(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外装ケースの開口部に取付けられた封口部材を端子リードが貫通しているコンデンサ本体の封口部材側に、挿通孔を備える台座が設置されるとともに、前記端子リードが前記挿通孔を通って前記台座の外側に配置されるコンデンサであって、
前記台座と前記封口部材の間に形成される樹脂層と、
前記外装ケースの先端部の第1部分と前記台座の接触および前記先端部の第2部分と前記台座との離間により形成される樹脂経路と、
を備え、
前記台座は、前記先端部の第1部分に接触する複数の支持突部を備え、該複数の支持突部により前記樹脂経路が形成され、
前記複数の支持突部は不連続に形成されていることを特徴とするコンデンサ。
外装ケースの開口部に取付けられた封口部材を端子リードが貫通しているコンデンサ本体の封口部材側に、挿通孔を備える台座が設置されるとともに、前記端子リードが前記挿通孔を通って前記台座の外側に配置されるコンデンサの製造方法であって、
不連続に形成された複数の支持突部を含み、前記コンデンサ本体の前記封口部材側を取付けたときに、前記外装ケースの先端部の第1部分に前記複数の支持突部で接触するとともに前記先端部の第2部分から離間する台座を形成する工程と、
前記台座を前記コンデンサ本体の前記封口部材側に取付け、前記複数の支持突部による前記先端部の第1部分への接触および前記先端部の第2部分からの離間により樹脂経路を形成する工程と、
前記台座と前記封口部材の間に樹脂層を形成する工程と、
を含むことを特徴とするコンデンサの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願の実施の形態が解決しようとする課題は、コンデンサの密閉性に関連する。たとえば、封口体と台座の間の樹脂層は、たとえば台座設置後の樹脂注入により形成される。このような樹脂層の形成において、端子リードを通す挿通孔を台座が備え、この挿通孔を樹脂が通り台座の配線板との接触面側に流出すると、封口体と台座の間に充填される樹脂量が流出した樹脂量に応じて減少する。配線板への実装に不具合が生じないように、外部に流出した樹脂を除去するなどの処置が必要であるという課題がある。挿通孔からの樹脂の流出を防止するために挿通孔から樹脂が確認されたタイミングで樹脂の充填を停止させると、封口体と台座の間に樹脂が十分に充填されず、封口体と台座との間に未充填の部分が発生することがある。充填される樹脂量が著しく減少すると、コンデンサの密閉性が低下するという課題がある。これらの課題に鑑み、本願の実施の形態は、たとえば封口体と台座の間に充填される樹脂の流出を抑制すること、または樹脂流出によるコンデンサの密閉性の低下を抑制することを目的とする。台座が挿通孔の周りに突出部を備えるので、挿通孔からの樹脂の流出を抑制することができる、という効果が得られる。また、樹脂流出の抑制により封口部材と台座の間に樹脂を行き渡らせることができ、高い密閉性が得られる、という効果が得られる。温度上昇により電解液の蒸散の可能性が高くなるが、この電解液の蒸散を抑制することができ、高温環境下でコンデンサを使用することができる、という効果が得られる。電解液の蒸散によるコンデンサ寿命の低下を抑制することができる、という効果が得られる。
【0016】
たとえば、樹脂層の周囲部の密閉機能は、樹脂層の中央部よりも制限される可能性がある。封口体と台座の間の樹脂層の周囲部、つまり封口体の周囲部における密閉機能の制限は、コンデンサの密閉性に影響する可能性があるという課題がある。この課題に鑑み、本願の実施の形態は、たとえば樹脂によるコンデンサの密閉領域を拡大させることを目的とする。台座と外装ケースの先端部の離間により形成される樹脂経路を備えるので、樹脂の配置領域が外装ケースの先端部外側と台座との間にまで拡大し、コンデンサの密閉性を高めることができる。
【0017】
たとえば、封口体と台座の間の樹脂層は、たとえば台座設置後の樹脂注入により形成される。注入される樹脂の流れの乱れは、封口体と台座の間の空気が外部へ向かう排出経路を消失させる可能性があり、気泡が封口体と台座の間に残留する可能性が高まる。過大な気泡は、封口体と台座の間に充填される樹脂量を減少させ、コンデンサの密閉性を低下させるという課題がある。コンデンサの密閉性に影響を与えない程度の気泡であっても、コンデンサの密閉性が低下するかも知れないという懸念を生じさせるという課題がある。また、製品の品質管理の観点から、無用な懸念を生じさせる気泡の残留は好ましくない、という課題がある。上記課題に鑑み、本願の実施の形態は、たとえば気泡の残留を抑制することを目的とする。突出部を備えるので、気泡の残留が抑制され、コンデンサの密閉性の低下を抑制し、信用を維持することができる。
第1の実施の形態
【0018】
本発明の第1の実施の形態について、
図1ないし
図4を参照して説明する。
図1は第1の実施の形態に係るコンデンサの一例を示す断面図である。
【0019】
コンデンサ2は電子部品の一例であり、たとえば、電解コンデンサや電気二重層コンデンサである。このコンデンサ2はコンデンサ本体4と台座6と樹脂層8とを備えている。コンデンサ本体4は、単体でコンデンサとして用いることができる。このコンデンサ本体4は、外装ケース10とコンデンサ素子12と封口部材14とを備えている。外装ケース10内にコンデンサ素子12が封入され、外装ケース10の開口部に封口部材14が取付けられている。
【0020】
外装ケース10は、有底筒状のアルミニウムケースである。コンデンサ素子12は、陽極箔と陰極箔の間にセパレータを介在させて巻回させた巻回素子であって、同一素子面より端子リード16−1、16−2が導出している。このコンデンサ素子12には、電解液を含浸させている。封口部材14はゴムなどの絶縁性ゴムで形成されている。
【0021】
コンデンサ素子12の端子リード16−1、16−2が封口部材14を貫通し、外装ケース10の開放端がカーリング処理されて封口部材14に食い込んでいる。このカーリング処理された外装ケース10の開放端と封口部材14により、コンデンサ本体4の封口部が形成されている。
【0022】
このコンデンサ本体4の封口部に台座6が設置される。つまり、コンデンサ本体4の封口部材14側に台座6が設置されている。台座6は絶縁合成樹脂などの絶縁板で形成されている。この絶縁合成樹脂は、配線板に実装する際の加熱に耐える程度の耐熱性を有していればよく、たとえばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、およびポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ユリア樹脂、液晶ポリマー(LCP)、フェノール樹脂、またはエポキシ樹脂である。
【0023】
