(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記打撃タイミング検出部は、前記マイクで収集された音の大きさが予め設定された値を超えると前記打撃タイミングを検出することを特徴とする請求項2記載の切羽評価装置。
前記評価データ収集部は、前記ブレーカーによる打撃に関する情報として前記打撃領域に対する打撃回数を収集することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の切羽評価装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、削孔時機械データの検出タイミングが装薬孔の削孔時である。そのため、前回の発破で飛散したズリの運び出し作業や支保工の建て込み作業を、安定性が評価されていない新たに表出した切羽面の前で行うことになってしまう。すなわち、発破工法では、装薬孔の穿孔作業と、装薬孔への火薬の装填作業と、火薬を起爆させる発破作業と、ズリの運び出し作業と、支保工の建て込み作業とが繰り返される。従って、ズリの運び出し作業と、支保工の建て込み作業とは、発破作業によって新たな切羽面が表出された状態で行われることになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、発破作業に新たに表出した切羽面の安定性を速やかに評価することができる切羽評価装置を提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、ブレーカーによる浮石落し作業中に切羽を評価する切羽評価装置であって、前記ブレーカーによる打撃タイミングを検出する打撃タイミング検出部と、前記切羽を複数の計測領域に分割し、前記打撃タイミングで前記ブレーカーによって打撃された前記計測領域を打撃領域として特定する打撃領域特定部と、前記打撃タイミングで前記ブレーカーによる打撃に関する情報を評価データとして収集する評価データ収集部と、前記評価データ収集部によって収集された前記評価データを前記打撃領域と関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記評価データ
の解析によって推定される前記計測領域の圧縮強度に基づいて安定性が低い前記計測領域を要注意領域として通知する安定性評価画面を生成する評価データ解析部と、前記安定性評価画面を表示する表示部と、を具備することを特徴とする。
さらに、本発明の切羽評価装置において、音を収集するマイクを具備し、前記評価データ収集部は、前記ブレーカーによる打撃に関する情報として前記マイクによって収集された前記ブレーカーによる打撃音を収集しても良い。
さらに、本発明の切羽評価装置において、前記打撃タイミング検出部は、前記マイクで収集された音の大きさが予め設定された値を超えると前記打撃タイミングを検出しても良い。
さらに、本発明の切羽評価装置において、前記評価データ解析部は、前記打撃音の高低
によって推定される前記計測領域の圧縮強度に基づいて前記計測領域の安定性を評価しても良い。
さらに、本発明の切羽評価装置において、前記ブレーカーに加わる衝撃を打撃反発力あるいは反発速度として検出するセンサーを具備し、前記評価データ収集部は、前記ブレーカーによる打撃に関する情報として前記打撃反発力あるいは前記反発速度を収集しても良い。
さらに、本発明の切羽評価装置において、前記打撃タイミング検出部は、前記センサーによる検出値が予め設定された値を超えると前記打撃タイミングを検出しても良い。
さらに、本発明の切羽評価装置において、前記評価データ解析部は、前記打撃反発力の強弱あるいは前記反発速度の遅速
によって推定される前記計測領域の圧縮強度に基づいて前記計測領域の安定性を評価しても良い。
さらに、本発明の切羽評価装置において、前記評価データ収集部は、前記ブレーカーによる打撃に関する情報として前記打撃領域に対する打撃回数を収集しても良い。
さらに、本発明の切羽評価装置において、前記評価データ解析部は、前記打撃回数の多少
によって推定される前記計測領域の圧縮強度に基づいて前記計測領域の安定性を評価しても良い。
