(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係る、印刷装置及び印刷装置の制御方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施の形態に係る印刷装置1を備える印刷システム100を示す斜視図である。
【0016】
図2は、開閉蓋3が開放した状態の印刷装置1を示す斜視図である。
図1に示す印刷システム100は、印刷装置1と、印刷制御部80と、を備える。印刷制御部80は、印刷装置1と無線通信又は有線通信でデータを授受する。印刷制御部80は、表示装置81及び入力装置82を備える例えばノートブック型のパーソナルコンピュータであるが、スマートフォン、タブレット端末等の携帯型コンピュータなどであってもよく、特に制限されない。
【0017】
なお、本実施の形態において、被印刷媒体Mの搬送方向(長尺方向,副走査方向)となる方向を「X方向」とし、このX方向に直交する方向であって被印刷媒体Mの幅方向(主走査方向)となる方向を「Y方向」とし、X方向及びY方向に直交する方向であって被印刷媒体Mの厚み方向となる方向を「Z方向」とする。一例ではあるが、X方向及びZ方向は水平方向であり、Y方向は鉛直方向である。
【0018】
印刷装置1は、例えば、長尺状の被印刷媒体Mにシングルパス方式で印刷を行うラベルプリンタである。以降では、インクリボンを使用する熱転写方式のラベルプリンタを例にして説明するが、印刷方式や被印刷媒体Mの形状は特に限定されない。例えば、印刷方式は、感熱紙に印刷を行う印刷方式であってもよい。
図3に示すように、被印刷媒体Mは、粘着面を有する基材Maと、粘着面を覆うように剥離可能に基材Maに貼付された剥離紙Mbと、を有する例えばテープ部材である。被印刷媒体Mは、粘着面を有さない基材Maのみからなるものであってもよい。
【0019】
図1及び
図2に示すように、印刷装置1は、装置筐体2と、この装置筐体2に開閉自在に取り付けられた開閉蓋3と、を備える。
図2に示すように、装置筐体2は、カセット30を収納するカセット収納部19を内部に備えている。カセット収納部19の詳細については後述する。
【0020】
装置筐体2の上面には、電源ボタン25、各種操作を行うための操作ボタン26、蓋開閉ボタン27等が配置されている。外部電源EP(
図5参照)が接続されている状態(すなわちACアダプタ接続状態)で電源ボタン25が押下されると、電源回路28(
図5参照)に信号が送られて印刷装置1の電源がONになる。また、操作ボタン26や蓋開閉ボタン27が押下されると、制御部5(
図5参照)に信号が送られて、各ボタンに応じた処理が制御部5によって行われる。
【0021】
また、図示しないが、装置筐体2には、電源コード接続端子、外部機器接続端子、記憶媒体挿入口等が設けられている。なお、印刷装置1が電池等の内部電源で動作するものである場合には、電源コード接続端子が設けられなくてもよい。また、印刷装置1が印刷制御部80等の外部機器との接続を行わずに使用できるものである場合や、外部機器と無線のみで接続される場合には、外部機器接続端子が設けられなくてもよい。
【0022】
開閉蓋3は、カセット収納部19の上部に設けられ、カセット収納部19を開閉可能に覆う。開閉蓋3は、蓋開閉ボタン27を押下されることにより開かれ、例えば手動により閉じられる。開閉蓋3には、この開閉蓋3が閉じた状態でもカセット収納部19にカセット30が収納されているか否かを目視で確認可能とするために、窓3aが形成されている。
【0023】
また、装置筐体2の側面には、排出口2aが形成されている。被印刷媒体Mは、印刷装置1内でサーマルヘッド10による印刷が行われ、排出口2aから印刷装置1の外部へX方向に排出される。
【0024】
図3は、印刷装置1に収納されるカセット30を示す斜視図である。
図4は、印刷装置1の内部構造を示す平面図である。
図3に示すカセット30は、被印刷媒体Mを収容し、
図4に示すカセット収納部19に着脱自在に収納される。
図3に示すように、カセット30は、被印刷媒体M及びインクリボンIRを収容するカセットケース31を有する。このカセットケース31には、サーマルヘッド被挿入部36及び係合部37が設けられている。なお、
図4では、カセット30の図示を省略するが、被印刷媒体Mの一部(プラテンローラ21よりも排出口2a側)を図示する。
【0025】
