【文献】
SCHROTH,P et al.,Extending the capabilities of an antenna/chip biosensor by employing various insect species,Sensors and Actuators B,2001年,Vol.78,p.1-5
【文献】
富田一郎 他,実用的なEAG/GLC連結装置の組み立てとそれを利用したクス蚕フェロモンの検出,信州大学農学部紀要,1992年,Vol.29 No.1,p.37-46
【文献】
NISHINO Chikao et al.,Differential Saturation Electroantennogram of Germacrene-D,a Sex Pheromone Mimic of the American Coc,J.Pesticide Sci,Vol.9,1984年,p.125-130
【文献】
鷲尾宏 他,ワモンゴキブリの性フェロモンに対する触角電図,日本応用動物昆虫学会誌,1975年,Vol.19, No.3,p.218-220
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る保持具10の構造を例示する断面図である。また、
図2は、第1の実施形態に係る保持具10の構成を例示する斜視図である。本実施形態に係る保持具10は、触角20を保持する。保持具10は、第1ベース部材120a、第1内蓋部材130a、第1外蓋部材150aおよび第1電極160aを備える。第1ベース部材120aには、導電材料30を収容する第1凹部121aが設けられている。第1内蓋部材130aには、第1凹部121aに連通する第1貫通孔131aが設けられている。第1外蓋部材150aは、少なくとも第1凹部121aおよび第1貫通孔131aにより構成される第1内部空間140aを、密封する。第1電極160aは、少なくとも第1内部空間140aに収容される導電材料30を介して、触角20の第1端部21aと電気的に接続される。また、第1端部21aは第1内部空間140a内で導電材料30と接触する。そして、触角20の第1端部21aより内側の第1部分22aが第1ベース部材120aと第1内蓋部材130aとの間で保持される。以下に詳しく説明する。
【0017】
保持具10は、たとえば匂い、ガス、または化学物質等を検出する検出装置において、触角20を保持するカートリッジである。触角20は、匂い等に対して高い感度を有する。たとえば、触角20の周囲に匂いが生じた際に、触角20の両端に発生する微弱な電圧を計測することで、匂い検出が可能である。この様な電圧を示した図は触角電図と呼ばれる。
【0018】
触角20は生体材料であり、たとえば、カイコガ、ワモンゴキブリ、スズメガ、またはヤママユガ等の、昆虫の触角である。なお、昆虫は、遺伝子操作がされていても良いし、されていなくても良い。第1端部21aは触角20の任意の一端である。
【0019】
保持具10では、触角20の一端と第1電極160aとを、導電材料30を介して電気的に接続することができる。触角20から良好な電気信号を得るためには、検出に先立ち触角20を一部切断し、新しい切断面を得る必要がある。また、この切断は、導電材料30に切断部分が浸った状態で行うことで、切断面の乾燥を防ぐことが好ましい。
【0020】
本実施形態に係る保持具10の使用においては、まず、第1ベース部材120aと第1内蓋部材130aとの間に触角20を挟んで固定するとともに、第1内部空間140a内に導電材料30を導入する。次いで、第1内蓋部材130aの第1貫通孔131aを介して触角20の端部付近を導電材料30内で切断する。そして、第1内部空間140aを第1外蓋部材150aで密封する。
【0021】
本実施形態に係る保持具10によれば、このように触角20を保持具10に固定した状態で、第1内蓋部材130aの第1貫通孔131aを介して触角20の切断を行える。したがって、特に習熟の必要なく、検出の現場等においても容易に触角20の取り付けを行うことができる。保持具10による触角20の保持方法については詳しく後述する。