さらに、本発明の切羽評価装置において、前記切羽を撮影するカメラを具備し、前記打撃領域特定部は、前記カメラによる撮影画像に基づいて前記打撃領域を特定しても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、発破作業に新たに表出した切羽面の安定性を、ズリの運び出し作業や支保工の建て込み作業に先立つ浮石落し作業中に速やかに評価することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る切羽評価装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0010】
山岳トンネルエ事では、発破作業後に切羽の整形作業となる浮石落し作業(アタリトリ、コソク)が行われる。浮石落し作業は、パワーショベル等の作業機のアーム先端に取り付けられたブレーカーによって行われることがほとんどであり、打撃により浮石を落としていく。
【0011】
そこで、本実施形態の切羽評価装置1は、ブレーカーを用いた浮石落し作業時において収集可能な情報に基づいて安定性を評価する。切羽評価装置1は、
図1を参照すると、切羽を撮影するカメラ10と、トンネル内の音を収集するマイク20と、ブレーカーに取り付けられた加速度センサー30と、情報処理装置40とを備えている。
【0012】
カメラ10は、共に切羽全体を撮影可能な位置(例えば、切羽から10〜20m離れた位置)に設置する。カメラ10としては、例えば、CMOSイメージセンサを用いたCMOSカメラ等のデジタルカメラを用いることができる。なお、カメラ10は、作業機に取付けても良く、トンネルの天端や支保工に設置し、切羽の移動と共に付け替えるようにしても良い。
【0013】
マイク20は、例えば、全指向性マイクロフォンを用い、ブレーカーによって切羽を打撃した際の打撃音を収集する。
【0014】
加速度センサー30は、ブレーカーに加わる衝撃を打撃反発力(あるいは反発速度)として検出する。
【0015】
情報処理装置40は、パーソナルコンピュータ等のプログラム制御で動作する。情報処理装置40は、
図1を参照すると、制御部50と、半導体メモリ等の記憶手段である記憶部60と、表示部及び入力部として機能するタブレット等の操作部70とを備えている。
【0016】
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピューター等の情報処理部である。ROMには情報処理装置40の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。制御部50は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、打撃タイミング検出部51、打撃領域特定部52、評価データ収集部53、評価データ解析部54として機能する。
【0017】
打撃タイミング検出部51は、マイク20によって収集されるブレーカーの打撃音と、加速度センサー30によって検出される打撃反発力(あるいは反発速度)とのいずれか若しくは両方に基づいて、ブレーカーによる打撃タイミングを検出する。なお、ブレーカーや、ブレーカーをアーム先端に取り付けた作業機と有線や無線で接続可能である場合、ブレーカーへの打撃指示を打撃タイミングするようにしても良い。
【0018】
マイク20によって収集されるブレーカーの打撃音によって打撃タイミングを検出する場合、打撃タイミング検出部51は、マイク20で収集された音の大きさ(振幅)が、予め設定された値を超えると打撃タイミングを検出する。
【0019】
加速度センサー30によって検出される打撃反発力(あるいは反発速度)によって打撃タイミングを検出する場合、打撃タイミング検出部51は、加速度センサー30によって検出される加速度が、予め設定された値を超えるとブレーカーに作用する打撃反発力(あるいは反発速度)として認識して打撃タイミングを検出する。
【0020】
打撃領域特定部52は、カメラ10による撮影画像内の切羽を認識し、
図2に示すように、設定された大きさの複数の計測領域に分割する。なお、切羽の認識及び分割は、操作部70から入力によって設定するようにしても良い。
図2に示す例では、幅方向をA〜Pに、高さ方向を1〜9にそれぞれ分割した計測領域の例が示されている。
【0021】
また、打撃領域特定部52は、撮影画像内のブレーカー先端の位置を特徴点追跡等の手法によってトラッキングする機能を有し、打撃タイミング検出部51によって検出された打撃タイミングにブレーカー先端が位置する計測領域を打撃領域として特定する。
【0022】
評価データ収集部53は、打撃タイミング検出部51によって検出された打撃タイミングに、打撃領域特定部52によって特定された打撃領域と関連付けて、マイク20で収集された打撃音と、加速度センサー30によって検出される打撃反発力(あるいは反発速度)とを評価データ61として記憶部60に記憶する。
