集電体120は、2つの電極体400と接合される4つの脚部122を有してもよい。
【0098】
また、集電体120が有する脚部122の数は2には限定されない。集電体120は、電極体400の負極側端部421aと接合される少なくとも1つの脚部122を有すれよい。
【0099】
また、例えば、上絶縁部材250等の上絶縁部材が有する複数の薄肉部の厚さは互いに異なっていてもよい。また、上絶縁部材が有する複数の切り欠き部の大きさは異なっていてもよい。例えば、上記実施の形態に係る電極端子200において、軸部210の中心点Pが端子本体201の中央からずれている場合を想定する。この場合、中心点Pから近い位置の膨出部201aの膨らみ量d(
図4参照)は、中心点Pから遠い位置の膨出部201aの膨らみ量dよりも大きいと考えられる。この場合、上絶縁部材250において、中心点Pから近い位置の膨出部201aに対応する薄肉部254の厚さを、中心点Pから遠い位置の膨出部201aに対応する薄肉部254の厚さよりも薄くしてもよい。これにより、例えば、膨らみ量dが互いに異なる2つの膨出部201aのそれぞれと薄肉部254との隙間を過大にすることなく、かつ、2つの膨出部201aを無理なく絶縁部材250に収容することができる。
【0100】
また、上記実施の形態及び変形例に記載された構成を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0101】
また、本発明は、上記説明された蓄電素子として実現することができるだけでなく、当該蓄電素子を複数備える蓄電装置としても実現することができる。