【0022】
保持具10に触角20が保持された状態で、触角20の第1端部21aは、少なくとも第1内部空間140a内の導電材料30を介して第1電極160aと電気的に接続される。導電材料30は流動性を有することが好ましい。そのことにより、導電材料30が触角20の端部を覆い、触角20と第1電極160aとの電気的な接続がより確実に確保される。
【0023】
また、導電材料30は水分を含んでも良い。導電材料30が水分を含むことにより、触角20の乾燥が抑制され、触角20の寿命が長く保たれる。すなわち、触角20の匂い等を検出する機能が長く維持される。保持具10によれば、第1外蓋部材150aが第1内部空間140aを密封することにより、導電材料30が水分等の揮発性成分を含む場合でも、揮発を抑制して導電材料30の機能を長く維持することができる。
【0024】
導電材料30は導電性ゲルであることが好ましい。導電材料30として導電性ゲルを用いることで、導電材料30が流れ出にくくなり、保持具10の可搬性を向上させることができる。一方、導電性ゲルから水分が蒸発すると、導電性ゲルが固化して電気的特性が劣化する虞がある。これに対し、本実施形態に係る保持具10によれば、第1内部空間140aが密封されることにより導電材料30からの水分等の揮発を抑制し、導電性ゲルの寿命を長く保つことが出来る。導電性ゲルはたとえば、ゲル化された電解液が挙げられる。電解液としてはたとえば、生理食塩水が挙げられる。
【0025】
導電材料30は、無塩導電性ゲルであることがより好ましい。導電性ゲルとしては、たとえばParker Laboratories社製のスペクトラ360無塩ゲルが挙げられる。塩化物イオンは、触角20の細胞内に入り込み難いイオンである。これに対し、導電材料30において導電性を主に担うイオンを塩化物イオン以外とすることで、長時間使用しても導電性を維持できる。導電材料30の塩化物イオンの濃度は1mM以下であることが好ましく、0.1mM以下であることがより好ましく、0.01mM以下であることがさらに好ましい。また、導電材料30のナトリウムイオンの濃度は1mM以下であることが好ましく、0.1mM以下であることがより好ましく、0.01mM以下であることがさらに好ましい。
【0026】
図3は第1の実施形態に係る保持具10の構造を例示する斜視図である。本図は第1ベース部材120aおよび第1内蓋部材130aに第1外蓋部材150aを取り付けた状態を示しており、
図2は、第1ベース部材120aおよび第1内蓋部材130aから第1外蓋部材150aを取り外した状態を示している。また、
図4は、第1の実施形態に係る保持具10の平面図である。
図1は、本図のA−A断面図である。
図5は、
図4から、第1外蓋部材150a、第2外蓋部材150bおよび第3接続部193を除いた状態を示す図である。
図6は、
図5から、第1内蓋部材130a、第2内蓋部材130b、および第2接続部192を除いた状態を示す図である。なお、
図5および
図6において、導電材料30は省略されている。
図1から
図6において、x軸、y軸、およびz軸は互いに垂直である。
【0027】
保持具10には、第1ベース部材120a、第1内蓋部材130a、および第1外蓋部材150aを組み合わせた状態で、第1内部空間140aを構成する第1保持部110aが設けられる。また、
図1から
図6の例において、保持具10には、第1保持部110aとは別途第2保持部110bが設けられ、保持具10は触角の両端を保持する。すなわち、保持具10は、第2ベース部材120b、第2内蓋部材130b、第2外蓋部材150b、および第2電極160bをさらに備える。第2ベース部材120bには、導電材料30を収容する第2凹部121bが設けられている。第2内蓋部材130bには、第2凹部121bに連通する第2貫通孔131bが設けられている。第2外蓋部材150bは、少なくとも第2凹部121bおよび第2貫通孔131bにより構成される第2内部空間140bを、密封する。第2電極160bは、少なくとも第2内部空間140bに収容される導電材料30を介して、触角20の第1端部21aとは反対側の第2端部21bと電気的に接続される。また、第2端部21bは第2内部空間140b内で導電材料30と接触する。そして、触角20の第1部分22aと第2端部21bとの間の第2部分22bが第2ベース部材120bと第2内蓋部材130bとの間で保持される。
