(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エレベーターの釣合い重りの重り枠に設けられ、前記重り枠の内側において前記重り枠の下枠の上に積み重ねられる複数の重りブロックである下部ブロック群および前記重り枠の内側において前記下部ブロック群の上に積み重ねられる複数の重りブロックである上部ブロック群の境界の高さに位置する対向部を有する保持枠と、
楔状の傾斜部を先端に有する持上げ部と、
前記持上げ部および前記対向部の間に設けられ、前記対向部から抗力を受けて前記持上げ部の前記傾斜部を前記下部ブロック群および前記上部ブロック群の境界に押し込むことで前記上部ブロック群を前記重り枠の内側において持上げて前記下部ブロック群および前記上部ブロック群の境界に隙間を形成するジャッキと、
前記下部ブロック群および前記上部ブロック群の間に配置され、前記下部ブロック群および前記上部ブロック群の間の上下方向の間隔を保持し、前記上部ブロック群の下面との間で前後に貫通する通し穴を形成する凹部を上面に有するスペーサーと、
を備えるエレベーターの重りブロックの持上げ装置。
エレベーターの釣合い重りの重り枠の内側において前記重り枠の下枠の上に積み重ねられる複数の重りブロックである下部ブロック群および前記重り枠の内側において前記下部ブロック群の上に積み重ねられる複数の重りブロックである上部ブロック群の境界に隙間を形成する第1工程と、
前記第1工程において形成された前記隙間を通して設けられる吊り具によって前記上部ブロック群を前記重り枠の内側において吊り上げる第2工程と、
前記第2工程において吊り上げられた前記上部ブロック群より下方に、かつ、前記下部ブロック群より上方に、前記重り枠の一対の立枠を左右方向に接続することで補強する枠バンドを前記重り枠に取り付ける第3工程と、
前記第2工程において吊り上げられた前記上部ブロック群より下方に、かつ、前記下部ブロック群の上に、上面に凹部を有するスペーサーを配置し、前記上部ブロック群を前記スペーサーの上に吊り下ろす第4工程と、
前記第4工程において配置された前記スペーサーの前記凹部が前記上部ブロック群の下面との間で形成する前後に貫通する通し穴を通して前記吊り具を抜き取る第5工程と、
を備えるエレベーターの釣合い重りへの枠バンドの取付け方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る持上げ装置によって枠バンドが取り付けられるエレベーターの釣合い重りの正面図である。
【0013】
エレベーターは、建築物に設けられる。建築物は、複数の階床を備える。エレベーターにおいて、昇降路は、建築物の各階床を貫く。
【0014】
エレベーターは、図示されない巻上機と、主ロープ1と、図示されないかごと、釣合い重り2と、を備える。巻上機は、モーターと、シーブと、を備える。巻上機のモーターは、駆動力を発生させる装置である。巻上機のシーブは、モーターが発生させた駆動力によって回転する装置である。主ロープ1は、巻上機のシーブに巻きかけられる。主ロープ1は、巻上機のシーブの回転に追従して移動する部材である。主ロープ1の一端は、例えばかごに設けられる。主ロープ1の他端は、例えば釣合い重り2に設けられる。かごは、主ロープ1の移動に追従して昇降路の内部を鉛直方向に走行することで、建築物の複数の階床の間で利用者などを輸送する装置である。釣合い重り2は、主ロープ1を通じて巻上機のシーブの両側にかかる荷重のかごとの釣合いを取る装置である。釣合い重り2は、昇降路に設けられる。釣合い重り2は、重り枠3と、複数の重りブロック4と、を備える。
【0015】
