特許第6973389号(P6973389)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6973389無線通信機、無線通信システム、無線通信方法、および無線通信用プログラムが記憶された記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973389
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】無線通信機、無線通信システム、無線通信方法、および無線通信用プログラムが記憶された記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/04 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   H04B1/04 A
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-524106(P2018-524106)
(86)(22)【出願日】2017年6月20日
(86)【国際出願番号】JP2017022635
(87)【国際公開番号】WO2017221918
(87)【国際公開日】20171228
【審査請求日】2020年5月15日
(31)【優先権主張番号】特願2016-125148(P2016-125148)
(32)【優先日】2016年6月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】水野 陽一郎
【審査官】 川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/083891(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/033182(WO,A1)
【文献】 特開平07−212254(JP,A)
【文献】 特開2006−080992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/00 − 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を増幅して送信信号を生成する増幅手段と、前記信号および前記送信信号のうち少なくとも一方に処理を施す処理手段と、
前記処理に用いられるパラメータが複数記憶された記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータを選択するパラメータ選択手段とを備え、
前記処理手段は、前記パラメータ選択手段が選択した前記一のパラメータに基づいて、前記処理を行い、
前記パラメータ選択手段は、前記記憶手段に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータをランダムに選択する
ことを特徴とする無線通信機。
【請求項2】
前記処理手段は、入力信号に応じて搬送波を変調する変調処理を行う変調手段を含み、
前記増幅手段は、前記変調手段による変調処理後の信号を増幅し、
前記記憶手段には、前記変調処理に用いられるパラメータが複数記憶され、
前記変調手段は、前記パラメータ選択手段が選択した前記一のパラメータに基づいて、前記変調処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信機。
【請求項3】
前記処理手段は、前記増幅手段の歪特性に応じて、前記増幅手段に入力される前記信号に歪補償処理を施す歪補償手段を含み、
前記記憶手段には、前記歪補償処理に用いられるパラメータが複数記憶され、
前記歪補償手段は、前記パラメータ選択手段が選択した前記一のパラメータに基づいて、前記信号に前記歪補償処理を施す
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線通信機。
【請求項4】
前記記憶手段には、前記増幅手段の複数の出力設定値に応じたパラメータがそれぞれ記憶され、
前記増幅手段は、前記パラメータ選択手段が選択した前記一のパラメータに基づいて、前記信号を増幅する
ことを特徴とする請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の無線通信機。
【請求項5】
前記記憶手段には、前記増幅手段に供給し得る複数種類の電源電圧に応じたパラメータがそれぞれ記憶され、
前記パラメータ選択手段が選択した前記一のパラメータに基づいて、前記増幅手段に供給する電源電圧を制御する制御手段を含む
ことを特徴とする請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の無線通信機。
【請求項6】
前記増幅手段が生成した前記送信信号に減衰処理を施す減衰手段を含み、
前記記憶手段には、前記減衰手段における減衰処理に応じたパラメータが複数記憶され、
前記減衰手段は、前記パラメータ選択手段が選択した前記一のパラメータに基づいて、前記送信信号に減衰処理を施し
減衰処理が施された前記送信信号が送信される
ことを特徴とする請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の無線通信機。
【請求項7】
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の無線通信機によって送信された前記送信信号を受信する受信ユニットを備えた
ことを特徴とする無線通信機。
【請求項8】
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の無線通信機を複数備えた
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項9】
信号を増幅して送信信号を生成し、
前記信号および前記送信信号のうち少なくとも一方に処理を施し、
前記処理に用いられるパラメータが複数記憶された記憶手段に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータを選択し、
前記処理を、選択した前記一のパラメータに基づいて行い、
前記記憶手段に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータをランダムに選択する
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項10】
