特許第6972901号(P6972901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6972901電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972901
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/28 20180101AFI20211111BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20211111BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20211111BHJP
   B32B 7/06 20190101ALI20211111BHJP
【FI】
   C09J7/28
   B32B15/08 N
   C09J201/00
   B32B7/06
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-202310(P2017-202310)
(22)【出願日】2017年10月19日
(65)【公開番号】特開2019-73663(P2019-73663A)
(43)【公開日】2019年5月16日
【審査請求日】2020年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】711004506
【氏名又は名称】トーヨーケム株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石黒 秀之
(72)【発明者】
【氏名】吉川 猛
【審査官】 水野 明梨
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0052864(US,A1)
【文献】 特開2015−136811(JP,A)
【文献】 特開2002−235421(JP,A)
【文献】 特表2012−516365(JP,A)
【文献】 特表2013−515112(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/027524(WO,A3)
【文献】 特開2004−202308(JP,A)
【文献】 特表2001−524385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 7/20
B32B 15/08
C09J 201/00
B32B 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
剥離層(C1)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)、および金属層(A)を順に有するシート(S)の金属層(A)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)と対向する側に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)を有し、さらに、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)の金属層(A)と対向する側に、剥離層(C2)を有することを特徴とすることを特徴とする電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート。
【請求項2】
下記の工程を有する電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造方法。

工程(1):剥離層(C1)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)、および金属層(A)を有するシート(S)を製造する工程。
工程(2):工程(1)で得たシート(S)の金属層(A)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)と対向する側に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)を配置する工程。
【請求項3】
下記の工程を有する電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造方法。

工程(1):剥離層(C1)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)、および金属層(A)を有するシート(S)を製造する工程。
工程(3):工程(1)で得たシート(S)の金属層(A)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)と対向する側に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)、および剥離層(C2)を配置する工程。
【請求項4】
さらに、剥離層(C2)を剥離する工程を有することを特徴とする請求項に記載の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造方法。
【請求項5】
工程(1)が、剥離層(C1)、および熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)を有するシートに、金属層(A)を配置する工程(1a)であることを特徴とする請求項いずれかに記載の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造方法。
【請求項6】
