特許第6973325号(P6973325)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973325
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H02N 11/00 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   H02N11/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-151926(P2018-151926)
(22)【出願日】2018年8月10日
(65)【公開番号】特開2020-28188(P2020-28188A)
(43)【公開日】2020年2月20日
【審査請求日】2020年7月29日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「次世代ロボット中核技術開発/革新的ロボット要素技術分野/スライドリングマテリアルを用いた柔軟センサーおよびアクチュエータの研究開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】尾藤 晋一
(72)【発明者】
【氏名】島田 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】藤原 武史
【審査官】 三島木 英宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−033293(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/158485(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜状の誘電エラストマーアクチュエータを備える電子機器であって、
前記誘電エラストマーアクチュエータを支持する基材と、
前記基材に取り付けられた第1磁気デバイスと、
前記誘電エラストマーアクチュエータに取り付けられ、前記第1磁気デバイスとの間に斥力又は引力を発生させる第2磁気デバイスとを備え、
前記第1磁気デバイスは、移動可能に構成され
前記基材に対して相対動可能な可動部材を備え、
前記第1磁気デバイスは、前記可動部材に取り付けられ、
前記可動部材には、磁性の異なる複数の前記第1磁気デバイスが取り付けられており、
前記可動部材を変位させることにより、前記第2磁気デバイスの位置に基づく特定位置に位置する前記第1磁気デバイスを変更可能に構成されていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第2磁気デバイスは、前記第1磁気デバイスとの間に斥力を発生させることを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電エラストマーアクチュエータを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、誘電エラストマーアクチュエータを利用した電子機器の開発が行われている。例えば、特許文献1には、膜状の誘電エラストマーアクチュエータに対する電圧の印加に基づいて開閉状態を制御するダイアフラムバルブが開示されている。特許文献1のダイアフラムバルブは、膜状の誘電エラストマーアクチュエータと、誘電エラストマーアクチュエータを支持する基材と、誘電エラストマーアクチュエータを弾性的に付勢する弾性部材とを備えている。開状態にあるダイアフラムバルブの誘電エラストマーアクチュエータに電圧が印加されると、誘電エラストマーアクチュエータは、面方向に伸張し、弾性部材の付勢力に基づいてオリフィスを覆うように押し下げられる。これにより、ダイアフラムバルブは、開状態から閉状態に切り替わる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−4736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、誘電エラストマーアクチュエータの出力を調節できる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する電子機器は、膜状の誘電エラストマーアクチュエータを備える電子機器であって、前記誘電エラストマーアクチュエータを支持する基材と、前記基材に取り付けられた第1磁気デバイスと、前記誘電エラストマーアクチュエータに取り付けられ、前記第1磁気デバイスとの間に斥力又は引力を発生させる第2磁気デバイスとを備え、前記第1磁気デバイスは、移動可能又は取り替え可能に構成されている。
【0006】
上記構成によれば、第1磁気デバイスを移動させる又は磁性の異なるものに取り換えて、第1磁気デバイスと第2磁気デバイスとの間に発生する斥力又は引力(誘電エラストマーアクチュエータに対する付勢力)を変化させることにより、誘電エラストマーアクチュエータの出力を調節できる。
