(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1から
図15を参照して、調光装置、および、調光シートの駆動方法における一実施形態を説明する。以下では、調光装置の構造、および、調光シートの駆動方法を順に説明する。
【0021】
[調光装置の構造]
図1から
図3を参照して、調光装置の構造を説明する。なお、調光装置が備える調光シートの型式は、ノーマル型でもよいし、リバース型でもよい。以下に参照する
図1は、ノーマル型の調光シートにおける断面構造を示している。これに対して、
図2は、リバース型の調光シートにおける断面構造を示している。
【0022】
図1が示すように、調光装置10は、調光シート20、操作部31、および、駆動部32を備えている。調光シート20は、第1透明電極21、第2透明電極22、および、調光層23を備えている。調光層23は、第1透明電極21と第2透明電極22とに挟まれている。第1透明電極21は、駆動部32に接続されている。第2透明電極22は、例えば、接地電圧などの基準電圧V0に接続されている。基準電圧V0は、駆動部32において基準となる電圧であってもよい。
【0023】
第1透明電極21、および、第2透明電極22は、可視光を透過する光透過性を有する。第1透明電極21の光透過性は、調光シート20を通した物体の視覚認識を可能にする。第2透明電極22の光透過性は、第1透明電極21の光透過性と同様、調光シート20を通した物体の視覚認識を可能にする。
【0024】
各透明電極21,22を形成するための材料は、例えば、酸化インジウムスズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ、および、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)から構成される群から選択されるいずれか1つである。
【0025】
調光層23は、透明高分子層と液晶組成物とを備えている。透明高分子層は、液晶組成物が充填される空隙を有している。液晶組成物は、透明高分子層が有する空隙に充填されている。液晶組成物は液晶分子を含む。液晶分子の一例は、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、および、ジオキサン系から構成される群から選択されるいずれかである。
【0026】
液晶組成物の保持型式は、高分子ネットワーク型、高分子分散型、および、カプセル型から構成される群から選択されるいずれか1つである。高分子ネットワーク型は、3次元の網目状を有した透明な高分子ネットワークを備え、相互に連通した網目状の空隙のなかに液晶組成物を保持する。高分子ネットワークは、透明高分子層の一例である。高分子分散型は、孤立した多数の空隙を透明高分子層のなかに備え、高分子層に分散した空隙のなかに液晶組成物を保持する。カプセル型は、カプセル状を有した液晶組成物を透明高分子層のなかに保持する。なお、液晶組成物は、上述した液晶分子以外に、透明高分子層を形成するためのモノマー、および、二色性色素などを含んでもよい。
【0027】
調光層23は、2つの透明電極21,22の間において生じる電圧の変化を受けて、液晶分子の配向を変える。液晶分子における配向の変化は、調光層23に入る可視光の散乱度合い、吸収度合い、および、透過度合いを変える。2つの透明電極21,22の間での電圧は、透明電極間電圧である。
【0028】
透明電極間電圧が0Vであるとき、ノーマル型の調光シート20での液晶分子の配向は無秩序である。例えば、2つの透明電極21,22がともに基準電圧V0であるとき、ノーマル型の調光シート20での液晶分子の配向方向は無秩序である。液晶分子の配向方向が無秩序であるとき、ノーマル型の調光シート20での光透過率は相対的に低い。
【0029】
透明電極間電圧が所定値以上であるとき、調光シート20において、調光層23が可視光を透過するように、液晶分子の配向が揃う。すなわち、2つの透明電極21,22の間での電圧が所定値以上であるとき、調光シート20において、液晶分子の配向が揃う。液晶分子の配向が揃っているとき、調光シート20での光透過率は相対的に高い。
【0030】
このように、ノーマル型の調光シート20は、調光シート20の通電時に、相対的に高い光透過率を有する。ノーマル型の調光シート20は、調光シート20の非通電時に、相対的に低い光透過率を有する。例えば、ノーマル型の調光シート20は、調光シート20の通電時に透明状態を有し、調光シート20の非通電時に不透明状態を有する。
【0031】
透明は、調光シート20を通して物体の存否を視覚認識可能とする状態である。不透明は、調光シート20を通して物体の存否を視覚認識不能とする状態である。あるいは、透明は、調光シート20を通して物体の形状や種類を視覚認識可能とする状態である。不透明は、調光シート20を通して物体の形状や種類を視覚認識不能とする状態である。
【0032】
