(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の変位検出センサを備えたグローブ5の外観斜視図である。グローブ5は、エラストマー等の部材からなり、手の全体および手首を覆う形状からなる。ただし、グローブ5は、指先を覆う形状である必要はない。
【0010】
変位検出センサ1は、グローブ5のうち、手の平側に配置される。変位検出センサ1は、平面視して長方形状である。変位検出センサ1は、手首部分から中指の付け根に沿って配置されている。変位検出センサ1は、手の平の領域101、手首の関節の領域102、および手首の領域103に渡って配置されている。手の平の領域101は、本発明における第1の検出対象の一例であり、手首の領域103は、本発明における第2の検出対象の一例である。なお、変位検出センサ1は、手の甲側に配置されていてもよい。この場合、手の甲の領域が第1の検出対象になる。
【0011】
図2(A)は、変位検出センサ1の平面図であり、
図2(B)は、A−A線の断面図であり、
図2(C)は、下面図である。
【0012】
変位検出センサ1は、基材10と、基材10の第1主面に配置された第1圧電素子11と、基材10の第2主面に配置された第2圧電素子12と、を備えている。第1圧電素子11は、本発明の第1検出部の一例であり、第2圧電素子12は、本発明の第2検出部の一例である。
【0013】
基材10は、PI(ポリイミド)またはウレタン等の可撓性の高い材料からなる。基材10、第1圧電素子11、および第2圧電素子12は、それぞれ平面視して長方形状である。第1圧電素子11および第2圧電素子12の面積は同一であり、それぞれ基材10よりもわずかに小さい。ただし、本発明において、第1圧電素子11および第2圧電素子12の面積が同一である必要はない。
【0014】
図3は、第1圧電素子11の断面図である。なお、第2圧電素子12は、第1圧電素子11と同じ断面構造を有するため、
図3では、代表して第1圧電素子11の構造を示す。
【0015】
第1圧電素子11は、第1保護層50、導電性薄膜部材51、中間層52、検出用電極53、圧電フィルム54、および第2保護層55を備えている。第1保護層50の下面は、基材10に貼り付けられる。
【0016】
第1保護層50、中間層52、および第2保護層55は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(アクリル樹脂)、またはCOP(シクロオレフィンポリマー)等からなる。第1保護層50および第2保護層55は、第1圧電素子11の全体を覆う形状からなる。第1保護層50および第2保護層55は、本発明において必須の構成ではないが、第1圧電素子11を保護する機能を有する。また、第1保護層50および第2保護層55は、ポリエチレンフォームのフィルム等からなる場合、第1圧電素子11を覆うことにより防水性を発揮することもできる。また、第1圧電素子11は、ポリウレタンまたはシリコーン等の様な可撓性の高い材料でモールドされてもよい。
【0017】
第1保護層50の上面は、導電性薄膜部材51が貼り付けられる。導電性薄膜部材51の上面には、中間層52が貼り付けられる。中間層52の上面には、検出用電極53が配置される。検出用電極53の上面には、圧電フィルム54が配置される。圧電フィルム54の上部には、導電性薄膜部材51が貼り付けられる。すなわち、導電性薄膜部材51は、中間層52、検出用電極53、および圧電フィルム54を上下で挟み込んで覆う様になっている。導電性薄膜部材51の上面には、第2保護層55が貼り付けられる。
【0018】
中間層52は、圧電フィルム54に最も近い位置に配置される。
図4に示す様に、変位検出センサ1が上面側に凸に曲げ変形した場合、変位検出センサ1の下面側が収縮し、上面側が伸張する。すなわち、変位検出センサ1の内部には、伸縮しない箇所(応力の中立面)が存在する。
【0019】