コンデンサ本体4から突出している一対の端子リード16−1、16−2は、台座6に形成された一対の挿通孔18−1、18−2を貫通し、台座6の外側に引き出されている。これらの挿通孔18−1、18−2の周囲には、挿通孔18−1、18−2を囲う突出部20が備えられている。この突出部20は、封口部材14に対向し、突出部20に隣接する樹脂層8と挿通孔18−1、18−2とを隔てている。また、台座6は、外装ケース10の開放端の外側に配置されるとともに、開放端を囲う周壁22を、台座6の周囲部に備えている。
【0024】
突出部20の高さは、たとえば封口部材14の外表面と外装ケース10の開放端との高低差Hに設定されている。突出部20の高さが高低差Hであると、外装ケース10の開放端と台座6とが接触するとともに、台座6の突出部20と封口部材14とが接触する。外装ケース10および突出部20が支持部として機能することにより、台座6の設置が安定するとともにコンデンサ本体4が周囲部と中央部の両方で支持される。また、封口部材14に接触する突出部20は、樹脂層8を形成する樹脂が挿通孔18−1、18−2に侵入するのを高い水準で抑制することができる。この場合、コンデンサ本体4の封口部と台座6の間のわずかな隙間により空気の流路が形成される。
【0025】
突出部20の高さは、高低差Hよりも低くてもよく、高くてもよい。高低差Hよりも低い突出部20は、樹脂層8を形成する樹脂が挿通孔18−1、18−2に侵入するのを抑制することができる。また、突出部20と封口部材14の間に隙間が形成され、この隙間により台座6の挿通孔18−1、18−2への空気の流路を形成することができる。高低差Hよりも高い突出部20は、封口部材14と接触し、樹脂層8を形成する樹脂が挿通孔18−1、18−2に侵入するのを高い水準で抑制することができる。外装ケース10の開放端と台座6の間に隙間が形成され、この隙間により空気の流路を形成することができる。
【0026】
樹脂層8は、突出部20の外側でありかつ外装ケース10の開放端の内側であって、台座6と封口部材14の間に備えられる。この樹脂層8は、コンデンサ本体4と台座6とを密着させ、台座6とともにコンデンサ本体4の封口部を封止する。樹脂層8を形成する樹脂は、たとえば封口部を封止する封止樹脂であって、充填時には液状であるが、充填後に固化する。充填時には、コンデンサ本体4と台座6の間の隙間を液状の樹脂で満たし、充填後には、樹脂が固化して樹脂層8を形成する。樹脂層8を形成する樹脂は、台座6、外装ケース10および封口部材14に対して親和性があり、気体の遮断性を有すればよく、アルミニウムの線膨張係数(約23×10
-6/℃)に近い線膨張係数を有し、硬化する際の収縮量が少なく、非吸湿性を有することが好ましい。樹脂は、たとえばエポキシ樹脂、アルキッド系樹脂、ウレタン樹脂、熱硬化性樹脂、または紫外線硬化樹脂であればよい。また、エポキシ樹脂は、たとえば酸無水物を用いた二液混合型のエポキシ樹脂であってもよいし、一液型のエポキシ樹脂であってもよい。
【0027】
端子リード16−1、16−2は導電性のよい金属で形成されている。端子リード16−1は陽極側端子であって、コンデンサ素子12の陽極箔から引き出されるリード部と配線板24に実装される端子部とを備え、これらが溶接等により接続されて一体化したものである。
【0028】
端子リード16−2は陰極側端子であって、コンデンサ素子12の陰極箔から引き出されるリード部と配線板24に実装される端子部とを備え、端子リード16−1と同様に、これらが溶接等により接続されて一体化したものである。リード部はたとえば円柱状であり、端子部は、たとえば配線板24への実装面側を平坦化し、断面を矩形形状にしたものである。
【0029】
そして、端子リード16−1、16−2の端子部は、台座6に形成されたガイド溝26−1、26−2に沿って相反方向に折り曲げられて台座6のガイド溝26−1、26−2に配置されている。このような構成において、台座6は端子リード16−1、16−2の配置を規制し、コンデンサ2の端子板として機能する。なお、ガイド溝26−1、26−2に代えて、ガイド突起を台座6の配線板24への実装面側に設けてもよい。この場合、端子リード16−1、16−2の端子部は、台座6に形成されたガイド突起に沿って相反方向に折り曲げられる。ガイド突起は、端子リード16−1、16−2の端子部をガイドし、折り曲げられた端子リード16−1、16−2の周囲に設けられることで、実装時のコンデンサ2の安定性を確保することができる。
【0030】
台座6は、
図2に示すように、周壁22よりも台座6の内側に支持突部202を備えていてもよい。この支持突部202は、外装ケース10の先端部を支持する突出部の一例であって、樹脂層8に隣接し、台座6が外装ケース10の先端部に接触する位置に不連続に形成される。支持突部202の形成部分では、外装ケース10の先端部の第1部分が台座6の支持突部202に接触し、支持突部202の分断部分では、外装ケース10の先端部の第2部分が台座6から離間し、外装ケース10の先端部と台座6の間に隙間が形成される。この外装ケース10の先端部と台座6の間の隙間は、台座6の周壁22と外装ケース10の外周面の間に樹脂を流入するための樹脂経路201を形成する。
【0031】
支持突部202を備えることで、樹脂が外装ケース10と台座6の間の隙間を通り、周壁22と外装ケース10の外周面の間に到達する。周壁22と外装ケース10の間および台座6と外装ケース10の先端部の間に樹脂が充填され、樹脂によるコンデンサ2の密閉性を高めることができる。
【0032】
台座6が支持突部202を備える場合、突出部20の高さは、
図2に示すように、たとえば高低差Hに支持突部202の高さを加えて得られる高さHαに設定される。突出部20が高さHαに設定されると、支持突部202がないときの高低差Hを有する突出部20と同様の利点を得ることができる。突出部20は、高さHαよりも低くてもよく、高くてもよい。
【0033】
カーリング処理された外装ケース10の開放端は、
図2に示すように、封口部材14から離れていてもよい。外装ケース10の開放端を封口部材14から離す場合、たとえば外装ケース10の側面を加締めて封口部材14を固定する。外装ケース10の開放端が封口部材14から離れ、隙間が形成されていると、該隙間から樹脂をカーリング処理された外装ケース10の開放端の内側に注入することができ、より密封性が向上する。また、外装ケース10の開放端が樹脂層8内に配置されるので、外装ケース10と樹脂層8とがより一体的になり、樹脂層8と外装ケース10との固着強度が向上する。
【0034】
次に、台座6について、
図3および
図4を参照する。
図3のAは、台座6の平面図であり、コンデンサ本体4に設置される本体設置面であって、台座6の封口部材側の面部を示している。
