特許第6972993号(P6972993)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6972993-誘電体組成物及び電子部品 図000010
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972993
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】誘電体組成物及び電子部品
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/495 20060101AFI20211111BHJP
   H01B 3/12 20060101ALI20211111BHJP
   H01G 4/12 20060101ALI20211111BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   C04B35/495
   H01B3/12 313H
   H01B3/12 335
   H01G4/12 630
   H01G4/30 515
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-233842(P2017-233842)
(22)【出願日】2017年12月5日
(65)【公開番号】特開2019-99428(P2019-99428A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2020年7月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 哲弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智子
(72)【発明者】
【氏名】野村 涼太
【審査官】 内藤 康彰
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/163844(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/155945(WO,A1)
【文献】 特開2008−162830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/42−515
H01G 4/12−40
H01G 13/00−13/06
H01B 3/00−3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主成分と第1の副成分とを有する誘電体組成物であって、
前記主成分が化学式Ba2.00RZrαNb3.0013.00+αで表される酸化物を含み、
Rは希土類元素であり、
前記αが2.05以上2.50以下であり、
前記第1の副成分が、Vの酸化物およびCaの酸化物を必須成分として含み、
前記第1の副成分が、さらにSiの酸化物および/またはGeの酸化物を含み、
前記主成分100molに対する前記Vの酸化物の含有量をV換算でC(mol)、前記Caの酸化物の含有量をCa換算でCCa(mol)、前記Siの酸化物の含有量をSi換算でCSi(mol)、前記Geの酸化物の含有量をGe換算でCGe(mol)として
0.50≦C≦5.00
3.50≦CCa≦9.00
7.50≦CSi+CGe≦20.00
であり、
前記主成分がタングステンブロンズ型の結晶構造を有することを特徴とする誘電体組成物。
【請求項2】
前記αが2.15以上2.40であり、
1.00≦C≦2.50
4.50≦CCa≦7.00
である請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項3】
さらに、第2の副成分を含み、前記第2の副成分がWの酸化物、Moの酸化物およびEuの酸化物から選択される一種以上の酸化物を含み、
前記主成分100molに対する前記Wの酸化物の含有量をW換算でC(mol)、前記Moの酸化物の含有量をMo換算でCMo(mol)、前記Euの酸化物の含有量をEu換算でCEu(mol)として、
0.25≦C+CMo+CEu≦2.50
である請求項1または2に記載の誘電体組成物。
【請求項4】
RがLaである請求項1〜3のいずれかに記載の誘電体組成物。
【請求項5】
誘電体および電極を有する電子部品であって、
前記誘電体が請求項1〜4のいずれかに記載の誘電体組成物からなる電子部品。
【請求項6】
誘電体層と内部電極層とを交互に積層されてなる積層部分を有する積層電子部品であって、
前記誘電体層が請求項1〜4のいずれかに記載の誘電体組成物からなる積層電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体組成物、電子部品および積層電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックコンデンサは、その信頼性の高さやコストの安さから多くの電子機器に搭載されている。