調光シート20は、例えば、車両や航空機などの移動体が備える窓に取り付けられる。また、調光シート20は、例えば、住宅、駅、空港などの各種の建物が備える窓、オフィスに設置されたパーティション、店舗に設置されたショーウインドウ、および、映像を投影するスクリーンなどに取り付けられる。調光シート20の形状は、平面状であってもよいし、曲面状であってもよい。
【0033】
操作部31には、調光シート20の光透過率を変える操作が入力される。操作部31に入力される操作のうちで、第1透明電極21と第2透明電極22との間に電圧を印加する操作が駆動操作である。また、操作部31に入力される操作は、調光シート20を透明にする透明操作と、調光シート20を不透明にする不透明操作とを備える。透明操作と不透明操作の一方が、調光シート20の光透過率を変える操作である。透明操作と不透明操作の他方が、調光シート20の光透過率を変える操作とは異なる操作である。調光装置10がノーマル型の調光シート20を備える場合には、透明操作が調光シート20の光透過率を変える操作であり、かつ、駆動操作である。調光装置10がノーマル型の調光シート20を備える場合には、不透明操作が調光シート20の光透過率を変える操作とは異なる操作である。操作部31は、例えば、調光装置10が備えるスイッチおよびタッチパネルなどのヒューマンインターフェースである。
【0034】
駆動部32は、操作部31に調光シート20の光透過率を変える操作が入力されたときに、当該操作とは異なる操作が操作部31に入力されるまで、第1透明電極21と第2透明電極22との間に、調光シート20の光透過率を変えるための直流電圧を印加し続ける。ノーマル型の調光シート20を備える調光装置10では、駆動部32は、透明操作が操作部31に入力されたときには、不透明操作が操作部31に入力されるまで、直流電圧を透明電極21,22間に印加し続ける。本実施形態において、調光シート20に電気的に接続された駆動部32は、一対の透明電極21,22間に直流電圧を印加することによって、複数の液晶分子における配向を調光層23が透明状態を維持するように固定する。
【0035】
図2が示すように、リバース型の調光シート20は、第1透明電極21、第2透明電極22、第1配向膜24、第2配向膜25、および、調光層23を備えている。調光層23は、第1配向膜24と第2配向膜25との間に位置している。第1配向膜24は、調光層23と第1透明電極21との間に位置し、かつ、調光層23に接している。第2配向膜25は、調光層23と第2透明電極22との間に位置し、かつ、調光層23に接している。
【0036】
第1配向膜24、および、第2配向膜25を形成するための材料は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、シアン化化合物などの有機化合物、シリコーン、シリコン酸化物、酸化ジルコニウムなどの無機化合物、または、これらの混合物である。
【0037】
第1配向膜24、および、第2配向膜25は、例えば、垂直配向膜、あるいは、水平配向膜である。垂直配向膜は、第1透明電極21に接する面とは反対側の面、および、第2透明電極22に接する面とは反対側の面に対して垂直になるように、液晶分子の長軸方向を配向させる。水平配向膜は、第1透明電極21に接する面とは反対側の面、および、第2透明電極22に接する面とは反対側の面に対してほぼ平行となるように、液晶分子の長軸方向を配向させる。このように、配向膜24,25がいずれの配向膜であっても、配向膜24,25は、調光層23が含む複数の液晶分子における配向を規制する。
【0038】
透明電極間電圧が0Vであるとき、調光シート20において、調光層23が可視光を透過するように、液晶分子の配向が各配向膜24,25によって揃えられる。すなわち、透明電極間電圧が0Vであるとき、調光シート20において、液晶分子の配向が各配向膜24,25の作用に追従して揃う。液晶分子の配向が各配向膜24,25に追従しているとき、調光シート20での光透過率は相対的に高い。
【0039】
透明電極間電圧が所定値以上であるとき、調光シート20において、各配向膜24,25の作用に追従しないように、液晶分子の配向が揃う。液晶分子の配向が各配向膜24,25の作用に追従しないとき、リバース型の調光シート20での光透過率は相対的に低い。
【0040】
このように、リバース型の調光シート20は、調光シート20の通電時に、相対的に低い光透過率を有する。リバース型の調光シート20は、調光シート20の非通電時に、相対的に高い光透過率を有する。例えば、リバース型の調光シート20は、調光シート20の通電時に不透明状態を有し、調光シート20の非通電時に透明状態を有する。
【0041】
操作部31には、ノーマル型の調光シート20を備えた調光装置10が備える操作部31と同様、調光シート20の光透過率を変える操作が入力される。調光装置10がリバース型の調光シート20を備える場合には、不透明操作が調光シート20の光透過率を変える操作であり、かつ、駆動操作である。調光装置10がリバース型の調光シート20を備える場合には、透明操作が調光シート20の光透過率を変える操作とは異なる操作である。
【0042】
