(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記優先度決定部は、電圧調整機器に送信した前回の指令値と、最新の指令値との差が大きいほど優先順位が高い機器として決定することを特徴とする請求項1に記載の集中電圧制御装置。
前記優先度決定部は、前記優先順位を、電圧逸脱を回避したい計測点から順に、各計測点における各電圧調整機器の影響度に基づいて選択した電圧調整機器から決定することを特徴とする請求項1に記載の集中電圧制御装置。
前記優先度決定部は、前記各計測点の前記優先順位を決定する毎に、前記選択した電圧調整機器を制御した場合の電圧を再計算し、再計算した電圧値が上下限に近い計測点を次の計測点とすることを特徴とする請求項3に記載の集中電圧制御装置。
配電系統に接続する機器から計測値を収集し、配電系統に接続する複数の電圧調整機器に制御指令値を送信することで前記配電系統の電圧を制御する集中電圧制御方法であって、
前記計測値から所定のアルゴリズムに基づいて各電圧調整機器への制御指令値を演算し、
前記電圧調整機器へ制御指令値を送信する優先順位を決定し、
前記優先順位の高いものから前記配電系統上の通信量の上限値内で電圧調整器を選択し、
前記選択された電圧調整機器へ前記制御指令値を送信する
ことを特徴とする集中電圧制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態1>
本発明の集中電圧制御システム1の構成を
図1に示す。集中電圧制御システム1は、配電系統に配置される電圧調整機器4およびセンサ3と、電圧調整機器4およびセンサ3からの計測値を収集し電圧調整機器4に電圧制御の指令値を送信する集中電圧制御装置2、それらを通信可能に接続する通信ネットワーク5から構成される。その他、配電系統には需要家や太陽光発電設備などの各種発電設備も接続している。
集中電圧制御装置2は、電圧調整機器4およびセンサ3からの計測値を収集し、定周期で電圧制御指令値(以下指令値)を演算し、通信環境における通信量の上限値を考慮した上で電圧調整機器4に指令値を送信する。
図1に示す通り、集中電圧制御装置2が制御する配電系統は上位系統から下位系統の間である。
センサ3は、配電系統に配置され、定周期で電圧や電流などの値を計測して集中電圧制御装置2へ送信する。
図1における配電系統においては、センサa、b、cが上位系統から下位系統の間に配置されている。
【0010】
電圧調整機器4は、サイリスタ式自動電圧調整器4a(以下、TVR)と、静止型無効電力補償装置4b(以下、SVC)の2種類あるが、両者とも定周期で電圧や電流などを計測して集中電圧制御装置2へ送信し、また集中電圧制御装置2から受信した指令値をもとに配電系統の電圧を調整する。
図1における配電系統においては、TVR1、SVC1、SVC2、TVR2、SVC3の順で上位系統から下位系統の間に配置されている。
通信ネットワーク5は、配電系統上のセンサ3および電圧調整機器4と集中電圧制御装置2を互いに通信可能に接続する。
次に、
図2を用いて集中電圧制御装置2の構成を説明する。集中電圧制御装置2は、通信部21、記憶部22、演算処理部23から構成される。
通信部21は、計測値取得手段211と送信手段212から構成される。
記憶部22は、記憶部22は、計測値領域221、系統情報領域222、制御可能台数領域223、前回指令値領域224が含まれる。
演算処理部23は、指令値演算手段231、優先度決定手段232、指令値送信対象選択手段233から構成される。
【0011】
以下、詳細に各手段や領域について説明する。
計測値取得手段211は、通信ネットワーク5を介して、電圧調整機器4やセンサ3から計測値を受信し、当該計測値を計測値領域221に記憶させる。通信部21の送信手段212は、演算処理部23で演算した指令値を電圧調整機器4へ送信する。なお、演算処理部での指令値の演算については後に詳細に説明する。