重り枠3は、矩形の枠である。重り枠3は、上枠5と、下枠6と、一対の立枠7と、を備える。上枠5は、左右方向に長い部材である。上枠5は、重り枠3の上辺をなす部材である。上枠5は、主ロープ1の端部を保持する。下枠6は、左右方向に長い部材である。下枠6は、重り枠3の下辺をなす部材である。下枠6は、複数の重りブロック4を支持する。一対の立枠7の各々は、鉛直方向に長い部材である。一対の立枠7の一方は、重り枠3の左辺をなす部材である。一対の立枠7の他方は、重り枠3の右辺をなす部材である。一対の立枠7の各々の断面形状は、例えば重り枠3の内側に開くコの字状の形状である。
【0016】
複数の重りブロック4は、重り枠3に保持される。複数の重りブロック4は、重り枠3の内側において下枠6の上に積み重ねられる。複数の重りブロック4の各々の左端部は、左側の立枠7に収められる。複数の重りブロック4の各々の右端部は、右側の立枠7に収められる。
【0017】
既設の釣合い重り2において、枠バンド8が、重り枠3に新たに取り付けられることがある。枠バンド8は、重り枠3の剛性を高めることで補強する部材である。枠バンド8は、例えば一対の立枠7の各々の上下の中央部に渡るように取り付けられる。
【0018】
この例において、複数の重りブロック4の左右方向の中央部における前後方向の厚さは、重り枠3の前後方向の厚さより厚い。重り枠3の前後方向の厚さは、例えば一対の立枠7の前後方向の幅である。よって、枠バンド8が重り枠3に取り付けられる場合に、複数の重りブロック4の一部が枠バンド8に干渉しうる。このため、作業員は、複数の重りブロック4の一部を重り枠3の内側において持ち上げることで、複数の重りブロック4と枠バンド8との干渉を回避する。作業員は、
図1に図示されない持上げ装置を用いて複数の重りブロック4の一部を持ち上げる。
【0019】
このとき、持ち上げられない複数の重りブロック4が下部ブロック群9である。下部ブロック群9は、下枠6の上に積み重ねられる複数の重りブロック4である。持上げ装置によって持ち上げられる複数の重りブロック4が上部ブロック群10である。上部ブロック群10は、下部ブロック群9の上に積み重ねられる。この例において、上部ブロック群10に含まれる複数の重りブロック4と下部ブロック群9に含まれる複数の重りブロック4とは、同じ種類の重りブロック4である。下部ブロック群9および上部ブロック群10は、複数の種類の重りブロック4を含んでもよい。
【0020】
続いて、
図2から
図4を用いて、持上げ装置の構成を説明する。
【0021】
図2は、実施の形態1に係る持上げ装置の上面図である。
図2において、紙面下方向が釣合い重り2の前方向である。
【0022】
持上げ装置11は、保持枠12を備える。
【0023】
保持枠12は、梁部13と、対向部14と、一対の保持部15と、を備える。
【0024】
梁部13は、左右方向に長い部材である。梁部13は、例えば釣合い重り2の反対側に向けて開くコの字状の断面形状を有するチャンネル材である。梁部13は、釣合い重り2の前面に設けられる。
【0025】
対向部14は、例えば釣合い重り2に向けて開くコの字状の断面形状を有するチャンネル材である。対向部14は、梁部13の左右の中央に固定される。
【0026】
一対の保持部15の各々は、L字状に曲げられた板状部材である。一対の保持部15の一方は、梁部13の左端部に固定される。当該保持部15は、左側の立枠7の後側から左側の側面にかけて接触する。一対の保持部15の他方は、梁部13の右端部に固定される。当該保持部15は、右側の立枠7の後側から右側の側面にかけて接触する。
【0027】
図3は、実施の形態1に係る持上げ装置のA−A断面図である。
【0028】
保持枠12の対向部14の内面は、下部ブロック群9および上部ブロック群10の境界面Bに垂直に設けられる。対向部14は、境界面Bの高さに設けられる。梁部13は、ガイドスリット16を有する。ガイドスリット16は、左右方向に長いスリットである。ガイドスリット16は、梁部13の前面において左右の中央に設けられる。ガイドスリット16は、梁部13の左右の一方の端部に達していてもよい。ガイドスリット16は、境界面Bの高さに設けられる。