駆動部32は、操作部31に調光シート20の光透過率を変える操作が入力されたときに、当該操作とは異なる操作が操作部31に入力されるまで、第1透明電極21と第2透明電極22との間に、調光シート20の光透過率を変えるための直流電圧を印加し続ける。リバース型の調光シート20を備える調光装置10では、駆動部32は、不透明操作が操作部31に入力されたときには、透明操作が操作部31に入力されるまで、直流電圧を透明電極21,22間に印加し続ける。本実施形態において、調光シート20に電気的に接続された駆動部32は、一対の透明電極21,22間に直流電圧を印加することによって、複数の液晶分子における配向を調光層23が不透明状態を維持するように固定する。
【0043】
図3は、調光装置10の等価回路である。
図3が示すように、調光装置10の等価回路において、第1透明電極21は抵抗成分R21と見なされ、かつ、第2透明電極22は抵抗成分R22と見なされる。調光層23は、容量成分C23と抵抗成分R23との並列回路と見なされる。調光層23の抵抗成分R23は、抵抗成分R21,R22よりも大幅に大きい。
【0044】
[調光シートの駆動方法]
図4から
図15を参照して、調光シート20の駆動方法を説明する。上述したように、駆動部32は、一対の透明電極21,22間に直流電圧を印加することによって、調光シート20を駆動する。以下ではまず、
図4および
図5を参照して、液晶表示装置において必要とされていた調光シートの駆動方法である交流電圧を用いた駆動方法と、本開示における直流電圧を用いた駆動方法との差異を説明する。なお、以下では当該検討を簡略化する便宜上、第1透明電極21の抵抗成分R21、および、第2透明電極の抵抗成分R22をいずれもゼロであるとみなす。
【0045】
図4は、交流電圧を用いた駆動方法において、一対の透明電極21,22間に印加される交流電圧が有する波形の一例を示している。
図4が示すように、交流電圧を用いた交流駆動では、周波数fの交流電圧が一対の透明電極21,22間に印加される。交流電圧では、1つの周期Pに電圧の立ち上がりと立ち下がりとが含まれることから、立ち上がり時、および、立ち下がり時に、調光層23の容量成分C23を電流が流れる。そのため、調光シート20を1秒間駆動した場合には、調光層23の容量成分C23を電流が4f回流れる。交流駆動では、1秒間に調光層23の容量成分C23を流れる電流Icを以下の式(1)によって表すことができる。なお、式(1)において、Cは調光層23の容量成分C23における容量値であり、Vは駆動部32が一対の透明電極21,22間に印加する電圧値である。
Ic = 4fCV … 式(1)
【0046】
また、交流駆動において、一対の透明電極21,22間に一定の電圧が印加されている間に調光層23を流れる電流は、調光層23でのリーク電流である。リーク電流Irは、以下の式(2)によって表すことができる。なお、式(2)において、Rは調光層23の抵抗成分R23における抵抗値である。
Ir = V/R … 式(2)
【0047】
図5は、直流電圧を用いた駆動方法において、一対の透明電極21,22間に印加される直流電圧が有する波形の一例を示している。
図5が示すように、直流電圧を用いた直流駆動では、直流電圧が1秒間にわたって印加され続ける場合には、直流電圧の立ち上がり時、および、直流電圧の立ち下がり時の2回のみにおいて、調光層23の容量成分C23を電流が流れる。そのため、直流駆動では、1秒間に調光層23の容量成分C23を流れる電流Icを以下の式(3)によって表すことができる。
Ic = 2CV … 式(3)
【0048】
なお、直流駆動において、一対の透明電極21,22間に一定の電圧が印加されている間に調光層23を流れる電流は、交流駆動と同様、調光層23でのリーク電流である。リーク電流Irは、上述したように式(2)によって表すことができる。
【0049】
以下、
図3を参照して先に説明した等価回路において、交流駆動時に消費される電力と、直流駆動時に消費される電力とを説明する。なお、上述したように、各透明電極21,22が有する抵抗は、調光層23が有する抵抗に比べて大幅に小さいため、抵抗成分R21,R22をゼロであると見なしたとしても、以下に説明する交流駆動と直流駆動とを比較検討した結果には大きく影響しない。
【0050】
厳密には、このような抵抗成分R21および抵抗成分R22を無視することは、調光シート20の面積が1m
2程度までである場合に可能である。調光シート20における面積の増加とともに、抵抗成分R23が低下するために、抵抗成分R23との相対的な関係から、抵抗成分R21および抵抗成分R22の大きさを無視することができなくなる。しかし、直流駆動であっても交流駆動であっても抵抗を流れる電流値はオームの法則に従うために、調光シート20における面積の増加により直列抵抗値が変化しても、直流駆動と交流駆動とを比較検討した結果には影響しない。したがって、駆動方法による消費電力の差を議論する以下の説明では、単純化のために抵抗成分R21および抵抗成分R22を無視している。
【0051】
まず、消費電力Wは、以下の式(4)によって表すことができる。
W = VI= V(Ir+Ic) … 式(4)
交流駆動での消費電力W