工程(1)が、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)に剥離層(C1)を配置する工程と同時に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)の剥離層(C1)と対向する側に、金属層(A)を配置する工程(1b)であることを特徴とする請求項いずれかに記載の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁誘導加熱により金属層(A)を加熱することにより熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)および熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)を軟化ないし溶融し、被着体同士を電磁誘導加熱により接着させるホットメルト接着シート及び電磁誘導加熱ホットメルト接着シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築材用床材、壁紙、天井材、石膏ボード、べニア板などの接着には接着剤・両面テープ・釘などを用いて接着を行っていた。接着剤は、溶剤・水などを乾燥させないと接着力が発揮しない為に時間を要し、解体する時に剥がすことが出来なかった。両面テープは、接着する時間は短いが、一度接着すると簡単に剥がすことが出来ず、貼り直しが難しかった。釘は、作業時音が大きく作業環境が悪く、貼り直しは可能であるが基材に穴が空いたり、基材に傷が付いたりするため、再使用する事が難しかった。
近年、電磁誘導加熱方式を用いた接着剤の溶融装置(特許文献1)や電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート(特許文献2、3)などが開発された。この電磁誘導方式は、厚さ6〜200μmの金属層の両面に熱可塑性ホットメルト接着剤を塗布することにより製造したテープ(シート)を接着すべき被着体に介在させた後電磁誘導加熱装置により短時間で金属層を加熱し熱可塑性ホットメルト接着剤を溶融させて、電磁誘導加熱装置を止めることによりホットメルト接着剤が固化して、熱可塑性ホットメルト接着剤シートを介して被着体同士が接着する。解体する(剥がす)時は、再度電磁誘導装置を用いて接着剤層を加熱させ熱可塑性ホットメルト接着剤シートを再加熱させて、ホットメルト接着剤層が固化する前に被着体同士を引き剥がすことが出来る(特許文献4)。
【0003】
電磁誘導加熱とは、電磁誘導加熱装置のコイルに高周波の交流電流を流すことにより交流磁界を発生させて、磁界中の導電物質の金属層内に渦電流を発生させて、この渦電流に基づくジュール熱で導電物質を発熱させる加熱方法である。コイルに流す交流の周波数を高くする程磁界の変化が速くなり、それに基づく渦電流が大きくなって、加熱時間を短くすることが出来る。
【0004】
従来の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造は、金属層の両面に直接塗布する方法であった。塗工方法として具体的には、ダイ方式、スプレー方式、ロールコーター方式、熱ラミネーター方式である(特許文献5、6)。しかしながら、片面塗工した後反対側に熱可塑性樹脂を塗工する時に塗工機又は、熱ラミネーター機のバックアップロールに最初に塗工した熱可塑性ホットメルト接着剤層が溶けて接着したりする為生産することが難しいなどの問題を抱えていた。
【0005】
上記の問題を解決する為に金属層と熱可塑性ホットメルト層をドライラミ接着剤で接着して、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートを製造する方法が開発された(特許文献7)。しかしながら、(1)金属層と熱可塑性ホットメルト接着剤層をドライラミネートで接着する工程が増える、(2)ドライラミネート接着剤が硬化するまで4日以上必要であり、著しく生産性が低下する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−220288
【特許文献2】特開2001−262085
【特許文献3】特開2002−371253
【特許文献4】特開2006−200279
【特許文献5】特開2004-197012
【特許文献6】特開平10−279892
【特許文献7】特開2017-008213
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、接着強度が良好であり、かつ第2の熱可塑性ホットメルト接着剤層を作製時にバックアップロールに貼りついたりすることなく、効率良く製造可能な電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭利研究を重ねた結果、課題を解決する電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート、それを用いた接着構造物を見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、剥離層(C1)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)、および金属層(A)を順に有するシート(S)の金属層(A)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)と対向する側に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)を有することを特徴とする電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートに関する。
【0010】
また、本発明は、さらに、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)の金属層(A)と対向する側に、剥離層(C2)を有することを特徴とする前記の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートに関する。
【0011】
また、本発明は、下記の工程を有する電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造方法に関する。
工程(1):剥離層(C1)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)、および金属層(A)を有するシート(S)を製造する工程。
工程(2):工程(1)で得たシート(S)の金属層(A)側に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)を配置する工程。
【0012】
また、本発明は、下記の工程を有する電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造方法に関する。
