特許第6973538号(P6973538)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973538
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】エレベータの乗りかご
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20211118BHJP
【FI】
   B66B11/02 Z
   B66B11/02 K
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-48751(P2020-48751)
(22)【出願日】2020年3月19日
(65)【公開番号】特開2021-147176(P2021-147176A)
(43)【公開日】2021年9月27日
【審査請求日】2020年3月19日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】廣畑 圭司朗
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−177294(JP,A)
【文献】 特開平10−157952(JP,A)
【文献】 特開昭60−090975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/00−11/08
B66B 1/00− 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面と、袖壁と、を備えるエレベータの乗りかごであって、
前記袖壁は、エレベータを操作する操作部、又はエレベータの状態を表示する表示部、を備え、
少なくとも前記操作部又は前記表示部の鉛直下方に、障害部を有し、
さらにエレベータの乗客が乗降する乗降部を備え、
前記障害部は、前記床面と前記袖壁の接合部の少なくとも一部に設けられ、前記袖壁と前記乗降部の隣接部を端部とし、前記床面から傾斜して立ち上がる傾斜面を有することを特徴とする、
エレベータの乗りかご。
【請求項2】
平面視において、前記障害部の両端が、前記操作部又は前記表示部の両端から突出している、請求項1に記載のエレベータの乗りかご。
【請求項3】
前記障害部は、前記床面と平行である平行面を有する、請求項1又は2に記載のエレベータの乗りかご。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータの乗りかごに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗りかごでは、一般に、エレベータを操作する操作部の前に、乗客が立つ場合が多い。そのため、操作部を操作しようとする他の乗客の邪魔になる。加えて、操作部が、行先階入力部が入力されているか否かを表示する機能(例えば、行先階入力部が入力されている場合に発光する機能)を備えている場合には、所望の行先階が既に入力されているか否かを視認しようとする他の乗客の邪魔になる。故に、操作部の前に乗客が立つことは好ましくない。
【0003】
従来のエレベータの乗りかごは、例えば、床面にLEDパネルを配置した乗客誘導装置を備えている(例えば、特許文献1)。ところで、特許文献1に係るエレベータの乗りかごにおいては、乗客がLEDパネルを踏むことによって、LEDパネルが故障し、乗客を意図通りに誘導できない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−56751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、解決する課題は、エレベータの操作部又は表示部の前に乗客が立つことを、簡易な構成により、抑制することができるエレベータの乗りかごを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
エレベータの乗りかごは、床面と、壁面と、を備えるエレベータの乗りかごであって、前記壁面は、エレベータを操作する操作部、又はエレベータの状態を表示する表示部、を備え、少なくとも前記操作部又は前記表示部の鉛直下方に、障害部を有することを特徴とする。
【0007】
また、エレベータの乗りかごは、前記障害部は、前記床面と前記壁面の接合部の少なくとも一部に設けられる、という構成でもよい。
【0008】
また、エレベータの乗りかごは、エレベータの乗客が乗降する乗降部をさらに備え、前記壁面は、エレベータの袖壁であって、前記障害部は、前記袖壁と前記乗降部の隣接部を端部とする、という構成でもよい。
【0009】
また、エレベータの乗りかごは、平面視において、前記障害部の両端が、前記操作部又は前記表示部の両端から突出している、という構成でもよい。