図3のBは、
図3のAにおけるB−B断面を示している。
図3のCは、台座6の底面図であり、本体設置面の対向面であって、台座6の外側面を示している。
図4のAは、台座6の斜視図であり、
図4のBは、樹脂の流れを示している。
図4のBに示す矢印は、樹脂の注入経路を示している。
図3および
図4に示す台座6では、支持突部202が省略されているが、支持突部202が備えられていてもよい。
【0035】
図3のAに示すように、台座6の挿通孔18−1と挿通孔18−2を結ぶ仮想線L1と挿通孔18−1と挿通孔18−2の中間点Oを想定する。この中間点Oを通り仮想線L1に直交する中心線L2上に樹脂注入孔28が形成される。この樹脂注入孔28は樹脂の注入に用いられる挿通孔の一例であり、挿通孔18−1、18−2から等距離に形成されている。周壁22の内側面は、有底筒状の外装ケース10の外周に沿わせるため、円形状を有する。なお、周壁22の内側面は、外装ケース10の外周より大きくてもよい。この場合、
図2に示すように、外装ケース10の周囲と周壁22との間に樹脂が充填されていてもよい。このようにすることで、より密閉性または密封性を保つことができる。
【0036】
樹脂注入孔28に対向している突出部20の対向面部は、円弧形状の後退部30とこの後退部30の左右に配置された平坦部32−1、32−2とを備える。対向面部以外の突出部20の外縁部は、周壁22が形成する円と中心を共有する円弧形状に形成されている。このような円弧形状の外縁部の中間部であって、樹脂注入孔28から離れた中心線L2上には、開口34が形成され、突出部20の内側には、開口34に接続する長円形状の後退部36が形成されている。
【0037】
後退部30は、樹脂注入孔28から注入された樹脂を円弧形状により中心線L2に対して左右に誘導する。後退部30が中間点O側に後退しているので、樹脂の配置範囲を拡大させることができる。平坦部32−1、32−2は、中心線L2に対して左右に樹脂を誘導し、挿通孔18−1、18−2への樹脂の侵入を抑制する。また、
図4のBに示すように、円弧形状に形成された外縁部は、樹脂が挿通孔18−1、18−2の外側を流れるように樹脂を誘導し、挿通孔18−1、18−2への樹脂の侵入を抑制する。また、外縁部が円弧形状を有するので、外縁部は樹脂注入孔28から注入された樹脂を
図4のBに示す樹脂の注入経路に沿って円滑に挿通孔18−1、18−2の背面側に誘導することができる。また、開口34および後退部36は、樹脂の配置範囲を拡大させている。突出部20および周壁22は、中心線L2に対して左右対称に形成されているので、樹脂注入孔28から注入された樹脂を中心線L2に対して左右対称に流すことができる。
【0038】
突出部20の一部は、樹脂注入において樹脂が最終的に到達する終端部204の周囲部であって、終端部204と樹脂注入孔28の間に配置されている。この突出部20は、樹脂注入孔28から注入される樹脂が真っ直ぐに終端部204に到達するのを抑制し、樹脂が樹脂注入孔28から遠い部分まで行き渡る前にこの終端部204が樹脂で埋まることを抑制する。つまり、突出部20は、終端部204が樹脂に埋められるまでの時間を稼ぎ、終端部204の近傍における空気の残留を抑制する。空気の残留抑制により、コンデンサ2の密閉性が高められる。突出部20は、終端部204の周囲の50パーセント以上を囲うように配置されることが好ましく、66パーセント以上を囲うように配置されることが望ましい。樹脂が終端部204に流入できるように、終端部204の一部、たとえば終端部204の周囲の10パーセントは、突出部20に囲われず、開口している。
【0039】
周壁22は、
図3のBに示すように、突出部20より高くてもよく、突出部20と同じ高さまたは突出部20より低くてもよい。台座6の外側面には、
図3のCに示すように、挿通孔18−1、18−2から外側に延びるガイド溝26−1、26−2が形成されている。このガイド溝26−1、26−2は、中心線L2に対して左右対称に配置されている。
〔コンデンサの製造工程〕
【0040】
このコンデンサの製造工程は、本発明のコンデンサの製造方法の一例であって、この製造工程には、コンデンサ本体4の形成工程、台座6の形成工程、台座6をコンデンサ本体4に取付ける取付工程、端子リード16−1、16−2の成形工程、および樹脂の注入工程が含まれる。
【0041】
コンデンサ本体4の形成工程では、先ず、端子リード16−1を接続した陽極箔と端子リード16−2を接続した陰極箔の間にセパレータを介在させて巻回して、コンデンサ素子12を形成する。コンデンサ素子12に電解液を含浸させ、このコンデンサ素子12を外装ケース10に封入後、外装ケース10の開口部に封口部材14が取付けられ、コンデンサ本体4が形成される。外装ケース10は、たとえばアルミニウムから形成される。
【0042】
台座6の形成工程では、台座6を絶縁性合成樹脂から既述の形状に形成する。なお、本実施の形態では、コンデンサ素子12に電解液を含浸して電解コンデンサを形成したが、これに限らず、導電性高分子を含浸させて固体電解質層を形成したコンデンサ素子12を用いて固体電解コンデンサとしてもよいし、導電性高分子を含浸したコンデンサ素子12に電解液を含浸させるハイブリッド型コンデンサとしてもよい。
【0043】
台座6の取付工程では、台座6の挿通孔18−1、18−2にコンデンサ本体4の端子リード16−1、16−2を貫通させる。そして、台座6を移動させて台座6をコンデンサ本体4の封口部材側に取付ける。この取付工程では、台座6の突出部20を封口部材側に配置させる。
【0044】
端子リード16−1、16−2の成形工程では、端子リード16−1、16−2が台座6のガイド溝26−1、26−2に沿って折り曲げられ、端子リード16−1、16−2の端子部がガイド溝26−1、26−2に配置される。この成形工程により、台座6がコンデンサ本体4に固定される。
【0045】
樹脂の注入工程では、台座6の樹脂注入孔28から注入された液状の樹脂が、コンデンサ本体4と台座6の間の隙間に充填される。注入された樹脂がコンデンサ本体4と台座6の間で樹脂層8を形成する。樹脂注入にはたとえばディスペンサが用いられる。
【0046】
この第1の実施の形態について、特徴事項、利点又は変形例等を以下に列挙する。
【0047】
(1) 既述のコンデンサ2では、電子機器の小型化、配線板24への表面実装の効率化等の要請に対応できる。
【0048】
(2) 既述のコンデンサ2では、台座6に形成された突出部20が樹脂注入孔28から注入された液状の樹脂を誘導し、コンデンサ本体4と台座6の間の隙間への円滑な樹脂充填を実現できる。また、台座6および樹脂層8によりコンデンサの密閉性が高められ、電解液の蒸散抑止構造を実現できる。その結果、高温環境下でのコンデンサの使用であっても一定のコンデンサ寿命を得ることができる。
