特許第6972884号(P6972884)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6972884-印刷指示装置 図000002
  • 特許6972884-印刷指示装置 図000003
  • 特許6972884-印刷指示装置 図000004
  • 特許6972884-印刷指示装置 図000005
  • 特許6972884-印刷指示装置 図000006
  • 特許6972884-印刷指示装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972884
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】印刷指示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20211111BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   G06F3/12 355
   B41J29/38
   G06F3/12 303
   G06F3/12 361
   G06F3/12 392
   G06F3/12 332
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-198500(P2017-198500)
(22)【出願日】2017年10月12日
(65)【公開番号】特開2019-74793(P2019-74793A)
(43)【公開日】2019年5月16日
【審査請求日】2020年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】原田 裕典
(72)【発明者】
【氏名】姉▲崎▼ 和也
(72)【発明者】
【氏名】澤柳 一美
(72)【発明者】
【氏名】南 猛
(72)【発明者】
【氏名】松原 賢士
(72)【発明者】
【氏名】崎山 大輔
【審査官】 松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−326601(JP,A)
【文献】 特開2001−202214(JP,A)
【文献】 特開2016−173771(JP,A)
【文献】 特開2004−126940(JP,A)
【文献】 特開2017−068304(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0188688(US,A1)
【文献】 特開2004−038739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09 − 3/12
B41J 29/00 −29/70
G06F 8/00 − 8/38
G06F 8/60 − 8/77
G06F 9/44 − 9/445
G06F 9/451
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
ネットワークを介して接続された1台又は複数台の印刷装置に対し、ユーザーの指示に基づいて印刷ジョブを作成し印刷を指示する複数の印刷ジョブ作成手段と、
各印刷装置の印刷機能情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された各印刷装置の印刷機能情報を保存する保存手段と、
複数の前記印刷ジョブ作成手段のうちの一つである第1の印刷ジョブ作成手段に、ユーザーが選択した印刷装置に対する印刷ジョブを作成させるために、1つ又は複数の印刷設定項目を有する印刷設定画面を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段が前記印刷設定画面を表示する際に、新たな印刷機能を設定するための印刷設定項目の追加の有無を判断する判断手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記判断手段により新たな印刷機能を設定するための印刷設定項目の追加があると判断された時は、その印刷設定項目を追加した印刷設定画面を表示し、
前記第1の印刷ジョブ作成手段は、前記表示手段に表示された印刷設定画面において、ユーザーが指示した印刷設定に基づいて印刷ジョブを作成できない場合、他の印刷ジョブ作成手段を利用して印刷ジョブを作成させることを特徴とする印刷指示装置。
【請求項2】
前記情報取得手段は、前記各印刷装置の機種情報及びファームウェアのバージョン情報をも取得し、
前記印刷装置の機種毎にバージョンを比較する比較手段を更に備えている請求項1に記載の印刷指示装置。
【請求項3】
前記比較手段による比較の結果、印刷を実行させる印刷装置が、既に印刷機能保存済みの印刷装置と機種は同じであるがファームウェアのバージョンが古い場合、前記判断手段は、新たな印刷機能を設定するための印刷設定項目の追加は無いと判断し、前記表示制御手段は、新たな印刷設定項目を追加することなく印刷設定画面を表示する請求項2に記載の印刷指示装置。
【請求項4】