計測値領域221は、上記計測値取得手段211で説明したので説明を省略する。系統情報領域222は、配電系統の構成情報、インピーダンス情報および電圧管理に必要な電圧管理幅である上下限値等を系統情報として予め記憶している。
制御可能台数領域223は、通信ネットワーク5にて許容される通信量を考慮して予め設定された制御可能台数を記憶している。ここで制御可能台数は、下記の数式1を満たす整数nの値である。
【0012】
(d×n)/c < t・・・(数1)
c:指令値送信に割り当てられた通信帯域幅 [bps]
t:制御対象である全電圧調整機器への指令値配信にかけてよい時間 [s]
d:制御対象である電圧調整機器への指令値のうち最大となるデータ量 [bit]
前回指令値領域224は、前述した通り電圧調整機器4に対して送信した指令値を前回指令値として記憶している。
指令値演算手段231は、計測値領域221に記憶されている電圧調整機器4やセンサ3の計測値をもとに各電圧調整機器4への指令値を演算し、最新指令値を得る。ここで、集中電圧制御の指令値演算方法については、既に公知であるが簡単に説明する。集中電圧制御装置は、配電系統が最適な電圧分布となるように、各電圧調整機器へ与える目標値(指令値)を計算する。最適な目標値(指令値)の算出については、特許5538639号にも記載があるように、例えば電力損失が最小となるような配電系統の電圧分布および無効電力分布を求める組合せ最適化問題を作成し、最適化手法でその問題を解くことにより、最適な目標値(指令値)を計算できる。なお、指令値は電圧調整機器に与える目標値のみでなく、その他、特開2015-84645に記載のように電圧調整機器に与える上下限値を指令値する集中電圧制御方式に本発明を適用しても良い。なお、各電圧調整機器は指令された目標値となるように機器自身でローカル制御を行うこととなる。
【0013】
優先度決定手段232は、さらに差分計算手段2321と優先度付与手段2322から構成される。差分計算手段2321は、各電圧調整機器4に対して、前記指令値演算手段231で演算した前記最新指令値と、前回指令値領域224に記憶されている前回指令値との差分を演算する。優先度付与手段2322は、差分計算手段2321で演算した前記差分が大きい電圧調整機器から順に優先度を付与する。もし、差分計算手段2321で演算した前記差分が等しい電圧調整機器がある場合は、同じ優先順位を付与する。
指令値送信対象選択手段233は、制御可能台数領域223に記憶した制御可能台数に基づいて指令値送信対象を決定する。指令値送信対象選択手段233は、優先度決定手段232で決定した電圧調整機器の優先順位が高いものから順に、制御可能台数分を指令値送信対象として選択し決定する。さらに指令値送信対象選択手段233は、決定した指令値送信対象への最新指令値を前回指令値として前回指令値領域224に記憶させる。
送信手段212は、指令値演算手段231で演算した最新指令値を、指令値送信対象選択手段233で選択した電圧調整機器に送信する。
【0014】
次に、
図3および
図4を用いて電圧調整機器4a、4bの機能構成を説明する。まず、サイリスタ式自動電圧調整器である電圧調整機器4aは、可変変圧器41およびその制御部42で構成される。可変変圧器41はタップを切り替えることによって二次側電圧を調整する電圧調整機器である。制御部42は、計測部421、通信部422、記憶部423、電圧調整部424から構成される。
通信部422は指令値取得手段4221と計測値送信手段4222から構成される。
記憶部423は、指令値領域4231、計測値領域4232を含む。
以下、詳細に各手段や領域について説明する。
【0015】
計測部421は、電圧調整機器4が配電系統に接続している点(自端)における電流や電圧を計測し、当該計測値を計測値領域4232に記憶させる。
