(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態1>
本明細書に開示された技術の実施形態1を、
図1から
図10を参照しつつ説明する。本実施形態は、本明細書に開示された技術を、車両10に配設された導電路11に適用したものである。以下の説明においては、Z方向を上方とし、Y方向を前方とし、X方向を左方として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略することがある。
【0020】
車体12
図1に示すように、車両10の車体12のルーフには、金属製のルーフフレーム13が配されている。ルーフフレーム13は、上方(重なり方向の一例)から見て、略長方形状をなしている。ルーフフレーム13は、前側に配されて左右方向に延びるフロントメンバー14と、フロントメンバー14の右端部から後方に延びる右サイドメンバー15と、フロントメンバー14の左端部から後方に延びる左サイドメンバー16と、右サイドメンバー15の後端部と左サイドメンバー16の後端部とを連結するリアメンバー17と、前後方向について右サイドメンバー15の中央付近と左サイドメンバー16の中央付近とを連結するクロスメンバー18と、を有する。
【0021】
フロントメンバー14の右端部には、斜め下前方に延びる右フロントピラー19が設けられており、フロントメンバー14の左端部には、斜斜め下前方に延びる左フロントピラー20が設けられている。リアメンバー17の右端部には、斜め下後方に延びる右リアピラー21が設けられており、リアメンバー17の左端部には、斜め下後方に延びる左リアピラー22が設けられている。
【0022】
車体12のルーフには、フロントメンバー14、右サイドメンバー15、クロスメンバー18、及び左サイドメンバー16に囲まれた領域内に、フロントソーラーパネル23が配されていると共に、クロスメンバー18、右サイドメンバー15、リアメンバー17、及び左サイドメンバー16に囲まれた領域内に、リアソーラーパネル24が配されている。
【0023】
ソーラーパネル
フロントソーラーパネル23、及びリアソーラーパネル24は、光エネルギーを電力に変換する複数の発電素子(図示せず)を有している。フロントソーラーパネル23、及びリアソーラーパネル24に含まれる複数の発電素子は、直列又は並列に接続されている。
【0024】
フロントソーラーパネル23の左前部の隅には、負極端子25Aが設けられている。フロントソーラーパネル23の右後部の隅には、正極端子26Aが設けられている。正極端子26Aには、第3導電路27C(導出導電路の一例)が接続されている。
図2に示すように、第3導電路27Cは、被覆電線28Cと、被覆電線28Cの端部のうち右サイドメンバー15に配された端部に接続された金属製の端子金具29Cと、を備える。端子金具29Cは、圧着、溶接等の公知の手法で被覆電線28Cに接続された電線接続部30Cと、電線接続部30Cに連なる平板部31Cと、を備える。平板部31Cは、後述するスタッドボルト55が貫通される貫通孔(図示せず)を有する。
【0025】
リアソーラーパネル24の左後部の隅には、正極端子26Bが設けられている。リアソーラーパネル24の右前部の隅には、負極端子25Bが設けられている。負極端子25Bには、第2導電路27B(導出導電路の一例)が接続されている。
図2に示すように、第2導電路27Bは、被覆電線28Bと、被覆電線28Bの端部のうち右サイドメンバー15に配された端部に接続された金属製の端子金具29Bと、を備える。端子金具29Bは、圧着、溶接等の公知の手法で被覆電線28Bに接続された電線接続部30Bと、電線接続部30Bに連なる平板部31Bと、を備える。平板部31Bは、スタッドボルト49が貫通される貫通孔(図示せず)を有する。
【0026】
第4導電路27D
フロントメンバー14と、右サイドメンバー15のうちクロスメンバー18よりも前方の領域とには、第4導電路27D(配索導電路の一例)が配索されている。第4導電路27Dは、上方から見て略L字状に屈曲した形状に配索されている。
図2に示すように、第4導電路27Dは、被覆電線28Dと、被覆電線28Dの端部のうち右サイドメンバー15に配された端部に接続された金属製の端子金具29Dと、を備える。端子金具29Dは、圧着、溶接等の公知の手法で被覆電線28Dに接続された電線接続部30Dと、電線接続部30Dに連なる平板部31Dと、を備える。平板部31Dは、ボルト32Dが貫通される貫通孔(図示せず)を有する。第4導電路27Dは、裸電線の端部に端子金具29Dが接続されたものを用いてもよく、また、バスバーを用いてもよい。
