(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して、本発明に係る第1から第4実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0011】
また、以下に示す第1から第4実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
[第1実施形態]
図1から
図7は、本発明に係る第1実施形態の電磁接触器1を示すものである。
図1に示すように、電磁接触器1は、第1筐体2及び第2筐体3を備えている。
図2に示すように、第1筐体2の内部には接点機構4が配置され、第2筐体3の内部には、この接点機構4を駆動する電磁石ユニット5が配置されている。
接点機構4は接点収納ケース6に収納されている。接点収納ケース6は、金属製の角筒体7と、この角筒体7の上端を閉塞する例えばセラミックや合成樹脂材などの絶縁材料により形成した絶縁基板8とを備えている。
【0013】
角筒体7は、下部に形成したフランジ部7aが電磁石ユニット5の後述する上部磁気ヨーク21にシール接合された状態で固定されている。絶縁基板8には、貫通孔9,10が所定間隔をあけて形成されている。
接点機構4は、絶縁基板8に導体部11,12を介して固定されている一対の固定接触子13,14(以下、第1固定接触子13、第2固定接触子14と称する)と、これら第1及び第2固定接触子13,14に設けた第1及び第2固定接点13a,14aに、第1及び第2可動接点15a,15bが対向している可動接触子15とを備えている。
【0014】
可動接触子15は、電磁石ユニット5の可動プランジャ22に固定された連結軸23に支持されており、可動接触子15の中央部に連結軸23を挿通する貫通孔24が形成されている。
連結軸23の長手方向の中央部には外方に突出するフランジ部25が形成されており、可動接触子15の貫通孔24に連結軸23を上端から挿入することで、可動接触子15の中央下部をフランジ部25に当接し、連結軸23の上部から接触スプリング26を挿入する。そして、連結軸23の上端に固定したスプリング受け27aとCリング27bとで接触スプリング26の上端を固定することで、接触スプリング26が可動接触子15に対して所定の付勢力を付与している。
【0015】
接点収容ケース6の内部には、有底角筒状の絶縁ホルダー18と、絶縁ホルダー18の上部開口を閉塞する絶縁カバー50と、絶縁カバー50の上面及び絶縁基板8の下面の間に挟み込まれている弾性部材からなる板状の気密部材51と、からなる絶縁ケースが収納されている。
電磁石ユニット5は、側面から見て扁平なU字形状の磁気ヨーク28を有し、この磁気ヨーク28の底板部の中央部に固定プランジャ29が配置され、この固定プランジャ29の外側にスプール30が配置されている。
【0016】
スプール30は、固定プランジャ29を挿通する中央円筒部31と、この中央円筒部31の下端部から半径方向外方に突出する下フランジ部32と、中央円筒部31の上端より僅かに下側から半径方向外方に突出する上フランジ部33とで構成されている。そして、中央円筒部31、下フランジ部32及び上フランジ部33で構成される収納空間に励磁コイル34が巻装されている。
【0017】
磁気ヨーク28の開放端となる上端に固定した上部磁気ヨーク21には、中央部にスプール30の中央円筒部31に対向する貫通孔21aが形成されている。
スプール30の中央円筒部31内に挿入された固定プランジャ29の上部には、有底筒状に形成されたキャップ35で覆われ、このキャップ35の開放端に半径方向外方に延長して形成されたフランジ部35aが配置されている。このフランジ部35aは、上部磁気ヨーク21の下面にシール接合されている。これによって、キャップ35が上部磁気ヨーク21の貫通孔21aを介して連通される密封容器が形成される。
【0018】
キャップ35の内部には、最下部に復帰スプリング36を配置した可動プランジャ22が上下に摺動可能に挿入される。この可動プランジャ22には、上部磁気ヨーク21から上方に突出する上端部に半径方向外方に突出する周鍔部22aが形成されている。
上部磁気ヨーク21の上面には、環状に形成された駆動用永久磁石37が可動プランジャ22の周鍔部22aを囲むように固定されている。この駆動用永久磁石37は上下方向すなわち厚み方向に例えば上端側をN極とし、下端側をS極とするように着磁されている。
【0019】
駆動用永久磁石37の上端面に、駆動用永久磁石37と同一外形で可動プランジャ22の周鍔部22aの外径より小さい内径の貫通孔38を有する補助ヨーク39が固定されており、この補助ヨーク39の下面に、可動プランジャ22の周鍔部22aが接触している。
密閉された接点収納ケース6には、アーク消弧用の様々なガスが封入されている。
【0020】
接点機構4を構成する可動接触子15は、導電性のある材料とした
図2の左右方向に長尺な導電板であり、長手方向の中央部に連結軸23が連結されており、長手方向の両端側の下面に、第1可動接点15a及び第2可動接点15bが形成されている。
接点機構4を構成する第1固定接触子13及び第2固定接触子14は、導電性のある材料からなる側面視C字形状の導電板であり、可動接触子15の長手方向の両端側に離間し、絶縁基板8に導体部11,12を介して固定されている。
【0021】
第1固定接触子13は、可動接触子15の第1可動接点15a側に長手方向の一方の端部に配置されており、可動接触子15の第1可動接点15aに下側から対向し、第1固定接点13aを上面に設けた第1導電板部13bと、可動接触子15から離れた第1導電板部13bの端部から折り曲げられて上方に延在している第2導電板部13cと、第2導電板部13cの上端から折り曲げられて可動接触子15の上方に延在している第3導電板部13dと、を備えている。
