特許第6973350号(P6973350)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973350
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】電波レーダ装置の固定構造
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/03 20060101AFI20211111BHJP
   B60R 19/48 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   G01S7/03 240
   G01S7/03 246
   B60R19/48 B
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-198287(P2018-198287)
(22)【出願日】2018年10月22日
(65)【公開番号】特開2020-67292(P2020-67292A)
(43)【公開日】2020年4月30日
【審査請求日】2020年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡田 誠
【審査官】 東 治企
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−140956(JP,A)
【文献】 特開2008−128995(JP,A)
【文献】 特開2010−203827(JP,A)
【文献】 特開2010−101643(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0111370(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00−7/42
G01S 13/00−13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、自身の周縁部に設けられたフランジ部において前記車体に固定されるバンパカバーとの間に配置されて、電波を車外へ向けて送信し、かつ車外の物体に当たって反射された電波を受信する電波レーダ装置を備えるとともに、電波の透過性を有し、かつ電波の送信方向における前記電波レーダ装置の前方に配置されて前記バンパカバーに固定される電波透過カバーを備える車両に適用され、前記電波レーダ装置を前記車両に固定する電波レーダ装置の固定構造であって、
前記車体又は前記フランジ部に固定され、かつ受け面を有するレーダフレームと、
前記電波レーダ装置に固定され、かつ被受け面を有するレーダブラケットと
を備え、前記受け面及び前記被受け面の少なくとも一方は、前記電波の送受信方向へ延びる面により構成され、前記レーダブラケットは、前記被受け面において前記レーダフレームの前記受け面上に前記送受信方向へ摺動可能に載置されており、
さらに、前記電波透過カバーには締結部が設けられており、前記レーダブラケットに形成された被締結部が、前記送信方向における前方に向かう締結具の締結力により前記締結部に締結されている電波レーダ装置の固定構造。
【請求項2】
前記レーダフレームには、前記送受信方向へ貫通する位置調整孔部が形成され、前記受け面は前記位置調整孔部の底壁面により構成され、
前記レーダブラケットには、前記送信方向における後方へ延びる板状部が形成され、前記被受け面は前記板状部の下面により構成され、
前記板状部は前記位置調整孔部に対し、前記送信方向における前側から挿通されて、前記被受け面において前記受け面上に載置されており、
前記位置調整孔部の上下方向の寸法は、前記板状部の上下方向の厚みよりも大きく設定されている請求項1に記載の電波レーダ装置の固定構造。
【請求項3】
前記板状部が前記位置調整孔部の前記受け面上に載置された状態で、同板状部と前記位置調整孔部の上壁面との間隔が1mm〜5mmに設定されている請求項2に記載の電波レーダ装置の固定構造。
【請求項4】
前記締結具はねじにより構成され、
前記被締結部には、前記送受信方向へ貫通するねじ挿通孔が形成され、
前記ねじ挿通孔は、上下方向へ延びる長孔により構成されており、
前記ねじは、前記ねじ挿通孔に挿通されて前記締結部に螺合されている請求項2又は3に記載の電波レーダ装置の固定構造。
【請求項5】
前記板状部を横板状部とした場合において、前記レーダブラケットには、前記横板状部から上方又は下方へ延びる縦板状部が形成され、
前記横板状部が前記位置調整孔部に挿通された状態で、前記縦板状部は、前記送信方向における前記レーダフレームよりも後側に配置されている請求項2〜4のいずれか1項に記載の電波レーダ装置の固定構造。
【請求項6】
前記送信方向における前記レーダフレームの前面に対し前記レーダブラケットが接触して、同レーダブラケットが前記電波透過カバーから最も遠ざかった状態では、前記送受信方向における前記縦板状部と前記レーダフレームとの間隔が1mm〜5mmに設定されている請求項5に記載の電波レーダ装置の固定構造。