【0010】
また、エレベータの乗りかごは、前記障害部は、前記床面と平行である平行面を有する、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係るエレベータの乗りかごの内部の模式図である。
図2図2は、実施形態に係る障害部を説明する説明図である。
図3図3は、実施形態に係るエレベータの乗りかご内部の平面図である。
図4図4は、第1変形例に係る障害部を説明する説明図である。
図5図5は、第2変形例に係るエレベータの乗りかご内部の平面図である。
図6図6は、第3変形例に係る障害部を説明する説明図である。
図7図7は、第4変形例に係る障害部を説明する説明図である。
図8図8は、第5変形例に係る障害部を説明する説明図である。
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図1図3を参照しながら説明する。なお、各図(図4図8も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致していない。また、各図面間の寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
図1は、実施形態に係るエレベータの乗りかごの内部の模式図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係るエレベータの乗りかご1の内部には、床面2と、壁面3,3と、エレベータの状態を表示する表示部4と、エレベータの操作をする操作部5と、エレベータの乗客が乗降する乗降部6と、障害部7を備える。障害部7の具体的な態様については、図2を用いて後述する。
【0015】
なお、本実施形態においては、乗降部6が開閉するときに、乗降部6が動作する方向を間口方向X、乗降部6に垂直な方向を奥行方向Yとする。さらに、鉛直方向を上下方向Zとする。
【0016】
表示部4は、例えば、現在の乗りかご1が通過若しくは停止している階数、乗りかご1の移動方向、又は入力されている行先階を表示する。
【0017】
なお、表示部4の構造は、特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又は、複数のLEDを点灯させる構造とすることができる。
【0018】
操作部5は、乗降部6の開閉を操作する開閉操作部5aと、乗りかご1の行先階を入力する行先階入力部5bとを有する。
【0019】
なお、開閉操作部5aと行先階入力部5bの構造は、特に限定されないが、例えば、各種ボタン、静電式タッチパネル、感圧式タッチパネル、又は、非接触スイッチとすることができる。
【0020】
また、行先階入力部5bは、入力されている行先階に対応するボタンを発光させる、という構成とすることができる。これにより、行先階入力部5bは入力されている行先階を表示する、表示部としての機能を付加することができる。
【0021】
壁面3は、袖壁3aと側壁3bとを有する。なお、本実施形態においては、操作部5と表示部4は、袖壁3aに取り付けられているが、このような場合に限らず、側壁3bに取り付けられてもよい。また、袖壁3a,3a及び側壁3b,3bのうちのいずれか1つに取り付けられる場合に限らず、複数に取り付けられてもよい。さらにまた、操作部5と表示部4が同一面に取り付けられる場合に限らず、例えば、操作部5が袖壁3aに取り付けられ、表示部4が他方の袖壁3aや側壁3b,3bのいずれかに取り付けられてもよい。
【0022】
また、本実施形態においては、図3に示すように操作部5は袖壁3aから突出して取り付けられているが、このような場合に限らず、例えば、操作部5と袖壁3aが面一、つまり、段差なく取り付けられてもよい。
【0023】
図2は、実施形態に係る障害部を説明する説明図である。
【0024】
図2に示すように、操作部5の鉛直下方に、障害部7を有する、という構成である。
【0025】
これにより、障害部7が操作部5の前に立とうとする乗客の障害となるため、操作部5の前に乗客が立つことを、簡易な構成により抑制することができ、操作部5を操作しようとする他の乗客は、容易に操作することができる。加えて、行先階入力部5bが、既に入力されている行先階に対応するボタンを発光させる、という構成である場合には、乗客は、所望の行先階に対応する行先階入力部が既に入力されているか否かを、容易に視認することができる。
【0026】
また、仮に乗客が障害物7の上に立ったとしても、他の乗客から目立ってしまうため、障害部7によって、操作部5の前に乗客が長時間立つことを抑制することができる。
【0027】