【0049】
(3) 既述のコンデンサ2では、台座6の突出部20が挿通孔18−1、18−2からの樹脂流出を抑制し、樹脂充填量の低下やばらつきが抑制され、コンデンサの品質を一様にすることができる。挿通孔18−1、18−2から樹脂が流出すると、端子リード16−1、16−2に対して押し上げ力が働くことになる。しかしながら、既述のコンデンサ2では、樹脂流出が抑制されるので、樹脂が端子リード16−1、16−2を押し上げることがなく、端子リード16−1、16−2の配線板24とのはんだ付けする部分が台座6の配線板24への実装面側から離間することが抑制され、端子リード16−1、16−2の折り曲げ性を向上させることができる。
【0050】
(4) 既述のコンデンサ2では、台座6および樹脂層8による電解液の蒸散抑止構造を含むので、薄い封口部材14を使用することができ、コンデンサ2の小型化または低背化の要請に対応できる。
【0051】
(5)
図2に示すように、台座6が周壁22よりも内側に支持突部202を備えるので、支持突部202の分断部分において外装ケース10の先端部が台座6から離間し、外装ケース10の外側面と台座6の間に隙間を形成することができる。この隙間を介して樹脂が広がり、コンデンサ2の密閉性を高めることができる。隙間を形成するため、支持突部202を外装ケース10の先端部に形成してもよい。台座6側の支持突部202は、台座6の成形の際に、一体的に成形することができる。つまり、支持突部202の成形負担を抑えることができる。
【0052】
(6) 突出部20の一部は、樹脂注入の終端部204と樹脂注入孔28の間に配置されているので、終端部204の近傍における空気の残留が抑制され、コンデンサ2の密閉性の低下を抑制し、密閉性の信用を維持することができる。
【0053】
(7) 台座6、樹脂層8、外装ケース10および封口部材14の形成材料は、上記材料に限定されることなく、適宜変更してもよい。台座6が透明または半透明であり、樹脂層8が有色であるのが好ましい。たとえばポリカーボネート(PC)樹脂を用いることで、台座6を透明または半透明にすることができる。これらの台座6および樹脂層8を用いることで、台座6の外側面を介して樹脂の充填状態を確認することができる。
【0054】
(8) 突出部20は、挿通孔18−1、18−2を囲えばよく、既述の形状に限定されることなく、適宜変更してもよい。たとえば
図5に示すように、樹脂注入孔28に対向する対向面部が後退部30および平坦部32−1、32−2を備え、この対向面部に対向する面部(対向面部の反対面部)が、対向面部と同様に、後退部30および平坦部32−1、32−2を備えていてもよい。更に、突出部20が仮想線L1に対して対称に形成され、対向面部の反対面部と対向面部とが同一の形状を有するようにしてもよい。このような突出部20によれば、挿通孔18−1、18−2からの樹脂流出抑止機能を損なうことがなく、樹脂の配置範囲を拡大させることができる。
図5に示す台座6では、支持突部202が省略されているが、支持突部202が備えられていてもよい。
【0055】
(9) 既述のコンデンサ2の突出部20は、挿通孔18−1、18−2の全周を囲っていたが、突出部20は部分的に分断されていてもよく、突出部20に溝もしくは貫通孔等の通気路が形成されていてもよい。たとえば樹脂注入において樹脂が最後に流れ込む終端部204に隣接する突出部20が分断され、または通気路が形成されていても、突出部20による樹脂の誘導機能を損なうことがなく、樹脂の注入により押し出される空気をこの分断部または通気路から排出することができる。また、分断部や通気路は、突出部20の樹脂注入孔28に対向する対向面部に形成しなくてもよい。挿通孔18−1、18−2の縁部の樹脂注入孔28側に突出部20を設けることで、樹脂注入孔28から流れてくる樹脂が挿通孔18−1、18−2に流入することを防ぎつつ、挿通孔18−1、18−2の縁部の樹脂注入孔28から離れた側に分断部または通気路を設けることで、樹脂の注入により押し出される空気を排出することができる。
【0056】
(10) 突出部20は、
図6に示すように、樹脂注入孔28および挿通孔18−1、18−2とは別に貫通孔38を備えていてもよい。この貫通孔38は、たとえば樹脂注入において樹脂が最後に流れ込む終端部204に形成され、樹脂の注入経路に沿って終端部204に到達した樹脂の確認に用いられる。この貫通孔38は、樹脂の注入により押し出される空気の排出にも用いられ、貫通孔38により樹脂の充填状態の確認が容易になるとともに、空気の排出が容易になる。また、突出部20は、貫通孔38の縁部に沿うように配置されている。突出部20が貫通孔38の周囲を囲うように配置されることで、樹脂注入孔28から注入される樹脂が封口部材14と台座6との間に充填される前に、貫通孔38が塞がることを抑制する。つまり、貫通孔38に樹脂が最後に流れ込むように突出部20で囲うことで、空気の残留を抑制しつつ、封口部材14と台座6の間に樹脂を充填することができる。また、突出部20が貫通孔38の縁部に隣接し、この縁部から離れていないので、貫通孔38と突出部20の間に気泡が残留することが抑制される。
図6に示す台座6では、支持突部202が省略されているが、支持突部202が備えられていてもよい。
【0057】
(11) 台座6の外側面から樹脂で挿通孔18−1、18−2を埋めるようにしてもよい。挿通孔18−1、18−2と端子リード16−1、16−2の間が樹脂で埋まり、密閉性を更に高めることができる。
【0058】
(12) 上記実施の形態では、台座6に樹脂注入孔28が形成され、台座6をコンデンサ本体4に設置後に樹脂を注入し、樹脂層8を形成しているが、適宜変更してもよい。コンデンサ本体4または台座6に樹脂を付着させ、その後台座6をコンデンサ本体4の封口部材側に取付けるとともに、樹脂をコンデンサ本体4と台座6の間に行き渡らせて、コンデンサ本体4と台座6の間の隙間を樹脂で満たしてもよい。コンデンサ本体4と台座6の間の隙間を満たす樹脂が樹脂層8を形成することになる。斯かる構成によれば、樹脂注入孔28を設ける必要がない。また、突出部20により樹脂によって挿通孔18−1、18−2が埋まることないので、台座6をコンデンサ本体4に容易に設置できる。
第2の実施の形態
【0059】
この実施の形態のコンデンサは電子部品の一例であり、たとえば電解コンデンサや電気二重層コンデンサである。この実施の形態では、コンデンサ本体4の構成、コンデンサ本体4の封口部材側に台座が設置される構成、コンデンサ本体4と台座の間に樹脂を満たす構成、台座の材質、および樹脂層8を形成する樹脂の材質は、第1の実施の形態と同様でありその説明を省略する。
【0060】
この実施の形態の台座について、
図7を参照する。
図7のAは、台座の斜視図であり、