指令値取得手段4221は、通信ネットワーク5を介して、集中電圧制御装置2から指令値を受信し、当該指令値を指令値領域4231に記憶させる。また、計測値送信手段4222は、計測値領域4232に記憶されている計測値を集中電圧制御装置2へ送信する。
【0016】
電圧調整部424は、指令値領域4231に記憶されている指令値を電圧目標値として、自端の電圧を当該電圧目標値に近づけるタップ切換え指令を可変変圧器41に送信する。
なお、集中電圧制御装置2から受信し指令値領域4231に記憶された指令値が上下限値の場合には、集中電圧制御装置から指令値を受信する周期よりも短い制御周期でタップ切換えを行い、自端の電圧が指令値である上下限値内に収めるタップの切換え指令を可変変圧器41に送信する。
次に、静止型無効電力補償装置である電圧調整機器4bは、計測部43、記憶部44、通信部45、電圧制御部46から構成される。
通信部45は指令値取得手段451と計測値送信手段452から構成される。
記憶部44は、指令値領域441、計測値領域442を含む。
以下、詳細に各手段や領域について説明する。
【0017】
計測部43は、電圧調整機器4が配電系統に接続している点(自端)における電圧を計測し、当該計測値を計測値領域442に記憶させる。
指令値取得手段451は、通信ネットワーク5を介して、集中電圧制御装置2から指令値を受信し、当該指令値を指令値領域441に記憶させる。また、計測値送信手段452は、計測値領域442に記憶されている計測値を集中電圧制御装置2へ送信する。
電圧制御部46は、指令値領域441に記憶されている指令値を電圧目標値として、自端の電圧を当該電圧目標値に近づける無効電力Qを演算し、図示しないインバータなどの電圧変換装置を制御して無効電力Qを配電線6へ出力する。
【0018】
なお、集中電圧制御装置2からから受信し指令値領域441に記憶された指令値が上下限値の場合には、自端の電圧が指令値である上下限値内に収まるよう集中電圧制御装置から指令値を受信する周期よりも短い制御周期で無効電力Qを出力する。
次に
図5を用いて、集中電圧制御装置2の制御の流れを説明する。
ステップS1において、計測値取得手段211は電圧調整機器4やセンサ3の計測値を取得し、当該計測値を計測値領域221に記憶させる。
ステップS2において、指令値演算手段231は、計測値領域221に記憶した計測値をもとに各電圧調整機器4への指令値を演算し、最新指令値を得る。
ステップS3において、優先度決定手段232の差分計算手段2321は、各電圧調整機器4に対して、前記最新指令値と、前回指令値領域224に記憶してある前回指令値との差分を演算する。
【0019】
ステップS4において、優先度決定手段232の優先度付与手段2322は、S3で演算した差分が大きい電圧調整機器から順に優先度を付与する。
ステップS5において、指令値送信対象選択手段233は、優先度決定手段232から受け取った優先度の高い順に制御可能台数nまで指令値送信対象とする電圧調整機器を決定する。さらに、指令値送信対象選択手段233は、決定した指令値送信対象への最新指令値を前回指令値として前回指令値領域224に記憶させる。
ステップS6において、通信部21の送信手段212は、通信ネットワーク5を介して、指令値送信対象選択手段233により決定された指令値送信対象の電圧調整機器へ最新指令値を送信する。
上記の実施形態1における本発明によると、電圧調整機器へ電圧制御の指令値を配信する上での通信量を削減可能することができる。
【0020】
<実施形態2>
本実施形態が実施形態1と異なる点は、指令値送信対象となる電圧調整機器の優先度を付与する上で用いる情報が、前回指令値と最新指令値との差分ではなく、電圧範囲逸脱を回避する上での感度情報を用いる点である。
