特許第6973590号(P6973590)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社JVCケンウッドの特許一覧

<>
  • 特許6973590-車両用映像制御装置、及び映像制御方法 図000002
  • 特許6973590-車両用映像制御装置、及び映像制御方法 図000003
  • 特許6973590-車両用映像制御装置、及び映像制御方法 図000004
  • 特許6973590-車両用映像制御装置、及び映像制御方法 図000005
  • 特許6973590-車両用映像制御装置、及び映像制御方法 図000006
  • 特許6973590-車両用映像制御装置、及び映像制御方法 図000007
  • 特許6973590-車両用映像制御装置、及び映像制御方法 図000008
  • 特許6973590-車両用映像制御装置、及び映像制御方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973590
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】車両用映像制御装置、及び映像制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20211118BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20211118BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20211118BHJP
   B60R 1/00 20060101ALI20211118BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
   H04N7/18 J
   H04N5/225 800
   H04N5/232 450
   B60R1/00 A
   G07C5/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-156240(P2020-156240)
(22)【出願日】2020年9月17日
(62)【分割の表示】特願2019-23319(P2019-23319)の分割
【原出願日】2019年2月13日
(65)【公開番号】特開2021-7227(P2021-7227A)
(43)【公開日】2021年1月21日
【審査請求日】2020年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼倉 豊
【審査官】 秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−168169(JP,A)
【文献】 特開2012−94972(JP,A)
【文献】 特開2009−280109(JP,A)
【文献】 特開平9−193711(JP,A)
【文献】 特開2018−39471(JP,A)
【文献】 特開2015−202769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 5/222−5/257
B60R 1/00
G07C 1/00−15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の左側に備えられ前記車両の左側および左後方を撮影可能な左撮像装置と、
前記車両の右側に備えられ前記車両の右側および右後方を撮影可能な右撮像装置と、
前記左撮像装置および前記右撮像装置が撮影した映像を、前記車両の運転者が視認可能なモニタに表示させる表示制御部と、
前記左撮像装置および前記右撮像装置が撮影した映像を、前記車両を監視する監視情報として利用する記録制御部と、
前記左撮像装置が撮影した映像および前記右撮像装置が撮影した映像を、電子ミラーモードとして用いる場合、前記表示制御部に、前記左撮像装置が撮影した前記車両の左後方の映像および前記右撮像装置が撮影した前記車両の右後方の映像を、前記車両の運転者が視認可能なモニタに表示させ、前記左撮像装置が撮影した映像および前記右撮像装置が撮影した映像を、ドライブレコーダモードとして用いる場合、前記記録制御部に、前記左撮像装置が撮影した前記車両の左側の映像および前記右撮像装置が撮影した前記車両の右側の映像を、前記車両を監視する監視情報として利用させるモード変更部と、
を備える、車両用映像制御装置。
【請求項2】
前記モード変更部は、前記車両の動力がオン状態のときは、前記左撮像装置が撮影した映像および前記右撮像装置が撮影した映像を、前記電子ミラーモードとして用い、前記車両の動力がオフ状態のときは、前記左撮像装置が撮影した映像および前記右撮像装置が撮影した映像を、前記ドライブレコーダモードとして用いる、
請求項1に記載の車両用映像制御装置。
【請求項3】
前記車両の前方を撮影する前方撮像装置および前記車両の後方を撮影する後方撮影装置をさらに備え、
前記モード変更部は、前記ドライブレコーダモードのときは、前記記録制御部に前記左撮像装置および前記右撮像装置が撮影した映像に加えて、前記前方撮像装置が撮影した映像および前記後方撮影装置が撮影した映像を、前記車両を監視する監視情報として利用させる、
請求項1または2に記載の車両用映像制御装置。
【請求項4】
車両の左側に備えられ前記車両の左側および左後方を撮影可能な左撮像装置および前記車両の右側に備えられ前記車両の右側および右後方を撮影可能な右撮像装置が撮影した映像を電子ミラーモードとして用いる場合、前記左撮像装置が撮影した前記車両の左後方の映像および前記右撮像装置が撮影した前記車両の右後方の映像を、前記車両の運転者が視認可能なモニタに表示させるステップと、
前記左撮像装置が撮影した映像および前記右撮像装置が撮影した映像を、ドライブレコーダモードとして用いる場合、前記左撮像装置が撮影した前記車両の左側の映像および前記右撮像装置が撮影した前記車両の右側の映像を、前記車両を監視する監視情報として利用させるステップと、
を、車両用映像制御装置が実行する映像制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用映像制御装置、車両用映像システム、映像制御方法、及びプログラムに関し、特にカメラを搭載した車両の車両用映像制御装置、車両用映像システム、映像制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にドライブレコーダは、車両の進行方向である前後方向を重点的に撮影するように構成されている。
【0003】