Aは、式(1)、式(2)、および、式(4)に基づいて、以下の式(5)によって表すことができる。これに対して、直流駆動での消費電力W
Dは、式(2)から式(4)に基づいて、以下の式(6)によって表すことができる。
W
A = V
A(Ir+Ic) = V
A2(1/R+4Cf) … 式(5)
W
D = V
D(Ir+Ic) =V
D2(1/R+2C) … 式(6)
【0052】
ここで、電圧V
Dが電圧V
Aに等しく、いずれも電圧Vであると仮定した場合には、交流駆動と直流駆動との消費電力の差(W
A−W
D)は、以下の式(7)によって表すことができる。
(W
A−W
D) = 2CV
2(2f−1) … 式(7)
【0053】
例えば、容量値Cが0.1μFであり、抵抗値Rが100KΩであり、電圧Vが30Vであり、周波数fが50Hzである場合には、交流駆動での消費電力W
Aは27mWである一方で、直流駆動での消費電力W
Dは9mWである。このように、調光シート20を1秒間のみ駆動する場合であっても、直流駆動であれば、交流駆動に対して消費電力Wを65%以上低減することが可能である。また、調光シート20を連続で駆動させる時間をTとした場合には、交流駆動と直流駆動との間における消費電力の差(W
A−W
D)は、8mWTである。
【0054】
なお、後述するように、直流駆動での消費電力W
Dを検討する場合には、直流電圧の印加によって調光層23に生じた残留直流電圧を加味する必要がある。例えば、先の具体値を適用した場合において、残留直流電圧を10Vと仮定した場合には、交流駆動での電圧V
Aが30Vであり、直流駆動での電圧V
Dが40Vである。そのため、交流駆動での消費電力W
Aは27mWである一方で、直流駆動での消費電力W
Dは16mWである。こうして残留直流電圧を加味した場合であっても、直流駆動であれば、交流駆動に対して消費電力Wを約40%低減することが可能である。このように、直流駆動によれば、調光シートの光透過率を変える操作が入力されたときに、この操作とは異なる操作が入力されるまで直流電圧を透明電極21,22間に印加し続けるため、交流駆動に比べて、調光シート20が消費する電力を低減することができる。
【0055】
また、直流駆動によれば、光透過率を変える操作が入力された後に、この操作とは異なる操作が入力されるまでの間は、当該直流電圧において極性の反転が生じない。そのため、交流駆動において、臨界融合周波数未満の周波数を有した交流電圧が印加された場合とは異なり、調光シートにおいてフリッカーが生じない。結果として、直流駆動によれば、フリッカーの発生を抑え、かつ、交流電圧を印加する場合に比べて消費電力を低減することができる。
【0056】
なお、上述したように、従来から、液晶組成物の中の不純物荷電粒子の偏在を抑制すること、液晶分子そのものの化学的な構造を保つこと、および、臨界融合周波数以上の頻度で表示データを周期的に書き換えることを要するため、液晶表示装置は液晶分子に交流電圧を印加せざるを得ない。一方で、上述した直流駆動によって調光シート20を駆動した結果からは、液晶分子そのものの化学的な構造の安定性が認められており、液晶表示装置における技術の発展とその普及とは、液晶分子そのものの化学的な構造の安定化を交流駆動のもとで可能にしてきたといえる。
【0057】
一方、液晶表示装置が無数の色を表示することが可能であるように、液晶表示装置が備える複数の画素の各々では、輝度において256階調を厳密に表示可能であることが求められる。よって、上述のように液晶分子の化学的な構造の安定性が高められているとはいえ、こうした階調表現が必要とされる液晶表示装置では、後述する電圧‐ヘイズ特性におけるシフトが許容され得ないことから、液晶表示装置は液晶分子に交流電圧を印加せざるを得ない。
【0058】
なお、電圧‐ヘイズ特性におけるシフトは、液晶組成物が不可避的に含む不純物荷電粒子に起因するものである。また、液晶組成物が不純物荷電粒子を含むことを免れ得ないことが技術常識であることに鑑みれば、液晶組成物における上述のシフトを抑える観点において、液晶表示装置が液晶分子に交流電圧を印加することも技術常識であるといえる。
【0059】
また、調光シート20を屋内や車内において使用し、かつ、調光シート20を交流駆動した場合には、屋内や車内に搭載された照明設備から放射される光と、調光シート20を介した光とが干渉する場合がある。詳細には、照明設備と調光シート20との両方が交流駆動されるため、照明設備に印加される交流電圧の周波数と、調光シート20に印加される交流電圧の周波数とが特定の関係を満たす場合には、調光シート20の光学特性が照明設備に印加されている交流電圧に左右される場合がある。これに対して、調光シート20を直流駆動した場合には、こうした干渉が生じない。
【0060】
また、直流駆動によれば、交流駆動に比べて調光シート20に電圧を印加するために必要な装置および機器を簡素化することが可能である。これにより、調光シート20を搭載可能な環境を拡張することが可能である。
【0061】
次に、
図6から
図13を参照して、調光シート20を直流駆動した場合に調光層23において生じる残留直流電圧について説明する。
図6から