【請求項7】
前記位置調整孔部は、前記送信方向及び上下方向に対し直交する方向へ延びており、
前記レーダフレームには、前記位置調整孔部の一方の端部に繋がった状態で、前記送受信方向へ貫通し、かつ前記横板状部及び前記縦板状部の挿通を許容する挿通孔部が形成されている請求項5又は6に記載の電波レーダ装置の固定構造。
【請求項8】
前記電波レーダ装置は、前記車両の前部の車幅方向における側部に設置されて斜め前側方へ電波を送信する前側方監視用の電波レーダ装置である請求項1〜7のいずれか1項に記載の電波レーダ装置の固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波を車外へ向けて送信し、かつ車外の物体に当たって反射された電波を受信する電波レーダ装置を車両に固定する電波レーダ装置の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体とバンパカバーとの間に電波レーダ装置が設置された車両では、同装置からミリ波等の電波が車外へ向けて送信される。車外の物体に当たって反射された電波は、上記電波レーダ装置によって受信される。送信及び受信された電波により、上記物体が認識されたり、車両と物体との距離が検出されたり、車両と物体との相対速度が検出されたりする。
【0003】
上記車両では、バンパカバーにおいて、電波の送信方向における電波レーダ装置の前方となる箇所に窓部が開口され、電波レーダ装置を隠し、かつ電波の透過性を有する電波透過カバーが上記窓部に装着される。
【0004】
上記電波レーダ装置及び電波透過カバーを備える車両では、電波レーダ装置から電波透過カバーまでの距離が適切に調整されていることが、電波の減衰量を少なくするうえで重要である。これは、電波透過カバーに当たって反射された電波と、電波レーダ装置から送られてくる電波とが干渉し、電波レーダ装置から電波透過カバーまでの距離に応じて、電波が増強されたり減衰されたりすることで、電波透過カバーによる電波の減衰量が変化するからである。従って、電波透過カバーに対し、電波の減衰量が少なくなる特定の距離だけ離れた箇所に電波レーダ装置を固定することが要求される。
【0005】
こうした観点からは、電波レーダ装置は、電波透過カバーに固定されることが望ましい。しかし、電波透過カバーも、同電波透過カバーが固定されるバンパカバーの多くの部分も、電波レーダ装置のような重量物を支えることのできる高い剛性を有していない。これは、衝突の衝撃を吸収する必要があるからである。電波レーダ装置を電波透過カバーに固定すると、電波レーダ装置の重量が電波透過カバーに作用し、同電波透過カバーがバンパカバーから外れる等の問題がある。従って、電波レーダ装置を電波透過カバーに直接固定することは難しい。
【0006】
そこで、従来は、例えば特許文献1に記載されているように、電波レーダ装置を、取付ブラケットを介してリーンフォース、フロントフレーム等の剛性の高い部品に固定することが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6032167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、リーンフォースやフロントフレームは鉄鋼材の溶接品であり、部品毎の寸法や、取付ブラケットが取り付けられる位置のばらつきが大きい。そのため、電波透過カバーに対し、電波の減衰量が少なくなる特定の距離だけ離れた箇所に電波レーダ装置を正確に固定することが難しい。その結果、同一車種でも車両間で電波の減衰量がばらつき、電波レーダ装置の性能が安定しないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電波レーダ装置を電波透過カバーから規定距離離れた箇所に固定し、電波レーダ装置の性能を安定させることのできる電波レーダ装置の固定構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する電波レーダ装置の固定構造は、車体と、自身の周縁部に設けられたフランジ部において前記車体に固定されるバンパカバーとの間に配置されて、電波を車外へ向けて送信し、かつ車外の物体に当たって反射された電波を受信する電波レーダ装置を備えるとともに、電波の透過性を有し、かつ電波の送信方向における前記電波レーダ装置の前方に配置されて前記バンパカバーに固定される電波透過カバーを備える車両に適用され、前記電波レーダ装置を前記車両に固定する電波レーダ装置の固定構造であって、前記車体又は前記フランジ部に固定され、かつ受け面を有するレーダフレームと、前記電波レーダ装置に固定され、かつ被受け面を有するレーダブラケットとを備え、前記受け面及び前記被受け面の少なくとも一方は、前記電波の送受信方向へ延びる面により構成され、前記レーダブラケットは、前記被受け面において前記レーダフレームの前記受け面上に前記送受信方向へ摺動可能に載置されており、さらに、前記電波透過カバーには締結部が設けられており、前記レーダブラケットに形成された被締結部が、前記送信方向における前方に向かう締結具の締結力により前記締結部に締結されている。