図6を用いて実施形態2における集中電圧制御装置2bの構成を説明する。集中電圧制御装置2bは、通信部21、記憶部22、演算処理部23から構成される。ここで、実施形態1との違いは、優先度決定手段232が232bになる点と、記憶部22に含まれるデータが、前回指令値ではなく感度情報を備えた点である。その他の構成要素は実施形態1と変わらないため、下記では実施形態1と異なる点についてのみ説明をする。
【0021】
感度情報領域225は、センサ3が配置された各計測点に対する電圧調整機器の感度を系統構成情報から予め計算した感度情報を記憶する。感度の計算方法はいくつか考えられる。潮流計算を用いる場合には、ノードのPQ負荷を与えた状態で電圧分布Vを計算した後に、各機器の無効電力をΔQだけ変化させて、電圧変化量ΔVを再度潮流計算で求め、その数値微分であるΔV/ΔQを感度として計算する。また、微分情報であるヤコビアン行列が得られる場合は、潮流方程式F(P, Q) = Vを微分し、ΔV = dV/dP*ΔP + dV/dQ*ΔQから無効電力出力変化に対する電圧変化を感度として得ることもできる。また簡易的な方法としては、系統構成、インピーダンスおよび機器情報から近似的な電圧変化の応答を求め、感度としてもよい。
【0022】
感度情報の例を
図7に示す。本実施形態ではTVRは配電線に対して直列で接続されていることからTVRの下流にある機器にのみ影響を与えるため、上流にいる機器への感度は0となる。また、距離的に近くに配置されている電圧調整機器は感度情報が大きくなるため、距離に基づき、電圧逸脱を回避したい計測点への影響度を感度としてもよい。
優先度決定手段232bは、センサ選択手段2323、優先度付与手段2324、電圧推定手段2325から構成される。優先度決定手段232bは、優先的に選択されるべき電圧調整機器の優先度を決定する。つまり、優先順位が高い順に1から制御可能台数nまで優先度を決定することになる。以下に詳細を説明する。
【0023】
まず優先度が1番目の電圧調整機器の決定方法について説明する。センサ選択手段2323は、記憶部22に保存された計測値情報211に基づいてセンサの計測電圧値が上下限に最も近いセンサを選択する。ここで、センサの計測電圧値と比較する上下限値は、電圧管理幅であり、記憶部22の系統情報領域222に予め記憶されているとする。次に、優先度付与手段2324は、感度情報領域225に基づいて当該選択したセンサに対して最も感度が高い電圧調整機器を優先度の1番目と決定する。その後に、電圧推定手段2325は、優先度を1番目とした電圧調整機器を指令値演算部231で演算した指令値で制御した場合の各センサの推定電圧値を計算する。なお、ここでの推定電圧値の計算については後述する。
【0024】
次に優先度が2番目以降の電圧調整機器の決定方法について説明する。ここで、説明を一般化するため、優先度がm番目(mは制御可能台数nより小さい自然数とする。)まで電圧調整機器の優先度が決定されていると仮定して説明する。まず、センサ選択手段2323は、決定されている優先度1〜m番目までの電圧調整機器が指令値演算部231で演算した指令値で制御した場合の各センサの推定電圧値を基に、センサの推定電圧値が電圧上下限に最も近いセンサを選択する。次に、優先度付与手段2324は、当該選択したセンサに対して最も感度が高い電圧調整機器を感度情報領域2225に基づいて優先度のm+1番目として決定する。その際に、未だ優先度が決定されていない電圧調整機器の中から選択するものとする。その後に、電圧推定手段2325は、優先度が1〜m+1番目である電圧調整機器を指令値演算部231で演算した指令値で制御した場合の各センサの推定電圧値を計算する。この一連の処理を行い、1からn番目までの優先度を決定する。
【0025】
次に
図8を用いて、集中電圧制御装置2bの制御の流れを説明する。