【0003】
近年では、例えば、車載用の電子部品に用いられる積層セラミックコンデンサ、基板がSiC、GaN等であるパワー半導体を用いた電子回路に搭載される積層セラミックコンデンサ等の用途では、250℃程度の高温領域までの保証が求められることがあり、少なくとも250℃程度まではコンデンサとしての機能が劣化し難いという高い信頼性が必要となる。すなわち、高い高温負荷寿命を有することが重要である。
【0004】
特許文献1には、十分な誘電率を示しつつ、かつ、175℃程度の高温においても、安定した静電容量温度特性と高い抵抗率ρが得られる誘電体セラミック組成物が開示されている。当該誘電体セラミック組成物は、組成式(1−a)(K1−xNa)(Sr1−y−zBaCaNb15−a(Ba1−bCa)TiOで表されるタングステンブロンズ構造系化合物とペロブスカイト構造系化合物との混晶系を主成分として含み、かつ、上記主成分100モル部に対して0.1〜40モル部の副成分を含有することを特徴とする。
【0005】
特許文献2には、化学式(K1−xNa)SrNb15(0≦x<0.2)で表されるタングステンブロンズ型複合酸化物を主成分として含む誘電体セラミック組成物において、0.05〜20mol部の希土類元素および0.05mol〜40mol部のMn、V、Li等を副成分として含むことで、室温での抵抗率が高い誘電体セラミック組成物が得られる旨が開示してある。
【0006】
特許文献3には、チタン酸バリウムを含む主成分と、BaZrO、Mgの酸化物、 希土類元素、Alの酸化物等及びSi、Li、GeおよびBの副成分を含有する誘電体磁器組成物が開示されている。当該誘電体磁器組成物は上記の特徴を有することで、高温負荷寿命に優れ、中高圧用途に好適に用いることができる。
【0007】
しかしながら、前記特許文献1に記載された誘電体セラミック組成物は、高温負荷寿命については不十分である。また、前記特許文献2に記載された誘電体セラミック組成物は、250℃程度における高温負荷寿命については不十分である。また、前記特許文献3は、主成分がチタン酸バリウムであるため、150℃を超える温度領域で比誘電率が急激に低下し、静電容量が低下した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2008/155945号
【特許文献2】国際公開第2008/102608号
【特許文献3】特開2008−162830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、250℃の高温雰囲気下において耐電圧が高く、高い高温負荷寿命を有する誘電体組成物と、それを用いた電子部品とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明に係る誘電体組成物は、
主成分と第1の副成分とを有する誘電体組成物であって、
前記主成分が化学式Ba2.00RZrαNb3.0013.00+αで表される酸化物を含み、
Rは希土類元素であり、
前記αが2.05以上2.50以下であり、
前記第1の副成分が、Vの酸化物およびCaの酸化物を必須成分として含み、
前記第1の副成分が、さらにSiの酸化物および/またはGeの酸化物を含み、
前記主成分100molに対する前記Vの酸化物の含有量をV換算でC(mol)、前記Caの酸化物の含有量をCa換算でCCa(mol)、前記Siの酸化物の含有量をSi換算でCSi(mol)、前記Geの酸化物の含有量をGe換算でCGe(mol)として
0.50≦C≦5.00
3.50≦CCa≦9.00
7.50≦CSi+CGe≦20.00
であることを特徴とする。
【0011】
誘電体組成物が上記の特徴を有することで、250℃程度の温度領域で使用されるのに適した高い耐電圧および高い高温負荷寿命を有する誘電体組成物と、それを用いた電子部品を提供することが可能となる。
【0012】
前記αが2.15以上2.40であり、
1.00≦C≦2.50
4.50≦CCa≦7.00
であってもよい。
【0013】
さらに、第2の副成分を含んでもよく、前記第2の副成分がWの酸化物、Moの酸化物およびEuの酸化物から選択される一種以上の酸化物を含み、
前記主成分100molに対する前記Wの酸化物の含有量をW換算でC(mol)、前記Moの酸化物の含有量をMo換算でCMo(mol)、前記Euの酸化物の含有量をEu換算でCEu(mol)として、
0.25≦C+CMo+CEu≦5.00
であってもよい。
【0014】
RがLaであってもよい。
【0015】
本発明に係る電子部品は、誘電体および電極を有する電子部品であって、
前記誘電体が上記の誘電体組成物からなる。
【0016】
本発明に係る積層電子部品は、誘電体層と内部電極層とを交互に積層されてなる積層部分を有する積層電子部品であって、
