(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本技術を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、説明は以下の順序で行う。
1.両面粘着テープ1
(1)粘着層11
(2)熱発泡剤13
(3)導電発熱層12
(4)被着体
2.電子機器101
(1)内部電源102
(2)被着体103
(3)両面粘着テープ104
(4)駆動回路105
(5)切り替え部106
(6)両面粘着テープの評価
3.解体構造
4.接着構造
(1)第一の接着体201及び第二の接着体202
(2)接着層203
(3)治具204
【0015】
1.両面粘着テープ1
図1は、本技術に係る両面粘着テープ1(以下、「粘着テープ1」ともいう)の概念を模式的に示す模式概念図である。本技術に係る両面粘着テープ1は、一対の被着体同士を接着するために用いられ、加熱により発熱することにより前記被着体から剥離するものであり、一対の粘着層11と、一対の粘着層11の間に設けられる導電発熱層12を少なくとも備える。以下、各層について詳細に説明する。
【0016】
(1)粘着層11
本技術に係る粘着テープ1は、例えば電子機器に内蔵されるバッテリ等の内部電源や、当該内部電源が収納される筐体などの被着体に接着される一対の粘着層11を備える。
本技術に係る粘着テープ1は、一対の被着体の間に配され、一方の被着体に接着される第一の粘着層11aと、他方の被着体に接着される第二の粘着層11bと、を備える。
【0017】
各粘着層11a,11bの成形には、通常両面粘着テープを製造する上で用いられる公
知の材料を用いることができ、例えば、アルキル(メタ)アクリレートを主成分とするようなアクリル系粘着剤などが挙げられる。本技術に係る粘着テープ1では、加熱により剥離させると言う観点から、熱可塑系の粘着剤を用いることが好ましい。
【0018】
各粘着層11a,11bの厚さは特に限定されず、本技術に係る粘着テープ1により接
着される被着体の配置環境に応じて適宜選定することができるが、被着体に対する本技術に係る粘着テープ1の剥離に要する時間を短くするため、その下限値は、好ましくは30μm以上であり、更に好ましくは100μm以上である。上限値は、好ましくは500μm以下であり、更に好ましくは300μm以下である。
【0019】
(2)熱発泡剤13
また、本技術に係る両面粘着テープ1では、前記粘着層11が熱発泡剤13を含有する。加熱によりこの熱発泡剤13が発泡することにより、前記粘着テープ1が被着体から剥離することができるようになっている。この際、発泡した熱発泡剤13は断熱材としても機能し、粘着層11から被着体へ熱が伝播することを防止している。
本技術に係る粘着テープ1において、熱発泡剤13は一対の粘着層11の少なくとも一方に含有されることが好ましい。
図1に示す粘着テープ1では、各粘着層11a,11b
に対して熱発泡剤13が含有された例が示されている。この熱発泡剤13を一対の粘着層11a,11bの何れか一方に含有させる場合には、積極的に剥離させたい被着体に接着
される粘着層11に含有させることが好ましい。
【0020】
前記熱発泡剤13としては、特に限定されず、例えば公知の熱発泡剤を適宜選択して用いることができ、例えば、マイクロカプセル化された発泡剤や、種々の無機系発泡剤や有機系発泡剤が挙げられる。マイクロカプセル化された発泡剤の例としては、ポリ塩化ビニルやポリビニリデン等からなる殻内に、液化炭化水素などが充填され、前記液化炭化水素が加熱により容易にガス化して膨脹するようなものが挙げられる。また、無機系発泡剤の代表例としては、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、有機系発泡剤の代表例としては、ジクロロモノフルオロメタン等の塩フッ化アルカン;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物等が挙げられる。本技術に係る粘着テープ1では、膨張した熱発泡剤13により、当該粘着テープ1により接着される被着体に対して熱が伝播することを防止することから、前記熱発泡剤13としては、マイクロカプセル化された発泡剤が好ましい。
【0021】
前記熱発泡剤13の発泡開始温度は、本技術に係る粘着テープ1により接合される被着体の製品信頼性保証条件以上の温度(以下、「保証温度」という)よりも高く設定されていることが好ましい。
加えて、前記熱発泡剤13の発泡開始温度は、被着体の製品信頼性保証条件を確保しつつも、発泡した熱発泡剤13が断熱材として機能する必要があることから、前記被着体の保証温度に対して余裕度を確保しながら極力低い温度に設定することが好ましい。
より具体的には、前記被着体の保証温度よりも10〜50℃の範囲で高く設定することが好ましく、より好ましくは10〜30℃の範囲で高く設定する。その数値範囲の中でも、被着体の保証温度を85℃とした場合、熱発泡剤13の発泡開始温度は100℃に設定することが好ましい。
【0022】
(3)導電発熱層12
本技術に係る粘着テープ1は、前記一対の粘着層11の間に導電発熱層12を備える。本技術に係る粘着テープ1では、前記導電発熱層12を加熱し、発熱させることにより、前記粘着層11に熱が伝播して前記熱発泡剤13が発泡する。その結果、粘着層11と被着体との界面が容易に剥離される。