駐車監視モードにおいては、車両の横方向で発生したイベントの原因等も記録できるように、特許文献1においては、半天球カメラを備えたドライブレコーダが開示されている。また、近年において、車両のサイドミラーに代えて車両の側後方を撮影するカメラの映像を表示する電子ミラーが備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018−196066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ドライブレコーダは、車両の走行中を含む車両の使用中、車両の前後方向を撮像し、その撮像した映像を記録することが期待される。一方、ドライブレコーダは、駐車中に、前後方向に限らず、車両の前後方向に加えて左右方向を監視することが要求されているが、特許文献1に開示の半天球カメラは、車室外の映像を適切に記録することが困難である。さらに、左右方向を監視するためのカメラを車両に取り付けると、コストが増大するおそれがあった。
【0006】
本発明は、コスト増大を抑制して適切な駐車監視を行うことができる、車両用映像制御装置、車両用映像システム、映像制御方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両用映像制御装置は、車両の左側に備えられ前記車両の左側および左後方を撮影可能な左撮像装置と、前記車両の右側に備えられ前記車両の右側および右後方を撮影可能な右撮像装置と、前記左撮像装置および前記右撮像装置が撮影した映像を、前記車両の運転者が視認可能なモニタに表示させる表示制御部と、前記左撮像装置および前記右撮像装置が撮影した映像を、前記車両を監視する監視情報として利用する記録制御部と、前記左撮像装置が撮影した映像および前記右撮像装置が撮影した映像を、電子ミラーモードとして用いる場合、前記表示制御部に、前記左撮像装置が撮影した前記車両の左後方の映像および前記右撮像装置が撮影した前記車両の右後方の映像を、前記車両の運転者が視認可能なモニタに表示させ、前記左撮像装置が撮影した映像および前記右撮像装置が撮影した映像を、ドライブレコーダモードとして用いる場合、前記記録制御部に、前記左撮像装置が撮影した前記車両の左側の映像および前記右撮像装置が撮影した前記車両の右側の映像を、前記車両を監視する監視情報として利用させるモード変更部と、を備える。
【0008】
また、本発明に係る車両用映像制御装置は、前記左撮像装置および前記右撮像装置と、を備える車両用映像システムとして構成されてもよい。
【0009】
また、本発明に係る映像制御方法は、車両の左側に備えられ前記車両の左側および左後方を撮影可能な左撮像装置および前記車両の右側に備えられ前記車両の右側および右後方を撮影可能な右撮像装置が撮影した映像を電子ミラーモードとして用いる場合、前記左撮像装置が撮影した前記車両の左後方の映像および前記右撮像装置が撮影した前記車両の右後方の映像を、前記車両の運転者が視認可能なモニタに表示させるステップと、前記左撮像装置が撮影した映像および前記右撮像装置が撮影した映像を、ドライブレコーダモードとして用いる場合、前記左撮像装置が撮影した前記車両の左側の映像および前記右撮像装置が撮影した前記車両の右側の映像を、前記車両を監視する監視情報として利用させるステップと、を、車両用映像制御装置が実行する。
【0010】
また、本発明に係る映像制御方法を、車両用映像制御装置を動作させるコンピュータが映像制御プログラムとして実行してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コスト増大を抑制して適切な駐車監視を行うことができる、車両用映像制御装置、車両用映像システム、映像制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る車両用映像システムの一構成例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係る車両用映像システムが搭載された車両の運転席前方の一構成例を示す模式図である。
図3】実施の形態1に係る車両用映像システムの一動作例を示す模式図である。
図4】実施の形態1に係る車両用映像システムの一動作例を示すフローチャートである。
図5】実施の形態2に係る車両用映像システムの一構成例を示すブロック図である。
図6】実施の形態2に係る車両用映像システムの一動作例を示す模式図である。
図7】実施の形態2に係る車両用映像システムの一変形例の一動作例を示す模式図である。
図8】車両用映像システムに含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、図1図4を参照して実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1に係る車両用映像システムの一構成例を示すブロック図である。図2は、実施の形態1に係る車両用映像システムが搭載された車両の運転席前方の一構成例を示す模式図である。図3は、実施の形態1に係る車両用映像システムの一動作例を示す模式図である。図4は、実施の形態1に係る車両用映像システムの一動作例を示すフローチャートである。
【0014】
なお、当然のことながら、図2及びその他の図面に示した三次元直交座標は、上下方向、左右方向、及び前後方向を示し、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、上が鉛直上向き、前後左右方向に延びる平面が水平面であり、図面間で共通である。図2は、車両50の車室内からその前方を視た図である。図3は、車両50の左側面50aをその上側から視た図である。
【0015】
図1に示すように、車両用映像システム100は、車両用映像制御装置20と、前カメラ31と、後カメラ32と、左カメラ33と、右カメラ34と、左支持部35と、右支持部36と、操作部37と、GPS受信部38と、記録部41と、センサ42と、左サイドモニタ43と、右サイドモニタ44と、インフォティンメントモニタ45とを備える。車両用映像システム100は、図2に示す車両50に搭載されている。
【0016】
前カメラ31と、後カメラ32と、左カメラ33と、右カメラ34とは、撮像装置であればよい。つまり、前カメラ31は前撮像装置であり、後カメラ32は後撮像装置であり、左カメラ33は、左撮像装置であり、右カメラ34は右撮像装置である。前カメラ31及び後カメラ32は、一般的なドライブレコーダに利用されるカメラであってもよい。また、左カメラ33と、右カメラ34とは、一般的な電子ミラーに利用されるカメラであってもよい。
【0017】
前カメラ31は、車両50の前方を向くように車両50の前側に配置され、車両50の前方を撮影する。後カメラ32は、車両50の後方を向くように車両50の後側に配置され、車両50の後方を撮影する。前カメラ31及び後カメラ32は、撮影した映像データを撮影データ取得部1へ出力する。
【0018】