工程(1):剥離層(C1)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)、および金属層(A)を有するシート(S)を製造する工程。
工程(3):工程(1)で得たシート(S)の金属層(A)側に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)、および剥離層(C2)を配置する工程。
【0013】
また、本発明は、さらに、剥離層(C2)を剥離する工程を有することを特徴とする前記の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造方法に関する。
【0014】
また、本発明は、工程(1)が、剥離層(C1)、および熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)を有するシートに、金属層(A)を配置し、シート(Sa)を製造する工程(1a)である前記の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造方法に関する。
【0015】
また、本発明は、工程(1)が、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)に剥離層(C1)を配置する工程と同時に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)の剥離層(C1)と対向する側に、金属層(A)を配置し、シート(Sb)を製造する工程(1b)である前記の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの製造方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、接着強度が良好であり、かつ第2の熱可塑性ホットメルト接着剤層を作製時にバックアップロールに貼りついたりすることなく、効率良く製造可能な電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートおよびその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の代表的な実施形態を表す。
図2図2は、本発明の別の代表的な実施形態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート及びその製造方法について、詳細に説明する。
【0019】
<電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート>
本発明の電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートを図1及び図2を参照して説明する。図1及び図2は、それぞれ電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの一例を示す模式的な断面図である。図1の例に示される電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート10は、剥離層(C1)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)、および金属層(A)の順に積層されるシート(S)の金属層(A)の外側に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)が積層された積層体である。また、図2の例に示される電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート10は、剥離層(C1)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)、および金属層(A)の順に積層されるシート(S)の金属層(A)の外側に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)、および剥離層(C2)が積層された積層体である。
【0020】
<剥離層>
本発明の剥離層(C1)及び(C2)は、ABS、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/オクテン共重合体などのポリオレフィン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体などの極性基が導入されたポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポリプロピレン、スチレン系エラストマー、ゴムなどの酸変性ポリプロピレンなど、上記プラスチックフィルム又は、紙にシリコーンなどを塗工した剥離フィルム又は剥離紙などがあげられる。さらに好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィンである。
剥離層の好ましい厚さは、10μm以上200μm以下であり、更に好ましくは40μm以上100μm以下である。剥離層の厚さが、10μm以下であると剥離し辛くなり、200μmより厚いと巻皺が発生し易くなる。
【0021】
<熱可塑性ホットメルト接着剤>
本発明の熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)及び(B2)は、ABS、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/オクテン共重合体などのポリオレフィン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体などの極性基が導入されたポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポリプロピレン、スチレン系エラストマー、ゴムなどの酸変性ポリプロピレンなどをが挙げられる。
【0022】