【0029】
持上げ装置11は、ジャッキ17と、持上げ部18と、を備える。
【0030】
ジャッキ17は、例えば軸方向に伸びる油圧ジャッキである。ジャッキ17の軸方向は、釣合い重り2の前後方向を向く。ジャッキ17は、底板19と、天板20と、を備える。底板19は、ジャッキ17の後端に設けられる。底板19は、対向部14の内面に設けられる。天板20は、ジャッキ17の前端に設けられる。
【0031】
持上げ部18は、接続部21と、持上げ板22と、を備える。
【0032】
接続部21は、ジャッキ17の天板20に着脱可能に接続する部材である。接続部21は、例えば左右方向にスライドすることによってジャッキ17の天板20に装着される。接続部21は、持上げ部18の後端に設けられる。
【0033】
持上げ板22は、板状の部材である。持上げ板22は、ジャッキ17の天板20に垂直に設けられる。持上げ板22は、境界面Bの高さに設けられる。持上げ板22は、ガイドスリット16の高さに設けられる。持上げ板22は、平坦部23と、傾斜部24と、を有する。平坦部23の厚さは、一定である。平坦部23は、接続部21に接続される。平坦部23は、水平に設けられる。傾斜部24は、楔状の形状である。傾斜部24は、平坦部23に隣接して設けられる。傾斜部24は、持上げ部18の前端に設けられる。傾斜部24の厚さは、前方に向けて薄くなる。
【0034】
図4は、実施の形態1に係る持上げ装置のスペーサーの上面斜視図である。
【0035】
持上げ装置11は、スペーサー25を備える。スペーサー25は、上部ブロック群10および下部ブロック群9の間において、その間の上下方向の間隔を保つ部材である。スペーサー25の左右方向の中央部における前後方向の厚さは、重り枠3の前後方向の厚さより薄い。スペーサー25は、左スペーサー26と、右スペーサー27と、を備える。
【0036】
左スペーサー26の左端部の前後方向の厚さは、重りブロック4の左端部の前後方向の厚さに等しい。右スペーサー27の右端部の前後方向の厚さは、重りブロック4の右端部の前後方向の厚さに等しい。
【0037】
左スペーサー26および右スペーサー27の各々は、上面に凹部28を有する。凹部28は、前後方向に伸びる溝である。
【0038】
左スペーサー26および右スペーサー27は、互いに分離可能である。左スペーサー26は、右端部に左組合せ部29を有する。右スペーサー27は、左端部に右組合せ部30を有する。左組合せ部29および右組合せ部30は、上下方向から組み合わせられることによって互いに噛合う部分である。左組合せ部29および右組合せ部30は、上下方向から組み合わせられることによってスペーサー25の左右方向の中央部をなす部分である。左組合せ部29および右組合せ部30の各々は、例えば方形を螺旋状に配置した形状である。左スペーサー26および右スペーサー27の各々の形状は、互いに同一である。
【0039】
続いて、
図5から
図13を用いて、枠バンド8の取付け方法を説明する。
図5は、実施の形態1に係る取付け方法が適用される釣合い重りの側面図である。
図6は、実施の形態1に係る取付け方法が適用される釣合い重りのA−A断面図である。
図7は、実施の形態1に係る取付け方法が適用される釣合い重りの側面図である。
図8から
図13は、実施の形態1に係る取付け方法が適用される釣合い重りの正面図である。
【0040】
図5において、持上げ装置11が取り付けられている状態の釣合い重り2が示される。
【0041】
第1工程において、作業員は、持上げ装置11を用いて下部ブロック群9と上部ブロック群10との境界に隙間を形成する。
【0042】
