特許第6972980号(P6972980)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6972980-包装容器 図000002
  • 特許6972980-包装容器 図000003
  • 特許6972980-包装容器 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972980
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20211111BHJP
   F04B 9/14 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   B65D47/34 200
   F04B9/14 B
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-230324(P2017-230324)
(22)【出願日】2017年11月30日
(65)【公開番号】特開2019-99188(P2019-99188A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2020年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】特許業務法人 小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 規行
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−085561(JP,A)
【文献】 実開平02−040031(JP,U)
【文献】 特開2009−280243(JP,A)
【文献】 実開平07−026329(JP,U)
【文献】 米国特許第05199635(US,A)
【文献】 特開2008−6413(JP,A)
【文献】 特開2017−145011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/34
F04B 9/14
B65D 47/12
B65D 5/74
B65D 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙層を含むシート材からなる容器本体と、
ネジ部の形成された円筒状の側壁部と前記側壁部から外方に延伸するフランジ部とを含み、前記側壁部を容器本体に形成された貫通孔に挿入して、前記フランジ部の平坦面が前記容器本体に固定されるスパウトと、
前記ネジ部に螺合することによって前記スパウトに固定される円筒状のキャップ部材を備える、前記容器本体に収容された内容液を汲み出すことのできるポンプディスペンサーとを備える包装容器であって、
前記キャップ部材は、前記容器本体側の端縁において、内周面と外周面とを接続し、前記内周面から前記外周面に向かって、前記容器本体側に近づきながら径が大きくなる傾斜面を有し、少なくとも前記傾斜面と前記外周面との接続部分が、前記容器本体に当接する、包装容器。
【請求項2】
前記傾斜面は一様な傾斜を有し、前記キャップ部材の中心軸と前記傾斜面の法線とがなす鋭角は1°以上である、請求項1に記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプディスペンサーにより内容液を汲み出し可能な包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙層を含むシート材からなる容器本体と、容器本体の上部に形成された貫通孔に挿入して取り付けられたスパウトと、スパウトにキャップ部材により取り付けられ、容器本体内部の内容液を汲み出すことのできるポンプディスペンサーとを含む包装容器が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、紙を基材としたシート材を用いて箱型に形成された容器本体と、容器本体の上面のスパウト(グロメット)に取り付けられたポンプディスペンサーとを備えた包装容器(液体容器)が開示されている。このような包装容器では、ポンプディスペンサーのキャップ部材の内周面に形成されたネジ部をスパウトの外周面に形成されたネジ部に螺合することにより、スパウトにポンプディスペンサーを固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−85561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような包装容器では、キャップ部材をスパウトへ螺合した状態においてキャップ部材の容器本体側の端縁が容器本体の表面に当接するように設計することで、ポンプディスペンサーと容器本体をしっかり固定することができる。しかしながら、螺合完了時のキャップ部材の位置決め精度によっては、キャップ部材が容器本体へ当接した状態からさらに回転が進行して、キャップ部材の端縁により容器本体のシート材を介してスパウトのフランジ部を押圧することで、シート材とフランジ部とをスパウト円筒状の側壁部に対して下方に変形させてしまうおそれがある。図3に、このような状態の従来技術に係る包装容器400の部分側面図(図3の(a))および点線で囲んで示した要部を拡大した断面図(図3の(b))を示す。
