特許第6973351号(P6973351)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973351
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】センサ校正方法、及びセンサ校正装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/40 20060101AFI20211111BHJP
   G01S 7/497 20060101ALI20211111BHJP
   G01C 21/28 20060101ALI20211111BHJP
   G01S 13/86 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   G01S7/40 104
   G01S7/497
   G01C21/28
   G01S13/86
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-201178(P2018-201178)
(22)【出願日】2018年10月25日
(65)【公開番号】特開2020-67402(P2020-67402A)
(43)【公開日】2020年4月30日
【審査請求日】2020年12月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】張 玉坤
【審査官】 ▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/159382(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/139747(WO,A1)
【文献】 国際公開第2018/179892(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0343654(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 − G01S 7/51
G01S 13/00 − G01S 13/95
G01S 17/00 − G01S 17/95
G01C 21/00 − G01C 21/36
G01C 23/00 − G01C 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ(100)によって実施され、車両(A)に搭載された複数の車載センサ(30)についての校正を行うセンサ校正方法であって、
少なくとも一つのプロセッサ(61)上において、
前記車載センサによって計測された地面固定物(RO)の計測情報を取得し(S102)、
前記車載センサとは異なる情報源(50)による前記地面固定物の既知情報を準備し(S105)、
前記計測情報についての信頼度として、前記計測情報を出力する前記車載センサ毎のセンサ信頼度を少なくとも評価し(S106)、
同一の前記地面固定物についての前記計測情報及び前記既知情報を用いて、前記既知情報と前記計測情報との比較によって複数の前記車載センサ間に設定される外部パラメータを更新し、前記外部パラメータが適用される二つの前記車載センサにそれぞれ紐づく前記センサ信頼度を共に用いて、更新における前記外部パラメータの調整量を変更する(S107,S108)、
というステップを含むセンサ校正方法。
【請求項2】
前記車両の停止を判定する(S101)、というステップをさらに含み、
前記外部パラメータを更新するステップでは、前記車両が停止した状態で計測された前記計測情報を使用する請求項1に記載のセンサ校正方法。
【請求項3】
前記既知情報には、前記地面固定物の位置を示す物体位置情報が含まれており、
前記車載センサからは、前記車両の位置を示す自車位置情報が提供され、
前記外部パラメータの更新には、前記物体位置情報及び前記自車位置情報が用いられる請求項1又は2に記載のセンサ校正方法。
【請求項4】
前記既知情報を準備するステップでは、最新の情報への更新を繰り返す前記情報源から前記既知情報の提供を受ける請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサ校正方法。
【請求項5】
前記既知情報を準備するステップでは、前記車両の外部の前記情報源から、無線通信を通じて前記既知情報の提供を受ける請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサ校正方法。
【請求項6】
前記車両の周囲に位置する複数の前記地面固定物の中から、前記外部パラメータの更新に利用する前記地面固定物を選定する(S103)、というステップをさらに含む請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサ校正方法。
【請求項7】
前記地面固定物を選定するステップでは、路面に描かれた道路標示物(20)よりも、路面に立設された道路立設物(10)を、前記外部パラメータの更新に用いる前記地面固定物として優先的に選定する請求項6に記載のセンサ校正方法。