前記比較手段による比較の結果、印刷を実行させる印刷装置が、既に印刷機能保存済みの印刷装置と機種は同じであるがファームウェアのバージョンが新しい場合、前記判断手段は、新たな印刷機能を設定するための印刷設定項目の追加が有ると判断し、前記表示制御手段は、新たな印刷設定項目を追加した印刷設定画面を表示する請求項2に記載の印刷指示装置。
【請求項5】
前記第1の印刷ジョブ作成手段が、前記表示手段に表示された印刷設定画面において、ユーザーが指示した印刷設定に基づいて印刷ジョブを作成できない場合、ユーザーが指示した印刷設定による印刷と同じ印刷結果となるように、印刷ジョブを作成し又は他の印刷ジョブ作成手段に印刷ジョブを作成してもらう請求項1〜4のいずれかに記載の印刷指示装置。
【請求項6】
前記第1の印刷ジョブ作成手段は他の印刷ジョブ作成手段を探索可能な機能を備えている請求項1〜5のいずれかに記載の印刷指示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は他の印刷ジョブ作成手段が有している印刷ジョブ作成機能を解析可能である請求項1〜6のいずれかに記載の印刷指示装置。
【請求項8】
前記第1の印刷ジョブ作成手段が、前記表示手段に表示された印刷設定画面においてユーザーが指示した印刷設定に基づいて印刷ジョブを作成できない場合、印刷ジョブを作成
できる他の印刷ジョブ作成手段に対して印刷ジョブの作成と印刷装置への印刷の実行指示を依頼する請求項1〜4のいずれかに記載の印刷指示装置。
【請求項9】
印刷を実行させる印刷装置の処理能力が原因で印刷を実行できない場合、前記第1の印刷ジョブ作成手段は、ユーザーが指示した印刷設定による印刷と同じ印刷結果となるように、印刷ジョブを作成し又は他の印刷ジョブ作成手段に印刷ジョブを作成してもらう請求項1〜8のいずれかに記載の印刷指示装置。
【請求項10】
前記第1の印刷ジョブ作成手段は、前記印刷装置と逐次対話を行いながら印刷ジョブを作成する請求項1〜9のいずれかに記載の印刷指示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷ジョブを作成しネットワークを介して印刷装置に印刷指示を行う、例えばパーソナルコンピュータ(以下、パソコン)、携帯情報端末、タブレット端末等の印刷指示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコン、携帯情報端末、タブレット端末等のクライアント端末からなる印刷指示装置から、多機能デジタル画像形成装置であるMFP(Multi Function Perirherals)等の印刷装置へ印刷ジョブを送信して印刷を実行させる際に、指定した印刷装置の印刷ドライバをクライアント端末にインストールし、この印刷ドライバを用いて印刷ジョブの作成が行われている。そして、印刷ドライバを起動するたびに、クライアント端末から印刷装置に対して、印刷装置の能力情報(トナー残量や用紙残量、各種オプション情報)の取得が行われる。取得された結果は、クライアント端末上のUI(ユーザーインターフェース)に表示され、ユーザーはUI上の印刷設定画面から印刷項目を設定し、印刷を行う。
【0003】
近年、ワイファイ(wi-fi)接続で、モバイル端末から印刷装置に対して、アプリケーションやプラグインを利用して印刷を行う技術(例えばMopria印刷)が開発されている。これらのアプリケーション等は年に数回バージョンアップされ、バージョンアップするごとに新しい機能が追加される。例えば、バージョンアップ前はN in 1機能(1枚の用紙にN枚の資料をまとめて印刷を行う機能)として4 in 1機能に対応していたが、バージョンアップにより6 in 1機能や8 in 1機能が対応可能になることが考えられる。また、印刷装置もファームウェアのバージョンアップにより使用できる印刷機能が追加されることが多い。例えば、印刷装置のファームウェアのバージョンアップにより、PINプリント機能(ユーザーが印刷装置から印刷用紙を出力する際に、操作パネル上にパスワードを入力してから印刷された用紙が出力される機能)が利用可能となる。
【0004】
しかし、印刷装置のファームウェアのバージョンアップを行わないと、ユーザーが使用したい機能の一部が使えない課題がある。例えば、普段のオフィス内で、ユーザーがモバイル端末にインストールしているアプリケーションにより、印刷装置Aに対してN in 1機能における8 in 1機能を利用して印刷を行っているとする。ユーザーが出張等で異なるオフィスに移動し、印刷装置Aと同じ機種である印刷装置Bに対してN in 1機能における8 in 1機能を利用して印刷を行おうとしたが、印刷装置Bのファームウェアのバージョンが古く、4 in 1機能までしか利用できないという課題がある。
【0005】
なお、特許文献1には、特定の印刷設定項目について、切り替え前のプリンタドライバの印刷設定値を、切り替え後のプリンタドライバの印刷設定値に引き継がないと判断した場合に、オペレーティングシステムから取得する切り替え前のプリンタドライバの印刷設定値を無視して、切り替え後のプリンタドライバの印刷設定値を、切り替え後のプリンタドライバの印刷設定項目のデフォルトの設定値に設定する技術が開示されている。
【0006】
