(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両の左右両側に配置される車輪が連結可能な車軸と、前記車輪を駆動する車輪駆動用モーターと、前記車軸及び前記車輪駆動用モーターを収容するアクスルハウジングと、前記車輪を操舵するステアリング機構とを備えている電気自動車の車両下部構造において、
前記車軸は、前記アクスルハウジング内における車幅方向側部に配置され、前記車輪駆動用モーターは、前記アクスルハウジング内における車幅方向中央部に配置されており、
前記ステアリング機構の一部を構成するラックピニオンギアボックスは、前記アクスルハウジング内に収容され、前記ラックピニオンギアボックスは、前記車幅方向中央部に配置され、
前記アクスルハウジング内における車幅方向中央部には、上面視で前記車輪駆動用モーターの周囲を取り囲んで前記車輪駆動用モーターを固定するモーターフレームが設けられており、
前記モーターフレームには、前記ラックピニオンギアボックスが取り付けられる固定部が設けられていることを特徴とする電気自動車の車両下部構造。
前記ステアリング機構は、車幅方向左側の前記車輪を操舵する左側ラックピニオンギアボックスと、車幅方向右側の前記車輪を操舵する右側ラックピニオンギアボックスとを有し、
前記左側ラックピニオンギアボックス及び前記右側ラックピニオンギアボックスのそれぞれには、ステアリング駆動用モーターが設けられ、
前記ステアリング駆動用モーターは、車両室内から送信される電気信号によって駆動されるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電気自動車の車両下部構造。
車両前側の前側車輪に対応する前記アクスルハウジング内に配置された前記車輪駆動用モーター及び前記ラックピニオンギアボックスと、車両後側の後側車輪に対応する前記アクスルハウジング内に配置された前記車輪駆動用モーター及び前記ラックピニオンギアボックスは、前後対称に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項の車両下部構造。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る電気自動車の車両下部構造を車両下方から見た下面図である。
【
図2】
図1の車両後側の後アクスルハウジング等を示す拡大下面図である。
【
図4】
図2の後アクスルハウジング等の車両後方から見た斜視図である。
【
図5】
図2の後アクスルハウジング等の車両後方から見た後面図である。
【
図6】
図2のアクスルハウジング内に収容された車輪駆動用モーター等を示す斜視図である。
【0012】
以下、本発明に係る電気自動車の車両下部構造について、図面(
図1〜
図7)を用いて説明する。本実施形態における車両1は、車軸懸架式サスペンション構造を有する四輪駆動の電気自動車であって、各車輪には、車輪駆動用モーターが車軸等を介して接続されている。また、車軸及び車輪駆動用モーターは、アクスルハウジングの内部に収容されている。さらに、本実施形態のステアリング機構は、ラックピニオン式のステアリング機構であり、ラックピニオンギアボックスを備えている。当該ラックピニオンギアボックスは、アクスルハウジングの内部に収容されている。以下、本実施形態の車両下部構造について説明する。
【0013】
本実施形態の車両下部構造における後部は、
図1及び
図2に示すように、後車軸12a,12b、後輪駆動用モーター22a,22b、後サスペンション27、及び後ラックピニオンギアボックス24a,24bを備えている。さらに、車両下部構造における後部は、後側アクスルハウジング14等を備えている。後側アクスルハウジング14には、後輪駆動用モーター22a,22b及び後ラックピニオンギアボックス24a,24bが収容されている。
【0014】
また、車両下部構造における前部は、後部と同様に、前車軸、前輪駆動用モーター、前サスペンション、及び前ラックピニオンギアボックスを備えている。さらに、車両下部構造における前部は、前側アクスルハウジング13等を備えている。前側アクスルハウジング13には、前輪駆動用モーター及び前ラックピニオンギアボックスが収容されている。本実施形態では、車両後部の構造と車両前部の構造は、同様の構成であるため、以後、車両後部の構造について詳細に説明する。
