特許第6973635号(P6973635)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6973635モータシステムの制御方法、及び、モータシステムの制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973635
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】モータシステムの制御方法、及び、モータシステムの制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02P 27/06 20060101AFI20211118BHJP
【FI】
   H02P27/06
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-517715(P2020-517715)
(86)(22)【出願日】2018年5月10日
(86)【国際出願番号】JP2018018213
(87)【国際公開番号】WO2019215891
(87)【国際公開日】20191114
【審査請求日】2020年10月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大内 敏生
(72)【発明者】
【氏名】森 憲一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 和洋
【審査官】 池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−192197(JP,A)
【文献】 特開2003−309997(JP,A)
【文献】 特開2014−103738(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0093836(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、
前記バッテリから供給される直流電圧を昇圧するように構成される昇圧コンバータと、
前記昇圧コンバータに接続され、直流と交流との変換を行うインバータと、
前記インバータと接続されるモータジェネレータと、を有するモータシステムの制御方法であって、
前記モータジェネレータの動作点に応じて、前記昇圧コンバータにおける前記インバータ側の端子電圧の振動が抑制されるような制限電力を決定する制限電力決定ステップと、
前記昇圧コンバータの通過電力が前記制限電力を超えないように、前記モータジェネレータの動作点を制御する、制御ステップと、を有する、モータシステムの制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載のモータシステムの制御方法であって、
前記制限電力決定ステップにおいて、前記端子電圧が高いほど、前記制限電力は絶対値が大きくなるように設定される、モータシステムの制御方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のモータシステムの制御方法であって、
前記制限電力決定ステップにおいて、
前記制限電力は、前記端子電圧を入力とし前記インバータへと流れる電流を出力とする応答特性における遅れに応じて変更される、モータシステムの制御方法。
【請求項4】
請求項3に記載のモータシステムの制御方法であって、
前記制限電力決定ステップにおいて、
前記昇圧コンバータが前記インバータに対して電力を出力する場合には、前記遅れが小さいほど、前記制限電力は小さく設定される、モータシステムの制御方法。
【請求項5】
請求項3に記載のモータシステムの制御方法であって、
前記制限電力決定ステップにおいて、
前記昇圧コンバータに対して前記インバータから電力が入力される場合には、前記遅れが小さいほど、前記制限電力は大きく設定される、モータシステムの制御方法。
【請求項6】
バッテリと、
前記バッテリから供給される直流電圧を昇圧するように構成される昇圧コンバータと、
前記昇圧コンバータに接続され、直流と交流との変換を行うインバータと、
前記インバータと接続されるモータジェネレータと、
前記モータジェネレータを制御可能なコントローラと、を有するモータシステムの制御装置であって、
前記コントローラは、
前記モータジェネレータの動作点に応じて、前記昇圧コンバータにおける前記インバータ側の端子電圧の振動が抑制されるような制限電力を決定し、