【0028】
第1保持部110aは第1ベース部材120a、第1内蓋部材130a、および第1外蓋部材150aを含み、第2保持部110bは第2ベース部材120b、第2内蓋部材130b、および第2外蓋部材150bを含む。第1ベース部材120a、第1内蓋部材130a、および第1外蓋部材150aはこの順で積層され、第2ベース部材120b、第2内蓋部材130b、および第2外蓋部材150bはこの順で積層される。第1保持部110aでは、触角20の第1部分22aが保持され、第1端部21aが第1内部空間140aに収容される。第2保持部110bでは、触角20の第2部分22bが保持され、第2端部21bが第2内部空間140bに収容される。第1内部空間140aに収容される導電材料30と第2内部空間140bに収容される導電材料30とは電気的に絶縁される。すなわち、第1内部空間140aと第2内部空間140bとは空間的に繋がっていない。ただし、保持具10は、第1保持部110aのみを構成してもよい。すなわち、触角20の一端のみが保持具10に保持され、他端が異なる構造の保持具で保持されたり、他の装置に接続されたりしても良い。
【0029】
また、
図1から
図6の例において、第1保持部110aおよび第2保持部110bはそれぞれ箱状である。そして、第1保持部110aと第2保持部110bとは一体に設けられる。具体的には、第1ベース部材120aと第2ベース部材120bとは一体であり、第1内蓋部材130aと第2内蓋部材130bとは一体であり、かつ、第1外蓋部材150aと第2外蓋部材150bとは一体である。より詳しくは、第1ベース部材120aの一端と第2ベース部材120bの一端とが第1接続部191で物理的に接続されている。また、第1内蓋部材130aの一端と第2内蓋部材130bの一端とが第2接続部192で物理的に接続されている。そして、第1外蓋部材150aの一端と第2外蓋部材150bの一端とが第3接続部193で物理的に接続されている。その結果、第1保持部110aと第2保持部110bとが並列した構造が構成される。また、触角20のうち、第1保持部110aおよび第2保持部110bの外部に露出する部分が、第1保持部110aと、第2保持部110bと、第1保持部110aおよび第2保持部110bを繋ぐ部分とで囲まれる。したがって、触角20が風などの影響を受けにくくなる。
【0030】
第1ベース部材120a、第1内蓋部材130a、および第1外蓋部材150aの、少なくとも第1内部空間140aの内部に露出する面は、絶縁性材料で構成されている。また、第2ベース部材120b、第2内蓋部材130b、および第2外蓋部材150bの、少なくとも第2内部空間140bの内部に露出する面は、絶縁性材料で構成されている。たとえば、第1ベース部材120a、第1内蓋部材130a、第1外蓋部材150a、第2ベース部材120b、第2内蓋部材130b、および第2外蓋部材150bはそれぞれ樹脂等の絶縁性材料で構成されていることが好ましい。樹脂はたとえば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、およびポリブチレンテレフタレートからなる群から選択される一以上を含む。第1ベース部材120aと第2ベース部材120bとは同じ材料で構成されていても良いし、互いに異なる材料で構成されていても良い。また、第1内蓋部材130aと第2内蓋部材130bとは同じ材料で構成されていても良いし、互いに異なる材料で構成されていても良い。そして、第1外蓋部材150aと第2外蓋部材150bとは同じ材料で構成されていても良いし、互いに異なる材料で構成されていても良い。
【0031】