【0027】
第4導電路27Dは、フロントメンバー14の左端部寄りの位置において、フロントソーラーパネル23の負極端子25Aと、負極分岐路33を介して電気的に接続されている。負極分岐路33は、裸電線、又は被覆電線のような電線を用いてもよく、また、バスバーを用いてもよい。
【0028】
第1導電路27A
右サイドメンバー15のうちクロスメンバー18よりも後方の位置と、リアメンバー17には、第1導電路27A(配索導電路の一例)が配索されている。第1導電路27Aは、上方から見て略L字状に屈曲した形状に配索されている。
図2に示すように、第1導電路27Aは、被覆電線28Aと、被覆電線28Aの端部のうち右サイドメンバー15に配された端部に接続された金属製の端子金具29Aと、を備える。端子金具29Aは、圧着、溶接等の公知の手法で被覆電線28Aに接続された電線接続部30Aと、電線接続部30Aに連なる平板部31Aと、を備える。平板部31Aは、ボルト32Aが貫通される貫通孔(図示せず)を有する。第1導電路27Aは、裸電線の端部に端子金具29Aが接続されたものを用いてもよく、また、バスバーを用いてもよい。
【0029】
第1導電路27Aは、リアメンバー17の左端部寄りの位置において、リアソーラーパネル24の正極端子26Bと、正極分岐路34を介して電気的に接続されている。正極分岐路34は、裸電線、又は被覆電線のような電線を用いてもよく、また、バスバーを用いてもよい。
【0030】
左フロントピラー20、左サイドメンバー16、及び左リアピラー22には、正極導電路35と、負極導電路36とが、電気的に絶縁された状態で前後方向に延びて配索されている。正極導電路35、及び負極導電路36は、裸電線、又は被覆電線のような電線を用いてもよく、また、バスバーを用いてもよい。
【0031】
リアメンバー17の左端部と、左サイドメンバー16の後端部とが連結された部分の近傍において、正極導電路35と、第1導電路27Aとが、電気的に接続されている。また、フロントメンバー14の左端部と、左サイドメンバー16の前端部とが連結された部分の近傍において、負極導電路36と、第4導電路27Dとが、電気的に接続されている。
【0032】
図1に示すように、正極導電路35、及び負極導電路36は、左フロントピラー20から車体12の前部へと配索される。車体12の前部へ配索された正極導電路35、及び負極導電路36は、車体12の前半部分に配された前部電気部品37Aに電気的に接続されている。一方、正極導電路35、及び負極導電路36は、左リアピラー22から車体12の後部へも配索されている。車体12の後部へ配索された正極導電路35、及び負極導電路36は、車体12の後半部分に配された後部電気部品37Bに電気的に接続されている。前部電気部品37A、及び後部電気部品37Bは、正極導電路35及び負極導電路36により、並列接続されている。前部電気部品37A、及び後部電気部品37Bとしては、蓄電池、キャパシタ、インバータ、モータ等、必要に応じて任意の電気部品を適宜に選択することができる。
【0033】
図2に示すように、本実施形態においては、第1導電路27Aの平板部31Aと、第2導電路27Bの平板部31Bと、第3導電路27Cの平板部31Cと、第4導電路27Dの平板部31Dとは、上方から見て時計回り方向に間隔を空けて配置されている。
【0034】
なお、第1〜第4導電路27A,27B,27C,27Dの平板部31A,31B,31C,31Dは、一つの平面上に配されていてもよいし、また、平面上に配されていなくてもよい。また、第1導電路27A、第2導電路27B、第3導電路27C、及び第4導電路27Dの配置は特に限定されず、上方から見て時計回り方向に並んで配されていてもよいし、また、上方から見て時計回り方向に並んで配されていなくてもよい。
【0035】
配索路38
右サイドメンバー15には、前後方向に延びる配索路38が配置されている。
図2に示すように、配索路38は、金属製であって、上方に開口する溝状に形成されている。配索路38を構成する金属部材は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ステンレス鋼等、任意の金属を適宜に選択することができる。本実施形態では、配索路38には、アルミニウム又はアルミニウム合金が用いられている。配索路38は、押し出し成形、ダイキャスト成形、プレス成形等、任意の手法により形成することができる。本実施形態では押し出し成形により所定の形状に形成されている。
