特許第6973022号(P6973022)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6973022放射妨害波測定装置及び放射妨害波測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973022
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】放射妨害波測定装置及び放射妨害波測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/08 20060101AFI20211111BHJP
   G01R 29/10 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   G01R29/08 D
   G01R29/10 E
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-242363(P2017-242363)
(22)【出願日】2017年12月19日
(65)【公開番号】特開2019-109137(P2019-109137A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2020年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100169694
【弁理士】
【氏名又は名称】荻野 彰広
(72)【発明者】
【氏名】緑 雅貴
(72)【発明者】
【氏名】栗原 弘
(72)【発明者】
【氏名】本谷 智宏
【審査官】 田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−235495(JP,A)
【文献】 米国特許第09542358(US,B1)
【文献】 特開平04−309871(JP,A)
【文献】 特開2005−233691(JP,A)
【文献】 特開2000−324519(JP,A)
【文献】 特開平05−223860(JP,A)
【文献】 特開2017−181104(JP,A)
【文献】 特開2005−181177(JP,A)
【文献】 特開2000−346887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 29/00−29/26、
23/00−23/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定体から放射された電磁波を受信するアンテナによって受信された前記電磁波の時間的に連続する時間領域信号を測定し、測定された前記時間領域信号に基づいて第1の時間毎の前記時間領域信号に対応する周波数領域信号を取得し、取得された前記周波数領域信号に基づく第2の時間毎の周波数領域情報を出力する測定器と、
前記被測定体と前記アンテナとの相対的位置を変更させる機構を制御し、前記測定器から出力された前記周波数領域情報を取得する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の時間が経過する毎に、前記被測定体を含む領域の表面上に設定された複数の測定点を予め決められた順に前記アンテナが通過するように前記相対的位置を前記機構に変更させ、
前記第2の時間は、前記複数の測定点のうちの隣接する2つの測定点間を前記アンテナが通過する時間である前記第1の時間よりも長い所定の時間であり、
前記第2の時間毎の前記周波数領域情報は、第1の時刻から前記第1の時刻よりも遅い第2の時刻までの前記時間領域信号の全てを少なくとも1回用いて得られるものであり、且つ、複数の前記第1の時間毎の前記周波数領域信号を用いて得られる情報であり、
前記第1の時刻が最も近い2つの異なる前記周波数領域情報のうちで、前記第1の時刻が時間的に遅い前記周波数領域情報の前記第1の時刻は、前記第1の時刻が時間的に早い前記周波数領域情報の前記第2の時刻と同じ又はそれよりも早い、
放射妨害波測定装置。
【請求項2】
前記測定器は、前記時間領域信号を測定する処理と、前記時間領域信号に基づいて前記第1の時間毎の前記時間領域信号に対応する前記周波数領域信号を取得する処理とを時間的に並列で行う、
請求項1に記載の放射妨害波測定装置。
【請求項3】
前記測定器から前記周波数領域情報を出力するタイミングと、前記制御部により前記周波数領域情報を取得するタイミングとは、同期しており、
これらのタイミングは、一定の周期のタイミングである、
請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の放射妨害波測定装置。
【請求項4】
前記制御部は、所定の測定期間において、前記被測定体と前記アンテナとの相対的位置を所定の速度で変更させ続け、
前記制御部は、前記測定器から取得されたそれぞれの前記周波数領域情報と、それぞれの前記周波数領域情報が得られたときにおける前記測定点と、を対応付けて記憶部に記憶する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の放射妨害波測定装置。
【請求項5】