【請求項8】
前記センサ信頼度は、前記計測情報が計測された時間及び天気の少なくとも一つに応じて調整される請求項1〜7のいずれか一項に記載のセンサ校正方法。
【請求項9】
前記センサ信頼度は、前記計測情報の計測対象とされた前記地面固定物の種別に応じて調整される請求項1〜8のいずれか一項に記載のセンサ校正方法。
【請求項10】
前記センサ信頼度は、前記計測情報を出力する前記車載センサの種別に応じて調整される請求項のいずれか一項に記載のセンサ校正方法。
【請求項11】
車両(A)において用いられ、前記車両に搭載された複数の車載センサ(30)についての校正を行うセンサ校正装置であって、
前記車載センサによって計測された地面固定物(RO)の計測情報を取得する情報取得部(71)と、
前記車載センサとは異なる情報源(50)による前記地面固定物の既知情報を設定する情報設定部(84)と、
前記計測情報についての信頼度として、前記計測情報を出力する前記車載センサ毎のセンサ信頼度を少なくとも評価する信頼度評価部(85)と、
同一の前記地面固定物についての前記計測情報及び前記既知情報を用いて、前記既知情報と前記計測情報との比較によって複数の前記車載センサ間に設定される外部パラメータを更新し、前記外部パラメータが適用される二つの前記車載センサにそれぞれ紐づく前記センサ信頼度を共に用いて、更新における前記外部パラメータの調整量を変更する更新実行部(86)と、
を備えるセンサ校正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書による開示は、車両に搭載された複数の車載センサについての校正を行う校正技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1には、自車両の周囲に存在する物体を利用して、車両に搭載されたライダ又はカメラを校正する校正方法が開示されている。具体的に、特許文献1の校正方法では、自車両の近傍を走行する他車両のGPS(Global Positioning System)情報が、車車間通信によって取得される。そして、ライダ又はカメラによって知覚された情報と、他車両から受信した情報とを比較する処理により、自車両のライダ又はカメラについての校正が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0196127号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の校正方法にて用いられる他車両のGPS情報には、特に走行中において、測位誤差が生じ易い。そのため、ライダ又はカメラ等の車載センサの校正に、信頼度の不明な他車両のGPS情報を使用してしまうと、校正されたパラメータの精度の確保が困難となり得た。
【0005】
本開示は、車載センサについての校正精度を高めることが可能なセンサ校正方法、及びセンサ校正装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、コンピュータ(100)によって実施され、車両(A)に搭載された複数の車載センサ(30)についての校正を行うセンサ校正方法であって、少なくとも一つのプロセッサ(61)上において、車載センサによって計測された地面固定物(RO)の計測情報を取得し(S102)、車載センサとは異なる情報源(50)による地面固定物の既知情報を準備し(S105)、計測情報についての信頼度として、計測情報を出力する車載センサ毎のセンサ信頼度を少なくとも評価し(S106)、同一の地面固定物についての計測情報及び既知情報を用いて、既知情報と計測情報との比較によって複数の車載センサ間に設定される外部パラメータを更新し、外部パラメータが適用される二つの車載センサにそれぞれ紐づくセンサ信頼度を共に用いて、更新における外部パラメータの調整量を変更する(S107,S108)、というステップを含むセンサ校正方法とされる。
【0007】
また開示された一つの態様は、車両(A)において用いられ、車両に搭載された複数の車載センサ(30)についての校正を行うセンサ校正装置であって、車載センサによって計測された地面固定物(RO)の計測情報を取得する情報取得部(71)と、車載センサとは異なる情報源(50)による地面固定物の既知情報を設定する情報設定部(84)と、計測情報についての信頼度として、計測情報を出力する車載センサ毎のセンサ信頼度を少なくとも評価する信頼度評価部(85)と、同一の地面固定物についての計測情報及び既知情報を用いて、既知情報と計測情報との比較によって複数の車載センサ間に設定される外部パラメータを更新し、外部パラメータが適用される二つの車載センサにそれぞれ紐づくセンサ信頼度を共に用いて、更新における外部パラメータの調整量を変更する更新実行部(86)と、を備えるセンサ校正装置とされる。
【0008】
これらの態様では、外部パラメータの更新に地面固定物の既知情報が用いられる。故に、他車両にて生じる測位誤差の影響を実質的に受けることなく、車載センサ間の外部パラメータの更新が可能となる。以上によれば、車載センサについての校正の精度を高めることができる。