前記昇圧コンバータの通過電力が前記制限電力を超えないように、前記モータジェネレータの動作点を制御する、モータシステムの制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータシステムの制御方法、及び、モータシステムの制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電動車両などのモータ制御システムにおいて、モータに所望の大きさの交流電力を供給する場合には、バッテリから供給される直流電力がコンバータによって昇圧された後に、インバータによって直流から交流に変換され、交流電力がモータに供給される。しかしながら、昇圧コンバータに大電流が流れてしまうと、温度が上昇してしまい性能が低下するおそれがある。
【0003】
例えば、JP2017−178055Aには、昇圧コンバータの温度が上昇した場合にコンバータの通過電力を制限する技術が開示されている。この技術によれば、通過電力の制限値についてモータ以外で使用される可能性のある電力を考慮しておくことで、モータ以外で電力が使用される場合であってもモータの要求電力を確保することができる。
【発明の概要】
【0004】
ここで、昇圧コンバータにおいては、モータの動作点によっては、インバータ側の電圧が振動するおそれがある。そのため、JP2017−178055Aのように温度上昇だけを考慮して通過電力を制限しても、出力電圧が振動することに起因する過電圧や過電流などによりモータシステムが不安定になるおそれがある。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するために発明されたもので、モータシステムにおいてコンバータのインバータ側の端子電圧の振動を抑制することを目的とする。
【0006】
本発明のある態様のモータシステムの制御方法は、バッテリと、バッテリから供給される直流電圧を昇圧するように構成される昇圧コンバータと、前記昇圧コンバータに接続され、直流と交流との変換を行うインバータと、インバータと接続されるモータジェネレータと、を有するモータシステムの制御方法である。モータシステムの制御方法は、モータジェネレータの動作点に応じて、昇圧コンバータにおけるインバータ側の端子電圧の振動が抑制されるような制限電力を決定する制限電力決定ステップと、昇圧コンバータの通過電力が制限電力を超えないように、モータジェネレータの動作点を制御する、制御ステップと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態のモータ制御システムの概略構成図である。
図2図2は、モータ制御システムの回路図である。
図3図3は、昇圧コンバータの近傍の詳細な回路図である。
図4図4は、モータジェネレータにおけるインバータ側電圧V2とインバータ電流I0との関係を示すグラフである。
図5図5は、制限制御を示すフローチャートである。
図6図6は、回転数Nと振動周波数ω2との関係を示すグラフである。
図7図7は、応答特性の遅れdと補正量Δとの関係を示すグラフである。
図8図8は、インバータ側電圧V2と出力制限電力Pout及び入力制限電力Pinとの関係を示すグラフである。
図9A図9Aは、比較例におけるインバータ側電圧V2の経時的な変化を示すグラフである。
図9B図9Bは、コンバータの通過電力Pの経時的な変化を示すグラフである。
図10A図10Aは、本実施形態におけるインバータ側電圧V2の経時的な変化を示すグラフである。
図10B図10Bは、通過電力Pの経時的な変化を示すグラフである。
図11図11は、変形例のモータ制御システムの概略構成図である。
図12図12は、モータ制御システムの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態におけるモータシステムの制御方法及びモータシステムの制御装置について説明する。
【0009】
図1は、本実施形態のモータシステム100の概略構成図である。モータシステム100が電動車両に用いられる場合には、モータジェネレータ4が車両の駆動源となる。
【0010】
モータシステム100は、直列に接続されるバッテリ1、コンバータ2、インバータ3、及び、モータジェネレータ4を有する。モータシステム100は、さらに、モータジェネレータ4と接続される出力軸5と、コントローラ6とを備える。
【0011】
バッテリ1は、充放電可能な二次電池である。コンバータ2は、昇圧コンバータであって、バッテリ1から供給される直流電力を昇圧し、昇圧した電力をインバータ3へ供給可能に構成されている。インバータ3は、コンバータ2から供給される直流電力を交流電力へ変換し、変換した交流電力をモータジェネレータ4へ供給する。
【0012】
モータジェネレータ4には、出力軸5が接続されている。モータジェネレータ4は、モータ又はジェネレータのいずれかで機能する。モータジェネレータ4が力行運転される場合には、コンバータ2からインバータ3及びモータジェネレータ4に対して電力が供給される。モータジェネレータ4が回生運転される場合には、モータジェネレータ4にて発生する回生電力はインバータ3及びコンバータ2を介してバッテリ1に充電される。