測定器が、被測定体から放射された電磁波を受信するアンテナによって受信された前記電磁波の時間的に連続する時間領域信号を測定し、測定された前記時間領域信号に基づいて第1の時間毎の前記時間領域信号に対応する周波数領域信号を取得し、取得された前記周波数領域信号に基づく第2の時間毎の周波数領域情報を出力し、
制御部が、前記被測定体と前記アンテナとの相対的位置を変更させる機構を制御し、前記測定器から出力された前記周波数領域情報を取得し、
さらに、
前記制御部が、前記第1の時間が経過する毎に、前記被測定体を含む領域の表面上に設定された複数の測定点を予め決められた順に前記アンテナが通過するように前記相対的位置を前記機構に変更させ、
前記第2の時間は、前記複数の測定点のうちの隣接する2つの測定点間を前記アンテナが通過する時間である前記第1の時間よりも長い所定の時間であり、
前記第2の時間毎の前記周波数領域情報は、第1の時刻から前記第1の時刻よりも遅い第2の時刻までの前記時間領域信号の全てを少なくとも1回用いて得られるものであり、且つ、複数の前記第1の時間毎の前記周波数領域信号を用いて得られる情報であり、
前記第1の時刻が最も近い2つの異なる前記周波数領域情報のうちで、前記第1の時刻が時間的に遅い前記周波数領域情報の前記第1の時刻は、前記第1の時刻が時間的に早い前記周波数領域情報の前記第2の時刻と同じ又はそれよりも早い、
放射妨害波測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射妨害波測定装置及び放射妨害波測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器等から放射される放射妨害波を測定する放射妨害波試験では、放射妨害波の電界強度が最大となる位置において一定時間放射妨害波の電界強度を測定し、測定された電界強度が規格の許容値以下であるか否かを確認することが行われる(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−330636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、スペクトラムアナライザが、所定の分解能の帯域幅で放射妨害波を測定することが可能な周波数を所定時間(サンプリング時間)毎に掃引しながら、周波数スペクトラムを測定する。このため、従来の技術では、スペクトラムアナライザによってある周波数の放射妨害波を測定している最中に、当該周波数以外の周波数で放射妨害波が発生した場合、その放射妨害波を捕捉することが困難である。このため、スペクトラムアナライザによる測定で得られた電界強度では、放射妨害波の最大電界強度を正確に検出することが困難な場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、測定対象となる周波数において放射妨害波の最大電界強度を正確に検出することができる放射妨害波測定装置及び放射妨害波測定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、被測定体から放射された電磁波を受信するアンテナによって受信された前記電磁波の時間的に連続する時間領域信号を測定し、測定された前記時間領域信号に基づいて第1の時間毎の前記時間領域信号に対応する周波数領域信号を取得し、取得された前記周波数領域信号に基づく第2の時間毎の周波数領域情報を出力する測定器と、前記被測定体と前記アンテナとの相対的位置を変更させる機構を制御し、前記測定器から出力された前記周波数領域情報を取得する制御部と、を備え、前記第2の時間毎の前記周波数領域情報は、第1の時刻から前記第1の時刻よりも遅い第2の時刻までの前記時間領域信号の全てを少なくとも1回用いて得られるものであり、前記第1の時刻が最も近い2つの異なる前記周波数領域情報のうちで、前記第1の時刻が時間的に遅い前記周波数領域情報の前記第1の時刻は、前記第1の時刻が時間的に早い前記周波数領域情報の前記第2の時刻と同じ又はそれよりも早い、放射妨害波測定装置である。
【0007】
本発明の一態様の放射妨害波測定装置において、前記測定器は、前記時間領域信号を測定する処理と、前記時間領域信号に基づいて前記第1の時間毎の前記時間領域信号に対応する前記周波数領域信号を取得する処理とを時間的に並列で行う。
【0008】
本発明の一態様の放射妨害波測定装置において、前記測定器から前記周波数領域情報を出力するタイミングと、前記制御部により前記周波数領域情報を取得するタイミングとは、同期しており、これらのタイミングは、一定の周期のタイミングである。
【0009】
本発明の一態様の放射妨害波測定装置において、前記制御部は、所定の測定期間において、前記被測定体と前記アンテナとの相対的位置を所定の速度で変更させ続け、前記制御部は、前記測定器から取得されたそれぞれの前記周波数領域情報と、それぞれの前記周波数領域情報が得られたときにおける前記被測定体と前記アンテナとの相対的位置の代表点と、を対応付けて記憶部に記憶する。
【0010】
本発明の一態様の放射妨害波測定装置において、前記第2の時間毎の前記周波数領域情報は、前記第1の時間毎の前記周波数領域情報、または、前記第1の時間よりも長い所定の時間毎の前記周波数領域情報であり、前記第2の時間毎の前記周波数領域情報が前記第1の時間よりも長い前記所定の時間毎の前記周波数領域情報である場合、前記第2の時間毎の前記周波数領域情報は複数の前記第1の時間毎の前記周波数領域情報を用いて得られる情報である。