【0009】
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態において、キャリブレーションに関連する構成の全体像を示す図である。
図2】車載ECU及びインフラモジュール等の電気的な構成を示すブロック図である。
図3】キャリブレーションの信頼度を数値化するために用いられる信頼度評価テーブルの一例を示す図である。
図4】車載ECUにて実施されるセンサ校正処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び図2に示す本開示の一実施形態において、センサ校正装置の機能は、車載ECU(Electronic Control Unit)100に実装されている。車載ECU100は、車両Aに搭載された複数の電子制御ユニットのうちの一つであり、車両Aの自動運転又は高度運転支援を可能にする車載コンピュータである。車載ECU100は、DCM41、V2I通信機43、車載ネットワーク45のバス、及び複数の車載センサ30等と直接的又は間接的に電気接続されている。
【0012】
DCM(Data Communication Module)41は、車両Aに搭載される通信モジュールである。DCM41は、LTE(Long Term Evolution)及び5G等の通信規格に沿った無線通信により、車両Aの周囲の基地局との間で電波を送受信する。DCM41は、クラウドCLDと車載機器との連携(Cloud to Car)を可能にする。DCM41は、クラウドCLD上に設置されたクラウドデータベースDBcとの間で、地図情報及び道路情報等の種々の情報を共有する。DCM41の搭載により、車両Aは、インターネットに接続可能なコネクテッドカーとなる。
【0013】
V2I(Vehicle to roadside Infrastructure)通信機43は、路車間(V2I)通信のための通信機である。V2I通信機43は、道路に設置された路側機との間にて双方向通信を行う。例えば道路標識10等には、V2I通信機43と無線通信可能なインフラモジュール10aが、路側機として設置されている。
【0014】
インフラモジュール10aは、インフラ通信機11、インフラデータベース(以下、「インフラDB」)12、及びこれらの制御するインフラコントローラ13等によって構成されている。インフラモジュール10aは、道路標識10等のインフラストラクチャに関連したインフラ情報(詳細は後述する)を、インフラDB12に保持している。インフラモジュール10aは、インターネットに接続されており、インフラDB12のインフラ情報を、最新の情報に随時更新可能である。インフラモジュール10aは、インフラDB12に記憶された最新のインフラ情報を、インフラ通信機11を通じてV2I通信機43に送信する。
【0015】
車載ネットワーク45の通信バスには、多数の車載機器が直接的又は間接的に電気接続されている。車載ネットワーク45は、通信バスに出力された種々の車両情報を、車載ECU100に提供可能である。車載ネットワーク45は、後述するキャリブレーションに必要な情報として、例えば車両Aの走行速度を示す情報(以下、「車速情報」)等を車載ECU100に提供する。
【0016】
車載センサ30は、車両Aに搭載されて、自動運転又は高度運転支援に必要な種々の情報を取得する検出構成である。車載センサ30には、GNSS受信機31、IMU32、ミリ波レーダ33、ライダ34、カメラ35、及びソナー36が含まれている。各車載センサ30は、相互に異なる位置に、相互に異なる姿勢で設置されている。
【0017】
GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機31及びIMU(Inertial Measurement Unit)32は、車両Aの現在位置を特定する構成である。GNSS受信機31は、複数の人工衛星から送信された測位信号を受信する。IMU32は、例えば3軸ジャイロセンサ及び3軸加速度センサ等によって構成されており、車両Aに作用する慣性力を計測する。GNSS受信機にて受信された測位信号及びIMU32の計測結果は、車両Aの現在位置を示す自車位置情報として、車載ECU100に逐次提供される。
【0018】
ミリ波レーダ33、ライダ34、カメラ35及びソナー36は、車両Aの周囲環境を認識する自律センサである。これらの自律センサは、歩行者及び他車両等の移動物体、並びに交通信号、道路標識10及び区画線や横断歩道のような道路標示物20等の静止物体を検出する。各自律センサは、移動物体及び静止物体の検出結果を含んだ計測情報を、車載ECU100に逐次出力する。尚、各自律センサは、それぞれ複数であってもよい。また、一部の自律センサは、省略されていてもよい。
【0019】