【0013】
モータジェネレータ4には、ロータの回転角度や回転数などを検出するレゾルバ41が設けられている。なお、モータシステム100が電動車両に用いられる場合には、モータジェネレータ4の回転出力に伴って出力軸5に接続される駆動輪(不図示)が駆動される。
【0014】
コントローラ6は、コンバータ2、及び、インバータ3を制御するとともに、レゾルバ41からモータジェネレータ4の回転角や回転数などを受け付ける。コントローラ6は、所定の処理をプログラムとして記憶しており、プログラムを実行することで、プログラムに対応する処理を実行可能に構成されている。
【0015】
図2は、モータシステム100の回路図である。
【0016】
バッテリ1から供給される直流電力は、コンバータ2において昇圧されてインバータ3へと供給される。コンバータ2のバッテリ1側の端子電圧であるバッテリ側電圧V1、及び、コンバータ2内を流れる電流Ilは、コンバータ2内に設けられる電圧センサ22、及び、電流センサ26により取得される。また、コンバータ2のインバータ3側の端子電圧であるインバータ側電圧V2は、コンバータ2の近傍に設けられる電圧センサ28により取得される。
【0017】
コンバータ2からインバータ3へ出力される電力を、インバータ電流I0と称する。インバータ電流I0は、コンバータ2からインバータ3へ出力される場合には正であり、コンバータ2に対してインバータ3から入力される場合には負であるものとする。なお、コンバータ2の詳細の構成は、後に、図3を用いて説明する。
【0018】
インバータ3は、三相インバータであり、複数のスイッチング素子により構成される。インバータ3は、コンバータ2から入力される直流電力を三相の交流電力に変換し、モータジェネレータ4に供給する。また、インバータ3は、モータジェネレータ4における交流の回生電力を、バッテリ1にて充電可能な直流電力に変換する。
【0019】
レゾルバ41は、モータジェネレータ4の回転数Nを検出し、検出した回転数Nをコントローラ6に送信する。電流センサ42は、インバータ3とモータジェネレータ4との間に設けられ、インバータ3とモータジェネレータ4との間のUVW相の電流を検出し、駆動電流Ipをコントローラ6へと送信する。駆動電流Ipは、検出されたUVW相の電流を示す。なお、この図において、モータジェネレータ4と接続される出力軸5は省略されている。
【0020】
コントローラ6は、上位装置にて算出されるモータジェネレータ4に対するトルク指令値T*、レゾルバ41により検出される回転数N、電流センサ42にて検出される駆動電流Ip、及び、電圧センサ28にて検出されるインバータ側電圧V2に応じて、スイッチングパターンを生成する。コントローラ6は、生成したスイッチングパターンをゲート信号として、インバータ3へ出力する。このゲート信号に応じてインバータ3が駆動することで、モータジェネレータ4は所望のトルクで回転する。
【0021】
コントローラ6は、モータジェネレータ4のトルク指令値T*と回転数Nに応じて、インバータ3への印加電圧となるコンバータ2の目標インバータ側電圧V2*を定める。コントローラ6は、目標インバータ側電圧V2*に応じたデューティ比Dを生成し、生成したデューティ比Dをゲート信号として、コンバータ2へ出力する。デューティ比Dに応じてスイッチング素子24a、24bが制御されることで、所望のインバータ側電圧V2を得ることができる。
【0022】
図3は、図2におけるコンバータ2の近傍の詳細な回路図である。
【0023】
図3に示されるように、コンデンサ21は、バッテリ1からの電源供給線の正極と負極との間に設けられる。コンデンサ21により、バッテリ1からコンバータ2への供給電源に含まれるノイズが抑制される。コンデンサ21の近傍には、電圧センサ22が設けられている。電圧センサ22は、コンデンサ21の電圧を測定することで、バッテリ側電圧V1を検出すると、検出したバッテリ側電圧V1をコントローラ6に送信する。
【0024】
リアクトル23(インダクタンス)は、一端がバッテリ1の正極と接続され、他端がスイッチング素子24aの一端及びスイッチング素子24bの一端と接続される。スイッチング素子24aの他端がインバータ3の出力側の正極となり、スイッチング素子24bの他端がインバータ3の出力側の負極となる。スイッチング素子24a、24bは、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などで構成される。
【0025】
スイッチング素子24a、24bのそれぞれと並列に、ダイオード25a、25bが接続される。ダイオード25aは、順方向がスイッチング素子24aの一端から他端へと向かう方向となるように設けられる。ダイオード25bは、順方向がスイッチング素子24bの一端から他端へと向かう方向となるように設けられる。