また特許文献2には、OSが提供するユーザインタフェースを介して複数のプリンタのうち使用するプリンタがユーザによって選択されたとき、複数のプリンタドライバのうちの上記変更後のプリンタに対応するプリンタドライバは、プリンタが変更された旨のメッセージを表示するユーザインタフェースを表示する。このユーザインタフェースにおいて、OSが保持している複数のプリセットのうちからいずれか1つのプリセットを選択させる。選択後、その選択されたプリセットの情報をオペレーティングシステムに通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017−59258号公報
【特許文献2】特開2011−227681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の技術は、設定項目を引き継ぎたい項目と引き継ぎたくない項目に分類し、引き継ぐかどうかを選択できるようにした技術であり、引用文献2に記載の技術は、複数の印刷設定を保存しておき、所定のドライバ印刷を行おうとした際に、保存している印刷設定から選択して印刷を行う技術である。このため、上述した問題、つまり同じ機種の印刷装置であってもファームウェアの更新等が行われていなければ、インストールされている最新のドライバベースの印刷設定や実行を、その印刷装置に対して要求することができないという問題に対して、解決策を与え得るものではなかった。
【0009】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、例えば印刷を実行させる印刷装置のファームウェアのバージョンが古いこと等に起因して、その印刷装置に対する印刷設定や実行ができないという問題を解決し、インストールされている最新のドライバベースの印刷設定や実行を要求することが可能となる印刷指示装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)表示手段と、ネットワークを介して接続された1台又は複数台の印刷装置に対し、ユーザーの指示に基づいて印刷ジョブを作成し印刷を指示する複数の印刷ジョブ作成手段と、各印刷装置の印刷機能情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得された各印刷装置の印刷機能情報を保存する保存手段と、複数の前記印刷ジョブ作成手段のうちの一つである第1の印刷ジョブ作成手段に、ユーザーが選択した印刷装置に対する印刷ジョブを作成させるために、1つ又は複数の印刷設定項目を有する印刷設定画面を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段が前記印刷設定画面を表示する際に、新たな印刷機能を設定するための印刷設定項目の追加の有無を判断する判断手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記判断手段により新たな印刷機能を設定するための印刷設定項目の追加があると判断された時は、その印刷設定項目を追加した印刷設定画面を表示し、前記第1の印刷ジョブ作成手段は、前記表示手段に表示された印刷設定画面において、ユーザーが指示した印刷設定に基づいて印刷ジョブを作成できない場合、他の印刷ジョブ作成手段を利用して印刷ジョブを作成させることを特徴とする印刷指示装置。
(2)前記情報取得手段は、前記各印刷装置の機種情報及びファームウェアのバージョン情報をも取得し、前記印刷装置の機種毎にバージョンを比較する比較手段を更に備えている前項1に記載の印刷指示装置。
(3)前記比較手段による比較の結果、印刷を実行させる印刷装置が、既に印刷機能保存
済みの印刷装置と機種は同じであるがファームウェアのバージョンが古い場合、前記判断手段は、新たな印刷機能を設定するための印刷設定項目の追加は無いと判断し、前記表示制御手段は、新たな印刷設定項目を追加することなく印刷設定画面を表示する前項2に記載の印刷指示装置。
(4)前記比較手段による比較の結果、印刷を実行させる印刷装置が、既に印刷機能保存済みの印刷装置と機種は同じであるがファームウェアのバージョンが新しい場合、前記判断手段は、新たな印刷機能を設定するための印刷設定項目の追加が有ると判断し、前記表示制御手段は、新たな印刷設定項目を追加した印刷設定画面を表示する前項2に記載の印刷指示装置。
(5)前記第1の印刷ジョブ作成手段が、前記表示手段に表示された印刷設定画面において、ユーザーが指示した印刷設定に基づいて印刷ジョブを作成できない場合、ユーザーが指示した印刷設定による印刷と同じ印刷結果となるように、印刷ジョブを作成し又は他の印刷ジョブ作成手段に印刷ジョブを作成してもらう前項1〜4のいずれかに記載の印刷指示装置。
(6)前記第1の印刷ジョブ作成手段は他の印刷ジョブ作成手段を探索可能な機能を備えている前項1〜5のいずれかに記載の印刷指示装置。
(7)前記表示制御手段は他の印刷ジョブ作成手段が有している印刷ジョブ作成機能を解析可能である前項1〜6のいずれかに記載の印刷指示装置。