ミリ波レーダ33は、車両Aの進行方向へ向けてミリ波を照射し、進行方向に存在する移動物体及び静止物体等で反射されたミリ波を受信する処理により、検出結果を取得する。ライダ34は、車両Aの進行方向又は左右前方へ向けてレーザ光を照射し、照射方向に存在する移動物体及び静止物体等で反射されたレーザ光を受信する処理により、検出結果を取得する。ライダ34は、回転鏡方式、MEMS方式、及びフェーズドアレイ方式等の走査型であってもよく、又はフラッシュ方式等の非走査型であってもよい。カメラ35は、車両Aの前方領域を撮影した前方画像を解析する処理により、検出結果を取得する。ソナー36は、車両Aの周囲へ向けて超音波を照射し、照射方向に存在する移動物体及び静止物体等で反射された超音波を受信する処理により、検出情報を取得する。
【0020】
車載ECU100は、各車載センサ30から取得する自車位置情報及び計測情報を組み合わせて、走行環境の認識を行う演算装置である。車載ECU100は、自車位置を特定する処理及び自車周囲の物体までの相対距離を算出する処理等を継続的に繰り返す。車載ECU100は、プロセッサ61、RAM62、メモリ装置63及び入出力インターフェース64等を含む制御回路を主体に構成されている。
【0021】
プロセッサ61は、RAM62と結合された演算処理のためのハードウエアであって、種々のプログラムを実行可能である。メモリ装置63は、不揮発性の記憶媒体を含む構成であり、プロセッサ61によって実行される種々のプログラムを格納している。メモリ装置63には、走行環境認識のための環境認識プログラムに加えて、データベース更新プログラム及びセンサ校正プログラム等が少なくとも記憶されている。データベース更新プログラム及びセンサ校正プログラムは、各車載センサ30についての校正に関連するプログラムである。
【0022】
車載ECU100は、環境認識プログラムの実行により、センサ情報取得部71、パラメータ記憶部72及び物体特定部73等の機能部を備える。加えて車載ECU100は、データベース更新プログラムの実行により、データベース更新部77を機能部として備える。さらに車載ECU100は、センサ校正プログラムの実行により、停止判定部81、環境推定部82、対象選定部83、インフラ情報設定部84、信頼度評価部85及び更新実行部86等の機能部を備える。
【0023】
センサ情報取得部71は、GNSS受信機31及びIMU32によって提供される自車位置情報を取得する。加えてセンサ情報取得部71は、ミリ波レーダ33、ライダ34、カメラ35及びソナー36のそれぞれから、計測情報を取得する。
【0024】
パラメータ記憶部72は、各車載センサ30についての外部パラメータを記憶する。外部パラメータは、二つの車載センサ30の間に設定される数値群であり、二つの車載センサ30にて取得される二つの計測情報を幾何学的に対応付ける数値群である。具体的に、外部パラメータは、各車載センサ30の搭載位置及び搭載姿勢(向き)に対応した6軸(x,y,z,roll,pitch,yaw)の形式で規定されている。本実施形態では、複数の車載センサ30のうちの一つが、外部パラメータを設定するうえで基準となるマスタセンサとされている。パラメータ記憶部72は、マスタセンサを除く各車載センサ30について、マスタセンサに対する相対的な外部パラメータを記憶している。車載センサ30の計測情報に外部パラメータを適用する処理によれば、当該車載センサ30の座標系における検出物体の位置座標は、マスタセンサの座標系における位置座標に変換可能となる。
【0025】
物体特定部73は、センサ情報取得部71にて取得された計測結果に基づき、車両周囲より検出される検出物体の相対距離及び方向、形状(大きさ、高さ、面積等)、並びに種別等を特定する。こうした処理において、物体特定部73は、複数の自律センサの計測情報を組み合わせる処理、いわゆるセンサフュージョンを実施する。物体特定部73は、センサフュージョンにおいて、パラメータ記憶部72に記憶された外部パラメータを使用し、異なる二つの自律センサの計測結果において、幾何学的に同一点を示す座標を対応付けて、検出精度を向上させる。
【0026】
データベース更新部77は、車載データベース(以下、「車載DB」)76に登録されたインフラ情報を、最新の情報に更新する。車載DB76は、インフラ情報を記憶するためにメモリ装置63等に確保された記憶領域であって、ローカルデータベースとして機能する。データベース更新部77は、インフラ情報の更新処理を所定の周期にて繰り返し、車載DB76のインフラ情報を最新の状態に維持する。
【0027】
インフラ情報は、後述するキャリブレーションにて利用される特定のインフラストラクチャ、具体的には、地面固定物ROに紐付いた情報である。地面固定物ROは、地面に固定され、且つ、法規等にて予め形状が規定された物体である。地面固定物ROには、例えば道路標識10及び道路標示物20等が含まれる。インフラ情報は、地面固定物ROの絶対位置情報(緯度、経度、高度)に加えて、地面からの高さ及び面積等の形状情報を含んだ内容とされている。尚、路面に描かれた道路標示物20には、例えば高さが「0」であることを示すインフラ情報が紐付けられている。
【0028】
停止判定部81は、車載ネットワーク45から提供される車両Aの車速情報に基づき、車両Aの走行状態を判定する。具体的に、停止判定部81は、車速情報の示す走行速度がゼロである場合に、車両Aが停止していると判定する。尚、停止判定部81は、GNSS受信機31から提供される自車位置情報に基づき、車両Aの停止判定を実施してもよい。