【0026】
コンバータ2においては、スイッチング素子24a、24bが制御され、ターンオン状態とターンオフ状態と称される状態が繰り返されることで、昇圧が行われる。以下ではこのメカニズムの詳細について説明する。
【0027】
まず、スイッチング素子24aがオフとされ、スイッチング素子24bがオンとされるターンオン状態について検討する。ターンオン状態では、バッテリ1の正極から出力される電流は、リアクトル23、及び、スイッチング素子24bを通り、バッテリ1の負極へと流れる(ルート(a))。そのため、リアクトル23には、バッテリ1からの電気エネルギーが蓄積される。
【0028】
その後、スイッチング素子24aがオンとされ、スイッチング素子24bがオフとされるターンオフ状態となる。ターンオフ状態では、リアクトル23に蓄積された電力が放電され、インバータ電流I0がスイッチング素子24aを介してインバータ3へと供給される(ルート(b))。この放電により、インバータ3には、バッテリ1の供給電圧よりも高い電圧が印加される。
【0029】
コンバータ2においては、ターンオン状態とターンオフ状態との繰り返し期間に対するターンオン状態の時間の割合であるデューティ比Dを変更することで、インバータ側電圧V2を制御できる。
【0030】
リアクトル23と、スイッチング素子24a及びスイッチング素子24bとの間には、電流センサ26が設けられる。電流センサ26は、リアクトル23に流れるリアクトル電流Ilを検出し、リアクトル電流Ilをコントローラ6に送信する。
【0031】
コンデンサ27は、コンバータ2のインバータ3側の正極と負極との端子間に設けられる。コンデンサ27によって、スイッチング素子24a、24bのスイッチングによる電圧リップルが抑制される。電圧センサ28は、コンデンサ27の近傍に設けられ、コンデンサ27の電圧を測定することでインバータ側電圧V2を取得し、インバータ側電圧V2をコントローラ6へ送信する。
【0032】
コンバータ2は、通過電力の増加などに起因する温度上昇や、以下に示すインバータ側電圧V2の振動に起因して、性能が低下するおそれがある。そこで、コントローラ6は、コンバータ2の通過電力Pが制限電力Plimを超えないように、モータジェネレータ4の動作点を制御する。
【0033】
コントローラ6は、制限電力Plimに応じて、コンバータ2の受け持つ電力P(以下では、コンバータ2の通過電力Pと称する)を制限する。コンバータ2の通過電力Pの制限電力Plimは、モータジェネレータ4が力行運転する場合と、モータジェネレータ4が回生運転している場合とで算出方法が異なる。
【0034】
まず、モータジェネレータ4が力行運転する場合、すなわち、コンバータ2の通過電力Pが正である場合について検討する。この場合には、コントローラ6は、制限電力Plimとして出力制限電力Poutを算出する。
【0035】
本実施形態では、コンバータ2からインバータ3に対して一定の電力が供給されることで、モータジェネレータ4は一定電力で力行運転している。モータジェネレータ4が一定電力で制御される場合には、モータジェネレータ4のインピーダンスの抵抗成分R0は負性抵抗特性を示し、この負性抵抗特性がインバータ側電圧V2の振動の原因になりえる。そこで、以下では、この負性抵抗特性に起因する振動の抑制条件について説明する。
【0036】
図4は、インバータ側電圧V2とインバータ電流I0との関係を示すグラフである。
【0037】
モータジェネレータ4に供給される電力は、コンバータ2の通過電力Pと略等しい。この通過電力Pは、インバータ側電圧V2とインバータ電流I0との積で求められる。モータジェネレータ4は定電力制御されており通過電力Pが一定のため、インバータ側電圧V2とインバータ電流I0とは反比例の関係となる。
【0038】
グラフに示されるように、インバータ側電圧V2が大きくなるほどインバータ電流I0が小さくなる。この特性は負性抵抗特性と称され、一般的な印加電圧に応じて電流が大きくなる特性とは逆の特性を示す。
【0039】
ある動作点においてインバータ側電圧V2とインバータ電流I0との関係を線形近似すると、次式が求められる。なお、モータジェネレータ4のインピーダンスの抵抗成分R0は、コンバータ2の通過電力Pが正の場合には正である。
【0040】
【数1】
【0041】
ただし、Iofsは線形近似の直線のI0軸の切片とする。例えば、モータジェネレータ4のある動作点において、インバータ側電圧V2がV10であり、インバータ電流I0がI10である場合には、モータジェネレータ4の抵抗成分R0は、次式のように示される。
【0042】
【数2】
【0043】
この抵抗成分R0などを用いて、バッテリ側電圧V1からインバータ側電圧V2までの伝達特性を示せば、次式となる。
【0044】
【数3】
