(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
スイッチング素子をオン/オフ制御することで電力変換を行う電力変換装置では、一般的に、20kHz以上とされているスイッチング周波数においてスイッチング制御を行うために、スイッチング素子のオン/オフに起因した高い周波数のスイッチングノイズが発生する。これにより、電子機器の誤動作又は機能停止などの障害が発生するという問題があった。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された従来例1に係る電力変換装置101の構成を
図9に示す。
図9において、電力変換装置101は、電源フィルタ回路110と、電圧変換回路120とを備えて構成される。ここで、電源フィルタ回路110は、コンデンサ111aからなる第1のフィルタ回路111と、コンデンサ112aと抵抗112bの直列回路からなる第2のフィルタ回路112とが並列に接続されて構成される。また、電圧変換回路120は、スイッチング素子121a,121bからなるスイッチング回路121と、コイル122aとコンデンサ122bからなるローパスフィルタ122とを備えて構成される。
【0004】
従来技術に係る電力変換装置において、寄生インダクタンスの影響により、出力に高周波リンギングノイズ(100MHz〜数100MHz)が周波数帯域で発生することが知られている。
図9の従来例1に係る電力変換装置では、高周波ノイズを低減するために、大容量のバルクコンデンサ111aからなる第1のフィルタ回路111と、ノイズ対策用の小容量コンデンサ112aを有する第2のフィルタ回路112とを付加することで、駆動パルス信号の安定化を図りつつ、高周波ノイズを低減している。
【0005】
また、特許文献2に開示された従来例2に係る電力変換装置では、スイッチング回路の後段に設けられた高周波用バイパスコンデンサと低周波用バイパスコンデンサとの間を比較的小さいインダクタンスで接続し、これにより、スイッチングノイズの比較的小さい高周波領域で動作させることを特徴としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来例2では、高周波用バイパスコンデンサと低周波用バイパスコンデンサとの間に必然的に配線による寄生インダクタンス(以下、配線インダクタンスという)が存在する。このため、これらLC回路により共振現象が発生する。
【0008】
図10は本発明の課題を説明するための共振周波数frと配線インダクタンスとの関係を示すグラフである。
図10に示すように、共振周波数frがスイッチング周波数f
SWからその上限frmaxに向かって変化するにつれて、配線インダクタンスが低下する。しかし、当該共振周波数frとスイッチング周波数f
SWとが一致した場合に、スイッチングノイズが共振現象によりさらに増幅されるという問題点があった。
【0009】
また、今後、次世代パワーデバイスにより高周波化が進み、高周波領域でのノイズレベルがさらに増加することが予測される。
【0010】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して、電力変換装置におけるスイッチングノイズを確実に低減することができる電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係る電力変換装置は、
直流電圧を所定のスイッチング周波数(f
SW)でスイッチングすることで交流電圧を発生する少なくとも1つのスイッチング回路と、
前記スイッチング回路からの交流電圧を低域通過ろ波することで直流電圧に変換して負荷に出力するフィルタ回路とを備えた電力変換装置において、
前記フィルタ回路は、
前記スイッチング回路からの交流電圧のうち第1の周波数成分のノイズをバイパスする第1のバイパスコンデンサと、
前記スイッチング回路からの交流電圧のうち、前記第1の周波数成分よりも低い第2の周波数成分のノイズをバイパスする第2のバイパスコンデンサと、
前記第1のバイパスコンデンサと前記第2のバイパスコンデンサとの間に挿入された少なくとも1つのインダクタとを備え、
前記インダクタのインダクタンス(L)は、前記フィルタ回路による共振周波数(f
r)が前記インダクタの挿入により前記スイッチング周波数(f
SW)の複数倍未満になるように設定されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
従って、本発明に係る電力変換装置によれば、回路構成の複雑化を回避し、従来技術に比較して電力変換装置におけるスイッチングノイズを確実に低減しかつ高い効率で動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】実施形態1に係る電力変換装置の構成例を示す回路図である。
【
図1B】実施形態1の変形例に係る電力変換装置の構成例を示す回路図である。
【
図2】実施形態2に係る昇圧機能を有する非同期型電力変換装置の構成例を示す回路図である。
【
図3】実施形態3に係る昇圧機能を有する同期型電力変換装置の構成例を示す回路図である。
【
図4】実施形態4に係る昇圧機能を有する同期型電力変換装置の構成例を示す回路図である。
【
図5】実施形態5に係る昇圧機能を有する同期型電力変換装置の構成例を示す回路図である。
【
図6】
図3の電力変換装置のシミュレーション結果であって、効率Ef及び
実効電流のリップルIeの周波数特性を示すグラフである。
【
図7】
図3の電力変換装置のシミュレーション結果であって、共振周波数f
rがスイッチング周波数f
SWの2倍(140kHz)に一致しないときの各動作信号波形を示すタイミングチャートである。
【
図8】
図3の電力変換装置のシミュレーション結果であって、共振周波数f
rがスイッチング周波数f
SWの2倍(140kHz)に一致したときの各動作信号波形を示すタイミングチャートである。
【
図9】従来例1に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。
【
図10】本発明の課題を説明するための共振周波数frと配線インダクタンスとの関係を示すグラフである。
【
図11】従来例
1に係る電力変換装置の課題を示すスイッチングノイズの周波数特性を示すグラフである。
【
図12】本実施形態に係る、課題を解決する手段により得られる作用効果を示すスイッチングノイズの周波数特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0015】
実施形態1.