【0029】
環境推定部82は、カメラ35にて撮影された前方画像、並びにDCM41又はV2I通信機43にて受信される通信情報等に基づき、車両周囲の現在の環境を推定する。環境推定部82は、一例として、時間(昼夜又は明暗)及び天気の判定等を実施する。
【0030】
対象選定部83は、ミリ波レーダ33、ライダ34、カメラ35及びソナー36にて、複数の地面固定物ROが検出されている場合に、複数の地面固定物ROの中から、外部パラメータの更新に利用する地面固定物ROを選定する。対象選定部83は、物体特定部73の特定結果を参照し、自律センサにて検出されている車両周囲の地面固定物ROの種別を把握する。対象選定部83は、各地面固定物ROの種別に基づき、キャリブレーションに利用する優先順位を設定する。対象選定部83は、後述のキャリブレーションの信頼度が確保され易い地面固定物ROほど、優先順位を高く設定する。具体的には、後述する信頼度評価テーブル(図3参照)に規定された地物信頼度が大きい(1に近い)地面固定物ROほど、優先順位が高く設定される。
【0031】
対象選定部83は、各地面固定物ROの優先順位を設定したうえで、優先順位が高い地面固定物ROから順にインフラ情報の有無を判定する。対象選定部83は、インフラ情報の存在する地面固定物ROのうちで最も優先順位の高い地面固定物ROを、外部パラメータの更新に用いる使用対象に選定する。上述の地物信頼度は、路面に描かれた道路標示物20よりも、路面に立設された道路標識10の方が、大きな値となる。故に、対象選定部83は、道路標示物20よりも道路標識10を、使用対象として優先的に選定するようになる。
【0032】
インフラ情報設定部84は、対象選定部83にて使用対象に選定される地面固定物ROのインフラ情報を取得し、計測情報と対比可能な状態に設定する。インフラ情報設定部84は、三つの情報源50から、インフラ情報を取得可能である。第一の情報源50は、クラウドデータベースDBcである。クラウドデータベースDBcに蓄積される地図情報及び道路情報は、常時最新の情報に更新されている。インフラ情報設定部84は、DCM41を通じて、地図情報又は道路情報に含まれるインフラ情報を、クラウドCLDから取得する。第二の情報源50は、インフラモジュール10aである。インフラ情報設定部84は、V2I通信機43を通じて、インフラデータベース12に保存されているインフラ情報を取得する。第三の情報源50は、車載DB76である。インフラ情報設定部84は、メモリ装置63を参照する処理により、車載DB76に保存されたインフラ情報を取得する。
【0033】
信頼度評価部85は、車載センサ30による計測情報についての信頼度を評価する。具体的に、信頼度評価部85は、計測情報の信頼度を数値化し、信頼度に応じたキャリブレーションを可能にする。信頼度が高いほど、更新における外部パラメータの調整量が大きくなる。こうした信頼度は、時間及び天気等の計測環境、計測対象とされた地面固定物ROの種別及び大きさ、並びに計測情報を出力した車載センサ30の種別等の影響を受けると想定される。そのため、各要因の信頼度への影響を定量化した信頼度評価テーブル(図3参照)が、予め規定されている。信頼度評価部85は、信頼度評価テーブルを用いることで、計測環境、地面固定物ROの種別、及び車載センサ30の種別等に応じて、信頼度の値を調整する。
【0034】
図2及び図3に示すように、信頼度評価テーブルでは、時間信頼度、天気信頼度、地物信頼度、及びセンサ信頼度等の評価基準が予め設定されている。時間信頼度は、昼の時間帯では「1」とされ、夜の時間帯では「0.5」とされる。天気信頼度は、晴天では「1」とされ、曇天では「0.9」とされ、雨天では「0.8」とされ、降雪及び霧発生時には「0.5」とされる。さらに、特定の風速(例えば5m/s)未満であれば、天気信頼度は「1」とされ、特定風速を超えた風がある場合には、天気信頼度は、1未満となるように「5/風速(単位はm/s)」とされる。
【0035】
地物信頼度は、地面固定物ROの種別毎に設定されている。一例として、信頼度評価テーブルには、地面固定物ROとして、道路標識10、信号機、街灯、建物、道路標示物20、道路端及び路側植物等の種別が設定されている。そして、地面固定物ROの各種別には、時間又は天気に対応した信頼度が振られている。
【0036】
センサ信頼度は、計測結果を出力する自律センサ毎に設定されている。本実施形態では、ミリ波レーダ33、ライダ34、カメラ35及びソナー36が、自律センサの種別として設定されている。そして、自律センサの各種別には、地物信頼度と同様に、時間又は天気に対応した信頼度が振られている。尚、大雨、大雪及び濃霧等、自律センサによる物体認識が困難な環境においては、天気信頼度及びセンサ信頼度は、さらに低い値に設定されてよい。
【0037】