図3に示すように、左支持部35は、ベース35aと、アーム35bとを備える。ベース35aは、車両50の左側面50aに設けられている。アーム35bは、ベース35aに軸35c周りに回動可能に設けられている。軸35cは、車両50の上下方向に直線上に延びる。よって、アーム35bは、軸35c周りに回動すると、車両50の水平面上を回転移動する。左支持部35は、支持制御部2から受信した制御信号に基づいて、アーム35bを回転移動させる。
【0019】
左カメラ33は、アーム35bの先端部の後側に設けられている。左カメラ33は、車両50の水平面において、アーム35bの長手方向に対して略直交する方向に向く。
【0020】
アーム35bは、軸35c周りに回動することによって、左カメラ33は、第1の位置又は第2の位置に配置される。アーム35bが、アーム35bの長手方向が車両50の左側面50aに対して略直交する場合、左カメラ33は、第1の位置に存在する。左カメラ33は、車両50の左後方を撮像する。左カメラ33が、第1の位置に存在する場合、車両50は、多くの場合、運転者によって運転されており、左カメラ33は、電子ミラーとして機能する。
【0021】
アーム35bの先端部の前側と、車両50の左側面50aとが対向する場合、左カメラ33は、第2の位置に存在する。左カメラ33は、車両50の左側方を撮像する。左カメラ33は、撮影した映像データを撮影データ取得部1へ出力する。左カメラ33が、第2の位置に存在する場合、車両50は、多くの場合、駐車しており、左カメラ33は、ドライブレコーダとして機能する。
【0022】
図1に示す右支持部36は、左支持部35と同じ構成を備え、左支持部35と車両50の前後方向に延びる中心線に対して左右対称である。右支持部36の詳細は図示しないが、具体的には、右支持部36は、図3における符号35を36に置き換え、左右対称とした構造である。右支持部36は、左支持部35と同様にベース36aと、アーム36bとを備える。ベース36aは、車両50の右側面に設けられている。アーム36bは、ベース36aに軸36c周りに回動可能に設けられている。軸36cは、車両50の上下方向に直線上に延びる。よって、アーム36bは、軸36c周りに回動すると、車両50の水平面上を回転移動する。右支持部36は、支持制御部2から受信した制御信号に基づいて、アーム36bを回転移動させる。
【0023】
右カメラ34は、右支持部36のアーム36bの先端部の後側に設けられている。右カメラ34は、車両50の水平面において、アーム36bの長手方向に対して略直交する方向に向く。
【0024】
アーム35bおよびアーム36bは、軸35cおよび軸36c周りに回動することによって、右カメラ34は、左カメラ33とともに、第1の位置又は第2の位置に配置される。アーム35bおよびアーム36bが、アーム35bおよびアーム36bの長手方向が車両50の右側面に対して略直交する場合、右カメラ34は、第1の位置に存在する。右カメラ34は、車両50の右後方を撮像する。
【0025】
アーム36bの先端部の前側と、車両50の右側面とが対向する場合、右カメラ34は、第2の位置に存在する。右カメラ34は、車両50の右側方を撮像する。右カメラ34は、撮影した映像データを撮影データ取得部1へ出力する。
【0026】
操作部37は、インタフェースであり、運転者等の操作者からの操作入力を受け付けて、操作を示す信号を生成し、操作制御部3へ出力する。
【0027】
GPS受信部38は、GPS(Global Positioning System)から信号を受信して、この受信した信号を位置情報取得部4へ出力する。
【0028】
記録部41は、記録制御部7が撮影データ取得部1から取得した撮影データを記憶する。記録部41は、例えば、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク、メモリカード、若しくはネットワークを介した外部記憶装置などの記憶装置である。記録部41は、図示しない通信装置を介して無線接続された外部記憶装置であってもよい。記録部41は、記録制御部7及び再生制御部8に記録を読み出されたり、追加されたりする。
【0029】
センサ42は、適宜、多種多様な測定対象を測定するセンサであり、例えば加速度を測定する加速度センサである。センサ42は、測定した測定結果をイベント検出部9へ出力する。
【0030】
左サイドモニタ43は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を含む表示装置である。左サイドモニタ43は、表示制御部10から出力された映像信号に基づいて、車両50の左カメラ33が撮像した映像を表示する。
【0031】
右サイドモニタ44は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を含む表示装置である。右サイドモニタ44は、表示制御部10から出力された映像信号に基づいて、車両50の右カメラ34が撮像した映像を表示する。
【0032】
インフォティンメントモニタ45は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を含む表示装置である。インフォティンメントモニタ45は、表示制御部10から出力された映像信号に基づいて、多種多様な映像を表示する。インフォティンメントモニタ45は、車両用映像システム100に専用のものであってもよいし、例えばナビゲーションシステムを含む他のシステムと共同で使用するものであってもよい。
【0033】
図1に示すように、車両用映像制御装置20は、撮影データ取得部1と、支持制御部2と、操作制御部3と、位置情報取得部4と、バッファメモリ5と、撮影データ処理部6と、記録制御部7と、再生制御部8と、イベント検出部9と、表示制御部10と、モード変更部11とを備える。
【0034】
車両用映像制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって構成されることができる。つまり、車両用映像制御装置20は、コンピュータとしての機能を備えることができる。車両用映像制御装置20は、記憶装置に記憶されたプログラムを実行させ、各種処理を行うことができる。また、車両用映像制御装置20は、このプログラムを実行することによって、撮影データ取得部1、支持制御部2、操作制御部3、位置情報取得部4、撮影データ処理部6、記録制御部7、再生制御部8、イベント検出部9、表示制御部10、及びモード変更部11を実現する。
【0035】
記憶装置は、例えば、車両用映像制御装置20の一部として又は車両用映像制御装置20の外部に、DDR(Double Data Rate)メモリ、Flashメモリ(フラッシュメモリ)などを備えることができる。また、車両用映像システム100は、車両用映像制御装置20の一部として又は車両用映像制御装置20の外部に、EEPROMを備えることができる。記憶装置は、記録部41であってもよい。
【0036】
