(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切り替え回路は、前記入力電源が交流電源である場合に、前記第二接点部と前記第三接点部を接続し、前記入力電源が直流電源である場合に、前記第一接点部と前記第三接点部を接続し、前記第二接点部と前記第四接点部を接続することを特徴とする請求項1から8のうちのいずれか一項に記載のスイッチング電源。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし入力電源を
図7(B)のように直流電源230に変えて、デュアル方式の昇圧回路と組み合わせると、導通損が大きくなってしまうという問題がある。この問題は昇圧回路だけではなく降圧回路の場合でも同様である。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、回路の一部を変更することで、直流電源を接続した場合にも導通損が少ない構成とすることが可能なスイッチング電源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、例えば導体部材(ジャンパ部材)を用いて接続を切り替える切り替え回路を設けることで、入力電源が交流電源の場合に高効率の力率改善回路として利用するデュアル方式の回路を、入力電源が直流電源の場合には、導通損が少ないインターリーブ方式の回路に切り替えることができる。
【0009】
(1)本発明は、入力電源として直流電源又は交流電源が接続される電源入力端子と、出力電力が出力される電源出力端子と、前記電源出力端子間に接続される平滑コンデンサと、前記電源出力端子間に接続される第一非絶縁チョッパ回路と、前記電源出力端子間に接続される第二非絶縁チョッパ回路と、前記第一非絶縁チョッパ回路及び前記第二非絶縁チョッパ回路と、前記電源入力端子との間の接続回路を切り替える切り替え回路とを備えることを特徴とするスイッチング電源を提供する。
【0010】
上記(1)に記載する発明によれば、入力電源の種類に基づいて、電源入力端子と、第一非絶縁チョッパ回路及び第二非絶縁チョッパ回路との間の回路を切り替える切り替え回路を設けることで、入力電源が交流電源の場合におけるデュアル方式の力率改善回路による高調波電流抑制と、入力電源が直流電源の場合のインターリーブ方式回路を、同一基板上で切り替えて実現できるという優れた効果を奏する。すなわち直流電源に対しては、デュアル方式は一つの回路しか動作しないため、交流電源時の定格出力電力を出力しようとすると非絶縁チョッパ回路の導通損が増えてしまい、直流電源時の定格出力電力を低減させる必要があったが、本発明によりインターリーブ方式、すなわち直流電源について並列な回路に変更することで、非絶縁チョッパ回路の導通損を低減させて、直流電源でも交流電源時の定格出力電力が出力可能になるという効果を奏する。
【0011】
(2)本発明は、前記第一非絶縁チョッパ回路が、第一入力側接続点、前記電源出力端子の正極側に接続される第一正極側接続点、前記電源出力端子の負極側に接続される第一負極側接続点、を有し、前記第二非絶縁チョッパ回路は、第二入力側接続点、前記電源出力端子の正極側に接続される第二正極側接続点、前記電源出力端子の負極側に接続される第二負極側接続点、を有し、前記切り替え回路は、前記電源入力端子の一端に前記第一入力側接続点が接続されると共に、前記電源入力端子の他端に前記第二入力側接続点が接続される第一接続態様と、前記電源入力端子の一端に前記第一入力側接続点及び第二入力側接続点が接続されると共に、前記電源入力端子の他端に前記第一負極側接続点及び前記第二負極側接続点が接続される第二接続態様とを切り替えることを特徴とする上記(1)に記載のスイッチング電源を提供する。
【0012】
上記(2)に記載する発明によれば、入力電源の種類に基づいて、電源入力端子と、第一非絶縁チョッパ回路及び第二非絶縁チョッパ回路との間の回路を切り替える切り替え回路を設けて、第一接続態様と第二接続態様という二つの接続態様を設けることで、入力電源が交流電源の場合におけるデュアル方式の力率改善回路による高調波電流抑制と、入力電源が直流電源の場合のインターリーブ方式回路を、同一基板上で切り替えて実現できるという優れた効果を奏する。すなわち直流電源に対しては、デュアル方式は一つの回路しか動作しないため、交流電源時の定格出力電力を出力しようとすると非絶縁チョッパ回路の導通損が増えてしまい、直流電源時の定格出力電力を低減させる必要があったが、本発明によりインターリーブ方式、すなわち直流電源について並列な回路に変更することで、非絶縁チョッパ回路の導通損を低減させて、直流電源でも交流電源時の定格出力電力が出力可能になるという効果を奏する。
【0013】
(3)本発明は、前記切り替え回路が、前記交流電源が前記電源入力端子に接続される際に、前記第一接続態様とし、前記直流電源が前記電源入力端子に接続される際に、前記第二接続態様とすることを特徴とする上記(2)に記載のスイッチング電源を提供する。
【0014】
上記(3)に記載する発明によれば、入力電源の種類に基づいて、電源入力端子と、第一非絶縁チョッパ回路及び第二非絶縁チョッパ回路との間の回路を切り替える切り替え回路を設けて、入力電源が交流電源の際に適用する第一接続態様と、入力電源が直流電源の際に適用する第二接続態様という二つの接続態様を設けることで、入力電源が交流電源の場合におけるデュアル方式の力率改善回路による高調波電流抑制と、入力電源が直流電源の場合のインターリーブ方式回路とを、同一基板上で切り替えて実現できるという優れた効果を奏する。すなわち直流電源に対しては、デュアル方式は一つの回路しか動作しないため、交流電源時の定格出力電力を出力しようとすると非絶縁チョッパ回路の導通損が増えてしまい、直流電源時の定格出力電力を低減させる必要があったが、本発明によりインターリーブ方式、すなわち直流電源について並列な回路に変更することで、非絶縁チョッパ回路の導通損を低減させて、直流電源でも交流電源時の定格出力電力が出力可能になるという効果を奏する。