さらに信頼度評価部85は、地面固定物ROの大きさ情報、具体的には、地面固定物ROの面積情報を、信頼度評価に使用する。地面固定物ROの面積情報は、物体特定部73にて特定された計測結果に基づく値であってもよく、インフラ情報に含まれる値であってもよい。信頼度評価部85は、特定係数(例えば0.04)を地面固定物ROの面積(単位はm^2)で除算する処理により、大きさ信頼度を設定する。
【0038】
尚、大きさ信頼度の最大値は、「1」とされる。また、地面固定物ROの面積は、車載センサ30から見たときの地面固定物ROの投影面積であってもよく、地面固定物ROを正面から見たときの投影面積であってもよい。
【0039】
信頼度評価部85は、下記の(式1)のように、上述の時間信頼度、天気信頼度、大きさ信頼度、地物信頼度の最小値、第一センサ信頼度の最小値、及び第二センサ信頼度の最小値を掛け合わせて、総合的な計測情報の信頼度を設定する。
(式1) 信頼度=時間信頼度×天気信頼度×大きさ信頼度×地物信頼度の最小値
×第一センサ信頼度の最小値×第二センサ信頼度の最小値
【0040】
一例として、時間が「夜」天気が「雨」の状態下、ライダ34及びカメラ35にて面積「0.05m^2」の道路標識10を認識した場合の信頼度は、下記の(式2)のようになる。
(式2) 信頼度=0.5×0.8×(0.04/0.05)×0.8
×0.7×0.7=0.125
ここで、地物信頼度の最小値は、夜の「0.8」と雨の「1.0」のうちで小さい一方になる。同様に、ライダ34のセンサ信頼度の最小値は、夜の「1.0」と雨の「0.7」のうちで小さい一方となり、カメラ35のセンサ信頼度の最小値は、夜の「0.7」と雨の「0.7」のうちで小さい一方となる。
【0041】
更新実行部86は、同一の地面固定物ROについての計測情報及びインフラ情報を用いて、具体的には、計測情報及びインフラ情報の比較により、外部パラメータを更新する反復計算を継続実施する。更新実行部86は、信頼度評価部85にて設定された信頼度を加味しつつ、外部パラメータの更新処理を実施する。こうした外部パラメータを最適化する更新処理は、各車載センサ30のキャリブレーションに相当する。このキャリブレーションは、工場やディーラ等で実施されるキャリブレーションとは異なり、ユーザの使用中に実施されるオンロードでのキャリブレーションとなる。当該キャリブレーションにおいて、更新実行部86は、インフラ情報の示す地面固定物ROの絶対位置(及び高さ情報等)を、実質的に真値として扱う。更新実行部86は、計測結果に外部パラメータを適用した値とインフラ情報との誤差が減少するように、校正後の外部パラメータを設定する。
【0042】
以上の各機能部の連携により、車載ECU100にて実施されるセンサ校正方法の処理の詳細を、図4に基づき、図2を参照しつつ説明する。図4に示すセンサ校正処理は、例えば車両電源のオン状態への切り替えに基づく車載ECU100の起動によって開始され、車両電源がオフ状態に切り替えられるまで継続的に開始される。
【0043】
S101では、車両Aが停止したか否かを判定する。S101にて、車両Aが走行中であると判定した場合、S101の判定を繰り返す。そして、S101にて、車両Aが停止していると判定した場合、S102に進む。
【0044】
S102では、各自律センサの計測情報を参照し、車両Aの周囲に存在する地面固定物ROを把握して、S103に進む。S103では、S102にて把握された地面固定物ROについて、キャリブレーションでの信頼度が高くなる順に、選定の優先順位を設定し、S104に進む。
【0045】
S104では、S103にて設定された優先順位の高い地面固定物ROから順に、インフラ情報があるか否かを判定する。S104にて、インフラ情報が無いと判定した場合、次に優先順位の高い地面固定物ROについて、インフラ情報の有無を判定する。そして、S104にて、インフラ情報があると判定した場合、その地面固定物ROをキャリブレーションの使用対象に選定し、S105に進む。
【0046】
S105では、S104にて選定した地面固定物ROのインフラ情報を設定する。具体的に、S105では、地面固定物ROの絶対位置と、高さ又は面積等とを、三つの情報源50のいずれかより取得し、S106に進む。S106では、S102及びS105等で取得した情報等に基づき、信頼度評価テーブル(図3参照)を用いて、今回のキャリブレーションの信頼度を算出し、S107に進む。
【0047】
S107では、S105にて設定したインフラ情報における地面固定物ROの絶対位置と、自車位置情報に基づく車両Aの絶対位置とを準備し、これら絶対位置の差に基づき、地面固定物ROから車両Aまでの相対距離を算出する。そして、算出した相対距離と計測情報とを比較し、現在の外部パラメータEP1を更新する調整値EPtを設定する。
【0048】
具体的には、二つの車載センサ30(自律センサ)の計測結果に適用したとき、絶対位置の差に基づく相対距離に対する誤差が最小となるような外部パラメータの値が、調整値EPtとして探索される。そして、探索された調整値EPtと現在の外部パラメータEP1との差分を、オフセットOSTとして算出し、S108に進む。尚、車両Aの絶対位置は、GNSS受信機31に紐付けられた外部パラメータを用いて、マスタセンサの搭載位置を基準とした内容に補正されるものとする。