【0011】
上記の構成によれば、電波レーダ装置及びレーダブラケットの重量は、同レーダブラケットの被受け面において、レーダフレームの受け面に作用する。上記重量は、レーダフレームを介して、車体又はバンパカバーのフランジ部に作用する。これらの車体又はフランジ部は、電波透過カバーや、バンパカバーのうち、衝突時の衝撃を吸収する部分よりも高い剛性を有している。そのため、電波レーダ装置及びレーダブラケットの重量は、レーダフレームを介して、剛性の高い車体又はフランジ部によって受け止められる。
【0012】
被受け面において受け面上に載置されたレーダブラケットは、その受け面上を電波の送受信方向へ摺動可能である。
そのため、締結具が操作されると、送信方向の前方に向かう締結具の締結力により、レーダブラケットに形成された被締結部が締結部に近づけられる。レーダブラケットは電波レーダ装置を伴って、受け面上を電波透過カバーに接近する側へ摺動される。この摺動は、電波レーダ装置及びレーダブラケットの重量がレーダフレームを介して車体又はフランジ部によって受け止められながらなされる。
【0013】
上記の摺動は、電波の送受信方向におけるレーダブラケットのレーダフレームに対する位置のばらつきに拘わらずなされる。
従って、電波レーダ装置が取付ブラケットを介してリーンフォース、フロントフレーム等の剛性の高い部品に固定される従来技術とは異なり、電波透過カバーから電波レーダ装置を規定距離だけ離れた箇所まで摺動させ、その位置に同電波レーダ装置を保持することが可能である。その結果、電波レーダ装置の性能を、同一車種の車両間で安定させることが可能である。
【0014】
上記電波レーダ装置の固定構造において、前記レーダフレームには、前記送受信方向へ貫通する位置調整孔部が形成され、前記受け面は前記位置調整孔部の底壁面により構成され、前記レーダブラケットには、前記送信方向における後方へ延びる板状部が形成され、前記被受け面は前記板状部の下面により構成され、前記板状部は前記位置調整孔部に対し、前記送信方向における前側から挿通されて、前記被受け面において前記受け面上に載置されており、前記位置調整孔部の上下方向の寸法は、前記板状部の上下方向の厚みよりも大きく設定されていることが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、レーダフレームの位置調整孔部に対し、レーダブラケットの板状部が挿通されて底壁面上に載置される。位置調整孔部の底壁面が受け面として機能し、板状部の下面が被受け面として機能する。電波レーダ装置及びレーダブラケットの重量は、板状部の被受け面及び位置調整孔部の受け面を介してレーダフレームに作用する。上記重量は、レーダフレームを介して、車体又はバンパカバーのフランジ部によって受け止められる。
【0016】
そして、締結具が操作されると、レーダブラケットは電波レーダ装置を伴って、板状部の被受け面において位置調整孔部の受け面上を電波透過カバーに接近する側へ摺動させられる。
【0017】
ここで、板状部よりも上下方向の寸法を大きく設定された位置調整孔部は、その板状部の上下方向の位置のばらつきを吸収する。上記の吸収により、板状部は位置調整孔部の受け面上に載置される。
【0018】
そのため、上記の摺動は、レーダブラケットのレーダフレームに対する上下位置のばらつきに拘わらずなされる。
上記電波レーダ装置の固定構造において、前記板状部が前記位置調整孔部の前記受け面上に載置された状態で、同板状部と前記位置調整孔部の上壁面との間隔が1mm〜5mmに設定されていることが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、板状部が位置調整孔部の受け面上に載置されると、同板状部と位置調整孔部の上壁面との間に上記の大きさの間隔を有する隙間が生ずる。この隙間により、板状部の上下位置のばらつきが吸収される。
【0020】
上記電波レーダ装置の固定構造において、前記締結具はねじにより構成され、前記被締結部には、前記送受信方向へ貫通するねじ挿通孔が形成され、前記ねじ挿通孔は、上下方向へ延びる長孔により構成されており、前記ねじは、前記ねじ挿通孔に挿通されて前記締結部に螺合されていることが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、被締結部のねじ挿通孔に挿通されたねじが締まる方向へ回転されると、上記送信方向における前方へ向かう同締結具の締結力により、被締結部が締結部に締結される。この締結の際、上下方向へ延びるねじ挿通孔は、被締結部ひいてはレーダブラケットの上下方向の位置のばらつきを吸収する。そのため、上記ばらつきに拘わらず、被受け面が受け面に接触する。上記締結は、電波レーダ装置及びレーダブラケットの重量を、レーダフレームを介して車体又はバンパカバーのフランジ部によって受け止める際の支障となりにくい。