【0015】
本実施形態における後車軸12a,12b、後輪駆動用モーター22a,22b、後ラックピニオンギア24a,24bは、左右それぞれに個別に配置されている。すなわち、後車軸12a,12bは、左後車軸12aと右後車軸12bを有し、後輪駆動用モーター22a,22bは、左後輪駆動用モーター22a及び右後輪駆動用モーター22bを有し、後ラックピニオンギアボックス24a,24bは、左後ラックピニオンギアボックス24a及び右後ラックピニオンギアボックス24bを有している。
【0016】
前部についても同様に、前車軸は、左前車軸と右前車軸(共に図示せず)を有し、前輪駆動用モーターは、左前輪駆動用モーター及び右前輪駆動用モーター(共に図示せず)を有し、前ラックピニオンギアボックスは、左前ラックピニオンギアボックス及び右前ラックピニオンギアボックス(共に図示せず)を有している。なお、本実施形態の説明における左右とは、車両1の運転席(図示せず)に着座したときの左右に対応している。
【0017】
左後車軸12a及び右後車軸12bは、車幅方向に水平に延びている部材で、例えば、金属材料により形成されている。
図2に示すように、左後車軸12aの左側端部は、ナックル9等を介して左後輪4aが取り付けられ、右側端部は左後輪駆動用モーター22aに接続されている。同様に、右後車軸12bの右側端部は、ナックル9等を介して右後輪4bが取り付けられ、左側端部は右後輪駆動用モーター22bに接続されている。左前車軸及び右前車軸も、左後車軸12a及び右後車軸12bと同様に構成されている。
【0018】
本実施形態の後アクスルハウジング14は、
図1及び
図2に示すように、全体で車幅方向に延びている部材で、車幅方向中央部に配置される後ハウジング中央部14Aと、後ハウジング中央部14Aの車幅方向両側に配置される後ハウジング側部14Bを有している。後ハウジング中央部14Aは、後ハウジング側部14Bに対して、車両前後方向及び車両上下方向に膨出しており、内部に左後輪駆動用モーター22a、右後輪駆動用モーター22b、左後ラックピニオンギアボックス24a及び右後ラックピニオンギアボックス24bを収容している。
【0019】
また、前アクスルハウジング13は、後アクスルハウジング14と同様に構成され、前ハウジング中央部13Aと、前ハウジング側部13Bを有している。前ハウジング中央部13Aは、後ハウジング中央部14Aと同様に、内部に左前輪駆動用モーター、右前輪駆動用モーター、左前ラックピニオンギアボックス及び右前ラックピニオンギアボックスを収容している。
【0020】
前後のアクスルハウジング13,14に、駆動機構(後輪及び前輪の駆動用モーター)及びステアリング機構(前後のラックピニオンギアボックス)を搭載するにより、車体と車軸間を連結に制約を受けにくいサスペンションストロークを大きくとることができる。
【0021】
また、前輪駆動用モーター及び後輪駆動用モーター22a,22bを前後のアクスルハウジング13,14に搭載することで、車体との駆動の伝達機構を省略でき、車軸懸架式サスペンションの駆動輪であっても、ラックピニオン式のステアリングギアンボックス(前後のラックピニオンギアボックス)を搭載するスペースを確保することが可能となる。この構成によれば、プロペラシャフト等がなく、左右の後ラックピニオンギアボックス24a,24bと緩衝する構造が存在し無いため、地上高を高くとることができ、走破性を向上させるとともに構造の簡素化と軽量化が可能となる。
【0022】
また、上記構成により、車両1の後部及び前部おいて、左右輪の駆動力・駆動方向を別々に操作することができ、より自由度の多い走行制御を実施することが可能になる。
【0023】
ここで、前後のアクスルハウジング13,14について説明する。後アクスルハウジング14の後ハウジング側部14Bは、後ハウジング中央部14Aの両側から車幅方向外側に向かって延びる管状の部材であり、内部に左後車軸12a及び右後車軸12bを収容している。後ハウジング側部14Bの車幅方向外側から、左右の後車軸12a,12bが後輪4a,4bに向かって突出している。後ハウジング側部14Bの車幅方向の両外側部にはベアリング5が設けられ、該ベアリング5によって左右の後車軸12a,12bが後ハウジング側部14Bに回転可能に支持されている。前アクスルハウジング13の前ハウジング側部13Bも、同様に構成されている。