【0049】
S108では、S106にて算出した信頼度を加味して、外部パラメータEP1を調整する。S108では、現在の外部パラメータEP1の値を、調整値EPtに近接させるような調整を行う。例えば、オフセットOSTに信頼度を積算した値が、外部パラメータEP1の調整量として設定される。その結果、信頼度が低い場合、調整前の外部パラメータEP1と、調整後の外部パラメータEP2の差は、小さくなる(白抜き矢印を参照)。一方で、信頼度が高い場合、調整前の外部パラメータEP1と、調整後の外部パラメータEP2の差は、大きくなる(ドット矢印を参照)。
【0050】
ここまで説明した本実施形態では、外部パラメータの更新に地面固定物ROの既知情報であるインフラ情報が用いられる。故に、他車両にて生じる測位誤差の影響を実質的に受けることなく、車載センサ30間の外部パラメータの更新が可能となる。以上によれば、車載センサ30についての校正の精度を高めることができる。
【0051】
詳記すると、他車両におけるGNSS受信機の搭載位置が不明であるため、他車両から受信する他車位置情報は、他車両のサイズに起因した誤差をキャリブレーションに生じさせる要因となる。対して、本実施形態にてキャリブレーションに用いる地面固定物ROは、他車両よりも小さい。故に、物体サイズに起因する位置精度の誤差は、低減され得る。
【0052】
また本実施形態のように、現有の地面固定物ROをキャリブレーションに使用すれば、キャリブレーションのための特別な路上物体の設置は、不要となる。その結果、ユーザによる通常の使用に併行して、継続的な外部パラメータの更新が可能になる。
【0053】
加えて、他車位置情報を取得する際に用いる車車間通信には、不可避的に通信遅延が生じる。そのため、他車両の相対位置を計測した時刻と、他車位置情報の取得した時刻との間には、誤差が生じる。その結果、キャリブレーションの精度も低下し易い。対して本実施形態では、車両Aが停止した状態であり、車両Aと地面固定物との相対距離が実質変化していない状態での計測結果が、外部パラメータの更新に使用される。このような相対距離が一定状態下での計測結果は、相対距離が変化している状態下での計測結果よりも高精度になり易い。故に、停止判定の成立下にて取得された計測結果を用いれば、オンロードでのキャリブレーションであっても、いっそうの精度向上が可能になる。
【0054】
また本実施形態では、外部パラメータの更新において、地面固定物ROの物体位置情報と、車両Aの自車位置情報とが用いられる。このように、真値として用いる情報を、二つの位置情報に基づき設定できれば、位置情報を用いない場合と比較して、外部パラメータを更新する演算処理の簡素化が可能になる。
【0055】
さらに本実施形態において、インフラ情報の提供元となる各情報源50では、インフラ情報を更新する処理が繰り返されている。故に、キャリブレーションにて使用されるインフラ情報は、最新の状態を反映したリアルタイム情報となる。以上によれば、信頼性の高い外部パラメータの校正が可能になる。
【0056】
加えて本実施形態の車載ECU100は、車両外部の情報源50であるクラウドデータベースDBc又はインフラDB12からインフラ情報を取得できる。こうした車両Aの外部の情報は、高い信頼度で定期更新されている。そのため、道路標識10の交換や誤認識による悪影響を避けることが可能になる。
【0057】
また本実施形態では、キャリブレーションに利用する地面固定物ROを選定する処理が実施される。以上によれば、複数の地面固定物ROが車両周囲に存在した状況下では、キャリブレーションの精度確保に適した地面固定物ROのインフラ情報が優先的に使用可能になる。その結果、キャリブレーションの精度が、いっそう確保され易くなる。
【0058】
さらに本実施形態では、路面に描かれた道路標示物20よりも、路面に立設された道路標識10が、キャリブレーションの使用対象として優先的に選定される。このように、高さのある地面固定物ROほど、計測結果の示す相対距離の精度は確保され易くなる。そのため、道路標識10を優先的に選定すれば、キャリブレーションの精度確保の確実性が、いっそう向上し得る。
【0059】
加えて、他車両から他車位置情報を受信する形態では、他車両にて他車位置情報が計測された環境が不明であるため、他車位置情報の信頼度を区別することが困難となる。その結果、他車位置情報を使用したキャリブレーションは、信頼度の低い情報を外部パラメータに反映する虞がある。対して本実施形態では、計測結果についての信頼度が可能であり、信頼度を評価したうえで、信頼度に応じた外部パラメータの更新が実施される。故に、悪条件で計測された計測結果に基づき、外部パラメータを不適切な値に校正してしまう事態は、回避され得る。また、良好な条件下で計測結果を取得できる場合には、外部パラメータの校正を効果的に実施することが可能になる。
【0060】
また本実施形態における計測結果の信頼度は、時間及び天気、地面固定物ROの種別、並びに車載センサ30の種別等に応じて調整される。以上のように、信頼度に影響する要因を、信頼度の評価に網羅的に組み入れることによれば、外部パラメータの校正は、さらに適切に実施可能となる。