カセットケース31には、さらに、テープコア32、インクリボン供給コア34、及びインクリボン巻取りコア35が設けられている。被印刷媒体Mは、カセットケース31の内部のテープコア32にロール状に巻かれている。また、熱転写用のインクリボンIRは、その先端がインクリボン巻取りコア35に巻きつけられた状態で、カセットケース31の内部のインクリボン供給コア34にロール状に巻かれている。
【0026】
図4に示すように、カセット収納部19には、カセット30を所定の位置に支持するための複数のカセット受け部20が設けられている。また、カセット受け部20には、被印刷媒体Mの幅を検出する幅検出部の一例であるテープ幅検出スイッチ24が設けられている。カセット収納部19は、被印刷媒体Mの幅が互いに異なる複数種類のカセット30を選択的に収納可能である。テープ幅検出スイッチ24は、カセット30の形状(カセット30に設けられた凹凸の形状)に基づいて、被印刷媒体Mの幅を検出し、検出された被印刷媒体Mの幅を示すセンサ信号を出力する。
【0027】
また、カセット収納部19には、被印刷媒体Mに形成すべき印刷内容を示すデータ(以降、印刷データと記す)に基づいて被印刷媒体Mに複数の印刷ラインによる画像を印刷するサーマルヘッド10と、プラテンローラ21と、テープコア係合軸22と、インクリボン巻取り駆動軸23と、が設けられている。さらに、サーマルヘッド10には、サーミスタ13(
図5参照)が埋め込まれている。
【0028】
なお、プラテンローラ21は、被印刷媒体Mを搬送する搬送部の一例である。サーマルヘッド10は、プラテンローラ21によって搬送される被印刷媒体Mの搬送経路に配置され被印刷媒体Mに印刷を行う印刷部の一例である。
【0029】
カセット30がカセット収納部19に収納された状態では、カセットケース31の係合部37が、カセット収納部19のカセット受け部20に支持され、サーマルヘッド10が、カセットケース31のサーマルヘッド被挿入部36に挿入される。また、テープコア係合軸22には、カセット30のテープコア32が係合し、さらに、インクリボン巻取り駆動軸23には、インクリボン巻取りコア35が係合する。
【0030】
印刷装置1に印刷指示が入力されると、被印刷媒体Mは、プラテンローラ21の回転によりテープコア32から繰り出される。この際、インクリボン巻取り駆動軸23がプラテンローラ21に同調して回転することで、被印刷媒体MとともにインクリボンIRがインクリボン供給コア34から繰り出される。これにより、被印刷媒体MとインクリボンIRとが重なった状態で搬送される。そして、サーマルヘッド10とプラテンローラ21との間で挟み込んだ状態で搬送される際にインクリボンIRがサーマルヘッド10によって加熱されることで、インクが被印刷媒体Mに転写されて、印刷データに基づく画像の印刷が行われる。
【0031】
サーマルヘッド10とプラテンローラ21との間を通過した使用済みのインクリボンIRは、インクリボン巻取りコア35に巻き取られる。一方、サーマルヘッド10とプラテンローラ21との間を通過した印刷済みの被印刷媒体Mは、後述するハーフカットやトリムカットが行われた後、フルカットされ、排出ローラの一例である駆動排出ローラ41及び従動排出ローラ42によって排出される。駆動排出ローラ41及び従動排出ローラ42は、トリムカット部50よりも排出口2a側において被印刷媒体Mを挟み込むように配置され、被印刷媒体Mを排出する。また、一例ではあるが、トリムカット部50は、ハーフカット装置17よりも排出口2a側に配置され、ハーフカット装置17は、フルカット装置16よりも排出口2a側に配置されている。なお、被印刷媒体Mの幅方向であるY方向において、トリムカット部50の下方には、被印刷媒体Mのうちトリムカットされた部分を収容する収容部の一例である切りカス入れ46が配置されている。
【0032】
図5は、印刷装置1を備える印刷システム100の制御ブロック図である。
印刷装置1は、上述のサーマルヘッド10、プラテンローラ21、テープ幅検出スイッチ24等に加えて、制御部5、ROM(Read Only Memory)6、RAM(Random Access Memory)7、通信インターフェース(IF)8、ヘッド駆動回路9、搬送用モータ駆動回路11、ステッピングモータ12、カッタモータ駆動回路14、カッタモータ15、フルカット装置16、ハーフカット装置17、トリムカット部50、電源回路28、排出ローラ駆動モータ43、排出用モータ駆動回路44、及びマーク検出センサ45を備える。なお、制御部5、ROM6、及びRAM7は、印刷装置1のコンピュータの一例である。また、マーク検出センサ45は、トリムカットが行われる部分を表すように印刷されたマークT(