【0022】
また、第2固定接触子14は、可動接触子15の第2可動接点15b側に長手方向の他方の端部に配置されており、可動接触子15の第2可動接点15bに下側から対向し、第2固定接点14aを上面に設けた第1導電板部14bと、可動接触子15から離れた第1導電板部14bの端部から折り曲げられて上方に延在している第2導電板部14cと、第2導電板部14cの上端から折り曲げられて可動接触子15の上方に延在している第3導電板部14dと、を備えている。
【0023】
第1固定接触子13には、アークの発生を規制する合成樹脂製のカバー16が装着されている。第2固定接触子14にも、アークの発生を規制する合成樹脂製のカバー17が装着されている。これにより、第1固定接触子13の内周面では、第1固定接点13a及び第1導電板部13bが露出し、第2固定接触子14の内周面では、第2固定接点14a及び第1導電板部14bが露出している。
【0024】
また、第1固定接触子13の第2導電板部13cの内側面及び第2固定接触子14の第2導電板部14cの内側面を覆うように、平面から見てC字状の磁性体板19a,19bが装着されている。これにより、第2導電板部13c、14cを流れる電流によって発生する磁場をシールドすることができる。
そして、可動接触子15は、釈放状態で、長手方向の両端側に位置する可動接点15a,15bと、固定接触子13,14の固定接点13a,14aが、所定間隔を保って離間した状態となる。
【0025】
また、可動接触子15は、投入位置で、可動接点15a,15bが、固定接触子13,14の固定接点13a,14aに、接触スプリング26による所定の接触圧で接触するように設定されている。
図3は、接点機構4の内部を平面視で示したものであり、接点収納ケース6の角筒体7の外周に、第1〜第4アーク消弧用永久磁石40〜43が配置されている。
【0026】
角筒体7の外周を囲んでいる第1及び第2筐体2,3の内周面には、角筒体7の四辺を囲んでいる位置に金属製の磁石支持体60が固定されている。
第1アーク消弧用永久磁石40は、可動接触子15の幅方向の一方の側面15cに角筒体7及び絶縁ホルダー18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。第2アーク消弧用永久磁石41は、可動接触子15の幅方向の他方の側面15dに角筒体7及び絶縁ホルダー18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。
【0027】
これら第1及び第2アーク消弧用永久磁石40,41は、角筒体7に接する磁極面がN極となるように着磁されている。
また、第3アーク消弧用永久磁石42は、可動接触子15の長手方向の一方の側面15eに角筒体7及び絶縁ホルダー18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。第4アーク消弧用永久磁石43は、可動接触子15の長手方向の他方の側面15fに角筒体7及び絶縁ホルダー18を介して対向するように磁石支持体60に固定されている。
【0028】
これら第3及び第4アーク消弧用永久磁石42,43は、角筒体7に接する磁極面がS極となるように着磁されている。
ここで、
図4は、有底角筒状に形成されて接点収納ケース6の内部に配置される絶縁ケースを構成している絶縁ホルダー18を示す図である。絶縁ホルダー18は、溶融したときに水素ガスが発生する絶縁性の合成樹脂によって形成されている。
【0029】
この絶縁ホルダー18の底部には、可動接触子15の長手方向の一方の側面15cに沿って第1固定接点13a及び第2固定接点14aの間に、第1内壁61が形成されている。また、絶縁ホルダー18の底部には、可動接触子15の長手方向の他方の側面15dに沿って第1固定接点13a及び第2固定接点14aの間にも、第2内壁62が形成されている。
【0030】
そして、絶縁ホルダー18の第1内壁61と、これに対向している第1外壁18aとの間には、第1アーク消弧空間45が形成されている。また、絶縁ホルダー18の第2内壁62と、これに対向している第2外壁18bとの間には、第2アーク消弧空間46が形成されている。
また、第1アーク消弧空間45を形成している絶縁ホルダー18の底部には、第1内壁61に直交して第1内壁61より高さを低くして立ち上がり、互いに平行に離間している第1〜第3ホルダー側直交リブ63〜65が形成されている。また、第2アーク消弧空間46を形成している絶縁ホルダー18の底部にも、第2内壁62に直交して第2内壁62より高さを低くした状態で立ち上がり、互いに平行に離間している第4〜第6ホルダー側直交リブ66〜68が形成されている。
【0031】
接点収容ケース6の内部に配置されて絶縁ホルダー18の上部開口を閉塞する絶縁カバー50は、溶融したときに水素ガスが発生する絶縁性の合成樹脂で形成した板部材である。
この絶縁カバー50は、
図6に示すように、導体部11,12が通過する貫通孔50a,50bが形成されているとともに、下面から第1〜第4カバー側直交リブ70〜73が突出して形成されている。
【0032】
また、絶縁ケースを構成している絶縁カバー50は、
図5に示すように、絶縁ホルダー18の上部開口を閉塞している。
図3及び