【0061】
尚、上記実施形態では、インフラ情報が「既知情報」に相当し、地面固定物ROの絶対位置情報が「物体位置情報」に相当する。また、道路標識10が「道路立設物」に相当し、センサ情報取得部71が「情報取得部」に相当し、インフラ情報設定部84が「情報設定部」に相当する。そして、車載ECU100が「コンピュータ」及び「センサ校正装置」に相当する。
【0062】
(他の実施形態)
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0063】
上記実施形態では、GNSS受信機及びIMUを用いて自車位置を特定していたが、自車位置情報の取得方法は、適宜変更されてよい。上記実施形態の変形例1では、ミリ波レーダ、ライダ、カメラ及びソナーのいずれかの計測結果と、クラウドから取得する高精度地図とを組み合わせて、自車位置を特定する。さらに、複数の計測結果を組み合わせるセンサフュージョンにより、自車位置が特定されてもよい。
【0064】
上記実施形態の変形例2では、GNSS受信機に関連する外部パラメータが校正対象とされる。さらに、上記実施形態の変形例3では、IMUに関連する外部パラメータが校正対象とされる。以上の変形例2,3のように、外部パラメータの校正は、自律センサ以外の車載センサにも適用可能である。
【0065】
上記実施形態の変形例4では、走行中に計測された計測結果を用いて外部パラメータの校正が実施される。こうした変形例4では、車載センサの交換直後において、走行中のキャリブレーションの実施により、外部パラメータを早急に収束させることが可能になる。
【0066】
上記実施形態の変形例5では、DCM及V2I通信機が省略されている。インフラ情報は、車載DBの参照によって取得される。上記実施形態の変形例6では、地面固定物を選定する処理が省略され、例えば自車両に最も近い地面固定物を用いたキャリブレーションが逐次実施される。
【0067】
上記実施形態のように、キャリブレーションに信頼度を加味する計算方法は、適宜変更されてよい。さらに、具体的な信頼度のパラメータ値も、適宜変更されてよい。また上記実施形態の変形例7では、計測情報の信頼度の評価が省略される。そして、キャリブレーションでは、計測情報に基づく調整値が、一定の割合で現在の外部パラメータに反映される。
【0068】
上記実施形態の変形例8では、大きさ信頼度に替えて、又は大きさ信頼度と共に、高さ信頼度が使用される。高さ信頼度は、地面固定物の高さに基づき設定され、自律センサでの検出に好適な高さの地面固定物ほど、高い数値が付与される。例えば、地面固定物の高さが1〜10mの範囲であれば、高さ信頼度は、「1」とされる。高さが1m未満、又は10mを超える地面固定物については、高さ信頼度は、それぞれ「0.5」とされる。
【0069】
上記実施形態のプロセッサは、一つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)を含む処理部である。こうしたプロセッサは、CPUに加えて、GPU(Graphics Processing Unit)及びDFP(Data Flow Processor)等を含む処理部であってよい。さらにプロセッサは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、並びにAIの学習及び推論等の特定処理に特化したIPコア等を含む処理部であってもよい。こうしたプロセッサの各演算回路部は、プリント基板に個別に実装された構成であってもよく、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA等に実装された構成であってもよい。
【0070】
センサ校正プログラム等を記憶するメモリ装置には、フラッシュメモリ及びハードディスク等の種々の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)が採用可能である。こうした記憶媒体の形態も、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、メモリカード等の形態であり、車載ECUに設けられたスロット部に挿入されて、制御回路に電気的に接続される構成であってよい。
【0071】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウエア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウエア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【符号の説明】
【0072】
A 車両、RO 地面固定物、10 道路標識(道路立設物)、20 道路標示物、30 車載センサ、50 情報源、61 プロセッサ、71 センサ情報取得部(情報取得部)、84 インフラ情報設定部(情報設定部)、86 更新実行部、100 車載ECU(コンピュータ,センサ校正装置)
図1
図2
図3
図4