第1ベース部材120a、第2ベース部材120bおよび第1接続部191は、これらを含む樹脂の一体成形品により構成されうる。第1内蓋部材130a、第2内蓋部材130bおよび第2接続部192は、これらを含む樹脂の一体成形品により構成されうる。また、第1外蓋部材150a、第2外蓋部材150bおよび第3接続部193は、これらを含む樹脂の一体成形品により構成されうる。
【0032】
図1から
図6の例において、第1接続部191、第2接続部192、および第3接続部193は、この順で積層される。なお、保持具10は、第1接続部191、第2接続部192、および第3接続部193の少なくともいずれかを備えていなくても良い。たとえば、第1ベース部材120aと第2ベース部材120bとが同一のベース板に固定されることにより、第1ベース部材120aと第2ベース部材120bとの位置関係が定められても良い。また、第1接続部191またはベース板等により、互いに位置関係が定められた第1ベース部材120aおよび第2ベース部材120bに対し、一体化されていない第1内蓋部材130aおよび第2内蓋部材130bをそれぞれ取り付けても良い。そしてさらに、第1内蓋部材130aおよび第2内蓋部材130bに対し、一体化されていない第1外蓋部材150aおよび第2外蓋部材150bをそれぞれ取り付けても良い。
【0033】
第1ベース部材120aの第1内蓋部材130a側の面には第1凹部121aが設けられており、第2ベース部材120bの第2内蓋部材130b側の面には第2凹部121bが設けられている。第1凹部121aおよび第2凹部121bの形状は特に限定されないが、開口側から見て矩形その他の多角形、または円形等であり得る。
【0034】
切断作業の行いやすさの観点から、第1凹部121aの開口の、少なくとも第1方向の幅w
1は5mm以上であることが好ましい。同様に、第2凹部121bの開口の、少なくとも第1方向の幅w
2は5mm以上であることが好ましい。ここで、第1方向は触角20の第1部分22aと第2部分22bとを通る直線、すなわち、後述する凹部122aと凹部122bとを通る直線に非平行となることが好ましい。
図1から
図6において、第1部分22aと第2部分22bとを通る直線は、x軸に平行である。
図1から
図6の例において、第1凹部121aおよび第2凹部121bはそれぞれ、y軸に平行な長辺を有する長方形であり、y軸方向を第1方向とみなすことができる。
【0035】
切断作業の行いやすさの観点から、第1凹部121aの開口および第2凹部121bの開口の第1方向に垂直な第2方向(
図1から
図6の例においてx軸方向)の幅w
3,w
4はそれぞれ1mm以上であることが好ましい。また、第1凹部121aおよび第2凹部121bの深さd
1,d
2はそれぞれ3mm以上であることが好ましい。一方、導電材料30の量を抑える観点から、第1凹部121aおよび第2凹部121bの容積Vは、それぞれ25μL以下であることが好ましい。なお、容積Vは、第1電極160aや第2電極160bでしめられる体積を除く容積であり、導電材料30で満たされる部分の容積である。なお、第1凹部121aおよび第2凹部121bの開口の縁の位置がz軸方向に一様でなかったり、第1凹部121aおよび第2凹部121bの底が水平な平面でなかったりする場合、深さd
1は、z軸方向から見て第1端部21aに重なる部分の第1凹部121aの底から、第1凹部121aの縁までの最小高さである。同様に、深さd
2は、z軸方向から見て第2端部21bに重なる部分の第2凹部121bの底から、第2凹部121bの縁までの最小高さである。
【0036】
図7は、保持具10を、第1電極160aおよび第2電極160bの挿入方向から見た状態を示す図である。第1ベース部材120aには、第1凹部121aの内部と第1ベース部材120aの外部とを繋ぐ孔124aが設けられている。また、第2ベース部材120bには、第2凹部121bの内部と第2ベース部材120bの外部とを繋ぐ孔124bが設けられている。第1電極160aおよび第2電極160bはそれぞれ、孔124aおよび孔124bに挿入される。そして、第1電極160aの少なくとも一部および第2電極160bの少なくとも一部はそれぞれ、第1凹部121aおよび第2凹部121b内に位置する。