【0011】
本発明の一態様は、測定器が、被測定体から放射された電磁波を受信するアンテナによって受信された前記電磁波の時間的に連続する時間領域信号を測定し、測定された前記時間領域信号に基づいて第1の時間毎の前記時間領域信号に対応する周波数領域信号を取得し、取得された前記周波数領域信号に基づく第2の時間毎の周波数領域情報を出力し、制御部が、前記被測定体と前記アンテナとの相対的位置を変更させる機構を制御し、前記測定器から出力された前記周波数領域情報を取得し、さらに、前記第2の時間毎の前記周波数領域情報は、第1の時刻から前記第1の時刻よりも遅い第2の時刻までの前記時間領域信号の全てを少なくとも1回用いて得られるものであり、前記第1の時刻が最も近い2つの異なる前記周波数領域情報のうちで、前記第1の時刻が時間的に遅い前記周波数領域情報の前記第1の時刻は、前記第1の時刻が時間的に早い前記周波数領域情報の前記第2の時刻と同じ又はそれよりも早い、放射妨害波測定方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、測定対象となる周波数において放射妨害波の最大電界強度を正確に検出することができる放射妨害波測定装置及び放射妨害波測定方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態の放射妨害波測定システムの一例を示す図である。
図2】第1実施形態のアンテナ移動機構、回転機構及びアンテナ回転機構の駆動例を示す図である。
図3】第1実施形態の制御装置の構成の一例を示す図である。
図4】第1実施形態の時間領域信号及び周波数領域信号の処理タイミングの一例を示す図である。
図5】本実施形態の放射妨害波測定システムの動作の一例を示す流れ図である。
図6】第2実施形態の制御装置が周波数領域信号を取得するタイミングの一例を示す図である。
図7】第2実施形態の制御装置が周波数領域信号を取得するタイミングの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための好適な形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の放射妨害波測定システム1の一例を示す図である。放射妨害波測定システム1は、制御装置10と、アンテナ移動機構21と、回転機構22と、アンテナ回転機構23と、アンテナ30と、測定器40とを備える。放射妨害波測定システム1は、例えば、電波暗室の内部に配置される。電波暗室は、金属床面と、電波吸収体が貼り付けられた壁面とを有する。金属床面は、グランドプレーンである。放射妨害波測定システム1は、放射妨害波測定装置の一例である。
【0016】
放射妨害波測定システム1は、例えば、EMC規格や、シスプル(CISPR)16−2−3規格に従って、被測定体50から放射される放射妨害波を測定する。具体的には、放射妨害波測定システム1は、EMC規格や、シスプル16−2−3規格に従って、回転機構22によって15度ずつ回転される被測定体50の放射妨害波を測定する。ここで、アンテナ移動機構21及び回転機構22は、アンテナ30と被測定体50との相対的位置を変更させる機構の一例である。なお、被測定体50が回転される角度は、15度以外の角度毎であってもよい。
【0017】
アンテナ移動機構21は、アンテナマストMに取り付けられ、アンテナ30を支持する。アンテナマストMは、アンテナマストMが設置される面に対して垂直方向に配置される支柱である。アンテナマストMが設置される面は、例えば、床面Fである。アンテナ移動機構21は、制御装置10により行われる制御に基づいて、アンテナマストMに沿ってアンテナ30を移動させる。すなわち、アンテナ30は、アンテナ移動機構21の駆動によって、床面Fに対して垂直方向に移動する。なお、本実施形態では、アンテナ移動機構21がアンテナ30を移動させる垂直方向の範囲は、アンテナマストMの垂直方向の長さと略同じである。本実施形態では、床面Fが平面であるとし、当該床面Fに対して垂直な方向が重力の方向及び重力の反対方向(上下の方向)に一致する場合を例とする。なお、アンテナマストMが設置される面と、アンテナ30の移動方向との位置関係として、他の位置関係が用いられてもよい。
【0018】
回転機構22は、制御装置10により行われる制御に基づいて、当該回転機構22の上に配置される物体を回転させる。回転機構22は、例えば、回転テーブルである。本実施形態では、回転機構22の上には、台(以下、台Bという。)が配置される。そして、台Bの上に、測定器40により測定を行う対象(測定対象)となる装置(被測定体50という。)が配置される。回転機構22は、制御装置10により行われる制御に基づいて、床面Fと直交する方向(垂直方向)の回転軸AXの周りに台B及び被測定体50を回転させる。回転機構22は、回転機構22の回転軸AXとアンテナマストMとが平行(又は略平行)となるように配置されることが好ましく、本実施形態では、そのような配置となっている。
【0019】
アンテナ回転機構23とアンテナ30とは接続されており、アンテナ回転機構23は、制御装置10により行われる制御に基づいて、アンテナ30を回転させ、アンテナ30の設置方向を90度ずつ変化させる。アンテナ30の設置方向によって、アンテナ30により受信可能な偏波が変化する。アンテナ回転機構23は、例えば、モータを備える。