図5に示すように、第1カバー側直交リブ70は、第1ホルダー側直交リブ63及び第2ホルダー側直交リブ64の間に平行に延在し、第2カバー側直交リブ71は、第2ホルダー側直交リブ64及び第3ホルダー側直交リブ65の間に平行に延在している。そして、
図5において、第1カバー側直交リブ70及び第2カバー側直交リブ71の下端は、第1〜第3ホルダー側直交リブ63〜65の上端と略同一高さまで突出している。
【0033】
また、
図3に示すように、第3カバー側直交リブ72は、第4ホルダー側直交リブ66及び第5ホルダー側直交リブ67の間に平行に延在し、第4カバー側直交リブ73は、第5ホルダー側直交リブ67及び第6ホルダー側直交リブ68の間に平行に延在している。そして、第3カバー側直交リブ72及び第4カバー側直交リブ73の先端も、第4〜第6ホルダー側直交リブ66〜68の先端と略同一高さまで突出している。
【0034】
また、絶縁カバー50の上面と絶縁基板8の下面の間に配置される気密部材51は、
図7に示すように、導体部11,12が通過する貫通孔51a,51bが形成されている。この気密部材51は、
図5に示すように、絶縁カバー50の上面と絶縁基板8の下面の間に配置されることで圧縮状態となる。この圧縮状態の気密部材51は、絶縁ホルダー18の開口部と絶縁基板8との間に生じている隙間を閉塞するので、絶縁ホルダー18の内部の密閉度を高める。
【0035】
ここで、本発明に記載されている内壁が第1内壁に対応し、本発明に記載されている外壁が第1外壁に対応し、本発明に記載されている可動鉄心が可動プランジャ22に対応し、本発明に記載されている操作用電磁石が電磁石ユニット5に対応している。
次に、第1実施形態の電磁接触器1の動作について説明する。
この第1実施形態の電磁接触器1は、第1固定接触子13に正極(+)端子を接続し、第2固定接触子14に負極(−)端子を接続している。
【0036】
今、電磁石ユニット5の励磁コイル34が無励磁状態にあって、電磁石ユニット5で可動プランジャ22を下降させる励磁力を発生していない釈放状態にあるものとする。
この釈放状態では、可動プランジャ22が復帰スプリング36によって、上部磁気ヨーク21から離れる上方向に付勢される。これと同時に、駆動用永久磁石37の磁力による吸引力が補助ヨーク39に作用し、可動プランジャ22の周鍔部22aが吸引される。このため、可動プランジャ22の周鍔部22aの上面が補助ヨーク39の下面に接触している。
【0037】
このため、可動プランジャ22に連結軸23を介して連結されている接点機構4の可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bが、第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aに対して上方に所定距離だけ離間している。このため、第1固定接触子13及び第2固定接触子14の間の電流路が遮断状態にあり、接点機構4が開極状態となっている。
【0038】
この釈放状態から、電磁石ユニット5の励磁コイル34に通電すると、この電磁石ユニット5で励磁力が発生し、可動プランジャ22を復帰スプリング36の付勢力及び駆動用永久磁石37の吸引力に抗して下方に押し下げる。この可動プランジャ22の下降が、周鍔部22aの下面が上部磁気ヨーク21の上面に当たることで停止する。
このように、可動プランジャ22が下降することにより、可動プランジャ22に連結軸23を介して連結されている可動接触子15も下降し、接点機構4の可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bが、第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aに対して接触スプリング26の接触圧で接触する。
【0039】
このため、電力供給源の大電流が、第1固定接触子13、可動接触子15、第2固定接触子14を通じて負荷装置に供給される閉極状態となる。
この接点機構4の閉極状態から、負荷装置への電流供給を遮断する場合には、電磁石ユニット5の励磁コイル34への励磁を停止する。
励磁コイル34への励磁を停止すると、電磁石ユニット5で可動プランジャ22を下方に移動させる励磁力がなくなることにより、可動プランジャ22が復帰スプリング36の付勢力によって上昇し、周鍔部22aが補助ヨーク39に近づくに従って駆動用永久磁石37の吸引力が増加する。
【0040】
この可動プランジャ22が上昇することにより、連結軸23を介して連結された可動接触子15が上昇する。これに応じて接触スプリング26で接触圧を与えているときは、可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bが第1固定接触子13の第1固定接点13a、第2固定接触子14の第2固定接点14aに接触している。その後、接触スプリング26の接触圧がなくなった時点で、可動接触子15が第1固定接触子13及び第2固定接触子14から上方に離間する開極開始状態となる。
【0041】
このような開極開始状態となると、
図3に示すように、可動接触子15の第1可動接点15aと第1固定接触子13の第1固定接点13aとの間に第1アーク(不図示)が発生し、可動接触子15の第2可動接点15bと第2固定接触子14の第1固定接点14aとの間に第2アーク(不図示)が発生し、これらのアークによって電流の通電状態が継続される。このとき、第1アークの電流方向は、第1固定接点13aから第1可動接点15aに向う方向であり、第2アークの電流方向は、第2可動接点15bから第2固定接点14aに向う方向である。
【0042】