【0023】
本実施形態では、評価データ61として、
図3に示すように、打撃領域と関連付けて打撃音と打撃反発力と打撃回数とが記憶される。
【0024】
評価データ収集部53は、打撃タイミングから予め設定された所定期間にマイク20によって収集された打撃音を、予め設定されたサンプリング周波数でサンプリングし、FFT(高速フーリエ変換)によって周波数スペクトルを求め、最も相対音圧が大きい周波数を評価データ61の打撃音として記憶する。
【0025】
また、評価データ収集部53は、打撃タイミングから予め設定された所定期間における加速度センサー30の出力値の最大値を評価データ61の打撃反発力として記憶する。
【0026】
また、評価データ収集部53は、打撃タイミング毎に特定された打撃領域における打撃回数をインクリメントする。なお、打撃音及び打撃反発力は、打撃タイミング毎にそれぞれ記憶される。従って、評価データ61のそれぞれの計測領域において、打撃回数と同じ数の打撃音及び打撃反発力が記憶される。
【0027】
評価データ解析部54は、記憶部60に記憶されている評価データ61を解析することで、各計測領域の安定性をそれぞれ評価する。そして、評価データ解析部54は、安定性が低い計測領域を要注意領域として通知する安定性評価画面80を生成して操作部70に表示させる。
【0028】
安定性評価画面80は、
図4に示すように、切羽断面図に安定性が低い計測領域を要注意領域としてプロットして通知する安定性評価
図81と、評価データ61の打撃音のみを用いた評価を評価データ解析部54に指示する打撃音評価ボタン82と、評価データ61の打撃反発力のみを用いた評価を評価データ解析部54に指示する打撃反発力評価ボタン83と、評価データ61の打撃回数のみを用いた評価を評価データ解析部54に指示する打撃回数評価ボタン84と、評価データ61の打撃音、打撃反発力及び打撃回数を用いた予め設定されている評価を評価データ解析部54に指示する総合評価ボタン85とがレイアウトされている。
【0029】
計測領域の圧縮強度は、
図5(a)に示すように、打撃音が高音である程(周波数が大きい程)強く、打撃音が低音である程(周波数が小さい程)弱い傾向にある。従って、評価データ解析部54は、評価データ61の打撃音を用いることで各計測領域の圧縮強度を推定可能である。なお、
図3の計測領域E−3、L−3のように、複数の打撃音が記録されている場合、評価データ解析部54は、圧縮強度の推定に打撃音の平均値を用いる。
【0030】
また、計測領域の圧縮強度は、
図5(b)に示すように、打撃反発力が強い程(出力値が大きい程)強く、打撃反発力が弱い程(出力値が小さい程)弱い傾向にある。従って、評価データ解析部54は、評価データ61の打撃反発力を用いることで各計測領域の圧縮強度を推定可能である。なお、計測領域の圧縮強度は、反発速度が強い程(出力値が大きい程)強く、反発速度が遅い程(出力値が小さい程)弱い傾向にある。従って、評価データ解析部54は、評価データ61の反発速度を用いることでも各計測領域の圧縮強度を推定可能である。また、
図3の計測領域E−5、L−3のように、複数の打撃反発力あるいは反発速度が記録されている場合、評価データ解析部54は、圧縮強度の推定に打撃反発力あるいは反発速度の平均値を用いる。
【0031】
さらに、計測領域の圧縮強度は、
図5(c)に示すように、打撃回数が多い程強く、打撃回数が少ない程弱い傾向にある。従って、評価データ解析部54は、評価データ61の打撃回数を用いることで各計測領域の圧縮強度を推定可能である。
【0032】
本実施形態では、打撃音、打撃反発力及び打撃回数を用いた評価が予め設定されている。評価データ解析部54は、各計測領域の圧縮強度を、打撃音を用いて推定した圧縮強度と、打撃反発力を用いて推定した圧縮強度と、打撃回数を用いて推定した圧縮強度とを用いてそれぞれ算出する(例えば、平均を算出する)。そして、評価データ解析部54には、算出した各計測領域の圧縮強度と予め設定された閾強度値とを比較し、算出された圧縮強度と閾強度値未満である計測領域を安定性が低い要注意領域として特定し、特定した要注意領域を安定性評価画面80の安定性評価
図81によって通知する。なお、評価データ解析部54は、閾強度値との差分に応じて、要注意領域を複数の安定性レベルに分類し、分類した安定性レベルを色の濃淡、模様の密度等で区別して安定性評価