図7のBは、樹脂の流れを示している。
図7のBに示す矢印は、樹脂の注入経路を示している。
図7において
図3および
図4と同一部分には同一符号を付してある。
図7に示す台座106では、支持突部202を省略しているが、支持突部202が備えられていてもよい。また、
図7に示す台座106では、突出部120−1、120−2による終端部の囲いを省略しているが、終端部の囲いが形成されていてもよい。
【0061】
台座106には第1の実施の形態と同様の挿通孔18−1、18−2が形成されている。これらの挿通孔18−1、18−2の周囲には、挿通孔18−1、18−2を囲う一対の突出部120−1、120−2が備えられ、挿通孔18−1、18−2を個別に囲っている。これらの突出部120−1、120−2は、第1の実施の形態と同様に樹脂層8と挿通孔18−1、18−2とを隔てる。突出部120−1と突出部120−2の間に、樹脂が通るための樹脂通路140が形成されている。台座106が備える周壁22、ガイド溝26−1、26−2および樹脂注入孔28、ならびに突出部120−1、120−2の高さは、第1の実施の形態と同様でありその説明を省略する。
【0062】
図7のAに示すように、樹脂注入孔28に対向している突出部120−1の対向面部は、円弧形状の後退部130−1と平坦部32−1とを備え、樹脂注入孔28に対向している突出部120−2の対向面部は、円弧形状の後退部130−2と平坦部32−2とを備える。後退部130−1および後退部130−2は、一つの円弧の一部である。つまり、各後退部130−1、130−2を円弧状に延長すると、これらの円弧形状は重なる。突出部120−1は、仮想線L1に対して対称に形成され、対向面部に対向する面部(対向面部の反対面部)には、後退部130−1および平坦部32−1が形成されている。突出部120−2も、対称に形成され、対向面部の反対面部には、後退部130−2および平坦部32−2が形成されている。
【0063】
突出部120−1、120−2の樹脂通路140側の外縁部は、平坦である。一方、これらの樹脂通路140側の外縁部に対向する外縁部(樹脂通路140側の外縁部の反対面部)は、周壁22が形成する円と中心を共有する円弧形状に形成されている。
【0064】
円弧形状を有する後退部130−1、130−2は、樹脂注入孔28から注入された樹脂を樹脂通路140に誘導する。後退部130−1、130−2が中間点O側に後退しているので、樹脂の配置範囲を拡大させることができる。平坦部32−1、32−2は、樹脂を左右に誘導し、挿通孔18−1、18−2への樹脂の侵入を抑制する。また、
図7のBに示すように、円弧形状に形成された外縁部(樹脂通路140側の外縁部の反対面部)は、樹脂が挿通孔18−1、18−2の外側を流れるように樹脂を誘導し、樹脂通路140は、樹脂が中心線L2に沿って流れるように樹脂を誘導し、いずれも挿通孔18−1、18−2への樹脂の侵入を抑制する。外縁部が平坦または円弧形状を有するので、外縁部は樹脂注入孔28から注入された樹脂を
図7のBに示す樹脂の注入経路に沿って円滑に挿通孔18−1、18−2の背面側に誘導することができる。また、突出部120−1、120−2は、左右対称に形成されているので、樹脂注入孔28から注入された樹脂を左右対称に流すことができる。
【0065】
この実施の形態に係るコンデンサの製造工程は、第1の実施の形態に係るコンデンサの製造工程と同様であり、その説明を省略する。
【0066】
この第2の実施の形態について、特徴事項、利点又は変形例等を以下に列挙する。
【0067】
(1) 第1の実施の形態と同様の利点が得られ、同様に変形することができる。
【0068】
(2) 既述のコンデンサでは、樹脂が突出部120−1、120−2の外側および樹脂通路140を通るので、短時間で樹脂を充填することができる。
第3の実施の形態
【0069】
この実施の形態のコンデンサは電子部品の一例であり、たとえば電解コンデンサや電気二重層コンデンサである。この実施の形態では、コンデンサ本体4の構成、コンデンサ本体4の封口部材側に台座が設置される構成、コンデンサ本体4と台座の間に樹脂を満たす構成、台座の材質、および樹脂層8を形成する樹脂の材質は、第1の実施の形態と同様でありその説明を省略する。
【0070】
この実施の形態の台座について、
図8を参照する。
図8のAは、台座の斜視図であり、
図8のBは、樹脂の流れを示している。
図8のBに示す曲線状の各破線は、樹脂注入中の一時点における樹脂の先端位置を示し、樹脂が広がる様子を示している。
図8のBに示す矢印は、樹脂の流れを示している。また、
図8のBにおいて周壁22に沿う円形の2点鎖線は、カーリング処理された外装ケース10の内側端の配置位置を示している。
図8において
図2、
図3、
図4および
図6と同一部分には同一符号を付してある。
【0071】
図8に示す台座206は、台座206の周壁22よりも内側にたとえば四つの支持突部202を備えている。この支持突部202は、既述の外装ケース10の先端部の第1部分に接触してこの先端部を支持する突出部の一例であり、封口部に含まれる外装ケースの先端部に対向する位置に形成される。支持突部202の形状は、たとえば円柱形状であり、四つの支持突部202は、四つの支持突部202の中間点に対してたとえば90度間隔に配置されている。二つの支持突部202は、挿通孔18−1、18−2を挟み、挿通孔18−1、18−2の外側に配置されている。また、二つの他の支持突部202は、樹脂注入孔28および貫通孔38を挟み、樹脂注入孔28および貫通孔38の外側に配置されている。四つの支持突部202は、それぞれ挿通孔18−1、18−2、樹脂注入孔28または貫通孔38に対向する。
【0072】
台座206には第1の実施の形態と同様の挿通孔18−1、18−2が形成されている。これらの挿通孔18−1、18−2の周囲には、挿通孔18−1、18−2を囲う一対の突出部220−1、220−2(第1の突出部)が備えられ、挿通孔18−1、18−2を個別に囲っている。これらの突出部220−1、220−2は、第1の実施の形態と同様に封口部材14に対向し、突出部220−1、220−2に隣接する樹脂層8と挿通孔18−1、18−2とを隔てる。突出部220−1と突出部220−2の間に、樹脂が通るための樹脂通路140が形成されている。
【0073】
台座206は、貫通孔38の周囲部であって、貫通孔38と樹脂注入孔28の間に配置されている突出部220−3(第2の突出部)を含んでいる。貫通孔38は、樹脂注入において樹脂が最終的に到達する終端部に形成される。突出部220−3は、樹脂注入孔28から注入される樹脂が真っ直ぐに貫通孔38に到達するのを抑制し、封口部材14と台座206との間で樹脂層8が形成される領域の端部に行き渡る前に貫通孔38が樹脂で埋まることを抑制する。突出部220−3は、貫通孔38の周囲の一部、たとえば3分の2を囲っている。突出部220−3は、貫通孔38の周囲の50パーセント以上を囲うことが好ましく、66パーセント以上を囲うことが望ましい。たとえば、