本発明の熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)及び(B2)の接着性を向上させる為に粘着付与剤などを添加しても良い。主な粘着付与剤は、特に限定されないがフェノール樹脂、変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレンフェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪族系、脂環族系、芳香族系等の石油樹脂、水素添加された脂肪族系、脂環族系、芳香族系等の石油樹脂、フェノール−変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂、水素添加されたロジンエステル樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、テルペン樹脂、水素添加されたテルペン樹脂などの粘着付与樹脂が含まれていることが好ましい。粘着付与樹脂は、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
【0023】
本発明の熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)及び(B2)の塗工時の粘度を低くするなどの目的でワックスなどを添加しても良い。主なワックスは、特に限定されないが、カルナバワックス、キャンデリアワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、これらのワックスの酸化物、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体等が挙げられる。ワックスは、単独もしくは2種類以上を組み合わせて使用できる。
【0024】
本発明の熱可塑性ホットメルト接着層の厚さは、10μm以上500μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは20μm以上300μm以下である。さらに好ましくは20μm以上200μm以下である。熱可塑性ホットメルト接着層の厚さが10μm未満であると接着不良が発生することがある。熱可塑性ホットメルト接着層シートの厚さが500μmより厚いと電磁誘導加熱で金層を加熱し、ホットメルト接着層を加熱・溶融しても、熱可塑性ホットメルト接着剤層の表面まで加熱・溶融するまでに時間がかかり、金属層に近傍にある熱可塑性ホットメルト接着層が加熱・劣化し、接着力が低下する。
【0025】
熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)及び(B2)の添加剤として、必要により各種の添加剤が使用可能である。例えば着色剤やブロッキング防止剤、無機フィラー、酸化防止剤、充填剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重金属不活性化剤などである。
【0026】
ブロッキング防止剤としてはシリコーン、エルカ酸アミドやオレイン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド、ステアリン酸アミドやベヘニン酸アミドなどの飽和脂肪酸アミドなどが挙げられる。
【0027】
無機フィラーとしては、金属、金属酸化物及び金属水酸化物など粒子、繊維状などが挙げられる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、珪酸カルシウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム繊維、フレーク状ガラス、タルク、カオリン、マイカ、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸一水素カルシウム、ワラストナイト、シリカ、ゼオライト、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミナ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、カーボンナノチーブ、グラファイト、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、鉄、フッ化カルシウム、雲母、モンモリナイト、アパタイトなどが挙げられる。
【0028】
酸化防止剤としては、高分子量ヒンダード多価フェノール、トリアジン誘導体、高分子量ヒンダード・フェノール、ジアルキル・フェノール・スルフィド、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第三−ブチルフェノール)、4,4−メチレン−ビス−(2,6−ジ−第三−ブチルフェノール)、2,6−ジ−第三−ブチルフェノール−p−クレゾール、2,5−ジ−第三−ブチルヒドロキノン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノン、ジブチル・ジチオカルバミン酸ニッケル、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、4,4−ブチリデンビス−(3−メチル−6−第三−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
【0029】
充填剤としては、湿式シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、モンモリロナイト、マイカ、スメクタイト、有機化モンモリロナイト、有機化マイカ、有機化スメクタイト等が挙げられる。
【0030】
難燃剤としては、燐含有化合物系難燃剤、ハロゲン含有化合物系難燃剤、スルホン酸金属塩系難燃剤、珪素含有化合物系難燃剤等が挙げられる。
【0031】
可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、脂肪族一塩基酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、テトラヒドロフタル酸エステル系可塑剤、グリコール系可塑剤、およびビスフェノールAアルキレンオキサイド誘導体などが挙げられる。
【0032】