作業員は、持上げ装置11の保持枠12を釣合い重り2の重り枠3に例えば次のように取り付ける。作業員は、一対の保持部15を一対の立枠7の左右の両側に配置する。作業員は、一対の保持部15に梁部13を取り付ける。このとき、作業員は、梁部13のガイドスリット16の高さを境界面Bの高さに合わせる。作業員は、ジャッキ17の天板20に持上げ部18の接続部21を接続する。作業員は、ジャッキ17の底板19に対向部14の内面を接触させる。作業員は、対向部14をジャッキ17および持上げ部18とともに梁部13に取り付ける。
【0043】
図6において、ジャッキ17が前後方向に伸ばされた状態の持上げ装置11が示される。
【0044】
作業員は、ジャッキ17を軸方向に伸ばす。ジャッキ17が軸方向に伸ばされることによって、ジャッキ17の底板19は、対向部14の内面に押し付けられる。ジャッキ17の底板19が対向部14の内面を押す力は、梁部13を通じて一対の保持部15の各々に伝えられる。一対の保持部15の各々は、一対の立枠7の各々の後側の側面を前方に向けて押す。一対の保持部15の各々は、一対の立枠7の各々の後側の側面に接触することで、前方への移動が規制される。一対の保持部15の各々に両端部が固定されている梁部13は、前方への移動が規制される。梁部13に固定されている対向部14は、前方への移動が規制される。このため、ジャッキ17は、対向部14の内面から前方に向く抗力を受ける。これにより、ジャッキ17は、持上げ部18を前方に押し付ける。
【0045】
持上げ部18の持上げ板22は、ガイドスリット16を通して境界面Bに入り込む。持上げ板22の傾斜部24は、境界面Bに押し込まれる。傾斜部24は、楔状の形状によって、前方に押し込まれる力を下部ブロック群9および上部ブロック群10の間隔を拡げる上下方向の力に変換する。これにより、上端が拘束されていない上部ブロック群10は、持上げられる。
【0046】
作業員は、ジャッキ17を軸方向にさらに伸ばす。持上げ板22の平坦部23は、下部ブロック群9および上部ブロック群10の間に押し込まれる。平坦部23は、下部ブロック群9から持ち上げられた状態で上部ブロック群10を保持する。
【0047】
図7において、持上げ部18によって上部ブロック群10が持ち上げられている状態の釣合い重り2が示される。
【0048】
作業員は、ジャッキ17を持上げ部18から取り外す。作業員は、保持枠12を重り枠3から取り外す。
【0049】
平坦部23は、上部ブロック群10の下面および下部ブロック群9の上面に平行に接触している。このとき、傾斜部24は、上部ブロック群10の下面および下部ブロック群9の上面に接触していない。このため、上方から持上げ板22にかかる上部ブロック群10の荷重は、持上げ部18を釣合い重り2の後方に抜く力に変換されない。
【0050】
図8において、持上げ部18によって上部ブロック群10が持ち上げられている状態の釣合い重り2が示される。
【0051】
持上げ部18は、持上げ部18の左右の両側に、下部ブロック群9および上部ブロック群10の間の隙間を形成している。
【0052】
次に、第2工程において、作業員は、上部ブロック群10を重り枠3の内側において吊り上げる。
【0053】
図9において、上部ブロック群10が吊り上げられる前の釣合い重り2が示される。
【0054】
作業員は、上部ブロック群10を吊り上げる一対の吊り具31を釣合い重り2に装着する。一対の吊り具31の一方は、持上げ部18の左側に設けられる。一対の吊り具31の他方は、持上げ部18の右側に設けられる。一対の吊り具31の各々は、掛け具32と、スリング33と、チェーンブロック34と、を備える。
【0055】
掛け具32は、上枠5に掛けられる。スリング33は、上部ブロック群10および下部ブロック群9の隙間に通される。持上げ部18の左側においてスリング33が通される位置の重り枠3の左端部からの距離は、左スペーサー26の左端部から凹部28までの距離に対応する。持上げ部18の右側においてスリング33が通される位置の重り枠3の右端部からの距離は、右スペーサー27の右端部から凹部28までの距離に対応する。チェーンブロック34は、掛け具32に吊り下げられる。作業員は、チェーンブロック34によって重り枠3の内側においてスリング33を吊り上げる。
