(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【0011】
実施の形態1.
図1から
図9は、この発明の実施の形態1に係るものである。
図1はサイクロン分離装置を備えた電気掃除機の全体構成を示す斜視図である。
図2はサイクロン分離装置の構成を模式的に示す断面図である。
図3はサイクロン分離装置が備えるリング部材の斜視図である。
図4はサイクロン分離装置が備える分離部ケースの要部の構成例を模式的に示す斜視図である。
図5はサイクロン分離装置が備える分離部ケースの要部の構成の別例を模式的に示す斜視図である。
図6は
図5の構成例による
図2中に示す断面A−Aにおける断面図である。
図7は
図6中に示す断面B−Bにおける断面図である。
図8はサイクロン分離装置が備える分離部ケースの別例による
図6に相当する断面図である。そして、
図9は
図8中に示す断面C−Cにおける断面図である。
【0012】
図1に示すように、この発明の実施の形態1に係るサイクロン分離装置100を備えた電気掃除機1は、その要部が、吸込口体50、吸引パイプ40、接続パイプ30、サクションホース20、掃除機本体10から構成される。
【0013】
吸込口体50は、下向きに形成された開口から、床面上のごみ(塵埃)を空気と一緒に吸い込むためのものである。吸込口体50は、長手方向中央部に、排気のための接続部を備えている。吸引パイプ40は、中空円筒状を呈する直状の部材からなる。吸引パイプ40の一側(吸気側)の端部は、吸込口体50の接続部に接続される。
【0014】
接続パイプ30は、途中で折れ曲がった中空円筒状の部材からなる。接続パイプ30の一側(吸気側)の端部は、吸引パイプ40の他端部に接続される。接続パイプ30には、ハンドル31が設けられている。ハンドル31は、掃除をする人が持って操作するためのものである。ハンドル31には、電気掃除機1の運転を制御するための操作スイッチ32が設けられている。
【0015】
サクションホース20は、可撓性を備えた蛇腹状を呈する中空な部材からなる。サクションホース20の一側(吸気側)の端部は、接続パイプ30の他端部に接続される。
【0016】
掃除機本体10は、塵埃を含む空気(含塵空気)から塵埃を分離し、塵埃が取り除かれた空気(清浄空気)を排出する(例えば、室内に戻す)ためのものである。掃除機本体10には、前側端部にホース接続口14が形成されている。サクションホース20の他端部0は、掃除機本体10のホース接続口14に接続される。
【0017】
掃除機本体10は、電動送風機15、電源コード(図示せず)を備えている。電源コードは、掃除機本体10内部のコードリール部(図示せず)に巻き付けられている。電源コードが外部電源に接続されることにより、電動送風機15等の内部機器が通電する。電動送風機15は、通電によって駆動し、操作スイッチ32に対する操作に応じて予め設定された吸引動作を行う。
【0018】
吸込口体50、吸引パイプ40、接続パイプ30、サクションホース20は、内部が一続きに形成されている。電動送風機15が吸引動作を行うと、床面上の塵埃が空気と一緒に吸込口体50に吸い込まれる。吸込口体50に吸い込まれた含塵空気は、吸込口体50、吸引パイプ40、接続パイプ30、サクションホース20の各内部を通って、掃除機本体10に送られる。このように、吸込口体50、吸引パイプ40、接続パイプ30、サクションホース20は、外部から掃除機本体10の内部に含塵空気を流入させるための風路を形成する。
【0019】
掃除機本体10は、収容ユニット11とサイクロン分離装置100とを備えている。サイクロン分離装置100は、収容ユニット11に着脱自在に設けられている。収容ユニット11には、電動送風機15、電源コード、コードリール部等の各種機器が収容されている。収容ユニット11は、車輪12を備えている。また、収容ユニット11には、排気口13が形成されている。
【0020】
サイクロン分離装置100は、含塵空気から塵埃を分離し、分離した塵埃を一時的に溜めておくためのものである。サイクロン分離装置100は、内部で含塵空気を旋回させることにより、遠心力によって塵埃を空気から分離する。すなわち、サイクロン分離装置100は、サイクロン分離機能を有している。なお、サイクロン分離装置100の具体的な構成及び機能については後述する。
【0021】
電動送風機15は、電気掃除機1に形成された風路、すなわち、掃除機本の内部に含塵空気を流入させるための風路、吸気風路、後述するサイクロン分離装置内の風路、及び排気風路(図示せず)に、気流を発生させるためのものである。
【0022】
電動送風機15が吸引動作を開始すると、電気掃除機1に形成された各風路に、気流(吸引風)が発生する。吸込口体50に吸い込まれた含塵空気は、ホース接続口14から掃除機本体10の内部に取り込まれる。掃除機本体10の内部に流入した含塵空気は、吸気風路を経て、ホース接続口14からサイクロン分離装置100に送られる。サイクロン分離装置100の内部に発生する気流については、後述する。サイクロン分離装置から排出された空気(清浄空気)は、収容ユニット11内に形成された排気風路に流入し、排気風路内において電動送風機15を通過する。電動送風機15を通過した空気は、排気風路をさらに進み、排気口13から掃除機本体10(電気掃除機1)の外部に排出される。