図16に示すように、貫通孔38の周囲のたとえば10パーセントが突出部220−3に囲われず、開口していればよい。
【0074】
突出部220−3は、貫通孔38の縁部に沿うように配置されている。突出部220−3が貫通孔38の縁部に隣接し、この縁部から離れていないので、貫通孔38と突出部220−3の間に気泡が残留することが抑制される。また、樹脂注入孔28に対向している突出部220−3の外側表面は、湾曲面、たとえば円弧面を有し、樹脂は突出部220−3の外側表面に沿って円滑に流れることができる。
【0075】
台座206が備える周壁22、ガイド溝26−1、26−2および樹脂注入孔28、ならびに突出部220−1、220−2の高さは、第1の実施の形態と同様でありその説明を省略する。
【0076】
樹脂注入孔28から注入された樹脂は、
図8のBに示すように、樹脂注入孔28からその外側に向かって広がる。樹脂は樹脂通路140および突出部220−1、220−2の外側を通って広がる。樹脂は、樹脂層8の形成領域全体に行き渡り、その後、突出部220−3が形成されていない突出部220−3の開口を通り、貫通孔38に到達する。突出部220−1、220−2は、左右対称に形成されているので、樹脂注入孔28から注入された樹脂を左右対称に流すことができる。
〔樹脂の流れの調整〕
【0077】
図9は樹脂の流れの調整の一例を示している。
図9において、支持突部202の図示を省略している。突出部220−1、220−2の厚さは均一であってもよく、不均一であってもよい。たとえば、突出部220−1、220−2の厚さは、
図9に示すように、突出部220−1、220−2の外側厚さToが、突出部220−1、220−2の内側厚さTiよりも薄くなるように設定される。外側厚さToは、台座206の外寄りの突出部220−1、220−2の厚さであり、外側厚さToの増減により突出部220−1、220−2と周壁22の間の隙間の幅が調整される。つまり、外側厚さToは、突出部220−1、220−2と周壁22の間を通過する樹脂の流れF1を調整する。内側厚さTiは、台座206の内寄りの突出部220−1、220−2の厚さであり、内側厚さTiの増減により突出部220−1、220−2間の隙間、つまり樹脂通路140の幅aが調整される。つまり、内側厚さTiは、突出部220−1、220−2間を通過する樹脂の流れF2を調整する。
【0078】
幅aが狭いと、流れF2に沿って流れる樹脂の量が少ない。この場合、流れF2に沿って流れる樹脂が領域Xに到達する前に、流れF1に沿って流れる樹脂が回り込み、領域Yに到達し、空気が領域Xに残留する可能性が高くなる。これに対し、幅aが広いと、流れF2に沿って流れる樹脂の量が多い。この場合、流れF1に沿って流れる樹脂が貫通孔38に到達する前に、流れF2に沿って流れる樹脂が貫通孔38に到達し、空気が領域Yに残留する可能性が高くなる。そこで、領域Xおよび領域Yに安定して樹脂が注入されるように、外側厚さToおよび内側厚さTiを調整してもよい。外側厚さToおよび内側厚さTiの調整により、空気が残留したコンデンサの生産が抑制され、コンデンサの品質のばらつきを抑制することができる。
【0079】
この実施の形態に係るコンデンサの製造工程は、第1の実施の形態に係るコンデンサの製造工程と同様であり、その説明を省略する。
【0080】
この第3の実施の形態について、特徴事項、利点又は変形例等を以下に列挙する。
【0081】
(1) 第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の利点が得られ、同様に変形することができる。
【0082】
(2) 支持突部202が外装ケース10の先端部の第1部分に接触し、外装ケース10の先端部の第2部分と台座206の間に隙間、つまり樹脂経路を形成することができる。樹脂が外装ケース10の先端部の第2部分と台座206の間の隙間を通り、周壁22と外装ケース10の外周面の間に到達し、周壁22と外装ケース10の間および台座6と外装ケース10の先端部の間に充填され、コンデンサの密閉性が高められる。
【0083】
(3) 突出部220−3が貫通孔38と樹脂注入孔28の間に配置されているので、樹脂が封口部材と台座206の間で樹脂層8が形成される領域の端部に行き渡る前に、貫通孔38が樹脂で埋まることを防ぐことで空気の残留が抑制され、コンデンサの密閉性の低下を抑制し、密閉性の信用を維持することができる。
【0084】
(4) 支持突部202の数は、四つに限定されるものではない。一つまたは二つの細長い支持突部202を形成し、安定的にコンデンサ本体を支持してもよい。また、三つ以上の支持突部202を形成し、3点以上の点で安定的にコンデンサ本体を支持してもよい。
【0085】
(5)
図10に示すように、凹部203の形成により支持突部202を台座206に形成してもよい。支持突部202が外装ケース10の先端部に接触し、凹部203が外装ケース10の先端部と台座206の間に隙間、つまり樹脂経路を形成することができ、樹脂が周壁22と外装ケース10の外周面の間に到達し、周壁22と外装ケース10の間および台座6と外装ケース10の先端部の間に樹脂を充填することができる。
【0086】
(6) 第3の実施の形態において、突出部220−3の形状は、
図8のBに示すように、樹脂注入孔28の中心と貫通孔38の中心を結ぶ中心線に対して左右対称であるが、
図11に示すように、突出部220−3の形状は、左右非対称であってもよい。
図11に示されている突出部220−3も貫通孔38と樹脂注入孔28の間に配置されているので、樹脂が封口部材と台座206の間で樹脂層8が形成される領域の端部に行き渡る前に、貫通孔38が樹脂で埋まることを防ぐことで空気の残留が抑制され、コンデンサの密閉性の低下を抑制し、密閉性の信用を維持することができる。
【0087】
(7) 支持突部202の形状は、円柱形状に限定されるものではない。支持突部202の形状は、三角柱、四角柱などの多角柱形状であってもよく、半球形状であってもよく、上部に半球形状を有する円柱形状または多角柱形状であってもよい。
第4の実施の形態
【0088】
この実施の形態のコンデンサでは、第3の実施の形態の突出部220−3に代えて、封口部材314に外側突部317−1、317−2が形成される。
【0089】
この実施の形態のコンデンサについて、
図12を参照する。
図12のAは、第4の実施の形態に係るコンデンサの一例を示す断面図であり、
図12のBは、樹脂の流れを示している。
図12のBに示す曲線状の各破線は、樹脂注入中の一時点における樹脂の先端位置を示し、樹脂が広がる様子を示している。