【0056】
図10において、上部ブロック群10が吊り上げられた状態の釣合い重り2が示される。
【0057】
上部ブロック群10が吊り上げられることで、上部ブロック群10および下部ブロック群9の間隔が広げられる。作業員は、上部ブロック群10および下部ブロック群9の間から持上げ部18を取り外す。
【0058】
次に、第3工程において、作業員は、枠バンド8を重り枠3に取り付ける。
【0059】
図11において、枠バンド8が取り付けられた状態の釣合い重り2が示される。
【0060】
枠バンド8は、一対の立枠7の各々を左右方向に接続する。枠バンド8は、釣合い重り2の前面と裏面とのそれぞれに設けられる。枠バンド8の下端は、下部ブロック群9の上面より上方に設けられる。上部ブロック群10は、上部ブロック群10の下面が枠バンド8の上端より上方にある高さまで持ち上げられている。
【0061】
次に、第4工程において、作業員は、下部ブロック群9および上部ブロック群10の間にスペーサー25を配置する。
【0062】
図12において、下部ブロック群9および上部ブロック群10の間に配置されるスペーサー25が示される。
【0063】
作業員は、例えば次のようにスペーサー25を配置する。まず、作業員は、下部ブロック群9の上に左スペーサー26を乗せる。このとき、作業員は、枠バンド8の上側から左スペーサー26を乗せる。作業員は、左スペーサー26の左端部を、左側の立枠7に収める。
【0064】
その後、作業員は、左スペーサー26の右端部の上に右スペーサー27の左端部を乗せる。このとき、作業員は、枠バンド8の上側から右スペーサー27を乗せる。作業員は、右スペーサー27の右端部を、右側の立枠7に収める。作業員は、右組合せ部30を左組合せ部29に上方から組み合わせる。左組合せ部29および右組合せ部30は、互いに噛合う。これにより、左組合せ部29および右組合せ部30は、スペーサー25の左右方向の中央部をなす。
【0065】
左スペーサー26の上面の凹部28は、左側のスリング33の下方に位置する。右スペーサー27の上面の凹部28は、右側のスリング33の下方に位置する。
【0066】
次に、第5工程において、作業員は、上部ブロック群10をスペーサー25の上に吊りおろす。
【0067】
図13において、上部ブロック群10がスペーサー25の上に吊り下ろされた状態の釣合い重り2が示される。
【0068】
上部ブロック群10がスペーサー25の上に吊り下ろされるときに、左スペーサー26および右スペーサー27の各々の上面の凹部28は、上部ブロック群10の下面との間で前後方向に貫通する通し穴を形成する。一対の吊り具31の各々のスリング33は、当該通し穴に通されている。
【0069】
作業員は、一対の吊り具31の各々を、例えば次のように釣合い重り2から取り外す。作業員は、一対の吊り具31の各々について、掛け具32、チェーンブロック34およびスリング33を互いに取り外す。作業員は、一対の吊り具31の各々のスリング33を、凹部28が形成する通し穴から抜き取ることで取り外す。
【0070】
引き続き
図13を用いて、枠バンド8が取りつけられた釣合い重り2の構造を説明する。
【0071】
釣合い重り2は、枠バンド8と、スペーサー25と、を備える。枠バンド8は、一対の立枠7の各々を左右方向に接続する。スペーサー25は、下部ブロック群9および上部ブロック群10の間に設けられる。スペーサー25の下面は、枠バンド8の下端より下方に位置する。スペーサー25は、上面に凹部28を有する。凹部28は、上部ブロック群10の下面との間で前後に貫通する通し穴を形成する。スペーサー25の上面は、枠バンド8の上端より上側に位置する。スペーサー25の上下方向の厚さは、枠バンド8の上下方向の厚さより厚い。
【0072】