図1Aは実施形態1に係る電力変換装置の構成例を示す回路図である。
図1Aにおいて、実施形態1に係る電力変換装置は、直流電圧源11と、負荷15との間に挿入される。当該電力変換装置は、スイッチング回路10と、フィルタ回路30とを備えて構成される。スイッチング回路10は、直流電圧源11からの直流電圧を所定のスイッチング周波数(f
SW)でスイッチングすることで交流電圧を発生してフィルタ回路30に出力する。次いで、フィルタ回路30は、スイッチング回路からの交流電圧を低域通過ろ波することで直流電圧に変換して負荷15に出力する。
【0016】
スイッチング回路10は、直流電圧をスイッチングするスイッチング素子と、スイッチング素子を所定のデューティ比でオン/オフ制御で駆動するための駆動信号を発生する制御回路20とを備えて構成される。
【0017】
フィルタ回路30は、バイパスコンデンサ12,13と、インダクタ14A,14Bとを備えて構成される。スイッチング回路10からの交流電圧はバイパスコンデンサ12の両端に印加され、バイパスコンデンサ12の一端はインダクタ14Aを介してバイパスコンデンサ13の一端に接続され、バイパスコンデンサ12の他端はインダクタ14Bを介してバイパスコンデンサ13の他端に接続される。ここで、バイパスコンデンサ12は、スイッチング回路10からの交流電圧のうち第1の周波数成分(比較的高い周波数成分)のスイッチングノイズをバイパスする。バイパスコンデンサ13は、スイッチング回路10からの交流電圧のうち、前記第1の周波数成分よりも低い第2の周波数成分(比較的低い周波数成分)のノイズをバイパスする。インダクタ14A,14Bの
合成インダクタンス(L)は、フィルタ回路30による共振周波数f
rがインダクタ14A,14Bの挿入によりスイッチング周波数f
SWの複数倍未満になるように設定される。
【0018】
すなわち、本実施形態では、バイパスコンデンサ12のキャパシタンスをC
1とし、バイパスコンデンサ13のキャパシタンスをC
2としたとき、スイッチング周波数f
SWと共振周波数(f
r)とは次式のように設定される。
【0020】
ここで、Nは2以上の整数又は自然数であり、すなわち、複数である。本実施形態において、2つのインダクタ14A,14Bのうちの1つのインダクタを削除してもよい。また、インダクタ14A,14Bは、配線インダクタと、実装インダクタと、実装コイルとのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0021】
以上のように構成された電力変換装置において、バイパスコンデンサ12,13は、電力変換装置が動作するときに、直流電圧源11の直流電圧が変動することを回避することを目的として、スイッチング回路10負荷15との間の電源ラインと、グラウンドラインとの間に接続される。ここで、バイパスコンデンサ12はスイッチング回路10から発生する高周波スイッチングノイズ成分を還流させる役割を有し、バイパスコンデンサ13は低周波スイッチングノイズ成分を還流させる役割を有する。インダクタ14A,14Bは、バイパスコンデンサ12,13間の共振周波数を低減させる役割を有する。なお、バイパスコンデンサ12,13はそれぞれ容量を満足するために、複数のコンデンサを並列、または直列接続した
ものでもよい。
【0022】
以上説明したように、本実施形態に係る電力変換装置によれば、回路構成の複雑化を回避し、従来技術に比較して電力変換装置におけるスイッチングノイズを確実に低減しかつ高い効率で動作させることができる。ここで、挿入するコンデンサとして比較的小さいリップルの部品を選択することができ、また、インダクタを挿入することで過電流を抑制でき、スイッチング素子の放熱体を従来技術に比較して小さくできる。
【0023】
なお、実施形態1の変形例は、実施形態2〜5にも適用できる。
【0024】
実施形態1の変形例.