【0015】
(4)本発明は、前記第一非絶縁チョッパ回路が、第一スイッチ素子と、第一逆流防止素子と、第一リアクトルを含む回路であり、前記第二非絶縁チョッパ回路は、第二スイッチ素子と、第二逆流防止素子と、第二リアクトルを含む回路であることを特徴とする上記(2)又は上記(3)に記載のスイッチング電源を提供する。
【0016】
上記(4)に記載の発明によれば第一非絶縁チョッパ回路及び第二非絶縁チョッパ回路として、いわゆるチョッパ型の高効率コンバータを設けることで、極めて少ない部品数で力率改善回路による高調波電流抑制が可能になるという優れた効果を奏する。
【0017】
(5)本発明は、前記第一非絶縁チョッパ回路が、前記第一スイッチ素子と前記第一逆流防止素子が直列接続されることで第一直列回路を構成し、前記第一スイッチ素子と前記第一逆流防止素子の間に、前記第一リアクトルが接続されることを特徴とする上記(4)に記載のスイッチング電源を提供する。
【0018】
上記(5)に記載の発明によれば第一非絶縁チョッパ回路としていわゆる昇圧チョッパ型の高効率コンバータを設けることで、極めて少ない部品数で力率改善回路による高調波電流抑制が可能になるという優れた効果を奏する。
【0019】
(6)本発明は、前記第二非絶縁チョッパ回路が、前記第二スイッチ素子と前記第二逆流防止素子が直列接続されることで第二直列回路を構成し、前記第二スイッチ素子と前記第二逆流防止素子の間に、前記第二リアクトルが接続されることを特徴とする上記(4)又は上記(5)に記載のスイッチング電源を提供する。
【0020】
上記(6)に記載の発明によれば、第二非絶縁チョッパ回路としていわゆる昇圧チョッパ型の高効率コンバータを設けることで、極めて少ない部品数で力率改善回路による高調波電流抑制が可能になるという優れた効果を奏する。
【0021】
(7)本発明は、前記切り替え回路が、前記電源入力端子の一端と前記第一入力側接続点の間に設けられる第一接点部と、前記電源入力端子の他端と前記第二入力側接続点の間において、前記電源入力端子の他端側に設けられる第二接点部と、前記電源入力端子の他端と前記第二入力側接続点の間において、前記第二接点部よりも前記第二入力側接続点側に設けられる第三接点部と、前記平滑コンデンサの負極に接続される第四接点部とを備えることを特徴とする上記(2)乃至上記(6)のうちのいずれかに記載のスイッチング電源を提供する。
【0022】
上記(7)に記載の発明によれば、接続を切り替えうる接点部を有するので、接続を切り替えることで、交流又は直流の入力電源に対しても、ACDCコンバータ機能とDCDCコンバータ機能とを切り替えることが可能なスイッチング電源を実現し得るという優れた効果を奏する。
【0023】
(8)本発明は、前記切り替え回路が、前記入力電源が交流電源である場合に、前記第二接点部と前記第三接点部を接続し、前記入力電源が直流電源である場合に、前記第一接点部と前記第三接点部を接続し、前記第二接点部と前記第四接点部を接続することを特徴とする上記(7)に記載のスイッチング電源を提供する。
【0024】
上記(8)に記載の発明によれば、入力電源が交流電源である場合に、デュアル方式の力率改善回路に変更することで、高調波電流抑制が可能になり、入力電源が直流電源である場合には、導通損が少ないインターリーブ方式の回路構成に変更できるという優れた効果を奏する。
【0025】
(9)本発明は、第三逆流防止素子と第四逆流防止素子が直列接続される第三直列回路と、第五逆流防止素子と第六逆流防止素子が直列接続される第四直列回路と、を備え、前記第三直列回路の一端と前記第四直列回路の一端は、前記平滑コンデンサの正極に接続され、前記第四直列回路における前記第五逆流防止素子と前記第六逆流防止素子の間に、前記切り替え回路の前記第一接点部及び前記第一非絶縁チョッパ回路が接続され、前記第三直列回路の他端と前記第四直列回路の他端は、前記平滑コンデンサの負極に接続され、前記第三直列回路における前記第三逆流防止素子と前記第四逆流防止素子の間に、前記切り替え回路の前記第三接点部及び前記第二非絶縁チョッパ回路が接続されることを特徴とする上記(7)又は上記(8)に記載のスイッチング電源を提供する。
【0026】
上記(9)に記載の発明によれば、ダイオードが平滑コンデンサの負極側と入力電源の間に備えられるので、入力電源が交流電源である場合に、ノイズを抑制でき、また入力電源とリアクトルの間にバイパスダイオードを備えることになるので、リアクトルを急激な電圧上昇から保護することが可能になるという優れた効果を奏する。
【0027】
(10)本発明は、前記第三乃至前記第六逆流防止素子が、整流ブリッジを構成し、前記整流ブリッジにおいて、前記第四直列回路における前記第五逆流防止素子と前記第六逆流防止素子の間、及び、前記第三直列回路における前記第三逆流防止素子と前記第四逆流防止素子の間が、ブリッジ入力端子となり、前記第三直列回路の一端と前記第四直列回路の一端の間、及び、前記第三直列回路の他端と前記第四直列回路の他端の間が、ブリッジ出力端子となることを特徴とする上記(9)に記載のスイッチング電源を提供する。
【0028】
上記(10)に記載の発明によれば、ノイズ防止とリアクトル保護をおこなうダイオード回路を、一つの整流ブリッジ回路という少ない部品点数で実現できるという優れた効果を奏する。
【0029】
(11)本発明は、前記入力電源が直流電源となる場合に、前記整流ブリッジを、前記電源出力端子及び前記電源入力端子から切り離すことを特徴とする上記(10)に記載のスイッチング電源を提供する。
【0030】
上記(11)に記載の発明によれば、入力電源が直流電源である場合には整流ブリッジ回路を切り離すことで、電力消費を抑えうるというという優れた効果を奏する。
【0031】