以上に説明したように、実施の形態1に係る持上げ装置11は、保持枠12と、持上げ部18と、ジャッキ17と、を備える。保持枠12は、エレベーターの釣合い重り2の重り枠3に設けられる。保持枠12は、対向部14を有する。対向部14は、下部ブロック群9および上部ブロック群10の境界の高さに位置する。下部ブロック群9は、重り枠3の内側において重り枠3の下枠6の上に積み重ねられる複数の重りブロック4である。上部ブロック群10は、重り枠3の内側において下部ブロック群9の上に積み重ねられる複数の重りブロック4である。持上げ部18は、楔状の傾斜部24を先端に有する。ジャッキ17は、持上げ部18および対向部14の間に設けられる。ジャッキ17は、対向部14から抗力を受けて持上げ部18の傾斜部24を下部ブロック群9および上部ブロック群10の境界に押し込む。ジャッキ17は、傾斜部24を押し込むことで、上部ブロック群10を重り枠3の内側において持上げて下部ブロック群9および上部ブロック群10の境界に隙間を形成する。
【0073】
また、実施の形態1に係る釣合い重り2は、重り枠3と、枠バンド8と、下部ブロック群9と、上部ブロック群10と、スペーサー25と、を備える。重り枠3は、矩形の形状である。重り枠3は、上辺をなす上枠5を有する。重り枠3は、下辺をなす下枠6を有する。重り枠3は、左右の辺をなす一対の立枠7を有する。枠バンド8は、上枠5より下方かつ下枠6より上方において、一対の立枠7を左右方向に接続することで補強する。下部ブロック群9は、重り枠3の内側において重り枠3の下枠6の上に積み重ねられる複数の重りブロック4である。上部ブロック群10は、重り枠3の内側において下部ブロック群9の上に積み重ねられる複数の重りブロック4である。スペーサー25は、下部ブロック群9および上部ブロック群10の間に設けられる。スペーサー25は、枠バンド8の下端より下方に下面を有する。スペーサー25は、上部ブロック群10の下面との間で前後に貫通する通し穴を形成する凹部28を上面に有する。
【0074】
また、実施の形態1に係る釣合い重り2への枠バンド8の取付け方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、第4工程と、第5工程と、を備える。第1工程において、下部ブロック群9および上部ブロック群10の境界に隙間が形成される。下部ブロック群9は、エレベーターの釣合い重り2の重り枠3の内側において重り枠3の下枠6の上に積み重ねられる複数の重りブロック4である。上部ブロック群10は、重り枠3の内側において下部ブロック群9の上に積み重ねられる複数の重りブロック4である。第2工程において、上部ブロック群10は、第1工程において形成された隙間を通して設けられる吊り具31によって重り枠3の内側において吊り上げられる。第3工程において、枠バンド8は、重り枠3に取り付けられる。枠バンド8は、第2工程において吊り上げられた上部ブロック群10より下方に、かつ、下部ブロック群9より上方に取り付けられる。枠バンド8は、重り枠3の一対の立枠7を左右方向に接続することで補強する。第4工程において、スペーサー25は、第2工程において吊り上げられた上部ブロック群10より下方に、かつ、下部ブロック群9の上に配置される。スペーサー25は、上面に凹部28を有する。第4工程において、上部ブロック群10は、スペーサー25の上に吊り下ろされる。第5工程において、吊り具31は、前後に貫通する通し穴を通して抜き取られる。通し穴は、第4工程において配置されたスペーサー25の凹部28に上部ブロック群10の下面との間で形成される。
【0075】
下部ブロック群9は、重り枠3の内側において重り枠3の下枠6の上に積み重ねられる複数の重りブロック4である。上部ブロック群10は、重り枠3の内側において下部ブロック群9の上に積み重ねられる複数の重りブロック4である。上部ブロック群10は、重り枠3の内側において持ち上げられる。枠バンド8は、下部ブロック群9および上部ブロック群10の間に設けられる。これにより、枠バンド8の取付け作業における作業員の負担が軽減される。