【0022】
上記電波レーダ装置の固定構造において、前記板状部を横板状部とした場合において、前記レーダブラケットには、前記横板状部から上方又は下方へ延びる縦板状部が形成され、前記横板状部が前記位置調整孔部に挿通された状態で、前記縦板状部は、前記送信方向における前記レーダフレームよりも後側に配置されていることが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、位置調整孔部に挿通された横板状部は、同位置調整孔部の受け面上を電波の送受信方向へ摺動可能である。横板状部から上方又は下方へ延びる縦板状部は、上記送信方向におけるレーダフレームよりも後側に位置する。この縦板状部は、レーダブラケットが上記送信方向における前側へ摺動する際、レーダフレームのうち位置調整孔部の周囲の部分に当たることで、同レーダブラケットがそれ以上前側へ摺動するのを規制する。この規制により、横板状部が位置調整孔部から抜け出てレーダブラケットがレーダフレームから脱落することが阻止される。
【0024】
上記電波レーダ装置の固定構造において、前記送信方向における前記レーダフレームの前面に対し前記レーダブラケットが接触して、同レーダブラケットが前記電波透過カバーから最も遠ざかった状態では、前記送受信方向における前記縦板状部と前記レーダフレームとの間隔が1mm〜5mmに設定されていることが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、レーダブラケットが上記送信方向におけるレーダフレームの前面に接触させられて、同レーダブラケットが電波透過カバーから最も遠ざけられた状態にされると、レーダフレーム及び縦板状部の間には、上記の大きさの間隔を有する隙間が生ずる。この隙間により、上記送受信方向における縦板状部の位置のばらつきが吸収される。
【0026】
上記電波レーダ装置の固定構造において、前記位置調整孔部は、前記送信方向及び上下方向に対し直交する方向へ延びており、前記レーダフレームには、前記位置調整孔部の一方の端部に繋がった状態で、前記送受信方向へ貫通し、かつ前記横板状部及び前記縦板状部の挿通を許容する挿通孔部が形成されていることが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、レーダブラケットにおける横板状部及び縦板状部が、上記送信方向におけるレーダフレームの前側から挿通孔部に挿通されることで、縦板状部が上記送信方向における位置調整孔部よりも後側に配置される。この状態で、レーダブラケットがレーダフレームに対し、位置調整孔部側であって、その位置調整孔部の延びる方向へ移動されることで、横板状部が位置調整孔部に挿通された状態になる。
【0028】
上記電波レーダ装置の固定構造において、前記電波レーダ装置は、前記車両の前部の車幅方向における側部に配置されて斜め前側方へ電波を送信する前側方監視用の電波レーダ装置であることが好ましい。
【0029】
電波レーダ装置の固定構造は、上記の構成によるように、前側方監視用の電波レーダ装置が、前部の車幅方向における側部に配置された車両に適用可能である。この場合には、電波透過カバーが、電波レーダ装置に対し車両の斜め前側方となる箇所に配置されてバンパカバーに固定される。そして、電波レーダ装置及びレーダブラケットの重量が、レーダフレームを介して車体又はバンパカバーのフランジ部によって受け止められつつ、同電波レーダ装置が電波透過カバーから規定距離離れた箇所に位置決めされた状態で固定される。
【発明の効果】
【0030】
上記電波レーダ装置の固定構造によれば、電波レーダ装置を電波透過カバーから規定距離離れた箇所に固定し、電波レーダ装置の性能を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】一実施形態における電波レーダ装置が固定された車両の前側部を示す部分斜視図。
図2】一実施形態を示す図であり、電波レーダ装置の固定構造をバンパカバーの内側から見た部分背面図。
図3】一実施形態におけるバンパカバーの一部、電波透過カバー及び電波レーダ装置付きレーダブラケットの分解斜視図。
図4】一実施形態における電波レーダ装置付きレーダブラケットをレーダフレームに組み付ける前の状態を示す分解斜視図。
図5図2の5−5線断面図。
図6図2の6−6線断面図。
図7図2の7−7線断面図。
図8】(a)は、一実施形態における電波レーダ装置に固定されたレーダブラケットの背面図、(b)〜(d)は、それぞれ図8(a)の一部を拡大して示す部分背面図。
図9】(a)は、一実施形態におけるレーダフレームの部分背面図、(b),(c)は、それぞれ図9(a)の一部を拡大して示す部分背面図。
図10】(a)は、一実施形態におけるレーダアセンブリの部分背面図、(b),(c)はそれぞれ図10(a)の一部を拡大して示す部分背面図。