(8)前記第1の印刷ジョブ作成手段が、前記表示手段に表示された印刷設定画面においてユーザーが指示した印刷設定に基づいて印刷ジョブを作成できない場合、印刷ジョブを作成できる他の印刷ジョブ作成手段に対して印刷ジョブの作成と印刷装置への印刷の実行指示を依頼する前項1〜4のいずれかに記載の印刷指示装置。
(9)印刷を実行させる印刷装置の処理能力が原因で印刷を実行できない場合、前記第1の印刷ジョブ作成手段は、ユーザーが指示した印刷設定による印刷と同じ印刷結果となるように、印刷ジョブを作成し又は他の印刷ジョブ作成手段に印刷ジョブを作成してもらう前項1〜8のいずれかに記載の印刷指示装置。
(10)前記第1の印刷ジョブ作成手段は、前記印刷装置と逐次対話を行いながら印刷ジョブを作成する前項1〜9のいずれかに記載の印刷指示装置。
【発明の効果】
【0011】
前項(1)に記載の発明によれば、複数のジョブ実行手段のうちの一つである第1の印刷ジョブ実行手段に、ユーザーが選択した印刷装置に対する印刷ジョブを作成させるために、1つ又は複数の印刷設定項目を有する印刷設定画面を表示手段に表示するが、印刷設定画面を表示する際に、新たな印刷機能を設定するための印刷設定項目の追加の有無が判断される。そして、新たな印刷機能を設定するための印刷設定項目の追加があると判断された時は、その印刷設定項目を追加した印刷設定画面が表示され、第1の印刷ジョブ作成手段は、表示手段に表示された印刷設定画面においてユーザーが指示した印刷設定に基づいて印刷ジョブを作成できない場合、他の印刷ジョブ作成手段を利用して印刷ジョブが作成される。
【0012】
従って、印刷を実行させる印刷装置のファームウェアのバージョンが古いこと等に起因して、その印刷装置に対する印刷設定や実行ができない場合であっても、他の印刷ジョブ作成手段を利用して印刷ジョブを作成することにより、インストールされている最新のドライバベースの印刷設定や実行を要求することが可能となる。
【0013】
前項(2)に記載の発明によれば、各印刷装置の機種情報及びファームウェアのバージョン情報が取得されるとともに、印刷装置の機種毎にバージョンが比較されるから、他の印刷ジョブ作成手段を利用して印刷ジョブを作成するかどうかの判断が容易となる。
【0014】
前項(3)に記載の発明によれば、印刷を実行させる印刷装置が、既に印刷機能保存済みの印刷装置と機種は同じであるがファームウェアのバージョンが古い場合、新たな印刷設定項目が追加されることなく印刷設定画面が表示される。
【0015】
前項(4)に記載の発明によれば、印刷を実行させる印刷装置が、既に印刷機能保存済みの印刷装置と機種は同じであるがファームウェアのバージョンが新しい場合、新たな印刷設定項目を追加した印刷設定画面が表示される。
【0016】
前項(5)に記載の発明によれば、第1の印刷ジョブ作成手段が、表示手段に表示された印刷設定画面において、ユーザーが指示した印刷設定に基づいて印刷ジョブを作成できない場合、ユーザーが指示した印刷設定による印刷と同じ印刷結果となるように、印刷ジョブを作成し又は他の印刷ジョブ作成手段に印刷ジョブを作成してもらうから、例えば普段使用している印刷装置に対しての印刷要求を他の印刷装置に対して行ったとき、その印刷装置が印刷要求を実行できなかった場合であっても、他の印刷ジョブ作成手段により印刷ジョブを作成することにより、同一の印刷結果を実現できる。
【0017】
前項(6)に記載の発明によれば、第1の印刷ジョブ作成手段は他の印刷ジョブ作成手段を探索可能な機能を備えているから、第1の印刷ジョブ作成手段は他の印刷ジョブ作成手段を利用して印刷ジョブを作成させることができるかどうかを判断することができる。
【0018】
前項(7)に記載の発明によれば、表示制御手段は他の印刷ジョブ作成手段が有している印刷ジョブ作成機能を解析可能であるから、他の印刷ジョブ作成手段を利用して印刷ジョブを作成できるかどうかの判断が容易となる。
【0019】
前項(8)に記載の発明によれば、第1の印刷ジョブ作成手段が、表示手段に表示された印刷設定画面において、ユーザーが指示した印刷設定に基づいて印刷ジョブを作成できない場合、印刷ジョブを作成できる他の印刷ジョブ作成手段に対して印刷ジョブの作成と印刷装置への印刷の実行指示を依頼するから、印刷を実行させる印刷装置のファームウェアのバージョンが古いこと等に起因して、その印刷装置に対する印刷設定や実行ができない場合であっても、他の印刷ジョブ作成手段を利用して印刷ジョブを作成することにより、インストールされている最新のドライバベースの印刷設定や実行を要求することが可能となる。しかも、例えば普段使用している印刷装置に対しての印刷要求を他の印刷装置に対して行ったとき、その印刷装置が印刷要求を実行できなかった場合であっても、他の印刷ジョブ作成手段により印刷ジョブを作成することにより、同一の印刷結果を実現できる。
【0020】
前項(9)に記載の発明によれば、印刷を実行させる印刷装置の処理能力が原因で印刷を実行できない場合、ユーザーが指示した印刷設定による印刷と同じ印刷結果となるように、印刷ジョブを作成し又は他の印刷ジョブ作成手段に印刷ジョブを作成してもらうから、印刷を実行させる印刷装置のファームウェアのバージョンが古いこと等に起因して、その印刷装置に対する印刷設定や実行ができない場合であっても、他の印刷ジョブ作成手段を利用して印刷ジョブを作成することにより、インストールされている最新のドライバベースの印刷設定や実行を要求することが可能となる。