【0023】
次に、
図2を参照しながら、サイクロン分離装置100について説明する。サイクロン分離装置100は、全体として、略円筒状を呈している。サイクロン分離装置100は、分離部ケース110、集塵部ケース130及びリング部材200を備えている。また、サイクロン分離装置100の内部には、不通気性袋300を着脱可能に取り付けることができる。
【0024】
サイクロン分離装置100は、分離部ケース110と集塵部ケース130とに分割可能である。分離部ケース110及び集塵部ケース130は、例えば成型品から成る。分離部ケース110、集塵部ケース130、リング部材200及び不通気性袋300は、予め設定された操作(例えば、ロック機構に対する操作等)により、分解したり、
図2の状態に組み立てたりすることができるように構成されている。また、
図2に示す状態から、集塵部ケース130のみを取り外すこともできる。分離部ケース110、集塵部ケース130が適切に配置されることで、サイクロン分離装置100には、後述する旋回室115及び集塵室131が形成される。なお、サイクロン分離装置100は、不通気性袋300を取り付けなくとも使用可能である。
【0025】
分離部ケース110は、流入管111、旋回室115及び排出管113を備えている。また、分離部ケース110には、排出口114及び旋回室開口117が形成されている。旋回室115は、中空の略円筒状を呈する。旋回室115は上端側が円筒形状の円筒部と、旋回室の下端側は下方に向かうに従って径が小さくなるような円錐部を呈し、円錐形状の下方が切断された状態となる。旋回室115は、上側の円筒部と、下側の円錐部とからなる。円筒部は、円筒形状である。円錐部は、下方に向かうに従って径が小さくなる円錐形状の下方側が切断された倒立円錐台状を呈する。円筒部の下端と円錐部の上端とは接続されている。なお、サイクロン分離装置100の集塵容積が許す限りであれば、旋回室115の円錐形状は、切断されていない形状でもよい。旋回室115は、集塵室131内に突出して配置される。
【0026】
旋回室115は、含塵空気を旋回させるための空間である。旋回室115の側壁には旋回室開口117が形成されている。旋回室開口117は、旋回室115の円筒部と円錐部とにまたがって配置されている。旋回室115では、遠心力と塵埃の質量との均衡により円筒部内で旋回し続ける塵埃が発生することがある。旋回室開口117を旋回室115の円筒部と円錐部とにまたがって配置することで、この円筒部内で留まろうとする塵埃を後述する集塵室131へと排出させることができる。
【0027】
旋回室開口117を介して、旋回室115の内部は、集塵室131の内部と通じている。旋回室115で遠心力を受けた塵埃は、旋回室115の側壁に沿って旋回する。旋回した塵埃は旋回室の側壁に設けられた旋回室開口117の位置において、旋回室開口117を通って集塵室131へと移送される。集塵室131内には、遠心分離された塵埃のみが移送され、塵埃を分離するための旋回流は流れない。
【0028】
すなわち、この実施の形態においては、遠心分離するための旋回室115と塵埃を集塵するための集塵室131とは、旋回室115の壁によって区画されている。集塵室131と旋回室115とを同一空間内に形成した場合、例えば獣毛等の臭気の強い塵埃を吸引した場合、吸引した塵埃は旋回室115(かつ集塵室131)内で旋回し続ける。この場合、臭気の強い塵埃が旋回し続けることで、臭気を帯びた気流が電気掃除機1の排気口13から排出されてしまう。旋回室115と集塵室131とを区画することで、臭気を有する塵埃が旋回流で撹拌されることを抑制できる。よって、掃除中の使用者に与える不快感を低減できる。
【0029】
流入管111は、例えば中空な四角筒状を呈する。流入管111の一端側は、旋回室115の円筒部に接続されている。流入管111は、一端が円筒部の内部に開口し、他端が外側を向いて開口している。流入管111の前記他端は、サイクロン分離装置100に含塵空気を取り込むための流入口112を形成している。流入管111の前記一端は、流入口112を通過してきた含塵空気を円筒部の内部(旋回室115)に取り込むための旋回室入口116を形成している。
【0030】
流入管111は、旋回室115の円筒部の上部に接続される。このため、旋回室入口116は、円筒部の上部(旋回室115を形成する側壁の最上部)に配置される。流入管111は、その軸が、円筒部の中心軸に対して直角をなし、かつ円筒部の接線方向に配置される。
【0031】