図6A参照)を検出するマーク検出部の一例である。
【0033】
制御部5は、例えばCPU(Central Processing Unit)であるプロセッサ5aを有する。制御部5は、ROM6に記憶されているプログラムをRAM7に展開し実行することで、印刷装置1の各部の動作を制御する。
【0034】
制御部5は、例えば、制御信号(ストローブ信号、ラッチ信号、クロック信号)及び印刷データをヘッド駆動回路9へ供給し、ヘッド駆動回路9を介してサーマルヘッド10を制御する。また、制御部5は、モータ駆動回路(搬送用モータ駆動回路11、カッタモータ駆動回路14、排出用モータ駆動回路44)を介してモータ(ステッピングモータ12、カッタモータ15、排出ローラ駆動モータ43)を制御する。
【0035】
詳しくは後述するが、制御部5は、テープ幅検出スイッチ24が検出する被印刷媒体Mの幅に基づきトリムカット部50の厚み方向(Z方向)への移動量を決定し、この移動量に基づきトリムカット部50を移動させる。
【0036】
ROM6は、被印刷媒体Mに印刷を行う印刷プログラム、及びこの印刷プログラムの実行に必要な各種データ(例えば、フォント等)を記憶する。また、ROM6は、制御部5によって読取り可能なプログラムが記憶された記憶媒体としても機能する。
【0037】
RAM7は、印刷データや、印刷についての情報を記憶するデータメモリとして機能する。
通信インターフェース8は、有線通信又は無線通信により、印刷制御部80等の外部装置との間でデータを授受する。
【0038】
ヘッド駆動回路9は、制御部5から供給された制御信号及び印刷データに基づいてサーマルヘッド10を駆動する。
サーマルヘッド10は、被印刷媒体Mの幅方向(主走査方向)であるY方向に配列された複数の発熱素子10aを有する。ヘッド駆動回路9が、制御部5から供給されたストローブ信号の通電制御期間中に、印刷データに応じて発熱素子10aへ供給する電流を選択的に通電することで、発熱素子10aが発熱してインクリボンIRを加熱する。これにより、サーマルヘッド10は、熱転写により被印刷媒体Mに1印刷ラインずつ印刷を行う。
【0039】
搬送用モータ駆動回路11は、ステッピングモータ12を駆動する。このステッピングモータ12は、被印刷媒体Mを搬送するための搬送駆動部の一例であり、プラテンローラ21を回転させる。このプラテンローラ21は、ステッピングモータ12の動力によって回転することで被印刷媒体Mの長尺方向(副走査方向)であるX方向に被印刷媒体Mを搬送する。
【0040】
カッタモータ駆動回路14は、カッタモータ15を駆動する。フルカット装置16、ハーフカット装置17、及びトリムカット部50は、カッタモータ15の動力によって動作し、それぞれ、被印刷媒体Mにフルカット、ハーフカット、又はトリムカットを行う。なお、カッタモータ15は、単一である必要はなく、フルカット装置16、ハーフカット装置17、及びトリムカット部50のそれぞれに設けられていてもよい。
【0041】
ここで、フルカットとは、
図3に示す被印刷媒体Mの基材Maを剥離紙Mbとともに幅方向に沿って切断する動作のことであり、ハーフカットとは、基材Maのみを幅方向に沿って切断する動作のことである。
図4に示すように、フルカット装置16は、可動刃16a及び固定刃16bによって被印刷媒体Mを切断する。
【0042】
また、トリムカットとは、被印刷媒体Mのうち被印刷媒体Mから作成される印刷物P(
図6A参照)となる領域の角を切断する動作のことである。印刷物Pは、印刷が行われた被印刷媒体Mの長尺方向(搬送方向)であるX方向において両端をハーフカット又はフルカットされることにより作成される。印刷物Pは、基材Ma及び剥離紙Mbのうち基材Maのみからなる。なお、印刷物Pの少なくとも一端がハーフカットされる場合には、ハーフカット部分を挟んで位置する余白とともに、印刷物Pが印刷装置1から排出されることになる。
【0043】
印刷制御部80は、表示装置81と、入力装置82と、制御部83と、表示部駆動装置84と、ROM85と、RAM86と、通信インターフェース(IF)87と、を備える。
【0044】