【0024】
また、
図4及び
図5に示すように、後ハウジング側部14Bの車幅方向外側部は、後ハウジング中央部14Aよりも車両下方に位置するように傾斜している。すなわち、後アクスルハウジング14の後ハウジング中央部14Aの下面は、左右の後輪4a,4bの中心よりも車両上方に配置されている。前ハウジング側部13Bも、後ハウジング側部14Bと同様に構成され、前ハウジング中央部13Aの下面は、左右の前輪3a,3bの中心よりも車両上方に配置されている。前後のアクスルハウジング13,14は、車両前方正面視及び車両後方正面視で、ハの字形状となっている。この構成により、地面とのクリアランスを大きくとることができ、走破性が向上する。
【0025】
また、前後のハウジング側部13B,14Bの部分には、
図1、
図4及び
図5に示すように、リンクアーム6及びラテラルロッド7の取付部6a,7aが設けられている。リンクアーム6は、車両前後方向に沿って配置されているとともに、ラテラルロッド7は、車両左右方向に沿って配置されている。リンクアーム6の取付部6aは、車両上下方向に延びる左右一対のアームブラケット7bの下部に設けられており、リンクアーム6の一端は、アームブラケット7bを介して前後のハウジング側部に取付けられている。そのため、アームブラケット7bは、車両上下方向に沿って配置されており、上下中間部分が前ハウジング側部13Bの後面と後ハウジング側部14Bの前面にそれぞれ接合されている。そして、リンクアーム6の他端は、車体下部に取付けられている。
【0026】
さらに、ラテラルロッド7の一方の取付部は、アームブラケット7bの上部に設けられており、ラテラルロッド7の一端は、アームブラケット7bを介して後ハウジング側部14Bに取り付けられている。また、ラテラルロッド7の他方の取付部は、車体下面に設けられており、ラテラルロッド7の他端は、支持ブラケット7cを介して車体下面に取り付けられている。
【0027】
ここで、左後車軸12a及び右後車軸12bのサスペンションの構造について説明する。左後車軸12a及び右後車軸12bは、後サスペンション27によって懸架されている。本実施形態の後サスペンション27の構造において、ナックル9と、左右の後車軸12a,12bのそれぞれとの接合部の車両上部には、
図4及び
図5に示すように、後サスペンション27を構成するストラット28が回転可能に保持されている。
【0028】
後サスペンション27の基本設計は、リジットアクスルの5リンク式であり、リジットサスペンション特有の悪路走破性に加え、ストローク時におけるアライメント変化が起こらない構造になっている。そのため、ナックル9と後車軸との接合部の車両上部にストラット28を回転可能に保持することにより、アクスルと同軸としたラックピニオンギアを用いてアライメント変化を積極的に利用するように構成されている。なお、前サスペンションについても、後サスペンション27と同様に構成されている。
【0029】
また、本実施形態のナックル9には、
図4に示すように、リダクションハブ9bが設けられている。リダクションハブ9bを設けることにより、前後の車軸の取付部を前輪及び後輪の中心よりも高い位置に配置することが可能となり、車高をより高く設定できるように構成されている。
【0030】
左右の後輪駆動用モーター22a,22b及び左右の前輪輪駆動用モーターは、電動モーターであり、図示しないバッテリにより電力が供給され駆動する。本実施形態における車輪駆動用モーターは、各車輪にそれぞれ1つの車輪駆動用モーターが連結されている。すなわち、左後輪4aには、左後輪駆動用モーター22aが連結され、右後輪4bには、右後輪駆動用モーター22bが連結されている。同様に、左前輪3aには、左前輪駆動用モーターが連結され、右前輪3bには、右前輪駆動用モーターが連結されている。
【0031】
また、左後輪駆動用モーター22a及び右後輪駆動用モーター22bは、車幅方向に沿って左右に隣接している状態で、後アクスルハウジング14の後ハウジング中央部14Aの内部に収容されている。左前輪駆動用モーター及び右前輪駆動用モーターも、車幅方向に沿って左右に隣接している状態で、前アクスルハウジング13の前ハウジング中央部13Aの内部に収容されている。