【0076】
枠バンド8は、重り枠3の剛性を高めるために、上下方向の中央部に取り付けられることがある。このとき、枠バンド8が取り付けられる部分より上方の重りブロック4が重り枠3から取り外されなければ、作業員は、複数の重りブロック4を重り枠3の内側において一度に持ち上げる必要がある。この場合において、作業員は、ジャッキ17および持上げ部18によって、重量が大きい複数の重りブロック4を一度に持ち上げることができる。これにより、作業員は、多数の重りブロック4を重り枠3から取り外すことなく、枠バンド8を重り枠3に取り付けることができる。
【0077】
対向部14を有する保持枠12は、重り枠3に設けられている。対向部14は、重り枠3から離れる方向への移動が規制されている。ジャッキ17は、対向部14から釣合い重り2に向かう方向に抗力を受ける。このため、作業員は、保持枠12およびジャッキ17によって、釣合い重り2から押し返されずに持上げ部18を下部ブロック群9および上部ブロック群10の間に押し込むことができる。
【0078】
重りブロック4は、重り枠3から取り外されない。作業員は、重り枠3から取り外した多数の重りブロック4を一時的に置いておく作業スペースを昇降路内に確保しなくてもよい。このため、作業員は、昇降路内の作業スペースを有効に活用できる。これにより、枠バンド8の取付け作業の作業性が高くなる。
【0079】
また、持上げ部18は、平坦部23を有する。平坦部23は、厚さが一定で傾斜部24に隣接する。
【0080】
持上げ部18の持上げ板22は、下部ブロック群9および上部ブロック群10の境界面Bに押し込まれた後に、平坦部23によって上部ブロック群10を保持する。平坦部23の上面は、上部ブロック群10の荷重を垂直に受ける。このため、持上げ板22は、上部ブロック群10の荷重によって抜け落ちることがない。これにより、作業員は、上部ブロック群10を保持している持上げ部18からジャッキ17および保持枠12を取り外すことができる。これにより、枠バンド8の取付け作業の作業性が高くなる。
【0081】
また、持上げ装置11は、スペーサー25を備える。スペーサー25は、下部ブロック群9および上部ブロック群10の間に配置される。スペーサー25は、下部ブロック群9および上部ブロック群10の間の上下方向の間隔を保持する。スペーサー25は、上部ブロック群10の下面との間で前後に貫通する通し穴を形成する凹部28を上面に有する。
【0082】
作業員は、上部ブロック群10をスペーサー25の上に吊り下ろした後に、凹部28が形成する通し穴を通して吊り具31を抜き取ることができる。このため、上部ブロック群10を吊り上げた後に、作業員は、吊り具31を抜き取る隙間を維持するために持上げ部18を下部ブロック群9および上部ブロック群10の間に残しておかなくてもよい。したがって、枠バンド8の取付け作業の作業性が高くなる。
【0083】
作業員は、凹部28が形成する通し穴を通して吊り具31を装着することができる。このため、作業員は、保持枠12、ジャッキ17および持上げ部18を再び用いることなく、上部ブロック群10を吊り上げることができる。このため、枠バンド8の交換がしやすくなる。
【0084】
また、スペーサー25は、互いに分離可能な左スペーサー26および右スペーサー27を備える。
【0085】
作業員は、左スペーサー26の左端部を、左側の立枠7に収める。これと独立して、作業員は、右スペーサー27の右端部を、右側の立枠7に収めることができる。すなわち、作業員は、スペーサー25を傾けることなく、重り枠3の内側にスペーサー25を収めることができる。このため、スペーサー25が重り枠3の内側に配置しやすくなる。重り枠3の内側において上部ブロック群10を吊り上げるストロークが小さい場合においても、スペーサー25が重り枠3の内側に配置しやすくなる。