帯電防止剤としては、プラスチックの帯電防止剤として汎用されているものでよく、具体的には、非イオン界面活性剤(例えば、多価アルコールの脂肪酸エステル、アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、及びアルキルアミンのエチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルなど)、陰イオン界面活性剤(例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩など)、陽イオン界面活性剤(例えば、脂肪族アミン塩、4級アンモニウム塩など)、両性界面活性剤(例えばイミダゾリン型、ベタイン型など)が挙げられる。
【0033】
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物及びベンゾエイト系化合物などが挙げられる。
【0034】
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0035】
重金属不活性化剤としては、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体又はシュウ酸アミド誘導体などが挙げられる。
【0036】
<金属層>
本発明の金属層(A)とは、電誘導加熱装置により高周波磁束によって渦電流が誘導され、上記金属層のジュール加熱により、熱可塑性ホットメルト接着層が溶融し接着する。この金属層は、鉄,アルミニウム,ニッケル,ステンレス,亜鉛,銅,錫,亜鉛,マグネシウム及びそれらの合金などから選ばれる導電性金属をフィルム状にしたものであればよい。
【0037】
本発明の金属層の厚みは、1μm以上1000μm以下が好ましく、さらに好ましくは10μm以上500μm以下が好ましく、さらに好ましくは10μm以上100μm以下が好ましく、さらに好ましくは20μm以上50μm以下である。1μm以下の場合電磁誘導加熱を行っても発熱温度が上がらなく、電磁誘導加熱で金属層が出来なかったり、1000μmよりも厚い場合は、電磁誘導加熱を行っても金属層が加熱し、熱可塑性ホットメルト層が溶融するのに時間がかかったり、熱可塑性ホットメルト層が溶融する温度にならず、接着しないことがある。
【0038】
<熱可塑性ホットメルト接着剤層及び剥離層の製膜方法>
本発明の熱可塑性ホットメルト接着剤層及び剥離層の製膜方法としては、インフレーション法、Tダイ熱ラミネート法(以下、Tダイ法と略す)、溶液流延法、カレンダー法などがある。好ましくは、インフレーション法、Tダイ法である。
【0039】
インフレーション法とは、押出機の先端にリングダイス(またはクロスヘッドダイ)と呼ばれる環状のリップを持つ金型を設置し、チューブ状に材料を押し出して連続的に成型する。リングダイス中央には空気孔が設置されており、ここから圧搾空気を吹き込んでチューブを2〜3倍程度に膨張させ、ピンチロールと呼ばれるローラーで引っ張りながら冷却してフィルムを巻き取る。ダイスの径および送り込む空気の圧力を調整することでフィルムの幅を、材料の吐出量とピンチロールの引っ張り速度を調整することでフィルムの厚みを変更する。空冷法では吐出速度が遅くフィルムの透明性も劣ってしまうので、樹脂の種類によっては水冷法が選択される。
通常の製法では下からフィルムを上向きに押し出すが、ポリプロピレン樹脂を押し出す場合は、設備の上部にリングダイスを設置し下向きに押し出してフィルム化する。設備そのものが簡易なため操作が容易であり、小さな金型から幅の広いフィルムを製造できる。通常は巻き取る前に一端を切り開いて平らなフィルムとするが、この工程を省略するとチューブ状のフィルムを得られるため包装用フィルムの製造に多く採用される。しかし、一般に厚みの制御が難しく、精度が劣る。
インフレーション法は、2種類以上の熱可塑性ホットメルトを同時に塗工することが出来る(共押出し法)。インフレーションの共押出し法とは、中央に同心円状に複数のダイスがあり、複数のダイスから異種の樹脂を共に押出し、製膜すると同時にラミネートまでされているというものである。単体ではフィルム状にできないような数μmという薄いものでも最大5〜7層まで積層可能なので、いろいろな性能・用途のフィルムがつくられている。
【0040】
Tダイ法とは、押出機の先端にTダイと呼ばれる直線状のリップを持つ金型を設置し、平たく材料を押し出して連続的に成型する。Tダイの基本構造は片面に刻まれたT字型の溝を向かい合わせ二枚重ねたもので、T字の縦棒にあたる部分の先端部から溶融した樹脂を投入し、横棒にあたるマニホールドを介して樹脂がダイ両端まで広がり、リップの空隙からフィルム状に吐出される。フィルムは鏡面処理された冷却ローラー(チルドロール)を通して冷却し、最終的に巻き取られるまでの過程で端部の切り落としなどを行いフィルムの幅を調整する。冷却にはチルドロールの代わりに水槽を用いる製造法もある。
フィルムの厚みをリップの開口幅やチョークと呼ばれる弁の調整でコントロールすることが容易であり、生産性が高い。ただし、延伸などの別工程を経なければ、フィルムの最大幅はダイのリップ長までに限定される。また、押し出し方向と垂直方向との物性差が生じやすい。
Tダイ法も、共押出しすることが出来る。Tダイの共押出し法は、並行して複数のダイスがあり、各ダイスから樹脂を吐出することにより、多層フィルムを得ることが出来る。
【0041】
溶液流延法とは、材料を溶媒に溶融させ流動性を持たせた溶液(ドープ)を、表面を平滑にしたドラム(キャスティングドラム)やステンレス製の平滑ベルト上に流し込んで付着させ、これを加熱する工程に通して溶媒を蒸発させ、フィルムを成型する。
フィルムに物理的な圧力を加えないため高分子の配向が起こらず、強度や光学特性などに方向性が生じない。厚み精度が極めて高い。溶融押出成型法に比べ樹脂にかける熱量が低く、熱安定剤などの添加量を低減できる。また、溶液をろ過する工程を設置できるため樹脂の塊(フィッシュアイ)が発生せず、キズもつきにくいため、透明性の高いフィルムを成型できる。しかしながら脱溶媒が必要なため特に厚いフィルムの生産性には劣り、また溶剤回収工程などが必要なため設備が大きくなってしまう傾向にある。
【0042】
カレンダー法とは、主に塩化ビニル樹脂をフィルム化する際に用いられる手法である。複数のローラー(カレンダーロール)を使い、あらかじめ溶融状態に加熱した熱可塑性樹脂を挟んでフィルム状に圧延し成型する。通常は4〜5本のローラーをL型やZ型など様々に設置し、加熱した最初の2本挟み込みながら圧延する。途中何本かのローラーを配して更なる加熱または冷却を行い、最後に冷却されたローラーの表面を沿わせて成型を終え巻き取られる。各カレンダーロールの径や温度、回転数などを調整することによってフィルムの厚さ精度を高めたり物性に特色を持たせたりするなどの工夫が施されている。