【0007】
また、誘電エラストマーアクチュエータを付勢する付勢手段として、誘電エラストマーアクチュエータ側及び基材側のそれぞれに取り付けた磁気デバイス間に発生する斥力又は引力を用いている。この場合、第1磁気デバイスと誘電エラストマーアクチュエータとが切り離されているため、誘電エラストマーアクチュエータに干渉することなく第1磁気デバイスの移動又は取り替えを行うことができる。
【0008】
上記電子機器において、前記基材に対して相対動可能な可動部材を備え、前記第1磁気デバイスは、前記可動部材に取り付けられていることが好ましい。
上記構成によれば、可動部材を変位させることにより、第1磁気デバイスを任意の位置に容易に移動させることができる。
【0009】
上記電子機器において、前記可動部材には、磁性の異なる複数の前記第1磁気デバイスが取り付けられており、前記可動部材を変位させることにより、前記第2磁気デバイスの位置に基づく特定位置に位置する前記第1磁気デバイスを変更可能に構成されていることが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、第1磁気デバイスの数に応じた多様な誘電エラストマーアクチュエータの出力パターンを有する電子機器が得られる。そして、可動部材を変位させるという簡易な操作により、誘電エラストマーアクチュエータの出力パターンを切り替えることができる。
【0011】
上記電子機器において、前記基材は、前記第1磁気デバイスを取り外し可能に取り付けるための取付部を備え、前記取付部は、前記基材における前記誘電エラストマーアクチュエータを向く側の反対側となる部分に設けられていることが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、取付部に取り付けられた第1磁気デバイスを取り替える際に、誘電エラストマーアクチュエータが障害物になり難く、第1磁気デバイスの取り替え作業を容易に行うことができる。
【0013】
上記電子機器において、前記第2磁気デバイスは、前記第1磁気デバイスとの間に斥力を発生させることが好ましい。
上記構成によれば、誘電エラストマーアクチュエータの動作を、使用者に提示する疑似力覚(触感)に効率的に変換できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電子機器によれば、誘電エラストマーアクチュエータの出力を調節できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】電子機器としてのぬいぐるみの説明図。
図2】磁性が中程度である第1磁気デバイスを特定位置に位置させた状態の鼓動装置の断面図。
図3】磁性が弱い第1磁気デバイスを特定位置に位置させた状態の鼓動装置の断面図。
図4】磁性が強い第1磁気デバイスを特定位置に位置させた状態の鼓動装置の断面図。
図5】変更例の鼓動装置の説明図。
図6】変更例の鼓動装置の説明図。
図7】変更例の鼓動装置の説明図。
図8】変更例の電子機器の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の電子機器を、鼓動するぬいぐるみに適用した一実施形態について説明する。
図1に示すように、ぬいぐるみ10は、動物等を模した形状の表皮材11を備えている。表皮材11は、布材等の軟質材料により構成されている。表皮材11の内部には、綿等の詰め物(図示略)と共に鼓動装置12が収容されている。
【0017】
鼓動装置12は、PP、ABS等の硬質樹脂により構成される基材20を備えている。基材20は、板状の底壁21と、底壁21の周縁から立設された周壁22とを有し、一方側が開口する箱状の部材である。基材20の周壁22における立設方向の先端側の部分には、膜状の誘電エラストマーアクチュエータ(DEA:Dielectric Elastomer Actuator)23が取り付けられている。DEA23は、その周縁部分の全周が周壁22に支持され、底壁21に対して略平行な状態で基材20内に配置されている。
【0018】
DEA23は、誘電エラストマーからなるシート状の誘電部24と、導電エラストマーからなり、誘電部24の厚さ方向の両側に積層された正極電極25及び負極電極26とを有する多層構造体である。DEA23の正極電極25と負極電極26との間に直流電圧が印加されると、DEA23は、印加電圧の大きさに応じて、誘電部24が厚さ方向に圧縮されるとともに誘電部24の面に沿って面方向に伸張するように変形する。
【0019】
誘電部24を構成する誘電エラストマーは特に限定されるものではなく、公知のDEAに用いられる誘電エラストマーを用いることができる。上記誘電エラストマーとしては、例えば、架橋されたポリロタキサン、シリコーンエラストマー、アクリルエラストマー、ウレタンエラストマーが挙げられる。これら誘電エラストマーのうちの一種を用いてもよいし、複数種を併用してもよい。誘電部24の厚さは、例えば、20〜200μmである。