【0086】
また、左スペーサー26および右スペーサー27は、上下方向から嵌めることによって互いに噛合う。
【0087】
また、実施の形態1に係る取付け方法に用いるスペーサー25は、互いに分離可能な左スペーサー26および右スペーサー27を備える。第4工程において、左スペーサー26および右スペーサー27の各々は、少なくとも一部が上下に重なった状態で下部ブロック群9の上に配置される。左スペーサー26および右スペーサー27の各々は、左右にずらして上下方向から嵌めることで互いに噛み合わせられる。
【0088】
左組合せ部29および右組合せ部30は、上下方向から噛合う。このため、左スペーサー26および右スペーサー27は、前後方向にずれにくくなる。これにより、左スペーサー26および右スペーサー27は、重り枠3から脱落しにくくなる。また、左組合せ部29および右組合せ部30は、重り枠3の内側において組み合わせることができる。
【0089】
また、左スペーサー26および右スペーサー27の形状は、互いに同一である。
【0090】
このため、左スペーサー26および右スペーサー27を同一部品とすることができる。これにより、部品の管理がしやすくなる。なお、左組合せ部29および右組合せ部30の形状は、例えばスペーサー25の中心軸に対して180度回転対称であればよい。
【0091】
なお、枠バンド8は、スペーサー25が下部ブロック群9の上に配置された後に取り付けられてもよい。すなわち、第3工程の作業は、第4工程の作業の後に行われてもよい。枠バンド8は、吊り具31が抜き取られた後に取り付けられてもよい。すなわち、第3工程の作業は、第5工程の作業の後に行われてもよい。
【0092】
作業員は、枠バンド8およびスペーサー25を釣合い重り2に取り付けた後に、枠バンド8およびスペーサー25の重量に対応する数の重りブロック4を上部から取り外してもよい。作業員は、枠バンド8およびスペーサー25を釣合い重り2に取り付ける前に、枠バンド8およびスペーサー25の重量に対応する数の重りブロック4を上部から取り外してもよい。これにより、枠バンド8およびスペーサー25を取り付ける前の重量のバランスが保たれる。取り外す重りブロック4の数は、枠バンド8およびスペーサー25の重量に対応する少数の枚数である。また、作業員は、取り外された釣合い重り2を再び挿入しなくてもよい。このため、作業員の作業負担が増大しない。
【0093】
梁部13は、2枚の板であってもよい。このとき、梁部13の2枚の板の隙間がガイドスリット16であってもよい。梁部13および対向部14は、一体に設けられてもよい。保持枠12において、持上げ部18の前方が開放されていてもよい。保持枠12は、ガイドスリット16に代えて、持上げ部18の全体が前後に通る穴を有してもよい。
【0094】
ジャッキ17は、油圧ジャッキでなくてもよい。ジャッキ17は、例えばパンタグラフジャッキまたはボルトジャッキであってもよい。
【0095】
傾斜部24は、例えば上面および下面の両方が傾斜していてもよい。傾斜部24は、例えば上面および下面の一方が傾斜していてもよい。傾斜部24の傾斜している面は、湾曲していてもよい。
【0096】
左スペーサー26および右スペーサー27は、同一形状でなくてもよい。例えば、左組合せ部29および右組合せ部30の一方の断面形状は、T字状の形状であってもよい。このとき、左組合せ部29および右組合せ部30の他方の断面形状は、コの字状の形状であってもよい。
【0097】
スペーサー25は、上下方向に積み重ねられる複数のスペーサー要素を備えてもよい。このとき、最上部に配置されないスペーサー要素は、上面に凹部28を有しなくてもよい。スペーサー25は、重りブロック4と同一の材質により形成されてもよい。スペーサー25は、重りブロック4と異なる材質により形成されてもよい。