【0023】
図1に示すように、本技術に係る粘着テープ1において、前記導電発熱層12の長手方向(
図1の紙面上左右方向)の長さは、前記各粘着層11a,11bの長手方向の長さよりも大きく設定されている。
すなわち、前記導電発熱層12の長手方向両端面は、各粘着層11a,11bの長手方向両端面よりも突出し、長手方向と垂直な方向に面する導電発熱層12の表裏面は外部雰囲気に露出された構成となっている。
尚、
図1に示す粘着テープ1では、前記導電発熱層12の端面が各粘着層11a,11bの端面よりも突出した構成となっているが、本技術に係る粘着テープ1の構成はこれに限定されず、例えば、
図2に示すように、導電発熱層12の長手方向長さが第二の粘着層11bの長手方向長さと同一に設定され、当該導電発熱層12の両端面が前記粘着層11bの両端面と同一平面上に配される一方、第一の粘着層11aの端面から突出した構成としても差し支えない。
【0024】
前記導電発熱層12としては、特に限定されないが、例えば、金属フィルム、内部に導電部材12aを含む樹脂フィルム等が挙げられる。前記導電部材12aとしては、電熱線、金属箔、カーボンナノチューブ、カーボン粉末や金属粉末等が挙げられる。前記金属箔や金属粉末を構成する金属としては、導電性が良好であることから、アルミ、銅等が好ましい。また、上記電熱線としては、ニクロム線(ニッケルクロム系合金の金属線)、鉄クロム系合金の金属線等の電気抵抗の大きい金属線等が好ましい。
【0025】
また、前記導電発熱層12を加熱する方法としては、特に限定されないが、口クリップやコンタクトピン等の治具を用いて直接通電して発熱させる方法や高周波による電磁誘導を利用した方法等が挙げられる。ここで、本技術に係る粘着テープ1を電子機器に利用する場合には、当該電子機器の内部電源から直接前記導電発熱層12へと電気エネルギーを供給し、当該導電発熱層12を加熱する方法等も挙げられる。
【0026】
このような導電発熱層12の発熱温度は、前記熱発泡剤13の発泡開始温度と同一又は高く設定することが好ましい。ここで、本技術に係る粘着テープ1では導電発熱層12の熱が粘着層11に伝播することにより当該粘着層11内に含有された熱発泡剤13を発泡させる必要がある。
このため、前記熱発泡剤13を確実に発泡させるためには、導電発熱層12の発熱温度が前記熱発泡剤13の発泡開始温度よりも10〜50℃の範囲で高く設定することが好ましく、より好ましくは10〜30℃の範囲で高く設定する。
なお、導電発熱層12の発熱温度が上記範囲よりも高い温度に設定されると、導電発熱層12を発熱させた際、粘着テープ1全体の温度が被着体の保証温度を越えてしまい、前記被着体の品質劣化を招くおそれがあるため好ましくない。なお、導電発熱層12の厚さは特に限定されず、本技術に係る粘着テープ1により接着される被着体の配置環境に応じて適宜選定することができる。
【0027】
(4)被着体
本技術に係る被着体としては、本技術に係る粘着テープ1のような両面粘着テープにより接着されるものであれば特に限定されない。一対の被着体の組み合わせとしては、パソコンや携帯電話等の電子機器における、バッテリ等の内部電源と当該内部電源に接触する電子機器の筐体や基板との組み合わせや光学素子とレンズやプリズム,液晶画面と筐体,筐体や液晶画面とバックライト,筐体や基板とフレキシブル配線板,基板または筐体とフィルムアンテナなど、コストや環境面配慮で再利用する価値が高い部品・デバイスの締結部などが考えられる。
【0028】
以上のような本技術に係る粘着テープ1は一対の被着体同士を接着するために使用される。
そして、接着された被着体を剥離して再利用する場合や、接着された被着体を剥離して修理する場合、前記粘着層11の端面から突出した導電発熱層12を加熱することにより、当該導電発熱層12を発熱させる。これにより、斯かる導電発熱層12の熱が粘着層11に伝播し、粘着層11に含有された熱発泡剤13が発泡することとなる。その結果、粘着層11と被着体との界面が互いに離間又は被着体に対する各粘着層11の接触面積を狭小化させることできる。それ故、被着体への熱の伝播が抑制されて被着体の温度上昇を停止させることができ、もって被着体の品質劣化を防ぐことができる。
【0029】
また、本技術に係る粘着テープ1では、導電発熱層12の発熱温度が前記熱発泡剤13の発泡開始温度と同一又は高く設定されており、且つ、前記熱発泡剤13の発泡開始温度が被着体の保証温度よりも高く設定されている。このため、当該導電発熱層12を加熱することにより、粘着層11に含有される熱発泡剤13を確実に発泡させることができ、もって前記粘着層11と被着体との界面が互いに離間又は被着体に対する各粘着層11の接触面積を狭小化させることができる。
【0030】
その一方で、前記熱発泡剤13の発泡開始温度が被着体の保証温度よりも高く設定されているものの、前記導電発熱層12の発熱により粘着層11に熱が伝播することで前記熱発泡剤13が発泡する。これにより、被着体の温度が保証温度以上となる前に、発泡した熱発泡剤13が断熱材として機能する。その結果、被着体の温度上昇を停止させることができ、もって被着体の品質劣化を防ぐことができる。
【0031】