【0045】
ただし、L[H]はリアクトル23のインダクタンスとし、C[F]はコンデンサ27の容量とし、R[Ω]はターンオン状態のコンバータ2の抵抗成分とし、Dはデューティ比とする。
【0046】
ここで、インバータ側電圧V2が発散せずに安定するためには、式(3)前半の分母において支配的なパラメータである「s」の係数の「R/L−1/R0C」が正となる必要がある。そのため、抵抗成分R0は、次式の条件を満たすように設定される。
【0047】
【数4】
【0048】
また、モータジェネレータ4において、印加されるインバータ側電圧V2、流れるインバータ電流I0、抵抗成分R0、及び、電力P(コンバータ2の通過電力Pと等しい)について、次式の関係が知られている。
【0049】
【数5】
【0050】
式(4)と式(5)とから、次式が求められる。
【0051】
【数6】
【0052】
これにより、インバータ側電圧V2が発散せずに安定するための出力制限電力Poutは次式で示される。
【0053】
【数7】
【0054】
なお、コンバータ2におけるバッテリ側電圧V1からインバータ側電圧V2までの伝達特性は、式(3)以外の式でも示すことができる。インバータ側電圧V2を入力としインバータ3へと流れるインバータ電流I0を出力とする応答特性Gを考慮して、伝達特性を求めてもよい。なお、この応答特性Gは、コンバータ2が受け持つ電力Pがインバータ3に印加される場合にインバータ3に流れ込むインバータ電流I0の応答特性Gとも表現できる。応答特性Gを考慮して伝達特性を算出することで、インバータ側電圧V2の振動が抑制される出力制限電力Poutをより正確に算出できる。
【0055】
なお、式(7)においては、モータジェネレータ4の負性抵抗特性の影響のみが考慮され、インバータ3の応答特性Gが考慮されていない。応答特性Gの遅れが小さいほど、負性抵抗特性の影響は強くなる。そのため、応答特性Gの遅れを考慮すると、負性抵抗特性の影響が小さくなり、振動抑制の基準が緩くなる。したがって、出力制限電力Poutは、式(7)を用いて算出する場合よりも大きくなる。このように、応答特性Gの遅れが考慮されずに算出される式(7)は比較的厳しい基準であるため、式(7)を用いて出力制限電力Poutを設定すれば、インバータ側電圧V2の振動を抑制できる。
【0056】
次に、モータジェネレータ4が回生運転する場合、すなわち、コンバータ2の通過電力Pが負である場合について検討する。この場合には、コントローラ6は、制限電力Plimとして、入力制限電力Pinが算出される。
【0057】
なお、インバータ3からコンバータ2に向かって流れるインバータ電流I0は、負で示される。そのため、モータジェネレータ4の抵抗成分R0は負となる。これは、抵抗成分R0が、インバータ側電圧V2とインバータ電流I0とにより算出されるためである。同様に、コンバータ2の通過電力Pは、インバータ側電圧V2とインバータ電流I0とにより算出されるため、負となる。
【0058】
コントローラ6は、コンバータ2の通過電力Pが入力制限電力Pinを下回らないように、モータジェネレータ4の動作点を制御する。
【0059】
上述のインバータ3におけるインバータ電流I0の応答特性Gには遅れが含まれて、この応答特性Gの遅れに起因して、インバータ側電圧V2が振動するおそれがある。この応答特性Gは、次式の2次遅れ系で示すことができる。
【0060】
【数8】
【0061】
ただし、ζ2は2次遅れ系の減衰係数であり、f2は2次遅れ系における固有振動周波数である。ζ2及びf2は、ともにモータジェネレータ4の動作点により定まる。なお、固有振動周波数f2が低い(固有振動周波数f2と対応する振動周波数ω2が高い)ほど応答特性Gは遅れが小さく、固有周波振動数f2が高い(振動周波数ω2が低い)ほど応答特性Gは遅れが大きい。
【0062】
(8)式の応答特性Gを考慮すれば、コンバータ2におけるバッテリ側電圧V1からインバータ側電圧V2までの伝達特性は、次式のように示される。
【0063】
【数9】
【0064】
バッテリ側電圧V1からインバータ側電圧V2までの伝達特性の振動を抑制するためには、式(9)の分母の多項式(特性方程式)がゼロとなる解の実部が負となる必要がある。これにより、次式の条件が求められる。
【0065】
【数10】
【0066】
ただし、抵抗成分R0は負であるため、R0maxは、式(9)から求められる負の最大値である。
【0067】
式(10)を、式(5)を用いて整理すると次式の条件が得られる。
【0068】
【数11】
【0069】
従って、インバータ側電圧V2が発散せずに安定するための入力制限電力Pinは次式で求められる。
【0070】
【数12】
【0071】
コントローラ6は、コンバータ2の通過電力Pが入力制限電力Pinを下回らないように、モータジェネレータ4の動作点を制御する。