加えて、自律走行体(例えば、搬送ロボット、掃除ロボット)が乗りかご1に乗車する場合には、障害部7が操作部5の前に侵入しようとする自律走行体の障害となるため、乗客の操作部5の操作又は視認を、自律走行体が妨げることがなくなる。
【0028】
また、障害部7の奥行方向Yの長さは、特に限定されないが、乗客が無理なく操作部5を操作することができるよう、例えば50cmとすることができる。
【0029】
なお、前述の通り、操作部5と表示部4は、袖壁3a,3a及び側壁3b,3bのうちのいずれか1つに取り付けられる場合に限らず、複数に取り付けられてもよい。その場合、障害部7を、操作部5又は表示部4の全ての鉛直下方に配置する場合に限らず、いずれか1つ又は2以上の操作部5又は表示部4の鉛直下方に配置することができる。
【0030】
そして、障害部7は、床面2と袖壁3aの接合部2aの少なくとも一部に設けられるように構成されている。
【0031】
これにより、障害部7に対して、奥行方向Yや上下方向Zに荷重が加わっても、障害部7が破損しにくくなる。
【0032】
なお、障害部7の形状は、特に限定されないが、図2に示すように、楕円の一部を断面とする柱状の形状とするほか、乗客がつまずかないよう、例えば障害部7の側面を傾斜面とすることができる。
【0033】
さらに、障害部7は、袖壁3aと乗降部6の隣接部6aを端部とするように構成されている。
【0034】
これにより、乗降部6における乗客の乗降を妨げることなく、操作部5の前に乗客が立つことを抑制することができる。
【0035】
さらにまた、障害部7は、床面2と平行である平行面7aを有する。
【0036】
これにより、乗りかご1に多数の乗客が乗車した場合には、一時的に平行面7aに立つことができるため、乗りかご内の乗車可能なスペースが、障害部7によって減少することがなくなる。
【0037】
図3は、実施形態に係るエレベータの乗りかご内部の平面図である。
【0038】
図3に示すように、障害部7は、平面視において、障害部7の両端が、操作部5の両端から突出しているように構成されている。換言すると、図3の破線に示す操作部5の両端から、障害部7の両端が突出しているように構成されている。
【0039】
これにより、操作部5の一部が隠れるように乗客が立つことを、障害部7によって抑制することができるため、操作部5の操作をしようとする他の乗客は、操作部5の全面において、容易に操作又は視認することができる。
【0040】
以上より、本実施形態に係るエレベータの乗りかご1は、床面2と、袖壁3aと、を備えるエレベータの乗りかごであって、前記袖壁3aは、エレベータを操作する操作部5を備え、前記操作部5の鉛直下方に、障害部7を有することを特徴とする。
【0041】
本実施形態の構成によれば、障害部7が操作部5の前に立とうとする乗客の障害となるため、操作部5の前に乗客が立つことを、簡易な構成により抑制することができ、操作部5を操作しようとする他の乗客は、容易に操作することができる。加えて、行先階入力部5bが、既に入力されている行先階に対応するボタンを発光させる、という構成である場合には、乗客は、所望の行先階に対応する行先階入力部が既に入力されているか否かを、容易に視認することができる。
【0042】
また、本実施形態に係るエレベータの乗りかご1は、前記障害部7は、前記床面2と前記袖壁3aの接合部2aの少なくとも一部に設けられる、という構成である。
【0043】
これにより、障害部7に対して、奥行方向Yや上下方向Zに荷重が加わっても、障害部7が破損しにくくなる。
【0044】
また、本実施形態に係るエレベータの乗りかご1は、エレベータの乗客が乗降する乗降部6をさらに備え、前記障害部7は、前記袖壁3aと前記乗降部6の隣接部6aを端部とする、という構成である。
【0045】
本実施形態の構成によれば、乗降部6における乗客の乗降を妨げることなく、操作部5の前に乗客が立つことを抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態に係るエレベータの乗りかご1は、平面視において、前記障害部7の両端が、前記操作部5の両端から突出している、という構成である。
【0047】
本実施形態の構成によれば、操作部5の一部が隠れるように乗客が立つことを、障害部7によって抑制することができるため、操作部5の操作をしようとする他の乗客は、操作部5の全面において、容易に操作又は視認することができる。
【0048】
また、本実施形態に係るエレベータの乗りかご1は、前記障害部7は、前記床面2と平行である平行面7aを有する、という構成である。
【0049】
本実施形態の構成によれば、乗りかご1に多数の乗客が乗車した場合には、一時的に平行面7aに立つことができるため、乗りかご内の乗車可能なスペースが障害部7によって減少することがなくなる。
【0050】