【0020】
なお、被測定体50は、台Bを介さずに、回転機構22の上に配置される構成であってもよい。また、被測定体50としては、任意のものが用いられてもよく、例えば、コンピュータや携帯機器などのIT機器が用いられてもよい。
【0021】
アンテナ30は、被測定体50が放射する電磁波を受信する。アンテナ30は、被測定体50が放射する電磁波(例えば、水平偏波)を受信する。測定器40とアンテナ30とは情報を送受信することが可能に接続されており、測定器40は、アンテナ30が受信した電磁波の電界強度を、被測定体50が放射する電磁波の電界強度として測定する。放射妨害波測定システム1は、測定器40による水平偏波の測定が完了した後、アンテナ回転機構23によってアンテナ30を90度回転させる。これにより、アンテナ30は、アンテナ回転機構23によって設定方向が変更されたことで、被測定体50が放射する電磁波の異なる偏波(例えば、垂直偏波)を受信する。
【0022】
なお、アンテナ30は、電磁波の水平偏波と垂直偏波とを同時に測定することが可能なアンテナであってもよい。この場合、放射妨害波測定システム1は、アンテナ回転機構23を備えなくてもよい。また、放射妨害波測定システム1は、電磁波の水平偏波を測定することが可能なアンテナと、当該電磁波の垂直偏波を測定することが可能なアンテナとの2つのアンテナを備える構成であってもよく、この場合、例えば、これら2つのアンテナによる受信結果に基づく情報を総和する。
【0023】
測定器40は、アンテナ30により受信される電磁波の電界強度を、時間軸(時間領域)の信号(以下、時間領域信号Stという。)として測定する装置である。また、測定器40は、取得した時間領域信号Stに基づいて、周波数軸(周波数領域)の信号(以下、周波数領域信号Sfという。)を取得する。測定器40は、例えば、時間領域信号Stを高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)などの変換処理により周波数領域信号Sfに変換する。測定器40は、例えば、リアルタイムスペクトラムアナライザであり、時間領域信号Stの測定と周波数領域信号Sfへの高速フーリエ変換とを並列に行うことが可能である。測定器40は、被測定体50が放射する電磁波の測定を開始してから終了するまでの間、時間的に連続して時間領域信号Stを測定する。
【0024】
<各機構の概要>
図2は、第1実施形態のアンテナ移動機構21、回転機構22及びアンテナ回転機構23の駆動例を示す図である。回転機構22は、放射妨害波の測定の間、制御装置10により行われる制御に基づいて、一定の速度で被測定体50を所定の回転方向に常時回転させる。アンテナ30は、例えば、被測定体50から放射される電磁波であって、回転機構22の回転軸AXから当該回転軸AXに対して垂直方向に所定の距離(図2に図示される距離r)だけ離れた位置の電磁波を測定する。距離rは、例えば、回転機構22の回転軸AXからアンテナ30までの距離である。ここで、被測定体50は、回転機構22の回転軸AXが当該被測定体50を通る位置又は当該回転軸AXに近接する位置に配置される。したがって、距離rは、被測定体50からアンテナ30までの距離と同じ(又は略同じ)である。この場合、測定器40によって測定された測定結果は、回転軸AXを中心とする半径の長さが距離rの円を底面とし、アンテナマストMの垂直方向の長さと略同じ高さを有する円柱の側面上に存在する領域の測定結果となる。つまり、測定器40によって測定された測定結果は、このような円柱の側面上における電磁波が測定された結果となる。図2には、このような円柱の側面上における点(代表点MPともいう。)を示してある。
【0025】
放射妨害波の測定においては、まず、アンテナ移動機構21は、アンテナ30をアンテナマストMの下辺において停止させる。アンテナマストMの下辺において、アンテナ30は、例えば、床面Fから1[m]などの位置に配置される。また、アンテナ移動機構21は、回転機構22によって被測定体50が1周回転される毎に、アンテナ30を床面Fから離れる方向(上方)に所定の高さだけ移動させて停止させる。所定の高さは、例えば、測定器40が測定する電磁波の最大周波数の波長(つまり、最短波長λ)の半波長以下の長さであることが好ましい。このようなアンテナ30の移動を繰り返し、アンテナ移動機構21は、アンテナ30がアンテナマストMの上辺に位置する高さまで来たら、1周回転された後に、アンテナ30の移動を終了させる。アンテナマストMの上辺とは、例えば、床面Fから4[m]などの位置である。
【0026】
このように、アンテナ移動機構21は、被測定体50が1周回転される毎に、アンテナマストMの下端の位置から上端の位置まで、所定の高さずつアンテナ30を上昇させる。他の動作の例として、アンテナ移動機構21は、アンテナマストMの上端から下端まで、所定の高さずつアンテナ30を下降させてもよい。
【0027】