【0036】
配索路38は、図示しないブラケットにより右サイドメンバー15の底壁に取り付けられている。このブラケットによって、配索路38は、右サイドメンバー15の底壁からやや上方に持ち上げられた状態で保持されている。これにより、第2導電路27Bの平板部31B及び第3導電路27Cの平板部31Cは、右サイドメンバー15の底壁上に配されており、第1導電路27Aの平板部31A及び第4導電路27Dの平板部31Dは、右サイドメンバー15の底壁よりも上方に位置する配索路38の上に配されている。このように、第1導電路27Aの平板部31A及び第4導電路27Dの平板部31Dの上下方向についての高さ位置と、第2導電路27Bの平板部31B及び第3導電路27Cの平板部31Cの上下方向についての高さ位置は、異なっている。
【0037】
配索路38には、後述する端子台39よりも前方の領域に第4導電路27Dが配されており、端子台39よりも後方の領域に第1導電路27Aが配されている。換言すると、1つの配索路38は、端子台39を境にして、第4導電路27Dと、第1導電路27Aと、によって共用されている。
【0038】
配索路38の左端縁には、左方に突出すると共に前後方向に延びるフランジ82が形成されている。
【0039】
端子台39
右サイドメンバー15と、クロスメンバー18との接続部分には、第1導電路27Aの平板部31Aと、第2導電路27Bの平板部31Bと、第3導電路27Cの平板部31Cと、第4導電路27Dの平板部31Dと、に接続される端子台39が配されている。
【0040】
図10に示すように、端子台39は、ロアカバー40(アウターカバーの一例)と、ロアカバー40に重ねられると共に第2端子41B(端子の一例)及び第4端子41D(端子の一例)を有するロアバスバー42(バスバーの一例)と、ロアバスバー42に重ねられるミドルカバー43と、ミドルカバー43に重ねられると共に第1端子41A(端子の一例)及び第3端子41C(端子の一例)を有するアッパーバスバー44(バスバーの一例)と、アッパーバスバー44に重ねられるアッパーカバー45(アウターカバーの一例)と、を有する。
【0041】
端子台39が第1〜第4導電路27A,27B,27C,27Dに電気的に接続されることにより、第1導電路27Aと第3導電路27Cとが、第1導電路27Aの平板部31A、第1端子41A、ロアバスバー42、第3端子41C、及び第3導電路27Cの平板部31Cを介して電気的に接続され、また、第2導電路27Bと第4導電路27Dとが、第2導電路27Bの平板部31B、第2端子41B、アッパーバスバー44、第4端子41D、及び第4導電路27Dの平板部31Dを介して電気的に接続される。これにより、フロントソーラーパネル23と、リアソーラーパネル24とが、並列接続される。
【0042】
本実施形態においては、並列接続されたフロントソーラーパネル23及びリアソーラーパネル24と、並列接続された前部電気部品37A及び後部電気部品37Bとが、導電路11によって電気的に接続されるようになっている。
【0043】
ロアバスバー42
図3に示すように、ロアバスバー42は、金属板材を所定の形状にプレス加工してなる。ロアバスバー42を構成する金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、任意の金属を選択することができる。ロアバスバー42の表面には、スズ、ニッケル等、任意の金属からなるメッキ層が形成されていてもよい。
【0044】
ロアバスバー42は、上方から見て、略L字状をなしている。ロアバスバー42は、前後方向に延びる本体部46と、本体部46の前端部から右方に屈曲した屈曲部47と、を備える。本体部46の後端部には、下方に屈曲した段差部48Aと、この段差部48Aから後方に屈曲すると共に、第2導電路27Bの平板部31Bに接続される第2端子41Bと、が設けられている。第2端子41Bには、上方に突出するスタッドボルト49が設けられている。このスタッドボルト49にナット50が螺合されて、第2端子41Bとナット50との間に第2導電路27Bの平板部31Bが挟まれることにより、第2導電路27Bの平板部31Bと第2端子41Bとが電気的に接続されるようになっている。
【0045】