図10は、調光層23に生じた残留直流電圧によって生じる電界の向きと、調光シート20に印加されている直流電圧によって生じる電界の向きとを模式的に示している。
図6から
図10では、ノーマル型の調光シート20を例示している。
【0062】
調光層23が含む液晶組成物には、複数の液晶分子に加えて、不可避の不純物である荷電粒子が含まれている。液晶組成物の単位体積当たりにおける荷電粒子の質量、すなわち密度は、液晶分子の純度が高まることによって低くなる。液晶表示装置における技術の発展とその普及とに伴って液晶分子の高純度化も進んでいるが、液晶組成物に含まれる荷電粒子を完全に無くすことは困難である。直流電圧が一対の透明電極21,22間に連続して印加されると、直流電圧の印加前に比べて、調光層23における荷電粒子の分布に偏りが生じる。例えば、ノーマル型の調光シート20では、調光層23と各透明電極21,22との間に不純物荷電粒子が吸着される。一方で、リバース型の調光シート20では、各配向膜24,25の表面に荷電粒子が吸着される。
【0063】
図6が示すように、第1透明電極21の電位が第2透明電極22の電位よりも高い状態で直流駆動を開始した時点においては、調光層23において正の荷電粒子と負の荷電粒子とが不規則に存在している。そして、
図7が示すように、第1透明電極21の電位が第2透明電極22の電位よりも高い状態での直流駆動が所定の期間にわたって継続して行われると、調光層23と第1透明電極21との間には負の荷電粒子が吸着される一方で、調光層23と第2透明電極22との間には正の荷電粒子が吸着される。そのため、調光層23において残留直流電圧が生じ、これによって、調光層23内には、第2透明電極22から第1透明電極21に向かう方向に沿う電界E23が生じる。
【0064】
これに対して、駆動部32は、第1透明電極21の電位が第2透明電極22の電位よりも高くなるように直流電圧を印加しているため、駆動部32が一対の透明電極21,22間に印加する直流電圧によって、第1透明電極21から第2透明電極22に向かう方向に沿う電界E30が生じる。なお以下では、第1透明電極21の電位が第2透明電極22の電位よりも高くなるような直流電圧を印加した場合が、正の極性を有した電圧を印加している状況であり、第2透明電極22の電位が第1透明電極21の電位よりも高くなるような直流電圧を印加した場合が、負の極性を有した電圧を印加している状況に設定する。
【0065】
次いで、
図8が示すように、正の極性を有した直流電圧を連続して印加した後に、負の極性を有した直流電圧を連続して印加することによって、正の極性を有した直流電圧の印加によって生じた荷電粒子の分布における偏りが緩和される。
【0066】
この際に、例えば、ノーマル型の調光シート20では、調光層23と各透明電極21,22との間に吸着された荷電粒子が、当該荷電粒子を吸着していた透明電極21,22とは異なる透明電極22,21に向けて移動する。また、リバース型の調光シート20では、各配向膜24,25に吸着された荷電粒子が、当該荷電粒子を吸着していた配向膜24,25とは異なる配向膜25,24に向けて移動する。これにより、正の極性を有した直流電圧の印加によって生じた電界E23の強度が次第に低下する。電界E23の向きは、電界E30の向きと同じであるから、負の極性を有する直流電圧が印加された直後においては、実効電界の大きさは電界E30の大きさと電界E23の大きさとの和となる。
【0067】
そして、
図9が示すように、一時的には正の荷電粒子と負の荷電粒子とが調光層23において不規則に存在することから、正の極性を有した直流電圧の印加によって生じた荷電粒子の分布における偏りは一時的には解消される。これにより、電界E23が一時的には消失する。
【0068】
図10が示すように、さらに負の極性を有した直流電圧が所定の期間にわたって継続して印加されると、調光層23と第1透明電極21との間には正の荷電粒子が吸着される一方で、調光層23と第2透明電極22との間には負の荷電粒子が吸着される。そのため、最終的には、正の極性を有した直流電圧を印加した場合とは逆の極性を有した残留直流電圧が調光層23に生じる。これによって、調光層内には、第1透明電極21から第2透明電極22に向かう方向に沿う電界E23が生じる。
【0069】
これに対して、駆動部32では、第2透明電極22の電位が第1透明電極21の電位よりも高くなるように直流電圧を印加しているため、駆動部32が一対の透明電極21,22間に印加する直流電圧によって、第2透明電極22から第1透明電極21に向かう方向に沿う電界E30が生じる。
【0070】
なお、調光層23における残留直流電圧は、例えば、フリッカー消去法または誘電吸収法などの測定方法を用いて測定される。
【0071】
図11は、リバース型の調光シート20に対して正の極性を有した直流電圧を印加した場合の電圧‐ヘイズ特性の一例を示している。
図11における横軸は、印加電圧の絶対値を示している。
図11において、実線は基準状態、すなわち残留直流電圧がゼロである状態での調光シート20における電圧‐ヘイズ特性を示している。また、破線は、上述した正の極性を有した直流電圧、または、負の極性を有した直流電圧を印加し続けることによって、残留直流電圧が飽和した状態における電圧‐ヘイズ特性を示している。