流入管111は、円筒部の接線方向に沿って配置されることが重要である。このため、流入管111を、直線状でなく、円周方向に沿って円筒部に接するような円弧状にしてもよい。流入管111を円筒部の接線方向に沿って配置することで、流入管111から円筒部に空気を円滑に流入させつつ、流入した空気が円筒部内部の旋回流と合流する際の圧力損失を低減できる。
【0032】
このようにして、流入口112から流入した含塵空気を側面に沿って旋回させ、含塵空気から塵埃を分離する旋回室115が構成される。そして、電動送風機15が動作することで、旋回室115に含塵空気を流入させる気流が生成される。
【0033】
排出管113は、中空な円筒形状を呈する。排出管113の下側は、旋回室115の天面から下方に突出して、旋回室115の内部に配置されている。排出管113の下側は、旋回室115の中心軸上に配置されている。排出管113の下端は、旋回室115の内部において開口している。
【0034】
排出管113は、旋回室115の天面より上方の中間部分でL字状に折り曲げられている。排出管113の旋回室115とは反対側の端部は、開口して排出口114を形成している。収容ユニット11にサイクロン分離装置100が取り付けられた状態で、排出口114は、収容ユニット11の電動送風機15の上流側と連通する。この状態で、電動送風機15が動作すると、旋回室115で塵埃が除去された清浄気流が、電動送風機15により生成された負圧で吸引される。
【0035】
排出管113の旋回室115の天面より下側の形状は、ここで示した略円筒形状以外に、下方にいくに従って径が小さくなる円錐形状としてもよい。この場合、旋回室115内の排出管113の側壁に複数の孔を設け、この複数の孔から清浄気流を排出管113内に流入させるのが望ましい。複数の孔の径は、例えば約2mm程度にする。このようにすることで、遠心分離されにくい質量の小さい綿ごみ、毛(人、動物)等が排出管113内に流入することを抑制できる。
【0036】
集塵部ケース130は、集塵室131の外郭の少なくとも一部を形成する部材である。この実施の形態では、集塵部ケース130は、集塵室底面134、集塵室外壁133及び集塵室内壁132を備えている。集塵室底面134は、円形を呈する。集塵室外壁133及び集塵室内壁132は、旋回室115の円筒部よりも大きな径の円筒状を呈する。集塵室外壁133及び集塵室内壁132と旋回室115の円筒部とは、同心に配置される。集塵室外壁133及び集塵室内壁132は、集塵室底面134の外周縁部から立設される。このようにして、集塵室底面134、集塵室外壁133及び集塵室内壁132により、一方(下方)が閉じた有底筒状の部分が形成される。
【0037】
また、分離部ケース110には、集塵室天面118が設けられている。分離部ケース110と集塵部ケース130とを適切に組み合わせることで、分離部ケース110の集塵室天面118と、集塵部ケース130の集塵室底面134及び集塵室内壁132とで囲まれた空間が形成される。この空間のうち、旋回室115の外側の部分に、集塵室131が形成される。集塵室131は、前述したように旋回室開口117を介して旋回室115と連通している。そして、集塵室131は、旋回室115で分離された塵埃を捕集する。
【0038】
集塵室131の内部には、不通気性袋300が着脱自在に設置可能である。不通気性袋300は、空気を通過させない性質を有する素材からなり、構造的にも袋の内外で空気を通過させないようになっている。不通気性袋300の一端は閉塞されている。不通気性袋300の他端は、開口されて開口縁部301となっている。不通気性袋300は、一般的に市販されている、いわゆるポリ袋、ビニール袋等を使用できる。不通気性袋300は、透明又は半透明であることが好ましい。このようにすることで、不通気性袋300の内側に溜まった塵埃の量を、外側から視認できる。
【0039】
不通気性袋300を着脱するため、集塵室131の内部には、突出部119及びリング部材200が設けられる。
図4に示すように、突出部119は、集塵室天面118から集塵室底面134の方向に突出して形成されている。すなわち、突出部119は、分離部ケース110に設けられる。突出部119は、旋回室115の円筒部よりも大きな径で、かつ、集塵室内壁132よりも小さな径の円筒状を呈する。
図2に示すように、突出部119は、旋回室115の外側で、かつ、集塵室内壁132の内側に配置される。
【0040】
リング部材200は、突出部119よりも大きな径で、かつ、集塵室内壁132よりも小さな径の円環状を呈する部材である。
図3に示すように、リング部材200は、内周壁201、外周壁202及び上端部203を有している。
図2に示すように、リング部材200は、集塵室131内における集塵室天面118寄りに配置される。さらに、リング部材200は、集塵室131内における突出部119と集塵室内壁132との間に配置される。
【0041】