(12)本発明は、前記電源入力端子が、整流ブリッジのブリッジ入力端子に接続され、前記第一非絶縁チョッパ回路は、第一入力側接続点と、前記電源出力端子の正極側に接続される第一正極側接続点と、前記電源出力端子の負極側に接続される第一負極側接続点とを有し、前記第二非絶縁チョッパ回路は、第二入力側接続点と、前記電源出力端子の正極側に接続される第二正極側接続点と、前記電源出力端子の負極側に接続される第二負極側接続点とを有し、前記切り替え回路は、前記電源入力端子の一端と前記第一入力側接続点の間において、前記電源入力端子の一端側に設けられる第五接点部と、前記電源入力端子の一端と前記第一入力側接続点の間において、前記第一入力側接続点側に設けられる第六接点部と、前記電源入力端子の他端と前記第二入力側接続点の間において、前記電源入力端子の他端側に設けられる第七接点部と、前記電源入力端子の他端と前記第二入力側接続点の間において、前記第七接点部よりも前記第二入力側接続点側に設けられる第八接点部と、前記整流ブリッジのブリッジ出力端子の一端に設けられる第九接点部と、前記整流ブリッジの前記ブリッジ出力端子の他端及び前記平滑コンデンサの負極に接続される第十接点部とを備え、前記入力電源が交流電源である場合には、前記第五接点部と前記第六接点部を接続するとともに前記七接点部と前記第八接点部を接続し、前記入力電源が直流電源である場合には、前記第五接点部と前記第六接点部を接続するとともに前記第六接点部と前記第八接点部を接続し、且つ、前記第七接点部と前記第十接点部を接続し、前記入力電源が交流電源または直流電源のいずれの場合にも対応する場合には、前記第六接点部と前記第九接点部を接続するとともに前記六接点部と前記第八接点部を接続することを特徴とする上記(1)に記載のスイッチング電源を提供する。
【0032】
上記(12)に記載の発明によれば、入力電源の種類に基づいて、電源入力端子と、第一非絶縁チョッパ回路及び第二非絶縁チョッパ回路との間の回路を切り替える切り替え回路を設けることで、入力電源が交流電源の場合におけるデュアル方式の力率改善回路による高調波電流抑制と、入力電源が直流電源の場合のインターリーブ方式回路を、同一基板上で切り替えて実現できるという優れた効果を奏する。すなわち直流電源に対しては、デュアル方式は一つの回路しか動作しないため、交流電源時の定格出力電力を出力しようとすると非絶縁チョッパ回路の導通損が増えてしまい、直流電源時の定格出力電力を低減させる必要があったが、本発明によりインターリーブ方式、すなわち直流電源について並列な回路に変更することで、非絶縁チョッパ回路の導通損を低減させて、直流電源でも交流電源時の定格出力電力が出力可能になるという効果を奏する。またノイズ防止とリアクトル保護をおこなうダイオード回路を、一つの整流ブリッジ回路という少ない部品点数を備えることで実現できるという優れた効果を奏する。また、この切り替え回路によって、入力電源が交流電源でもインターリーブ方式を採用することができる方式にも切り替えることができる優れた効果も奏する。
【0033】
(13)本発明は、前記入力電源が交流電源であるか直流電源であるかを検出する検出部と、前記検出部の検出信号に基づいて、前記第一接続態様または前記第二接続態様に応じた制御をする制御部と、を有することを特徴とする上記(1)乃至上記(12)のうちのいずれかに記載のスイッチング電源を提供する。
【0034】
上記(13)に記載の発明によれば、入力電源が交流電源であるか、直流電源であるかを検出する検出部を備えるので、入力電源の種類を把握して切り替え回路を適切に切り替えることが可能であるという優れた効果を奏する。
【0035】
(14)本発明は、前記切り替え回路における回路の切り替えが、導体部材によっておこなわれることを特徴とする上記(1)乃至上記(13)のうちのいずれかに記載のスイッチング電源を提供する。
【0036】
上記(14)に記載の発明によれば、導体部材の接続配置を変えることで、入力電源が交流電源の場合のデュアル方式の力率改善回路による高調波電流抑制と、入力電源が直流電源の場合のインターリーブ方式昇圧回路を同一基板上で切り替えて実現できるという著しく優れた効果を奏する。
【0037】
(15)本発明は、直流電源又は交流電源が接続される電源入力端子と、出力電力が出力される電源出力端子と、前記電源出力端子間に接続される平滑コンデンサと、前記電源出力端子間に接続される第一非絶縁チョッパ回路と、前記電源出力端子間に接続される第二非絶縁チョッパ回路と、前記第一非絶縁チョッパ回路及び前記第二非絶縁チョッパ回路と、前記電源入力端子との間の接続回路を導体部材で切り替える切り替え回路とを備え、前記切り替え回路は、前記電源入力端子と前記第一非絶縁チョッパ回路、及び、前記第二非絶縁チョッパ回路の接続について、デュアルブースト方式とするACDCコンバータ態様、又は、昇圧方式がインターリーブ方式とするDCDCコンバータ態様に切り替えることを特徴とするスイッチング電源を提供する。
【0038】
上記(15)に記載の発明によれば、導体部材による接続回路の変更という手段で、入力電源が交流電源の場合に高効率の力率改善回路として利用するデュアル方式の回路を、入力電源が直流電源の場合には、導通損が少ないインターリーブ方式の回路に変更することができるという優れた効果を奏する。
【発明の効果】
【0039】
本発明の請求項1〜15記載のスイッチング電源によれば、入力電源が交流電源の場合に高効率の力率改善回路として利用するデュアル方式の回路を、入力電源が直流電源の場合において、導通損が少ないインターリーブ方式の回路に変更することができる電源を実現し得る。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0042】
図1〜
図6は発明を実施する形態の一例であって、図中、同一の符号を付した部分は同一物を表わす。なお、各図において一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