また、本技術に係る粘着テープ1において、
図2に示す形態とすると、例えば前記被着体が金属からなる部品である場合、コンタクトピン等の治具を用いて前記導電発熱層12に直接通電して発熱させる際、当該導電発熱層12と前記金属部品としての被着体とが接着してショートしてしまうことを防ぐことができる。
【0032】
2.電子機器101
次に、本技術を適用した電子機器について、
図3及び
図4を用いて説明する。
図3及び4に示される電子機器101は、当該電子機器101を駆動させるための内部電源102と、当該内部電源102が接着される被着体103と、前記内部電源102と被着体103とを接着する両面粘着テープ104と、を少なくとも備える。また、必要に応じて、本技術に係る電子機器101は、当該電子機器101の駆動回路105と、前記内部電源102の電気エネルギーを駆動回路105又は両面粘着テープ104に供給するための切り替え部106と、前記被着体103に内部電源102が収容された状態で、当該内部電源102を覆う被覆体と、を備えていてもよい。尚、駆動回路105及び切り替え部106については
図8を用いて後述する。
【0033】
本技術を適用可能な電子機器101としては、特に限定されず、公知のものが挙げられ、例えばノート型パソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、コードレスフォン子機、ビデオムービー、デジタルスチルカメラ、電子書籍、電子辞書、音楽プレイヤー、ラジオ、ヘッドホン、ゲーム機、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、電動工具、電気シェーバー、冷蔵庫、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、照明機器、玩具、医療機器、ロボット、ロードコンディショナー、信号機等が挙げられる。
【0034】
(1)内部電源102
本技術に係る電子機器101が備える内部電源102は、当該電子機器101を駆動源となるバッテリである。バッテリの種類は特に限定されず、例えば、乾電池等の一次電池や、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンポリマー二次電池等の二次電池等が挙げられる。
【0035】
(2)被着体103
本技術に係る電子機器101が備える被着体103は、前記両面粘着テープ104を介して前記内部電源102と接着されるものであり、例えば、前記内部電源102が嵌ると共に前記電子機器101の骨格となる筐体や、前記内部電源102に当接される基板などが挙げられる。
【0036】
(3)両面粘着テープ104
本技術に係る電子機器101が備える両面粘着テープ104は、前記内部電源102に接着される第一の粘着層111aと、前記被着体103に接着される第二の粘着層111bと、第一の粘着層111aと第二の粘着層111bに挟持される導電発熱層112と、を備える。
【0037】
前記第一の粘着層111a及び第二の粘着層111bの基本的な構成は、本技術に係る粘着テープ1が備える粘着層11と同一の構成であるため、ここではその説明を割愛する。
その一方で、本技術に係る電子機器101では、第一の粘着層111a及び第二の粘着層111bの少なくとも一方に熱発泡剤113が含有されていればよく、内部電源102の品質劣化の防止等を考慮すると、前記熱発泡剤113は内部電源102に接着する第一の粘着層111aに含有されていることが好ましい。
また、前記熱発泡剤113の発泡開始温度は、前記内部電源102の保証温度よりも高く設定されていることが好ましい。加えて、前記熱発泡剤113の発泡開始温度は、内部電源102の製品信頼性保証条件を確保しつつも、発泡した熱発泡剤113が断熱剤として機能する必要があることから、前記内部電源102の保証温度に対して余裕度を確保しながら極力低い温度に設定することが好ましい。
【0038】
また、前記導電発熱層112の基本的な構成は、本技術に係る粘着テープ1が備える導電発熱層12の構成と同一であるため、ここではその説明を割愛する。
更に、前記導電発熱層112は導電部材112aを含んでいてもよい。この導電部材112aは前記導電発熱層12に含まれる導電部材12aと同一であるため、ここではその説明を割愛する。
その一方で、導電発熱層112の発熱温度は、前記熱発泡剤113の発泡開始温度と同一又は高く設定することが好ましい。
【0039】
このような本技術に係る両面粘着テープ104は、
図3に示すように、内部電源102と被着体103との間に配され、前記第一の粘着層111aは前記内部電源102に、前記第二の粘着層111bは被着体103に接着されるように用いられる。この時、前記導電発熱層112の両端面は、各粘着層111a,111bの両端面から突出した状態とな
っており、長手方向と垂直な方向に面する導電発熱層112の表面は前記内部電源102に、裏面は前記被着体103に対面するようになっている。
【0040】
一方、本技術に係る電子機器101が備える両面粘着テープ104は、
図4に示すように、前記導電発熱層112の長手方向長さが第一の粘着層111aの長手方向長さと同一に設定され、当該導電発熱層112の両端面が第一の粘着層111aの両端面と同一平面上に配される一方、第二の粘着層111bの端面から突出した構成としても差し支えない。