【0072】
これに対して、一点鎖線は、上述したように、正の極性を有した直流電圧を印加することによって残留直流電圧が飽和した状態において、印加される直流電圧の極性が反転した場合、すなわち負の極性を有した直流電圧が印加された場合での調光シート20における電圧‐ヘイズ特性の初期状態を示している。なお、一点鎖線は、負の極性を有した直流電圧を印加することによって残留直流電圧が飽和した状態において、印加される直流電圧の極性が反転した場合、すなわち正の極性を有した直流電圧が印加された場合での調光シート20における電圧‐ヘイズ特性の初期状態も示している。一点鎖線によって示された電圧‐ヘイズ特性は、
図8に示す状態に対応している。当該特性は、調光シート20に印加される実効的な電界が、一時的に電界E30と電界E23との和となることを意味している。
【0073】
図11が示すように、基準状態の調光シート20では、7Vの直流電圧を印加した場合にヘイズが高まり始め、直流電圧を7Vから20Vまで高めることによって、ヘイズが急峻に立ち上がる。そして、28V以上の直流電圧を印加しても調光シート20のヘイズは一定に維持されることから、28Vの直流電圧を印加することによって、調光シート20のヘイズは飽和する。すなわち、28Vの直流電圧を印加することによって、調光シート20の透過率は飽和する。
図11が示す例において、当該直流電圧が、調光シート20の残留直流電圧がゼロであるときに第1透明電極21と前記第2透明電極22との間に印加されて調光層23の透過率を飽和させる第1基準電圧である。
【0074】
これに対して、正の飽和状態、または、負の飽和状態を有した調光シート20では、12Vの直流電圧を印加した場合にヘイズが高まり始め、直流電圧を12Vから25Vまで高めることによって、ヘイズが急峻に立ち上がる。そして、33V以上の直流電圧を印加しても調光シート20のヘイズは一定に維持されることから、33Vの直流電圧を印加することによって、調光シート20のヘイズは飽和する。すなわち、33Vの直流電圧を印加することによって、調光シート20の透過率は飽和する。
図11が示す例において、当該直流電圧が、調光シート20の残留直流電圧が飽和しているときに第1透明電極21と第2透明電極22との間に印加されて調光層23の透過率を飽和させる第2基準電圧である。
【0075】
上述したように、電界によって移動することができる電荷の量は、電界の印加方向によらず最終的には一定であり、より正確には液晶分子が分解されない限り一定である。そして、正の飽和状態の後に印加する直流電圧の極性を逆転させると、2Vの直流電圧を印加した場合にヘイズが立ち上がり始め、直流電圧を2Vから15Vまで高めることによって、ヘイズが急峻に立ち上がるような初期特性が見られる。このように、直流電圧の極性を逆転させた直後においては、見かけ上は、調光層23に含まれる液晶分子がより低電圧によって動作可能である。しかしながら、当該逆転させた直流電圧を連続的に印加し続けると最終的には33Vの直流電圧を印加することによって、調光シート20のヘイズは飽和する。すなわち、33Vの直流電圧を印加することによって、調光シート20の透過率は最終的に飽和する。つまり、残留直流電圧の飽和値は、印加する直流電界の向きによらず一定値となる。なお、以下に参照する
図12は、残留直流電圧の飽和値が、印加する直流電界の向きによらず一定であることを示している。
【0076】
このように、
図11が示す例では、調光シート20の残留直流電圧が飽和状態を有する場合において、調光シート20が基準状態である場合に比べて、調光シート20の透過率が飽和する電圧が、正の方向に5Vずれている。基準状態において透過率が飽和する電圧に対して、残留直流電圧が生じた状態において透過率が飽和する電圧がずれた量が、調光層23の透過率が飽和する直流電圧における残留直流電圧に起因するシフト量である。
図11が示す負の方向への5Vのずれは、印加される直流電圧の極性が逆転したことにより上述した残留直流電圧が印加電界を強めるように作用し、結果として、見かけ上も動作電圧が5V低下したことを示している。この際、残留直流電圧の電界方向は、極性の逆転後における印加直流電圧の電界方向と同じである。
【0077】
図12は、調光層23の透過率が飽和する直流電圧のシフト量と、正の極性を有した直流電圧の印加を開始してからの経過時間との関係の一例を示している。なお、
図12は、一対の透明電極21,22間に印加される直流電圧が30Vである場合の例を示している。
【0078】
図12が示すように、直流電圧の印加を開始してから100分が経過するまでの間は、調光層23の透過率が飽和する直流電圧のシフト量が、印加時間の経過に伴ってほぼ線形的に増加する。一方で、直流電圧の印加を開始してから120分が経過して以降は、それ以上印加時間が長くなっても、直流電圧のシフト量が一定に維持される。このように、直流電圧のシフト量、言い換えれば調光層23に生じる残留直流電圧は、特定の印加時間において飽和する。
【0079】