【0021】
前項(10)に記載の発明によれば、第1の印刷ジョブ作成手段は、印刷装置と逐次対話を行いながら印刷ジョブを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】この発明の一実施形態に係る印刷指示装置が用いられた印刷システムの構成を示す図である。
図2】印刷指示装置である携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
図3図1の印刷システムにおいて、携帯端末装置から印刷装置へ印刷を指示する場合における、携帯端末装置1と印刷装置との間の処理シーケンスを示す図である。
図4図3におけるステップS8の印刷設定画面の更新処理を示すフローチャートである。
図5】複数の印刷サービスが表示された印刷指示装置の画面を示す図である。
図6】この発明の他の実施形態を示すものであり、携帯端末装置から印刷装置へ印刷を指示する場合における、携帯端末装置1と印刷装置との間の処理シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、この発明の一実施形態に係る印刷指示装置が用いられた印刷システムの構成を示す図である。
【0025】
この印刷システムは、印刷指示装置としてのタブレット端末等の携帯端末装置1と、1台又は複数台(この例では2台)の印刷装置2a、2bとを備え、これらの携帯端末装置1と各印刷装置2a、2bがネットワーク3を介してワイファイ(wi-fi)接続等により相互に接続されている。
【0026】
なお、印刷指示装置はスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末装置に限られず、デスクトップ型の端末装置であっても良い。
【0027】
携帯端末装置1は、CPU、RAM、固定記憶装置(ハードディスク装置など)、モニタ、タッチ操作可能な液晶パネル等を有する携帯型のコンピュータ装置である。電子化された文書を蓄積して持ち運び、どこでも閲覧、編集を行うことができる。また、無線通信する手段を有し、印刷装置2a、2bとの間でデータの送受信を行うことができ、さらにユーザーの指示に基づいて印刷ジョブを作成するとともに、作成した印刷ジョブを印刷装置2a、2bに送信して印刷を指示することができるようになっている。
【0028】
図2は携帯端末装置1の構成を示すブロック図である。携帯端末装置1はCPU101、制御プログラムの格納されたROM102、作業用のRAM103を備え、ROM102及びRAM103はそれぞれバスを介してCPU101に接続されている。また、CPU101、ROM102及びRAM103により、携帯端末装置1の全体を統括的に制御する制御部100を形成している。具体的には、CPU101がROM102あるいは固定記憶装置104に格納された動作プログラムに従って動作することにより、携帯端末装置1の全体を制御する。特にこの実施形態では、文書等の印刷を印刷装置2a、2bに指示する際に印刷ジョブの作成等の処理を実行するが、詳細は後述する。
【0029】
制御部100には、各種の情報を表示するとともに画面を直接タッチして操作入力を行うタッチパネル105、ワイヤレスランインターフェース106、短距離無線インターフェース107が、バスを介してそれぞれ接続されている。ワイヤレスランインターフェース106は、ネットワーク3との通信や印刷装置2a、2bとの通信に利用され、短距離無線インターフェース107は例えばブルートゥース(登録商標)や赤外線通信等の短距離無線通信を行うためのインターフェースである。
【0030】
さらに、制御部100には固定記憶装置104がバスを介して接続されている。固定記憶装置104とは例えばハードディスク装置である。この固定記憶装置104には、各種の管理データ、アプリケーションプログラム、文書等が記憶されており、この実施形態ではさらに各印刷装置2a、2bの機種を示す機種情報や各印刷装置2a、2bのファームウェアのバージョンを示すバージョン情報が記憶されている。
【0031】
印刷装置としては、この実施形態ではコピー機能、プリンタ機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等の機能を有する多機能デジタル画像形成装置である前述したMFPが用いられている。
【0032】
次に、図1の印刷システムにおいて、携帯端末装置1から印刷装置2a、2bへ印刷を指示する場合の処理を、携帯端末装置1と印刷装置2a、2bとの間の処理シーケンスを示す図3を参照して説明する。
【0033】
この実施形態では、携帯端末装置1に印刷ドライバ200がインストールされている。印刷ドライバ200は、携帯端末装置1のUI(ユーザーインターフェース)であるタッチパネル105における印刷設定画面の表示を制御する表示アプリケーション(以下、アプリケーションを単にアプリともいう)201と、印刷ジョブを作成する制御アプリ202、203から構成されている。