ここで、第1アーク消弧用永久磁石40のN極から出て第3アーク消弧用永久磁石42のS極に流れる磁束と、第2アーク消弧用永久磁石41のN極から出て第3アーク消弧用永久磁石42のS極に流れる磁束とが、第1アークの近くを通過して可動接触子15の長手方向の一方の側面15eの外方に向って発生する。
また、第1アーク消弧用永久磁石40のN極から出て第4アーク消弧用永久磁石43のS極に流れる磁束と、第2アーク消弧用永久磁石41のN極から出て第4アーク消弧用永久磁石43のS極に流れる磁束とが、第2アークの近くを通過して可動接触子15の長手方向の他方の側面15fの外方に向って発生する。
【0043】
第1固定接触子13の第1固定接点13aと可動接触子15の第1可動接点15aとの間では、第1固定接点13a側から第1可動接点15a側に第1アークが伸長し、第1アーク消弧用永久磁石40、第2アーク消弧用永久磁石41及び第3アーク消弧用永久磁石42で発生する磁束が可動接触子15の長手方向の一方の側面15eの外方に向って発生する。これにより、第1アークの電流の流れと磁束との関係からフレミング左手の法則により、可動接触子15の幅方向の一方の側面15c側の第1外壁18aに向う側に大きなローレンツ力F1が発生する(
図3参照)。
【0044】
このローレンツ力F1によって、第1固定接点13a及び第1可動接点15aの間に発生した第1アークが、第1外壁18aに向けて引き伸ばされる。
また、第2固定接触子14の第2固定接点14aと可動接触子15の第2可動接点15bとの間では、第2可動接点15b側から第2固定接点14a側に第2アークが伸長し、第1アーク消弧用永久磁石40、第2アーク消弧用永久磁石41及び第4アーク消弧用永久磁石43で発生する磁束が可動接触子15の長手方向の他方の側面15fの外方に向って発生する。これにより、第2アークの電流の流れと磁束との関係からフレミング左手の法則により、可動接触子15の幅方向の一方の側面15c側の第1アーク消弧空間45に向う側に大きなローレンツ力F2が発生する。
【0045】
このローレンツ力F2によって、第2固定接点14a及び第2可動接点15bの間に発生した第2アークが、第1外壁18aに向けて引き伸ばされる。
ここで、第1アーク及び第2アークの発生により第1及び第2固定接触子13,14の第1固定接点13a,第2固定接点14a及び可動接触子15の第1可動接点15a,第2可動接点15bのアークにより温度が上昇すると、第1固定接点13a,第2固定接点14a、第1可動接点15a及び第2可動接点15bが溶融して多量の金属蒸気が発生する。
【0046】
第1アークの近傍で発生した金属蒸気は、
図3に示すように、絶縁ホルダー18の第1外壁18aに衝突した後、第1アーク消弧空間45の第2固定接触子14に向う流れ(第1の金属蒸気の流れJ1)となる。
ここで、ローレンツ力F1によって第1外壁18aの近傍まで引き伸ばされた第1アークは、第1の金属蒸気の流れJ1に誘導されて第1アーク消弧空間45に向けて引き伸ばされていく。
【0047】
また、第2アークの近傍で発生した金属蒸気は、
図3に示すように、絶縁ホルダー18の第1外壁18aに衝突した後、第1アーク消弧空間45の第1固定接触子13に向う流れ(第2の金属蒸気の流れJ2)となる。
そして、ローレンツ力F2によって第1外壁18a近傍まで引き伸ばされた第2アークは、この第2の金属蒸気の流れJ2に誘導されて第1アーク消弧空間45に向けて引き伸ばされていく。
【0048】
第1の金属蒸気の流れJ1は、
図5に示すように、第1アーク消弧空間45に配置されている第1ホルダー側直交リブ63、第1カバー側直交リブ70、第2ホルダー側直交リブ64、第2カバー側直交リブ71の順に金属蒸気が衝突していく。これにより、第1の金属蒸気の流れJ1は、流れ方向の向きが蛇行状態に変化するので、金属蒸気が第1アーク消弧空間45の全域に拡散する流れとなる。
【0049】
そして、第1の金属蒸気の流れJ1とともに第1外壁18aに向けて引き伸ばされている第1アークは、第1の金属蒸気の流れJ1に誘導され、第1アーク消弧空間45の全域に広がっていき、第1アーク消弧空間45の内壁(第1ホルダー側直交リブ63、第1カバー側直交リブ70、第2ホルダー側直交リブ64、第2カバー側直交リブ71など)との接触面積が増大していく。
【0050】
また、第2の金属蒸気の流れJ2も、
図5に示すように、第1アーク消弧空間45に配置されている第3ホルダー側直交リブ65、第2カバー側直交リブ71、第2ホルダー側直交リブ64、第1カバー側直交リブ70の順に金属蒸気が衝突する。これにより、第2の金属蒸気の流れJ2は、流れ方向の向きが蛇行状態に変化するので、金属蒸気は第1アーク消弧空間45の全域に拡散する流れとなる。
【0051】
そして、第2の金属蒸気の流れJ2とともに第1外壁18aに向けて引き伸ばされている第2アークは、第2の金属蒸気の流れJ2に誘導され、第1アーク消弧空間45の全域に広がっていき、第1アーク消弧空間45の内壁(第3ホルダー側直交リブ65、第2カバー側直交リブ71、第2ホルダー側直交リブ64、第1カバー側直交リブ70など)との接触面積が増大していく。
【0052】
このように、第1固定接点13a及び第1可動接点15aの間に発生した第1アーク、第2固定接点14a及び第2可動接点15bの間に発生した第2アークは、第1の金属蒸気の流れJ1及び第2の金属蒸気の流れJ2に誘導されて第1アーク消弧空間45の内壁(絶縁ホルダー18の底部から立ち上がる第1〜第3ホルダー側直交リブ63〜65と、絶縁カバー50から絶縁ホルダー18の底部に向けて突出する第1,第2カバー側直交リブ70、71)との接触面積が増大する。
【0053】