前記誘電体層が上記の誘電体組成物からなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、車載用の電子部品に用いられる積層セラミックコンデンサ、基板がSiCやGaN等であるパワー半導体を用いた電子回廊に搭載される積層セラミックコンデンサ等の用途に対応した250℃の高温雰囲気下において、耐電圧が高く、高い高温負荷寿命を有する誘電体組成物と、それを用いた電子部品および積層電子部品とを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図1を用いて説明する。
【0020】
本実施形態に係る積層電子部品の一種である積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。このコンデンサ素子本体10の両端部には、コンデンサ素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。コンデンサ素子本体10の形状は任意であるが、通常、直方体状とされる。また、その寸法も任意であり、用途に応じて適当な寸法とすればよい。また、誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層されてなる部分を積層部分とする。
【0021】
内部電極層3は、各端部がコンデンサ素子本体10の対向する2端面の表面に交互に露出するように積層してある。一対の外部電極4は、コンデンサ素子本体10の両端面に形成され、交互に配置された内部電極層3の露出端に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
【0022】
誘電体層2の厚さは、特に限定されないが、一層あたり100μm以下であることが好ましく、より好ましくは30μm以下である。厚さの下限は、特に限定されないが、たとえば0.5μm程度である。
【0023】
誘電体層2の積層数は、特に限定されないが、好ましくは20以上であり、より好ましくは50以上である。
【0024】
内部電極層3に含有される導電材の種類は任意である。Ni、Ni系合金、CuまたはCu系合金が好ましい。より好ましくは、NiまたはNi系合金である。さらに好ましくは、内部電極層3の主成分をNiまたはNi系合金とし、副成分としてAl、Si、Li、CrおよびFeから選択される1種以上を含有する。なお、内部電極層3の主成分とは、内部電極層3全体に対して85wt%以上、含有する成分を指す。
【0025】
内部電極層3の主成分をNiまたはNi系合金とし、副成分としてAl、Si、Li、CrおよびFeから選択される1種以上を含有することで、内部電極層3に含まれるNiが酸化されにくくなる。そして、250℃程度の高温下で積層セラミックコンデンサ1を連続使用しても内部電極層3の酸化による連続性および導電性の劣化が起こりにくくなる
【0026】
副成分としてAl、Si、Li、CrおよびFeから選択される1種以上を含有することで、内部電極層3に含まれるNiが酸化されにくくなる理由は下記の通りである。副成分としてAl、Si、Li、CrおよびFeから選択される1種以上を含有する場合には、Niが大気中の酸素と反応しNiOになる前に、上記副成分と酸素とが反応し、内部電極3に含まれるNiの表面に上記副成分の酸化膜を形成する。これにより、外気中の酸素は前記酸化膜を通過しないとNiと反応できなくなるため、Niが酸化され難くなる。
【0027】
なお、内部電極層3には、P等の各種微量成分が0.1質量%程度以下含まれていてもよい。また、内部電極層3は、市販の電極用ペーストを使用して形成してもよい。内部電極層3の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよい。
【0028】
外部電極4に含有される導電材は任意である。本実施形態では、例えば、安価なNiまたはCu、耐熱性が高いAu、AgまたはPd、もしくはNi、Cu、Au、Agおよび/またはPdの合金を用いることができる。外部電極4の厚さは用途等に応じて適宜決定されればよいが、通常、10〜50μm程度であることが好ましい。
【0029】
次に、本実施形態に係る誘電体層2を構成する誘電体組成物について詳細に説明する。
【0030】
本実施形態に係る誘電体組成物は、
主成分と第1の副成分とを有する誘電体組成物であって、
前記主成分が化学式Ba2.00RZrαNb3.0013.00+αで表される酸化物を含み、
Rは希土類元素であり、
前記αが2.05以上2.50以下であり、
前記第1の副成分が、Vの酸化物およびCaの酸化物を必須成分として含み、
前記第1の副成分が、さらにSiの酸化物および/またはGeの酸化物を含み、
前記主成分100molに対する前記Vの酸化物の含有量をV換算でC(mol)、前記Caの酸化物の含有量をCa換算でCCa(mol)、前記Siの酸化物の含有量をSi換算でCSi(mol)、前記Geの酸化物の含有量をGe換算でCGe(mol)として
0.50≦C≦5.00
3.50≦CCa≦9.00
7.50≦CSi+CGe≦20.00
であることを特徴とする。
【0031】