図12のBに示す矢印は、樹脂の流れを示している。
図12のAにおいて
図2と同一部分には同一符号を付してある。
図12のBにおいて
図8のBと同一部分には同一符号を付してある。
図12のBに示す台座306では、支持突部202の図示を省略している。
図12のAおよび
図12のBでは、X方向に樹脂注入孔28および貫通孔38が並び、Y方向に挿通孔18−1、18−2が並ぶように、XYZによる直交座標系が設定されている。
【0090】
コンデンサ302は電子部品の一例であり、たとえば、電解コンデンサや電気二重層コンデンサである。このコンデンサ302は、コンデンサ本体304と台座306と樹脂層8とを備えている。コンデンサ本体304は、封口部材14を除き、第1の実施の形態のコンデンサ本体4と同様である。コンデンサ本体304は、封口部材14に代えて封口部材314を備えている。コンデンサ本体304の封口部は、外装ケース10の開放端と封口部材314により形成される。
【0091】
封口部材314は、外側突部317−1、317−2を封口部材314の外側表面に備えている。この外側突部317−1、317−2は、封口部材314側の突出部の一例であって、封口部材314の外周部に形成され、カーリング処理により外装ケース10の開放端に形成された湾曲の内部に配置される。このような配置により、外側突部317−1、317−2は、外装ケース10の開放端に形成された湾曲の内部を埋めている。この外側突部317−1、317−2は、封口部材314の本体部分と一体的に形成されていてもよく、別々に形成されていてもよい。外側突部317−1、317−2を除き、封口部材314は第1の実施の形態の封口部材14と同様である。外側突部317−1、317−2は、
図12のAに示すように、樹脂層8に隣接する。
【0092】
台座306は、突出部220−3が取り除かれた第3の実施の形態の台座206と同様である。
【0093】
コンデンサ本体304を台座306に設置した状態において、外側突部317−1は、
図12のBに示すように、貫通孔38の周囲部であって、貫通孔38よりも台座306の外側、つまり台座306の周囲部に形成される周壁22と貫通孔38の間に配置される。また外側突部317−2は、樹脂注入孔28の周囲部であり、樹脂注入孔28よりも台座306の外側、つまり周壁22と樹脂注入孔28の間に配置される。外側突部317−1、317−2は、樹脂注入孔28の中心と貫通孔38の中心を結ぶ中心線上に配置される。
【0094】
樹脂注入孔28から注入された樹脂は、
図12のBに示すように、樹脂注入孔28からその外側に向かって広がる。樹脂は樹脂通路140および突出部220−1、220−2の外側を通って広がる。樹脂は、樹脂層8の形成領域全体に行き渡り、その後、貫通孔38に到達する。外側突部317−1は、貫通孔38よりも外側の樹脂を貫通孔38に導くとともに、外側突部317−1の存在により貫通孔38よりも台座306の外側に気泡が形成されることを抑制する。
【0095】
図13は、封口部材を示す図であり、
図13のAが封口部材を外側表面から示した図であり、
図13のBが
図13のAに示す封口部材のB−B断面を示す図である。また、
図13のAにおいて封口部材314の周囲に沿って示されている円形の2点鎖線は、カーリング処理された外装ケース10の内側端の配置位置を示している。
【0096】
外側突部317−1、317−2は、頂部318と、傾斜部320を備えている。頂部318は、封口部材314の外側表面OSに対して平行な平坦面を有し、外側表面OSよりも外側に、つまり台座306側に突出している。傾斜部320は、頂部318および封口部材314の外側表面OSに接続する傾斜面を含む。外側突部317−1、317−2は、封口部材314の縁部により一部が円筒状に削られた部分的な円錐台形状を有している。外側突部317−1、317−2は、たとえば、端子リード16−1、16−2のリード部が配置される二つの端子孔322の中心を結ぶ中心線に対して線対称に形成される。
【0097】
コンデンサ302の製造工程では、外側突部317−1、317−2を備える封口部材314を形成し、外側突部317−1、317−2がコンデンサ本体304の外側に配置されるように、封口部材314を外装ケース10の開口部に取付ければよい。その他の製造工程は第1の実施の形態に係るコンデンサの製造工程と同様であり、その説明を省略する。
【0098】
この第4の実施の形態について、特徴事項、利点又は変形例等を以下に列挙する。
【0099】
(1) 第1の実施の形態と同様の利点が得られ、同様に変形することができる。ただし、第1の実施の形態では、突出部20の一部を、貫通孔38を囲うように配置することで、樹脂注入孔28に対して、貫通孔38より遠い部分であっても、樹脂が充填されるようにし、空気の残留を抑制したが、第4の実施形態においては、外側突部317−1により空気の残留が抑制される。外側突部317−1が貫通孔38の周壁22側に配置されているので、樹脂注入孔28から最も遠い位置にある貫通孔38の近傍における空気の残留が抑制され、コンデンサの密閉性の低下を抑制し、密閉性の信用を維持することができる。
【0100】
(2) 第3の実施の形態と同様に、支持突部202により樹脂経路を形成することができ、周壁22と外装ケース10の間および台座6と外装ケース10の先端部の間に樹脂が充填され、コンデンサの密閉性が高められる。
【0101】
(3) 第3の実施の形態と同様に、支持突部202の数または形状を変形することができ、
図10に示す支持突部202への変形を行うことができる。
【0102】
(4) 第4の実施の形態では、外側突部317−1、317−2が封口部材314の縁部により一部が円筒状に削られた部分的な円錐台形状を有しているが、外側突部317−1、317−2の形状は、円錐台形状に限らない。たとえば、
図14のAに示すように、頂部318と傾斜部320の境界線、および傾斜部320と封口部材314の外側表面OSの境界線が直線状に形成され、外側突部317−1、317−2が帯状に形成されていてもよい。帯状の外側突部317−1、317−2が外装ケース10の開放端に形成された湾曲の内部を埋め、外側突部317−1が貫通孔38よりも台座306の外側の樹脂を貫通孔38に導くとともに、貫通孔38よりも台座306の外側に気泡が形成されることを抑制することができる。気泡の抑制によりコンデンサの密閉性の低下を抑制し、密閉性の信用を維持することができる。
【0103】
(5) 外側突部317−1、317−2は、二つの端子孔322の中心を結ぶ中心線に対して非対称に形成されてもよい。たとえば、外側突部317−1が
図13のAに示す外側突部317−1であり、外側突部317−2が
図14のAに示す外側突部317−2であってもよい。
【0104】