この形態においては、第一の粘着層111aが前記被着体103と対面する内部電源102の内側面102a、当該内部電源102の両側面102bの一部、前記被覆体と対面する内部電源102の外側面102cに接着されるようにすることが好ましい。
かかる場合、前記導電発熱層112の長手方向長さが第一の粘着層111aの長手方向長さと同一に設定されていることから、前記導電発熱層112は、前記内部電源102の内側面102a、両側面102b及び外側面102cを覆うようにして屈曲し、内部電源102の外側面102c側にて露出するようになる。
【0041】
次に、以上のように構成された両面粘着テープ104を電子機器101に適用する際の配置例について、
図5〜7を用いて説明する。
図5に示すように、前記両面粘着テープ104は、前記内部電源102の長手方向に沿って二つ接着させ、且つ、互いに平行に配置することができる。
また
図6に示すように、前記内部電源102の長手方向と垂直な方向に二つ接着させ、且つ、互いに平行に配置することもできる。
更に
図7に示すように、内部電源102の長手方向に対して傾斜させて前記両面粘着テープ104を接着させることも可能である。ここで、
図7に示す両面粘着テープ104は、
図4に示す形態であり、導電発熱層112が内部電源102の外側面102c側に露出している。
【0042】
(4)駆動回路105
図8に示すように、本技術に係る電子機器101は、当該電子機器101を駆動させるための駆動回路105を備えていてもよい。かかる駆動回路105は、電子機器101に搭載される通常の駆動回路であって、その構成は公知のものを採用することができる。
【0043】
(5)切り替え部106
図8に示すように、本技術に係る電子機器101は、内部電源102に蓄積されている電気エネルギーの供給先を切り替える切り替え部106を備えていてもよい。この切り替え部106では、電子機器101を駆動させる際、前記内部電源102の電気エネルギーが前記駆動回路105に供給するように構成されている(矢線A及びB)。その一方、前記内部電源102を被着体103から剥離させる際には、前記内部電源102の電気エネルギーが前記両面粘着テープ104の導電発熱層112に供給されるように構成されている(矢線C及びD)。
【0044】
この切り替え部106の構成は、特に限定されず、回路基盤において電気エネルギーの供給先を切り替える際に用いられる公知のものを適用することができる。例えば、スライドスイッチ、プッシュスイッチ等メカニカルスイッチが挙げられる。
また、切り替え部106を構成する基板パターン部にショートランドを設置し、電子機器101の駆動時は前記駆動回路105側ショートランドをはんだでショートさせて電気エネルギーを供給する一方、内部電源102を剥離する際には前記駆動回路105側のショートランドはんだを除去し、前記導電発熱層112側へのショートランドへはんだ付けを行う構成も挙げられる。
更に、電子機器101の駆動時用の端子やコネクターと、内部電源102の剥離時用の端子やコネクターと、を設け、内部電源102からのフレキシブル配線板又はハーネスの接続先を変更する構成なども挙げられる。
【0045】
(6)両面粘着テープの評価
本技術の発明者は、一対の粘着層及び一対の粘着層の間に導電発熱層を有する両面粘着テープを備えた電子機器を製造し、前記導電粘着層を加熱することにより、前記両面粘着テープが被着体から剥離するか否かについての評価を行った。
更に、導電粘着層の熱が粘着層を介して被着体に伝播されるか否かについて評価を行った。
前記両面粘着テープとしては、前記熱発泡剤として、その発泡開始温度が100℃であるものを用い、且つ、この熱発泡剤を各粘着層に含有させたものを製造した。
また、前記電子機器の内部電源としてバッテリを、前記被着体として銅製基板を用いた。更に、前記バッテリの保証温度を85℃と設定した。
そして、前記バッテリと粘着層との界面、及び前記粘着層と導電発熱層との界面に熱電対を設け、加熱時間の経過に応じた各界面における温度変化を測定した。
【0046】
測定結果を
図10に示す。
図10において、縦軸は温度を示し、横軸は通電加熱時間(秒)を示す。また、
図10中の一点鎖線は熱発泡剤の発泡開始温度を示し、二点鎖線はバッテリの保証温度を示す。更に、四角のプロットが前記バッテリと粘着層との界面における温度を示し、丸のプロットは前記粘着層と導電発熱層との界面における温度を示す。
この
図10に示すように、前記導電発熱層を加熱し、前記粘着層と導電発熱層との界面の温度が熱発泡剤の発泡開始温度100℃よりも高温になったとしても、前記バッテリと粘着層との界面の温度はバッテリの保証温度85℃よりも低い温度を示した。
すなわち、本技術に係る両面粘着テープでは、前記バッテリの温度が熱発泡剤の発泡開始温度を下回る温度状態において、当該バッテリを銅製基板から剥離することができる点が確認された。
また、粘着層に含有される熱発泡剤が断熱剤として機能し、導電発熱層から粘着層へと伝播した熱がバッテリに伝播されていないことが確認された。
【0047】