【0020】
正極電極25及び負極電極26を構成する導電エラストマーは特に限定されるものではなく、公知のDEAに用いられる導電エラストマーを用いることができる。上記導電エラストマーとしては、例えば、絶縁性高分子及び導電性フィラーを含有する導電エラストマーが挙げられる。
【0021】
上記絶縁性高分子としては、例えば、架橋されたポリロタキサン、シリコーンエラストマー、アクリルエラストマー、ウレタンエラストマーが挙げられる。これら絶縁性高分子のうちの一種を用いてもよいし、複数種を併用してもよい。上記導電性フィラーとしては、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンブラック、銅や銀等の金属粒子が挙げられる。これら導電性フィラーのうちの一種を用いてもよいし、複数種を併用してもよい。正極電極25及び負極電極26の厚さは、例えば、10〜100μmである。
【0022】
基材20の底壁21の内面側の中央部には、底壁21の内面に沿って直線的にスライド移動可能な可動部材27が取り付けられている。可動部材27は、底壁21の内面側にてスライド移動可能に設けられる本体部27aと、本体部27aから底壁21の外面側に突出する操作レバー27bとを備えている。なお、基材20の底壁21には、操作レバー27bが挿通される挿通孔21aが設けられている。
【0023】
本体部27aの上面には、円柱状の磁石により構成され、それぞれ磁性が異なる複数の第1磁気デバイスがネジ止めにより取り付けられている。第1磁気デバイスの数は特に限定されるものではないが、本実施形態では、一例として、3個の第1磁気デバイス28a〜28cが取り付けられている場合について説明する。
【0024】
第1磁気デバイス28aは、相対的に磁性が弱い磁石であり、第1磁気デバイス28bは、磁性が中程度である磁石であり、第1磁気デバイス28cは、相対的に磁性が強い磁石である。第1磁気デバイス28a〜28cは、可動部材27の移動方向Aの一方側に向かって順に磁性が強くなるように移動方向Aに沿って並設されている。
【0025】
DEA23の第1主面23a(基材20の底壁21側を向く面)の中央部には、円板状の磁石により構成される第2磁気デバイス29が取り付けられている。第2磁気デバイス29は、第1磁気デバイス28a〜28cとの間に斥力を発生させるように構成されている。したがって、第2磁気デバイス29が取り付けられたDEA23の中央部は、第1磁気デバイス28a〜28cと第2磁気デバイス29との間に発生する斥力によって、第1磁気デバイス28a〜28cから離間する方向への付勢力が常に作用する状態になっている。
【0026】
DEA23における第1主面23aの反対側の面である第2主面23bの中央部、即ち第2磁気デバイス29が取り付けられている部分の反対側には、パッド30が取り付けられている。DEA23に対して電圧が印加されていない状態において、パッド30の先端は、表皮材11に近接又は接触している。
【0027】
また、基材20の周壁22の外面には、導線31によってDEA23に電気的に接続される制御部32及び電源33が取り付けられている。制御部32は、電源33からDEA23に印加される電圧を所定の周期で増減させるように制御する。
【0028】
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、鼓動装置12の可動部材27を操作して、第2磁気デバイス29に対向する位置である特定位置Bに第1磁気デバイス28a〜28cのうちのいずれかを位置させた状態にする。例えば、図2に示すように、磁性が中程度である第1磁気デバイス28bが特定位置Bに位置するように可動部材27を変位させる。
【0029】
この状態において、DEA23に対して、所定の周期で増減するように電圧を印加するとDEA23は面方向に伸縮する。これにより、特定位置Bに位置する第1磁気デバイス28bと第2磁気デバイス29との間の斥力(DEA23に作用する付勢力)と、DEA23の張力とが均衡するようにDEA23が連続的に変形する。そして、DEA23の中央部が上下方向(第1磁気デバイス28bに対して接近離間する方向)に連続的に変位する。その結果、DEA23は鼓動を模した所定のリズムで上下方向に振動する。
【0030】
DEA23の振動は、パッド30を通じて表皮材11に伝達される。DEA23に追従して表皮材11が振動することにより、使用者は、ぬいぐるみ10の鼓動を視覚的及び触覚的に感じることができる。
【0031】
ここで、鼓動装置12は、可動部材27を操作することにより、DEA23の変位幅Cに基づく出力(鼓動の大きさ)を調節できる。例えば、図3に示すように、可動部材27を右側に変位させて、磁性の弱い第1磁気デバイス28bを特定位置Bに位置させる。この場合には、第2磁気デバイス29との間に発生する斥力が小さくなることに基づいてDEA23の変位幅Cが小さくなる。その結果、ぬいぐるみ10の鼓動が小さくなる。