このように、正の極性を有した直流電圧が連続的に印加されることによって、調光シート20における飽和電圧が正の方向にシフトすることから、駆動部32は、第1基準電圧よりも高い直流電圧を調光シート20の光透過率を変えるための直流電圧に設定することが好ましい。これにより、直流電圧の印加が続くことによって調光層に残留直流電圧が生じたとしても、第1基準電圧よりも高い直流電圧が印加されるから、調光層における透過率の変化を抑えることが可能である。
【0080】
また、調光層23は、上述したように第2基準電圧を有することから、駆動部32は、第2基準電圧以上の直流電圧を調光シート20の光透過率を変えるための直流電圧に設定することが好ましい。これにより、調光層23に生じた残留直流電圧に起因する透過率の変化を、駆動状態を有した調光層23において抑えることの実効性を高めることが可能である。なお、調光層23での消費電力Wを抑える上では、駆動部32は、第2基準電圧を調光シート20の光透過率を変えるための直流電圧に設定することが好ましい。
【0081】
調光シート20には、透過率が飽和した透明状態と不透明状態との2つの状態を示すことを求められる一方で、透過率が透明状態と不透明状態との間に位置する状態である中間状態を示すことが求められない場面が存在する。そのため、調光シート20では、調光シート20が有する電圧‐ヘイズ特性が変動したとしても、透明状態または不透明状態において調光シート20が有する透過率の変化さえ抑えられればよい。この点で、上述したように、第2基準電圧が調光シート20の光透過率を変えるための直流電圧に設定されることによって、当該問題は解消される。結果として、液晶組成物を含んだ調光層23を備える調光シート20であっても、直流駆動が可能である。
【0082】
これに対して、液晶組成物を含む表示層を有した液晶表示装置では、液晶表示装置での表示が求められる無数の色を表示することが可能であるように、液晶表示装置が備える複数の画素の各々では、輝度において256階調を表示可能であることが求められる。こうした液晶表示装置では、表示層において生じる残留直流電圧を抑え、これによって電圧‐透過率特性の変動を抑えることが必須である。そして、液晶表示装置における技術の発展とその普及とは、こうした階調表現に支えられたものであるから、液晶表示装置を交流駆動することが液晶デバイス分野において技術常識であることも当然であるといえる。
【0083】
図13は、調光シート20における残留直流電圧の値と、一対の透明電極21,22間に対する直流電圧の印加を停止してからの経過時間との関係の一例を示している。なお、
図13は、一対の透明電極21,22間に印加された直流電圧が30Vである場合の例を示している。
【0084】
図13が示すように、直流電圧の印加を停止してから15分が経過するまでの間は、残留直流電圧が急峻に減少し、経過時間が15分から100分までの間では、残留直流電圧が緩やかに減少し、結果として、直流電圧の印加を停止してから100分が経過すると、残留直流電圧はほぼゼロになる。このように、調光層23における残留直流電圧がゼロに近付くまでには、直流電圧の印加を停止してから少なくとも15分の時間を要する。そのため、直流電圧の印加を一旦停止してから、数分の間隔で再び直流電圧の印加を開始しても、残留直流電圧に起因した調光シート20における透過率の変化を抑える上で、駆動電圧を飽和駆動電圧以上に設定することが好ましい。
【0085】
図14および
図15は、直流駆動における2つの例を示している。
図14が示すように、駆動部32は、駆動操作の繰り返しによる総駆動期間が所定期間を経過したときに、直流電圧の極性を反転させることが可能である。駆動期間PDは、駆動部32が一対の透明電極21,22間に直流電圧を印加している期間である。総駆動期間は、2回以上の駆動期間PDによって直流電圧が一対の透明電極21,22間に印加された期間の総和である。
図14が示す例では、駆動部32は、まず、正の極性を有した直流電圧を駆動操作によって印加する直流電圧に設定している。そして、駆動期間PDの総和である総駆動期間が所定時間を経過したときに、駆動部32は、負の極性を有した直流電圧を一対の透明電極21,21間に印加する。なお、駆動部32は、負の極性を有した直流電圧を一対の透明電極21,22間に印加する期間が所定期間を経過したときにも、直流電圧の極性を反転させ、これによって、正の極性を有した直流電圧を一対の透明電極21,22間に印加する。
【0086】
このように、駆動操作の繰り返しによる総駆動期間が所定期間を経過したときに直流電圧の極性が反転するため、調光層23に残留直流電圧が印加され続けることに起因した調光層23での光学的品質の低下を抑えることが可能である。
【0087】
図15が示すように、駆動部32は、駆動操作が入力されるごとに直流電圧の極性を反転させることが可能である。