図11】(a)は図10(b)に対応し、(b)は図10(c)に対応する図であり、ともに横板状部が位置調整孔部の受け面上に載置された状態を示す部分背面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、電波レーダ装置の固定構造の一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の記載に関し、車両の前進方向を前方とし、後進方向を後方として説明する。また、上下方向は車両の上下方向を意味し、左右方向は車幅方向であって車両の前進時の左右方向と一致するものとする。
【0033】
図1及び図5に示すように、車両10の前部には、ポリプロピレン樹脂(PP)等の樹脂材料によって形成されたバンパカバー11が配置されている。バンパカバー11の上部及び下部には、車両10の車体19側へ屈曲又は湾曲するフランジ部12が形成されている。バンパカバー11は、フランジ部12において締結具9によって車体19に固定されている。バンパカバー11のフランジ部12を除く多くの部分の剛性は、車両10の衝突時に衝撃を吸収するために低くされている。しかし、フランジ部12の剛性は、車体19に固定されることで上記部分よりも高くなっている。
【0034】
バンパカバー11と車体19との間であって車幅方向における両側部には、前側方監視用の電波レーダ装置18が設置されている。前側方監視用の電波レーダ装置は、例えば、斜め前方から接近する見通しのよい交差点での出合い頭の衝突、センターラインをはみ出した対向車との衝突等を軽減するシステムに使用されて、車両10の側方や斜め前側方の物体を検出する。
【0035】
電波レーダ装置18は、ミリ波等の電波26を車外のうち、斜め前側方へ向けて送信し、かつ、車外の物体に当たって反射された電波26を受信する。ミリ波とは、波長が1mm〜10mmであり、周波数が30GHz〜300GHzである電波をいう。電波レーダ装置18は、送信した電波26と受信した電波26との時間差や、受信波の強度等から、車外の上記物体を認識したり、車両10と上記物体との距離や相対速度を検出したりする。
【0036】
図2及び図3に示すように、上記フランジ部12の周方向に互いに離間する複数箇所には、ねじ挿通孔14を有する取付座13が形成されている。また、バンパカバー11において、電波レーダ装置18からの電波26の送信方向における前方には、窓部15が開口されている(図1図5図7参照)。窓部15は、電波レーダ装置18の斜め前側方に位置している。バンパカバー11には、窓部15の上縁部の複数箇所(2箇所)及び下縁部の複数箇所(2箇所)からそれぞれ上記送信方向における後方へ突出する爪部16が形成されている。
【0037】
窓部15には、電波透過カバー20が装着されている。電波透過カバー20は、電波26の透過性を有する樹脂材料によって形成されており、電波レーダ装置18の斜め前側方に位置している。電波透過カバー20の骨格部分は、窓部15を塞ぐカバー本体部21によって構成されている。カバー本体部21の上端部の周方向に互いに離間した複数箇所と、下端部の周方向に互いに離間した複数箇所とには、上方又は下方へ突出する突出片22が形成されている。上端部における突出片22はカバー本体部21から上方へ突出し、下端部における突出片22は同カバー本体部21から下方へ突出している。各突出片22には、長孔23が電波26の送受信方向へ貫通されている。
【0038】
そして、図2図3及び図6に示すように、各長孔23に対し、対応する爪部16が挿入されて係止されることにより、カバー本体部21によって窓部15を塞いだ状態の電波透過カバー20がバンパカバー11に固定されている。
【0039】
図3図5及び図6に示すように、カバー本体部21の上端部及び下端部のうち、それぞれ上記突出片22から周方向に離間した箇所には、上下方向へ延びる締結部24が形成されている。本実施形態では、カバー本体部21の上端部の1箇所に締結部24(図5参照)が形成され、下端部の周方向に互いに離間した2箇所に締結部24(図6参照)が形成されている。
【0040】
図3及び図4に示すように、電波レーダ装置18を車両10に固定するために、バンパカバー11と車体19との間には、レーダブラケット30及びレーダフレーム40が配置されている。次に、それぞれについて説明する。
【0041】
<レーダブラケット30>
図4及び図8(a)〜(d)に示すように、レーダブラケット30は金属板によって形成され、上記送信方向における電波レーダ装置18の後側に配置されている。なお、レーダブラケット30は、樹脂によって型成形されたものであってもよい。
【0042】
レーダブラケット30は、上記送信方向における電波透過カバー20の後側に配置された本体板部31と、本体板部31の水平方向における両側に形成された一対の取付板部32とを備えている。本体板部31は、溶着、ねじ締結等の手段によって、上記送信方向における上記電波レーダ装置18の後面に固定されている。本体板部31の上端部と、各取付板部32の下端部とには、それぞれ上下方向へ延びる板状の被締結部33が形成されている。本体板部31における被締結部33は、同本体板部31の上端部よりも上側に形成され、各取付板部32における被締結部33は、同取付板部32の下端部よりも下側に形成されている。