以上のように構成されたサイクロン分離装置100への不通気性袋300の取り付けについて、次に説明する。不通気性袋300の開口縁部301は、まず、集塵室底面134側から、リング部材200の内側と突出部119との間を通される。すなわち、リング部材200の内側に下から開口縁部301を通した状態で、不通気性袋300の内側に上から突出部119が入れられる。次に、開口縁部301は、リング部材200の外側から集塵室底面134側に向かって折り返される。そして、開口縁部301は、リング部材200の外側と集塵室131の内壁との間に配置される。すなわち、分離部ケース110、リング部材200及び不通気性袋300の外側に下から集塵部ケース130をかぶせる。このようにして、不通気性袋300の開口縁部301側は、リング部材200の内周壁201、上端部203、外周壁202に沿うように折り返されて配置される。
【0042】
なお、実際にサイクロン分離装置100を組み立てる際は、以上で説明した順序でなくともよい。例えば、まず、リング部材200の内側に下から不通気性袋300の開口縁部301を通して外側に折り返す。次に、リング部材200及び不通気性袋300を、集塵部ケース130内に入れる。この際、開口縁部301も集塵部ケース130内に入るようにする。そして、リング部材200及び不通気性袋300の内側に突出部119が入るようにして、集塵部ケース130の上から分離部ケース110を取り付ける。
【0043】
以上のようにして、不通気性袋300を取り付けることで、不通気性袋300の開口縁部301は、リング部材200の内周壁201と分離部ケース110の突出部119との間で挟持される。また、不通気性袋300の開口縁部301は、リング部材200の外周壁202と集塵部ケース130の集塵室内壁132との間でも挟持される。
【0044】
以上のように構成されたサイクロン分離装置100及び電気掃除機1によれば、集塵部ケース130開口縁部301を含む不通気性袋300の全体をサイクロン分離装置100の内側に収容できる。このため、不通気性袋300がサイクロン分離装置100の外に露出することがなく、外観性を損なわない。
【0045】
一般的にサイクロン分離装置100で捕集した集塵室131内の塵埃を捨てる際、ゴミ箱に集塵部ケース130を接近させて、塵埃を捨てる。しかしながら、集塵室131内の塵埃は、粉体状の微細塵と、繊維、砂等の質量、容積の大きい塵埃とを含む。このため、集塵部ケース130から塵埃を捨てる際、特に微細塵が舞い上がり、使用者にとって、不衛生で不快感を与えることがある。この実施の形態に係るサイクロン分離装置100及び電気掃除機1によれば、集塵室131内の塵埃は、不通気性袋300内に捕集される。このため、捕集された塵埃を不通気性袋300に包み、塵埃が入った不通気性袋300ごとゴミ箱に捨てればよい。したがって、集塵部ケース130から直接に塵埃を捨てる必要がなくなり、塵埃の舞い上がりを防止できる。
【0046】
集塵室131内は、電動送風機15の駆動中、常に負圧の状態となる。このため、不通気性袋300は旋回室開口117の方へと吸われて、収縮しようとする。不通気性袋300が収縮すると旋回室開口117が閉塞され、旋回室115で分離した塵埃を集塵室131に捕集することが困難となる。さらに、捕集可能であったとしても、集塵室131の容積が減少して、ゴミ捨ての頻度が増加し、メンテナンス性を損なうこととなる。
【0047】
この実施の形態に係るサイクロン分離装置100においては、突出部119により不通気性袋300が一定以上に収縮しないように保持されている。すなわち、不通気性袋300の底部は、突出部119の下端部により集塵室底面134に押さえられている。また、不通気性袋300の側部は、突出部119の側壁により押さえられている。このため、電気掃除機1の動作時に発生する集塵室131内の負圧による不通気性袋300の収縮を抑制できる。
【0048】
ここで、突出部119の少なくとも一部の下端部と集塵室底面134とで不通気性袋300を挟持可能としてもよい。このようにすることで、さらに確実に不通気性袋300を固定できるとともに、集塵室131内の負圧による不通気性袋300の特に底部の収縮をさらに抑制できる。
【0049】
以上のように構成されたサイクロン分離装置100及び電気掃除機1によれば、集塵部ケース130の外に不通気性袋300を露出させることなく、集塵部ケース130に不通気性袋300を取り付けることができる。そして、メンテナンス性を損なうことなく、かつ、衛生的に使用可能である。
【0050】
なお、不通気性袋300の寸法は、縦300mm、幅200mm程度であることが望ましい。この寸法であれば、不通気性袋300の開口縁部301(余剰分)を集塵部ケース130内に収納しやすくなる。
【0051】
この実施の形態に係るサイクロン分離装置100及び電気掃除機1では、リング部材200及び不通気性袋300が集塵部ケース130に取り付けられていなくても、集塵部ケース130と分離部ケースとを組み立てた際に、サイクロン分離装置100内の密閉性は確保され、かつ、旋回室115及び集塵室131の形状も損なわれない。したがって、リング部材200及び不通気性袋300を取り付けない状態でも、サイクロン分離性能及び集塵性能を低下させることなく使用可能である。