第1保護層50は、第2保護層55よりも厚い。中間層52は、第2保護層55よりも薄い。第1保護層50は、最も厚くなっている。仮に、第1圧電素子11が、圧電フィルム54を挟んで上下に対称な形状であると、応力の中立面が圧電フィルム54の位置になる可能性がある。仮に応力の中立面が圧電フィルム54の位置になると圧電フィルム54の内部で極性の異なる電荷が同程度発生する。発生した極性の異なる電荷は、互いにキャンセルし合うため、圧電フィルム54から大きな出力が得られない可能性がある。しかし、本実施形態の第1圧電素子11は、第1保護層50が厚くなっているため、応力の中立面は、第1保護層50側、中間層52、または検出用電極53に位置する。したがって、圧電フィルム54は、曲げ変位に対して電荷を生じる。なお、本実施形態においては、応力の中立面が圧電フィルム54の位置にならないようにすればよい。例えば、検出用電極53の厚みを異ならせてもよく、又は検出用電極53の厚みは同じで電極の硬さを異ならせてもよい。
【0020】
圧電フィルム54は、平面視して長方形状である。検出用電極53は、圧電フィルム54の第1主面の略全体を覆うように配置されている。検出用電極53は、例えば中間層52に蒸着されたアルミまたは銅箔等からなる。検出用電極53は、不図示の粘着剤等により圧電フィルム54の上面に貼り付けられる。
【0021】
導電性薄膜部材51は、圧電フィルム54の上面および中間層52の下面を覆うように配置されている。導電性薄膜部材51は、例えば導電性不織布に粘着剤が形成されたもの、または樹脂が含浸された銅箔に粘着剤が形成されたものが用いられる。導電性薄膜部材51は、グランド導体(シールド導体)として機能する。なお、検出用電極53も導電性不織布に粘着剤が形成されたもの、または樹脂が含浸された銅箔に粘着剤が形成されたものを用いてもよい。
【0022】
圧電フィルム54は、キラル高分子で構成されている。特に、圧電フィルム54は、一軸延伸されたポリ乳酸(PLA)、さらにはL型ポリ乳酸(PLLA)またはD型ポリ乳酸(PDLA)であることが好ましい。
【0023】
キラル高分子は、主鎖が螺旋構造を有し、一軸延伸されて分子が配向すると、圧電性を有する。一軸延伸されたPLLAの圧電定数は、高分子中で非常に高い部類に属する。また、キラル高分子は、延伸等による分子の配向処理で圧電性が生じるため、PVDF等の他のポリマーや圧電セラミックスのように、ポーリング処理を行う必要がない。このため、PLLAの圧電定数は経時的に変動することがなく、極めて安定している。さらに、ポリ乳酸は、焦電性がないため、手の熱が伝わる場合であっても検出される電荷量が変化することがない。
【0024】
なお、延伸倍率は3〜8倍程度が好適である。延伸後に熱処理を施すことにより、ポリ乳酸の延びきり鎖結晶の結晶化が促進され圧電定数が向上する。また、二軸延伸した場合はそれぞれの軸の延伸倍率を異ならせることによって一軸延伸と同様の効果を得ることが出来る。例えば、ある方向をX軸としてX軸方向に8倍、X軸に直交するY軸方向に2倍の延伸を施した場合、圧電定数に関してはおよそX軸方向に4倍の一軸延伸を施した場合とほぼ同等の効果が得られる。単純に一軸延伸したフィルムは延伸軸方向に沿って裂け易いため、前述したような二軸延伸を行うことにより幾分強度を増すことができる。
【0025】
本実施形態では、第1圧電素子11の圧電フィルム54は、
図2(A)の白い矢印に示すように、変位検出センサ1の長軸方向に対して一軸延伸方向が略45°の角度を成すように配置されている。第2圧電素子12の圧電フィルム54は、
図2(C)の白い矢印に示すように、変位検出センサ1の長軸方向に沿って一軸延伸方向が配置されている。
【0026】
第1圧電素子11は、曲げ変形を検出できる。
図4に示すように、変位検出センサ1に曲げ変位が生じた場合、変位検出センサ1は、長手方向に沿って湾曲した状態となる。この場合、第1圧電素子11の上面側は、長手方向に沿って伸びる。これにより、第1圧電素子11の圧電フィルム54は、伸張量に応じた電荷を発生する。変位検出センサ1は、検出用電極53で検出される電圧に基づいて、曲げ変位およびその曲げ量を検出する。