なお、車両用映像システム100の各構成要素は、プログラムで実現することに限ることなく、ハードウェア、或いはハードウェアとプログラムとの組み合わせ等により実現することもできる。また、車両用映像制御装置20の各構成要素は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、使用者がプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。このように、車両用映像制御装置20は、この集積回路を用いて車両用映像制御装置20の各構成要素の機能を実現してもよい。
【0037】
撮影データ取得部1と、支持制御部2と、操作制御部3と、位置情報取得部4と、撮影データ処理部6と、記録制御部7と、再生制御部8と、イベント検出部9と、表示制御部10と、モード変更部11等の車両用映像制御装置20を構成する各構成要素は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、車両用映像制御装置20を構成する各構成要素は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0038】
撮影データ取得部1は、前カメラ31、後カメラ32、左カメラ33、及び右カメラ34において生成された映像データを取得する。映像データを含むデータは、撮影データと称されてもよい。言い換えると、撮影データ取得部1は、前カメラ31、後カメラ32、左カメラ33、及び右カメラ34から撮影データを取得してもよい。撮影データは、映像データに加えて音声データを含んでもよい。
【0039】
操作制御部3は、操作部37からの信号に基づいて操作入力情報を生成し、支持制御部2に出力する。操作制御部3が生成する操作入力情報は、例えば、左支持部35および右支持部36が、第1の位置および第2の位置のいずれかの配置となるように切り替える操作などを示す。
【0040】
支持制御部2は、操作制御部3からの操作入力情報を取得する。また、支持制御部2は、車両50の動力がONしているか、OFFしているかを示す動力ON/OFF情報を取得する。支持制御部2は、例えば、CAN(Controller Area Network)を介して、車両50の動力ON/OFF情報を取得してもよい。また、支持制御部2は、例えば、加速度センサなどの各種のセンサ42からの各種検出情報を取得し、取得した各種検出情報を演算して、車両50の動力ON/OFF情報を導出してもよい。操作入力情報、及び動力ON/OFF情報が車両50の動力がONしていることを示す場合、車両50は、運転者によって運転されている状態である。操作入力情報、及び動力ON/OFF情報が車両50の動力がOFFしていることを示す場合、車両50は、駐車している状態である。
【0041】
支持制御部2は、操作制御部3からの操作入力情報や動力ON/OFF情報に応じた制御信号を、左支持部35及び右支持部36に送る。操作入力情報、及び動力ON/OFF情報が車両50の動力がONしていることを示す場合、支持制御部2は、左支持部35及び右支持部36が第1の位置に配置する制御信号を送る。操作入力情報、及び動力ON/OFF情報が車両50の動力がOFFしていることを示す場合、支持制御部2は、左支持部35及び右支持部36が第2の位置に配置する制御信号を送る。
【0042】
位置情報取得部4は、GPS受信部38が受信した信号を取得し、車両50の現在位置情報を生成する。バッファメモリ5は、例えば、出力された撮影データを一時的に記憶する。
【0043】
撮影データ処理部6は、バッファメモリ5に一時的に記憶された撮影データを、例えば、H.264やMPEG−4(Moving Picture Experts Group)等の任意の方式を用いて一定期間分のデータファイルとしての撮影データを生成する。
【0044】
記録制御部7は、撮影データ処理部6が生成した撮影データを上書き可能のデータ、又は上書き禁止のデータとして記録部41へ記録する。例えば、記録制御部7は、記録部41のデータの上書き可能または上書き禁止とするメモリ領域のアドレスを指定して、撮影データを記録部41へ記録してもよい。もしくは、記録制御部7は、撮影データのヘッダもしくはペイロードに上書き可能または上書き禁止を示すフラグ情報を設定してもよい。イベント検出部9が、イベントが発生したことを示す情報を記録制御部7へ出力した場合、記録制御部7は、イベントが発生した時刻の前後所定の期間の撮影データを、上書き禁止のデータとして記録部41へ記録する。
【0045】
再生制御部8は、記録部41に記録されている撮影データを取得し、取得した撮影データに基づく映像データを表示制御部10へ出力する。
【0046】
イベント検出部9は、センサ42から出力された情報を用いてイベント発生を検出する。例えば、加速度センサとして動作するセンサ42おいて検出した加速度が所定値を超えている場合に、イベント検出部9は、イベントが発生したことを検出する。加速度が所定値を超えるとは、車両50に事故に相当する衝撃が加わったと言い換えてもよい。また、イベント検出部9は、車両50が駐車している間は、加速度に基づくイベント検出に加えて、撮影データ取得部が取得する映像データから動体を検出し、動体を検出したことをイベントの発生としてもよい。イベント検出部9は、イベントの発生を検出した場合、イベントが発生したことを示す情報を記録制御部7へ出力する。イベントが発生したことを示す情報には、イベントが発生した時刻が含まれる。さらに、イベントが発生したことを示す情報には、発生したイベントの内容が含まれてもよい。
【0047】
表示制御部10は、再生制御部8やバッファメモリ5等から取得した映像データに基づく映像を、左サイドモニタ43、右サイドモニタ44、インフォティンメントモニタ45等に表示する。
【0048】
表示制御部10は、左カメラ33及び右カメラ34が撮影した映像データから、所定の領域を切り出して、左サイドモニタ43および右サイドモニタ44に表示するための映像データを生成する。例えば、左カメラ33及び右カメラ34が撮影する画角が、水平方向150度から180度、垂直方向90度から120度などである場合、表示制御部10は、左カメラ33及び右カメラ34が撮影した映像データから、水平方向60度から90度、垂直方向45度から60度などの範囲を切り出して左サイドモニタ43、及び右サイドモニタ44にそれぞれ表示する。
【0049】
モード変更部11は、支持制御部2が左支持部35及び右支持部36を第1の位置に配置させた場合、表示制御部10に、左カメラ33及び右カメラ34が撮影した映像データを、左サイドモニタ43及び右サイドモニタ44に表示させる。また、モード変更部11は、支持制御部2が左支持部35及び右支持部36を第2の位置に配置させた場合、記録制御部7に、左カメラ33及び右カメラ34が撮影した映像データを、車両50を監視する監視情報として利用させる。言い換えると、モード変更部11は、左支持部35及び右支持部36を第1の位置に配置している場合は、電子ミラーである左サイドモニタ43及び右サイドモニタ44で、車両50の左右側後方を確認するための映像を表示させる。左支持部35及び右支持部36を第2の位置に配置している場合は、ドライブレコーダとして車両50の左右方向の映像を記録させる。つまり、モード変更部11は、電子ミラーモードとドライブレコーダモードとを切り替える。