【0032】
また、図4に示すように、可動部材27を左側に変位させて、磁性の強い第1磁気デバイス28cを特定位置Bに位置させる。この場合には、第2磁気デバイス29との間に発生する斥力が大きくなることに基づいてDEA23の変位幅Cが大きくなる。その結果、ぬいぐるみ10の鼓動が大きくなる。
【0033】
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)ぬいぐるみ10は、膜状のDEA23と、DEA23を支持する基材20と、基材20に取り付けられた第1磁気デバイス28a〜28cと、DEA23に取り付けられ、第1磁気デバイス28a〜28cとの間に斥力を発生させる第2磁気デバイス29とを備えている。第1磁気デバイス28a〜28cは、移動可能に構成されている。
【0034】
上記構成によれば、第1磁気デバイス28a〜28cを移動させて、第1磁気デバイス28a〜28cと第2磁気デバイス29との間に発生する斥力(DEA23に対する付勢力)を変化させることにより、DEA23の出力を調節できる。
【0035】
また、DEA23を付勢する付勢手段として、DEA23側及び基材20側のそれぞれに取り付けた磁気デバイス間に発生する斥力を用いている。この場合、第1磁気デバイス28a〜28cとDEA23とが切り離されているため、DEA23に干渉することなく第1磁気デバイス28a〜28cを移動させることができる。
【0036】
(2)基材20に対して相対動可能な可動部材27を備え、第1磁気デバイス28a〜28cは、可動部材27に取り付けられている。
上記構成によれば、可動部材27を変位させることにより、第1磁気デバイス28a〜28cを任意の位置に容易に移動させることができる。
【0037】
(3)可動部材27には、磁性の異なる複数の第1磁気デバイス28a〜28cが取り付けられており、可動部材27を変位させることにより、特定位置Bに位置する第1磁気デバイス28a〜28cを変更可能に構成されている。
【0038】
上記構成によれば、第1磁気デバイス28a〜28cの数に応じた多様なDEA23の出力パターンを有する電子機器が得られる。そして、可動部材27を変位させるという簡易な操作により、DEA23の出力パターンを切り替えることができる。
【0039】
(4)第2磁気デバイス29は、第1磁気デバイス28a〜28cとの間に斥力を発生させるように構成されている。
上記構成によれば、DEA23の動作を、表皮材11の動作に効率的に変換できる。
【0040】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・可動部材27の構成は、磁性の異なる複数の第1磁気デバイス28a〜28cの中から特定位置Bに位置する第1磁気デバイス28a〜28cを選択して変更できる構成であれば特に限定されるものではない。例えば、ターンテーブルにより構成される可動部材27としてもよい。この場合、可動部材27の回転中心を中心とする円周状に、複数の第1磁気デバイス28a〜28cを並設することが好ましい。
【0041】
・可動部材27は、手動により変位させてもよいし、モータ等の駆動装置を用いて変位させてもよい。
・移動可能に構成される第1磁気デバイスを単数としてもよい。この場合には、第1磁気デバイスの移動によって、第1磁気デバイスと第2磁気デバイス29との位置関係が変化することに基づいて、第1磁気デバイスと第2磁気デバイス29との間に発生する斥力を変化させることにより、DEA23の出力を調節できる。
【0042】
・第1磁気デバイスを移動させる方向は、特に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、第2磁気デバイス29に対して接近離間する方向に第1磁気デバイス28を移動させてもよい。また、図6に示すように、第2磁気デバイス29に対する向きを変更するように第1磁気デバイス28を移動させてもよい。この場合には、DEA23の変位方向が変化する。なお、本発明におけるDEA23の出力の調節には、DEA23の変位方向の調節も含まれる。
【0043】
・第1磁気デバイス28a〜28cを移動させる構成に代えて、第1磁気デバイス28a〜28cを磁性の異なる他のものに取り替えることにより、第1磁気デバイス28a〜28cと第2磁気デバイス29との間に発生する斥力を変化させて、DEA23の出力を調節する構成としてもよい。
【0044】
例えば、図7に示すように、基材20の底壁21に、第1磁気デバイス28a〜28cを取り外し可能に取り付けるための取付部21b(例えば、ねじ孔)を設ける。そして、取付部21bに取り付けられる第1磁気デバイス28a〜28cを、磁性の異なる複数の第1磁気デバイス28a〜28cの中から選択して取り替え可能に構成する。