屈曲部47の右端部には、上方に屈曲した段差部48Bと、この段差部48Bから右方に屈曲すると共に、第4導電路27Dの平板部31Dに接続される第4端子41Dと、が設けられている。第4端子41Dには、上下方向に貫通する貫通孔51が設けられている。
【0046】
アッパーバスバー44
図5に示すように、アッパーバスバー44は、金属板材を所定の形状にプレス加工してなる。アッパーバスバー44を構成する金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、任意の金属を選択することができる。アッパーバスバー44の表面には、スズ、ニッケル等、任意の金属からなるメッキ層が形成されていてもよい。
【0047】
アッパーバスバー44は、上方から見て、略L字状をなしている。アッパーバスバー44は、前後方向に延びる本体部52と、本体部52の後端部から右方に屈曲した屈曲部53と、を備える。本体部52の前端部には、下方に屈曲した段差部54Aと、この段差部54Aから前方に屈曲すると共に、第3導電路27Cの平板部31Cに接続される第3端子41Cと、が設けられている。第3端子41Cには、上方に突出するスタッドボルト55が設けられている。このスタッドボルト55にナット50が螺合されて、第3端子41Cとナット50との間に第3導電路27Cの平板部31Cが挟まれることにより、第3導電路27Cの平板部31と第3端子41Cとが電気的に接続されるようになっている。
【0048】
本体部52には、前後方向の中央付近に、上下方向に立ち上がると共に前後方向について傾いた傾斜部56が設けられている。
【0049】
屈曲部56の右端部には、上方に屈曲した段差部54Bと、この段差部54Bから右方に屈曲すると共に、第1導電路27Aの平板部31Aに接続される第1端子41Aと、が設けられている。第1端子41Aには、上下方向に貫通する貫通孔57が設けられている。
【0050】
ロアカバー40
図3に示すように、ロアカバー40は、絶縁性の合成樹脂を射出成型することにより形成される。ロアカバー40はロアバスバー42が載置されるロアバスバー載置部58を有する。ロアバスバー載置部58は、上方に開口する溝状をなすと共に、ロアバスバー42の外形状と同じか、又はやや大きな形状をなしている。ロアバスバー載置部58の後端部には、第2端子41Bが載置される第2端子載置部62が、下方に垂下して形成されている。
【0051】
第2端子41Bに設けられたスタッドボルト49の頭部(図示せず)は第2端子41Bの下面から下方に突出している。第2端子載置部62の底壁には、スタッドボルト49の頭部との干渉を回避するための逃がし孔60が形成されている。
【0052】
ロアバスバー載置部58のうち、ロアバスバー42の第4端子41Dに対応する位置には、第4端子41Dが載置される第4端子載置部61が設けられている。第4端子載置部61には、ナット69が埋設されている。このナット69は、第4端子41Dに設けられた貫通孔51と対応する位置に設けられている。
【0053】
第4端子載置部61の前方には、上方に開口する溝状に形成された第4導電路収容部63が、
前方に延びて形成されている。この第4導電路収容部63内に、第4導電路27Dを構成する被覆電線28D、及び端子金具29Dが収容されるようになっている。
【0054】
ロアバスバー載置部58の左方の位置には、ミドルカバー43が、薄い板状をなすヒンジ64を介して、ロアカバー40と一体に形成されている。ミドルカバー43は、絶縁性の合成樹脂製であって、ロアカバー40と同一の射出成型工程により形成される。ヒンジ64は撓み変形可能に形成されており、このヒンジ64が撓み変形することによって、ミドルカバー43は前後方向を軸線として回動可能になっている。ミドルカバー43のうちヒンジ64と反対側の端縁に形成されたロック部65と、ロアカバー40に形成されたロック受け部66とが弾性的に係止することにより、ミドルカバー43は、ロアバスバー42を上方から覆うようになっている。
【0055】
ミドルカバー43は、L字状をなしてロアバスバー42を上方から覆う本体部67と、本体部67の下端部から立ち上がる段差部68と、を有する。本体部67は、上方から見て略L字状をなしている。ミドルカバー43の本体部67によって、ロアバスバー42の本体部46及び屈曲部47が上方から覆われると共に、ミドルカバー43の段差部68によって、ロアバスバー42のうち第2端子41B側の段差部48Aが後方から覆われるようになっている。換言すると、ロアバスバー42のうち、本体部46、屈曲部47、及び段差部48Aは、ミドルカバー43と重なる重なり部85Aとされる。