【0052】
次に、
図5から
図9を参照しながら、この実施の形態に係るサイクロン分離装置100の別例について説明する。まず、
図5及び
図6に示すように、突出部119に、1つ又は複数の切欠き部120を形成してもよい。
図5及び
図6に示すのは、突出部119に2つの切欠き部120を設けた例である。切欠き部120は、集塵室底面134側から集塵室天面118方向に向けて切り欠かれて形成される。
【0053】
切欠き部120の一方は、例えば、突出部119の旋回室開口117に対向した側壁に配置される。切欠き部120の他方は、例えば、前述した一方の切欠き部120とは、旋回室115の中心軸を挟んだ反対側の突出部119の側壁に配置される。集塵室131に蓄積できる容量いっぱいにまで、塵埃が捕集された場合、塵埃が突出部119と旋回室115との間に挟まって分離部ケース110側に残ったままとなり、不通気性袋300内に滑落しなくなってしまうことも考えられる。
【0054】
そこで、突出部119に切欠き部120を設けることで、この切欠き部120がある部分では、塵埃が突出部119と旋回室115との間に挟まることがない。そして、切欠き部120の箇所の塵埃が不通気性袋300内に滑落すれば、集塵室131内に余裕ができ、さらなる不通気性袋300内への塵埃の滑落を促すことができる。すなわち、突出部119に切欠き部120を設けることにより、集塵室131内の塵埃を不通気性袋300内に滑落させやすくできる。
【0055】
なお、切欠き部120が大きすぎると集塵室131内の負圧により不通気性袋300が切欠き部120からしぼみ、集塵室131に捕集できる集塵容量が低減する。一方、切欠き部120が小さすぎると、集塵室131内の塵埃を不通気性袋300内に滑落させる作用が十分に得られない。このような相反する作用を考慮して、切欠き部120の高さ、幅の各寸法及び形状を調整することが望ましい。
【0056】
また、
図5に示す切欠き部120の下端角部121は、角をとって滑らかな例えば円弧状にするとよい。下端角部121を滑らかな形状にすることで、例えば、不通気性袋300を取り付けた集塵部ケース130に分離部ケース110を取り付ける際、突出部119の下端角部121が不通気性袋300に引っ掛かって傷つけられることを抑制できる。
【0057】
この
図5及び
図6に示す構成例において、
図7に示すように、複数の切欠き部120のうち、突出部119の旋回室開口117に対向した側の切欠き部120の長さが、他の切欠き部120の長さより短くなるようにしてもよい。突出部119の旋回室開口117に対向した側とは、
図6中で「開口近傍領域」で示す部分である。
図6中で「開口近傍領域」で示す範囲にある切欠き部120は、
図6中で「その他の領域」で示す範囲にある切欠き部120よりも、突出部下端部122から集塵室天面118に向けた切欠きの長さが短い。
【0058】
前述したように、電気掃除機1の運転中は集塵室131内に負圧が発生しており、この負圧は、不通気性袋300をしぼませるように作用する。集塵室131内において、負圧が最も大きい箇所は、旋回室開口117の部分となる。この理由は、旋回で分離された塵埃とともに空気が旋回室115から集塵室131に流入すると同時に、集塵室131内の空気が旋回室開口117に戻る流れが生じることによる。
【0059】
旋回室開口117を通った塵埃が溜りやすい「開口近傍領域」に切欠き部120を配置することが、前述した塵埃を不通気性袋300内に滑落させる作用の上からは望ましい。しかし、この「開口近傍領域」は同時に負圧も大きく、不通気性袋300がしぼむ作用も大きい。そこで、「開口近傍領域」には、「その他の領域」と比べて長さが短い切欠き部120を設けることで、塵埃の滑落促進作用と不通気性袋300のしぼみ抑制作用との最適なバランスをとりやすくすることができる。
【0060】
また、以上のような突出部119に切欠き部120を設けるのとは別の構成例として、
図8及び
図9に示す構成例も挙げられる。この構成例では、旋回室開口117に対向した側の部分の突出部下端部122が、他の部分の突出部下端部122よりも集塵室底面134に近くなっている。すなわち、
図8の「開口近傍領域」にある突出部119の部分では、突出部下端部122が集塵室底面134の近くまで延びている。一方、
図8の「その他の領域」にある突出部119の部分では、突出部下端部122は集塵室底面134と集塵室天面118との中間より、やや集塵室底面134寄りの位置に配置されている。
【0061】
このようにして、旋回室開口117に対向した側の部分の突出部119を、他の部分よりも集塵室底面134側へと延ばすことで、旋回室開口117に不通気性袋300が吸引されることを抑制できる。また、旋回室開口117に対向しない側においては、突出部119を短くすることで、不通気性袋300への塵埃の滑落を促すことが可能である。
【0062】
実施の形態2.