【0034】
携帯端末装置1から例えば印刷装置2aに対して印刷を行うためには、印刷ドライバ200の表示アプリ201は制御アプリ202を生成し、印刷装置2bに対して印刷を行うためには、表示アプリ201は制御アプリ203を生成する。
【0035】
まず、ユーザーは表示アプリ201を起動し、ネットワーク3内にある印刷装置2aを登録するために印刷装置2aにアクセスし追加登録の要求を行うと(ステップS1)、印刷装置2aは制御アプリ202の作成を要求し、表示アプリ201は制御アプリ202を作成し(ステップS2)、作成した制御アプリ202の情報を保存する。また制御アプリ202は印刷装置2aの機能を示す機能情報、機種を示す機種情報及びファームウェア(FWとも記す)のバージョンを示すバージョン情報を含む能力情報を印刷装置2aから取得し、表示アプリ201に通知する(ステップS3)。表示アプリ201は通知された印刷装置2aの能力情報を保存する。
【0036】
携帯端末装置1の表示アプリ201は印刷装置2aの印刷機能に応じた印刷設定項目を有する印刷設定画面を表示する。ユーザーは表示された印刷設定画面において各種印刷の設定を行い、印刷装置2aに対し印刷の実行を指示する。印刷設定項目を有する印刷設定画面のデータや印刷設定の内容等は表示アプリ201内に保存される。
【0037】
次に、ユーザーは別の印刷装置2bで印刷をしたくなり、印刷装置2bに対して追加登録の要求を行う(ステップS4)。印刷装置2bは制御アプリ203(第1のジョブ作成手段として機能する)の作成を要求し、表示アプリ201は制御アプリ203を作成し(ステップS5)、作成した制御アプリ203の情報を保存する。また、制御アプリ203は印刷装置2bの機能を示す機能情報、機種を示す機種情報及びファームウェアのバージョンを示すバージョン情報を含む能力情報を印刷装置2bから取得し、表示アプリ201に通知する(ステップS6)。表示アプリ201は通知された能力情報を保存する。
【0038】
表示アプリ201は、新たな印刷機能を設定するための印刷設定項目の追加の有無を判断するために、印刷装置2bと過去のある一定期間内に登録された他の印刷装置(例えば印刷装置2a)の機種とファームウェアのバージョンを比較する(ステップS7)。印刷装置2bと印刷装置2aの機種が同じで、印刷装置2bのファームウェアのバージョンが印刷装置2aのファームウェアのバージョンよりも古い場合、つまり印刷装置2bが有する印刷機能が印刷装置2aが有する印刷機能よりも少ない場合は、印刷装置2aでの印刷を実現可能な印刷設定項目を有する印刷設定画面を使用する。すなわち、制御アプリ202を使用して印刷を行った時の印刷設定画面を更新することなくそのまま使用し、ステップS9で印刷設定画面(UI画面)を作成して表示する。一方、印刷装置2bのファームウェアのバージョンが新しく、印刷装置2bが有する印刷機能が印刷装置2aの印刷機能よりも多い場合は、印刷装置2aでの印刷を実現可能な印刷設定画面に加えて、印刷装置2bからの機能情報を基に、追加されている機能の設定項目を新たに追加更新したのち(ステップS8)、印刷設定画面を作成し表示する(ステップS9)。更新された印刷設定画面のデータは保存される。
【0039】
なお、印刷装置2bと印刷装置2aの機種が相違している場合は、印刷装置2bの機能を実現することができる印刷設定画面を作成し、表示する。
【0040】
こうして、作成され表示された印刷設定画面上でユーザーが印刷設定を行い、印刷対象データを指定し、表示アプリ201を介して制御アプリ203に対して印刷要求を行うと(ステップS10)、制御アプリ203は印刷設定の内容が制御アプリ203で印刷ジョブを作成できる印刷機能に対応しているかどうかの判断を行い、自身で印刷ジョブを作成するかどうかの選択を行う(ステップS11)。もし、印刷設定の内容が自身で印刷ジョブを作成できる印刷機能に対応している場合は、印刷ジョブを作成し印刷装置2bに印刷ジョブを送信して印刷実行を指示する(ステップS14)。
【0041】
一方、印刷設定の内容が自身で印刷ジョブを作成できる印刷機能に対応していない場合は、ユーザーが指示した印刷設定による印刷と同じ印刷結果となるように、印刷ジョブを作成できる他の制御アプリを探索する。例えば制御アプリ202がその印刷ジョブを作成できる場合は、印刷設定データと印刷対象データを含むジョブ作成用データを制御アプリ202に転送する(ステップS12)。例えば、ユーザーが16 in 1機能による印刷設定を表示アプリ201を介して入力し制御アプリ203へ印刷要求を行ったが、制御アプリ203では16 in 1機能を実現するための印刷ジョブを作成できず、制御アプリ202では16ページの画像を1ページに集約した1枚の印刷データとして印刷ジョブの作成が可能である場合、つまり16 in 1機能による印刷結果と同じ結果を得ることができる場合、制御アプリ202にジョブ作成用データを転送する。
【0042】
制御アプリ202は、受信したジョブ作成用データに基づいて印刷ジョブを作成し、印刷装置2bに印刷ジョブを送信して印刷実行を指示する(ステップS13)。
【0043】