表示装置81は、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイなどである。入力装置82は、例えば、キーボード装置、タッチパネルなどであり、ユーザによる各種操作を受け付ける。制御部83は、例えばCPUであるプロセッサ83aを有し、印刷制御部80の各部の動作を制御する。
【0045】
なお、印刷装置1のRAM7に記憶される印刷データは、例えば、ユーザが表示装置81に表示される印刷内容の入力画面を見ながら入力装置82において印刷内容の入力操作を行うことで、この入力操作に基づき制御部83によって生成される。また、生成された印刷データは、印刷制御部80の通信インターフェース87から印刷装置1の通信インターフェース8へ送られ、RAM7に記憶される。なお、印刷装置1が表示装置や入力装置を有する場合には、印刷装置1の制御部5が、ユーザの入力操作に基づき印刷データを生成してもよい。或いは、印刷装置1は、装置筐体2に設けられた上述の記憶媒体挿入口に挿入される記憶媒体から、印刷データを取得してもよい。
【0046】
図6Aは、
図4のA方向から見たトリムカット部50及び第1の被印刷媒体M1を示す図である。
図6Bは、
図6AのB方向から見た第1のカッタ51を示す図(平面図)である。
【0047】
図6Cは、刃51aの一例を示す斜視図である。
図7Aは、
図4のA方向から見たトリムカット時のトリムカット部50及び第2の被印刷媒体M2を示す図である。
【0048】
図7Bは、
図7AのC方向から見た第1のカッタ51を示す図(平面図)である。
図6A及び
図7Aに示すように、トリムカット部50は、カッタの一例である第1のカッタ51及び第2のカッタ52を有する。
図6A及び
図6Bに示す第1の被印刷媒体M1は、
図7A及び
図7Bに示す第2の被印刷媒体M2よりも幅が狭い。なお、第1の被印刷媒体M1と第2の被印刷媒体M2とを区別せず説明する場合には、これらを総称して被印刷媒体Mと記す。
【0049】
第1のカッタ51及び第2のカッタ52には、それぞれ4つの刃51a〜51d,52a〜52dが対向して配置されている。これらの刃51a〜51d,52a〜52dは、第1のカッタ51及び第2のカッタ52のうち、被印刷媒体Mの厚み方向(Z方向)における被印刷媒体M側の端部に設けられている。
図6A及び
図6Bに示すように、第1のカッタ51及び第2のカッタ52は、被印刷媒体Mから厚み方向(Z方向)に遠ざかるほど、被印刷媒体Mの幅方向(Y方向)における刃51a〜51dと刃52a〜52dとの間隔が狭くなるように互いに対向した複数の刃51a〜51d,52a〜52dが配置されている。
【0050】
第1のカッタ51及び第2のカッタ52は、厚み方向(Z方向)に移動することによって、
図6Aに示すように被印刷媒体Mのうち印刷物Pとなる領域の角を切断する。この印刷物Pは、搬送方向(X方向)の両端をハーフカット部分HCに囲まれている上述の基材Maである。なお、トリムカット部50の移動方向は、搬送方向(X方向)及び幅方向(Y方向)に交差する方向であれば厚み方向(Z方向)に移動することになるため、厚み方向(Z方向)と平行である必要はない。
【0051】
制御部5は、上述のテープ幅検出スイッチ24により検出される被印刷媒体Mの幅に基づき、幅狭の第1の被印刷媒体M1のトリムカットを行う場合には、第1のカッタ51及び第2のカッタ52の厚み方向(Z方向)への移動量(ストローク量)を増やし、最も間隔が狭い刃51a,52aによって第1の被印刷媒体M1のトリムカットを行う。また、
図7A及び
図7Bに示すように、幅広の第2の被印刷媒体M2のトリムカットを行う場合には、第1のカッタ51及び第2のカッタ52の厚み方向(Z方向)への移動量を減らし、最も間隔が広い刃51d,52dによって第2の被印刷媒体M2のトリムカットを行う。なお、第1の被印刷媒体M1の幅よりも広く且つ第2の被印刷媒体M2の幅よりも狭い幅を有する被印刷媒体Mのトリムカットを行う場合には、刃51b,52bや刃51c,52cによって被印刷媒体Mのトリムカットを行う。なお、4つの刃51a〜51d,52a〜52dのそれぞれが、幅が近い複数種類の被印刷媒体Mのトリムカットを行うことも可能である。この場合、トリムカットにより切り落とされる部分は、幅が狭い被印刷媒体Mほど小さくなる。
【0052】