【0006】
図3の(b)に示すように、フランジ部283およびスパウト280周辺の容器本体200はフランジ部283の中心から端縁に向かって傾斜するように変形する。この結果、キャップ部材330の中心軸に直交する平面とほぼ平行に形成されているキャップ部材330の端縁と傾斜した容器本体200の表面との間には、キャップ部材330の外方に向かって開口する隙間500が発生する。
【0007】
このようにして発生した隙間には、例えば包装容器を浴室等の湿度の高い場所で使用した場合等に、水や洗剤が溜まってしまい、キャップ部材周辺におけるカビの発生の原因となるという問題があった。
【0008】
また、隙間に入り込んだ水や洗剤が容器本体の貫通孔に面するシート材の端面から紙層の内部に浸入することにより、シート材にシワが発生して包装容器の見栄えを悪くしたり、シート材の強度を低下させてポンプディスペンサーの自立を困難にしたりするという問題があった。
【0009】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、ポンプディスペンサーのキャップ部材と容器本体との隙間へ水や洗剤が溜まることによる、キャップ部材周辺におけるカビの発生、シート材へのシワの発生、およびシート材の強度低下を防ぐことができる包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明の一局面は、紙層を含むシート材からなる容器本体と、ネジ部の形成された円筒状の側壁部と側壁部から外方に延伸するフランジ部とを含み、側壁部を容器本体に形成された貫通孔に挿入して、フランジ部の平坦面が容器本体に固定されるスパウトと、ネジ部に螺合することによってスパウトに固定される円筒状のキャップ部材を備える、容器本体に収容された内容液を汲み出すことのできるポンプディスペンサーとを備える包装容器であって、キャップ部材は、容器本体側の端縁において、内周面と外周面とを接続し、内周面から外周面に向かって、容器本体側に近づきながら径が大きくなる傾斜面を有し、少なくとも傾斜面と外周面との接続部分が、容器本体に当接する、包装容器である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ポンプディスペンサーのキャップ部材周辺におけるカビの発生、シート材へのシワの発生、およびシート材の強度低下を防ぐことができる包装容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る包装容器の分解斜視図
図2】実施形態に係る包装容器の部分側面図および要部を拡大した断面図
図3】従来技術に係る包装容器の部分側面図および要部拡大図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係る包装容器について、図を参照して説明する。また、以下の説明では、便宜上、包装容器を正立させた状態での上下を上下方向と呼ぶ。
【0014】
<実施形態>
図1に、本発明の一実施形態に係る包装容器100の分解斜視図を示す。図1に示すように、包装容器100は、容器本体200と、容器本体200の上面210に取り付けられたスパウト280と、スパウト280に取り付けられたポンプディスペンサー300とを含む。図2に、包装容器100の部分側面図(図2の(a))および点線で囲んで示した要部を拡大した断面図(図2の(b))を示す。
【0015】
(容器本体)
容器本体200は、例えば紙層を含むシート材を所定の形状に裁断することによりブランクを形成し、このブランクの端部を重ね合わせてシールすることにより形成することができる。図1図2に示すように、容器本体200は、一例として紙を基材としたシート材を箱型に折曲げて形成された、上面210と、下面230と、対向する一対の第1の側面221と、対向する一対の第2の側面222とを備える容器である。
【0016】
上面210は、容器本体200の収容空間と外部とを連通する開口211を備える。開口211にはスパウト280が取り付けられている。
【0017】
第1の側面221及び第2の側面222の両側端のそれぞれには、三角形状に折り曲げられた状態で連接された折り曲げ片250が連接されている。また、第1の側面221及び第1の側面221の両側端に連接する折り曲げ片250の上下方向中央からは、シート材の端部をシールして形成される所定幅のサイドシール部240が延出している。
【0018】
折り曲げ片250は、第2の側面222に向かって折り曲げられ、ヒートシール、ホットメルト接着剤等により第2の側面222の表面に貼り付けられている。これによって、サイドシール部240は、第1の側面221及び第2の側面222に沿って折り曲げられる。
【0019】
容器本体200は、この形態に限定されず、例えば自立可能なフレキシブル包装袋、ブリックパック等であってもよい。
【0020】