【0043】
図1は、本発明の第一実施形態に係るスイッチング電源1のブロック図である。スイッチング電源1は、交流電源又は直流電源である入力電源10と、入力電源10が接続される一対の電源入力端子11と、出力電力が出力される電源出力端子45と、電源出力端子45の間に接続される平滑コンデンサ35を備える。
【0044】
またスイッチング電源1は、入力電源10が交流電源である場合に、電源入力端子11に接続されて整流をおこない、また、後述するリアクトルが飽和した際の電流を回避する機能や、ノイズ防止機能、及び、バイパスダイオードとしての保護機能を有する緩衝回路20が電源出力端子45の間に接続される。緩衝回路20は、平滑コンデンサ35に対して並列接続されることが好ましい。緩衝回路20は、例えば、電源入力端子11に接続される一対の入力端、電源出力端子45に接続される一対の出力端を有した複数のダイオードによる整流ブリッジ回路で構成することが好ましいが、他の構成を採用しても良い。緩衝回路20と平滑コンデンサ35には、第一非絶縁チョッパ回路25と、第二非絶縁チョッパ回路30が設けられる。
【0045】
入力電源10と緩衝回路20の間には、切り替え回路15が設けられる。この切り替え回路15は、入力電源10が直流電源又は交流電源に基づいて、第一非絶縁チョッパ回路25及び第二非絶縁チョッパ回路30と、入力電源10の両端子との接続回路を切り替える。切り替え回路15は、いわゆるショートピース、ジャンパ、ジャンパ素子等と呼ばれる導体部材を、回路基板の基板穴に接続又は取り外すことで、電気の導通を機械的に切り替える回路である。なお、この切り替え回路15は、外部から導通を制御できるリレーであっても良い。
【0046】
第一非絶縁チョッパ回路25は、トランス等の絶縁構造部品を有しない、昇圧チョッパ又は降圧チョッパ等の所謂チョッパ回路であり、ここでは、第一スイッチ素子と、第一逆流防止素子(第一ダイオード)と、第一リアクトルを含む回路となっており、電源出力端子45間に接続される。第二非絶縁チョッパ回路30は、第二スイッチ素子と、第二逆流防止素子(第二ダイオード)と、第二リアクトルを含み、電源出力端子45間に接続される。なお、第二非絶縁チョッパ回路30は、第一非絶縁チョッパ回路25と同じ構成を有する回路となる。
【0047】
なお、第一逆流防止素子と第二逆流防止素子は、一方向の電流を流し且つ逆方向の電流を阻止する機能を有すれば良い。ダイオードが代表的であるが、FET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子を用いて同様の機能を発揮させるようにしても良い。
【0048】
なお第一非絶縁チョッパ回路25が備える第一スイッチ素子(例えば後述する
図3(A)の第一スイッチ素子92を参照)と、第二非絶縁チョッパ回路30が備える第二スイッチ素子(例えば後述する
図3(A)の第二スイッチ素子94を参照)は、制御部40により制御されてスイッチング動作をおこなう。
【0049】
第一スイッチ素子と第二スイッチ素子は、例えばFETである。もちろん一般のバイポーラトランジスタであっても、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)であってもよい。
【0050】
なお制御部40はCPU、RAMおよびROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUはいわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて様々な機能を実現する。RAMはCPUの作業領域、記憶領域として使用され、ROMはCPUで実行されるオペレーティングシステムやプログラムを記憶する。もちろん制御部40は、もっと機能を絞ったもので、入力電源10の電圧を検出して、第一スイッチ素子と第二スイッチ素子を適切にスイッチング動作させることで、第一非絶縁チョッパ回路と第二非絶縁チョッパ回路を、例えば昇圧回路、降圧回路、又は昇降圧回路として動作させる電子回路であっても良い。
【0051】
第一非絶縁チョッパ回路25は、切り替え回路15に接続される第一入力側端子(接続点)25Aと、平滑コンデンサ35(電源出力端子45)の正極側に接続される第一正極側端子(接続点)25Bと、平滑コンデンサ35(電源出力端子45)の負極側に接続される第一負極側端子(接続点)25Cを有する。なお、第一非絶縁チョッパ回路25の内部において、第一入力側端子25Aは、第一スイッチ素子と第一逆流防止素子の間に配設され、第一正極側端子25Bは、第一逆流防止素子のカソード側に配設され、第一負極側端子25Cは、第一スイッチ素子側に配設される。
【0052】
第二非絶縁チョッパ回路30は、切り替え回路15に接続される第二入力側端子(接続点)30Aと、平滑コンデンサ35(電源出力端子45)の正極側に接続される第二正極側端子(接続点)30Bと、平滑コンデンサ35(電源出力端子45)の負極側に接続される第二負極側端子(接続点)30Cを有する。なお、第二非絶縁チョッパ回路30の内部において、第二入力側端子30Aは、第二スイッチ素子と第二逆流防止素子の間に配設され、第二正極側端子30Bは、第二逆流防止素子のカソード側に配設され、第二負極側端子30Cは、第二スイッチ素子側に配設される。
【0053】
切り替え回路15は、第一及び第二非絶縁チョッパ回路25,30の第一及び第二負極側端子25C,30Cに接続される負極側ショートカット回路15Cを有する。
【0054】
入力電源10が交流電源の場合、切り替え回路15は、第一入力側端子25Aを入力電源10の一方側、第二入力側端子30を入力電源10の他方側に接続し、負極側ショートカット回路15Cを非接続状態とする。この結果、第一及び第二非絶縁チョッパ回路25,30は、それぞれ、いわゆるPFC回路として機能させることができ、結果、デュアルブースト方式のACDC変換回路となる。