図1に示した様に、変位検出センサ1は、手の平の領域101、手首の関節の領域102、および手首の領域103に渡って配置されている。よって、変位検出センサ1は、手を開いた時および手を握った時の動作により生じる、手の平の領域101の変位を検出することができる。また、変位検出センサ1は、手首の関節を曲げた時の動作により生じる手首の関節の領域102の変位も検出することができる。
【0027】
一方、
図5(A)は捻れ変位が0の状態での変位検出センサの背面斜視図であり、
図5(B)は所定の捻れ変位が生じた状態での変位検出センサの背面斜視図である。
【0028】
図5(A)に示すように、捻れ変位が0の場合、基材10および第2圧電素子12は、主面が平坦な状態となる。この場合、第2圧電素子12は伸縮せず、第2圧電素子12の圧電フィルム54に電荷が生じない。
【0029】
そして、基材10が捻れた場合、基材10は、
図5(B)に示すように、長手方向の2つの角において、それぞれ法線方向に沿った逆方向へ移動する。これにより、第2圧電素子12のうち、2つの角の一方側の圧電フィルム54は伸張し、他方側の圧電フィルム54は収縮する。
【0030】
第2圧電素子12の圧電フィルム54は、長手方向に沿って一軸延伸方向が配置されている。したがって、圧電フィルム54は、一方側の角およびその付近においては一軸延伸方向に対して+45°の方向へ伸張し、他方側の角およびその付近においては一軸延伸方向に対して−45°の方向へ収縮する。したがって、圧電フィルム54は、捻れにより生じる角の伸張または収縮に応じた電荷が生じる。
【0031】
変位検出センサ1は、検出用電極53で検出される電圧に基づいて、捻れ変位およびその捻れ量を検出する。
図1に示した様に、変位検出センサ1は、手の平の領域101、手首の関節の領域102、および手首の領域103に渡って配置されている。よって、変位検出センサ1は、手首の捻れ動作により生じる手首の領域103の捻れ変位およびその捻れ量を検出することができる。
【0032】
なお、第1圧電素子11の圧電フィルム54の一軸延伸方向は、長手方向に対して45°であり、捻れにより生じる伸縮方向と一致する。したがって、第1圧電素子11の圧電フィルム54において、捻れ変位によって電荷が生じることはない。また、第2圧電素子12の圧電フィルム54の一軸延伸方向は、長手方向に沿っているため、曲げにより生じる伸縮方向と一致する。したがって、第2圧電素子12の圧電フィルム54において、曲げ変位によって電荷が生じることはない。
【0033】
第1圧電素子11は、少なくとも手の平の領域101に沿って配置されている。第2圧電素子12は、少なくとも手首の領域103に沿って配置されている。したがって、変位検出センサ1は、第1の検出対象である手の平の領域101の変位(手を握る動作および手を開く動作により生じる変位)と、第2の検出対象である手首の領域103の変位(手首を捻る動作により生じる変位)と、を個別に、高精度に検出することができる。よって、変位検出センサ1は、利用者が運動、トレーニング、またはリハビリテーションを行っている場合に、当該利用者の手の動きおよび手首の動きをそれぞれ個別に高感度に検出することができる。
【0034】
なお、手に動きがなくとも、例えば、水中で手の平を前面に押し出す様な動作をした場合には、手の平に水圧が掛かり、変位検出センサ1に曲げ変位が生じる。したがって、変位検出センサ1は、利用者が水中での運動、トレーニング、またはリハビリテーションを行なっている場合に、水を押し出す様な動作を高精度に検出することもできる。
【0035】
また、変位検出センサ1は、第1圧電素子11および第2圧電素子12を同じ基材10に配置している。そのため、2つの圧電素子を手の平と手首とに、個別に取り付ける必要はない。
【0036】
なお、第1圧電素子11は、少なくとも第1の検出対象である手の平の領域101に沿って配置されていればよく、手首の領域103に配置されている必要はない。
【0037】
図6は、変形例1に係る変位検出センサ1Aを備えたグローブ5Aの外観斜視図である。
図7(A)は、変形例1に係る変位検出センサ1Aの平面図であり、
図7(B)は、A−A線の断面図であり、
図7(C)は、下面図である。
【0038】