(6) 第4の実施の形態では、二つの外側突部317−1、317−2が封口部材314に形成されているが、外側突部317−2が省略されていてもよい。外側突部317−1が封口部材314に形成されると、貫通孔38よりも台座306の外側に気泡が残留することを抑制することができる。二つの外側突部317−1、317−2が封口部材314に形成されると、外側突部317−1または外側突部317−2のいずれかにより気泡の残留を抑制することができる。したがって、外側突部317−1の位置を気にすることなく、コンデンサ本体304を台座306に設置することができ、外側突部317−1の位置確認の負担が軽減される。
【0105】
(7) 外側突部317−1、317−2が樹脂注入孔28の中心と貫通孔38の中心を結ぶ中心線上に配置されているが、この中心線の近傍に配置されていてもよい。
【0106】
(8) 外側突部317−1、317−2は、カーリング処理により外装ケース10の開放端に形成された湾曲の内部に配置されているが、外側突部317−1、317−2は、湾曲の内部および湾曲よりも台座306の内側に配置されていてもよい。外側突部317−1、317−2が貫通孔に近接することで、気泡の残留を一層抑制することができる。
【0107】
(9) 外側突部317−1、317−2は、第1の実施の形態で既述した突出部20または第3の実施の形態で既述した突出部220−3と共に備えられていてもよい。気泡の残留を抑制する二つ以上の手段を備えることで、気泡の抑制効果が高められる。
他の実施の形態
【0108】
(1) 上記実施の形態では、突出部20、120−1、120−2、220−1、220−2の高さを高低差H以上に設定して、突出部20、120−1、120−2、220−1、220−2を封口部材14、314に接触させる例と、突出部20、120−1、120−2、220−1、220−2の高さを高低差H未満に設定して、突出部20、120−1、120−2、220−1、220−2と封口部材14、314の間に隙間を形成する例を示したが、突出部20、120−1、120−2、220−1、220−2は、上記の例に限定されることなく、適宜変更してもよい。たとえば、挿通孔18−1、18−2の中心に対し、所定の間隔(たとえば90度)で、突出部20、120−1、120−2、220−1、220−2の頂部に溝部を形成するようにしてもよい。溝部の間隔は、90度に限定されるものではない。たとえば
図15に示すように、挿通孔18−1、18−2の中心に対し、45度の角度で8本の溝部324を形成するようにしてもよい。そして溝部324が形成された突出部20、120−1、120−2、220−1、220−2を封口部材14、314に接触させる。斯かる構成によれば、突出部20、120−1、120−2、220−1、220−2と封口部材14、314の接触により台座6、106、206、306の設置の安定性が向上するとともに、溝部324により通気路が形成され、樹脂注入により押し出される空気を、溝部324を通して外部に排出することができる。しかも、溝部324の幅、深さ、設置間隔または設置個数を変更することにより、各通気路の開口面積および通気路全体の開口面積を管理および調整することができ、空気の通過を許容しつつ樹脂の侵入を容易に抑制することができる。溝部324の幅、深さ、設置間隔および設置個数は、空気の通過および樹脂の侵入抑制を考慮して適宜設定すればよい。たとえば、
図16に示すように、樹脂注入孔28に対向する対向面部側には溝部324を形成せず、対向面部の反対面部側のみ溝部324を形成してもよい。
図16に示す台座406では、樹脂が流れてくる方向に溝部324が形成されていないので、樹脂が溝部324を通じて挿通孔18−1、18−2から出る可能性が低下するとともに、樹脂が最終的に到達する終端部側に形成された溝部324を通じて挿通孔18−1、18−2から空気を排出することができる。
【0109】
(2) 第2の実施の形態から第4の実施の形態においては、挿通孔18−1、18−2をそれぞれ囲う突出部120−1、120−2または突出部220−1、220−2を形成し、突出部120−1、120−2または突出部220−1、220−2の間を樹脂通路140としたが、これに限らない。たとえば、
図16に示すように、第1の実施の形態の突出部20のように挿通孔18−1、18−2を囲う突出部が一体となった突出部420に、樹脂が通る溝を含む溝部424を形成してもよい。この溝部424は、挿通孔18−1と挿通孔18−2の間の中間部の高さを一部低くして形成され、樹脂注入孔28側と貫通孔38側の間に延びて樹脂通路を形成する。このようにすることで、
図9に示す樹脂通路140の幅aを流れる樹脂の流量を制限することができる。
【0110】
(3) 第3の実施の形態においては、突出部220−3が貫通孔38の縁部に隣接しているが、貫通孔38と突出部220−3の間において気泡の残留が抑制されればよく、
図16に示すように、突出部220−3の端部が貫通孔38の縁部に一致し、突出部220−3の端部と貫通孔38の縁部が一つの湾曲面を形成してもよい。
【0111】
(4) 第1の実施の形態から第4の実施の形態では、樹脂注入の終端部204または貫通孔38の周囲部に、突出部20、220−3または外側突部317−1、317−2を配置し、終端部204または貫通孔38の近傍における空気の残留を抑制している。しかしながら、たとえば、第3の実施の形態に係るコンデンサ2において、外装ケース10の開放端の一部に貫通孔を形成し、または
図17に示すように外装ケース10の開放端の一部に切欠部326を形成し、空気の排出路を形成してもよい。切欠部326から空気を外部に排出することで、空気の残留をより抑制することができる。貫通孔または切欠部326は、第3の実施の形態以外の実施の形態にも適用することができる。また、突出部20、220−3または外側突部317−1、317−2を省略し、貫通孔または切欠部326により、空気の残留を抑制するようにしてもよい。
【0112】
(5) コンデンサ本体4、304に形成されるカーリングを省略してもよい。カーリングの省略により樹脂層8の外周側への樹脂注入を制御し易くできる。
【0113】
(6) 以下に示す(a)から(c)の構成の全てが備えられる必要はなく、いずれかの構成が備えられてコンデンサ2の密閉性の向上、維持、または低下の抑制がされていればよい。
(a) 突出部20、120−1、120−2、220−1、220−2による樹脂流出抑制のための構成、
(b) 支持突部202による樹脂経路形成のための構成、
(c) 突出部20、220−3または外側突部317−1による気泡の残留を抑制するための構成。
【0114】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。