図10は、この発明の実施の形態2に係るもので、サイクロン分離装置の構成を模式的に示す断面図である。
【0063】
ここで説明する実施の形態2は、前述した実施の形態1における突出部に切欠き部が形成された構成において、リング部材に凸部を形成し、この凸部が切欠き部内に通されるようにしたものである。以下、この実施の形態2に係るサイクロン分離装置及び電気掃除機について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。説明を省略した構成については実施の形態1と基本的に同様である。
【0064】
この発明の実施の形態2に係るサイクロン分離装置100では、
図10に示すように、リング部材200は、複数の凸部210を備えている。複数の凸部210のそれぞれは、リング部材200の内周壁201から、内側でかつ集塵室底面134側へと斜めに突出している。ここで示す例では、凸部210は、まず内周壁201から旋回室115側に延びた後、先端側が集塵室底面134の方に向けて緩やかに湾曲している。
【0065】
複数の凸部210のそれぞれの幅寸法は、突出部119の切欠き部120のそれぞれの幅寸法よりも小さい。突出部119のそれぞれの切欠き部120の集塵室天面118側は、リング部材200の凸部210の位置にまで達している。そして、リング部材200の複数の凸部210は、複数の切欠き部120の内側にそれぞれ通されて配置される。したがって、凸部210の先端側は、突出部119よりも旋回室115側に配置される。
【0066】
以上のように構成されたサイクロン分離装置及び電気掃除機においても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。さらに、分離部ケース110を集塵部ケース130から取り外す際に、集塵室131内に捕集された塵埃を凸部により集塵室131内に留めておくことができる。
【0067】
すなわち、分離部ケース110を集塵部ケース130から上方に取り外す際、集塵室131の突出部119より内側に捕集された塵埃は、例えば突出部119との摩擦等により分離部ケース110とともに上方に持ち上がる可能性がある。そのような場合、分離部ケース110から塵埃が落下してしまい、使い勝手が悪化する。この実施の形態のサイクロン分離装置100によれば、凸部210を備えたことで、分離部ケース110を上方に持ち上げる際に、つられて上方に移動しようとする塵埃を凸部210にひっかけ、集塵室131内に留めることが可能となる。なお、凸部210の先端側は、集塵室底面134の方に向けて湾曲している。このため、旋回室開口117から集塵室131内に入った塵埃が上から凸部210に接触しても、凸部210の湾曲に沿って集塵室底面134へと落下できる。
【0068】
実施の形態3.
図11から
図13は、この発明の実施の形態3に係るものである。
図11はサイクロン分離装置の構成を模式的に示す断面図である。
図12は
図11中に示す断面D−Dにおける断面図である。そして、
図13はサイクロン分離装置が備えるリング部材の斜視図である。
【0069】
ここで説明する実施の形態3は、前述した実施の形態1又は実施の形態2の構成において、集塵室の内壁に設けたリング支持部で、リング部材を支持できるようにしたものである。以下、この実施の形態3に係るサイクロン分離装置及び電気掃除機について、実施の形態1の構成を元にした場合を例に挙げ、実施の形態1との相違点を中心に説明する。説明を省略した構成については実施の形態1又は実施の形態2と基本的に同様である。
【0070】
この発明の実施の形態に係るサイクロン分離装置100及び電気掃除機1では、
図11及び
図12に示すように、集塵室内壁132には、複数のリング支持部141が設けられている。リング支持部141は、集塵室内壁132から内側(旋回室115側)に突出している。ここで説明する例では、リング支持部141が3つ設けられている。3つのリング支持部141は、集塵室131の内周に沿って等間隔に配置されている。
【0071】
図13に示すように、リング部材200は、被支持部220を備えている。被支持部220は、リング部材200の外周壁202から外側に突出している。
図11に示すように、リング部材200を集塵部ケース130に取り付ける際、リング支持部141の上に被支持部220が載ることで支持される。このようにすることで、集塵部ケース130へのリング部材200の取り付つけ位置を容易に決めることができる。
【0072】
なお、この構成例では、被支持部220は、リング部材200の外周壁202の全周に亘って設けられている。このようすることでリング部材200を載せる向きにかかわらず、リング支持部141で被支持部220を支持できる。
【0073】
図11及び
図12に示すように、集塵室内壁132のリング支持部141同士の間は、相対的に凹んで溝部142が形成されている。この溝部142の部分においては、
図11に示すように、集塵室内壁132とリング部材200の外周壁202との間に予め定められた寸法の間隙が形成される。
【0074】
不通気性袋300を取り付けたリング部材200を集塵部ケース130内に入れる際、不通気性袋300と集塵部ケース130との間に入った空気により、不通気性袋300が内側に膨らんでしまう。この実施の形態によれば、溝部142を設けたことで、不通気性袋300と集塵部ケース130との間に入った空気を、溝部142において集塵室内壁132と外周壁202との間を通して逃がすことができる。したがって、不通気性袋300の内側への膨らみを抑制することが可能である。
【0075】
また、不通気性袋300及びリング部材200が取り付けられた集塵部ケース130の上から、最後に分離部ケース110をはめる場合、分離部ケース110の突出部119で不通気性袋300を内側から押さえることになる。この際、不通気性袋300と集塵部ケース130との間に入った空気により不通気性袋300が内側に膨らむと、分離部ケース110を取り付ける際の抵抗になる。不通気性袋300と集塵部ケース130との間に入った空気を、溝部142において集塵室内壁132と外周壁202との間を通して逃がすことで、このような抵抗を低減し、分離部ケース110と集塵部ケース130の組み立て性を向上できる。
【0076】
これまでに説明した実施の形態では、分離部ケース110側に集塵室天面118があり、集塵室131の側壁の全てが集塵部ケース130側にあった。この点について、この実施の形態で
図11に示すように、集塵室131の側壁の上端側の一部を分離部ケース110側に設けるようにしてもよい。すなわち、集塵室131の側壁の中間で分離部ケース110と集塵部ケース130とに分割されるようにしてもよい。そして、この場合、リング部材200の上端部203が、集塵部ケース130の上端部よりも上方に突出させるようにするとよい。
【0077】
このようにすることで、集塵部ケース130から分離部ケース110を取り外した状態では、リング部材200が上側に突出するため、使用者はリング部材200を掴んで、リング部材200及び不通気性袋300を容易に着脱できる。なお、リング部材200の上端部203の一部をさらに上方に突出させて、「つまみ」として機能させてもよい。
【0078】
以上のように構成されたサイクロン分離装置100及び電気掃除機1においても、実施の形態1又は実施の形態2と同様の効果を奏することができる。さらに、分離部ケース110、集塵部ケース130リング部材200及び不通気性袋300の組み立て性を向上することが可能である。
【0079】
実施の形態4.