第1のカッタ51及び第2のカッタ52は、印刷物Pとなる領域とそれに隣接する領域の幅方向(Y方向)の両端の角をまとめて、例えば円弧形状(ラウンド形状)となるように切断する。そのために、第1のカッタ51の刃51a〜51dと第2のカッタ52の刃52a〜52dとは、厚み方向(Z方向)から見て、互いに接近する方向にテーパ状となった形状を呈し先端が尖っている。また、刃51a〜51dと刃52a〜52dとは、幅方向(Y方向)に互いに接近するほど、搬送方向(X方向)の長さの減少量が緩やかになるようにテーパ状となっている。
図6Cに刃51aの形状の一例を示すように、刃51a〜51d,52a〜52dのそれぞれは、他方のカッタの刃に幅方向(Y方向)に接近するほど、厚み方向(Z方向)に被印刷媒体Mから遠ざかるように形成されている。なお、刃51a〜51d,52a〜52dのそれぞれが、他方のカッタの刃に幅方向(Y方向)に接近するほど、厚み方向(Z方向)に被印刷媒体Mに近づくように形成されていてもよいし、厚み方向(Z方向)の位置が一定となるように形成されていてもよい。また、上述のように被印刷媒体Mのうち印刷物Pとなる領域の角を円弧形状となるように切断するのではなく、角を直線状又はその他の形状に切断してもよい。角を直線状に切断する場合には、刃51a〜51d,52a〜52dの形状は、被印刷媒体Mの厚み方向(Z方向)から見てV字形状となる。
【0053】
サーマルヘッド10は、被印刷媒体Mに印刷を行う際に、印刷データに基づく画像とは別に、
図6Aに示すように幅方向(Y方向)の端部(印刷データに基づく画像の印刷が行われない領域)にトリムカットが行われる部分を表すマークTの印刷を行うとよい。なお、マークTが予め印刷データに含まれていてもよい。また、マークTの形状は任意である。制御部5は、例えばフォトセンサであるマーク検出センサ45によるマークTの検出結果に基づき、搬送方向(X方向)におけるトリムカットを行う位置を決定するとよい。マークTは、被印刷媒体Mのうちトリムカットにより切り落とされる領域に印刷されるとよい。
図4に示すように、マーク検出センサ45は、搬送方向(X方向)において、トリムカット部50の第1のカッタ51及び第2のカッタ52の刃51a〜51d,52a〜52dよりもサーマルヘッド10側に配置されている。マーク検出センサ45は、搬送方向(X方向)において、刃51a〜51d,52a〜52dの近くに配置されることが望ましい。なお、マーク検出センサ45が省略され、サーマルヘッド10によるマークTの印刷が行われない場合には、制御部5は、プラテンローラ21による被印刷媒体Mの搬送量に基づき、搬送方向(X方向)におけるトリムカットを行う位置を決定するとよい。
【0054】
被印刷媒体Mのうちトリムカットが行われる部分が、フルカット装置16によるフルカットが行われた部分であると、フルカットにより切り離された両側のそれぞれにまとめてトリムカットを行うことが困難な場合がある。そのため、トリムカットが行われる部分は、
図6A及び
図7Aに示すようにハーフカット装置17によりハーフカットが行われたハーフカット部分HCであることが望ましい。なお、トリムカット部50は、ハーフカット装置17よりも排出口2a側に配置されているが、トリムカット部50がハーフカット装置17を挟んで排出口2aとは反対側に配置されている場合や、被印刷媒体Mを搬送方向であるX方向の一方側(排出側)のみではなく他方側(巻き取り側)にも搬送可能である場合には、ハーフカットよりも先にトリムカットを行ってもよい。また、
図7Aでは印刷物Pの図示を省略するが、
図7Aにおける第2の被印刷媒体M2においても、印刷物Pは、搬送方向(X方向)における両端をハーフカット又はフルカットされることにより作成される。
【0055】
トリムカット部50がトリムカットを行うときには、
図4に示す駆動排出ローラ41及び従動排出ローラ42によって挟み込まれた状態の被印刷媒体Mにトリムカットを行うことが望ましい。これにより、被印刷媒体Mが搬送方向(X方向)に張りを持った状態となる。なお、搬送方向(X方向)においてトリムカット部50を挟んで駆動排出ローラ41及び従動排出ローラ42とは反対側においても、例えばプラテンローラ21及びサーマルヘッド10によって被印刷媒体Mが挟み込まれた状態であることが望ましい。
【0056】
図6B及び
図7Bに示すように、被印刷媒体Mにトリムカットが行われる部分の鉛直下方(幅方向であるY方向)には切りカス入れ46が配置される。この切りカス入れ46には、被印刷媒体Mのうちトリムカットが行われることで切り落とされる切りカスが収容される。切りカス入れ46は、切りカスの廃棄のために、印刷装置1に対して着脱自在に配置されているか、或いは、印刷装置1の外部から切りカスを取り除くことができるように配置されていることが望ましい。