Rの種類は任意であるが、RとしてLaを用いることが好ましい。RとしてLaを用いることで、(均一な焼結体粒子)が得られ易い。また、R全体に対するLaの含有量は、50mol%以上であることが好ましく、Rが実質的にLaのみからなることが最も好ましい。Rが実質的にLaのみからなるとは、R全体に対するLaの含有量が95mol%以上であることを指す。
【0032】
誘電体組成物が上記の特徴を有することで、誘電体層2の層間厚みを0.5μm〜30μmと薄くした場合でも、高い高温負荷寿命を有する積層セラミックコンデンサ1となる。さらに、主成分中にBaおよびRを含むことにより、高い比誘電率を維持しつつ、高温負荷寿命および耐電圧に優れる誘電体組成物を得ることができる。また、主成分中にNbを含むことで、タングステンブロンズ型の結晶構造が形成されやすくなり、耐電圧に優れる誘電体組成物を得ることができる。このような効果が得られる要因について以下に示す。
【0033】
本実施形態に係る誘電体組成物は、2.05≦α≦2.50とすることで、である。前記範囲とすることでバンドキャップが広くなり、250℃の耐電圧に優れる誘電体組成物を得ることができる。
【0034】
本実施形態に係る誘電体組成物では、上記主成分は、好ましくはタングステンブロンズ型の結晶構造を有する。上記主成分がタングステンブロンズ型の結晶構造を有するか否かは、誘電体組成物のX線回折(XRD)パターンにより確認できる。
【0035】
本実施形態の主成分(化学式BaLaZrαNb13+α)はタングステンブロンズ型の結晶構造を有しやすい。
【0036】
上記主成分がタングステンブロンズ型の結晶構造を有することで、高い耐電圧が得られやすくなる。この要因について、発明者等は以下のように考えている。本実施形態の主成分がタングステンブロンズ型の結晶構造を有すると、バンドギャップが広くなるため、価電子帯にある電子が伝導帯へ励起し難くなり、伝導に関わっている多数キャリアである電子のキャリア濃度を抑制することが可能となる。また、耐電圧の代表的な破壊モードである電子なだれでは、多数キャリアである伝導電子のキャリア濃度が影響していることが考えられる。主成分がタングステンブロンズ型の結晶構造を有する場合には、この多数キャリアである電子のキャリア濃度を低く抑えることが可能となるため、電子なだれによる破壊が発生し難くなったものと考えられる。さらに、バンドギャップが広くなると、高い電界強度が印加されてもある程度の広さのバンドギャップを維持することができるため、高電界でも高い耐電圧が得られやすいものと思われる。
【0037】
本実施形態に係る誘電体組成物は、第1の副成分としてVの酸化物およびCaの酸化物を必須成分として含む。さらに、Siの酸化物および/またはGeの酸化物を含む。主成分100molに対するVの酸化物の含有量をV換算でC(mol)、Caの酸化物の含有量をCa換算でC(mol)、Siの酸化物の含有量をSi換算でCSi(mol)、Geの酸化物の含有量をGe換算でCGe(mol)とする。0.50≦C≦5.00、3.50≦CCa≦9.00、7.50≦CSi+CGe≦20.00とすることで、高温負荷寿命の劣化原因と考えられる酸素欠陥の移動が抑制され、十分な高温負荷寿命が得られる。
【0038】
本実施形態に係る誘電体組成物は、主に主成分からなる主相粒子および主相粒子間に存在する粒界からなる。なお、主相粒子に占める主成分の割合は、例えば平均で90wt%以上である。また、主相粒子の粒径も任意である。例えば平均で0.5μm以上2.0μm以下としてもよい。
【0039】
本実施形態では、第1の副成分のうちVの酸化物、Siの酸化物、Geの酸化物は、主相粒子に固溶していてもよく、固溶せずに粒界に存在していてもよい。いずれの場合も良好な高温負荷寿命を得ることができる。また、第1の酸化物のうちCaの酸化物は主相粒子に固溶していない場合が多く、粒界(二粒子粒界および粒界三重点)に存在しやすい。Caの酸化物については粒界に存在することで高温での比抵抗および耐電圧に優れた積層セラミックコンデンサ1を得られる。
【0040】
なお、Siの酸化物およびGeの酸化物は、実質的にどちらか一方のみを含有していることが好ましい。例えば、CSi/(CSi+CGe)またはCGe/(CSi+CGe)が0.70以上1.00以下であることが好ましい。
【0041】
本実施形態に係る誘電体組成物は、αが2.15以上2.40であり、1.00≦C≦2.50、4.50≦CCa≦7.00であることが好ましい。α、CおよびCCaを上記の範囲内とすることで、耐電圧および比抵抗がより向上する。
【0042】
本実施形態に係る誘電体組成物は、第2の副成分として、Wの酸化物、Moの酸化物およびEuの酸化物から選択される少なくとも1種以上の酸化物を含有していてもよい。主成分100molに対し、前記Wの酸化物の含有量をW換算でC(mol)、前記Moの酸化物の含有量をMo換算でCMo(mol)、前記Euの酸化物の含有量をEu換算でCEu(mol)として、0.25≦C+CMo+CEu≦5.00であることが好ましい。第2の副成分を合計0.25mol〜5.00mol含有することで、上記範囲とすることで、高温負荷寿命の劣化原因と考えられる酸素欠陥の移動がより抑制され、より優れた高温負荷寿命が得られる。