【0050】
図2は、実施の形態1に係る車両用映像システム100が搭載された車両の運転席前方の一構成例を示す模式図である。図2に示される車両50において、センターコンソール54に配置された横長形状のインフォティンメントモニタ45に映像を表示する。また、図2に示される車両内の運転席の前方には、インフォティンメントモニタ45及びセンターコンソール54の他、左サイドモニタ43、右サイドモニタ44、ダッシュボード51、インストルメントパネル52、ステアリングホイール53、ウィンドシールド55、及びリヤビューモニタ56等が配置されている。
【0051】
左サイドモニタ43、右サイドモニタ44、及びインフォティンメントモニタ45は、運転者が視認可能な位置に配置されている。図2に示す一例では、左サイドモニタ43は、車両50のダッシュボード51の左右方向における左側に配置されている。右サイドモニタ44は、車両50のダッシュボード51の左右方向における右側に配置されている。インフォティンメントモニタ45は、ダッシュボード51の左右方向における中央近傍に位置するセンターコンソール54に配置されている。
【0052】
インストルメントパネル52は、ウィンドシールド55の下側のダッシュボード51に配置されており、速度計やエンジン回転計等が表示される。
【0053】
ステアリングホイール53は、運転者がステアリング操作を行うものである。ステアリングホイール53によるステアリング操作に応じて、車両のステアリング向きが変更される。
【0054】
リヤビューモニタ56は、運転者が車両の後方を確認するためのモニタであり、例えば、電子ルームミラー、又は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を含む表示装置である。リヤビューモニタ56は、表示制御部10からの映像信号に基づいて、車両50の後方を撮像した映像を表示してもよい。リヤビューモニタ56は、運転者が視認可能な位置に配置されている。本実施形態にかかるリヤビューモニタ56は、ウィンドシールド55の左右方向の中央上側に配置されている。
(動作)
図3及び4を参照して、車両用映像システム100の一動作例について説明する。
【0055】
モード変更部11は、操作制御部3において左支持部35及び右支持部36を操作する指示が受け付けられたか否かを判定する(支持部操作指示判定ステップST1)。
【0056】
左支持部35及び右支持部36を操作する指示が受け付けられた場合(支持部操作指示判定ステップST1:YES)、受け付けられた指示が、左支持部35及び右支持部36を第1の位置から第2の位置に配置させることを示す指示であるか否かを判定する(第2の位置配置指示判定ステップST2)。
【0057】
ステップST1で受け付けられた指示が、左支持部35及び右支持部36を第1の位置から第2の位置に配置させることを示す場合(第2の位置配置指示判定ステップST2:YES)、電子ミラーモードからドライブレコーダモードに切り替える(ドライブレコーダモード切替ステップST3)。
【0058】
ドライブレコーダモードに切り替えた場合、支持制御部2が左支持部35及び右支持部36に制御信号を送り、左支持部35及び右支持部36を第1の位置から車両50の車両の左側面50a側に回動させることで、近接するように移動させ、第2の位置に配置する。左支持部35及び右支持部36を第2の位置に配置すると、左カメラ33、右カメラ34、前カメラ31、後カメラ32が撮影している映像は、ドライブレコーダの機能として、記録部41に記録される。記録制御部7は、左カメラ33および右カメラ34が撮影している映像を画角α1の映像データとして記録部41に記録する。画角α1は、左カメラ33および右カメラ34が撮影している映像がドライブレコーダの記録映像として好適な広さであればよく、左カメラ33および右カメラ34の最大画角であってもよい。画角α1は、例えば、水平方向150度から180度であり、垂直方向が90度から120度などである。記録部41に記録された映像は、監視情報として利用することができる。
【0059】
一方、受け付けられた指示が、左支持部35及び右支持部36を第1の位置から第2の位置に配置させることを示さない場合、つまり受け付けられた指示が、左支持部35及び右支持部36を第2の位置から第1の位置に配置させることを示す場合(第2の位置配置指示判定ステップST2:NO)、ドライブレコーダモードから電子ミラーモードに切り替える(電子ミラーモード切替ステップST4)。
【0060】
電子ミラーモードに切り替えた場合、左支持部35及び右支持部36は第1の位置に配置する。第1の位置において、左カメラ33が撮影している映像は、左サイドモニタ43に表示され、右カメラ34が撮影している映像は、右サイドモニタ44に表示される。
【0061】
詳細には、左カメラ33および右カメラ34が撮影している映像を、撮影データ取得部1が取得し、表示制御部10が左サイドモニタ43および右サイドモニタ44に表示させる。この場合、表示制御部10は、左カメラ33および右カメラ34が撮影している映像の画角α1の一部を切り取った映像を、左サイドモニタ43および右サイドモニタ44に表示させる。左サイドモニタ43および右サイドモニタ44に表示させた表示映像の画角α2は、例えば水平方向60度以上90度以下である。画角α2は、画角α1よりも狭いとよい。画角α2は、表示映像が電子ミラーに利用されると好適な広さであるとよい。画角α2は、例えば、水平方向60度から90度、垂直方向45度から60度などである。
【0062】
また、左支持部35及び右支持部36が第1の位置に配置しているときは、前カメラ31及び後カメラ32が撮影している映像は、ドライブレコーダの機能として、記録部41に記録される。詳細には、前カメラ31、及び後カメラ32が撮影している映像に基づく撮影データを、バッファメモリ5に一時的に蓄え、撮影データ処理部6に処理し、所定のファイルを生成する。撮影データ処理部6は、取得した撮影データを、例えばH.264やMPEG−4などの任意の方式のコーデックで符号化して処理する。所定のファイルは、例えばMP4形式などの任意のファイル形式であり、所定のファイルが示す撮影映像の時間は、例えば、60秒などの任意の長さである。記録制御部7は、撮影データ処理部6が生成したファイルを、記録部41に上書き可能に記録する。
【0063】
なお、イベント検出部9が、イベントとして判断できるセンサ42の出力を取得した場合、記録制御部7は、イベント検出の前後所定期間の映像を、上書き禁止のデータとして記録部41に保存する。
【0064】