【0043】
各被締結部33には、電波26の送受信方向へ貫通するねじ挿通孔34が形成されている。被締結部33毎のねじ挿通孔34は、上下方向へ延びる長孔によって構成されている。
【0044】
レーダブラケット30の四隅には、上記送信方向における後側へ延びる横板状部35が板状部として形成されている。各横板状部35の下面は、上記送受信方向へ延びる被受け面36を構成している。取付板部32毎の上側の各横板状部35であって、上記送信方向における後端部からは縦板状部37が上方へ延びている。取付板部32毎の下側の各横板状部35において、上記送信方向における後端部からは縦板状部37が下方へ延びている(図7参照)。
【0045】
<レーダフレーム40>
図3図4及び図9に示すように、レーダフレーム40は樹脂材料によって形成されている。レーダフレーム40の外殻部分は、環状をなす枠本体41によって構成されている。枠本体41の周方向における複数箇所、より具体的には、バンパカバー11における上記取付座13に対応する箇所には、ねじ孔43を有するねじボス42が形成されている。
【0046】
そして、フランジ部12におけるねじ挿通孔14にそれぞれ挿通されたねじ17が、ねじボス42に締め付けられることにより、レーダフレーム40がフランジ部12に固定されている。
【0047】
図4及び図9(a)〜(c)に示すように、レーダフレーム40は、互いに平行な状態で上下方向へ延びる一対の縦壁部44と、両縦壁部44によって挟まれた箇所に形成された開口部45とを備えている。各縦壁部44の互いに上下方向に離間した複数箇所(2箇所)には、上記送受信方向へ貫通する装着孔46が形成されている。縦壁部44毎の装着孔46は、位置調整孔部47及び挿通孔部51からなる。縦壁部44毎の上側の装着孔46は互いに同一の形状をなし、縦壁部44毎の下側の装着孔46は互いに同一の形状をなしている。
【0048】
装着孔46毎の位置調整孔部47は、上記送信方向及び上下方向に対し直交する方向(図9(a)〜(c)の左右方向)へ延びている。各位置調整孔部47の底壁面は、受け面48を構成している。
【0049】
図4及び図10(a)〜(c)に示すように、上記レーダブラケット30の各横板状部35は、対応する位置調整孔部47に挿通されている。各横板状部35は自身の被受け面36において受け面48上に載置されており、上記送受信方向へ摺動可能である。
【0050】
各位置調整孔部47の上下方向の寸法は、横板状部35の上下方向の厚みよりも大きく設定されている。そして、各横板状部35が、受け面48上に載置された状態で、同横板状部35と各位置調整孔部47の上壁面49との間に、1mm〜5mmの間隔D1を有する隙間が生ずるように設定されている(図7参照)。
【0051】
また、各横板状部35が位置調整孔部47に配置された状態では、各縦板状部37が、縦壁部44よりも上記送信方向における後側に配置されている。
そして、図7に示すように、上記送信方向における縦壁部44の前面に対し取付板部32が接触して、レーダブラケット30が電波透過カバー20から最も遠ざかった状態では、上記送受信方向における各縦板状部37と縦壁部44との間に、1mm〜5mmの間隔D2を有する隙間が生ずるように設定されている。
【0052】
図9(a)〜(c)に示すように、上側の装着孔46毎の挿通孔部51は、自身の下端部において位置調整孔部47の一方(図9(b),(c)の各左方)の端部に繋がっている。下側の装着孔46毎の挿通孔部51は、自身の上端部において位置調整孔部47の一方(図9(b),(c)の各左方)の端部に繋がっている。各挿通孔部51は、縦壁部44を上記送受信方向へ貫通している。各挿通孔部51は、横板状部35及び縦板状部37が上記送受信方向に挿通できる大きさに形成されている(図11(a),(b)参照)。
【0053】
そして、図5図6及び図10(a)〜(c)に示すように、レーダブラケット30は、締結具としてのねじ25によって電波透過カバー20に締結されている。より詳しくは、各ねじ25が、対応する被締結部33の各ねじ挿通孔34に対し挿通されて、対応する締結部24に螺合されている。各被締結部33は、上記送信方向における前側へ向かうねじ25の締結力により締結部24に対し、上記送信方向における後側から締結されている。
【0054】
次に、上記のように構成された本実施形態の作用及び効果について、電波レーダ装置の固定構造の構成部材を組み付ける手順とともに説明する。
(i)電波透過カバー20のバンパカバー11への固定
図3及び図6に示すように、バンパカバー11の窓部15に対し電波透過カバー20が、上記送信方向における後側から近づけられる。各突出片22の長孔23に対し、対応する爪部16が挿入されて係止される。これらの係止により、カバー本体部21によって窓部15を塞いだ状態で電波透過カバー20がバンパカバー11に固定される。