以上のような本技術に係る電子機器101によれば、前記内部電源102を被着体103から剥離させる場合、前記粘着層111の端面から突出した導電発熱層112を加熱することにより、当該導電発熱層112が発熱することとなる。これにより、導電発熱層112の熱が粘着層111に伝播し、粘着層111に含有された熱発泡剤113が発泡することとなる。
このため、粘着層111と内部電源102との界面が離間又は内部電源102に対する各粘着層111の接触面積を狭小化させることできる。また、前記熱発泡剤113が発泡することで、前記導電発熱層112の熱が内部電源102に伝播することを防ぐことができる。
その結果、前記内部電源102を被着体103から剥離する際、当該内部電源102の温度上昇を停止させることができ、もって内部電源102の品質劣化を防ぐことができる。
【0048】
また、本技術に係る電子機器101によれば、前記切り替え部106を備えることにより、当該電子機器101の外部からの電気エネルギーを供給する必要がなく、その分電子機器101を簡易な構成とすることができる。
【0049】
尚、
図3や
図4に示す両面粘着テープ104では、前記粘着層111が前記導電発熱層112の一面に対して一つ設けられている形態となっているが、前記導電発熱層112に対する粘着層111の数は特に限定されず、複数設けることができる。例えば、
図9に示すように、導電発熱層112の一面に対して粘着層111を二つ設けるように構成しても差し支えない。
【0050】
3.解体構造
本技術は、接着された一対の被着体同士を解体するための構造をも提供する。この解体構造は、両面粘着テープと、前記両面粘着テープを介して接着される一対の被着体と、を備えている。
また、前記両面粘着テープは、一対の粘着層と、一対の粘着層の間に設けられる導電発熱層と、を備えており、一対の粘着層のうち少なくとも一方は、熱発泡剤を含み、前記導電発熱層の端面は、少なくとも一方の粘着層の端面よりも突出している。
そして、本技術に係る解体構造では、前記導電発熱層の端面を加熱することにより、前記熱発泡剤を含む粘着層を発泡膨張させ、一対の被着体を解体させることができる。
【0051】
本技術に係る解体構造が備える両面粘着テープの構成は、前述した両面粘着テープ1の構成と同一であるため、ここではその説明を割愛する。
また、本技術に係る解体構造が備える被着体は、前述した両面粘着テープ1が用いられる被着体と同一であるため、ここではその説明を割愛する。
【0052】
4.接着構造
従来、第一の接着体と第二の接着体とが接着された接着構造において、第一の接着体又は第二の接着体を剥離する際には、恒温槽やドライヤーを用いて、前記接着構造全体を加熱する手段が採用されている。
近年、再生資源の再利用の要求が高まる傾向にあり、接着体としてのバッテリ等の内部電源や画像表示面を構成するカバーガラスなどを備える電子機器等において、製造されたバッテリやカバーガラス等を分解して構成材料毎に回収している。
しかし、従来の加熱手段では、第一の接着体及び/又は第二の接着体に対して加熱による損傷を与え、第一の接着体及び/又は第二の接着体を再利用することができないといった課題があった。
【0053】
本技術は、第一の接着体及び/又は第二の接着体に対して損傷を与えることなく、第一の接着体及び/又は第二の接着体を剥離することができるものであり、第一の接着体と第二の接着体を接着する接着層を有する構造をも提供する。
以下、この接着構造について、
図11〜
図16を用いて説明する。当該接着構造は、第一の接着体201と、当該第一の接着体に接着される第二の接着体202と、第一の接着体201と第二の接着体202を接着する接着層203と、を少なくとも備える。この接着構造は、必要に応じて、前記接着層203を第一の接着体201又は第二の接着体202から剥離させるための治具204を備えていてもよい。
【0054】
(1)第一の接着体201及び第二の接着体202
本技術に係る第一の接着体201及び第二の接着体202としては、特に限定されず、公知の接着体を用いることができる。第一の接着体201及び第二の接着体202の組み合わせとしては、携帯電話等を骨格となる筐体と当該筐体に積層され、前記携帯電話の画像表示面を形成するカバーガラスとの組み合わせや、筐体と筐体の貼り合わせ,液晶表示画面と筐体やバックライトの貼り合わせ,基板と筐体の貼り合わせ、また、携帯電話以外の大型電気機器における筐体と筐体の貼り合わせ,筐体と各種デバイスや基板の貼り合わせなどが挙げられる。
【0055】
(2)接着層203
本技術に係る接着構造は、前記第一の接着体201と第二の接着体202とを接着させるための接着層203を備える。この接着層203を成形するための接着剤としては特に限定されず、公知の接着剤を用いることができる。また、この接着層203の全部又は一部は、自己解体性接着層205として形成されており、この自己解体性接着層205は前記第一の接着体201又は第二の接着体202の少なくとも一方に接している。
図11に示す形態では、前記接着層203の全部が自己解体性接着層205として形成され、且つ、当該接着層が第一の接着体201と第二の接着体202との間に配されている例を示している。
【0056】