コンピュータに、
信号を増幅して送信信号を生成する増幅処理と、
前記信号および前記送信信号のうち少なくとも一方に処理を施す信号処理と、
前記信号処理に用いられるパラメータが複数記憶された記憶手段に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータを選択するパラメータ選択処理とを実行させ、
前記信号処理を、前記パラメータ選択処理において選択された前記一のパラメータに基づいて行わせ
前記記憶手段に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータをランダムに選択させる
ための無線通信用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信信号に基づき他の無線通信機と識別されることを防ぐことができる無線通信機、無線通信システム、無線通信方法、および無線通信用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信機には、送信用信号を増幅するための増幅器が搭載されている。そして、当該増幅器は、入力された送信用信号を所定の増幅率で増幅し、増幅後の送信信号をアンテナに入力する。入力された送信信号は、アンテナを介して送信される。
【0003】
そのような増幅器が送信用信号の増幅を開始した場合における送信信号の立ち上がり波形は、各増幅器に応じて異なる。つまり、増幅器の個体差に応じて、送信信号の立ち上がり波形が互いに異なる。そして、送信信号の立ち上がり波形を観察することによって、当該送信信号が増幅された増幅器が搭載されている無線通信機を、他の無線通信機と識別することが可能になる。
【0004】
特許文献1には、ハイレベルとローレベルとの間で遷移を繰り返す信号において、立ち上がり時間と立ち下がり時間とを制御する信号制御回路が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−67497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、各無線通信機がそれぞれ互いに識別された場合に、セキュリティ等の問題が生じることが考えられる。
【0007】
特許文献1に記載された信号制御回路は、送信用信号がハイレベルとローレベルとの間を遷移するタイミングで、遷移に要する時間を制御するように構成されている。したがって、無線通信周波数の信号に対応するためには高速で制御処理を行わなければならず、構成が複雑になってしまう等の問題が生じうる。
【0008】
そこで、本発明は、簡素な構成で、送信信号に基づき他の無線通信機と識別されることを防ぐことができる無線通信機、無線通信システム、無線通信方法、および無線通信用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による無線通信機は、信号を増幅して送信信号を生成する増幅手段と、信号および送信信号のうち少なくとも一方に処理を施す処理手段と、処理に用いられるパラメータが複数記憶された記憶手段と、記憶手段に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータを選択するパラメータ選択手段とを備え、処理手段は、パラメータ選択手段が選択した一のパラメータに基づいて、処理を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明による無線通信機は、いずれかの態様の無線通信機によって送信された送信信号を受信する受信ユニットを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明による無線通信システムは、いずれかの態様の無線通信機を複数備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明による無線通信方法は、信号を増幅して送信信号を生成し、信号および送信信号のうち少なくとも一方に処理を施し、処理に用いられるパラメータが複数記憶された記憶手段に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータを選択し、処理を、選択した一のパラメータに基づいて行うことを特徴とする。
【0013】
本発明による無線通信用プログラムは、コンピュータに、信号を増幅して送信信号を生成する増幅処理と、信号および送信信号のうち少なくとも一方に処理を施す信号処理と、信号処理に用いられるパラメータが複数記憶された記憶手段に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータを選択するパラメータ選択処理とを実行させ、信号処理を、パラメータ選択処理において選択された一のパラメータに基づいて行わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、送信信号に基づき他の無線通信機と識別されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態の無線通信機の構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態の無線通信機における入力信号処理部の構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態の無線通信機における制御部の構成例を示すブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態の無線通信機の動作を示すフローチャートである。
図5】本発明の第1の実施形態の無線通信機の送信信号の立ち上がり波形の例を示す説明図である。
図6】本発明の第2の実施形態の無線通信機における入力信号処理部の構成例を示すブロック図である。
図7】本発明の第2の実施形態の無線通信機の動作を示すフローチャートである。
図8】本発明の第3の実施形態の無線通信機の構成例を示すブロック図である。
図9】本発明の第3の実施形態の無線通信機の動作を示すフローチャートである。
図10】本発明の第4の実施形態の無線通信機の例を示すブロック図である。
図11】本発明の第4の実施形態の無線通信機の動作を示すフローチャートである。
図12】本発明の第5の実施形態の無線通信機の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施形態1.