なお、印刷ジョブを作成できる他の制御アプリを探索した結果、存在しなかった場合は、例えば、印刷を実行できない旨のメッセージを表示してユーザーに再度印刷設定を行わせるようにしても良い。
【0044】
このように、この実施形態では、印刷装置2bのファームウェアのバージョンが既に保存登録済みの印刷装置2aのファームウェアのバージョンよりも古い場合、印刷装置2aでの印刷を実現可能な印刷設定項目を有する印刷設定画面を使用し、印刷装置2bのファームウェアのバージョンが新しい場合は、印刷装置2aでの印刷を実現可能な印刷設定画面に加えて、追加されている機能の設定項目を新たに追加更新して印刷設定画面を作成し表示するから、常に最新の印刷設定項目を有する印刷設定画面をユーザーに提示できる。しかも、ユーザーにより設定された印刷設定に基づく印刷ジョブを作成することができない場合、ユーザーが指示した印刷設定による印刷と同じ印刷結果となるように、印刷ジョブを作成できる他の制御アプリを探索するから、印刷を実行させる印刷装置2bのファームウェアのバージョンが古いこと等に起因して、その印刷装置2bに対する印刷設定や実行ができない場合であっても、他の制御アプリ202を利用して印刷ジョブを作成することにより、インストールされている最新のドライバベースの印刷設定や実行を要求することが可能となる。また、普段使用している例えば印刷装置2aに対しての印刷要求を他の印刷装置2bに対して行ったとき、その印刷装置2bが印刷要求を実行できなかった場合であっても、他の制御アプリ202により印刷ジョブを作成することにより、同一の印刷結果を実現できる。
【0045】
次に、ステップS8の表示アプリ201による印刷設定画面の更新処理について説明する。
【0046】
この更新処理は、具体的には図4に示した流れになる。即ち、表示アプリ201は、ステップS21で、新規に追加登録された印刷装置2bから送られてきた機能情報が、オプション機能(例えば、ファクシミリキットやフィニッシャー機)の機能情報か、あるいは印刷装置2bのデフォルト設定機能(例えば、モノクロ機/カラー機)の機能情報かを分類する。
【0047】
オプション機能の機能情報であれば(ステップS21で「オプション」)、ステップS23で、機能情報を保存し更新するようにする。デフォルト機能の機能情報であれば(ステップS21で「デフォルト」)、ステップS22で、印刷装置2bから送られてきた機能情報と、既に登録されている他の印刷装置(例えば印刷装置2a)の機能情報との比較を行い、新しい機能情報でれば印刷設定項目に反映させるためにその機能情報を保存しておく(ステップS23)。もし、印刷装置2bから送られてきた機能情報が、既に登録されている印刷装置の機能情報よりも劣化した情報であれば、更新を行わない。
【0048】
機能情報の分類及び保存は、印刷装置2bから送られてきた全ての機能情報について行う。ステップS24では、分類及び保存を行っていない機能情報があるか確認し、あれば(ステップS24でYES)、ステップS21に戻る。なければ(ステップS24でNO)、図3のステップS9に戻る)。
【0049】
次に、この発明の他の実施形態を説明する。この実施形態では、図5に示す携帯端末装置1におけるタッチパネル105の表示画面に示されているように、複数の印刷サービスのうちサービスが「ON」の設定となっている印刷サービスをユーザーが選択して利用できるようになっている。また「ON」となっている各印刷サービスに対応して、それぞれ印刷ドライバ300、400が携帯端末装置1内にインストールされており、該当ドライバを有効にすることで、印刷ができるようになっている。例えば、2つの印刷ドライバ300、400が共に有効にされていれば、いずれの印刷ドライバを使っても同一の印刷装置に対して印刷を指示することが可能となる。
【0050】
携帯端末装置1の構成は図2に示したものと同じであるので、説明は省略する。携帯端末装置1から印刷装置2aへ印刷を指示する場合の処理を、携帯端末装置1と印刷装置2aとの間の処理シーケンスを示す図6を参照して説明する。
【0051】
ユーザーは1つの印刷ドライバ300を利用して印刷装置2aに対して印刷を行うために、印刷ドライバの設定を有効にする。そして、印刷ドライバ300の表示アプリ301を起動し、ネットワーク3内にある印刷装置2aで印刷を行うために、印刷装置2aにアクセスして印刷装置2aに対して追加登録の要求を行うと(ステップS31)、印刷装置2aは制御アプリ302(第1のジョブ作成手段として機能する)の作成を要求し、表示アプリ301は制御アプリ302を作成し(ステップS32)、作成した制御アプリ302の情報を保存する。また制御アプリ302は印刷装置2aの機能を示す機能情報、機種を示す機種情報及びファームウェアのバージョンを示すバージョン情報を含む能力情報を印刷装置2aから取得し、表示アプリ301に通知する(ステップS33)。表示アプリ301は通知された能力情報を保存する。
【0052】
印刷ドライバ300の表示アプリ301は、携帯端末装置1内にインストールされている他の印刷ドライバ(例えば印刷ドライバ400)の探索を行う(ステップS34)。探索対象となる印刷ドライバは、印刷ドライバを使って印刷をすることができる設定が有効になっているものを対象とする。