測定器40は、被測定体50がアンテナ回転機構23によって所定の角度だけ回転される間に測定した時間領域信号Stの部分に基づいて、その部分に対応した周波数領域信号Sfを取得する。本実施形態では、所定の角度は15度である。測定器40は、所定の時間間隔毎に、当該周波数領域信号Sfに基づく情報を制御装置10に出力する。本実施形態では、この所定の時間間隔は、アンテナ回転機構23によって被測定体50が15度回転されるまでの時間である。
【0028】
<制御装置10の構成>
図3は、第1実施形態の制御装置10の構成の一例を示す図である。図3に示される通り、制御装置10は、主制御部100と、入力装置110と、出力装置120と、通信部130と、記憶部140と、内部バス150とを備える。制御装置10が備える各部(主制御部100、入力装置110、出力装置120、通信部130及び記憶部140)は、内部バス150によって情報の送受信が可能に接続される。
【0029】
入力装置110は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド等である。入力装置110には、放射妨害波測定システム1のユーザにより行われる操作によって、各種情報が入力される。入力装置110には、例えば、被測定体50が放射する電磁波の測定に係る各種設定の内容が入力される。各種設定の内容は、例えば、アンテナ移動機構21の移動速度や移動方向を示す情報及び回転機構22の回転速度や回転方向を示す情報などであってもよい。各種設定は、例えば、初期設定であってもよく、あるいは、変更の設定であってもよい。
【0030】
出力装置120は、例えば、液晶ディスプレイパネル、あるいは、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネルを含む表示装置である。出力装置120は、被測定体50が放射する電磁波の測定結果などを示す情報を出力する。また、出力装置120は、例えば、各種の情報を収集する収集装置とネットワークを介して接続されていて、当該収集装置に対して被測定体50が放射する電磁波の測定結果などを示す情報を出力してもよい。
【0031】
制御装置10と、アンテナ移動機構21、回転機構22、アンテナ回転機構23及び測定器40とは、通信部130を介して通信する。制御装置10は、入力装置110に入力された情報であって、アンテナ移動機構21がアンテナ30を移動させる際に必要な情報を、通信部130を介してアンテナ移動機構21に出力する。アンテナ移動機構21がアンテナ30を移動させる際に必要な情報は、例えば、アンテナ30の移動速度やアンテナ30の移動開始タイミングに関する情報である。また、制御装置10は、入力装置110に入力された情報であって、回転機構22が被測定体50を回転させる際に必要な情報を、通信部130を介して回転機構22に出力する。回転機構22が被測定体50を回転させる際に必要な情報は、例えば、被測定体50の回転速度や被測定体50の回転開始タイミングに関する情報である。また、制御装置10は、入力装置110に入力された情報であって、アンテナ回転機構23がアンテナ30の設置方向を変化させる際に必要な情報を、通信部130を介してアンテナ回転機構23に出力する。
【0032】
主制御部100は、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部140に記憶されるプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、駆動制御部101と、電界強度分析部102とをその機能部として実現する。これらの構成要素のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。記憶部140は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SD(Secure Digital)カード、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等によって実現される。記憶部140には、測定情報141が記憶される。本実施形態では、測定情報141として、代表点MPを表す情報と、その代表点MPに対応した周波数領域信号Sfに基づく情報とが対応付けられた情報が用いられる。
【0033】
駆動制御部101は、入力装置110から入力された各種情報に基づいて、アンテナ移動機構21、回転機構22及びアンテナ回転機構23の動作を制御する。なお、駆動制御部101は、入力装置110に入力された情報に基づいて、アンテナ移動機構21、回転機構22及びアンテナ回転機構23を制御する構成に代えて、記憶部140に記憶される情報に基づいてアンテナ移動機構21、回転機構22及びアンテナ回転機構23を制御する構成であってもよい。本実施形態では、駆動制御部101は、記憶部140に記憶された初期設定を示す情報に基づいて、アンテナ移動機構21、回転機構22及びアンテナ回転機構23を制御する。
【0034】
電界強度分析部102は、測定器40から取得された周波数領域信号Sfに基づく情報を用いて、被測定体50が放射する電磁波の電界強度の分析を行う。電界強度分析部102は、例えば、取得された周波数領域信号Sfに基づく情報を用いて、周波数領域信号Sfが最も電界強度が強い(大きい)値を示した箇所を特定する。本実施形態では、当該箇所は、代表点MPを用いて特定されてもよい。出力装置120は、電界強度分析部102が特定した代表点MPを表示する。他の例として、電界強度分析部102は、周波数領域信号Sfが所定のしきい値よりも電界強度が強い(大きい)値を示した箇所を特定してもよい。