図1Bは実施形態1の変形例に係る電力変換装置の構成例を示す回路図である。
図1Bの電力変換装置は、
図1Aの電力変換装置に比較して、以下の点が異なる。
(1)1個のスイッチング回路10に代えて、複数M個のスイッチング回路10−1〜10−Mを備える。各スイッチング回路10−1〜10−Mはそれぞれ、スイッチング素子を駆動する駆動信号を発生する制御回路20−1〜20−Mをそれぞれ別々に備えてもよいし、1つの制御回路で複数のスイッチング回路10−1〜10−Mの各スイッチング素子を駆動してもよい。
【0025】
以上のように構成された実施形態1の変形例に係る電力変換装置は、実施形態1に係る電力変換装置と同様の作用効果を有する。
【0026】
実施形態2.
図2は実施形態2に係る昇圧機能を有する非同期型電力変換装置の構成例を示す回路図である。実施形態2に係る電力変換装置は、
図1の電力変換装置に比較して、スイッチング回路10の回路構成を詳細に示すものであり、相違点のみを以下に説明する。
【0027】
図2において、スイッチング回路10は、昇圧用リアクトル16と、例えばMOSFET、IGBT等で構成されるスイッチング素子Q1と、ダイオードD1と、制御回路20とを備えて構成される。直流電圧源11からの直流電圧はリアクトル16を介してスイッチング素子Q1のドレイン・ソースの両端に印加され、スイッチング素子Q1のドレインはダイオードD1を介してバイパスコンデンサ12の一端に接続される。制御回路20は、スイッチング素子Q1を所定のデューティ比でオン/オフ制御で駆動するための駆動信号S1を発生してスイッチング素子Q1のゲートに印加する。
【0028】
以上のように構成された実施形態2に係る電力変換装置は、非同期型昇圧機能を有することを除き、実施形態1に係る電力変換装置と同様の作用効果を有する。
【0029】
実施形態3.
図3は実施形態3に係る昇圧機能を有する同期型電力変換装置の構成例を示す回路図である。実施形態3に係る電力変換装置は、
図2の電力変換装置に比較して、以下の相違点を有する。
(1)スイッチング回路10に代えて、スイッチング回路10Aを備える。
(2)スイッチング回路10Aは、昇圧用リアクトル16と、例えばMOSFET、IGBT等で構成されるスイッチング素子Q1,Q2と、制御回路20Aとを備えて構成される。
【0030】
図3において、直流電圧源11からの直流電圧はリアクトル16を介してスイッチング素子Q1のドレイン・ソースの両端に印加され、スイッチング素子Q1のドレインはスイッチング素子Q2のソース及びドレインを介してバイパスコンデンサ12の一端に接続される。制御回路20Aは、スイッチング素子Q1,Q2を所定のデューティ比でかつ互いに異なる期間で同期してオン/オフ制御で駆動するための駆動信号S1,S2を発生してスイッチング素子Q1のゲートに印加する。
【0031】
以上のように構成された実施形態3に係る電力変換装置は、同期型昇圧機能を有することを除いて、実施形態2に係る電力変換装置と同様の作用効果を有する。
【0032】
実施形態4.
図4は実施形態4に係る昇圧機能を有する同期型電力変換装置の構成例を示す回路図である。実施形態4に係る電力変換装置は、
図3の電力変換装置に比較して、以下の相違点を有する。
(1)インダクタ14Aに代えて、コモンモードチョーク
コイル(CMC)17の第1のインダクタL1を備える。
(2)インダクタ14Bに代えて、コモンモードチョーク
コイル(CMC)17の第2のインダクタL2を備える。
【0033】
ここで、コモンモードチョーク
コイル(CMC)17は特にコモンモードノイズを除去するために設けられる。なお、コモンモードチョーク
コイル(CMC)17に代えて、2つのインダクタL1,L2であってもよい。また、2つのインダクタL1,L2は、コモンモードチョーク
コイル(CMC)の漏れインダクタ
ンスを含んでもよい。
【0034】
以上のように構成された実施形態4に係る電力変換装置は、同期型昇圧機能を有することを除いて、実施形態2に係る電力変換装置と同様の作用効果を有する。
【0035】
実施形態5.