【0055】
また、入力電源10が直流電源の場合、切り替え回路15は、第一入力側端子25Aと第二入力側端子30Aの双方を入力電源10の正極側に接続し、入力電源10の負極側を第二入力側端子30Aと非接続状態にすると共に、負極側ショートカット回路15Cを用いて、第一及び第二負極側端子25C,30Cの双方を入力電源10の負極側に接続する。その結果、第一及び第二非絶縁チョッパ回路25,30は、いわゆるインターリーブ方式の昇圧チョッパ回路として機能させることができる。この接続関係の具体例は
図3(A)及び
図3(B)を参照して後述する。
【0056】
すなわち言い換えると、本第一実施形態に係るスイッチング電源1は、第一非絶縁チョッパ回路25が、入力電源10の一方側に接続される第一入力側接続点25A、電源出力端子45の正極側に接続される第一正極側接続点25B、電源出力端子45の負極側に接続される第一負極側接続点25Cを有し、第二非絶縁チョッパ回路30が、入力電源10の他方側に接続される第二入力側接続点30A、電源出力端子45の正極側に接続される第二正極側接続点30B、電源出力端子45の負極側に接続される第二負極側接続点30Cを有し、切り替え回路15が、電源入力端子11の一端に第一入力側接続点25Aが接続されると共に、電源入力端子11の他端に第二入力側接続点30Aが接続される第一接続態様と、電源入力端子11の一端に第一入力側接続点25A及び第二入力側接続点30Aが接続されると共に、電源入力端子11の他端に第一負極側接続点25C及び第二負極側接続点30Cが接続される第二接続態様とを切り替えることを特徴とする。
【0057】
また本第一実施形態に係るスイッチング電源1における切り替え回路15は、入力電源10として交流電源が電源入力端子11に接続される際に、第一接続態様とし、入力電源10として直流電源が電源入力端子11に接続される際に、第二接続態様とすることを特徴とする。
【0058】
以上の通り、本発明の第一実施形態に係るスイッチング電源1は、入力電源10が直流電源又は交流電源に基づいて、第一非絶縁チョッパ回路25及び第二非絶縁チョッパ回路30と、入力電源10の間との接続回路を切り替える切り替え回路15が設けられている。したがって本発明の第一実施形態に係るスイッチング電源1は、入力電源10が交流電源の場合におけるデュアルブースト方式の力率改善回路による高調波電流抑制と、入力電源が直流電源の場合のインターリーブ方式昇圧回路を同一基板上で切り替えて実現できるという優れた効果を奏する。すなわち直流電源に対しては、デュアル方式は一つの非絶縁チョッパ回路しか動作しないため、交流電源時の定格出力電力を出力しようとすると非絶縁チョッパ回路の導通損が増えてしまい、直流電源時の定格出力電力を低減させる必要があったが、本発明によりインターリーブ方式、すなわち直流電源の一端について並列に複数の非絶縁チョッパ回路を接続するように切り替えることで、非絶縁チョッパ回路の導通損を低減させて、直流電源でも交流電源時の定格出力電力が出力可能になるという効果を奏する。
【0059】
図2(A)には、第一又は第二非絶縁チョッパ回路25,30として望ましい昇圧回路55の回路図を示す。昇圧回路55は、リアクトル57と、スイッチ素子61と、ダイオード59を備え、スイッチ素子61は制御部40によって昇圧動作をするように制御される。リアクトル57とダイオード59は直列に接続される。すなわちリアクトル57の他端は、ダイオード59のアノード端子に接続され、その接続点にスイッチ素子61が接続される。なお、リアクトル57は第一又は第二入力側端子25A,30Aを有し、ダイオード59のカソード端子側は第一又は第二正極側端子25B,30Bを有し、スイッチ素子61は第一又は第二負極側端子25C,30Cを有する。リアクトル57の一端(第一又は第二入力側端子25A,30A)から電圧が印加されると、スイッチ素子61のスイッチング動作により昇圧機能を発揮するが、これについては周知技術であるため説明は省略する。
【0060】
図2(B)には、第一及び第二非絶縁チョッパ回路として望ましい他例となる降圧回路63の回路図を示す。降圧回路63はスイッチ素子65と、リアクトル67と、ダイオード69を備え、スイッチ素子65は制御部40によって降圧動作をするように制御される。スイッチ素子65とリアクトル67は直列に接続される。スイッチ素子65とリアクトル67の接続点には、ダイオード69のカソード側端子が接続される。なお、スイッチ素子65は第一又は第二入力側端子25A,30Aを有し、リアクトル67は第一又は第二正極側端子25B,30Bを有し、ダイオード69のアノード端子側は第一又は第二負極側端子25C,30Cを有する。スイッチ素子65の一端(第一又は第二入力側端子25A,30A)から電圧が印加されると、スイッチ素子65のスイッチング動作により降圧機能を発揮するが、これについては周知技術であるため説明は省略する。
【0061】
次に、
図3を参照して、第一実施形態に係るスイッチング電源1の詳細な回路構成を示す。
【0062】
図3(A)には、入力電源10が交流電源70である場合に、デュアルブースト方式の力率改善回路を実現するように、切り替え回路15が接続されたスイッチング電源1の回路図を示す。
【0063】
図3(A)は、
図1のスイッチング電源1において、入力電源10として交流電源70を接続し、第一非絶縁チョッパ回路25(
図3(A)の点線参照)、及び、第二非絶縁チョッパ回路30(
図3(A)の二点鎖線参照)に
図2(A)で説明した昇圧回路を適用した構成である。
【0064】
切り替え回路15(
図3(A)の破線参照)は、4つの接点部、すなわち第一接点部75と、第二接点部76と、第三接点部77と、第四接点部78を備える。第二接点部76と第三接点部77は第一接続配線73によって接続されている。なお第四接点部78は開放状態である。
【0065】