なお、エレベータの乗りかご1は、上記の実施形態の構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、修正、又は変形が可能である。例えば、下記の変形例の構成を選択し、上記の実施形態の構成に採用することも可能である。
【0051】
(1)上記の実施形態に係るエレベータの乗りかご1においては、袖壁3aは、エレベータを操作する操作部5を備え、操作部5の鉛直下方に、障害部7を有するという構成である。しかしながら、エレベータの乗りかご1は、このような構成に限られない。例えば、図4に示すように、側壁3bは、エレベータを操作する操作部5、又はエレベータの状態を表示する表示部4を備え、操作部5又は表示部4の鉛直下方に、障害部7を有するという構成であってもよい。
【0052】
図4は、第1変形例に係る障害部を説明する説明図である。
【0053】
例えば、図4に示すように、第1変形例に係るエレベータの乗りかご1は、側壁3bは、エレベータを操作する操作部5を備え、操作部5の鉛直下方に、障害部7を有する、という構成でもよい。
【0054】
第1変形例の構成によれば、側壁3bに操作部5を備える場合であっても、操作部5の前に乗客が立つことを、簡易な構成により抑制することができ、操作部5を操作しようとする他の乗客は、容易に操作又は視認することができる。
【0055】
(2)また、上記の実施形態に係る乗りかご1においては、平面視において、障害部7の両端が、操作部5の両端から突出している、という構成である。しかしながら、エレベータの乗りかご1は、このような構成に限られない。例えば、図5に示すように、平面視において、障害部7の端部が、操作部5又は表示部4の端部のうちのいずれか一方から突出している、という構成であってもよい。
【0056】
図5は、第2変形例に係るエレベータの乗りかご内部の平面図である。
【0057】
例えば、図5に示すように、第2変形例に係るエレベータの乗りかご1は、平面視において、障害部7の端部が、操作部5の端部のうちのいずれか一方から突出している、換言すると、図5の破線に示す操作部5の端部のうちの一方から、障害部7の端部が突出している、という構成でもよい。
【0058】
第2変形例の構成によれば、乗客が立ちにくい障害部7の占有面積を小さくなるため、
操作部5を操作しようとする他の乗客は、容易に操作又は視認することができる一方、乗りかご内の乗車可能なスペースを確保することができる。
【0059】
(3)また、上記の実施形態に係る乗りかご1においては、障害部7は、床面2と平行である平行面7aを有する、という構成である。しかしながら、エレベータの乗りかご1は、このような構成に限られない。
【0060】
図6は、第3変形例に係る障害部を説明する説明図である。
【0061】
例えば、図6に示すように、第3変形例に係るエレベータの乗りかご1は、障害部7は、傾斜面7bで構成されてもよい。
【0062】
第3変形例の構成によれば、障害部7に乗客が立ちにくくなるため、操作部5の前に乗客が立つことを、より効果的に抑制することができる。
【0063】
(4)また、上記の実施形態に係る乗りかご1においては、障害部7は、床面2と袖壁3aの接合部2aの少なくとも一部に設けられる、という構成である。しかしながら、エレベータの乗りかご1は、このような構成に限られない。
【0064】
図7は、第4変形例に係る障害部を説明する説明図である。
【0065】
例えば、図7に示すように、第4変形例に係るエレベータの乗りかご1は、障害部7は、接合部2aから離れて配置されてもよい。
【0066】
第4変形例の構成によれば、比較的、障害部7が乗客から目につきやすくなり、乗客が衝突しにくくなる。
【0067】
(5)また、上記の実施形態に係る乗りかご1においては、障害部7は一定の体積を占める構造部で構成されている。しかしながら、エレベータの乗りかご1は、このような構成に限られない。
【0068】
図8は、第5変形例に係る障害部を説明する説明図である。
【0069】
例えば、図8に示すように、第5変形例に係るエレベータの乗りかご1は、障害部7は、ブラシ7cで構成されてもよい。
【0070】
第5変形例の構成によれば、乗客が障害部7に衝突した場合に、乗客の怪我を防止することができる。
【符号の説明】
【0071】
1・・・乗りかご、2・・・床面、2a・・・接合部、3・・・壁面、3a・・・袖壁、3b・・・側壁、4・・・液晶表示部、5・・・操作部、5a・・・開閉操作部、5b・・・行先階入力部、 6・・・乗降部、6a・・・隣接部、7・・・障害部、7a・・・平行面、7b・・・傾斜面、7c・・・ブラシ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8