図81に表示させる。
【0033】
なお、閾強度値として、算出した各計測領域の圧縮強度を平均した値を用いることもできる。この場合には、切羽における圧縮強度のバラツキを相対的に把握することが可能になる。
【0034】
評価データ解析部54は、打撃音、打撃反発力及び打撃回数の全てを用いるのではなく、打撃音、打撃反発力及び打撃回数のいずれか若しくは複数を用いて各計測領域の圧縮強度をそれぞれ算出するようにしても良い。なお、評価データ解析部54は、安定性評価画面80において、打撃音評価ボタン82の操作を受け付けた場合打撃音のみを用いて、打撃反発力評価ボタン83を受け付けた場合打撃反発力のみを用いて、打撃回数評価ボタン84の操作を受け付けた場合打撃回数のみを用いて、それぞれ各計測領域の圧縮強度を算出する。これにより、評価基準を切り換えて各計測領域の安定性を評価することができる。
【0035】
次に、本実施形態の切羽評価装置1の動作について
図6を参照して詳細に説明する。
情報処理装置40の制御部50は、発破作業によって新たに表出した切羽が安定性評価を操作部70への入力によって指示されると、打撃タイミング検出部51として機能する。
【0036】
打撃タイミング検出部51は、変数nに0をセットし(ステップS101)、マイク20によって収集されるブレーカーの打撃音と、加速度センサー30によって検出される打撃反発力(あるいは反発速度)とのいずれか若しくは両方に基づいて、ブレーカーによる打撃タイミングを検出する(ステップS102)。
【0037】
ステップS102で打撃タイミングが検出されると、制御部50は打撃領域特定部52として機能し、打撃タイミングにブレーカー先端が位置する計測領域を打撃領域として特定する(ステップS103)。また、制御部50は評価データ収集部53として機能し、打撃タイミングから予め設定された所定期間にマイク20によって収集された打撃音と、打撃タイミングから予め設定された所定期間における加速度センサー30の出力値の最大値とを収集して評価データ61として記憶部60に記憶する(ステップS104)。
【0038】
さらに、制御部50は打撃タイミング検出部51として機能し、変数nをインクリメントした後(ステップS105)、変数nが予め設定された閾回数Nに到達したか否かを判断する(ステップS106)。
【0039】
ステップS106で変数nが閾回数Nに到達していない場合、打撃タイミング検出部51は、ステップS102に戻ってブレーカーによる打撃タイミングを検出する。
【0040】
ステップS106で変数nが閾回数Nに到達した場合、制御部50は評価データ解析部54として機能し、記憶部60に記憶されている評価データ61を解析することで、各計測領域の安定性をそれぞれ評価する(ステップS107)。
【0041】
そして、評価データ解析部54は、安定性が低い計測領域を要注意領域として通知するための安定性評価画面80を生成し(ステップS108)、生成した操作部70に表示させ(ステップS109)、ステップS101に戻る。
【0042】
以上の処理を繰り返すことで、打撃タイミングが検出される毎に、評価データ61が更新されて記録されると共に、閾回数Nの打撃タイミングが検出される毎に、安定性評価画面80が更新されて生成されることになる。
【0043】
本実施形態では、閾回数Nの打撃タイミングが検出される毎に、安定性評価画面80が更新されるように構成したが、安定性評価画面80の更新タイミングは、例えば、経過時間や、打撃領域を移動したタイミングにしても良い、
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、ブレーカーによる浮石落し作業中に切羽を評価する切羽評価装置1であって、ブレーカーによる打撃タイミングを検出する打撃タイミング検出部51と、切羽を複数の計測領域に分割し、打撃タイミングでブレーカーによって打撃された計測領域を打撃領域として特定する打撃領域特定部52と、打撃タイミングでブレーカーによる打撃に関する情報を評価データとして収集する評価データ収集部53と、評価データ収集部53によって収集された評価データを打撃領域と関連付けて記憶する記憶部60と、記憶部60に記憶された評価データを解析して安定性が低い計測領域を要注意領域として通知する安定性評価画面80を生成する評価データ解析部54と、安定性評価画面80を表示する表示部70とを備えている。