生産設備は大型化するが製造能力は極めて高い。ただし加工技術は複雑かつ熟練を要求され、条件設定が難しく精度の調整は難しい。
【0043】
<電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの積層方法>
電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートの積層方法としては、押出しラミネート法、熱ラミ法などがある。
【0044】
押出しラミネート法には、ポリサンドラミネート法とポリラミ法などがある。
ポリサンドラミネート法とは、Tダイ法溶融押出成型法の設備を使用し、材料を他のフィルム上に直接押し出してから冷却する。Tダイ共押出法と併用し多層フィルムを成型することも出来る。ポリサンドラミネート法とは、基材と基材の間に溶融した熱可塑性ホットメルト接着剤を流し込み接着する。
熱ラミ法とは、熱可塑性ホットメルトフィルムと基材を加熱されたロールなどを圧着するだけで接着する方法である。
【0045】
本発明の工程(1)は、剥離層(C1)、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)、および金属層(A)を有するシート(S)を製造する工程である。
工程(1)としては、たとえば、
工程(1a):剥離層(C1)、および熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)が積層されたシートに、金属層(A)を積層し、シート(Sa)を製造する工程、
工程(1b):熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)に剥離層(C1)を積層すると同時に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)の剥離層(C1)と対向する側に、金属層(A)を積層し、シート(Sb)を製造する工程、
工程(1c):金属層(A)、および熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)が積層されたシートに、剥離層(C1)を積層し、シート(Sc)を製造する工程、
など挙られる。
特に、剥離層(C1)と熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)の接着力の観点から、工程(1a)、および工程(1b)が好ましい。
【0046】
<工程(1a)の製造方法>
剥離層(C1)、および熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)が積層されたシートを製造する方法としては、剥離層に用いられる熱可塑性樹脂と熱可塑性ホットメルト接着剤を共押出し法により製膜を行う方法や、剥離層上に熱可塑性ホットメルト接着剤層をTダイにより積層する方法などがある。
次に、金属層(A)を積層し、シート(Sa)を製造する方法としては、上記の剥離層(C1)、および熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)が積層されたシートの熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)側に金属層(A)を熱ラミ法により接着する方法などがある。
【0047】
<工程(1b)の製造方法>
インフレーション法、またはTダイ法により製膜した熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)の両面に、Tダイ法により製膜した剥離層(C1)と金属層(A)で挟み、熱ラミ法により加熱・接着する方法などがある。
【0048】
<工程(1c)の製造方法>
金属層(A)、および熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)が積層されたシートを製造する方法としては、インフレーション法、またはTダイ法により製膜した熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)を熱ラミにより作成する方法や、金属層(A)にTダイ法により熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)を作製する方法などがある。
次に、金属層(A)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)に剥離層(C1)を作製する方法としては、インフレーション法、またはTダイ法により製膜した剥離層(C1)を熱ラミ法により接着する方法、剥離層(C1)をTダイ法により熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)上に製膜する方法などがある。
【0049】
本発明の工程(2)は、工程(1)で得たシート(S)の金属層(A)側に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)を積層する工程である。
工程(1)で得たシートの金属側に直接Tダイ法により熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)を製膜する方法やインフレーション法、またはTダイ法により製膜した熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)に工程(1)で得たシートの金属側と熱ラミ法により加熱・接着する方法などがある。
【0050】
本発明の工程(3)は、工程(1)で得たシート(S)の金属層(A)側に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)、および剥離層(C2)を積層する工程である。