図14は、この発明の実施の形態4に係るもので、サイクロン分離装置の構成を模式的に示す断面図である。
【0080】
ここで説明する実施の形態4は、前述した実施の形態1から実施の形態3のいずれかの構成において、集塵室を旋回室の下端に接続して設けるようにしたものである。以下、この実施の形態4に係るサイクロン分離装置及び電気掃除機について、実施の形態1の構成を元にした場合を例に挙げ、実施の形態1との相違点を中心に説明する。説明を省略した構成については実施の形態1から実施の形態3のいずれかと基本的に同様である。
【0081】
この発明の実施の形態に係るサイクロン分離装置100では、
図14に示すように、旋回室115の下端に集塵室131の上端が接続されている。すなわち、旋回室115の側壁でなく、旋回室115の円錐部の下端部に下端開口135が形成されている。そして、この下端開口135を介して、旋回室115の内部と集塵室131の内部とが通じている。集塵室131から見れば、下端開口135は集塵室天面118に配置されることになる。電気掃除機1を動作させると、旋回室115で遠心分離された塵埃は、自重により下端開口135に滑落し、下端開口135を通って集塵室131内に捕集される。
【0082】
以上のように構成されたサイクロン分離装置及び電気掃除機においても、実施の形態1から実施の形態3のいずれかと同様の効果を奏することができる。さらに、含塵空気から塵埃を遠心分離する旋回室115と分離された塵埃を捕集する集塵室131とを別体化することで、風速の速い旋回室115内の旋回流が集塵室131内に流入することを抑制できる。このため、集塵室131内の臭気を有する塵埃が撹拌されることを抑制することが可能となり、電気掃除機1の外への異臭の拡散を抑制し、使用者の不快感を低減できる。
【0083】
実施の形態5.
図15は、この発明の実施の形態5に係るもので、サイクロン分離装置の構成を模式的に示す断面図である。
【0084】
ここで説明する実施の形態5は、前述した実施の形態1から実施の形態3のいずれかの構成において、集塵室を2つに区画したものである。以下、この実施の形態5に係るサイクロン分離装置及び電気掃除機について、実施の形態1の構成を元にした場合を例に挙げ、実施の形態1との相違点を中心に説明する。説明を省略した構成については実施の形態1から実施の形態3のいずれかと基本的に同様である。
【0085】
この発明の実施の形態に係るサイクロン分離装置100では、
図15に示すように、旋回室115の円錐部から集塵室底面134側に延びた隔壁により、集塵部ケース130内が集塵室131(0次集塵室)と1次集塵室136とに区画されている。この隔壁は、旋回室115の円筒部より径が小さい円筒状を呈する。
【0086】
旋回室115の側壁には、旋回室開口117が形成されている。旋回室開口117は、旋回室115の側面に形成された第1の開口である。そして、0次集塵室である集塵室131の内部は、旋回室開口117を介して旋回室115の内部と通じている。すなわち、集塵室131は、第1の開口である旋回室開口117と通じる第1の集塵室である。
【0087】
また、旋回室115の円錐部の下端部には、下端開口135が形成されている。下端開口135は、旋回室115の下端部に形成された第2の開口である。そして、1次集塵室136の内部は、下端開口135を介して旋回室115の内部と通じている。すなわち、1次集塵室136は、第2の開口である下端開口135と通じる第2の集塵室である。
【0088】
電気掃除機1が動作し、旋回室115の円筒部内で含塵空気が旋回すると、含塵空気中の比較的大きな塵埃、例えば、毛髪、砂、綿等が遠心分離されて、旋回室開口117から集塵室131(0次集塵室)内に捕集される。その後も旋回室115内の気流は旋回しながら次第に円錐部へと下降していく。そして、例えばタルク等の比較的小さな微細塵は、旋回室115の円錐部で分離され、下端開口135から1次集塵室136内に落下して捕集される。
【0089】
以上のように構成されたサイクロン分離装置及び電気掃除機においても、実施の形態1から実施の形態3のいずれかと同様の効果を奏することができる。さらに、旋回室115上側の円筒部で遠心分離し切れなかった塵埃を旋回室115の下端から1次集塵室136に捕集でき、サイクロン分離性能の向上を図ることが可能である。
【0090】
なお、分離部ケース110を集塵部ケース130から取り外せば、集塵室131内と1次集塵室136内に捕集された塵埃は、どちらも不通気性袋300内に入る。したがって、1つの不通気性袋で、2つの集塵室内の塵埃の両方を包んで捨てることが可能である。
【0091】
実施の形態6.