容器本体200の形成に用いられるシート材は、例えば容器本体200の外方から内方に向かって順に、印刷層/熱可塑性樹脂層/紙基材層/接着樹脂層/バリア層/接着層/シーラント層を積層して構成することができる。
【0021】
(スパウト)
スパウト280は、ネジ部282の形成された円筒状の側壁部281と、側壁部281から外方に延伸するフランジ部283とを含む。図2の(a)に示すように、スパウト280は、側壁部281を容器本体200に形成された貫通孔211に挿入して、フランジ部283の平坦面を容器本体200の上面210に取り付けることにより固定される。フランジ部283の容器本体200への取り付け方法は、溶着等の周知の方法を用いることができる。
【0022】
(ポンプディスペンサー)
ポンプディスペンサー300は、容器本体200に充填された内容液を汲み出すための部材であり、ポンプ部310と、キャップ部材320とを含む。図1図2に示すように、ポンプディスペンサー300は、ポンプ部310の一部をスパウト280の貫通孔に挿入して、キャップ部材320に螺合をスパウト280のネジ部282に螺合することによりスパウト280に取り付けられる。
【0023】
ポンプ部310は、例えばポンプヘッド311と、ポンプヘッド311の下方に形成された円筒状のピストン312と、ピストン312を上下方向に摺動自在に内装した円筒状のシリンダ部313と、ポンプヘッド311から延出する管状の注出ノズル314とを含んで構成される。
【0024】
ポンプ部310は、ポンプヘッド311を押し下げることにより、ピストン312がシリンダ部313の内方へ向かって摺動する。ピストン312がシリンダ部313の内方へ摺動することで、シリンダ部313内部の図示しないポンプ機構により、シリンダ部313の下端からシリンダ部313の内部を通って内容液が汲み上げられる。汲み上げられた内容液は、ピストン312の内周を経由して、注出ノズル314からポンプ部310の外部へ汲み出すことができる。なお、ポンプ部310の構造は内容液を汲み出すことができるものであれば、特に限定されない。
【0025】
キャップ部材320は、ポンプディスペンサー300を容器本体200に固定するための部材である。キャップ部材320は、スパウト280のネジ部282に螺合により固定できるように内周面321にネジ部325が形成された円筒状の部材であり、例えばシリンダ部313の外周に設けることができる。
【0026】
図2の(b)に示すように、キャップ部材320は、容器本体200側の端縁において、内周面321と外周面322とを接続する傾斜面323を有する。傾斜面323は、内周面321から外周面322に向かって、容器本体200側に近づきながら、(図2の紙面下方に向かいながら)径が大きくなる。そして、少なくとも傾斜面323と外周面322との接続部分324が、容器本体200の表面(上面210)に当接している。
【0027】
このように、キャップ部材320の外周面322と容器本体200の表面との間に隙間は生じない。したがって、包装容器100によれば、キャップ部材320と容器本体200との間の隙間に水や洗剤が溜まったり、紙層の内部に浸入したりすることを防ぐことができるため、キャップ部材200周辺におけるカビの発生やシート材の強度低下を防ぐことができる。
【0028】
傾斜面323は、内周面321から外周面322に向かって容器本体200側に近づきながら径が大きくなるように形成されれば、図2の(b)に示すように一様な傾斜で形成してもよいし、内周面321から外周面322に向かって容器本体200側に近づきながら段階的に径が大きくなるように形成してもよいし、これ以外の形状であってもよく、特に限定されない。
【0029】
傾斜面323を一様な傾斜で形成した場合、キャップ部材200の中心軸と傾斜面323の法線とがなす鋭角を1°以上とすることで、キャップ部材320と容器本体200との間に外方側に開口する隙間の発生を充分効果的に抑制することができる。
【0030】
接続部分324は、容器本体200に当接することができれば、その形状は限定されない。傾斜面323と外周面322とは、例えば図2の(b)に示すように鋭角に接続していてもよいし、傾斜面323および外周面322の少なくとも一方が曲面となって他方の面に接続してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、容器本体と、内容液を汲み出すことのできるポンプディスペンサーとを含む包装容器に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0032】
100、400 包装容器
200 容器本体
210 上面
211 開口
220 側面
221 第1の側面
222 第2の側面
230 下面
240 サイドシール部
250 折り曲げ片
280 スパウト
281 側壁部
283 フランジ部
300 ポンプディスペンサー
310 ポンプ部
311 ポンプヘッド
312 ピストン
313 シリンダ
314 注出ノズル
320 キャップ部材
321 内周面
322 外周面
323 傾斜面
324 接続部分
500 隙間
図1
図2
図3