【0057】
なお、本実施の形態では、第1のカッタ51及び第2のカッタ52が、被印刷媒体Mの厚み方向(Z方向)に被印刷媒体Mから遠ざかるほど4つの刃51a〜51d,52a〜52dの幅方向(Y方向)における間隔が狭くなるように互いに対向して配置される例について説明したが、第1のカッタ51及び第2のカッタ52のそれぞれが有する刃の数は複数であれば3つ又は5つ以上であってもよい。
【0058】
また、本実施の形態では、被印刷媒体Mが搬送経路において幅方向(Y方向)の中央に寄せられて搬送されるため、厚み方向(Z方向)から見て、第1のカッタ51及び第2のカッタ52が「八」の字形状を呈するように配置されている。しかしながら、被印刷媒体Mが搬送経路における幅方向(Y方向)の一端に寄せられて搬送される場合には、厚み方向(Z方向)から見て、第1のカッタ51の刃51a〜51d又は第2のカッタ52の刃52a〜52dが搬送方向(X方向)と平行に並ぶように配列されることになる。
【0059】
以上説明した本実施の形態では、印刷装置1は、被印刷媒体Mを搬送する搬送部の一例であるプラテンローラ21と、このプラテンローラ21によって搬送される被印刷媒体Mの搬送経路に配置され、被印刷媒体Mに印刷を行う印刷部の一例であるサーマルヘッド10と、搬送経路に配置され、被印刷媒体Mの厚み方向(Z方向)に移動することによって被印刷媒体Mのうち印刷物Pとなる領域の角を切断するトリムカットを行うトリムカット部50と、トリムカット部50を厚み方向(Z方向)に移動させる制御部5と、を備える。トリムカット部50は、複数の刃51a〜51d,52a〜52dが対向して配置されたカッタの一例である第1のカッタ51及び第2のカッタ52を有している。
例えば、印刷装置1は、被印刷媒体Mの幅を検出する幅検出部の一例であるテープ幅検出スイッチ24を更に備え、制御部5は、テープ幅検出スイッチ24が検出する被印刷媒体Mの幅に基づきトリムカット部50の厚み方向(Z方向)への移動量を決定し、この移動量に基づきトリムカット部50を移動させる、第1のカッタ51及び第2のカッタ52は、被印刷媒体Mから厚み方向(Z方向)に遠ざかるほど、被印刷媒体Mの幅方向(Y方向)における第1のカッタ51の刃51a〜51dと第2のカッタ52の刃52a〜52dとの間隔が狭くなるように互いに対向した複数の刃51a〜51d,51a〜52dが配置されている。
【0060】
これにより、印刷装置1における搬送経路において被印刷媒体Mのうち印刷物Pとなる領域の角に自動でトリムカットを行うことができる。そのため、従来のように、印刷物Pが印刷装置1から排出された後に、印刷物Pの直角な角を切り落とすためにユーザが切断装置に印刷物Pを挿入したり或いはハサミなどを使用して角を切り落としたりする作業を省略することができる。よって、本実施の形態によれば、ユーザの手間を要さずに印刷物Pの角を切断することができる。更には、被印刷媒体Mの幅に基づきトリムカット部50の厚み方向への移動量を変更することによって、幅が異なる複数種類の被印刷媒体M(第1の被印刷媒体M1や第2の被印刷媒体M2)にトリムカットを行うことができる。
【0061】
また、本実施の形態では、サーマルヘッド10は、被印刷媒体Mにトリムカットが行われる部分を表すマークTの印刷を行う。印刷装置1は、マークTを検出するマーク検出部の一例であるマーク検出センサ45を更に備える。制御部5は、マーク検出センサ45の検出結果に基づきトリムカット部50を移動させる。そのため、搬送方向(X方向)においてトリムカットが行われる部分の位置ずれを防ぐことができる。
【0062】
また、本実施の形態では、印刷装置1は、排出ローラの一例である駆動排出ローラ41及び従動排出ローラ42を更に備える。駆動排出ローラ41及び従動排出ローラ42は、トリムカット部50よりも被印刷媒体Mの排出口2a側において被印刷媒体Mを挟み込むように配置され、被印刷媒体Mを排出する。トリムカット部50は、駆動排出ローラ41及び従動排出ローラ42によって挟み込まれた状態の被印刷媒体Mにトリムカットを行う。これにより、被印刷媒体Mが搬送方向(X方向)に張りを持った状態となるため、被印刷媒体Mのトリムカットを確実に行うことができる。
【0063】