緩衝回路20(
図3(A)の一点鎖線参照)は、第三ダイオード80と、第四ダイオード82と、第五ダイオード84と、第六ダイオード86を備える。第六ダイオード86のアノード端子と第五ダイオード84のカソード端子が接続されて、その接続点である第四接続点116は、交流電源70の一端と、後述する第一非絶縁チョッパ回路25の第一リアクトル88の一端に接続される。第六ダイオード86のカソード端子は平滑コンデンサ35の正極側と接続され、第五ダイオード84のアノード端子は平滑コンデンサ35の負極側と接続される。第四ダイオード82と第三ダイオード80は直列に接続されて、その接続点である第三接続点114は、交流電源70の他端と、後述する第二非絶縁チョッパ回路30の第二リアクトル90の一端に接続される。第四ダイオード82のカソード端子は平滑コンデンサ35の正極側と接続され、第三ダイオード80のアノード端子は平滑コンデンサ35の負極側と接続される。
【0066】
第一非絶縁チョッパ回路25は、第一リアクトル88と、第一ダイオード96と、第一スイッチ素子92を備える。第一リアクトル88と第一ダイオード96のアノード端子が接続され、その接続点である第一接続点110は、第一リアクトル88における交流電源70側でない他端と接続される。第一スイッチ素子92の第一接続点110側でない一端は、平滑コンデンサ35の負極側に接続され、第一ダイオード96のカソード端子は平滑コンデンサ35の正極側と接続される。第一スイッチ素子92は、制御部40(図示省略)により制御されて昇圧回路として機能する。
【0067】
第二非絶縁チョッパ回路30は、第二リアクトル90と、第二ダイオード98と、第二スイッチ素子94を備える。第二リアクトル90と第二ダイオード98のアノード端子が接続され、その接続点である第二接続点112は、第二リアクトル90における交流電源70側でない他端と接続される。第二スイッチ素子94の第二接続点112側でない一端は、平滑コンデンサ35の負極側に接続され、第二ダイオード98のカソード端子は平滑コンデンサ35の正極側に接続される。第二スイッチ素子94は、制御部40(図示省略)により制御されて昇圧回路として機能する。
【0068】
言い換えると、第一非絶縁チョッパ回路25は、第一スイッチ素子92と第一逆流防止素子96が直列接続されることで第一直列回路を構成し、第一直列回路における、第一スイッチ素子92と第一逆流防止素子96の間に、第一リアクトル88の他端が接続されることを特徴とする。第二非絶縁チョッパ回路30は、第二スイッチ素子94と第二逆流防止素子98が直列接続されることで第二直列回路を構成し、第二直列回路における、第二スイッチ素子94と第二逆流防止素子98の間に、第二リアクトル90の他端が接続されることを特徴とする。
【0069】
また切り替え回路15は、電源入力端子11の一端と第一非絶縁チョッパ回路25の間に設けられる第一接点部75と、電源入力端子11の他端と第二非絶縁チョッパ回路30の間において、他端側に設けられる第二接点部76と、電源入力端子11の他端と第二非絶縁チョッパ回路30の間において、第二接点部76よりも第二非絶縁チョッパ回路30側に設けられる第三接点部77と、平滑コンデンサ35の負極に接続される第四接点部78とを備えることを特徴とする。
【0070】
第一非絶縁チョッパ回路25と第二非絶縁チョッパ回路30は、制御部40により適切に制御されることで、いわゆるデュアルブースト方式の力率改善回路を構成する。この制御については、周知技術なので説明を省略するが、高調波電流抑制が可能になるという優れた効果を奏する。ここではPFC回路として、いわゆる昇圧チョッパ型コンバータを用いる例に挙げたが、別のPFC回路であっても良い。
【0071】
さて次に切り替え回路15を動作させて、回路を変更させた場合の構成とその効果について
図3(B)を用いて説明する。なお
図3(B)の状態から
図3(A)の状態に切り替え回路15を切り替えることも可能である。
【0072】
図3(B)には、入力電源10が直流電源120である場合に、インターリーブ方式の昇圧回路を実現するように切り替え回路15(
図3(B)の破線参照)が接続されたスイッチング電源1の回路図を示す。
【0073】
図3(B)は、
図1のスイッチング電源1において、入力電源10として直流電源120を接続し、第一非絶縁チョッパ回路25(
図3(B)の点線参照)、及び、第二非絶縁チョッパ回路30(
図3(B)の二点鎖線参照)に
図2(A)で説明した昇圧回路を適用した構成である。
【0074】
切り替え回路15では、4つの接点部、すなわち第一接点部75と、第二接点部76と、第三接点部77と、第四接点部78が、
図3(A)とは異なる接続をされる。すなわち第二接点部76と第三接点部77が未接続となり(すなわち第一接続配線73が取り外され)、第一接点部75と第三接点部77が第二接続配線74により接続される。また第二接点部76と第四接点部78が第三接続配線79により接続される。
【0075】
図3(B)は、切り替え回路15以外の回路については、
図3(A)と同一なので構成の説明を省略するが、切り替え回路15を、上記のような構成にすることで、第一非絶縁チョッパ回路25と第二非絶縁チョッパ回路30の入力端が直流電源120に対して、並列に配置される。このようなインターリーブ方式、すなわち直流電源の一端について並列となる複数の非絶縁チョッパ回路を有する方式に変更することで、直流電源でも交流電源時の定格出力電力が出力可能になるという効果を奏する。
【0076】
これは、
図3(A)において、仮に交流電源70を
図3(B)の直流電源120に置き換えて接続した場合(
図7(B)参照)に、直流電源120に対しては、デュアル方式では、基本的に一つの非絶縁チョッパ回路しか動作させられないため、交流電源時の定格出力電力を出力しようとすると非絶縁チョッパ回路の導通損が増えてしまい、直流電源時の定格出力電力を低減させる必要があったが、切り替え回路15によって