【0045】
なお、取付部21bの位置は、基材20におけるDEA23を向く側の反対側となる部分であることが好ましい。この場合には、取付部21bに取り付けられた第1磁気デバイス28a〜28cを取り替える際に、DEA23が障害物になり難く、第1磁気デバイス28a〜28cの取り替え作業を容易に行うことができる。
【0046】
・第2磁気デバイス29は、第1磁気デバイス28a〜28cとの間に引力を発生させるように構成されていてもよい。この場合には、表皮材11(DEA23の動作が伝達される作用部)と、パッド30とを接着する等して、DEA23と表皮材11とが一体に動作するように構成することが好ましい。
【0047】
・上記実施形態では、第1磁気デバイス28a〜28c及び第2磁気デバイス29として磁石を用いていたが、第1磁気デバイス28a〜28c及び第2磁気デバイス29は磁石に限定されるものではない。例えば、第1磁気デバイス28a〜28c及び第2磁気デバイス29の一方が磁石であり、同他方が磁石との間に引力が発生する磁性体であってもよい。
【0048】
・第1磁気デバイス28a〜28c及び第2磁気デバイス29の取り付け方法を変更してもよい。上記取り付け方法としては、例えば、接着剤を用いた取り付ける方法、磁力を利用した取り付ける方法が挙げられる。
【0049】
・本発明の用途は、鼓動するぬいぐるみ10に限定されるものではなく、膜状のDEA23を備える電子機器の全般に適用できる。例えば、図8は、本発明を押しボタン型のスイッチに適用した例を示している。
【0050】
図8に示すスイッチ40は、板状の基部41と、基部41の表面側に取り付けられた有底筒状のボタン本体42(基材)とを備えている。ボタン本体42は、基部41に対して、上下方向(押し込み方向)にスライド移動可能かつ抜け止めされた状態で取り付けられている。ボタン本体42は、その周壁の内周面から突出する突出部42aを備えている。突出部42aと基部41との間には、ボタン本体42を上方に付勢する付勢部材43が設けられるとともに、突出部42a及び基部41における互いに対向する部分には、第1接点44a及び第2接点44bが設けられている。
【0051】
ボタン本体42の内部には、ボタン本体42の周壁に支持される態様でDEA23が取り付けられている。DEA23における基部41側の主面(第1主面)の中央部には、第2磁気デバイス29が取り付けられるとともに、DEA23における基部41側と反対側の主面(第2主面)の中央部には、パッド30が取り付けられている。また、基部41の裏面側には、基部41の裏面に沿って直線的にスライド移動可能な可動部材27が取り付けられている。可動部材27には、それぞれ磁性が異なる複数の第1磁気デバイス28a〜28cが取り付けられている。
【0052】
使用者がボタン本体42を押し込むと、第1接点44aと第2接点44bとが接触して、図示しない電気回路がオフ状態からオン状態に切り替えられる。第1接点44aと第2接点44bとが接触したタイミングで、DEA23を上下に振動させるようにDEA23に電圧が印加され、DEA23に取り付けられたパッド30がボタン本体42を叩く。使用者は、パッド30がボタン本体42を叩く振動を感じることにより、電気回路が切り替わったことを感覚的に把握できる。また、可動部材27を変位させて、特定位置Bに位置する第1磁気デバイス28a〜28cを変更すると、DEA23の出力が変化し、スイッチ40から使用者に伝わる振動の強さを調節できる。
【0053】
また、その他の電子機器としては、例えば、使用者に疑似力覚(触感)を提示するハプティクス機器、特許文献1に開示されるダイアフラムバルブ等の駆動装置が挙げられる。なお、ハプティクス機器に適用する場合、DEA23の動作を、使用者に提示する疑似力覚(触感)に効率的に変換できることから、第2磁気デバイス29は、第1磁気デバイス28a〜28cとの間に斥力を発生させるように構成されていることが好ましい。
【0054】
・電子機器の用途等に応じて、基材20及びDEA23の形状等の構成を変更してもよい。また、DEA23を支持する基材20の支持構造は特に限定されるものではなく、膜状のDEA23を備える公知の電子機器に用いられる支持構造を適用できる。例えば、上記実施形態では、DEA23の周縁部分の全周が基材20に支持されていたが、DEA23の周縁部分の一部が部分的に基材20に支持される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
10…ぬいぐるみ、11…表皮材、12…鼓動装置、20…基材、21b…取付部、23…誘電エラストマーアクチュエータ(DEA)、23a…第1主面、23b…第2主面、27…可動部材、28,28a〜28c…第1磁気デバイス、29…第2磁気デバイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8