図16は、この発明の実施の形態6に係るもので、サイクロン分離装置の構成を模式的に示す断面図である。
【0092】
ここで説明する実施の形態6は、前述した実施の形態1から実施の形態4のいずれかの構成において、旋回室の下流側に2次旋回室を設けるようにしたものである。以下、この実施の形態6に係るサイクロン分離装置及び電気掃除機について、実施の形態1の構成を元にした場合を例に挙げ、実施の形態1との相違点を中心に説明する。説明を省略した構成については実施の形態1から実施の形態4のいずれかと基本的に同様である。
【0093】
この発明の実施の形態に係るサイクロン分離装置100は、
図16に示すように、2次旋回室151及び2次集塵室155を備えている。旋回室115の内側には、中空な排出軸157が設けられている。そして、この排出軸157のさらに内側に2次旋回室151が設けられている。排出軸157の下側には、流入部158が形成されている。流入部158には、排出軸157を内外に貫通する複数の孔が形成されている。流入部158は、樹脂又は金属からなる。また、流入部158に、複数の孔の代わりにフィルターを設けてもよい。旋回室115での旋回を終えた気流は、流入部158を通って排出軸157内に流入する。
【0094】
排出軸157内と2次旋回室151内とは、2次入口152を介して通じている。2次入口152は、排出軸157内及び2次旋回室151の上端部分に形成された開口である。2次旋回室151は、旋回室115と同様に、上側が円筒状で下側が中空な倒立円錐台状を呈する。2次入口152は、排出軸157内を通ってきた気流を、2次旋回室151の接線方向に沿って2次旋回室151内に流入させる。このようにして、2次旋回室151は、旋回室115の下流側と連通している。
【0095】
集塵室131内には、傾斜面154が設けられている。傾斜面154は、旋回室115の下端から集塵室底面134側に延びている。この傾斜面154により、集塵部ケース130内が集塵室131と2次集塵室155とに区画されている。したがって、2次集塵室155は、集塵室131の内部に配置されている。2次集塵室155は、2次旋回室151で分離された塵埃を捕集するためのものである。2次旋回室151の下端には、2次下端開口153が形成されている。2次集塵室155の内部は、2次下端開口153を介して、2次旋回室151の内部と通じている。
【0096】
2次入口152から2次旋回室151内に流入した含塵空気は、2次旋回室151内で旋回する。この旋回気流により、旋回室115では分離されずに残った微細塵等が遠心分離される。そして、2次旋回室151内で分離された塵埃は、2次旋回室151内で下に落ち、2次下端開口153を通って2次集塵室155に捕集される。なお、排出管113の下側は、2次旋回室151の中心軸に沿って、2次旋回室151の内部に配置されている。2次旋回室151内で塵埃が取り除かれた清浄空気は、排出管113からサイクロン分離装置100の外部に排出される。
【0097】
傾斜面154は、2次集塵室155の側面である。この傾斜面154は、下方に向かって内側に傾斜している。すなわち、2次集塵室155の側面の少なくとも一部は、下方に向かって内側に傾斜している。このようにすることで、2次集塵室155内の塵埃を傾斜面154に沿って2次集塵室155の底側に滑落させやすくできる。
【0098】
不通気性袋300の底部は、2次集塵室155の下端部と集塵室底面134との間に配置される。このようにすることで、さらに確実に不通気性袋300を固定できるとともに、集塵室131内の負圧による不通気性袋300の特に底部の収縮をさらに抑制できる。
【0099】
また、2次集塵室155の下端部には、集塵開口156が形成されている。したがって、2次集塵室155の内部は、集塵開口156を通じて不通気性袋300の内側に通じている。このため、分離部ケース110を集塵部ケース130から取り外せば、集塵室131内と2次集塵室155内に捕集された塵埃は、どちらも不通気性袋300内に入る。よって、1つの不通気性袋で、2つの集塵室内の塵埃の両方を包んで捨てることが可能である。
【0100】
以上のように構成されたサイクロン分離装置及び電気掃除機においても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。さらに、旋回室115で遠心分離し切れなかった塵埃を2次旋回室151で分離して2次集塵室155に捕集でき、サイクロン分離性能の向上を図ることが可能である。