本発明の第1の実施形態の無線通信機について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の無線通信機100の構成例を示すブロック図である。なお、図1には、無線通信機100において後述するアンテナ140を介して送信信号を送信する送信ユニットが示されている。しかし、無線通信機100は、送信ユニットと、例えば、送信ユニットによって送信された送信信号を受信して当該送信信号に応じた音声等を出力する出力ユニット(受信ユニット)とを含む。そして、図1には、そのような出力ユニット102を含む無線通信機101も示されているが、本例では、送信ユニットの構成について述べる。
【0017】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態の無線通信機100の送信ユニットは、入力信号処理部110、増幅部120、および制御部130を含む。
【0018】
入力信号処理部110は、入力された入力信号に処理を施し、処理後の送信用信号を増幅部120に入力する。
【0019】
増幅部120には、アンテナ140が接続されている。そして、増幅部120は、入力信号処理部110が入力した送信用信号を増幅し、増幅後の送信信号をアンテナ140に入力する。
【0020】
アンテナ140は、増幅部120が入力した送信信号を電波に変換する。そして、電波に変換された送信信号はアンテナ140から送信される。
【0021】
制御部130は、入力信号処理部110が入力信号に施す処理を制御する。
【0022】
なお、制御部130は、例えば、プログラム制御に従って処理を実行するCPU(Central Processing Unit)や複数の回路によって実現される。
【0023】
図2は、入力信号処理部110の構成例を示すブロック図である。本実施形態では、入力信号処理部110に、アナログの音声信号が入力されるとする。そして、図2に示すように、本実施形態の入力信号処理部110は、A−D(Analog to Digital)変換部111、およびデジタル変調部112を含む。
【0024】
A−D変換部111は、入力されたアナログの音声信号に標本化、量子化、および符号化の処理を施し、当該アナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換する。そして、A−D変換部111は、変換後のデジタルの音声信号をデジタル変調部112に入力する。
【0025】
デジタル変調部112は、制御部130の制御に従って、A−D変換部111が入力したデジタルの音声信号で、所定の搬送波を所定のデジタル変調方式で変調する。そして、デジタル変調部112は、変調後の信号である送信用信号を増幅部120に入力する。
【0026】
図3は、制御部130の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態の制御部130は、記憶部131、および指示部132を含む。記憶部131には、例えば、デジタル変調部112が音声信号に施すデジタル変調方式に応じて、複数のパラメータが記憶されている。
【0027】
具体的には、例えば、デジタル変調部112が音声信号に振幅偏移変調を施すように構成されている場合に、記憶部131に、複数の振幅に応じたパラメータがそれぞれ記憶されている。また、例えば、デジタル変調部112が音声信号に位相偏移変調を施すように構成されている場合に、記憶部131に、複数の位相に応じたパラメータがそれぞれ記憶されている。例えば、デジタル変調部112が音声信号に周波数偏移変調を施すように構成されている場合に、記憶部131に、複数の中心周波数に応じたパラメータがそれぞれ記憶されている。
【0028】
指示部132は、記憶部131に記憶されている複数のパラメータのうち、いずれか1つを選択して、デジタル変調部112に入力する。
【0029】
次に、本発明の第1の実施形態の無線通信機100の動作について説明する。図4は、本発明の第1の実施形態の無線通信機100の動作を示すフローチャートである。
【0030】
例えば、無線通信機100のPTT(Push To Talk)ボタン(図示せず)が押下され、図4に示すように、音声信号がA−D変換部111に入力された場合に(ステップS101のY)、以下の処理を行う。すなわち、A−D変換部111が、入力されたアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換する(ステップS102)。そして、A−D変換部111は、変換後のデジタルの音声信号をデジタル変調部112に入力する。
【0031】
また、制御部130の指示部132が、記憶部131に記憶されている複数のパラメータのうち、いずれか1つを選択して、デジタル変調部112に入力する(ステップS103)。
【0032】
なお、制御部130において、記憶部131には、例えば、テーブル形式で各パラメータが記憶され、指示部132は、例えば、乱数生成手段(図示せず)が生成した、乱数に基づいて、記憶部131に記憶されているパラメータを選択する。そして、指示部132は、選択したパラメータをデジタル変調部112に入力する。