変位検出センサ1Aは、変位検出センサ1よりも、第1圧電素子11の長手方向の長さが短くなっている。第1圧電素子11は、手の平の領域101に沿って配置されていて、手首の関節の領域102および手首の領域103には配置されていない。その他の構成は、
図1、
図2(A)、
図2(B)および
図2(C)に示した構造と同一である。
【0039】
この場合、第1圧電素子11は、手の平の動きに対して高い感度を有し、手首および手首の関節の動きに対しては感度が低い。したがって、変位検出センサ1Aは、手首の関節を曲げた時の動作を検出することなく、手の平の動きを高感度に検出することができる。
【0040】
図8(A)は、変形例2に係る変位検出センサ1Bの平面図であり、
図8(B)は、A−A線の断面図であり、
図8(C)は、下面図である。
図7(A)、
図7(B)、および
図7(C)と同一の構成は、同一の符号を付し、説明を省略する。変位検出センサ1Bの基材10は、スリット90を備えている。スリット90は、平面視して長方形状である。スリット90は、基材10の長手方向の中央付近において、短手方向に沿って形成されている。スリット90は、手首の領域102に配置される。
【0041】
この場合、第1圧電素子11が配置されていない箇所が曲げられたとしても、基材10の伸縮は、スリット90で遮断される。つまり、手首および手首の関節の動きによって生じる部分の曲げ変位は、スリット90で遮断され、第1圧電素子11が配置されている部分には伝達されない。よって、変位検出センサ1Bは、手首の関節の様に、大きな曲げ変位を有する部位に跨がって配置される場合でも、関節の動きにより第1圧電素子11において電圧を検出することがない。
【0042】
また、基材10のうちスリット90が形成されている箇所は、他の部分よりも曲げやすくなっている。すなわち、基材10のうちスリット90が形成されている箇所は、応力緩和部となっている。したがって、変位検出センサ1Bは、手首の関節等の変位が大きい箇所に跨がって配置されたとしても、変位検出センサ1Bに応力が集中することがなくなる。そのため、変位検出センサ1Bがグローブから剥れたり、グローブに対する固定位置が変わるおそれも低減される。
【0043】
なお、応力緩和部は、スリット90に限らず、例えば切欠きまたは凹みであってもよい。また、変位検出センサ1Aおよび変位検出センサ1Bの第2圧電素子12は、手の平から手首にかけて配置されているが、第2圧電素子12は、少なくとも第2の検出対象である手首の領域103に沿って配置されていればよく、手の平の領域101に沿って配置されている必要はない。
【0044】
図9(A)は、変形例3に係る変位検出センサ1Cの平面図であり、
図9(B)は、断面図(A−A線の断面図)である。
【0045】
変位検出センサ1、1A,1Bでは、第1圧電素子11および第2圧電素子12は、基材10を平面視して重なって配置されていた。これに対して、変形例3に掛かる変位検出センサ1Cでは、第1圧電素子11および第2圧電素子12は、基材10を平面視して離間して配置されている。また、第1圧電素子11および第2圧電素子12は、基材10の同一の主面(第1主面)に配置されている。
【0046】
この場合も、第1圧電素子11は、手の平の動きに対して高い感度を有し、手首および手首の関節の動きに対して感度が低い。また、第2圧電素子12は、手首の捻れの動きに対して高い感度を有し、手の平の動きに対して感度が低い。
【0047】
したがって、変位検出センサ1Cは、利用者の手の動きおよび手首の動きをそれぞれ個別に、より高精度に検出することができる。
【0048】
また、基材10のうち第1圧電素子11が配置される部分と第2圧電素子12が配置される部分との間は、他の部分よりも曲げやすい応力緩和部95となっている。応力緩和部95は、変形例2のスリット90と同様に、手首の関節の領域102に配置される。なお、変位検出センサ1Cは、基材10の応力緩和部95に、スリット、切欠き、又は凹みを設けることで、動作の分離がより正確になり、高精度に動作を検出することが出来る。
【0049】
したがって、変位検出センサ1Cも、手首の関節等の変位が大きい箇所に跨がって配置されたとしても、変位検出センサ1Cに応力が集中することがなくなる。そのため、変位検出センサ1Cがグローブから剥がれたり、グローブに対する固定位置が変わるおそれも低減される。