【0056】
図5に示すように、ミドルカバー43が閉じられた状態で、ロアカバー40とミドルカバー43には、アッパーバスバー44が上下方向に重ねられるようになっている。ロアカバー40の前端部寄りの位置であって、ミドルカバー43から露出する領域には、アッパーバスバー44の前部が重ねられる、前部アッパーバスバー載置部70が、上方に開口する溝状に形成されている。前部アッパーバスバー載置部70の底面と、ロアバスバー載置部58の底面とは、上下方向について同じ高さ位置に設定されている。前部アッパーバスバー載置部70と、ロアバスバー載置部58との間には、上方に突出すると共に左右方向に延びる隔壁74が設けられている。前部アッパーバスバー載置部70の前端部には、第3端子41Cが載置される第3端子載置部71が、下方に垂下して形成されている。
【0057】
アッパーバスバー44のうち、ミドルカバー43の上に重なっている部分は、重なり部85Bとされる。詳細には、アッパーバスバー44の本体部52のうち傾斜部56よりも後方の領域が重なり部85Bとされる。
【0058】
第3端子41Cに設けられたスタッドボルト55の頭部(図示せず)は第3端子41Cの下面から下方に突出している。第3端子載置部71の底壁には、スタッドボルト55の頭部との干渉を回避するための逃がし孔72が形成されている。
【0059】
前後方向についてロアカバー40の中央位置よりもやや後方の位置には、アッパーバスバー44の後部が載置される、後部アッパーバスバー載置部73が、上方に開口する溝状に形成されている。後部アッパーバスバー載置部73の上面は、ロック部65とロック受け部66とが係止された状態のミドルカバー43の上面と、上下方向について略同じ高さ位置に設定されている。
【0060】
図6に示すように、アッパーバスバー44の傾斜部56によって、アッパーバスバー44の後部は、ロアバスバー42の隔壁74を乗り越えて、ミドルカバー43の上面に載置されるようになっている。
【0061】
後部アッパーバスバー載置部73のうち、アッパーバスバー44の第1端子41Aに対応する位置には、第1端子41Aが載置される第1端子載置部59が設けられている。第1端子載置部59には、ナット69が埋設されている。このナット69は、第1端子41Aに設けられた貫通孔57と対応する位置に設けられている。
【0062】
第1端子載置部59の後方には、上方に開口する溝状に形成された第1導電路収容部75が、後方に延びて形成されている。この第1導電路収容部75内に、第1導電路27Aを構成する被覆電線28A、及び端子金具29Aが収容されるようになっている。
【0063】
図7に示すように、第1導電路収容部75と、第4導電路収容部63とは、前後方向について同軸上に延びて形成されており、配索路38内に配されるようになっている。
【0064】
ロアカバー40は、配索路38内に、第1導電路収容部75、及び第4導電路収容部63が配置された状態で、ボルト83により、フランジ82に固定されている。
【0065】
ロアバスバー42の第2端子41B及び第4端子41Dは、ミドルカバー43と重なる重なり部85Aから放射状に離間した位置に配されると共に、ミドルカバー43から露出している。また、アッパーバスバー44の第1端子41A及び第3端子41Cは、ミドルカバー43と重なる重なり部85Bから放射状に離間した位置に配されている。
【0066】
アッパーカバー45
図8に示すように、アッパーカバー45は、絶縁性の合成樹脂を射出成型することにより形成されるようになっている。アッパーカバー45は、アッパーバスバー44の上に重ねられた状態で、ロアカバー40に一体に組み付けられるようになっている。アッパーカバー45には、アッパーバスバー44の前部を覆う前部カバー部76と、アッパーバスバー44の後部とロアバスバー42の屈曲部47とを覆う後部カバー部77と、を備える。
【0067】
前部カバー部76の前端部には、前部カバー部76から下方に延びる段差部78が設けられている。前部カバー部76によって、アッパーバスバー44の前部が上方から覆われると共に、前部カバー部76の段差部78によって、アッパーバスバー44のうち第3端子41C側の段差部54Aが前方から覆われるようになっている。
【0068】