【0055】
(ii)レーダアセンブリ55の形成
図4に示すように、電波レーダ装置18付きレーダブラケット30が、上記送信方向における前側からレーダフレーム40に近づけられる。
【0056】
図11(a),(b)において二点鎖線で示すように、取付板部32毎の横板状部35及び縦板状部37が、レーダフレーム40において対応する装着孔46の挿通孔部51に挿通される。これらの挿通は、取付板部32毎の縦板状部37が、上記送信方向における縦壁部44よりも後側に位置するまで行われる(図7参照)。
【0057】
レーダブラケット30がレーダフレーム40に対し、位置調整孔部47側(図11(a),(b)の右側)であって、その位置調整孔部47の延びる方向へ移動される。図11(a),(b)において断面で示すように、上記移動が、取付板部32毎の横板状部35の全体が位置調整孔部47内に位置するまで行われると、各横板状部35が、対応する位置調整孔部47に挿通された状態となる。各横板状部35から上方又は下方へ延びる縦板状部37は、上記送信方向における縦壁部44よりも後側に位置する。
【0058】
このようにして、電波レーダ装置18付きレーダブラケット30がレーダフレーム40に組み付けられることにより、レーダアセンブリ55が形成される。このレーダアセンブリ55では、横板状部35は、位置調整孔部47に対し、その位置調整孔部47の延びる方向、上記送受信方向、及び上下方向のいずれの方向にも移動可能である。
【0059】
各縦板状部37は、レーダブラケット30が上記送信方向における前側へ移動する際、同送信方向におけるレーダフレーム40(縦壁部44)の後面に当たることで、それ以上前側へ移動するのを規制する。この規制により、各横板状部35が位置調整孔部47から抜け出てレーダブラケット30がレーダフレーム40から脱落することが阻止される。
【0060】
(iii)レーダフレーム40のバンパカバー11への固定
上記レーダアセンブリ55が、上記送信方向におけるバンパカバー11の後側から窓部15及び電波透過カバー20に近づけられる。図3及び図4に示すように、フランジ部12における取付座13毎のねじ挿通孔14にねじ17が挿通され、レーダフレーム40の対応するねじボス42に締め付けられる。これらの締め付けにより、レーダアセンブリ55のうちレーダフレーム40がフランジ部12に固定される。
【0061】
この状態では、図7及び図11(a),(b)に示すように、各横板状部35が、電波レーダ装置18及びレーダブラケット30の重量により、対応する位置調整孔部47の底壁面上に載置される。
【0062】
各位置調整孔部47の底壁面が受け面48として機能し、各横板状部35の下面が被受け面36として機能する。電波レーダ装置18及びレーダブラケット30の重量は、横板状部35毎の被受け面36及び位置調整孔部47毎の受け面48を介してレーダフレーム40に作用する。
【0063】
この段階では、各位置調整孔部47に挿通された各横板状部35が、各受け面48上を上記送受信方向へ摺動可能である。
ここで、バンパカバー11のフランジ部12を除く多くの部分では、車両10の衝突時の衝撃を吸収するために、剛性が低く設定されている。しかし、車体19に固定されたフランジ部12の剛性は、電波透過カバー20や、バンパカバー11の上記部分の剛性よりも高くなっている。レーダフレーム40は、上記のように剛性の高いフランジ部12に固定される。そのため、電波レーダ装置18及びレーダブラケット30の重量は、レーダフレーム40を介してフランジ部12によって受け止められる。
【0064】
(iv)電波レーダ装置18付きレーダブラケット30の電波透過カバー20への固定
図5図6及び図10(a)〜(c)に示すように、レーダブラケット30の被締結部33毎のねじ挿通孔34に対し、上記送信方向における後側からねじ25が挿通されて、同ねじ25が締まる方向へ回転される。すると、上記送信方向における前側へ向かうねじ25の締結力によって、レーダブラケット30が電波レーダ装置18を伴って、位置調整孔部47毎の受け面48上を上記送信方向における前側へ摺動させられる。この摺動は、電波レーダ装置18及びレーダブラケット30の重量がレーダフレーム40を介してフランジ部12によって受け止められながらなされる。
【0065】
ここで、横板状部35と位置調整孔部47の上壁面49との間に設定された、1mm〜5mmの間隔D1を有する隙間は、横板状部35の上下位置のばらつきを吸収する。そのため、上記ばらつきに拘わらず、各横板状部35を位置調整孔部47毎の受け面48上に載置させることができる。
【0066】
なお、それぞれ上下方向へ延びる長孔により構成されたねじ挿通孔34は、被締結部33ひいてはレーダブラケット30の上下位置のばらつきを吸収する。そのため、上記上下位置のばらつきに拘わらず、被受け面36を受け面48に接触させることができる。上記締結は、電波レーダ装置18及びレーダブラケット30の重量を、レーダフレーム40を介してバンパカバー11のフランジ部12によって受け止める際の支障となりにくい。