【0033】
デジタル変調部112は、制御部130が入力したパラメータに基づいて、入力された音声信号で搬送波にデジタル変調を施す(ステップS104)。そして、デジタル変調部112は、変調後の信号である送信用信号を増幅部120に入力する。
【0034】
したがって、デジタル変調部112は、記憶部131に記憶されているパラメータのうち、いずれかのパラメータに基づいて、入力された音声信号で搬送波にデジタル変調を施す。
【0035】
よって、デジタル変調部112が音声信号に振幅偏移変調を施すように構成され、記憶部131に振幅に応じたパラメータが記憶されている場合に、パラメータに応じた振幅にデジタル変調された送信用信号が、増幅部120に入力される。
【0036】
また、デジタル変調部112が音声信号に位相偏移変調を施すように構成され、記憶部131に位相に応じたパラメータが記憶されている場合に、パラメータに応じた位相にデジタル変調された送信用信号が、増幅部120に入力される。
【0037】
デジタル変調部112が音声信号に周波数偏移変調を施すように構成され、記憶部131に周波数に応じたパラメータが記憶されている場合に、パラメータに応じた中心周波数にデジタル変調された送信用信号が、増幅部120に入力される。
【0038】
増幅部120は、入力信号処理部110が入力した送信用信号を増幅し、増幅後の送信信号をアンテナ140に入力する(ステップS105)。そして、送信信号は、アンテナ140によって電波に変換されて送信される。
【0039】
本実施形態によれば、制御部130が、デジタル変調部112が処理に用いるパラメータをランダムに選択する。そして、デジタル変調部112が、ランダムに選択されたパラメータに基づいて、音声信号で搬送波をデジタル変調する。デジタル変調された送信用信号が増幅部120によって増幅された送信信号は、アンテナ140を介して送信される。
【0040】
したがって、ランダムに選択されたパラメータに基づく変調に応じた送信信号が送信される。よって、本発明の第1の実施形態の無線通信機100は、デジタル変調の処理に用いられるパラメータがランダムに選択されるようにするという簡素な構成で、送信信号の立ち上がり波形をランダムに変化させることができる。そして、送信信号に基づき他の無線通信機と識別されることを防ぐことができる。
【0041】
図5は、本発明の第1の実施形態の無線通信機100の送信信号の立ち上がり波形の例を示す説明図である。図5には、一のパラメータに基づく変調に応じた送信信号が実線で描かれ、他の一のパラメータに基づく変調に応じた送信信号が破線で描かれている。図5に示すように、変調に用いられたパラメータに応じて立ち上がり波形が互いに異なる。したがって、実線で描かれた立ち上がり波形の送信信号と、破線で描かれた立ち上がり波形の送信信号とがいずれも無線通信機100によって送信されたと認識されることを防止できる。つまり、無線通信機100によって送信された送信信号の立ち上がり波形が特定されることを防ぐことができる。よって、送信信号に基づいて、無線通信機100と他の無線通信機とを識別されることを防ぐことができる。
【0042】
なお、本例では、無線通信機100にアナログの音声信号が入力されるとして説明したが、文字データや数字データ等のデジタルデータがデジタル変調部112に入力されるように構成されていてもよい。
【0043】
実施形態2.
本発明の第2の実施形態の無線通信機200について説明する。本実施形態の無線通信機200は、入力信号処理部210が、増幅部120の非線形特性に応じたプレディストータ213を含む点で、第1の実施形態における無線通信機100と異なる。本実施形態の無線通信機200におけるその他の構成は、図1に示す第1の実施形態における無線通信機100における構成と同様なため、対応する要素には図1と同じ符号を付して説明を省略する。なお、制御部130の記憶部131には、増幅部120の歪特性を補償するための複数のパラメータが記憶されているとする。増幅部120の歪特性とは、増幅部120に入力された信号に対する、増幅部120から出力された信号の歪みの特性をいい、例えば、非線形特性である。
【0044】
図6は、本発明の第2の実施形態の無線通信機200における入力信号処理部210の構成例を示すブロック図である。図6に示すように、本発明の第2の実施形態の無線通信機200における入力信号処理部210は、A−D変換部111、デジタル変調部112、およびプレディストータ213を含む。
【0045】
ここで、A−D変換部111は、変換後のデジタルの音声信号をプレディストータ213に入力する。
【0046】
プレディストータ213は、記憶部131に記憶されているパラメータに基づいて、デジタルの音声信号に歪補償処理を施す。そして、プレディストータ213は、歪補償処理を施した音声信号をデジタル変調部112に入力する。
【0047】
なお、プレディストータ213が、アナログの音声信号に歪補償処理を施してA−D変換部111に入力し、A−D変換部111が、歪補償処理が施されたアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換してデジタル変調部112に入力するように構成されていてもよい。