前部カバー部76には、ロック部79が形成されており、ロアカバー40部に形成されたロック受け部80に弾性的に係止するようになっている。これにより、アッパーカバー45がロアカバー40に一体に組み付けられるようになっている。
【0069】
後部カバー部77は、前部カバー部76よりも上方に一段高く形成されている。これにより、アッパーバスバー44の傾斜部56によって上方に一段高く形成されているアッパーバスバー44の後部に対応して、上方からアッパーバスバー44の後部を覆うようになっている。
【0070】
後部カバー部77には、第1端子41Aに対応する位置と、第4端子41Dに対応する位置に、上方に膨出するボルト逃がし部81が形成されている。このボルト逃がし部81により、第1端子41A及び第4端子41Dに締結されるボルト32A,32Dの頭部と、後部カバー部77とが干渉することが回避されるようになっている。
【0071】
製造工程の一例
続いて、本実施形態に係る端子台39、及び導電路11の製造工程の一例について説明する。なお、端子台39、及び導電路11の製造工程は、以下の記載に限定されない。
【0072】
絶縁性の合成樹脂を射出成型することにより、ミドルカバー43と一部品になっているロアカバー40を形成すると共に、アッパーカバー45を形成する。
【0073】
金属板材をプレス加工することにより、ロアバスバー42、及びアッパーバスバー44を所定の形状に形成する。
【0074】
図3及び
図4に示すように、ロアカバー40の、ロアバスバー載置部58にロアバスバー42を載置する。続いて、
図5に示すように、ヒンジ64を撓み変形させることにより、ミドルカバー43をロアバスバー42の上方に重ねる。ミドルカバー43のロック部65と、ロアカバー40のロック受け部66とを弾性的に係止することにより、ミドルカバー43がロアバスバー42を覆った状態で保持される。
【0075】
図5及び
図6に示すように、ミドルカバー43が閉じられた状態のロアカバー40に、アッパーバスバー44を重ねる。具体的には、前部アッパーバスバー載置部70と、後部アッパーバスバー載置部73に、アッパーバスバー44を載置する。
【0076】
公知の手法により、フロントソーラーパネル23、及びリアソーラーパネル24を形成する。
【0077】
アルミニウム又はアルミニウム合金を押し出し成形することにより、配索路38を形成する。
【0078】
公知の手法により、右フロントピラー19、左フロントピラー20、右リアピラー21、左リアピラー22、及びルーフフレーム13を形成する。
【0079】
フロントソーラーパネル23、及びリアソーラーパネル24をルーフフレーム13に取り付ける。また、配索路38を右サイドメンバー15に取り付ける。
【0080】
図7に示すように、ロアカバー40、及びミドルカバー43に取り付けた状態のロアバスバー42、及びアッパーバスバー44を、配索路38にボルト83で取り付ける。
【0081】
第1導電路27A、第2導電路27B、第3導電路27C、第4導電路27D、負極分岐路33、及び正極分岐路34を、フロントソーラーパネル23、リアソーラーパネル24、配索路38、ルーフフレーム13に配設する。また、正極導電路35、及び負極導電路36を左フロントピラー20、左サイドメンバー16、左リアピラー22に配設する。
【0082】
図8に示すように、ロアカバー40、及びミドルカバー43に取り付けた状態のロアバスバー42、及びアッパーバスバー44を、第1導電路27A、及び第4導電路27Dに接続する。
【0083】
続いて、
図8及び
図9に示すように、ロアバスバー42、及びアッパーバスバー44が配置されたロアカバー40に、アッパーカバー45を上方から組み付ける。アッパーカバー45のロック部79と、ロアカバー40のロック受け部80とを弾性的に係止することにより、アッパーカバー45がロアカバー40に一体に組み付けられる。これにより、端子台39が完成する。更に、第2導電路27Bの平板部31Bを第2端子41Bに接続し、第3導電路27Cの平板部31Cを第3端子41Cに接続する。これにより、端子台39と、導電路11とが完成する。
【0084】
実施形態の作用効果