これらの内壁は、アークとの接触で冷却ガスが発生するので、第1及び第2アークの冷却効果が高められ、第1アーク及び第2アークの消弧が確実に行われて消弧性能を向上させることができる。
また、接点収容ケース6の内部に配置した絶縁カバー50の上面と絶縁基板8の下面の間には圧縮状態の気密部材51が配置されていることで絶縁ホルダー18の内部の密閉度が高くなるので、第1及び第2アーク消弧空間45,46で発生した金属蒸気が絶縁ホルダー18の外部に漏れるのを確実に防止し、信頼性の高い電磁接触器1を提供することができる。
【0054】
また、第1アーク消弧空間45において絶縁ホルダー18の底部から立ち上がる第1〜第3ホルダー側直交リブ63〜65と、絶縁カバー50から絶縁ホルダー18の底部に向けて突出する第1,第2カバー側直交リブ70、71とが交互に配置され、これらのリブに金属蒸気を衝突させるだけで、第1アーク消弧空間45の第1の金属蒸気の流れJ1及び第2の金属蒸気の流れJ2を蛇行状態の流れに変化させることができるので、簡単な構成で金属蒸気を第1アーク消弧空間45の全域に拡散することができる。
【0055】
なお、第1実施形態の絶縁カバー50は、溶融したときに水素ガスが発生する絶縁性の合成樹脂で形成したが、セラミック製の絶縁カバー50を使用すると、セラミックの第1,第2カバー側直交リブ70、71はアークが接触することでアーク消弧を促進することができるので、消弧性能を向上させることができる。
ここで、第1実施形態の電磁接触器1の第1固定接触子13に負極(−)端子を接続し、第2固定接触子14に正極(+)端子を接続すると、開極開始状態において第1固定接点13a及び第1可動接点15aの間の第1アーク、第2固定接点14a及び第2可動接点15bの間の第2アークは、第2外壁18bに向かって引き伸ばされる。
【0056】
そして、第2アーク消弧空間46に発生した金属蒸気は、絶縁ホルダー18の第2外壁18bに衝突した後、第2アーク消弧空間46の第2固定接触子14に向う流れとなり、第4ホルダー側直交リブ66、第3カバー側直交リブ72、第5ホルダー側直交リブ67、第4カバー側直交リブ73の順に衝突することで、第2アーク消弧空間46の全域に拡散する流れとなる。
【0057】
これにより、第2外壁18b近傍まで引き伸ばされた第1アークは、第2アーク消弧空間46の全域に拡散した金属蒸気の流れに誘導されて第2アーク消弧空間46の内壁との接触面積が増大する。また、第2外壁18b近傍まで引き伸ばされた第2アークも、第2アーク消弧空間46の全域に拡散した金属蒸気の流れに誘導されて第2アーク消弧空間46の内壁との接触面積が増大する。
したがって、第2外壁18bに向かって発生した第1アーク及び第2アークも、第2アーク消弧空間46の内壁との接触面積が増大することで冷却効果が増大し、アークの消弧性能を向上させることができる。
【0058】
[第2実施形態]
図8から
図10は、本発明に係る第2実施形態の電磁接触器1の要部を示すものである。なお、第1実施形態で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付して説明は省略す。
図8に示す第2実施形態の絶縁ホルダー18は、第1アーク消弧空間45を形成している絶縁ホルダー18の底部に、第1内壁61に直交して立ち上がり、互いに平行に離間して配置された第1〜第3ホルダー側直交リブ75〜77が形成されている。これら第1〜第3ホルダー側直交リブ75〜77は、第1実施形態の第1〜第3ホルダー側直交リブ63〜65より高く形成され、第1アーク消弧空間45を長手方向に複数分割するように形成されている。
【0059】
第2アーク消弧空間46を形成している絶縁ホルダー18の底部にも、第2内壁62に直交して立ち上がり、互いに平行に離間して配置された第4〜第6ホルダー側直交リブ78〜80が形成されている。これら第4〜第6ホルダー側直交リブ78〜80も、第1実施形態の第4〜第6ホルダー側直交リブ66〜68より高く形成され、第2アーク消弧空間46を長手方向に複数分割するように形成されている。
【0060】
なお、
図9に示すように、第2実施形態では、
図5の第1実施形態で使用した絶縁カバー50及び気密部材51は配置されない。
第2実施形態の電磁接触器1は、第1固定接触子13に正極(+)端子を接続し、第2固定接触子14に負極(−)端子を接続しているものとし、開極開始状態となると、
図10に示すように、可動接触子15の第1可動接点15aと第1固定接触子13の第1固定接点13aとの間に第1アーク(不図示)が発生し、可動接触子15の第2可動接点15bと第2固定接触子14の第1固定接点14aとの間に第2アーク(不図示)が発生し、これらのアークによって電流の通電状態が継続される。
【0061】
第1固定接触子13の第1固定接点13aと可動接触子15の第1可動接点15aとの間では、第1固定接点13a側から第1可動接点15a側に伸長する第1アークが、ローレンツ力F1によって第1外壁18aに向けて引き伸ばされる。
また、第2固定接触子14の第2固定接点14aと可動接触子15の第2可動接点15bとの間では、第2可動接点15b側から第2固定接点14a側に伸長する第2アークが、ローレンツ力F2によって第1外壁18aに向けて引き伸ばされる。
【0062】
第1固定接点13a,第2固定接点14a、第1可動接点15a及び第2可動接点15bが溶融して多量の金属蒸気が発生する。
第1アークの近傍で発生した金属蒸気は、
図9及び
図10に示すように、絶縁ホルダー18の第1外壁18aに衝突した後、第1アーク消弧空間45の第2固定接触子14に向う流れ(第3の金属蒸気の流れJ3)となる。