図3(B)のように接続回路を切り替えることで、直流電源120の場合でも非絶縁チョッパ回路の導通損を低減させて、直流電源でも交流電源時の定格出力電力が出力可能になる。
【0077】
本発明の第一実施形態に係るスイッチング電源1によれば、入力電源10が交流電源であるか、又は、直流電源であるかに基づいて、第一非絶縁チョッパ回路25及び第二非絶縁チョッパ回路30と、入力電源10の間との接続回路を切り替える切り替え回路15を設けることで、入力電源10が交流電源70の場合におけるデュアルブースト方式の力率改善回路による高調波電流抑制と、入力電源が直流電源120の場合のインターリーブ方式回路を同一基板上で切り替えて実現できるという優れた効果を奏する。
【0078】
本発明の第一実施形態に係るスイッチング電源1によれば、第一非絶縁チョッパ回路25と第二非絶縁チョッパ回路30において、いわゆる昇圧チョッパ型の高効率コンバータを設けることで、入力電源10が交流電源70であるとき、極めて少ない部品数で力率改善回路による高調波電流抑制が可能になるという優れた効果を奏する。
【0079】
本発明の第一実施形態に係るスイッチング電源1によれば、接続を切り替える接点部である、第一接点部75と、第二接点部76と、第三接点部77と、第四接点部78を有するので、メカニカルに接続を切り替えることで、大電力の入力電源10に対しても、ACDCコンバータ機能とDCDCコンバータ機能とを切り替えることが可能なスイッチング電源を実現し得るという優れた効果を奏する。
【0080】
本発明の第一実施形態に係るスイッチング電源1によれば、ダイオードが平滑コンデンサの負極側と入力電源の間に備えられるので、入力電源10が交流電源70である場合に、ノイズを抑制でき、また入力電源10とリアクトル88及び第二リアクトル90の間にバイパスダイオードを備えることになるので、リアクトルを急激な電圧上昇から保護することが可能になるという優れた効果を奏する。
【0081】
以上まとめると、本発明の第一実施形態に係るスイッチング電源1は、直流電源又は交流電源が接続される電源入力端子11と、外部負荷に接続される電源出力端子45と、電源出力端子45間に接続される平滑コンデンサ35と、電源出力端子45間に接続される第一非絶縁チョッパ回路25と、電源出力端子45間に接続される第二非絶縁チョッパ回路30と、第一非絶縁チョッパ回路25及び第二非絶縁チョッパ回路30と、電源入力端子11との間の接続回路を、導体部材で切り替える切り替え回路15を備え、切り替え回路15は、電源入力端子11と第一及び第二非絶縁チョッパ回路の接続を、デュアルブースト方式となるACDCコンバータ態様と、昇圧方式がインターリーブ方式となるDCDCコンバータ態様と、を切り替えることを特徴とするスイッチング電源を提供する。
【0082】
本発明の第一実施形態に係るスイッチング電源1によれば、導体部材による配線の接続を変更することで、入力電源が交流電源の場合に高効率の力率改善回路として利用するデュアル方式の回路を、入力電源が直流電源の場合には、導通損が少ないインターリーブ方式の回路に変更することができるという優れた効果を奏する。
【0083】
図4には、本発明の第二実施形態に係るスイッチング電源のブロック図を示す。スイッチング電源1は、入力電源10が交流電源70であるか、直流電源120であるかを検出する検出部50をさらに有する。それ以外の構成については、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0084】
本発明の第二実施形態に係るスイッチング電源1によれば、入力電源10が交流電源70であるか、直流電源120であるかを検出する検出部50を備えるので、入力電源10の種類を把握して切り替え回路15を適切に切り替えることが可能であるという優れた効果を奏する。例えば制御部40は、検出部50が、入力電源10が交流電源であるか、又は、直流電源であるかを検出して、制御部40にその検出した情報を送ることで、切り替え回路15を自動的に切り替えることが可能である。このとき切り替え回路15は、制御部40から制御可能なリレー等を使用することができる。
【0085】
なお、本発明のスイッチング電源は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0086】
例えば
図5(A)で示すように、入力電源10が交流電源70である場合におけるデュアルブースト方式で、緩衝回路20を整流ブリッジ回路130(ブリッジダイオード)に置き換えても良い。
【0087】
すなわち言い換えると、第三逆流防止素子80乃至第六逆流防止素子86は、整流ブリッジを構成し、整流ブリッジにおいて、第五逆流防止素子84と第六逆流防止素子86の間、及び、第三逆流防止素子80と第四逆流防止素子82の間が、ブリッジ入力端子となり、第三逆流防止素子80と第五逆流防止素子84の間、及び、第四逆流防止素子82と第六逆流防止素子86の間が、ブリッジ出力端子となる(以上
図3(A)又は
図3(B)を参照)。
【0088】
本質的には
図5(A)は、
図3(A)と同一の回路であるが、緩衝回路20を整流ブリッジ回路130(ブリッジダイオード)とすることで、部品点数の低減を図ることができる効果を奏する。
【0089】
また
図5(B)は、入力電源10が直流電源120である場合におけるインターリーブ方式で、緩衝回路20を整流ブリッジ回路130に置き換えた場合の回路図である。本質的には
図5(B)は、
図3(B)と同一の回路であるが、緩衝回路20を整流ブリッジ回路130(ブリッジダイオード)とすることで、部品点数の低減を図ることができる効果を奏する。
【0090】