【0032】
図2及び
図6に示すように、後ハウジング中央部14Aの内部には、上面視で左右に並ぶ左後輪駆動用モーター22a及び右後輪駆動用モーター22bの周囲を取り囲んで左右の後輪駆動用モーター22a,22bを固定するモーターフレーム21が設けられている。この例では、上面視で略長方形状である。
図3に示すように、後輪駆動用モーター22a,22bの外ケースの前後の締結部33で、モーターフレーム21にボルト等により締結されている。外ケースの上下の締結部31で後ハウジング中央部14Aの天井及び底面に締結されている。
図3では、締結部31,33は、締結位置のみを示し、詳細な構造の図示は省略している。
【0033】
また、左右の後輪駆動用モーター22a,22b及びモーターフレーム21と、後アクスルハウジング14の内壁との間には、隙間が設けられている。例えば、モーターフレーム21の前壁と、後ハウジング中央部14Aの内壁は、車両前後方向に間隔を空けて配置されている。また、
図3に示すように、モーターフレーム21には、左右の後ラックピニオンギアボックス24a,24bが取り付けられる固定部21aが設けられている。後ラックピニオンギアボックス24a,24bの上部及び下部が、モーターフレーム21の固定部21aに固定される。前ハウジング中央部13Aの内部にも、同様にモーターフレーム21が設けられている。
【0034】
モーターフレーム21を設けることで、車輪駆動用モーターの固定構造の剛性を容易に向上させることができる。また、後ハウジング中央部14Aのモーターフレーム21における前方側に、左右の後ラックピニオンギアボックス24a,24bを直接的に固定することにより、左右の後ラックピニオンギアボックス24a,24bが、車両前後方向における正面視で、後アクスルハウジング14と重なって配置され、モーターフレーム21の下面よりも車両上側に位置して配置されるため、省スペース化でき、障害物とのクリアランス確保が容易になる。
【0035】
モーターフレーム21は、左右の後輪駆動用モーター22a,22bの下面と、後ハウジング中央部14Aの内部の底面との間に、車両前後方向に延びている補助フレーム(図示せず)が配置されている。当該補助フレームを設けることにより、モーターフレーム21の剛性・強度を向上させることができ、さらに、地面や障害物などに駆動用モーターやステアリング機構が直接接触することを防ぎ、保護することも可能となる。前部のモーターフレーム21も同様に構成され、同様の効果を得ることができる。
【0036】
後アクスルハウジング14の内部に配置されたモーターフレーム21の固定部21aは、モーターフレーム21の前部に設けられ、左右の後ラックピニオンギアボックス24a,24bは、左右の後輪駆動用モーター22a,22bの前方側に配置されている。同様に、前アクスルハウジング13の内部に配置されたモーターフレームの固定部は、モーターフレームの後部に設けられ、左右の前ラックピニオンギアボックスは、左右の前輪駆動用モーターの後方側に配置されている。すなわち、前後のラックピニオンギアボックスは、前後の車軸の車両前後方向間で、ホイールベースの内側に配置されている。
【0037】
また、後アクスルハウジング14の内部に配置されたモーターフレーム21の固定部21aは、モーターフレーム21の前部から左右の後ラックピニオンギアボックス24a,24bの車両下側まで延び、固定部21aの下端は、モーターフレーム21の下端よりも車両上方に配置されている。このように構成することで、固定部21aが車両前後視で、モーターフレーム21と後車軸4a,4bと重なって、ステアリング機構が配置されるため、障害物との衝突から左右の後輪駆動用モーター22a,22b及び左右の後ラックピニオンギアボックス24a,24bを保護しやすくなる。前アクスルハウジング13の内部のモーターフレームについても同様である。
【0038】
左後輪4a及び右後輪4bを操舵するためのステアリング機構は、上記した左後ラックピニオンギアボックス24a及び右後ラックピニオンギアボックス24bを有している。左後ラックピニオンギアボックス24a及び右後ラックピニオンギアボックス24bは、車幅方向に沿って延びているタイロッド26を介して、左右の後輪4a,4bに接続されている。