ここで、自己解体性接着層205とは、自ら前記第一の接着体201及び/又は第二の接着体202から剥離する接着層をいい、例えば、熱発泡剤206を含む接着層等が挙げられる。前記熱発泡剤206としては、特に限定されず、例えば公知の熱発泡剤を適宜選択して用いることができ、例えば、マイクロカプセル化された発泡剤や、種々の無機系発泡剤や有機系発泡剤が挙げられる。マイクロカプセル化された発泡剤の例としては、ポリ塩化ビニルやポリビニリデン等からなる殻内に、液化炭化水素などが充填され、前記液化炭素水素が加熱により容易にガス化して膨脹するようなものが挙げられる。また、無機系発泡剤の代表例としては、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、有機系発泡剤の代表例としては、ジクロロモノフルオロメタン等の塩フッ化アルカン;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物等が挙げられる。
【0057】
また、前記熱発泡剤206の発泡開始温度は、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202の製品信頼性保証条件以上の温度(以下、「保証温度」という)よりも高く設定されていることが好ましい。
加えて、前記熱発泡剤13の発泡開始温度は、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202の製品信頼性保証条件を確保しつつも、当該熱発泡剤206が断熱剤として機能させる必要があることから、前記被着体の保証温度に対して余裕度を確保しながら極力低い温度に設定することが好ましい。
より具体的には、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202の保証温度よりも10〜50℃の範囲で高く設定されていることが好ましく、より好ましくは10〜30℃の範囲で高く設定する。
【0058】
(3)治具204
本技術に係る接着構造では、前記自己解体性接着層205を加熱することにより、当該自己解体性接着層205に含有された熱発泡剤206が発泡し、接着層203が自ら第一の接着体201及び/又は第二の接着体202から剥離するようになっている。
前記自己解体性接着層205を加熱する方法としては、特に限定されず、治具を用いて直接通電して発熱させる方法や高周波による電磁誘導を利用した方法等が挙げられる。
【0059】
本技術に係る接着構造は、前記自己解体性接着層205を加熱するための治具204を備えていてもよい。この治具204は、対象物に対して熱を加える治具であれば特に限定されず、公知の治具を用いることができる。本技術に係る治具204としては、前記自己解体性接着層205に挿入される加熱部と、当該加熱部に電気エネルギーを供給するための内部電源と、を少なくとも備えるものが挙げられる。
【0060】
前記加熱部は、例えば、細い棒状又は針状の金属材から形成されており、前記内部電源から電気エネルギーが供給される構成となっている。そして、前記加熱部は、前記内部電源から供給される電気エネルギーにより発熱する。このような加熱部を形成する金属部材としては、熱伝導率が高い材料を用いることが好ましく、例えば、銅、真鍮、アルミニウム等が挙げられる。更に、前記加熱部を加熱するための構造としては、当該加熱部に対してニクロム線等の通電発熱物を巻き付ける構造や、ガスにより燃焼させる構造等が挙げられる。
【0061】
また、細い棒状又は針状に形成された加熱部の先端部は、自己解体性接着層205を加熱することができる構成であればよく、例えば自己解体性接着層205の表面のみを加熱する場合には、先端部が平面状に形成された構成であってもよい。あるいは、先端部を自己解体性接着層205に差し込んで加熱する場合には尖頭状に形成されていることが好ましい。
ここで、前記自己解体性接着層205に含有される熱発泡剤206を確実に発泡させるためには、前記先端部を尖頭状とし、自己解体性接着層205の内部に加熱部を差し込むことが好ましい。
【0062】
以上のように構成された本技術に係る接着構造によれば、自己解体性接着層205を加熱することにより、当該自己解体性接着層205に含有された熱発泡剤206が発泡し、接着層203が自ら第一の接着体201及び/又は第二の接着体202から剥離するようになっている。このため、従来のように、接着構造全体を加熱する必要がなく、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202に対して損傷を与えることなく、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202を剥離することができる。その結果、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202を再利用することができる。
【0063】
ここで、
図11に示す形態に係る接着構造では、前記接着層203の全体が自己解体性接着層205として形成されているが、当該接着層203の構成はこれに限定されない。
すなわち、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202に対して接着層203を自ら剥離させる契機を与えることができればよく、前述の如く、前記接着層203の一部を前記自己解体性接着層205とすることができる。