【0048】
次に、本発明の第2の実施形態の無線通信機200の動作について説明する。図7は、本発明の第2の実施形態の無線通信機200の動作を示すフローチャートである。本発明の第2の実施形態の無線通信機200において、図4に示す本発明の第1の実施形態の無線通信機100の動作におけるステップS103,S104の処理に代えて、以下のステップS203〜S205の処理が行われる。そこで、本実施形態について、ステップS203〜S205の処理について説明し、その他の処理については説明を省略する。
【0049】
ステップS203の処理で、制御部130の指示部132が、記憶部131に記憶されている複数のパラメータのうち、いずれか1つを選択して、プレディストータ213に入力する(ステップS203)。
【0050】
なお、制御部130において、記憶部131には、例えば、テーブル形式で各パラメータが記憶され、指示部132は、例えば、乱数生成手段(図示せず)が生成した、乱数に基づいて、記憶部131に記憶されているパラメータを選択する。そして、指示部132は、選択したパラメータをプレディストータ213に入力する。
【0051】
プレディストータ213は、入力されたパラメータに基づいて、A−D変換部111が入力したデジタルの音声信号に、歪補償処理を施す(ステップS204)。そして、プレディストータ213は、歪補償処理を施した音声信号をデジタル変調部112に入力する。
【0052】
デジタル変調部112は、入力された音声信号で搬送波に所定のデジタル変調を施す(ステップS205)。そして、デジタル変調部112は、変調後の信号である送信用信号を増幅部120に入力する。
【0053】
本実施形態によれば、制御部130が、プレディストータ213が歪補償処理に用いるパラメータをランダムに選択する。そして、プレディストータ213が、ランダムに選択されたパラメータに基づいて、音声信号に歪補償処理を施す。歪補償処理が施されてデジタル変調された送信用信号が増幅部120によって増幅された送信信号は、アンテナ140を介して送信される。
【0054】
したがって、ランダムに選択されたパラメータに基づく歪補償処理に応じた送信信号が送信される。よって、本発明の第2の実施形態の無線通信機200は、歪補償処理に用いられるパラメータがランダムに選択されるようにするという簡素な構成で、送信信号の立ち上がり波形をランダムに変化させることができる。そして、送信信号に基づき他の無線通信機と識別されることを防ぐことができる。
【0055】
実施形態3.
次に、本発明の第3の実施形態の無線通信機300について、図面を参照して説明する。図8は、本発明の第3の実施形態の無線通信機300の構成例を示すブロック図である。本実施形態の無線通信機300は、制御部330と、制御部330に接続された増幅部320を含む点で、図1に示す第1の実施形態の無線通信機100と異なる。その他の構成要素は図1に示す第1の実施形態の無線通信機100における構成要素と同様なため、対応する構成要素には図1と同じ符号を付して説明を省略する。
【0056】
図8に示すように、制御部330は、記憶部331、および指示部332を含む。記憶部331には、例えば、増幅部320の出力設定値に応じて、複数のパラメータが記憶されている。
【0057】
指示部332は、記憶部331に記憶されている複数のパラメータのうち、いずれか1つを選択して、増幅部320に入力する。
【0058】
増幅部320は、指示部332が入力したパラメータに基づく出力レベルで、送信信号を出力する。
【0059】
次に、本発明の第3の実施形態の無線通信機300の動作について説明する。図9は、本発明の第3の実施形態の無線通信機300の動作を示すフローチャートである。本発明の第3の実施形態の無線通信機300において、図4に示す本発明の第1の実施形態の無線通信機100におけるステップS103〜S105の処理に代えて、以下のステップS303〜S305の処理が行われる。そこで、本実施形態について、ステップS303〜S305の処理について説明し、その他の処理については説明を省略する。
【0060】
ステップS303の処理で、制御部330の指示部332が、記憶部331に記憶されている複数のパラメータのうち、いずれか1つを選択して、増幅部320に入力する(ステップS303)。
【0061】
なお、制御部330において、記憶部331には、例えば、テーブル形式で各パラメータが記憶され、指示部332は、例えば、乱数生成手段(図示せず)が生成した、乱数に基づいて、記憶部331に記憶されているパラメータを選択する。そして、指示部332は、選択したパラメータを増幅部320に入力する。ここで、例えば、増幅部320の定格出力が3Wである場合に、記憶部331には、パラメータとして、+0.1〜−0.1の範囲の値が記憶されているとする。
【0062】
デジタル変調部112は、入力された音声信号で搬送波に所定のデジタル変調を施す(ステップS304)。そして、デジタル変調部112は、変調後の信号である送信用信号を増幅部320に入力する。