【0039】
この例では、車両前後方向の正面視で左右の後輪駆動用モーター22a,22bと左右の後輪4a,4bとを結ぶ左右の後車軸12a,12bに重なる位置に、左右の後ラックピニオンギアボックス24a,24bと左右のナックルアーム8を結ぶタイロッド26が配置されている。また、後ハウジング中央部14Aで、モーター軸(図示せず)の端部の車両上下方向位置(高さ)と後ラックピニオンギアボックス24a,24bの端部(タイロッド26の接合部)との車両上下方向位置が、同じになるように配置されている。左前輪3a及び右前輪3bを操舵するためのステアリング機構も、左後輪4a及び右後輪4bを操舵するためのステアリング機構と同様に構成されている。
【0040】
このようにラックピニオン式のステアリング構成することで、タイロッド26によってラックピニオンギアボックス24a,24bとナックル9を連結することになるため、後アクスルハウジング14を山形(ハの字形)に形成しても、ステアリング精度を確保することができる。また、車軸、アクスルハウジング13,14と重なる高さでタイロッド26を配置することで、タイロッド26が保護しやすくなり、操作効率が低下することを抑制できる。
【0041】
また、左後ラックピニオンギアボックス24a及び右後ラックピニオンギアボックス24bのそれぞれには、
図2に示すように、ステアリング駆動用モーター25が設けられている。左前ラックピニオンギアボックス及び右前ラックピニオンギアボックスのそれぞれにも、同様にステアリング駆動用モーター25が設けられている。
図3に示すように、ステアリング駆動用モーター25は、後ラックピニオンギアボックス24a,24bに固定されている。
【0042】
ステアリング駆動用モーター25は、電気信号によって駆動されるように構成されている。すなわち、当該ステアリング機構には、車両室内に配置されるハンドルに連結されるステアリングシャフトを有していない、いわゆるステアバイワイヤ技術が採用されている。ステアリング駆動用モーター25は、例えばラックピニオンギアのピニオンギアシャフトに取り付けられ、車両室内から送られる電気信号によって当該シャフトを回転させ、車輪を操舵する。
【0043】
このように構成することで、左右の後輪4a,4bで異なる転舵操作を行うことができるようになり、より自由度が高く、サスペンションのストローク時に受ける制約が少なく、より正確な車両操縦が可能になる。
【0044】
また、本実施形態では、前アクスルハウジング13内に配置された左右の前輪駆動用モーター及び左右の前ラックピニオンギアボックスと、後アクスルハウジング14内に配置された左右の後輪駆動用モーター22a,22b及び左右の後ラックピニオンギアボックス24a,24bとは、車両前後方向において対称に配置されている。すなわち、これらが、ホイールベースの車両前後方向中央の車幅方向線に対して線対称に配置されている。これにより、前後左右の車輪(四輪)の操舵角度と駆動力・駆動方向をそれぞれに操作することができ、より自由度の大きい車両1の動きを実現することができる。さらに、部品の共通化による生産性及びメンテナンス性の向上が図れるようになっている。
【0045】
また、左右の後ラックピニオンギアボックス24a,24bや、左右の後輪駆動用モーター22a,22bは、左右対称に配置されている。左右の前ラックピニオンギアボックスや、左右の前輪駆動用モーターも同様に配置されている。
【0046】
本実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0047】
例えば、上記実施形態では、四輪駆動車両について説明しているが、これに限らず、二輪駆動車両でもよい。
【0048】
また、
図7に示すように、1つの後ラックピニオンギアボックス24で、左右の後輪4a,4bを操舵するように構成してもよい。この場合、後ラックピニオンギアボックス24には、1つのステアリング駆動用モーター25を取り付ければよい。また、上記実施形態では、左右の車輪にそれぞれ駆動用モーターが設けられているが、これに限らない。左右の車輪を共通の駆動用モーターで駆動してもよい。