第1電極160aおよび第2電極160bはそれぞれ、第1ベース部材120aおよび第2ベース部材120bに固定されていても良いし、第1ベース部材120aおよび第2ベース部材120bから脱着可能に構成されていても良い。導電材料30の漏れを防ぐため、挿入方向から見て、孔124aの形状およびサイズは第1電極160aの形状およびサイズにほぼ同一であることが好ましい。同様に、挿入方向から見て、孔124bの断面の形状およびサイズは第2電極160bの断面の形状およびサイズにほぼ同一であることが好ましい。なお、孔124aおよび孔124bはそれぞれ、少なくとも一部が第1接続部191に設けられていても良い。すなわち、第1電極160aおよび第2電極160bはそれぞれ、少なくとも一部が第1接続部191を貫通していても良い。
【0037】
第1電極160aおよび第2電極160bはそれぞれ、たとえば金属であり、銀、銅、またはベリリウム銅などの銅合金であることが好ましい。第1電極160aおよび第2電極160bにはそれぞれ、錫メッキ、金メッキなどの表面処理が施されていてもよい。
【0038】
図1から
図6の例において、第1ベース部材120aおよび第2ベース部材120bにはさらに、凹部122aおよび凹部122bがそれぞれ設けられている。凹部122aおよび凹部122bはそれぞれ、触角20の第1部分22aおよび第2部分22bが配置される部分である。凹部122aおよび凹部122bに第1部分22aおよび第2部分22bをそれぞれ配置することにより、切断しやすい位置に触角20を配置し、維持することができる。凹部122aは、第1ベース部材120aの第1内蓋部材130a側の面において、第1凹部121aと第1ベース部材120aの外側とを繋ぐ溝状に設けられている。また、凹部122bは、第2ベース部材120bの第2内蓋部材130b側の面において、第2凹部121bと第2ベース部材120bの外側とを繋ぐ溝状に設けられている。そして、凹部122aと凹部122bとは、z軸方向から見て、互いに対向している。なお、z軸方向は、第1ベース部材120aと第1内蓋部材130aとの積層方向であり、第2ベース部材120bと第2内蓋部材130bとの積層方向である。また、触角20の保持のしやすさの観点から、凹部122aの底と凹部122bの底とは同一平面内に位置することが好ましい。なお、第1ベース部材120aおよび第2ベース部材120bには、それぞれ凹部122aおよび凹部122bの代わりに、第1部分22aおよび第2部分22bの配置場所を示すマーク等が表示されていても良い。
【0039】
触角20は凹部122aと凹部122bとの間に渡されて、両端近傍の第1部分22aおよび第2部分22bを保持される。すなわち、保持具10に触角20が保持された状態をz軸方向から見て、第1部分22aは凹部122aと重なる部分であり、第2部分22bは凹部122bと重なる部分である。第1部分22aは触角20の中心と第1端部21aとの間に位置し、第2部分22bは触角20の中心と第2端部21bとの間に位置する。触角20の第1部分22aと第2部分22bとの間が、第1内部空間140a外かつ第2内部空間140b外に露出する。具体的には、触角20の第1部分22aと第2部分22bとの間が、第1保持部110a外かつ第2保持部110b外に露出する。そして、触角20のこの露出した部分で、匂い等が検出される。検出感度向上のため、第1部分22aと第2部分22bとの間の長さは、保持具10に保持された触角20全体の長さの0.57倍以上であることが好ましい。
【0040】
図1から
図6の例において、第1凹部121aおよび第2凹部121bはz軸方向から見て長方形である。また、第1電極160aおよび第2電極160bは円柱状である。そして、z軸方向から見て、第1凹部121a内における第1電極160aの長さ方向は、第1凹部121aの長辺に平行である。くわえて、z軸方向から見て、第1電極160aの長さ方向の中心軸は、第1凹部121aの中心線よりも、凹部122a側に寄っている。同様に、z軸方向から見て、第2凹部121b内における第2電極160bの長さ方向は、第2凹部121bの長辺に平行である。くわえて、z軸方向から見て、第2電極160bの長さ方向の中心軸は、第2凹部121bの中心線よりも、凹部122b側に寄っている。そうすることで、触角20の第1端部21aの近くに第1電極160aを位置させ、第2端部21bの近くに第2電極160bを位置させることができる。なお、y軸は、z軸方向から見た第1凹部121aの長辺方向および第2凹部121bの長辺方向に平行である。