【0035】
<時間領域信号St及び周波数領域信号Sfの処理タイミングについて>
図4は、第1実施形態の時間領域信号St及び周波数領域信号Sfの処理タイミングの一例を示す図である。図4に示される一例において、時刻t1は、測定器40が測定を開始した時刻である。また、位置P1は、回転軸AXを中心とする半径の長さが距離rの円の円周上の位置であって、測定器40が測定を開始したタイミングにおいてアンテナ30と最も近い位置(本実施形態では、アンテナ30と一致した位置)である。以降の説明において、被測定体50が、時刻t1における角度から(15×n)度だけ回転させられた時刻を、時刻t(n+1)と記載する。また、時刻t(n+1)において、回転軸AXを中心とする半径の長さが距離rの円の円周上の位置であって、アンテナ30と最も近い位置(本実施形態では、アンテナ30と一致した位置)を、位置P(n+1)と記載する。ここで、nは、自然数である。
【0036】
上述したように、測定器40は、時間領域信号Stを時間的に連続して測定する。また、測定器40は、被測定体50がアンテナ回転機構23によって15度だけ回転される間に測定された部分の時間領域信号Stに基づいて、その部分に対応する周波数領域信号Sfを取得する。以降の説明において、時間領域信号Stのうち、周波数領域信号Sfを取得する部分(対象の区間)をFFT対象区間と記載する。本実施形態では、FFT対象区間と、被測定体50がアンテナ回転機構23によって15度だけ回転させられる区間とが、合致する。このため、図4に示されるように、本実施形態では、隣接する2個のFFT対象区間は、時間的に連続である。時間的に連続な時間領域信号Stは、FFT対象区間毎に分割され、分割されたそれぞれの全てが周波数領域信号Sfに変換される。以降の説明において、複数の連続して並ぶFFT対象区間を、FFT対象区間Z1、FFT対象区間Z2、…、FFT対象区間Zmと記載する。mは、自然数である。また、測定器40が、それぞれのFFT対象区間Z1、FFT対象区間Z2、…、FFT対象区間ZmをFFT(高速フーリエ変換)により変換して取得された周波数領域信号Sfを、周波数領域信号Sf1、周波数領域信号Sf2、…、周波数領域信号Sfmと記載する。
【0037】
図4に示される通り、測定器40は、時間領域信号Stを測定する処理と、周波数領域信号Sfを取得する処理とを並列して行う。ここで、測定器40が、周波数領域信号Sfを取得する処理に要する時間は、FFT対象区間Zよりも短い時間である。測定器40は、周波数領域信号Sfを示す周波数領域信号情報(以下、周波数領域信号情報SfIという。)を制御装置10に出力する。ここで、測定器40が周波数領域信号情報SfIを制御装置10に出力する処理が行われるタイミングと、制御装置10が測定器40から周波数領域信号情報SfIを取得する処理が行われるタイミングとは、同期しており、本実施形態では一致(または、略一致)する。このタイミングは、一定の周期のタイミングである。図4に示される例では、この周期は、FFT対象区間Zの周期と一致する。
【0038】
制御装置10は、測定器40から取得した周波数領域信号情報SfIと、周波数領域信号情報SfIに対応した周波数領域信号Sfの元データである時間領域信号Stが取得されたタイミングにおける位置P(n)又は位置P(n+1)と、を測定情報141として対応付ける。この場合、代表点MPは、位置P又は位置P(n+1)である。他の例として、制御装置10は、周波数領域信号情報SfIと、位置P(n)と位置P(n+1)との中間の位置などの点(この場合の代表点MP)と、を測定情報141として対応付けてもよい。なお、本実施形態では、FFT対象区間Z1の時間領域信号Stの部分は、位置P1から位置P2までの測定結果が反映されたものであり、FFT対象区間Z2以降についても同様である。また、周波数領域信号Sfに基づく周波数領域信号情報SfIは、本実施形態では、周波数領域信号Sfそのものを示す情報であるが、他の例として、周波数領域信号Sfが加工された情報であってもよい。
【0039】
<放射妨害波測定システム1の動作>
図5は、第1実施形態の放射妨害波測定システム1の動作の一例を示す流れ図である。駆動制御部101は、記憶部140からアンテナ移動機構21及び回転機構22の初期設定の情報を読み出し、読み出した初期設定の情報に基づいてアンテナ移動機構21及び回転機構22を動作させるための設定を行う(ステップS110)。次に、回転機構22は、駆動制御部101の制御に基づいて、被測定体50の回転を開始させる(ステップS120)。次に、測定器40は、被測定体50が放射する電磁波の測定処理を開始する(ステップS130)。この測定処理には、時間的に連続した時間領域信号Stを測定する処理と、FFT対象区間Zの周波数領域信号Sfを取得する処理と、取得された周波数領域信号Sfに基づく周波数領域信号情報SfIを所定時間間隔毎に制御装置10に出力する処理とが含まれる。
【0040】