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態は、重なり部85A,85Bを有して、重なり部85A,85Bにおいて重なっているロアバスバー42及びアッパーバスバー44と、ロアバスバー42の重なり部85Aと、アッパーバスバー44の重なり部85Bとの間に配された絶縁性のミドルカバー43と、を備えた端子台39であって、ロアバスバー42及びアッパーバスバー44のそれぞれには、重なり部85A,85Bと異なる位置にミドルカバー43から露出した端子41A,41B,41C,41Dが設けられており、端子41A,41B,41C,41Dは、重なり部85A,85Bから放射状に離間した位置に配されている。
【0085】
上記の構成によれば、ロアバスバー42とアッパーバスバー44とはミドルカバー43によって絶縁されているので、1つのカバー内に1つのバスバーが配された複数の導電路を用いる場合に比べて、配索スペースを小型化することができる。
【0086】
また、本実施形態によれば、上下方向について最下部に位置するロアバスバー42の下方には絶縁性のロアカバー40が組み付けられている。また、上下方向について最上部に位置するアッパーバスバー44の上方には、絶縁性のアッパーカバー45が組み付けられている。
【0087】
上記の構成によれば、ロアバスバー42はロアカバー40によって絶縁されており、アッパーバスバー44はアッパーカバー45によって絶縁されている。これにより、ロアバスバー42及びアッパーバスバー44に異物が接触することによって短絡が生じることを抑制することができる。
【0088】
また、本実施形態によれば、ミドルカバー43は、ロアカバー40と、可撓性を有するヒンジ64を介して一体に形成されている。
【0089】
上記の構成によれば、ミドルカバー43とロアカバー40とを一体に形成することができるので、部品点数を削減することができる。また、ヒンジ64を撓み変形させるという簡易な作業によってミドルカバー43をロアバスバー42に重ねることができるので、端子台39の製造作業を効率化することができる。
【0090】
また、本実施形態に係る導電路11は、端子台39と、配索路38に配された第1導電路27A及び第4導電路27Dと、配索路38と異なる場所に配された第2導電路27B及び第3導電路27Cと、を備え、端子台39を介して、第1導電路27Aと第3導電路27Cとが電気的に接続されており、第2導電路27Bと第4導電路27Dとが電気的に接続されている。
【0091】
上記の構成によれば、配索路38を、第1導電路27Aと第4導電路27Dで共用することができるので、第1導電路27Aと第4導電路27Dとを異なる配索路にそれぞれ配する場合に比べて、導電路11の配索スペースを効率化することができる。
【0092】
<実施形態2>
次に、本明細書に開示された技術の実施形態2を
図11から
図22を参照しつつ説明する。
【0093】
図11に示すように、本実施形態に係る端子台90は、ロアカバー91と、ミドルカバー92と一体に形成されたアッパーカバー93と、を有する。
図15に示すように、本実施形態に係るロアカバー91は、ヒンジ64、及び、ヒンジ64と一体に形成されたミドルカバー43が設けられていない点で、実施形態1に係るロアカバー40と異なる。
【0094】
図11から
図14に示すように、本実施形態に係るミドルカバー92は、ロアカバー40とは別部品として形成されている。ミドルカバー92の左端縁には、上方に延びる連結部94が一体に形成されている。この連結部94の上端部には、アッパーカバー93が一体に形成されている。連結部94は上下方向に延びると共に前後方向にも延びる板状をなしている。
【0095】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0096】
製造工程
続いて、本実施形態に係る端子台39の製造工程の一例について説明する。なお、端子台39の製造工程は、以下の記載に限定されない。なお、実施形態1に係る製造工程を重複する工程については記載を省略する。
【0097】
絶縁性の合成樹脂を射出成型することにより、ロアカバー91を形成すると共に、ミドルカバー92と一部品となっているアッパーカバー93を形成する。
【0098】
図15及び
図16に示すように、ロアカバー91の、ロアバスバー載置部58にロアバスバー42を載置する。続いて、
図16及び
図17に示すように、ロアバスバー42の上方にアッパーバスバー44を重ねる。具体的には、ロア
カバー91の前部アッパーバスバー載置部70と、後部アッパーバスバー載置部73に、アッパーバスバー44を載置する。