ステップS21において、計測値取得手段211は電圧調整機器4やセンサ3の計測値情報を取得し、当該計測値を計測値領域221に記憶させる。
ステップS22において、指令値演算手段231は、計測値領域221に記憶した計測値をもとに各電圧調整機器4への指令値を演算し、最新指令値を得る。
ステップS23において、優先度決定手段232bのセンサ選択手段2323は、センサの電圧値が上下限に最も近いセンサを選択する。なお、1回目は計測値領域221に記憶されているセンサの計測電圧値に基づいて上下限に最も近いセンサを選択する。ただし、2回目以降は電圧推定手段2325で計算されたセンサの推定電圧値に基づいて上下限に最も近いセンサを選択する。
ステップS24において、優先度付与手段2324は、優先度が決定されていない電圧調整機器4のなかで、感度情報領域225に記憶されている感度情報に基づいて選択したセンサへの感度が最も大きい電圧調整機器4を次に優先度が高い電圧調整機器4と決定する。
【0026】
ステップS25において、電圧推定手段2325は、優先度が決定した電圧調整機器4を指令値演算手段231で演算した指令値で制御した場合の電圧変化量を基に、各センサの推定電圧値を計算する。
ステップS26において、優先度決定手段232bは、優先度を決定付与した電圧制御機器の台数が制御可能台数nに達したかを判断する。
【0027】
ステップS26においてNoの場合は、ステップS23に戻る。
ステップS26においてYesの場合はステップS27に進み、指令値送信対象選択手段233は、制御可能台数領域223に記憶されている制御可能台数nに基づき優先度が1からnまでの電圧調整機器を指令値送信対象として決定する。
次に、ステップS28において、送信手段212は、指令値送信対象選択手段233により決定された指令値送信対象の電圧調整機器へ最新指令値を送信する。
ここで、上記で後述すると述べた電圧推定方法について説明する。
電圧指令値によって変化するSVCの無効電力出力値の推定値Qは、数式2で表すことができる。
【0028】
Q=(V*−V)×C・・・(数2)
V*:SVCへの最新指令値(目標電圧値)
V :SVCの計測電圧値(または現在の目標電圧値)
C :SVCの制御ゲイン
【0029】
さらに、計測値領域221に記憶されているSVCの出力である無効電力の測定値をQ‘とすれば、SVCの出力無効電力変化量ΔQは数式3で表すことができる。
ΔQ=Q−Q’・・・(数3)
つまり、数式2および数式3を用いることで、配電系統に接続されているそれぞれのSVCの出力無効電力変化量ΔQを求めることができる。
TVRの出力電圧変化量ΔVは、数式4にて求められる。
ΔV=V*−V・・・(数4)V*:TVRへの最新指令値である目標電圧値
V :TVRの計測電圧値(または現在の目標電圧値)
一方、配電系統に配置される各センサ3の電圧変化量は、SVCの出力無効電力変化量ΔQおよびTVRの出力電圧変化量ΔVに、センサ毎に予め定められた感度を乗算した値の全電圧調整機器の総和となる。
【0030】
各センサの電圧変化量=Σ(Ss×ΔQ+St×ΔV)・・・(数5)
Ss:SVC毎に定められた感度
St:TVR毎に定められた感度
図1を例に説明すると、センサa、センサb、センサcが各々設置されている点における電圧変化量ΔVa、ΔVb、ΔVcは、感度情報α,β,γとすれば、数式6、7、8のように表すことができる。
【0031】
ΔVa=α1×ΔQ1+α2×ΔQ2+α3×ΔQ3・・・(数6)
ΔVb=β1×ΔV1+β2×ΔQ1+β3×ΔQ2+β4×ΔQ3・・・(数7)
ΔVc=γ1×ΔV1+γ2×ΔQ1+γ3×ΔQ2+γ4×ΔV2+γ5×ΔQ3・・・(数8)
ΔQ1,ΔQ2,ΔQ3:SVC1,SVC2,SVC3の出力無効電力変化量
ΔV1、ΔV2:TVR1,TVR2の出力電圧変化量