本実施形態では、初期には、アンテナ30は、アンテナマストMの下端に配置される。駆動制御部101は、同じ高さにおいて被測定体50が1周するまでの間の測定が完了していないあいだは(ステップS140;NO)、アンテナ移動機構21を動作させずアンテナ30の高さを変化させない。一方、駆動制御部101は、同じ高さにおいて被測定体50が1周するまでの間の測定が行われた場合には(ステップS140;YES)、駆動制御部101を動作させるか否かを判定する(ステップS150)。すなわち、アンテナ30の位置がアンテナマストMの上端ではない場合(ステップS150;NO)、駆動制御部101は、アンテナ移動機構21を動作させ、アンテナ30を所定の高さだけ上昇させる(ステップS160)。制御装置10は、ステップS160の処理の後、処理をステップS140に進める。
【0041】
一方、アンテナ30の位置がアンテナマストMの上端である場合には(ステップS150;YES)、駆動制御部101は、アンテナ回転機構23の動作を終了させる(ステップS170)。次に、例えば制御装置10の制御に基づいて、測定器40は、測定処理を終了する(ステップS180)。次に、電界強度分析部102は、測定器40から取得された周波数領域信号情報SfIに基づいて、被測定体50が放射する電磁波の電界強度の分析を行う(ステップS190)。電界強度分析部102は、例えば、取得された周波数領域信号情報SfIに基づいて、当該周波数領域信号情報SfIに対応する周波数領域信号Sfが最も電界強度が強い値を示した箇所を特定し、当該箇所に対応する代表点MPを特定する。出力装置120は、電界強度分析部102により分析された結果に関する情報を出力する(ステップS200)。
【0042】
[第1実施形態のまとめ]
以上説明したように、本実施形態の放射妨害波測定システム1は、被測定体50から放射された電磁波を受信するアンテナ30によって受信された電磁波の時間的に連続する時間領域信号Stを測定し、測定された時間領域信号Stに基づいて第1の時間(本実施形態では、FFT対象区間Z)毎の時間領域信号Stに対応する周波数領域信号Sfを取得し、取得された周波数領域信号Sfに基づく第2の時間(本実施形態では、FFT対象区間Z)毎の周波数領域情報を出力する測定器40と、被測定体50とアンテナ30との相対的位置を変更させる機構(本実施形態では、アンテナ移動機構21及び回転機構22)を制御し、測定器40から出力された周波数領域信号情報SfIを取得する制御装置10と、を備える。本実施形態の放射妨害波測定システム1において、第2の時間毎の周波数領域信号情報SfIは、第1の時刻(本実施形態では、時刻t(n))から第1の時刻よりも遅い第2の時刻(本実施形態では、時刻t(n+1))までの時間領域信号Stの全てを用いて得られる。また、本実施形態の放射妨害波測定システム1において、隣接するFFT対象区間Zの周波数領域信号情報SfIのうちで、FFT対象区間Zの時刻が時間的に遅い周波数領域信号情報SfIの始まりの時刻は、FFT対象区間Zの時刻が時間的に早い周波数領域信号情報SfIのFFT対象区間Zの終わりの時刻と同じである。
【0043】
これにより、本実施形態の放射妨害波測定システム1は、測定器40によって被測定体50が放射する電磁波の周波数領域信号Sfを時間的に連続して測定することが可能であり、測定器40が測定することが可能な周波数の電磁波を、いずれの時間においても測定することができる。したがって、本実施形態の放射妨害波測定システム1は、測定対象となる周波数において放射妨害波の最大電界強度を正確に検出することができる。
【0044】
また、本実施形態の放射妨害波測定システム1において、測定器40は、時間領域信号Stを測定する処理と、時間領域信号Stに基づいてFFT対象区間Z毎の時間領域信号Stに対応する周波数領域信号Sfを取得する処理とを時間的に並列で行う。これにより、本実施形態の放射妨害波測定システム1は、測定器40によって被測定体50が放射する電磁波の周波数領域信号Sfを取得する時間を短縮することができる。
【0045】
また、本実施形態の放射妨害波測定システム1において、制御装置10は、所定の測定期間において、被測定体50とアンテナ30との相対的位置を所定の速度で変更させ続ける。本実施形態では、所定の速度によってアンテナ回転機構23が被測定体50を回転させ続ける。制御装置10は、測定器40から取得されたそれぞれの周波数領域信号情報SfIと、それぞれの周波数領域信号情報SfIが得られたときにおける被測定体50とアンテナ30の相対的位置の代表点MPと、を対応付けて記憶部140に記憶する。これにより、ユーザは、簡便に代表点MPの周波数領域信号Sfを参照することができる。
【0046】
[第2実施形態]
以下、図を参照して本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、FFT対象区間Zと、被測定体50がアンテナ回転機構23によって15度だけ回転されるまでの区間とが、合致する場合について説明した。第2実施形態では、FFT対象区間Zと、被測定体50がアンテナ回転機構23によって15度だけ回転されるまでの区間とが、異なる場合について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
<FFT対象区間Zが長い場合について>