【0063】
増幅部320は、ステップS303の処理で制御部330が入力したパラメータに基づく出力レベルで、送信用信号を増幅し、増幅後の送信信号をアンテナ140に入力する(ステップS305)。具体的には、例えば、増幅部320の定格出力が3Wであり、ステップS303の処理で選択されたパラメータが「+0.1」であった場合に、増幅部320は、3.1Wの出力レベルで送信用信号を増幅する。そして、増幅された送信信号は、アンテナ140によって電波に変換されて送信される。
【0064】
本実施形態によれば、制御部330が、増幅部320が出力する送信信号の出力レベルに応じたパラメータをランダムに選択する。そして、増幅部320が、ランダムに選択されたパラメータに基づいて、送信用信号を増幅する。増幅後の送信信号が、アンテナ140を介して送信される。
【0065】
したがって、ランダムに選択されたパラメータに基づく出力レベルの送信信号が送信される。よって、本発明の第3の実施形態の無線通信機300は、送信信号の出力レベルを決定するためのパラメータがランダムに選択されるようにするという簡素な構成で、送信信号の立ち上がり波形をランダムに変化させることができる。そして、送信信号に基づき他の無線通信機と識別されることを防ぐことができる。
【0066】
なお、第3の実施形態では、増幅部320の出力レベルをパラメータに基づいて制御して、送信信号の立ち上がり波形を変化させるように構成されているが、前述した方法に代えて、または前述した方法とともに、他の方法が用いられてもよい。
【0067】
具体的には、例えば、記憶部331に、パラメータとして、増幅部320に供給される電源電圧に応じた値が記憶されていてもよい。
【0068】
より具体的には、例えば、増幅部320の定格出力電力が10dBmである場合に、記憶部331には、パラメータとして、0.9〜1.1の範囲の値が記憶されているとする。また、例えば、増幅部320の定格出力電力が20dBmである場合に、記憶部331には、パラメータとして、1.3〜1.5の範囲の値が記憶されているとする。例えば、増幅部320の定格出力電力が30dBmである場合に、記憶部331には、パラメータとして、2.8〜3.0の範囲の値が記憶されているとする。
【0069】
そして、制御部330の指示部332が、記憶部331に記憶されている複数のパラメータのうち、乱数等を用いていずれか1つをランダムに選択し、選択したパラメータに応じた電源電圧を増幅部320に供給する。
【0070】
すると、電源電圧に応じて、増幅部320の入出力特性が変化する。したがって、ランダムに選択されたパラメータに基づく電源電圧に応じた入出力特性で出力された送信信号が送信される。よって、増幅部320に供給する電源電圧を決定するためのパラメータがランダムに選択されるようにするという簡素な構成で、無線通信機の送信信号の立ち上がり波形をランダムに変化させることができる。そして、送信信号に基づき他の無線通信機と識別されることを防ぐことができる。
【0071】
実施形態4.
次に、本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。図10は、本発明の第4の実施形態の無線通信機400の例を示すブロック図である。図10に示すように、本発明の第4の実施形態の無線通信機400は、減衰部450と制御部430とを含む点で、第1の実施形態の無線通信機100と異なる。その他は図1に示す無線通信機100と同様な構成のため、対応する構成要素には図1と同じ符号を付して説明を省略する。
【0072】
なお、入力信号処理部110は、パラメータに応じた処理を行う機能を有していなくてもよい。
【0073】
図10に示すように、制御部430は、記憶部431、および指示部432を含む。記憶部431には、例えば、減衰部450の減衰率に応じた複数のパラメータが記憶されている。
【0074】
指示部432は、記憶部431に記憶されている複数のパラメータのうち、いずれか1つを選択して、減衰部450に入力する。
【0075】
減衰部450は、指示部432が入力したパラメータに基づく減衰率で、入力された送信信号を減衰させてアンテナ140に入力する。なお、減衰部450は、例えば、デジタルステップアッテネータである。
【0076】
次に、本発明の第4の実施形態の無線通信機400の動作について説明する。図11は、本発明の第4の実施形態の無線通信機400の動作を示すフローチャートである。本発明の第4の実施形態の無線通信機400において、図4に示す本発明の第1の実施形態の無線通信機100におけるステップS103〜S105の処理に代えて、以下のステップS403〜S406の処理が行われる。そこで、本実施形態について、ステップS403〜S406の処理について説明し、その他の処理については説明を省略する。
【0077】
ステップS403の処理で、制御部430の指示部432が、記憶部431に記憶されている複数のパラメータのうち、いずれか1つを選択して、減衰部450に入力する(ステップS403)。
【0078】