かかる場合には、自己解体性接着層205以外の接着剤として硬度が高いものを用いることにより接着層203全体の強度を向上させるができる。また、自己解体性接着層205以外の接着剤を公知の接着剤とすることにより、接着層203全体を安価に製造することができる。
【0064】
次に、本技術に係る接着構造の第二の実施形態について、
図12を用いて説明する。この第二の実施形態に係る接着構造は、第一の接着体201の構造が第一の実施形態に係る第一の接着体と異なる。一方で、他の構成については共通するため、ここでは他の構成に関する説明は割愛する。
すなわち、この第二の実施形態に係る接着構造では、前記治具204が挿入される治具挿入孔207が第一の接着体201に形成されている。前記治具挿入孔207は全部が自己解体性接着層205である接着層203に向けて開口されている。
【0065】
この第二の実施形態に係る接着構造によれば、前記治具挿入孔207に治具204を挿入し、当該治具204を用いて接着層203(自己解体性接着層205)を加熱することができる。その結果、該自己解体性接着層205に含有された熱発泡剤206が発泡し、接着層203が自ら第一の接着体201及び/又は第二の接着体202から剥離するようになっている。このため、従来のように、接着構造全体を加熱する必要がなく、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202に対して損傷を与えることなく、剥離することができる。その結果、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202を再利用することができる。
また、携帯電話等の電子機器内の接着構造として本技術を適用する場合、
図11に示すように、自己解体性接着層205を接着構造の左右から加熱することが困難となり得る。かかる場合には、前記治具挿入孔207を設けることにより、前記自己解体性接着層205を加熱することができる。
【0066】
尚、
図12に示す接着構造では、第一の接着体201に対して前記治具挿入孔207が形成されているが、当該治具挿入孔207は第一の接着体201又は第二の接着体202の少なくとも一方に形成されていれば差し支えない。また、
図12に示す接着構造では、第一の接着体201に対して治具挿入孔207が一つ形成されているが、当該治具挿入孔207の数は限定されず、接着体201,202に対して複数形成されていてもよい。
更に、
図12に示す接着構造では、前記接着層203全体が自己解体性接着層205として形成されているが、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202に対して接着層203を自ら剥離させる契機を与えることができればよく、
図13に示すように、前記治具挿入孔207と連続する接着層203の一部を前記自己解体性接着層205として形成しても差し支えない。
【0067】
次に、本技術に係る接着構造の第三実施形態について、
図14を用いて説明する。この第三の実施形態に係る接着構造では、接着層203の配置が
図11に示す第一の実施形態に係る接着層の配置と異なる。一方で、他の構成については共通するため、ここでは他の構成に関する説明は割愛する。
すなわち、この第三の実施形態に係る接着構造では、第一の接着体201の両端面と第二の接着体202の両端面に対して接着層203が設けられ、第一の接着体201と第二の接着体202とが所謂ポッティング接着されている。
そして、各接着層203は全部が自己解体性接着層205として形成されている。
【0068】
このような第三の実施形態に係る接着構造によれば、自己解体性接着層205を加熱することにより、当該自己解体性接着層205に含有された熱発泡剤206が発泡し、接着層203が自ら第一の接着体201及び/又は第二の接着体202から剥離するようになっている。このため、従来のように、接着構造全体を加熱する必要がなく、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202に対して損傷を与えることなく、剥離することができる。その結果、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202を再利用することができる。
【0069】
ここで、
図14に示す接着構造では、前記接着層203の全体が自己解体性接着層205として形成されているが、当該接着層203の構成はこれに限定されず、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202に対して接着層203を自ら剥離させる契機を与えることができればよく、前記接着層203の一部を前記自己解体性接着層205としても差し支えない。
図14に示す接着構造では、第一の接着体201と第二の接着体202とが所謂ポッティング接着されている。この構成において前記接着層203の一部を前記自己解体性接着層205にする場合、第一の接着体201と第二の接着体202と確実に剥離させるため、自己解体性接着層205は、
図15に示すように、第一の接着体201と第二の接着体202との界面上に配置されることが好ましい。