図15が示す例では、駆動部32は、まず、正の極性を有した直流電圧を駆動操作によって印加する直流電圧に設定している。そして、次の駆動操作が入力されたときに、駆動部32は、負の極性を有した直流電圧を駆動操作によって印加する直流電圧に設定する。駆動部32は、駆動操作が入力されるごとに、正の極性を有した直流電圧と、負の極性を有した直流電圧とを交互に印加する。これにより、一対の透明電極21,22間に印加される直流電圧の極性が駆動操作の入力ごとに反転するため、調光層23に残留直流電圧が印加され続けることに起因した調光層での光学的品質の低下を抑えることが可能である。
【0088】
これまでの説明から明らかなように、本開示では、直流電圧の印加中に電圧‐ヘイズ特性が一定の範囲内でシフトすることを前提としている。したがって、本開示の技術思想は、透明状態および不透明状態以外の中間調でのヘイズ値、すなわち、透明状態でのヘイズ値と不透明状態でのヘイズ値との間に含まれる各ヘイズ値を同一の電圧値で再現することが通常は容易ではない、という課題が含むものであることは事実である。
【0089】
しかし、透明および不透明という2つの状態、言い換えればヘイズ値における2値を再現性良く実現するうえでは全く問題がない。このように、適切に印加電圧が設定された直流電圧駆動によって、低消費電力かつフリッカーレスの調光装置が実現されることが本開示の主たる着眼点である。
【0090】
以上説明したように、調光装置、および、調光シートの駆動方法の一実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)調光シート20の光透過率を変える操作が入力されたときに、この操作とは異なる操作が入力されるまで直流電圧を透明電極21,22間に印加し続けるため、フリッカーの発生を抑え、かつ、交流電圧を印加する場合に比べて、調光シート20が消費する電力を低減することができる。
【0091】
(2)一対の透明電極21,22間に印加される直流電圧の極性が駆動操作の入力ごとに反転するため、調光層23に残留直流電圧が印加され続けることに起因した調光層23におけるヘイズ値などの光学的品質の低下を抑えることが可能である。
【0092】
(3)駆動操作の繰り返しによる総駆動期間が所定期間を経過したときに直流電圧の極性が反転するため、調光層23に残留直流電圧が印加され続けることに起因した調光層23におけるヘイズ値などの光学的品質の低下を抑えることが可能である。
【0093】
(4)調光シート20を透明にする操作が入力されたときには、調光シート20を不透明にする操作が入力されるまで、直流電圧が透明電極21,22間に印加し続けられる。あるいは、調光シート20を不透明にする操作が入力されたときには、調光シート20を透明にする操作が入力されるまで、直流電圧が透明電極21,22間に印加し続けられる。そのため、フリッカーの発生を抑え、かつ、交流電圧を印加する場合に比べて、調光シート20が消費する電力を低減することができる。また、液晶組成物が有する屈折率異方性による散乱だけでなく、液晶組成物と透明高分子層との界面での三次元的な散乱を含む高いヘイズ値を有した不透明状態を実現することが可能である。加えて、透明高分子層が存在することによって、より強固かつ安定な構造を有した調光層を実現可能である。
【0094】
(5)直流電圧の印加が続くことによって調光層23に残留直流電圧が生じたとしても、第1基準電圧よりも高い直流電圧が印加されるから、調光層23における透過率またはヘイズの変化を抑えることが可能である。
【0095】
(6)調光層23に生じた残留直流電圧に起因する透過率の変化を調光層23において抑えることの実効性を高めることが可能である。
【0096】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[駆動部]
・駆動部32は、駆動操作が入力されるごとに、同じ極性を有した直流電圧を印加してもよい。この場合であっても、駆動部32が、操作部31に対して調光シート20の光透過率を変える操作が入力されたときに、当該操作とは異なる操作が操作部31に入力されるまで、調光シート20の光透過率を変えるための直流電圧を印加し続けることによって、上述した(1)に準じた効果を得ることは可能である。なお、
図13が示すように、直流電圧の印加を停止してから経過した期間に応じて、調光層23における残留直流電圧は解消される。そのため、同じ極性を有した直流電圧の印加を繰り返す場合には、調光装置10は、例えば直流電圧の印加を停止した時点から経過した時間を計測し、所定の時間が経過した後において、操作部31から入力された操作を許容することが可能である。これにより、直流電圧の印加によって調光層23に生じた残留直流電圧を緩和した状態で、調光層23に直流電圧を印加することが可能である。
【0097】
・駆動部32は、調光シート20の光透過率を変えるための直流電圧として、上述した第2基準電圧よりも小さい直流電圧を印加してもよい。例えば、駆動部32は、光透過率を変えるための直流電圧として、第1基準電圧を印加してもよい。この場合であっても、駆動部32が、操作部31に対して調光シート20の光透過率を変える操作が入力されたときに、当該操作とは異なる操作が操作部31に入力されるまで、調光シート20の光透過率を変えるための直流電圧を印加し続けることによって、上述した(1)に準じた効果を得ることは可能である。