なお、制御部430において、記憶部431には、例えば、テーブル形式で各パラメータが記憶され、指示部432は、例えば、乱数生成手段(図示せず)が生成した乱数に基づいて、記憶部431に記憶されているパラメータを選択する。そして、指示部432は、選択したパラメータを減衰部450に入力する。ここで、例えば、記憶部331には、パラメータとして、0〜0.5の範囲の値が記憶されているとする。
【0079】
デジタル変調部112は、入力された音声信号で搬送波に所定のデジタル変調を施す(ステップS404)。そして、デジタル変調部112は、変調後の信号である送信用信号を増幅部120に入力する。
【0080】
増幅部120は、入力信号処理部110が入力した送信用信号を増幅し、増幅後の送信信号を減衰部450に入力する(ステップS405)。
【0081】
減衰部450は、ステップS405の処理で入力された送信信号を、ステップS403の処理で入力されたパラメータに応じた減衰率で減衰させて、アンテナ140に入力する(ステップS406)。具体的には、例えば、パラメータが「0.1」であった場合に、減衰部450は、送信信号を0.1dB減衰させる。そして、送信信号は、アンテナ140によって電波に変換されて送信される。
【0082】
本実施形態によれば、制御部430が、減衰部450が送信信号を減衰させる減衰率に応じたパラメータをランダムに選択する。そして、減衰部450が、ランダムに選択されたパラメータに基づく減衰率で送信信号を減衰させる。減衰部450によって減衰された送信信号は、アンテナ140を介して送信される。
【0083】
したがって、ランダムに選択されたパラメータに基づき減衰された送信信号が送信される。よって、本発明の第4の実施形態の無線通信機400は、送信信号を減衰させる減衰率を決定するためのパラメータがランダムに選択されるようにするという簡素な構成で、送信信号の立ち上がり波形をランダムに変化させることができる。そして、送信信号に基づき他の無線通信機と識別されることを防ぐことができる。
【0084】
なお、本例では、送信用信号が増幅部120によって増幅された送信信号が、減衰部450によって減衰されるように構成されているが、送信用信号が減衰部450に相当する減衰手段によって減衰されるように構成されていてもよい。
【0085】
また、以上に述べた各実施形態の2つ以上が、互いに組み合わされて無線通信機に搭載されてもよい。具体的には、第1の実施形態のように一のパラメータに基づきデジタル変調を行い、さらに、第2の実施形態のように他の一のパラメータに基づき歪補償処理を行うように構成されていてもよい。また、それらの一方または両方とともに、第3の実施形態のようにさらに他の一のパラメータに基づき増幅部320の出力が制御されるように構成されていてもよい。それらだけでなく、それらのいずれか一以上とともに、第4の実施形態のようにさらなる他の一のパラメータに基づき減衰部450における減衰処理が行われるように構成されていてもよい。
【0086】
そのような構成によれば、無線通信機が送信した送信信号の立ち上がり波形のランダム性をさらに高めることができる。したがって、送信信号に基づく他の無線通信機との識別をより困難にすることができる。
【0087】
実施形態5.
次に、本発明の第5の実施形態の無線通信機10について、図面を参照して説明する。図12は、本発明の第5の実施形態の無線通信機10の構成例を示すブロック図である。図12に示すように、本発明の第5の実施形態の無線通信機10は、増幅部11、処理部12、記憶部13、およびパラメータ選択部14を含む。
【0088】
増幅部11は、例えば、図1,6,10に示す増幅部120、および図8に示す増幅部320に相当する。処理部12は、例えば、図1,2,8,10に示す入力信号処理部110、および図6に示す入力信号処理部210に相当する。記憶部13は、例えば、図3,8,10に示す記憶部131,331,431に相当する。パラメータ選択部14は、例えば、図3,8,10に示す指示部132,332,432に相当する。
【0089】
増幅部11は、信号を増幅して送信信号を生成する。
【0090】
処理部12は、信号および送信信号のうち少なくとも一方に処理を施す。
【0091】
記憶部13には、処理に用いられるパラメータが複数記憶されている。
【0092】
パラメータ選択部14は、記憶部13に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータを選択する。
【0093】
そして、処理部12は、パラメータ選択部14が選択した一のパラメータに基づいて、処理を行う。
【0094】
本実施形態によれば、パラメータ選択部14が、処理部12が処理に用いるパラメータを選択する。そして、処理部12が、選択されたパラメータに基づいて、信号および送信信号のうち少なくとも一方に処理を施す。処理が施された送信信号、または処理が施されて増幅部11によって増幅された送信信号は、送信される。
【0095】
したがって、選択されたパラメータに基づく処理に応じた送信信号が送信される。よって、本発明の第5の実施形態の無線通信機10は、送信信号の立ち上がり波形を変化させることができる。そして、送信信号に基づき他の無線通信機と識別されることを防ぐことができる。