【0043】
このように、本実施形態に係る誘電体組成物は、高温領域において良好な特性を示すため、SiCやGaN系のパワーデバイスの使用温度域(−55℃〜250℃)において好適に用いることができる。また、自動車のエンジンルームなど、過酷な環境下において、ノイズ除去用などの電子部品として好適に用いることができる。
【0044】
なお、本実施形態に係る誘電体組成物は、比誘電率、比抵抗、耐電圧または高温負荷寿命等の特性を大きく劣化させるものでなければ、微少な不純物や前記第1の副成分および第2の副成分以外の副成分を含んでいてもかまわない。例えば、Ni、Fe、Cr、Zn、Cu、Ga等が誘電体組成物に含まれてもよい。誘電体組成物全体に対する主成分の含有量は任意である。たとえば誘電体組成物全体に対して60モル%以上、97.5モル%以下であってもよい。
【0045】
また、本実施形態に係る誘電体組成物はTaおよび/またはTiを含有してもよく、主成分におけるZrの一部がTiに置換されていてもよく、Nbの一部がTaに置換されていてもよい。しかし、Taを含む場合は比誘電率が低下し易い傾向にあり、Tiを含む場合は絶縁性が低下し易い傾向があるため、TaおよびTiは実質的に含有しないことが好ましい。
【0046】
また、本実施形態に係る誘電体組成物において、主相粒子が揮発性の高いアルカリ金属を実質的に含まないことが好ましい。主相粒子がアルカリ金属を含まないことで、主成分の一部の元素がアルカリ金属に置換されて揮発することによるに格子欠陥を生じ難く、伝導電子が生成され難いため、比抵抗も高いという特徴も有している。さらに、高温、高電界下で電解還元反応が起きにくいと考えられる。このため、還元反応により生じる伝導電子の増加を抑制できるため、高い高温負荷寿命を示すものと考えられる。なお、アルカリ金属を実質的に含まないとは、例えば、主成分に含まれる全元素に対するアルカリ金属の含有量が1at%以下である場合を指す。
【0047】
次に、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の製造方法の一例を説明する。また、下記の製造方法では、RがLaである場合について説明する。
【0048】
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、従来の積層セラミックコンデンサと同様に、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を塗布して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
【0049】
まず、主成分の仮焼き粉末を準備する。主成分Ba2.00RZrαNb3.0013.00+αの出発原料として、Ba、La、Zr、Nbを主として構成される酸化物やその混合物の粉末を用いることができる。各粉末の平均粒径は、好ましくは1.0μm以下である。また、焼成により上述した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等から適宜選択し、混合して用いることもできる。各成分を所定の組成比となるように秤量した後、ボールミル等を用いて所定の時間、湿式混合を行う。得られた混合粉を乾燥後、大気中において1000℃以下の熱処理を行い、主成分であるBa2.00RZrαNb3.0013.00+αの仮焼き粉末を得る。
【0050】
副成分の仮焼き粉末を準備する。第1の副成分は、出発原料として平均粒径が2.0μm以下のVの酸化物粉末、Caの酸化物粉末、Siの酸化物粉末およびGeの酸化物粉末を用いることができる。また、第2の副成分は、出発原料として平均粒径が2.0μm以下のW、Mo、Euの酸化物やその混合物の原料粉を用いることができる。また、焼成により上述した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等から適宜選択し、混合して用いることもできる。各成分を所定の組成比となるように秤量した後、ボールミル等を用いて所定の時間、湿式混合を行う。得られた混合粉を乾燥後、大気中において700℃〜800℃にて1時間〜5時間熱処理を行い、副成分の仮焼き粉末を得る。なお、熱処理を行わずに乾燥した混合粉末を使用してもよい。
【0051】
その後、得られた主成分の仮焼き粉末と、副成分の仮焼き粉末または副成分の混合粉末とを混合・解砕し、誘電体組成物原料を得る。誘電体組成物原料の平均粒径は任意である。例えば、0.5μm〜2.0μmである。
【0052】
得られた誘電体組成物原料を塗料化して、誘電体層用ペーストを調製する。誘電体層用ペーストは、誘電体混合粉末と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
【0053】