【0072】
次に、コントローラ6により行われる制限制御について説明する。
【0073】
図5は、制限制御を示すフローチャートである。
【0074】
ステップS1において、コントローラ6は、電圧センサ22により取得されるバッテリ側電圧V1、電圧センサ28により取得されるインバータ側電圧V2、レゾルバ41により取得されるモータジェネレータ4の回転数Nなどの、モータシステム100において検出されるパラメータを読み込む。
【0075】
ステップS2において、コントローラ6は、式(8)に示される応答特性Gなどの算出に必要なパラメータを決定する。具体的には、コントローラ6は、モータジェネレータ4の動作点に応じて減衰係数ζ2を定める。コントローラ6は、モータジェネレータ4の回転数Nに応じた振動周波数ω2を求める。回転数Nと振動周波数ω2とは、図6に示される相関関係がある。そのため、コントローラ6は、この相関関係と回転数Nとから振動周波数ω2を求めてもよい。コントローラ6は、振動周波数ω2に応じて固有振動周波数f2を求める。
【0076】
ステップS3においては、コントローラ6は、制限電力Plimを求める。ステップS3には、ステップS31とS32との処理が含まれる。
【0077】
まず、ステップS31においては、コントローラ6は、通過電力Pが負である場合の入力制限電力Pinを、式(9)により算出されるR0maxに基づいて式(12)を用いて求める。
【0078】
具体的には、コントローラ6は、ステップS1にて取得されるバッテリ側電圧V1、及び、インバータ側電圧V2や、ステップS2にて算出される減衰係数ζ2、及び、固有振動周波数f2などにより、式(9)を用いて、R0maxを算出する。そして、コントローラ6は、算出されたR0maxとインバータ側電圧V2とから、式(12)に基づいて入力制限電力Pinを求める。コントローラ6は、減衰係数ζ2、固有振動周波数f2、バッテリ側電圧V1、及び、インバータ側電圧V2と、入力制限電力Pinとの対応関係を示すマップを記憶しておき、各パラメータとマップとを用いて入力制限電力Pinを決定してもよい。
【0079】
次に、ステップS32においては、コントローラ6は、通過電力Pが正である場合の出力制限電力Poutを求める。ステップS32には、ステップS321とS322との処理が含まれる。
【0080】
ステップS321においては、コントローラ6は、予め定められたR、L、Cの値と、ステップS1にて取得したインバータ側電圧V2とを用いて、式(7)より出力制限電力Pout*を算出する。
【0081】
ステップS322においては、コントローラ6は、応答特性Gの遅れを考慮するために、出力制限電力Poutを補正して出力制限電力Pout_finを算出する。図7に示されるように、応答特性Gの遅れdが大きいほど、補正量Δがプラスに大きくなる。コントローラ6は、図6を用いて遅れdに応じた補正量Δを求め、出力制限電力Poutに補正量Δを加算することで出力制限電力Pout_finを算出する。なお、出力制限電力Poutには、応答特性Gの遅れが考慮されていることを示すために、「_fin」がサフィックスとして付されている。
【0082】
なお、上述の説明では、ステップS321において、式(7)を用いて出力制限電力Poutを求めたがこれに限らない。入力制限電力Pinと同様に、式(8)に示される応答特性Gに基づき、式(9)から求められるR0maxを用いて、式(11)のように出力制限電力Poutを求めてもよい。
【0083】
ステップS4においては、コントローラ6は、コンバータ2の通過電力Pが制限電力Plimを超えないように、モータジェネレータ4の動作点を決定する。具体的には、コントローラ6は、コンバータ2の通過電力Pが正の場合には、通過電力Pが出力制限電力Poutを正の側に超えないように、モータジェネレータ4の動作点を定める。コントローラ6は、通過電力Pが負の場合には、通過電力Pが入力制限電力Pinを負の側に超えないように、モータジェネレータ4の動作点を定める。このように、通過電力Pが、制限電力Plimにより定まる振動抑制基準を満たすように、モータジェネレータ4の動作点が制御される。
【0084】
図8は、出力制限電力Pout及び入力制限電力Pinとインバータ側電圧V2との関係を示す特性図である。この図によれば、出力制限電力Pout及び入力制限電力Pinは、ともにインバータ側電圧V2が高くなると絶対値が大きくなる。これは式(7)、(12)に示される。
【0085】
また、応答特性Gにおける遅れに応じても、出力制限電力Pout及び入力制限電力Pinは変更されうる。
【0086】
通過電力Pが正の場合には、応答特性Gの遅れは小さくなるほど、負性抵抗特性の影響は強くなるので、振動抑制基準が厳しくなり、出力制限電力Poutは正の方向において小さくなる。
【0087】