つまり、左支持部35及び右支持部36が第1の位置に配置しているときは、左カメラ33及び右カメラ34が撮影している映像は、電子ミラーとして用いられるとともに、前カメラ31及び後カメラ32が撮影している映像は、ドライブレコーダの映像として用いられる。さらに、左支持部35及び右支持部36が第2の位置に配置しているときは、左カメラ33及び右カメラ34が撮影している映像に加えて、前カメラ31及び後カメラ32が撮影している映像も、ドライブレコーダの映像として用いられる。
【0065】
以上より、車両用映像システム100によれば、車両50の使用中、又は走行中に、車両50の前後方向を撮像し、その撮像した映像を記録することができる。一方、駐車中に、前後方向に限らず、車両50の前後方向に加えて左右方向を撮像し、その撮像した映像を記録することができる。記録した映像を監視情報として利用し、駐車中の車両50の左右方向を監視することができる。さらに、車両用映像システム100は、一般的なドライブレコーダに利用される前カメラ31、後カメラ32等と、一般的な電子ミラーに利用される左カメラ33、右カメラ34等とを用いて、上記した効果を発揮することができる。すなわち、車両用映像システム100は、他のハードウェア構成を用いることなく、一般的なドライブレコーダ及び電子ミラーに利用されるハードウェア構成を用いて上記した効果を発揮することができ、コスト増大を抑制することができる。
(実施の形態2)
以下、図5及び図6を参照して実施の形態2について説明する。図5は、実施の形態2に係る車両用映像システムの一構成例を示すブロック図である。図6は、実施の形態2に係る車両用映像システムの一動作例を示す模式図であり、車両50の左側面50aをその上側から視た図である。実施の形態2に係る車両用映像システム200は、左支持部と、右支持部と、左カメラと、右カメラとを除いて、図1に示す車両用映像システム100と同じ構成を備える。
【0066】
図5に示すように、車両用映像システム200は、左第1のカメラ33aと、左第2のカメラ33bと、右第1のカメラ34aと、右第2のカメラ34bと、左支持部235と、右支持部236とを備える。
【0067】
左第1のカメラ33aと、左第2のカメラ33bと、右第1のカメラ34aと、右第2のカメラ34bとは、撮像装置であればよい。つまり、左第1のカメラ33aと左第2のカメラ33bとで左撮像装置を構成し、右第1のカメラ34aと右第2のカメラ34bとで右撮像装置を構成する。左第1のカメラ33aと、左第2のカメラ33bと、右第1のカメラ34aと、右第2のカメラ34bとは、一般的な電子ミラーに利用されるカメラであってもよい。
【0068】
左支持部235は、アーム35bの動作を除いて、図1及び図3に示す左支持部35と同じ構成を備える。左第1のカメラ33aは、アーム35bの先端部の後側に設けられている。左第2のカメラ33bは、アーム35bの先端部の前側に設けられている。左第1のカメラ33aは、車両50の水平面において、アーム35bの長手方向に対して略直交する方向に向いており、左第2のカメラ33bは、左第1のカメラ33aが向いた方向と逆方向に向いている。
【0069】
図6に示すアーム35bは、軸35c周りに回動することによって、左第1のカメラ33aと、左第2のカメラ33bとは、第1の位置又は第2の位置に配置される。
【0070】
アーム35bが、アーム35bの長手方向が車両50の左側面50aに対して略直交する場合、左第1のカメラ33aと、左第2のカメラ33bとは、第1の位置に存在する。この場合、左第1のカメラ33aは、車両50の左後方を撮像する。左第1のカメラ33aは、撮影した映像データを撮影データ取得部1へ出力する。
【0071】
アーム35bの先端部の後側と、車両50の左側面50aとが対向する場合、左第1のカメラ33aと、左第2のカメラ33bとは、第2の位置に存在する。この場合、左第2のカメラ33bは、車両50の左側方を撮像する。左第2のカメラ33bは、撮影した映像データを撮影データ取得部1へ出力する。
【0072】
左第2のカメラ33bおよび右第2のカメラ34bは、左第1のカメラ33aおよび右第1のカメラ34aと比較して、大きな画角の映像を撮影することができるとよい。左第2のカメラ33bおよび右第2のカメラ34bは、例えば水平方向150度から180度、垂直方向90度から120度などの画角α4を撮影するカメラである。左第1のカメラ33aおよび右第1のカメラ34aは、例えば、水平方向60度から90度、垂直方向45度から60度などの画角α3を撮影するカメラである。画角α3は、画角α4よりも狭いとよい。画角α3は、左第1のカメラ33aおよび右第1のカメラ34aが撮影した映像が電子ミラーに利用されると好適な広さであるとよい。画角α4は、左第2のカメラ33bおよび右第2のカメラ34bの撮影している映像はドライブレコーダが記録する映像として好適な大きさであるとよい。
【0073】
図5に示す右支持部236は、左支持部235と同じ構成であり、車両50の前後方向に延びる中心線に対して左右対称となるように設けられている。同様に、右第1のカメラ34aは、左第1のカメラ33aと同じ構成であり、車両50の前後方向に延びる中心線に対して左右対称となるように設けられている。同様に、右第2のカメラ34bは、左第2のカメラ33bと同じ構成であり、車両50の前後方向に延びる中心線に対して左右対称となるように設けられている。
(動作)
図4及び図6を参照して、車両用映像システム200の動作の一動作例について説明する。車両用映像システム200の動作の一動作例は、ドライブレコーダモード切替ステップST3と電子ミラーモード切替ステップST4とを除いて、上記した車両用映像システム100の動作の一動作例と同じ構成を備える。
【0074】
図4に示す支持部操作指示判定ステップST1と、第2の位置配置指示判定ステップST2とを実施し、ドライブレコーダモード切替ステップST3、又は電子ミラーモード切替ステップST4に進む。
【0075】
ドライブレコーダモード切替ステップST3に進み、ドライブレコーダモードに切り替えた場合、支持制御部2が左支持部235及び右支持部236に制御信号を送り、左第1のカメラ33a、左第2のカメラ33b、右第1のカメラ34a、及び右第2のカメラ34bを第2の位置に配置する。
【0076】
左第2のカメラ33b、右第2のカメラ34b、前カメラ31、及び後カメラ32が撮影している映像は、ドライブレコーダの機能として記録部41に記録される。表示制御部10は、左第2のカメラ33b及び右第2のカメラ34bが撮影している映像を、記録部41に記録する。
【0077】
一方、電子ミラーモード切替ステップST4に進み、電子ミラーモードに切り替えた場合、支持制御部2が左支持部235及び右支持部236に制御信号を送る。左支持部235及び右支持部236は、左第1のカメラ33a、左第2のカメラ33b、右第1のカメラ34a、及び右第2のカメラ34bを第1の位置に配置する。
【0078】