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダの種類は任意であり、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の本技術分野において通常用いられる各種バインダから適宜選択すればよい。有機溶剤の種類も任意である。積層セラミックコンデンサを製造する方法(例えば印刷法やシート法など)に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
【0054】
また、誘電体層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダの種類は任意である。たとえば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いることができる。
【0055】
内部電極層用ペーストは、上記した各種導電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製する。
【0056】
外部電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製すればよい。
【0057】
上記した各ペースト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の含有量、例えば、バインダは1質量%〜5質量%程度、溶剤は10質量%〜50質量%程度とすれば良い。また、各ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体材料、絶縁体材料等から選択される添加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、10質量%以下とすることが好ましい。
【0058】
分散剤の種類は任意である。例えば、界面活性剤型分散剤、高分子型分散剤を用いることができる。可塑剤の種類は任意である。例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチルを用いることができる。誘電体材料の種類は任意である。例えば、BaTiO系、CaZrO系を用いることができる。絶縁体材料の種類は任意である。例えば、Al、SiOを用いることができる。
【0059】
印刷法を用いる場合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを、PET等の基板上に印刷、積層し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグリーンチップとする。
【0060】
また、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを印刷した後、これらを積層してグリーンチップとする。
【0061】
焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処理を施してもよい。脱バインダ処理条件は任意である。昇温速度を好ましくは5℃/時間〜300℃/時間、保持温度を好ましくは180℃〜500℃、温度保持時間を好ましくは0.5時間〜24時間とする。また、脱バインダ処理の雰囲気は、空気もしくは還元雰囲気とする。また、上記した脱バインダ処理において、Nガスや混合ガス等を加湿する方法は任意である。たとえばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は5℃〜75℃程度が好ましい。
【0062】
また、焼成時の保持温度は任意である。好ましくは1100℃〜1400℃である。保持温度が低すぎると、緻密化が不十分となる。保持温度が高すぎると、内部電極層の異常焼結による電極の途切れ、および、内部電極層構成材料の拡散による容量変化率の悪化が生じやすくなる。さらに、主相粒子が粗大化して、高温負荷寿命を低下させてしまうおそれがある。
【0063】
焼成時の昇温速度は任意である。好ましくは、200℃/時間〜5000℃/時間とする。焼成時の温度保持時間、および、焼成後の冷却速度は任意である。焼結後の粒度分布を0.5μm〜5.0μmの範囲内に制御するため、また、主相粒子同士の体積拡散を抑制するため、焼成時の温度保持時間を好ましくは0.5時間〜2.0時間、焼成後の冷却速度を好ましくは100℃/時間〜500℃/時間とする。
【0064】
また、焼成する雰囲気としては、加湿したNとHとの混合ガスを用い、酸素分圧10−2〜10−6Paで焼成することが好ましい。しかし、内部電極層がNiを含む場合に酸素分圧が高い状態で焼成を行うと、Niが酸化してしまい、導電性が低下してしまう場合がある。上記の通り、Niを主成分とする導電材に対し、Al、Si、Li、Cr、Feから選択された1種類以上の内部電極用副成分を含有させることで、Niの耐酸化性が向上し、酸素分圧が高い雰囲気で焼成する場合でも、内部電極層の導電性を確保することが容易となる。
【0065】
焼成後、得られたコンデンサ素子本体に対し、必要に応じてアニール処理を行う。アニール処理条件は、公知の条件とすればよい。たとえば、アニール処理時の酸素分圧を焼成時の酸素分圧よりも高い酸素分圧とし、保持温度を1000℃以下とすることが好ましい。