【0063】
ローレンツ力F1によって第1外壁18a近傍まで引き伸ばされた第1アークは、この第3の金属蒸気の流れJ3に誘導されて第1アーク消弧空間45に向けて引き伸ばされていく。
また、第2アークの近傍で発生した金属蒸気は、
図9及び
図10に示すように、絶縁ホルダー18の第1外壁18aに衝突した後、第1アーク消弧空間45の第1固定接触子13に向う流れ(第4の金属蒸気の流れJ4)となる。
【0064】
ローレンツ力F2によって第1外壁18a近傍まで引き伸ばされた第2アークは、第4の金属蒸気の流れJ4に誘導されて第1アーク消弧空間45に向けて引き伸ばされていく。
第3の金属蒸気の流れJ3は、
図9に示すように、第1アーク消弧空間45に配置されている第1ホルダー側直交リブ75、第2ホルダー側直交リブ76の順に金属蒸気が衝突する。これにより、第3の金属蒸気の流れJ3は、流れ方向の向きが蛇行状態に変化するので、金属蒸気が第1アーク消弧空間45の全域に拡散する流れとなる。
【0065】
そして、第3の金属蒸気の流れJ3とともに第1外壁18aに向けて引き伸ばされている第1アークは、第3の金属蒸気の流れJ3に誘導され、第1アーク消弧空間45の全域に広がっていき、第1アーク消弧空間45の内壁(第1ホルダー側直交リブ75、第2ホルダー側直交リブ76及び第3ホルダー側直交リブ77)との接触面積が増大していく。
また、第4の金属蒸気の流れJ4も、
図9に示すように、第1アーク消弧空間45に配置されている第3ホルダー側直交リブ77、第2ホルダー側直交リブ76の順に金属蒸気が衝突することで、流れ方向の向きが蛇行状態に変化し、金属蒸気が第1アーク消弧空間45の全域に拡散する流れとなる。
【0066】
そして、第4の金属蒸気の流れJ4とともに第1外壁18aに向けて引き伸ばされている第2アークは、第4の金属蒸気の流れJ4に誘導され、第1アーク消弧空間45の全域に広がっていき、第1アーク消弧空間45の内壁(第3ホルダー側直交リブ77、第2ホルダー側直交リブ76及び第1ホルダー側直交リブ75)との接触面積が増大していく。
このように、第1固定接点13a及び第1可動接点15aの間に発生した第1アーク、第2固定接点14a及び第2可動接点15bの間に発生した第2アークは、第3の金属蒸気の流れJ3及び第4の金属蒸気の流れJ4に誘導されて第1アーク消弧空間45の内壁との接触面積が増大し、冷却効果が増大するので、第1アーク及び第2アークの消弧が確実に行われて消弧性能を向上させることができる。
【0067】
また、第1アーク消弧空間45において絶縁ホルダー18の底部から立ち上がる第1〜第3ホルダー側直交リブ75〜77が配置され、これらのリブに金属蒸気を衝突させるだけで、第1アーク消弧空間45の第3の金属蒸気の流れJ3及び第4の金属蒸気の流れJ4を蛇行状態の流れに変化させることができるので、第1実施形態よりさらに簡単な構成で金属蒸気を第1アーク消弧空間45の全域に拡散することができる。
【0068】
なお、第2実施形態の電磁接触器1の第1固定接触子13に負極(−)端子を接続し、第2固定接触子14に正極(+)端子を接続すると、開極開始状態において第1固定接点13a及び第1可動接点15aの間の第1アーク、第2固定接点14a及び第2可動接点15bの間の第2アークは、第2外壁18bに向かって発生する。この場合も、第1実施形態と同様に、第2外壁18bに向かって発生した第1アーク及び第2アークは、蛇行する第4の金属蒸気の流れJ4及び第5の金属蒸気の流れJ5に誘導され、第2アーク消弧空間46の内壁との接触面積が増大することで冷却効果が増大し、アークの消弧性能を向上させることができる。
【0069】
[第3実施形態]
次に、
図11から
図13は、本発明に係る第3実施形態の電磁接触器1の要部を示すものである。
図11に示す第3実施形態の絶縁ホルダー18は、第1アーク消弧空間45を形成している絶縁ホルダー18の底部に、第1内壁61及び第1外壁18aに沿って平行に延在し、第1内壁61と略同一高さまで立ち上がる第1ホルダー側平行リブ81が形成されている。
【0070】
また、第2アーク消弧空間46を形成している絶縁ホルダー18の底部にも、第2内壁62及び第2外壁18bに沿って平行に延在し、第2内壁62と略同一高さまで立ち上がる第2ホルダー側平行リブ82が形成されている。
また、
図12に示すように、第2実施形態と同様に、第3実施形態も、
図5の第1実施形態で使用した絶縁カバー50及び気密部材51は配置されない。
【0071】
第3実施形態の電磁接触器1は、第1固定接触子13に正極(+)端子を接続し、第2固定接触子14に負極(−)端子を接続しているものとし、開極開始状態となると、
図13に示すように、可動接触子15の第1可動接点15aと第1固定接触子13の第1固定接点13aとの間に第1アーク(不図示)が発生し、可動接触子15の第2可動接点15bと第2固定接触子14の第1固定接点14aとの間に第2アーク(不図示)が発生し、これらのアークによって電流の通電状態が継続される。
【0072】
第1固定接触子13の第1固定接点13aと可動接触子15の第1可動接点15aとの間では、第1固定接点13a側から第1可動接点15a側に伸長する第1アークが、ローレンツ力F1によって第1外壁18aに向けて引き伸ばされる。
また、第2固定接触子14の第2固定接点14aと可動接触子15の第2可動接点15bとの間では、第2可動接点15b側から第2固定接点14a側に伸長する第2アークが、ローレンツ力F2によって第1外壁18aに向けて引き伸ばされる。
【0073】