図6は、第2実施形態の制御装置10が周波数領域信号Sfを取得するタイミングの一例を示す図である。図6に示される通り、本例では、FFT対象区間Zは、被測定体50がアンテナ回転機構23によって15度だけ回転されるまでの区間よりも長い。この場合、FFT対象区間Zmの終わりの時刻と、FFT対象区間Zm+1の始まりの時刻とでは、FFT対象区間Zm+1の始まりの時刻の方が、速い時刻である。
【0048】
<FFT対象区間Zが短い場合について>
図7は、第2実施形態の制御装置10が周波数領域信号Sfを取得するタイミングの他の例を示す図である。図7に示される通り、本例では、FFT対象区間Zは、被測定体50がアンテナ回転機構23によって15度だけ回転されるまでの区間よりも短い。上述したように、測定器40が周波数領域信号情報SfIを制御装置10に出力する処理が行われるタイミングと、制御装置10が測定器40から周波数領域信号情報SfIを取得する処理が行われるタイミングとは、同期する。
本例では、測定器40は、周波数領域信号情報SfIを制御装置10に出力する処理が行われる周期的なタイミング(本例では、一定周期のタイミング)毎に、前回のタイミングから今回のタイミングまでに取得された周波数領域信号Sfを統計的な処理(例えば、最大値、最小値、あるいは平均値を演算して結合の結果とする処理)を施すことにより結合する。そして、測定器40は、結合された周波数領域信号Sfに基づく周波数領域信号情報SfIを取得して、当該周波数領域信号情報SfIを今回のタイミングに制御装置10に出力する。これにより、制御装置10に出力される周波数領域信号情報SfIは、時間的に連続した時間領域信号Stの全てを反映したものとなる。
ここで、結合された周波数領域信号Sfに基づく周波数領域信号情報SfIは、本実施形態では、当該結合された周波数領域信号Sfそのものを示す情報であるが、他の例として、当該結合された周波数領域信号Sfが加工された情報であってもよい。
【0049】
[第2実施形態のまとめ]
以上説明したように、本実施形態の放射妨害波測定システム1おいて、FFT対象区間Z毎の周波数領域信号情報SfIは、第1の時刻(本実施形態では、時刻t(n))から第1の時刻よりも遅い第2の時刻(本実施形態では、時刻t(n+1))までの時間領域信号Stの全てを用いて得られる。また、本実施形態の放射妨害波測定システム1において、隣接するFFT対象区間Zの周波数領域信号情報SfIのうちで、FFT対象区間Zの時刻が時間的に遅い周波数領域信号情報SfIの始まりの時刻は、FFT対象区間Zの時刻が時間的に早い周波数領域信号情報SfIのFFT対象区間Zの終わりの時刻より早い(図6の例)。ここで、周波数領域信号Sfを取得するための時間領域信号Stがより長くなった場合、当該周波数領域信号Sfに基づいて得られる情報の精度がより高くなる場合があると考えられる。本実施形態の放射妨害波測定システム1は、隣接する位置の間(例えば、位置P1と位置P2との間など)の区間よりも長い区間の時間領域信号Stに基づいて周波数領域信号Sfを取得することにより、より精度高く周波数領域信号Sfを取得することが可能である。
【0050】
また、本実施形態の放射妨害波測定システム1おいて、FFT対象区間Z毎の周波数領域信号情報SfIは、複数の周波数領域信号Sfに基づいて(本実施形態では、2つの周波数領域信号Sfを結合し)生成される(図7の例)。これにより、本実施形態の放射妨害波測定システム1において、FFT対象区間Z毎の周波数領域信号情報SfIは、第1の時刻(本実施形態では、時刻t(n))から第1の時刻よりも遅い第2の時刻(本実施形態では、時刻t(n+1))までの時間領域信号Stの全てを用いて得られる。また、本実施形態の放射妨害波測定システム1において、隣接するFFT対象区間Zの周波数領域信号情報SfIのうちで、FFT対象区間Zの時刻が時間的に遅い周波数領域信号情報SfIの始まりの時刻は、FFT対象区間Zの時刻が時間的に早い周波数領域信号情報SfIのFFT対象区間Zの終わりの時刻と同じである。
【0051】
これにより、本実施形態の放射妨害波測定システム1は、FFT対象区間Zが、制御装置10が測定器40から周波数領域信号情報SfIを取得する処理が行われるタイミングより短いタイミングであっても、被測定体50が放射する電磁波の周波数領域信号Sfを時間的に連続して測定することが可能であり、測定器40が測定することが可能な周波数の電磁波を、いずれの時間においても測定することができる。したがって、本実施形態の放射妨害波測定システム1は、測定対象となる周波数において放射妨害波の最大電界強度を正確に検出することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1…放射妨害波測定システム、10…制御装置、21…アンテナ移動機構、22…回転機構、30…アンテナ、40…測定器、50…被測定体、100…主制御部、101…駆動制御部、102…電界強度分析部、110…入力装置、120…出力装置、130…通信部、140…記憶部、141…測定情報、150…内部バス、500…放射源、501…バイコニカルアンテナ、502…信号発生器、AX…回転軸、d…所定距離、M…アンテナマスト、P…位置、MP…代表点、Sf、Sfa、Sfb、Sfc、Sfd…周波数領域信号、St、Sta、Stb、Stc、Std…時間領域信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7