一方、通過電力Pが負の場合には、応答特性Gの遅れが大きいほどシステムは不安定になる。従って、入力制限電力Pinは小さくなる。
【0088】
なお、応答特性Gが既知の場合には、通過電力P及び応答特性Gに基づいて、出力制限電力Pout及び入力制限電力Pinが算出される。なお、出力制限電力Pout及び入力制限電力Pinは、ばらつきを考慮して、例えば10%程度のマージンを持つように厳しく設定されてもよい。
【0089】
次に、図9A、9B、10A、10Bを参照し、コンバータ2の通過電力が正の場合において、目標インバータ側電圧V2*に従ってインバータ側電圧V2を減少させる際のタイムチャートを示す。
【0090】
図9A、9Bは、比較例におけるタイムチャートである。図9Aにおいては縦軸がインバータ側電圧V2を示し、図9Bにおいては縦軸が通過電力Pを示す。
【0091】
図10A、10Bは、本実施形態におけるタイムチャートである。図10Aにおいては縦軸がインバータ側電圧V2を示し、図10Bにおいては縦軸が通過電力Pを示す。
【0092】
図9Bに示されるように、比較例においては、コンバータ2の通過電力Pは制限されておらず一定である。そして、図9Aに示されるように、コンバータ2の通過電力Pが正であるため、実線で示されるように目標インバータ側電圧V2*を小さくなるように制御しても、モータジェネレータ4の負性抵抗特性によって、点線で示されるようにインバータ側電圧V2は振動してしまう。
【0093】
図10Bに示されるように、本実施形態においては、コンバータ2の通過電力Pが正であるため、コンバータ2の通過電力Pは出力制限電力Poutにより制限される。そのため、図10Aに示されるように、目標インバータ側電圧V2*が制限されて小さくなることによって、負性抵抗特性に起因するインバータ側電圧V2の振動が抑制される。このように、通過電力Pが制限されることで、インバータ側電圧V2の振動を抑制できる。
【0094】
第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0095】
第1実施形態のモータシステム100の制御方法は、モータジェネレータ4の動作点に応じて制限電力Plim(入力制限電力Pin及び出力制限電力Pout)を求める制限電力算出ステップ(S3)と、モータジェネレータ4の動作点を制御することで、コンバータ2の通過電力Pが制限電力Plimを超えないように制限する制御ステップ(S4)とを有する。換言すれば、S4においては、コントローラ6は、通過電力Pが、制限電力Plimと示される振動が抑制される電力基準を満たすように、モータジェネレータ4の動作点を制御する。
【0096】
モータジェネレータ4の動作点によっては、インバータ側電圧V2が振動してしまうことがある。このような動作点を回避するように、コンバータ2の通過電力Pが制限電力Plimを超えないように、モータジェネレータ4の動作点を制御することで、インバータ側電圧V2の振動を抑制できる。このようにして、モータシステム100においてインバータ側電圧V2の過電圧、インバータ電流I0の過電流や、モータジェネレータ4のトルク振動の発生を防ぐことができる。
【0097】
第1実施形態のモータシステム100の制御方法によれば、制限電力算出ステップ(S3)では、コンバータ2の制限電力Plimは、コンバータ2のインバータ側電圧V2が高いほど、絶対値が大きくなるように設定される。
【0098】
式(12)によれば、インバータ側電圧V2が高いほど、入力制限電力Pinの絶対値は大きくなる。式(7)によれば、インバータ側電圧V2が高いほど、出力制限電力Poutの絶対値は大きくなる。
【0099】
このように、インバータ側電圧V2が高いほど、モータシステム100の安定性が高まり、インバータ側電圧V2が安定する。そのため、制限電力Plim(入力制限電力Pin及び出力制限電力Pout)の絶対値を大きく設定しても、インバータ側電圧V2の振動を抑制できる。
【0100】
第1実施形態のモータシステム100の制御方法によれば、制限電力算出ステップ(S3)では、制限電力Plimは、インバータ側電圧V2を入力としインバータ3へと流れるインバータ電流I0を出力とする応答特性Gに応じて変更される。
【0101】
通過電力Pが負である場合の入力制限電力Pinの算出では、ステップS31において、応答特性Gに基づく式(12)が用いられる。通過電力Pが正である場合の出力制限電力Poutの算出では、ステップS322において、応答特性Gの遅れdに応じた補正量Δによる補正が行われる。
【0102】
応答特性Gの遅れは、モータシステム100の安定性に影響を与える。そのため、この応答特性の遅れに応じてコンバータ2の制限電力Plimの算出や補正などをすることで、インバータ側電圧V2の振動を抑制できる。
【0103】