工程(1)で作製した金属層(A)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)の金属層(C1)側に、共押出し法により製膜した熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)/剥離層(C2)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)を熱ラミ法により加熱・接着する方法、金属層(A)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)の金属層(C1)側とインフレーション法、またはTダイ法により製膜した剥離層(C2)を、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)をポリサウンドラミネートすることにより接着する方法などがある。
【0051】
また、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートをロール状に巻いたり、枚葉で積層する場合ブロッキングすることがある。ブロッキングを防止する為に熱可塑性ホットメルト接着シート表面にエンボス処理,剥離紙又は剥離フィルムを入れるなどすると効果的である。
【実施例】
【0052】
<金属層A>
・A−1:アルミニウム箔 (株)UACJ社製(厚さ20μm)
・A−2:アルミニウム箔 (株)UACJ社製(厚さ50μm)
・A−3:銅箔 (株)UACJ社製(厚さ20μm)
【0053】
<熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1及びB2)に用いる熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(B)>
・B−1:ポリアミド(ナイロンベース)アルケマ社(株)製プラタミドM1276
・B−2:酸変性ポリエチレン 三井化学(株)社製 アドマーSE810
・B−3:結晶性ポリエステル 東洋紡績社(株)製バイロンGA6300
【0054】
<剥離層(C1及びC2)に用いる熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(C)>
・C−1:低密度ポリエチレン 日本ポリエチレン(株)社製ノバテックLD 600A
・C−2:ポリプロピレン 日本ポリエチレン(株)社製ノバテックPP FL02A
【0055】
<シート(S)の製造方法>
(シート(Sa1)の製造方法)
Tダイ法熱溶融押出し機(以下、Tダイと略す)を用いて、熱可塑性樹脂(C)(ノバテックLD 600A(C−1))と熱可塑性樹脂(B)(プラタミドM1276(B−1))を共押出し法で、剥離層(C1)/熱可塑性ホットメルト接着剤(B1)の2層膜を作製した。次に、熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)側を、コロナ処理を施し、熱可塑性ホットメルト層(B1)側と金属層(A)(アルミニウム箔(A−1))とを熱ラミネート加工により、剥離層(C1)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)/金属層(A)からなる、シート(Sa1)を製造した。
【0056】
(シート(Sb1)の製造方法)
Tダイを用いて、熱可塑性樹脂(C)(ノバテックLD 600A(C−1))と熱可塑性樹脂(B)(プラタミドM1276(B−1))を共押出し法で金属層(A)(アルミニウム箔(A−1))の上に塗工して、一度に剥離層(C1)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)/金属層(A)からなる、シート(Sb1)を製造した。
【0057】
上記、金属層(A)、熱可塑性樹脂(B)、熱可塑性樹脂(C)を表1に記載したように変更した以外は、シート(Sb1)と同様にして、シート(Sb2〜7)を製造した。
なお、表1中のかっこ内の数値は、各層の膜厚を表している。
【0058】
【表1】
【0059】
(シート(Sc1)の製造方法)
Tダイを用いて、金属層(A)(アルミ箔(A−1))に熱可塑性樹脂(B)(プラタミドM1276(B−1))を塗工し、その上にTダイを用いて熱可塑性樹脂(C)(ノバテックLD 600A(C−1))を形成し、剥離層(C1)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)/金属層(A)からなる、シート(Sc1)を製造した。
【0060】
[実施例1]
シート(Sa1)の金属層(A)側に熱可塑性樹脂(B)(プラタミドM1276(B−1))をTダイで塗工して、剥離層(C1)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)/金属層(A)/熱可塑性ホットメルト層(B2)からなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート1を得た。
[実施例2]
実施例1のシート(Sa1)をシート(Sb1)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート2を得た。
[実施例3]
実施例1のシート(Sa1)をシート(Sc1)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート3を得た。
[実施例4]
実施例1のシート(Sa1)をシート(Sb2)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート4を得た。
[実施例5]
実施例1のシート(Sa1)をシート(Sb3)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート5を得た。
[実施例6]
実施例1のシート(Sa1)をシート(Sb4)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート6を得た。
[実施例7]
実施例1のシート(Sa1)をシート(Sb5)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート7を得た。
[実施例8]
実施例1のシート(Sa1)をシート(Sb6)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート8を得た。
【0061】
[実施例9]