この構成により、発破作業に新たに表出した切羽の安定性を、ズリの運び出し作業や支保工の建て込み作業に先立つ浮石落し作業中に速やかに評価することができる。
【0045】
浮石落し作業において、現場職員が立ち会わない場合が多く、ほとんどの場合、浮石の状態を確認しブレーカーオペレーターに伝える作業員(隧道等の掘削等作業主任者)と、ブレーカーオペレーターの二人による作業となる。そして、浮石落し作業において得られる情報は、例えば、「ここは固くてたくさん叩かないと崩せない、あるいは脆く少し叩くだけで崩れる」、「打撃音が高音,あるいは鈍い音がする」、「打撃時、岩盤からの反発が強い、あるいは反発が弱い」等の作業員の主観が加味された経験的かつ定性的な情報となる。従って、作業員から現場職員へも正しく情報伝達がされにくいものであった。
【0046】
これに対し、本実施形態では、浮石落し作業において得られる情報(打撃領域、打撃回数、打撃音、打撃反発力あるいは反発速度)を評価データ61として定量的に記憶し、評価データ61に基づいて切羽の安定性を評価している。従って、客観的な切羽の安定性評価が可能であり、適叨な対策を講じることで切羽災害防止に繋げることができ。例えば、非常に脆い地山と判断できればその計測領域において、吹付けコンクリートを厚くする、鏡ボルトを増し打ちする、切羽監視を強化するといった対策が可能である。
【0047】
さらに、本実施形態において、音を収集するマイク20を具備し、評価データ収集部53は、ブレーカーによる打撃に関する情報としてマイク20によって収集されたブレーカーによる打撃音を収集する。
この構成により、マイク20によって収集した打撃音によって簡単に切羽の安定性を評価することができる。
【0048】
さらに、本実施形態において、打撃タイミング検出部51は、マイク20で収集された音の大きさが予め設定された値を超えると。
この構成により、ブレーカーから打撃タイミングを収集することなく、マイク20を設けるだけで切羽評価装置1が独立して打撃タイミングを検出することができる。
【0049】
さらに、本実施形態において、評価データ解析部54は、打撃音の高低に基づいて計測領域の安定性を評価する。
この構成により、打撃音の高低に基づいて切羽の圧縮強度を推定することができ、推定した圧縮強度によって計測領域の安定性を評価することができる。
【0050】
さらに、本実施形態において、ブレーカーに加わる衝撃を打撃反発力あるいは反発速度として検出する加速度センサー30を具備し、評価データ収集部53は、ブレーカーによる打撃に関する情報として打撃反発力あるいは反発速度を収集する。
この構成により、加速度センサー30によって検出した収集した打撃反発力あるいは反発速度によって簡単に切羽の安定性を評価することができる。
【0051】
さらに、本実施形態において、打撃タイミング検出部51は、加速度センサー30による検出値が予め設定された値を超えると打撃タイミングを検出する。
この構成により、ブレーカーから打撃タイミングを収集することなく、加速度センサー30を設けるだけで切羽評価装置1が独立して打撃タイミングを検出することができる。
【0052】
さらに、本実施形態において、評価データ解析部54は、打撃反発力の強弱あるいは反発速度の遅速に基づいて計測領域の安定性を評価する。
この構成により、打撃反発力の強弱あるいは反発速度の遅速に基づいて切羽の圧縮強度を推定することができ、推定した圧縮強度によって計測領域の安定性を評価することができる。
【0053】
さらに、本実施形態において、評価データ収集部53は、ブレーカーによる打撃に関する情報として打撃領域に対する打撃回数を収集する。
この構成により、測定領域毎の打撃回数によって簡単に切羽の安定性を評価することができる。
【0054】
さらに、本実施形態において、評価データ解析部54は、打撃回数の多少に基づいて計測領域の安定性を評価する。
この構成により、打撃回数の多少に基づいて切羽の圧縮強度を推定することができ、推定した圧縮強度によって計測領域の安定性を評価することができる。
【0055】
さらに、本実施形態において、切羽を撮影するカメラ10を具備し、打撃領域特定部52は、カメラ10による撮影画像に基づいて打撃領域を特定する。
この構成により、ブレーカーからアームの姿勢等を収集することなく、簡単にブレーカーの先端が位置する打撃領域を簡単に特定することができる。
【0056】
以上、本発明を、実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。