よって式2,3を用いて求めたΔQ1、ΔQ2、ΔQ3および、式4を用いて求めたΔΔV1、ΔV2を数式6,7,8に代入することで、各センサの電圧変化量ΔVa、ΔVb、ΔVcを計算することができる。さらに、各センサの推定電圧値Vaa,Vbb,Vccは、先に求めた電圧変化量ΔVa、ΔVb、ΔVcと計測値領域221に記憶されている各センサの計測電圧値Va,Vb,Vcとから、数式9,10,11の様に表すことができる。
【0032】
Vaa=Va−ΔVa・・・(数9)
Vbb=Vb−ΔVb・・・(数10)
Vcc=Vc−ΔVc・・・(数11)
次に、優先度決定についての具体例を説明する。例えばセンサaの電圧値が電圧範囲の上下限値に最も近い場合、
図7の感度情報に従って、センサaへの感度が最も高いSVC1に優先度1が割り当てられる(ステップS24)。そして、ステップS22で計算したSVC1への指令値演算結果であるV1*と計測電圧値V1を上記の数式2に代入し、Q1(V1*で指令した場合の無効電力出力)を求める。そして数式3を用いて、求めたQ1とSVC1の無効電力値測定値Q1’からΔQ1を求める。求めたΔQ1を数式6、7、8に代入し、各センサの電圧変化量ΔVa、ΔVb、ΔVcを計算する。ちなみに、SVC1のみに指令を与える場合の電圧変化をみるため、ΔQ2、ΔQ3、ΔV1、ΔV2は0となる。そして、前回計測で得られている電圧値から数式6,7,8を用いて計算した電圧変化量を減算し(数式9,10,11)、SVC1へ指令値を与えた場合の電圧分布を計算する(ステップS25)。そして再度、電圧値が最も上下限値に近いセンサを選択する(ステップS23)。ステップS23〜25を制御可能台数分だけ繰り返し、電圧調整機器の優先度を決定する。
【0033】
上記で説明した本発明の実施形態2は、実施形態1と同様に制御可能段数分のみ指令値配信を行うため、電圧制御の指令値を配信する上での通信量を削減することができる。また、配電系統上の電圧値が最も逸脱しやすい点の電圧逸脱を回避するように、電圧制御の指令値を送ることができるため、通信量の削減をしながらでも配電系統の電圧を電圧範囲内に維持する。
【0034】
<他の実施の形態>
上記の実施形態では、TVRおよびSVCを用いて説明したが、電圧制御を行うための機器であれば、その他の電圧調整機器を用いて本発明を実現することができる。
上記の実施形態では、制御可能台数の値nを算出した後に優先度をnまで付与したが、優先する電圧調整装置4を決定した後、通信帯域幅cの値から優先度の高い電圧調整機器4の「指令値配信にかけられる時間」×「その電圧調整装置への指令値データ量」の値を減算していき、通信帯域幅cの値が0になるまで繰り返すことで、優先度の高い順に可能な限り制御指示を出すことができる。初めに制御可能台数nを設定する方法と比較して、より通信可能量の限界まで通信することが可能となる。
また、実施形態2において、電圧変化量を算出するために数式6〜11を提示したが、式で求める方法以外に、シミュレーションや潮流計算などの方法で電圧変化量を求めてもよい。
【0035】
また、実施形態2において、電圧値が上下限に最も近いセンサを選択する例で説明をしたが、電圧逸脱を回避したいセンサを別の条件で選んでもよい。例えば、電圧逸脱を回避したい計測点として、電圧範囲の中央値から最も離れているセンサを選んでも本発明の効果を得ることができる。
【0036】
また、実施形態2において、電圧逸脱を回避したいセンサを決めた後に、そのセンサに対して最も感度が高い電圧調整機器に優先度を付与すると説明したが、最も感度が高い機器と、その次に感度が高い機器のように複数の機器に一度に優先度を付与する構成でも構わない。その場合は、推定電圧値の計算の回数を減らすことができるため、その計算時間を削減することができる。
なお、集中電圧制御装置2、2bのうち演算処理部23の機能は、例えば、プロセッサに電圧制御プログラムを実行させることによって実現することができる。