【0096】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0097】
(付記1)
信号を増幅して送信信号を生成する増幅手段と、
前記信号および前記送信信号のうち少なくとも一方に処理を施す処理手段と、
前記処理に用いられるパラメータが複数記憶された記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータを選択するパラメータ選択手段とを備え、
前記処理手段は、前記パラメータ選択手段が選択した前記一のパラメータに基づいて、前記処理を行う
ことを特徴とする無線通信機。
【0098】
(付記2)
前記パラメータ選択手段は、前記記憶手段に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータをランダムに選択する
ことを特徴とする付記1に記載の無線通信機。
【0099】
(付記3)
前記処理手段は、入力信号に応じて搬送波を変調する変調処理を行う変調手段を含み、
前記増幅手段は、前記変調手段による変調処理後の信号を増幅し、
前記記憶手段には、前記変調処理に用いられるパラメータが複数記憶され、
前記変調手段は、前記パラメータ選択手段が選択した前記一のパラメータに基づいて、前記変調処理を行う
ことを特徴とする付記1または付記2に記載の無線通信機。
【0100】
(付記4)
前記処理手段は、前記増幅手段の歪特性に応じて、前記増幅手段に入力される前記信号に歪補償処理を施す歪補償手段を含み、
前記記憶手段には、前記歪補償処理に用いられるパラメータが複数記憶され、
前記歪補償手段は、前記パラメータ選択手段が選択した前記一のパラメータに基づいて、前記信号に前記歪補償処理を施す
ことを特徴とする付記1から付記3のうちいずれか1項に記載の無線通信機。
【0101】
(付記5)
前記記憶手段には、前記増幅手段の複数の出力設定値に応じたパラメータがそれぞれ記憶され、
前記増幅手段は、前記パラメータ選択手段が選択した前記一のパラメータに基づいて、前記信号を増幅する
ことを特徴とする付記1から付記4のうちいずれか1項に記載の無線通信機。
【0102】
(付記6)
前記記憶手段には、前記増幅手段に供給し得る複数種類の電源電圧に応じたパラメータがそれぞれ記憶され、
前記パラメータ選択手段が選択した前記一のパラメータに基づいて、前記増幅手段に供給する電源電圧を制御する制御手段を含む
ことを特徴とする付記1から付記5のうちいずれか1項に記載の無線通信機。
【0103】
(付記7)
前記増幅手段が生成した前記送信信号に減衰処理を施す減衰手段を含み、
前記記憶手段には、前記減衰手段における減衰処理に応じたパラメータが複数記憶され、
前記減衰手段は、前記パラメータ選択手段が選択した前記一のパラメータに基づいて、前記送信信号に減衰処理を施し
減衰処理が施された前記送信信号が送信される
ことを特徴とする付記1から付記6のうちいずれか1項に記載の無線通信機。
【0104】
(付記8)
付記1から付記7のうちいずれかに記載の無線通信機によって送信された前記送信信号を受信する受信ユニットを備えた
ことを特徴とする無線通信機。
【0105】
(付記9)
付記1から付記8のうちいずれかに記載の無線通信機を複数備えた
ことを特徴とする無線通信システム。
【0106】
(付記10)
信号を増幅して送信信号を生成し、
前記信号および前記送信信号のうち少なくとも一方に処理を施し、
前記処理に用いられるパラメータが複数記憶された記憶手段に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータを選択し、
前記処理を、選択した前記一のパラメータに基づいて行う
ことを特徴とする無線通信方法。
【0107】
(付記11)
コンピュータに、
信号を増幅して送信信号を生成する増幅処理と、
前記信号および前記送信信号のうち少なくとも一方に処理を施す信号処理と、
前記信号処理に用いられるパラメータが複数記憶された記憶手段に記憶されている複数のパラメータのうち一のパラメータを選択するパラメータ選択処理とを実行させ、
前記信号処理を、前記パラメータ選択処理において選択された前記一のパラメータに基づいて行わせる
ための無線通信用プログラム。
【0108】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0109】
この出願は、2016年6月24日に出願された日本出願特願2016−125148を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0110】
10、100、200、300、400 無線通信機
11 増幅部
12 処理部
13、131、331、431 記憶部
14 パラメータ選択部
110、210 入力信号処理部
111 A−D変換部
112 デジタル変調部
130、330、430 制御部
132、332、432 指示部
213 プレディストータ
450 減衰部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12