【0053】
他の印刷ドライバ400の表示アプリ401は、印刷ドライバ300の表示アプリ301による探索に対して設定有効を応答すると(ステップS35)、応答を受領した印刷ドライバ300の表示アプリ301は、他の印刷ドライバ400の表示アプリ401に保存されている印刷設定項目の情報を読み取って解析し、印刷ドライバ300で印刷が実行できるかどうかの確認を行う(ステップS36)。もし印刷ドライバ300で印刷が実行できない印刷項目(印刷機能)がある場合は(ステップS36で機能あり)、印刷ドライバ300の表示アプリ301に、印刷ドライバ400で実現できる印刷設定項目を表示できるように印刷設定項目を追加して印刷設定画面を更新したのち(ステップS37)、ステップS38で印刷設定画面を作成し表示する。他の印刷ドライバ400で印刷実行ができる機能がない場合、つまりドライバ300の印刷機能が最新、あるいは、他の印刷ドライバ400と印刷機能が同じ場合は(ステップS36で機能なし)、表示アプリ301による印刷設定画面の更新を行うことなく、ユーザーが印刷ドライバ300を利用して印刷できるように印刷設定画面を作成し表示する(ステップS38)。
【0054】
こうして、作成され表示された印刷設定画面上でユーザーが印刷設定を行い、印刷対象データを指定し、表示アプリ301を介して制御アプリ302に対して印刷要求を行うと(ステップS39)、制御アプリ302は印刷設定の内容が制御アプリ302で印刷ジョブを作成できる印刷機能に対応しているかどうかを判断する(ステップS40)。もし、印刷設定の内容が自身で印刷ジョブを作成できる印刷機能に対応している場合は(ステップS40でOK)、印刷ジョブを作成し印刷装置2bに印刷ジョブを送信して印刷実行を指示する(ステップS43)。
【0055】
一方、印刷設定の内容が自身で印刷ジョブを作成できる印刷機能に対応していない場合は(ステップS40でNG)、制御アプリ302は、ユーザーが指示した印刷設定による印刷と同じ印刷結果となるように、印刷ジョブを作成できる他の印刷ドライバを探索する。例えば印刷ドライバ400の制御アプリ402がその印刷ジョブを作成できる場合は、印刷設定データと印刷対象データを含むジョブ作成用データを制御アプリ402に転送する(ステップS41)。例えば、ユーザーが16 in 1機能による印刷設定を表示アプリ301により入力し制御アプリ302へ印刷要求を行ったが、制御アプリ302では実現ができず、別の制御アプリ402では16ページの画像を1ページに集約した1枚の印刷データとして印刷ジョブの作成が可能である場合、制御アプリ402にジョブ作成用データを転送する。
【0056】
制御アプリ402は、受信したジョブ作成用データに基づいて印刷ジョブを作成し、印刷装置2bに印刷ジョブを送信して印刷実行を指示する(ステップS42)。
【0057】
このように、この実施形態においても、印刷ドライバ300の表示アプリ301は、印刷ドライバ300では実行できないが他の印刷ドライバ400で印刷を実現できる機能があれば、その機能を実現するための印刷設定項目を新たに追加して印刷設定画面を更新するから、常に最新の印刷設定項目を有する印刷設定画面をユーザーに提示できる。しかも、ユーザーにより設定された印刷設定に基づく印刷ジョブを作成することができない場合、ユーザーが指示した印刷設定による印刷と同じ印刷結果となるように、印刷ジョブを作成できる他の印刷ドライバ400を探索するから、印刷を実行させる印刷装置2aのファームウェアのバージョンが古いこと等に起因して、その印刷装置2aに対する印刷設定や実行ができない場合であっても、他の印刷ドライバ400を利用して印刷ジョブを作成することにより、インストールされている最新のドライバベースの印刷設定や実行を要求することが可能となる。
【0058】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。例えば、携帯端末装置1に印刷ドライバがインストールされている例を説明したが、印刷ジョブ作成手段は、前記印刷装置と逐次対話を行いながら印刷ジョブを作成する印刷ジョブの作成部が、印刷装置と逐次対話を行いながら印刷ジョブを作成していく形式のいわゆるドライバレスの携帯端末装置であっても良い。
【0059】
また、印刷を実行させる印刷装置2a、2bの処理能力が原因で印刷を実行できない場合、制御アプリ203、302は、ユーザーが指示した印刷設定による印刷と同じ印刷結果となるように、印刷ジョブを作成し又は他の制御アプリ202、402に印刷ジョブを作成してもらう構成としても良い。
【符号の説明】
【0060】
1 携帯端末装置(印刷指示装置)
2a、2b 印刷装置
3 ネットワーク
100 制御部
101 CPU
104 固定記憶装置
105 タッチパネル
200、300、400 プリンタドライバ
201、301 表示アプリ(表示制御手段)
203、302 制御アプリ(第1の印刷ジョブ作成手段)
202、402 他の制御アプリ(他の印刷ジョブ作成手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6