第1固定接点13a,第2固定接点14a、第1可動接点15a及び第2可動接点15bが溶融して多量の金属蒸気が発生する。
第1アークの近傍で発生した金属蒸気は、
図12及び
図13に示すように、絶縁ホルダー18の第1外壁18aに衝突した後、第1アーク消弧空間45の第2固定接触子14に向う流れ(第5の金属蒸気の流れJ5)となる。
【0074】
そして、ローレンツ力F1によって第1外壁18a近傍まで引き伸ばされた第1アークは、第5の金属蒸気の流れJ5に誘導されて第1アーク消弧空間45に向けて引き伸ばされていく。
一方、第2アークの近傍で発生した金属蒸気は、
図12及び
図13に示すように、絶縁ホルダー18の第1外壁18aに衝突した後、第1アーク消弧空間45の第1固定接触子13に向う流れ(第6の金属蒸気の流れJ6)となる。
【0075】
そして、ローレンツ力F2によって第1外壁18a近傍まで引き伸ばされた第2アークは、第6の金属蒸気の流れJ6に誘導されて第1アーク消弧空間45に向けて引き伸ばされていく。
第5の金属蒸気の流れJ5は、
図13に示すように、第1アーク消弧空間45に配置されている第1ホルダー側平行リブ81の一方の端面に衝突した後に、第1内壁61に沿って流れる第1分岐流れJ5aと、第1外壁18aに沿って流れる第2分岐流れJ5bとに分岐した流れとなる。
【0076】
第1外壁18aに向けて引き伸ばされている第1アークは、第5の金属蒸気の流れJ5(第1及び第2分岐流れJ5a,J5b)に誘導され、第1内壁61及び第1外壁18aとの接触面積が増大していく。
また、第6の金属蒸気の流れJ6も、
図13に示すように、第1アーク消弧空間45の第1ホルダー側平行リブ81の他方の端面に衝突した後に、第1内壁61に沿って流れる第1分岐流れJ6aと、第1外壁18bに沿って流れる第2分岐流れJ6bとに分岐した流れとなる。
【0077】
そして、第1外壁18aに向けて引き伸ばされている第2アークは、第6の金属蒸気の流れJ6(第1及び第2分岐流れJ6a,J6b)に誘導され、第1内壁61及び第1外壁18aの接触面積が増大していく。
このように、第1固定接点13a及び第1可動接点15aの間に発生した第1アーク、第2固定接点14a及び第2可動接点15bの間に発生した第2アークは、第5の金属蒸気の流れJ5(第1及び第2分岐流れJ5a,J5b)及び第6の金属蒸気の流れJ6(第1及び第2分岐流れJ6a,J6b)に誘導されて第1アーク消弧空間45を形成している第1内壁61及び第1外壁18bと、第1ホルダー側平行リブ81との接触面積が増大し、冷却効果が増大するので、第1アーク及び第2アークの消弧が確実に行われて消弧性能を向上させることができる。
【0078】
また、第1アーク消弧空間45において絶縁ホルダー18の底部から立ち上がる第1ホルダー側平行リブ81が配置され、これらのリブに金属蒸気を衝突させるだけで、第1アーク消弧空間45の金属蒸気の流れを第1及び第2分岐流れJ5a,J5b及び第1及び第2分岐流れJ6a,J6bとした分岐流れに変化させることができるので、簡単な構成で金属蒸気を第1アーク消弧空間45の全域に拡散することができる。
【0079】
なお、第3実施形態の電磁接触器1の第1固定接触子13に負極(−)端子を接続し、第2固定接触子14に正極(+)端子を接続すると、開極開始状態において第1固定接点13a及び第1可動接点15aの間の第1アーク、第2固定接点14a及び第2可動接点15bの間の第2アークは、第2外壁18bに向かって発生する。この場合も、第2外壁18bに向かって発生した第1アーク及び第2アークは、第2アーク消弧空間46に設けた第2ホルダー側平行リブ82により金属蒸気の流れが、第2内壁62側及び第2外壁18bに分岐した流れとなることで、この金属蒸気の流れに誘導される。このため、第1アーク及び第2アークは、第2アーク消弧空間46の内壁との接触面積が増大することで冷却効果が増大し、アークの消弧性能を向上させることができる。
【0080】
[第4実施形態]
次に、
図14から
図17は、本発明に係る第4実施形態の電磁接触器1の要部を示すものである。
図14は、第4実施形態の電磁接触器1の接点収容ケース6の内部を示すものであり、有底角筒状の絶縁ホルダー18と、絶縁ホルダー18の上部開口を閉塞する絶縁カバー50と、絶縁カバー50の上面及び絶縁基板8の下面の間に挟み込まれている弾性を有する板状の気密部材51と、を備えている。
【0081】
第4実施形態の絶縁ホルダー18には、
図15に示すように、第1〜第3実施形態のような、第1アーク消弧空間45を形成する絶縁ホルダー18の底部、或いは第2アーク消弧空間46を形成する底部に、遮蔽板などの部材が立ち上がって形成されていない。
一方、第4実施形態の絶縁カバー50は、
図16に示すように、下面から第1及び第2カバー側平行リブ85,86が突出して形成されている。
【0082】
そして、絶縁カバー50を絶縁ホルダー18の上部開口に配置すると、
図17に示すように、第1カバー側平行リブ85が第1内壁61及び第1外壁18aに沿って平行に配置されて第1アーク消弧空間45の底まで延在し、第2カバー側平行リブ86が第2内壁61及び第2外壁18bに沿って平行に配置されて第2アーク消弧空間46の底まで延在している。
【0083】
第4実施形態の電磁接触器1は、第1固定接触子13に正極(+)端子を接続し、第2固定接触子14に負極(−)端子を接続しているものとし、開極開始状態となると、
図17に示すように、可動接触子15の第1可動接点15aと第1固定接触子13の第1固定接点13aとの間に第1アーク(不図示)が発生し、可動接触子15の第2可動接点15bと第2固定接触子14の第1固定接点14aとの間に第2アーク(不図示)が発生し、これらのアークによって電流の通電状態が継続される。