【0066】
また、上記の製造方法では脱バインダ処理、焼成およびアニール処理を独立して行っているが、連続して行なってもよい。
【0067】
上記のようにして得られたコンデンサ素子本体に、例えばバレル研磨やサンドブラストなどにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを塗布して焼成し、外部電極4を形成する。そして、必要に応じ、外部電極4の表面に、めっき等により被覆層を形成する。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
【実施例】
【0069】
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。
【0070】
主成分の出発原料として、平均粒径1.0μm以下のBaCO、ZrO、Nb、Laの各粉末を用意した。最終的に得られる誘電体組成物に含まれる主成分Ba2.00LaZrαNb3.0013.00+αが表1〜表3に記載されたαを満足するように、これらの原料を秤量した。その後、分散媒としてエタノールを用いてボールミルにより24時間湿式混合した。その後、得られた混合物を乾燥して混合原料粉末を得た。その後、大気中で保持温度900℃、保持時間2時間の条件で熱処理を行い、主成分の仮焼き粉末を得た。
【0071】
次に、第1の副成分の出発原料としてV、CaCO、SiO、GeOの各粉末を用意した。第2の副成分の出発原料としてWO、MoOおよびEuの各粉末を用意した。なお、第1の副成分の出発原料および第2の副成分の出発原料の平均粒径は(0.2)μm以上(2.0)μm以下とした。これらを表1〜表3の配合比となるように秤量した。その後、分散媒としてエタノールを用いてボールミルにより各副成分の出発原料を24時間湿式混合した。その後、得られた混合物を乾燥して混合粉末を得た。その後、大気中で保持温度800℃、保持時間2時間の条件で熱処理を行い、副成分の仮焼き粉末を得た。なお、熱処理によりCaCOはCaOに変化する。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
上記の方法で得られた主成分の仮焼き粉末と副成分の仮焼き粉末とを混合・解砕し、誘電体組成物原料を得た。次に誘電体組成物原料1000gに対して、トルエン+エタノール溶液(トルエン:エタノール=50:50(重量比))、可塑剤(フタル酸ジオクチル(DOP)(ジェイ・プラス製))および分散剤(マリアリムAKM−0531(日油製))を90:6:4(重量比)で混合した溶剤を700g添加した。次にバスケットミルを用いて2時間分散させ、誘電体層用ペーストを作製した。なお、全ての実施例および比較例において、誘電体層用ペーストの粘性が約200cpsになるように調整した。具体的には、トルエン+エタノール溶液を微量添加することで粘度の調整を行った。
【0076】
内部電極層の原料として、平均粒径が0.2μmのNiと0.1μm以下の(Alの酸化物)、および、平均粒径が0.1μm以下のSiの酸化物を準備し、AlおよびSiの合計がNiに対して5質量%となるように秤量し、混合した。その後、1200℃以上の加湿したNとHとの混合ガス中で熱処理し、ボールミル等を用いて解砕することで、平均粒径0.20μmの原料粉末を準備した。
【0077】
前記原料粉末100質量%、有機ビヒクル(エチルセルロース樹脂8質量部をブチルカルビトール92質量部に溶解したもの)30質量部、およびブチルカルビトール8質量部を、3本ロールにより混練、ペースト化し、内部電極層用ペーストを得た。
【0078】
そして、作製した誘電体層用ペーストをPETフィルム上に塗布してグリーンシートを形成した。この際に、乾燥後のグリーンシートの厚みが10μmとなるようにした。次いで、内部電極層用ペーストを用いて、所定パターンの内部電極層をグリーンシート上に印刷した。その後、PETフィルムからグリーンシートを剥離することで、内部電極層が所定パターンで印刷されたグリーンシートを作製した。次いで、内部電極層が所定パターンで印刷されたグリーンシートを複数枚積層し、加圧接着することによりグリーン積層体とした。さらに、グリーン積層体を所定の形状に切断することにより、グリーンチップを得た。
【0079】
次いで、得られたグリーンチップについて、脱バインダ処理、焼成およびアニール処理を行うことで積層セラミック焼成体を得た。脱バインダ処理、焼成およびアニールの条件は以下に示す通りである。また、脱バインダ処理、焼成およびアニール処理において、雰囲気ガスの加湿にはウェッターを用いた。
【0080】
(脱バインダ処理)
昇温速度:100℃/時間
保持温度:400℃
温度保持時間:8.0時間
雰囲気ガス:加湿したNとHとの混合ガス
【0081】
(焼成)
昇温速度:500℃/時間
保持温度:1200℃〜1350℃
温度保持時間:2.0時間
冷却速度:100℃/時間
雰囲気ガス:加湿したNとHとの混合ガス
酸素分圧:10−5〜10−9Pa