熱可塑性樹脂層(C2)(ノバテックLD600A(C−1))をTダイで単層膜を作製し、シート(Sb7)の金属層(A)との間に熱可塑性樹脂(B)(バイロンGA6300(B−3))を流し込み、ポリサンドして、剥離層(C1)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)/金属層(A)/熱可塑性ホットメルト層(B2)/剥離層(C2)からなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート9を製造した。
【0062】
[実施例10]
Tダイを用いた共押出し法で、熱可塑性樹脂(C)(ノバテックLD600A(C−1))と熱可塑性樹脂(B)(プラタミドM1276(B−1))からなる剥離層(C2)/熱可塑性ホットメルト接着剤(B2)の2層膜を作製した。シート(Sb6)の金属層(A)側を、共押し法で作製した2層膜の熱可塑性ホットメルト層(B2)側と熱ラミネート加工し、剥離層(C1)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)/金属層(A)/熱可塑性ホットメルト層(B2)/剥離層(C2)からなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート10を製造した。
【0063】
[実施例11]
Tダイを用いて熱可塑性樹脂(C)(ノバテックLD600A(C−1))と熱可塑性樹脂(B)プラタミドM1276(B−1))の順に作製し、剥離層(C2)/熱可塑性ホットメルト層(B2)からなる積層膜を作製した。剥離層(C2)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)の熱可塑性ホットメルト接着剤層(B2)側とシート(Sb8)の金属層(A)側を熱ラミネート加工により、剥離層(C1)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)/金属層(A)/熱可塑性ホットメルト層(B2)/剥離層(C2)からなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート11を製造した。
【0064】
[実施例12]
Tダイを用いてシート(Sb8)の金属層(A)側の上に熱可塑性樹脂(B)(プラタミドM1276(B−1))、熱可塑性樹脂(C)(ノバテックLD600A(C−1))の順に積層することにより、剥離層(C1)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)/金属層(A)/熱可塑性ホットメルト層(B2)/剥離層(C2)からなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート12を製造した。
【0065】
[実施例13]
Tダイを用いて、熱可塑性樹脂(B)(プラタミドM1276(B−1))と熱可塑性樹脂(C)(ノバテックLD600A(C−1))の単層膜を作製し、熱ラミネート加工により、熱可塑性ホットメルト層(B2)/剥離層(C2)を作製した。シート(Sb8)の金属層(A)側の上に熱ラミネート加工した熱可塑性ホットメルト層(B2)/剥離層(C2)の熱可塑性ホットメルト層(B2)側を熱ラミネート加工により、剥離層(C1)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)/金属層(A)/熱可塑性ホットメルト層(B2)/剥離層(C2)からなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート13を製造した。
【0066】
[実施例14]
Tダイを用いた共押出し法で、熱可塑性樹脂(C)(ノバテックPP FL02A(C−2))と熱可塑性樹脂(B)(プラタミドM1276(B−1))からなる剥離層(C2)/熱可塑性ホットメルト接着剤(B2)の2層膜を作製した。シート(Sb6)の金属層(A)側を、共押し法で作製した2層膜の熱可塑性ホットメルト層(B2)側と熱ラミネート加工により、剥離層(C1)/熱可塑性ホットメルト接着剤層(B1)/金属層(A)/熱可塑性ホットメルト層(B2)/剥離層(C2)からなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート10を製造した。
【0067】
[比較例1]
Tダイを用いて、金属層(A)アルミ箔(アルミ箔(A−1))の上に熱可塑性樹脂(B)プラタミドM1276(B−1)を作製し、熱可塑性ホットメルト層(B1)/金属層(A)を作製した。Tダイを用いて、熱可塑性ホットメルト層(B1)/金属層(A)の金属層側に熱可塑性樹脂(B)プラタミドM1276(B−1)を製膜した結果、熱可塑性ホットメルト層(B1)はTダイのバックアップロールと付着して、熱可塑性ホットメルト層(B1)/金属層(A)/熱可塑性ホットメルト層(B2)からなる電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート15を得られなかった。
【0068】
<電磁誘導加熱による接着方法>
幅25mm×長さ100mmの大きさの電磁誘導加熱用ホットメルト接着シートを巾30mm×長さ100mm×厚さ5mmの木材と巾30mm×長さ200mm×0.2mmアルミ箔板に挟み、電磁誘導加熱装置(アキレス社製、オールオーバー接着装置)を用いて、木材に押し当てて3秒間加熱した。加熱が終了しても熱可塑性ホットメルト接着剤層が冷えるまで約5秒程度電磁誘導加熱装置のアプリケーター部(コイル)を押し当てたままにして、熱可塑性ホットメルト層(B1及びB2)を冷やし、接着した。
【0069】
<接着強度測定>
接着強度は、引張試験機(株式会社エー・アンド・エー社製 商品名RTA−100)を用いて、接着強度300mm/分で180度剥離接着力を測定した(測定温度:23℃、湿度:50%)。接着力は、60N/25mm以上を「◎」、30N/50mm以上60N/25mm未満を「〇」、30N/25mm未満を「×」とした。30N/25mm以上を合格とした。評価結果を表2に示す。表2中のかっこ内の数値は、各層の膜厚を表している。
【0070】
【表2】
【符号の説明】
【0071】
10 電磁誘導加熱用ホットメルト接着シート
(S) シート
(A) 金属層
(B1) 熱可塑性ホットメルト接着剤層
(B2) 熱可塑性ホットメルト接着剤層
(C1) 剥離層
(C2) 剥離層
図1
図2