このような構成とした場合、第一の接着体201と第二の接着体202と確実に剥離させることができる。また、自己解体性接着層205以外の接着剤として硬度が高いものを用いることにより接着層203全体の強度を向上させるができる。また、自己解体性接着層205以外の接着剤を公知の接着剤とすることにより、接着層203全体を安価に製造することができる。
【0070】
次に、本技術に係る接着構造の第四実施形態について、
図16を用いて説明する。この第四の実施形態に係る接着構造では、第一の接着体201と第二の接着体202との接着方法、及び第一の接着体201の構造が
図13に示す接着構造と異なる。一方で、他の構成については共通するため、ここでは同一の符号を付してその説明は割愛する。
【0071】
この第四の実施形態に係る接着構造では、第一の接着体201と第二の接着体202とが接着層203及び自己解体性接着層205を介して接着されている。第一の接着体201の両端面と第二の接着体202の両端面に対して接着層203が設けられ、第一の接着体201と第二の接着体202とが所謂ポッティング接着されている。
更に、第一の接着体201と第二の接着体202との界面上に接着層203が設けられ、当該接着層203が自己解体性接着層205として形成されている。
また、前記第一の接着体201には、前記自己解体性接着層205に連通する治具挿入孔207が形成されており、当該治具挿入孔207には前記治具204が挿入されるようになっている。
【0072】
このような第四の実施形態に係る接着構造によれば、自己解体性接着層205を加熱することにより、当該自己解体性接着層205に含有された熱発泡剤206が発泡し、第一の接着体201と第二の接着体202とを互いに剥離することができる。このため、従来のように、接着構造全体を加熱する必要がなく、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202に対して損傷を与えることなく、剥離することができる。その結果、第一の接着体201及び/又は第二の接着体202を再利用することができる。
【0073】
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
(1)
一対の粘着層と、前記一対の粘着層の間に設けられる導電発熱層と、を備え、
前記一対の粘着層のうち少なくとも一方は、熱発泡剤を含み、
前記導電発熱層の端面は、少なくとも一方の前記粘着層の端面よりも突出する、両面粘着テープ。
(2)
前記熱発泡剤の発泡開始温度は、前記粘着層に接着される被着体の保証温度よりも高く設定され、
前記導電発熱層の発熱温度は、前記発泡開始温度と同一又は高く設定される、(1)に記載の両面粘着テープ。
(3)
前記導電発熱層の端面は、一方の前記粘着層の端面よりも突出し、他方の粘着層の端面と同一平面上に配される、(1)又は(2)に記載の両面粘着テープ。
(4)
各粘着層が熱発泡剤を含む、(1)〜(3)の何れか一つに記載の両面粘着テープ。
(5)
電子機器を駆動させる内部電源と、前記内部電源と接着する被着体と、前記内部電源と被着体とを接着する両面粘着テープと、を少なくとも備える電子機器であって、
前記両面粘着テープは、前記内部電源に接着される第一の粘着層と、前記被着体に接着される第二の粘着層と、前記第一の粘着層と前記第二の粘着層の間に設けられる導電発熱層と、を備え、
前記第一の粘着層又は前記第二の粘着層のいずれか一方は、熱発泡剤を含み、
前記導電発熱層の端面は、前記第一の粘着層又は前記第二の粘着層のいずれか一方の粘着層の端面よりも突出する、電子機器。
(6)
前記両面粘着テープに含有される熱発泡剤の発泡開始温度は、前記内部電源の保証温度よりも高く設定され、
前記導電発熱層の発熱温度は、前記発泡開始温度と同一又は高く設定される、(5)に記載の電子機器。
(7)
前記導電発熱層の端面は、前記第二の粘着層の端面よりも突出し、前記第一の粘着層の端面と同一平面上に配される、(5)又は(6)に記載の電子機器。
(8)
前記第一の粘着層は熱発泡剤を含む、(5)〜(7)の何れか一つに記載の電子機器。(9)
前記第一の粘着層は、前記被着体と対面する内部電源の内側面、及び前記内部電源を覆う被覆体と対面する当該内部電源の外側面、に接着される、(5)〜(8)の何れか一つに記載の電子機器。
(10)
更に、前記内部電源から前記電子機器へと供給される電気エネルギーを前記導電発熱層へと供給する切り替え部を備える、(5)〜(9)の何れか一つに記載の電子機器。
(11)
両面粘着テープと、
前記両面粘着テープを介して接着される一対の被着体と、を備え、
前記両面粘着テープは、一対の粘着層と、前記一対の粘着層の間に設けられる導電発熱層と、を備え、
前記一対の粘着層のうち少なくとも一方は、熱発泡剤を含み、
前記導電発熱層の端面は、少なくとも一方の前記粘着層の端面よりも突出し、
前記導電発熱層の端面を加熱することにより、前記熱発泡剤を含む粘着層を発泡膨張させて前記一対の被着体を解体させる解体構造。
(12)
第一の接着体と第二の接着体とを接着する接着層を有する接着構造であって、
前記接着層は、前記第一の接着体又は前記第二の接着体の少なくとも一方に接する自己解体性接着層を有する、接着構造。
(13)
前記第一の接着体又は前記第二の接着体の少なくとも一方には、前記自己解体性接着層に連通する治具挿入孔が形成されている、(12)に記載の接着構造。