図18に示すように、この状態で、ロアバスバー42と、アッパーバスバー44との間には隙間97が形成されている。ミドルカバー92の上下方向の厚さ寸法は、隙間97の上下方向の間隔と、同じか、又は小さく設定されている。
【0099】
図19に示すように、ロアカバー91に取り付けた状態のロアバスバー42、及びアッパーバスバー44を、配索路38にボルト83で取り付ける。続いて、
図20に示すように、ロアカバー91に取り付けた状態のロアバスバー42、及びアッパーバスバー44を、第1導電路27A、及び第4導電路27Dに接続する。
【0100】
続いて、
図20及び
図21に示すように、ロアバスバー42、及びアッパーバスバー44が配置されたロアカバー91に、ミドルカバー92が一体に形成されたアッパーカバー93を左方から組み付ける。ミドルカバー92のロック部95と、ロアカバー91のロック受け部96とを弾性的に係止することにより、ミドルカバー92がロアカバー91に一体に組み付けられる。
図22に示すように、ミドルカバー92は、ロアバスバー42とアッパーバスバー44との間に形成された隙間97に挿入されることにより、ロアバスバー42とアッパーバスバー44とは、ミドルカバー92によって絶縁される。
【0101】
また、アッパーカバー93のロック部95と、ロアカバー91のロック受け部96とを弾性的に係止することにより、アッパーカバー93がロアカバー91に一体に組み付けられる。これにより、端子台90が完成する。
【0102】
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態によれば、ミドルカバー92は、アッパーカバー93と、上下方向に沿って延びる連結部94によって連結されている。
【0103】
上記の構成によれば、ミドルカバー92と、アッパーカバー93とを一体に形成することができるので、部品点数を削減することができる。
【0104】
また、ロアバスバー42とアッパーバスバー44との隙間97に、ミドルカバー92を左方から挿入するという簡易な手法により、ロアバスバー42とアッパーバスバー44とを電気的に絶縁することができる。
【0105】
<他の実施形態>
本明細書に開示された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に開示された技術の技術的範囲に含まれる。
【0106】
(1)本実施形態においては、端子台は2つのバスバーを有する構成としたが、これに限られず、3つ以上のバスバーを有する構成としてもよい。
【0107】
(2)本実施形態においては、1つのバスバーの両端部に2つの端子が設けられる構成としたが、これに限られず、1つのバスバーの両端部に加えて、このバスバーから分岐した分岐部の端部に端子が設けられる構成としてもよい。換言すると、1つのバスバーは、3つ以上の端子を有する構成としてもよい。
【0108】
(3)ロアカバー、ミドルカバー、アッパーカバーは、ロアバスバー42及びアッパーバスバー44を絶縁性の合成樹脂でインサート成型することにより、一体に形成してもよい。
【0109】
(4)ロアカバー、ミドルカバー、及びアッパーカバーは、それぞれ別体の部材であってもよい。
【0110】
(5)ミドルカバーとアッパーカバーとがヒンジにより一体に形成されていてもよい。また、ロアカバーとミドルカバーとがヒンジにより一体に形成されると共に、ミドルカバーとアッパーカバーとがヒンジにより一体に形成される構成としてもよい。
【0111】
(6)ロアカバーとミドルカバーとが連結部により連結される構成としてもよい。また、ロアカバーとミドルカバーとアッパーカバーとが上下方向に延びる連結部94により一体に連結される構成としてもよい。
【0112】
(7)第1導電路27Aと第4導電路27Dとは、別々の配索路38に配置される構成としてもよい。
【0113】
(8)第1端子41A、第2端子41B、第3端子41C、及び第4端子41Dは、上下方向について同じ高さ位置に配置される構成としてもよい。
【0114】
(9)端子台は、ケース内に複数の蓄電素子が収容された蓄電パック内に配される構成としてもよく、車両10の任意の位置に配置することができる。これにより、端子台は、複数の蓄電素子を電気的に接続することができる。
【0115】
(10)第2導電路27B及び第4導電路27Dが省略される場合には、ロアバスバー42、及びミドルカバー43を省略してもよい。同様に、第1導電路27A及び第3導電路27Cが省略される場合には、アッパーバスバー44、及びミドルカバー43を省略してもよい。