【0050】
第1圧電素子11又は第2圧電素子12の面積と出力は比例関係にある。このため、変形量の小さい箇所には第1圧電素子11又は第2圧電素子12の面積を大きく取り、変形量の大きな変形については第1圧電素子11又は第2圧電素子12の面積を小さく取るなどの工夫を施すことで、変位検出センサ1Cはより適切な出力レベルに調整することができ、変位検出センサ1Cの回路設計が簡素化できる。例えば、靴の足底に変位検出センサ1Cを貼り付けた場合、変位検出センサ1Cは、足底の曲がり量と足底の左右の方向のひねり量を検出することができる。足底の曲がり量は足底のひねり量に対して大きく、第1圧電素子11又は第2圧電素子12からの信号は、その変形量に応じた形で出力される。第1圧電素子11又は第2圧電素子12それぞれのサイズを調整することで、第1圧電素子11又は第2圧電素子12の出力レベルを同等にすることができ、変位検出センサ1Cは回路設計を簡素化できる。
【0051】
また、第1圧電素子11又は第2圧電素子12として圧電フィルムを用いる場合、例えば、圧電フィルムに一か所もしくは複数のスリットを入れることで、見かけ上の圧電フィルムの伸縮性が上がる。このため、変位検出センサ1Cは、より伸長率の高い部位の変形にも追従して検出することが可能である。
【0052】
図10は、変形例4に係る変位検出センサ1Dを備えたグローブ5Dの斜視図であり、
図11は、変形例4に係る変位検出センサ1Dの平面図である。変位検出センサ1Dの基材10は、平面視してT字形状となっている。変位検出センサ1Dも、手の平の領域101、手首の関節の領域102、および手首の領域103に渡って配置されている。第1圧電素子11は、手の平の領域101に配置され、第2圧電素子12は、手首の領域103に配置される。応力緩和部となる箇所は、手首の関節の領域102に配置される。
【0053】
第1圧電素子11および第2圧電素子12は、平面視してそれぞれ長手方向が直交して配置されている。第1圧電素子11は、指が並ぶ方向に沿って配置されている。この場合、第1圧電素子11は、指の長手方向に沿った変位に対する感度が低く、当該長手方向に直交する方向に沿った変位の感度が高い。したがって、変位検出センサ1Dは、変位検出センサ1、1A,1B,1Cよりも、手を握る動作および手を開く動作に対する感度が低下する。一方で、水中で手の平を前面に押し出す様な動作をした場合には、第1圧電素子11は、水圧により手の平の窪みに沿って変位するため、水を押し出す様な動作は、高精度に検出することができる。そのため、変位検出センサ1Dは、水を押し出す様な動作と、手首を捻る動作と、を個別に高感度に検出することができる。
【0054】
なお、本実施形態では、変位検出センサは、手の平および手首に跨がって配置され、手の動きおよび手首の動きをそれぞれ個別に高感度に検出する例を示したが、他の関節等の変位が大きい箇所に跨がって配置されてもよい。変位検出センサは、例えば足首の関節に跨がって配置され、足および足首の動きを検出してもよい。例えば、変位検出センサを足底に配置した場合、歩行時の足底の曲がっている角度または足底の左右の傾き等を検出することができる。この場合、変位検出センサは、リハビリ用の歩行具に用いることができる。変位検出センサは、足底の状態を検出することができ、他の歩行アシストロボット等と連携させることでより高いリハビリ効果を得ることができる。
【0055】
また、変位検出センサは、ロボット等の人体以外に取り付けることも可能である。この場合も、変位検出センサは、変位が大きい箇所に跨がって配置され、それぞれ個別の動きを検出する。
【0056】
なお、本実施形態では、曲げ変位および捻り変位を検出するセンサとして、圧電センサを示したが、例えば歪みセンサであっても、曲げ変位および捻り変位を検出することができる。
【0057】
最後に、前記実施形態の説明は、すべての点で例示であり、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲は、特許請求の範囲と均等の範囲を含む。