【0067】
また、レーダフレーム40の各縦壁部44と各縦板状部37との間に設定された、1mm〜5mmの大きさの間隔D2を有する隙間は、上記送受信方向における各縦板状部37の位置のばらつきを吸収する。その結果、レーダブラケット30は、上記位置のばらつきに拘わらず、位置調整孔部47毎の受け面48上を送信方向における前側へ摺動可能である。
【0068】
そして、各ねじ25による被締結部33の締結部24に対する締結が完了すると、電波レーダ装置を、取付ブラケットを介してリーンフォース、フロントフレーム等の剛性の高い部品に固定する従来技術とは異なり、電波レーダ装置18は電波透過カバー20から規定距離だけ離れた箇所に位置し、かつその位置に保持される。従って、電波レーダ装置18の性能を同一車種の車両10間で安定させることができる。
【0069】
本実施形態によると、上記以外にも、次の効果が得られる。
・各横板状部35は、対応する位置調整孔部47に挿通されて、受け面48上に載置されている。位置調整孔部47の上下方向の寸法が、横板状部35の上下方向の厚みよりも大きく設定されている。また、各位置調整孔部47には挿通孔部51が繋がっている。
【0070】
そのため、衝突等により、電波透過カバー20や、バンパカバー11のうち電波透過カバー20の周辺部分に衝撃が加わった場合、横板状部35が位置調整孔部47に対し上記送受信方向へ移動したり、位置調整孔部47内で上方へ移動したり、位置調整孔部47の延びる方向へ移動したりする。この移動により、電波レーダ装置18に加わる衝撃を緩和することができる。
【0071】
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
・レーダフレーム40は、バンパカバー11のフランジ部12に代えて、車体19に対し直接又はブラケット等の剛性の高い部材を介して間接的に固定されてもよい。
【0072】
・レーダブラケット30の各被締結部33を、電波透過カバー20の対応する締結部24に締結できるものであることを条件に、ねじ25とは異なる締結具が用いられてもよい。
【0073】
・受け面48及び被受け面36のうち、電波26の送受信方向に延びる面によって構成される対象が、上記実施形態における被受け面36から、受け面48に変更されてもよいし、受け面48及び被受け面36の両者に変更されてもよい。受け面48及び被受け面36の少なくとも一方が上記送受信方向に延びる面によって構成されれば、レーダブラケット30を、受け面48上で電波26の送信方向における前方へ摺動させることができる。
【0074】
・上記電波レーダ装置の固定構造は、電波レーダ装置として、斜め前側方とは異なる方向へ電波を送信する電波レーダ装置が配置された車両にも適用可能である。該当する電波レーダ装置は、例えば、前方監視用、後方監視用、及び後側方監視用の電波レーダ装置である。
【0075】
前方監視用の電波レーダ装置は、車両の前部の車幅方向における中央部分であって、フロントバンパにおけるバンパカバーの後方に配置され、例えば、同一車線を走行する前方車両との車間距離を検出する役割を担っている。
【0076】
後方監視用の電波レーダ装置は、車両の後部の車幅方向における中央部分であって、リヤバンパにおけるバンパカバーの前方等に配置され、例えば、所定速度以上での走行時に、後方から接近する車両を検知する役割を担っている。
【0077】
後側方監視用の電波レーダ装置は、車両の後部に装着されるリヤバンパにおけるバンパカバーの車幅方向の両側部に配置され、斜め後側方へ電波を送信することで、例えば、運転者の死角になりやすい斜め後側方の車両や、後退時に斜め後側方から接近してくる車両を検出する役割を担っている。
【0078】
上記いずれのタイプの電波レーダ装置が固定された車両においても、電波透過カバーは、電波の送信方向における前方に配置される。
・前側方監視用及び後側方監視用の電波レーダ装置は、車両の車幅方向における両側部に固定されてもよいし、一方の側部にのみ固定されてもよい。
【0079】
・上記電波レーダ装置の固定構造は、ミリ波帯とは異なる帯域の電波を送信し、物体に当たって反射された電波を受信する電波レーダ装置を車両に固定する場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
10…車両、11…バンパカバー、12…フランジ部、18…電波レーダ装置、19…車体、20…電波透過カバー、24…締結部、25…ねじ(締結具)、26…電波、30…レーダブラケット、33…被締結部、34…ねじ挿通孔、35…横板状部(板状部)、36…被受け面、37…縦板状部、40…レーダフレーム、47…位置調整孔部、48…受け面、49…上壁面、51…挿通孔部、D1,D2…間隔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11