左第1のカメラ33a、左第2のカメラ33b、右第1のカメラ34a、及び右第2のカメラ34bが第1の位置に配置された場合、左第1のカメラ33aが撮影している映像は、左サイドモニタ43に表示される。また、このような場合、右第1のカメラ34aが撮影している映像も、右サイドモニタ44に表示される。左第1のカメラ33a及び右第1のカメラ34aが撮影している映像は、画角α3であり、電子ミラーとして利用されるものとして好適である。よって、車両用映像システム200の表示制御部10は、左第1のカメラ33a及び右第1のカメラ34aが撮影している映像から、所定の範囲を切り出して表示映像データを生成する必要が無い。車両用映像システム200の表示制御部10は、図1に示す車両用映像システム200と異なり、簡易な構成であってもよい。
【0079】
電子ミラーモードで動作しているときは、左第2のカメラ33b及び右第2のカメラ34bは、撮影していなくてもよい。また、電子ミラーモードで動作しているときは左第2のカメラ33b及び右第2のカメラ34bを動作させ、この映像に対して人物や他車両を認識する処理を行ってもよい。車両用映像システム200は、この処理によって得られた情報に基づいて、車両50の前方障害物等を監視し、適宜、運転者に左サイドモニタ43、右サイドモニタ44、又はインフォティンメントモニタ45を用いて通知してもよい。左第2のカメラ33b及び右第2のカメラ34bが撮影した映像は、適宜、記録部41に記録してもよい。前カメラ31、左第2のカメラ33b及び右第2のカメラ34bが撮影した映像は、前カメラ31のみが撮影した映像と比較して、画角が広い。よって、前カメラ31、左第2のカメラ33b及び右第2のカメラ34bが撮影した映像を用いて、車両50の前方における大きい領域を監視することができる。
【0080】
以上より、車両用映像システム200によれば、車両用映像システム100と同様に、車両50の使用中、又は走行中に、車両50の前後方向を撮像し、その撮像した映像を記録することができる。一方、駐車中に、前後方向に限らず、車両50の前後方向に加えて左右方向を撮像し、その撮像した映像を記録することができる。記録した映像を監視情報として利用し、駐車中の車両50の左右方向を監視することができる。さらに、車両用映像システム200は、一般的なドライブレコーダに利用される前カメラ31、後カメラ32等と、一般的な電子ミラーに利用される左第1のカメラ33a、左第2のカメラ33b、右第1のカメラ34a、及び右第2のカメラ34b等とを用いて、上記した効果を発揮することができる。すなわち、車両用映像システム200は、他のハードウェア構成を用いることなく、一般的なドライブレコーダ及び電子ミラーに利用されるハードウェア構成を用いて上記した効果を発揮することができ、コスト増大を抑制することができる。
(変形例1)
次に、図7を参照して、車両用映像システム200の一変形例である車両用映像システム201について説明する。図7は、実施の形態2に係る車両用映像システムの要部の一変形例の一動作例を示す模式図であり、車両50の左側面50aをその上側から視た図である。車両用映像システム201は、左カメラ33c、図示しない右カメラを除いて、図5に示す車両用映像システム200と同じ構成を備える。
【0081】
図7に示すように、左カメラ33cは、撮像装置であればよい。左カメラ33cは、一般的な電子ミラー又はドライブレコーダに利用されるカメラであってもよい。
【0082】
左カメラ33cは、軸33d周りに回動可能にアーム35bの先端部に設けられている。軸33dは、鉛直方向に延びる。左カメラ33cは、例えば、モータ等の動力源を備えてもよく、この動力源によって、軸33d周りに所定の向きを向くよう回動する。
【0083】
図7に示すアーム35bは、軸35c周りに回動することによって、左カメラ33cは、第1の位置又は第2の位置に配置される。アーム35bは、軸35c周りに回動すると、左カメラ33cは、軸35c周りに回動して、アーム35bに対して別の方向を向く。
【0084】
アーム35bが、アーム35bの長手方向が車両50の左側面50aに対して略直交する場合、左カメラ33cは、第1の位置に存在する。この場合、左カメラ33cは、車両50の左後方を撮像する。左カメラ33cは、撮影した映像データを撮影データ取得部1へ出力する。
【0085】
アーム35bの先端部の後側と、車両50の左側面50aとが対向する場合、左カメラ33cは、第2の位置に存在する。この場合、左カメラ33cは、車両50の左側方を撮像する。左カメラ33は、撮影した映像データを撮影データ取得部1へ出力する。
【0086】
図示しない右カメラは、左カメラ33cと同じ構成であり、車両50の前後方向に延びる中心線に対して左右対称となるように設けられている。
(動作)
次に、車両用映像システム201の動作の一動作例について説明する。車両用映像システム201の動作の一動作例は、ドライブレコーダモード切替ステップST3と電子ミラーモード切替ステップST4とを除いて、上記した車両用映像システム200の動作の一動作例と同じ構成を備える。
【0087】
図4に示す支持部操作指示判定ステップST1と、第2の位置配置指示判定ステップST2とを実施し、ドライブレコーダモード切替ステップST3、又は電子ミラーモード切替ステップST4に進む。
【0088】
ドライブレコーダモード切替ステップST3に進み、ドライブレコーダモードに切り替えた場合、支持制御部2が左支持部235及び右支持部236に制御信号を送り、左カメラ33c、及び図示しない右カメラを第2の位置に配置する。また、適宜、左カメラ33cは軸33d周りに回動し、アーム35bの先端部の後側を向く。図示しない右カメラも左カメラ33cと同様に回動し、向きを変更する。
【0089】
左カメラ33c、図示しない右カメラ、前カメラ31、及び後カメラ32が撮影している映像は、ドライブレコーダの機能として記録部41に記録される。表示制御部10は、左カメラ33c、及び、図示しない右カメラが撮影している映像を、記録部41に記録する。左カメラ33c、及び、図示しない右カメラが撮影している映像は、画角α1を有する。画角α1は、左カメラ33c、及び、図示しない右カメラの撮影している映像がドライブレコーダの記録する映像として好適な広さを有するとよい。
【0090】
一方、電子ミラーモード切替ステップST4に進み、電子ミラーモードに切り替えた場合、支持制御部2が左支持部235及び右支持部236に制御信号を送る。左支持部235及び右支持部236は、左カメラ33c、及び、図示しない右カメラを第1の位置に配置する。また、適宜、左カメラ33cは軸33d周りに回動し、アーム35bの先端部の前側を向く。図示しない右カメラも左カメラ33cと同様に回動し、向きを変更する。
【0091】