【0082】
(アニール処理)
保持温度:800℃〜1000℃
温度保持時間:2.0時間
昇温、降温速度:200℃/時間
雰囲気ガス:加湿したNガス
【0083】
得られた各積層セラミック焼結体の誘電体層(誘電体組成物)についてICP発光分光分析法を用いて組成分析を行い、表1に記載されている組成と実質的に同組成であることを確認した。また、X線回折測定を行い、X線回析パターンより、タングステンブロンズ型の結晶構造を有していることも確認した。
【0084】
得られた積層セラミック焼結体の端面をサンドブラストにて研磨した後、外部電極としてIn−Ga共晶合金を塗布し、図1に示す積層セラミックコンデンサと同形状の各積層セラミックコンデンサ試料を得た。得られた積層セラミックコンデンサ試料のサイズは、いずれも3.2mm×1.6mm×1.2mmであり、誘電体層の厚み7μm、内部電極層の厚み2μm、内部電極層に挟まれた誘電体層の数は50層とした。
【0085】
得られた積層セラミックコンデンサ試料について、比誘電率、比抵抗、高温負荷寿命、および耐電圧を下記に示す方法により測定した。結果を表4〜表6に示す。
【0086】
[250℃での比誘電率]
積層セラミックコンデンサに対し、250℃において、デジタルLCRメータ(YHP社製4284A)にて、周波数1kHz、入力信号レベル(測定電圧)1Vrmsの信号を入力し、静電容量を測定した。そして、比誘電率(単位なし)を、誘電体層の厚みと、有効電極面積と、測定の結果得られた静電容量とに基づき算出した。比誘電率は高いほうが好ましく、本実施例では250以上を良好であると判断した。
【0087】
[250℃での比抵抗]
積層セラミックコンデンサ試料に対し、250℃において、デジタル抵抗メータ(ADVANTEST社製R8340)にて、測定電圧350V(50V/μm)、測定時間60秒の条件で絶縁抵抗を測定した。コンデンサ試料の電極面積および誘電体層の厚みから比抵抗を算出した。比抵抗は高いほうが好ましく、本実施例では1.00×1010Ωcm以上を良好であると判断した。より好ましくは1.00×1011Ωcm以上である。
【0088】
[280℃での高温負荷寿命]
高温負荷寿命試験では、各試料番号の試料200個について、温度280℃、測定電圧350V(50V/μm)となるように直流電圧を印加して、絶縁抵抗の経時変化を測定した。絶縁抵抗が1桁劣化した試料を故障と判定し、ワイブル解析から故障率が50%となる時間を平均故障時間(MTTF)とし、平均故障時間を高温負荷寿命とした。高温負荷寿命は長い方が好ましく、本実施例では500時間以上を良好であると判断した。より好ましくは1200時間以上である。
【0089】
[250℃での交流耐電圧]
積層セラミックコンデンサ試料に対し、250℃において、昇圧速度100V/secで交流電圧を印加し、漏れ電流が10mAを超えたところを交流耐電圧とした。交流耐電圧は高いほうが好ましく、本実施例では75V/μm以上を良好とした。より好ましくは120V/μm以上である。
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】
【表6】
【0093】
αおよび第1の副成分の含有量が本願発明の範囲内である各試料は250℃での比誘電率、250℃での比抵抗、280℃での高温負荷寿命、および250℃での交流耐電圧が良好であることが確認された。
【0094】
その中でも、αが2.15以上2.40以下であり、1.00≦C≦2.50および4.50≦CCa≦7.00を満たす各試料は、特に250℃での比抵抗および250℃での交流耐電圧に優れることが確認された。
【0095】
αおよび第1の副成分の含有量が本願発明の範囲内であり、さらに、第2の副成分を主成分100molに対して0.25mol〜5.00mol含む各試料は、特に280℃での高温負荷寿命に優れることが確認された。
【0096】
(実験例2)
試料No.57について希土類元素の種類等を変化させて表7に記載の各積層セラミックコンデンサ試料を作製し、各種特性を評価した。結果を表7および表8に示す。
【0097】
【表7】
【0098】
【表8】
【0099】
表7および表8より、希土類元素の種類等を変化させても同様の傾向を示した。
【0100】
今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものであることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の誘電体組成物は、比誘電率が高く、特に高温領域における比抵抗、耐電圧および高温負荷寿命が長いため、車載用電子部品としてエンジンルームに近接する環境下で適用でき、さらに、SiCやGaN系の半導体を用いたパワーデバイス近傍に搭載される電子部品としての用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0102】
1 積層セラミックコンデンサ
2 誘電体層
3 内部電極層
4 外部電極
10 コンデンサ素子本体
図1