図5は実施形態5に係る昇圧機能を有する同期型電力変換装置の構成例を示す回路図である。実施形態5に係る電力変換装置は、
図4の電力変換装置に比較して、以下の相違点を有する。
(1)直流電圧源11と並列に接続されたバイパスコンデンサ18をさらに備える。
(2)バイパスコンデンサ13の他端は、所定のしきい値電流以上の電流が流れたときに切断されるヒューズ19を介して負荷15の接地側に接続される。
(3)バイパスコンデンサ18の接地側他端は、コモンモードチョーク
コイル(CMC)17の第2のインダクタL2を介して、バイパスコンデンサ13とヒューズ19の接続点に接続される。
【0036】
以上のように構成された電力変換装置において、ヒューズ19を追加することで、バイパスコンデンサ13,18の過電流を抑制することができる。コモンモードチョーク
コイル(CMC)17を設けることで、当該コモンモードチョーク
コイル(CMC)17に係るインダクタL1,L2と、各バイパスコンデンサ12,13との組み合わせで構成される共振回路の共振周波数を低減させることができる。本実施形態のその他の作用効果は、実施形態4と同様である。
【実施例】
【0037】
図6は
図3の電力変換装置のシミュレーション結果であって、効率Ef及び
実効電流のリップルIeの周波数特性を示すグラフである。本発明者らは、
図3の実施形態3に係る電力変換装置の回路構成を用いて、回路シミュレータ(ソフト名:Simetrix)を用いて共振抑制の効果を確認するためのシミュレーションを行った。以下の表1にそのシミュレーション条件を示す。
【0038】
[表1]
――――――――――――――――――――――――――――――
項目 数値
――――――――――――――――――――――――――――――
直流電圧源11の電圧 100V
スイッチング周波数f
SW 70kHz
バイパスコンデンサ12 2.2μF
バイパスコンデンサ13 131μF
インダクタ14A,14B 0.21〜28.8μH(可変)
負荷15 68.2Ω
――――――――――――――――――――――――――――――
【0039】
インダクタ14A,14Bの
合成インダクタンス値を変更することで、共振周波数f
rを変更した。共振周波数f
rをスイッチング周波数f
SWの複数倍未満にすることで、リップルIeの低減、及び効率Efの向上の確認を行った。
図7から明らかなように、f
r=f
SWのときは、効率Efが低下し、実効電流のリップルIeが増大していることがわかり、f
r<f
SWにすることで、f
r=f
SWのときに比較して、効率Efが向上し、実効電流のリップルIeが低下していることがわかる。
【0040】
図7は
図3の電力変換装置のシミュレーション結果であって、共振周波数f
rがスイッチング周波数f
SWの2倍(140kHz)に一致しないときの各動作信号波形を示すタイミングチャートである。また、
図8は
図3の電力変換装置のシミュレーション結果であって、共振周波数frがスイッチング周波数f
SWの2倍(140kHz)に一致したときの各動作信号波形を示すタイミングチャートである。
図8から明らかなように、共振周波数frがスイッチング周波数f
SWの2倍(140kHz)に一致したとき、リップル電流及びリップル電圧が増大していることが分かる。これに対して、共振周波数frがスイッチング周波数f
SWの2倍(140kHz)に一致しないとき、リップル電流及びリップル電圧が減少していることが分かる。
【0041】
従来例1との比較.
図11は従来例1に係る電力変換装置の課題を示すスイッチングノイズの周波数特性を示すグラフであり、
図12は本実施形態に係る、課題を解決する手段により得られる作用効果を示すスイッチングノイズの周波数特性を示すグラフである。
【0042】
図11の従来例1に係る電力変換装置では、パワースイッチング素子に、複数のIGBTを使用しており、スイッチング周波数は20kHzであって比較的低周波である。従来例1では、2つのバイパスコンデンサ間を比較的低インダクタで接続し、当該低インダクタンスのインダクタによりノイズレベルの小さい高周波領域で動作させている。
【0043】
しかしながら、従来例1に係る電力変換装置において、スイッチング回路のスイッチング素子として、次世代パワー半導体スイッチング素子(SiC又はGaN)を用いて高周波することで、電力変換装置の小型化及び高効率化を実現できる。しかし、高周波化に伴い、
スイッチング周波数をバイパスコンデンサ間の共振周波数と一致する可能性があり、リップルの増加、効率の悪化、寿命の低減につながる。
【0044】
特に、スイッチング回路10A,10Bにおいて、スイッチング回路10内のスイッチング素子が誤動作した場合、バイパスコンデンサ12,13から過電流が流れる可能性がある。本実施形態では、従来技術に比較して共振周波数が低く従来技術に比較して大容量のバイパスコンデンサ13の前段において、従来技術に比較して大きなインダクタンスを有するインダクタ14A,14Bを配置しているため、過電流抑制の効果が得られる。これに対して、従来例では、インダクタのインダクタンスは本実施形態に比較して小さいため過電流抑制効果は小さい。
【0045】
これに対して、実施形態1〜4によれば、
図12に示すように、インダクタのインダクタンスの増加により共振周波数frをスイッチング周波数f
SWの複数倍未満にすることで、スイッチングノイズが発生しないスイッチング周波数f
SWで駆動させることができる。これに対して、従来例2では、インダクタンスの減少により共振周波数frをスイッチング周波数f
SWの複数倍より大きくすることで、ノイズレベルの小さいスイッチング周波数f
SWで駆動している。今後、次世代パワーデバイスを用いてスイッチング素子を構成することにより電力変換装置の高周波化が進み、高周波領域においてノイズレベルが増大するが、本実施形態の構成を用いることで、将来的に、ノイズレベルの小さい低周波領域へ移行することでこれらの課題を解決できる。