左カメラ33c、及び、図示しない右カメラが第1の位置に配置された場合、左カメラ33cが撮影している映像は、左サイドモニタ43に表示される。また、このような場合、図示しない右カメラが撮影している映像も、右サイドモニタ44に表示される。この場合、表示制御部10は、左カメラ33cおよび図示しない右カメラが撮影している映像の画角α1から所定の範囲を切り出した映像を、左サイドモニタ43および右サイドモニタ44に表示させる。左サイドモニタ43および右サイドモニタ44に表示させた表示映像の画角α2は、例えば水平方向60度以上90度以下である。画角α2は、画角α1よりも狭いとよい。画角α2は、表示映像が電子ミラーに利用されると好適な広さであるとよい。
【0092】
以上より、車両用映像システム201によれば、車両用映像システム200と同様に、車両50の使用中、又は走行中に、車両50の前後方向を撮像し、その撮像した映像を記録することができる。一方、駐車中に、前後方向に限らず、車両50の前後方向に加えて左右方向を撮像し、その撮像した映像を記録することができる。記録した映像を監視情報として利用し、駐車中の車両50の左右方向を監視することができる。さらに、車両用映像システム201は、一般的なドライブレコーダに利用される前カメラ31、後カメラ32等と、一般的な電子ミラー又はドライブレコーダに利用されるカメラ等とを用いて、上記した効果を発揮することができる。すなわち、車両用映像システム201は、他のハードウェア構成を用いることなく、一般的なドライブレコーダ及び電子ミラーに利用されるハードウェア構成を用いて上記した効果を発揮することができ、コスト増大を抑制することができる。
【0093】
車両用映像システム201によれば、車両用映像システム200と比較して、左カメラと、右カメラとが少ない。車両用映像システム201は、車両用映像システム200と比較して、左カメラと、右カメラとの構成が簡易である。
(他の実施の形態等)
上記実施の形態では、図1〜7に示す車両用映像システム100、200、201の各部位の機能について説明したが、車両用映像システム100、200、201としてこれらの機能が実現できればよい。
【0094】
また、上記実施の形態に係る車両用映像システム100、200、201は、次のようなハードウェア構成を備えることができる。図8は、車両用映像システム100、200、201に含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。
【0095】
図8に示す車両用映像システム110は、操作部37用のインタフェース等のインタフェース103とともに、プロセッサ101及びメモリ102を備える。上述した実施の形態で説明した車両用映像制御装置20は、プロセッサ101がメモリ102に記憶された制御プログラムを読み込んで実行することにより実現される。つまり、この制御プログラムは、プロセッサ101を図1の車両用映像制御装置20又はその一部として機能させるためのプログラムである。この制御プログラムは、図1の車両用映像システム100に、車両用映像制御装置20又はその一部における処理を実行させるためのプログラムであると言える。
【0096】
上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータ(情報通知装置を含むコンピュータ)に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、この例は、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/Wを含む。さらに、この例は、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM、EPROM、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0097】
さらに、上述した様々な実施の形態において、車両用映像システム100、200、201における処理の手順を説明したように、本発明は映像制御方法としての形態も採り得る。この映像制御方法は、次の第1、及び第2のステップを含む。
【0098】
第1のステップは、車両の左側に備えられ前記車両の左側を撮影する左撮像装置を支持する左支持部および前記車両の右側に備えられ前記車両の右側を撮影する右撮像装置を支持する右支持部を、前記左撮像装置が前記車両の左側後方を向き、前記右撮像装置が前記車両の右側後方を向く第1の位置と、前記左撮像装置が前記車両の左方向を向き、前記右撮像装置が前記車両の右方向を向く第2の位置に配置可能に制御する支持制御ステップである。
【0099】
第2のステップは、前記支持制御ステップによって前記左支持部および前記右支持部が前記第1の位置に配置された場合、前記左撮像装置および前記右撮像装置が撮影した映像を、前記車両の運転者が視認可能なモニタに表示させ、前記左支持部および前記右支持部が前記第2の位置に配置された場合、前記左撮像装置および前記右撮像装置が撮影した映像を、前記車両を監視する監視情報として利用させるモード変更ステップである。
【0100】
なお、その他の例については、上述した様々な実施の形態で説明した通りである。また、上述の制御プログラムは、車両用映像システムにこのような映像制御方法を実行させるための映像制御プログラムであると言える。
【0101】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本発明は、実施の形態やその一例を適宜組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0102】
100、110、200、201 車両用映像システム
1 撮影データ取得部 2 支持制御部
3 操作制御部 4 位置情報取得部
5 バッファメモリ 6 撮影データ処理部
7 記録制御部 8 再生制御部
9 イベント検出部 10 表示制御部
11 モード変更部
21 撮影データ取得部
31 前カメラ 32 後カメラ
33、33c 左カメラ
33a 左第1のカメラ 33b 左第2のカメラ
33d 軸
34 右カメラ
34a 右第1のカメラ 34b 右第2のカメラ
35、235 左支持部
35a ベース 35b アーム
35c 軸
36、236 右支持部 37 操作部
38 GPS受信部
41 記録部 42 センサ
43 左サイドモニタ 44 右サイドモニタ
45 インフォティンメントモニタ
50 車両 50a 左側面
51 ダッシュボード 52 インストルメントパネル
53 ステアリングホイール 54 センターコンソール
55 ウィンドシールド 56 リヤビューモニタ
101 プロセッサ 102 メモリ
103 インタフェース
ST1 支持部操作指示判定ステップ ST2 位置配置指示判定ステップ
ST3 ドライブレコーダモード切替ステップ ST4 電子ミラーモード切替ステップ
α1、α2、α3、α4 画角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8