【0084】
第1固定接触子13の第1固定接点13aと可動接触子15の第1可動接点15aとの間では、第1固定接点13a側から第1可動接点15a側に伸長する第1アークが、ローレンツ力F1によって第1外壁18aに向けて引き伸ばされる。
また、第2固定接触子14の第2固定接点14aと可動接触子15の第2可動接点15bとの間では、第2可動接点15b側から第2固定接点14a側に伸長する第2アークが、ローレンツ力F2によって第1外壁18aに向けて引き伸ばされる。
【0085】
第1固定接点13a,第2固定接点14a、第1可動接点15a及び第2可動接点15bが溶融して多量の金属蒸気が発生する。
第1アークの近傍で発生した金属蒸気は、
図17に示すように、絶縁ホルダー18の第1外壁18aに衝突した後、第1アーク消弧空間45の第2固定接触子14に向う流れ(第5の金属蒸気の流れJ5)となる。
【0086】
ローレンツ力F1によって第1外壁18a近傍まで引き伸ばされた第1アークは、第5の金属蒸気の流れJ5に誘導されて第1アーク消弧空間45に向けて引き伸ばされていく。
また、第2アークの近傍で発生した金属蒸気は、
図17に示すように、絶縁ホルダー18の第1外壁18aに衝突した後、第1アーク消弧空間45の第1固定接触子13に向う流れ(第6の金属蒸気の流れJ6)となる。
【0087】
ローレンツ力F2によって第1外壁18a近傍まで引き伸ばされた第2アークは、第6の金属蒸気の流れJ6に誘導されて第1アーク消弧空間45に向けて引き伸ばされていく。
第5の金属蒸気の流れJ5は、
図17に示すように、第1アーク消弧空間45に配置されている第1カバー側平行リブ85の一方の端面に衝突した後に、第1内壁61に沿って流れる第1分岐流れJ5aと、第1外壁18aに沿って流れる第2分岐流れJ5bとに分岐した流れとなる。
【0088】
第1アーク消弧空間45に向けて引き伸ばされている第1アークは、第5の金属蒸気の流れJ5(第1及び第2分岐流れJ5a,J5b)に誘導され、第1内壁61及び第1外壁18aとの接触面積が増大していく。
また、第6の金属蒸気の流れJ6も、
図17に示すように、第1アーク消弧空間45の第1ホルダー側平行リブ81の他方の端面に衝突した後に、第1内壁61に沿って流れる第1分岐流れJ6aと、第1外壁18bに沿って流れる第2分岐流れJ6aとに分岐した流れとなる。
【0089】
そして、第1アーク消弧空間45に向けて引き伸ばされている第2アークは、第6の金属蒸気の流れJ6(第1及び第2分岐流れJ6a,J6b)に誘導され、第1内壁61及び第1外壁18aの接触面積が増大していく。
このように、第1固定接点13a及び第1可動接点15aの間に発生した第1アーク、第2固定接点14a及び第2可動接点15bの間に発生した第2アークは、第5の金属蒸気の流れJ5(第1及び第2分岐流れJ5a,J5b)及び第6の金属蒸気の流れJ6(第1及び第2分岐流れJ6a,J6b)に誘導されて第1アーク消弧空間45を形成している第1内壁61及び第1外壁18bと、第1カバー側平行リブ85との接触面積が増大し、冷却効果が増大するので、第1アーク及び第2アークの消弧が確実に行われて消弧性能を向上させることができる。
【0090】
また、接点収容ケース6の内部に配置した絶縁カバー50の上面と絶縁基板8の下面の間には圧縮状態の気密部材51が配置されていることで絶縁ホルダー18の内部の密閉度が高くなるので、第1及び第2アーク消弧空間45,46で発生した金属蒸気が絶縁ホルダー18の外部に漏れるのを確実に防止し、信頼性の高い電磁接触器1を提供することができる。
【0091】
また、第1アーク消弧空間45において絶縁カバー50の下面から第1カバー側平行リブ85が絶縁ホルダー18の底部に向けて突出しており、この第1カバー側平行リブ85に接触した金属蒸気を分岐した流れに変化させることができるので、簡単な構成で金属蒸気を第1アーク消弧空間45の全域に拡散することができる。
なお、第4実施形態の絶縁カバー50は、溶融したときに水素ガスが発生する絶縁性の合成樹脂で形成したが、セラミック製の絶縁カバー50を使用すると、セラミックの第1カバー側平行リブ85はアークが接触することでアーク消弧を促進することができるので、消弧性能を向上させることができる。
【0092】
また、第3実施形態の電磁接触器1の第1固定接触子13に負極(−)端子を接続し、第2固定接触子14に正極(+)端子を接続すると、開極開始状態において第1固定接点13a及び第1可動接点15aの間の第1アーク、第2固定接点14a及び第2可動接点15bの間の第2アークは、第2外壁18bに向かって発生する。この場合も、第2アーク消弧空間46に向かって発生した第1アーク及び第2アークは、第2アーク消弧空間46に設けた第2ホルダー側平行リブ82により金属蒸気の流れが、第2内壁62側及び第2外壁18bに分岐した流れとなることで、この金属蒸気の流れに誘導される。このため、第1アーク及び第2アークは、第2アーク消弧空間46の内壁との接触面積が増大することで冷却効果が増大し、アークの消弧性能を向上させることができる。
【0093】
なお、第1から第4実施形態において、ホルダー側直交リブ63〜68,75〜80またはホルダー側平行リブ81,82の高さは、上記実施形態に限らず適宜変更することができる。同様に、第1実施形態及び第4実施形態において、ホルダー側直交リブ70〜73又はカバー側平行リブ85,86の延在長さは、上記実施形態に限らず適宜変更することができる。