また、本実施の形態では、被印刷媒体Mは、粘着面を有する基材Maと、この粘着面を覆う剥離可能な剥離紙Mbと、を有する。印刷装置1は、基材Ma及び剥離紙Mbのうち基材Maのみを切断するハーフカットを行うハーフカット装置17を更に備える。トリムカット部50は、被印刷媒体Mのうちハーフカットが行われる部分(ハーフカット部分HC)にトリムカットを行う。そのため、印刷物Pの搬送方向(X方向)における両端がフルカット装置16によってフルカットされた場合と比較して、トリムカット部分において被印刷媒体Mが分離していないため、トリムカットを確実に行うことができる。
【0064】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本願発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含む。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0065】
[付記1]
被印刷媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記被印刷媒体の搬送経路に配置され、前記被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
前記搬送経路に配置され、前記被印刷媒体の厚み方向に移動することによって当該被印刷媒体のうち印刷物となる領域の角を切断するトリムカットを行うトリムカット部と、
前記トリムカット部を前記厚み方向に移動させる制御部と、を備え、
前記トリムカット部は、複数の刃が対向して配置されたカッタを有している、
ことを特徴とする印刷装置。
【0066】
[付記2]
被印刷媒体の幅を検出する幅検出部を更に備え、
前記制御部は、前記幅検出部が検出する前記被印刷媒体の幅に基づき前記トリムカット部の前記厚み方向への移動量を決定し、当該移動量に基づき前記トリムカット部を前記厚み方向に移動させ、
前記カッタは、前記被印刷媒体から前記厚み方向に遠ざかるほど、前記被印刷媒体の幅方向における一方のカッタの前記刃と他方のカッタの前記刃との間隔が狭くなるように互いに対向した複数の刃が配置されていることを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
【0067】
[付記3]
前記印刷部は、前記被印刷媒体に前記トリムカットが行われる部分を表すマークの印刷を行い、
前記印刷装置は、前記マークを検出するマーク検出部を更に備え、
前記制御部は、前記マーク検出部の検出結果に基づき前記トリムカット部を移動させる、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の印刷装置。
【0068】
[付記4]
前記トリムカット部よりも前記被印刷媒体の排出口側において前記被印刷媒体を挟み込むように配置され、前記被印刷媒体を排出する排出ローラを更に備え、
前記トリムカット部は、前記排出ローラによって挟み込まれた状態の前記被印刷媒体に前記トリムカットを行う、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか記載の印刷装置。
【0069】
[付記5]
前記被印刷媒体は、粘着面を有する基材と、前記粘着面を覆う剥離可能な剥離紙と、を有し、
前記印刷装置は、前記基材及び前記剥離紙のうち前記基材のみを切断するハーフカットを行うハーフカット装置を更に備え、
前記トリムカット部は、前記被印刷媒体のうち前記ハーフカットが行われる部分に前記トリムカットを行う、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか記載の印刷装置。
【0070】
[付記6]
印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置は、被印刷媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される前記被印刷媒体の搬送経路に配置され、前記被印刷媒体に印刷を行う印刷部と、前記搬送経路に配置され、前記被印刷媒体の厚み方向に移動することによって当該被印刷媒体のうち印刷物となる領域の角を切断するトリムカットを行うトリムカット部と、を備え、前記トリムカット部は、複数の刃が対向して配置され、
前記トリムカット部を前記厚み方向に移動させる、
ことを特徴とする印刷装置の制御方法。