第1実施形態のモータシステム100の制御方法において、コンバータ2の通過電力Pが正である場合には、ステップS322において、応答特性の遅れdに応じて大きくなる補正量Δが加算されて補正が行われる。
【0104】
コンバータ2の通過電力Pが正である場合には、モータジェネレータ4の定電力制御に起因する抵抗成分R0の負性抵抗特性の影響で、モータシステム100の安定性が低下する。応答特性の遅れが小さいほど、負性抵抗特性の影響が強くなる。そのため、正の方向の補正量Δが小さくなり、出力制限電力Poutは小さくなる。このように、応答特性の遅れが小さいほど、より小さな出力制限電力Poutでもインバータ側電圧V2の振動を防止できる。
【0105】
第1実施形態のモータシステム100の制御方法において、コンバータ2の通過電力Pが負である場合には、ステップS31において、式(8)で示される応答特性Gが考慮されてより算出される。
【0106】
コンバータ2の通過電力Pが負である場合には、応答特性Gの遅れがインバータ側電圧V2の振動の支配的な原因である。そのため、応答特性Gの遅れが小さいほどシステムが安定するので、負の値である入力制限電力Pinの絶対値は小さくく設定できる。このように、応答特性Gの遅れが小さいほど、入力制限電力Pinが大きくても、インバータ側電圧V2の振動を防止できる。
【0107】
(変形例)
上述の実施形態においては、モータシステム100に、1つのモータジェネレータ4が設けられる例について説明したが、これに限らない。本変形例においては、モータシステム100に、2つの第1モータジェネレータ4A、及び、第2モータジェネレータ4Bが設けられる例について説明する。
【0108】
図11は、変形例のモータシステム100の構成を示す図である。たとえば、モータシステム100は、ハイブリッド車両などに用いられる。本変形例のモータシステム100は、図1に示されるモータシステム100と同様に出力軸5の駆動に用いられる第1インバータ3A、及び、第1モータジェネレータ4Aを有する。
【0109】
モータシステム100は、さらに、第2インバータ3B、及び、第2モータジェネレータ4Bを有する。第2インバータ3Bは、コンバータ2から供給される電圧を昇圧し、第2モータジェネレータ4Bへと供給する。第2モータジェネレータ4Bは、エンジン7のスタータとして機能する。なお、エンジン7と出力軸5との間にトルク伝達装置を備え、エンジン7の出力トルクが出力軸5へと伝達されてもよい。なお、第2モータジェネレータ4Bにはレゾルバ41Bが設けられている。エンジン7には、クランクシャフトの回転角度あるいは回転数を検出するレゾルバ71が設けられている。
【0110】
コントローラ6は、コンバータ2、第1インバータ3A、第2インバータ3Bを制御可能に構成されるとともに、レゾルバ41Aから第1モータジェネレータ4Aの回転数、レゾルバ41Bから第2モータジェネレータ4Bの回転数、及び、レゾルバ71からエンジン7の回転数を受け付ける。
【0111】
図12は、モータシステム100の回路図である。コントローラ6には、上位装置にて算出される第1モータジェネレータ4Aに対するトルク指令値Ta*及び第2モータジェネレータ4Bに対するトルク指令値Tb*、レゾルバ41A、41Bにより検出される回転数Na、Nb、電流センサ42A、42Bに基づいて検出される駆動電流Ipa、Ipb、及び、電圧センサ28にて検出されるインバータ側電圧V2などが入力される。コントローラ6は、これらの入力に基づいて、コンバータ2、第1インバータ3A、及び、第2インバータ3Bなどを制御する。
【0112】
第1モータジェネレータ4Aに対する要求電力をPa、第2モータジェネレータ4Bに対する要求電力Pbとすると、コンバータ2の通過電力PはPaとPbとの和で示される。
【0113】
例えば、第1モータジェネレータ4A、及び、第2モータジェネレータ4Bがそれぞれ力行運転をする場合には、Pa及びPbは、共に正となる(Pa>0、Pb>0)。第1モータジェネレータ4A、及び、第2モータジェネレータ4Bがそれぞれ回生運転をする場合には、Pa及びPbは、共に負となる(Pa<0、Pb<0)。
【0114】
コントローラ6は、コンバータ2の通過電力Pに対して、図5に示される制限制御を行う。ステップS4においては、コントローラ6は、PaとPbとの和が制限電力Plimに示される基準を満たすように、第1モータジェネレータ4A、及び、第2モータジェネレータ4Bを制御する。
【0115】
例えば、通過電力Pが負の場合には、第1モータジェネレータ4A、及び、第2モータジェネレータ4Bのいずれか一方を力行運転させることで、PaとPbとの和である通過電力Pが入力制限電力Pinを下回らないようにしてもよい。
【0116】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12