また、直流電源120については、整流ブリッジ回路130を、回路上から切り離すことも容易である。すなわち、入力電源10が直流電源120である場合には、直流電源120の正極側端子と第一リアクトル88を接続する第六接続点134と整流ブリッジ回路130とを接続する配線と、直流電源120の正極側端子と第二リアクトル90を接続する第三接点部77と整流ブリッジ回路130を接続する配線と、電源出力端子45と整流ブリッジ回路130を接続する接続部、例えば第五接続点132と整流ブリッジ回路130の間の配線、及び、第七接続点136と整流ブリッジ回路130の間の配線を切り離すことで、整流ブリッジ回路130を、直流電源の昇圧回路から完全に切り離すことが容易にできる。
【0091】
本実施例によれば、入力電源が直流電源である場合には、整流ブリッジ回路を切り離すことで、電力消費を抑えうるというという優れた効果を奏する。この変形実施例は、例えば
図1の第一非絶縁チョッパ回路25、第二非絶縁チョッパ回路30について、降圧回路又は昇降圧回路を適用した場合や、
図4に示した本発明の第二実施形態においても同様な効果を奏することは言うまでもない。
【0092】
他の変形実施例としては、
図6のように、切り替え回路15(
図1参照)を整流ブリッジよりも非絶縁チョッパ回路側に設けることも考えられる。具体的には、電源入力端子は、整流ブリッジ130のブリッジ入力端子に接続され、切り替え回路15は、電源入力端子の一端と第一リアクトル88の間において、電源入力端子の一端側に設けられる第五接点部152と、電源入力端子の一端と第一リアクトル88の間において、第一リアクトル88側(第一入力側接続点25A側(
図1参照))に設けられる第六接点部154と、電源入力端子の他端と第二リアクトル90の間において、電源入力端子の他端側に設けられる第七接点部156と、電源入力端子の他端と第二リアクトル90の間において、第七接点部156よりも第二リアクトル90側(第二入力側接続点30A側(
図1参照))に設けられる第八接点部158と、整流ブリッジ130のブリッジ出力端子の一端に設けられる第九接点部160と、整流ブリッジ130のブリッジ出力端子の他端及び平滑コンデンサの負極に接続される第十接点部162とを備える。
【0093】
図6(A)は、入力電源が交流電源70である場合におけるデュアルブースト方式の回路図である。第五接点部152と第六接点部154は第四接続配線164により接続され、且つ、第七接点部156と第八接点部158は第五接続配線166により接続される。このように接続することで入力電源が交流電源70である場合におけるデュアルブースト方式の回路が実現され、高調波電流抑制ができるという効果を奏する。
【0094】
図6(B)は、入力電源が交流電源70である場合における整流ブリッジを介したインターリーブ方式の回路を実現した回路図である。具体的には第九接点部160と第六接点部154を第八接続配線172で接続し、第六接点部154と第八接点部158を第六接続配線168で接続する。なおこの回路においては、交流電源70を直流電源120に置き換えても交流電源時の定格出力電力を出力することができる。
【0095】
本変形実施例に係るスイッチング電源によれば、整流ブリッジを介したインターリーブ式方式の回路が構成されるので、入力電源が交流電源の場合には力率改善回路として高調波電流抑制が可能であり、入力電源が直流電源の場合にも交流電源時の定格出力電力を出力することができる。
【0096】
図6(C)は、入力電源が直流電源120である場合におけるインターリーブ方式の回路図である。具体的には、第五接点部152と第六接点部154は第四接続配線164で接続され、第六接点部154と第八接点部158が第六接続配線168で接続され、そして第七接点部156と第十接点部162は第七接続配線170で接続される。このように接続することで、入力電源が直流電源120の場合において導通損が少ないインターリーブ方式の回路が実現される。
【0097】
本変形実施例に係るスイッチング電源によれば、接続を切り替えうる接点部を有するので、接続を切り替えることで、交流または直流の入力電源に対しても、ACDCコンバータ機能とDCDCコンバータ機能とを切り替えることが可能なスイッチング電源を実現し得るという優れた効果を奏する。またノイズ防止とリアクトル保護をおこなうダイオード回路を、一つの整流ブリッジ回路という少ない部品点数を備えることで実現できるという優れた効果を奏する。
【0098】
また本変形実施例に係るスイッチング電源によれば、入力電源が交流電源である場合には、デュアル方式の力率改善回路に変更することで、高調波電流抑制が可能になり、また入力電源が直流電源である場合には、導通損が少ないインターリーブ方式の回路構成に変更できるという優れた効果を奏する。
【0099】
本変形実施例に係るスイッチング電源によれば、入力電源の種類に基づいて、電源入力端子と、第一非絶縁チョッパ回路及び第二非絶縁チョッパ回路との間の回路を切り替える切り替え回路を設けることで、入力電源が交流電源の場合におけるデュアル方式の力率改善回路による高調波電流抑制と、入力電源が直流電源の場合のインターリーブ方式回路を、同一基板上で切り替えて実現できるという優れた効果を奏する。
【0100】
すなわち直流電源に対しては、デュアル方式は一つの回路しか動作しないため、交流電源時の定格出力電力を出力しようとすると非絶縁チョッパ回路の導通損が増えてしまい、直流電源時の定格出力電力を低減させる必要があったが、本発明によりインターリーブ方式、すなわち直流電源について並列な回路に変更することで、非絶縁チョッパ回路の導通損を低減させて、直流電源でも交流電源時の定格出力電力が出力可能になるという効果を奏する。
【0101】
また本変形実施例に係るスイッチング電源によれば、ノイズ防止とリアクトル保護をおこなうダイオード回路を、一つの整流ブリッジ回路という少ない部品点数を備えることで実現できるという優れた効果を奏する。また、この切り替え回路によって、入力電源が交流電源でもインターリーブ方式を採用することができる方式にも切り替えることができる優れた効果も奏する。