【0041】
第1電極160aは、第1端部21aに直接接触してもよいし、接触しなくても良い。また、第2電極160bは、第2端部21bに直接接触してもよいし、接触しなくても良い。
【0042】
第1内蓋部材130aおよび第2内蓋部材130bは、それぞれ第1ベース部材120aおよび第2ベース部材120bに積層される。そして、第1部分22aは第1内蓋部材130aと第1ベース部材120aとの間に挟み込まれて固定される。また、第2部分22bは第2内蓋部材130bと第2ベース部材120bとの間に挟み込まれて固定される。言い換えると、第1内蓋部材130aは第1ベース部材120aとの間、中でも凹部122aとの間に、触角20を挟み込んで固定する第1固定部132aを備える。また、第2内蓋部材130bは第1ベース部材120aとの間、中でも凹部122bとの間に触角20を挟み込んで固定する第2固定部132bを備える。
【0043】
保持具10によればこのように第1ベース部材120aと第1内蓋部材130aとの間、および第2ベース部材120bと第2内蓋部材130bとの間に挟むことで、触角20を容易に保持することができる。くわえて、触角20が強風などに曝されても機械的な安定性が保たれる。
【0044】
上記した通り、第1内蓋部材130aおよび第2内蓋部材130bにはそれぞれ第1貫通孔131aおよび第2貫通孔131bが設けられている。第1貫通孔131aおよび第2貫通孔131bの形状は特に限定されず、矩形等の多角形、または円形等であり得る。z軸方向から見て、第1貫通孔131aの少なくとも一部は第1凹部121aと重なり、第2貫通孔131bの少なくとも一部は第2凹部121bと重なる。また、保持具10に触角20が保持された状態で、触角20の第1端部21aは、z軸方向から見て、第1貫通孔131a内に視認可能である。同様に、保持具10に触角20が保持された状態で、触角20の第2端部21bは、z軸方向から見て、第2貫通孔131b内に視認可能である。第1貫通孔131aおよび第2貫通孔131bが設けられていることにより、触角20を固定した状態で、触角20の両端近傍を容易に切断できる。
【0045】
切断作業の行いやすさの観点から、第1貫通孔131aの第1凹部121aとは反対側の開口の、少なくとも第1方向の幅w
5は5mm以上であることが好ましい。同様に、第2貫通孔131bの第2凹部121bとは反対側の開口の、少なくとも第1方向の幅w
6は5mm以上であることが好ましい。ここで、第1方向は触角20の第1部分22aと第2部分22bとを通る直線、すなわち、凹部122aと凹部122bとを通る直線に非平行となることが好ましい。
図1から
図6において、第1部分22aと第2部分22bとを通る直線は、x軸に平行である。
図1から
図6の例において、第1貫通孔131aおよび第2貫通孔131bはそれぞれ、y軸に平行な長辺を有する長方形であり、y軸方向を第1方向とみなすことができる。
【0046】
切断作業の行いやすさの観点から、第1貫通孔131aの第1凹部121aとは反対側の開口の、第1方向に垂直な第2方向(
図1から
図6の例においてx軸方向)の幅w
7は1mm以上であることが好ましい。同様に、第2貫通孔131bの第2凹部121bとは反対側の開口の第2方向の幅w
8は1mm以上であることが好ましい。
【0047】
第1貫通孔131aのz軸方向の長さは、第1凹部121aの深さ以上であっても良いし、第1凹部121aの深さより小さくても良い。また、第2貫通孔131bのz軸方向の長さは、第2凹部121bの深さ以上であっても良いし、第2凹部121bの深さより小さくても良い。
【0048】
第1内蓋部材130aの第1ベース部材120a側の面には、凹部122aに嵌め込まれて第1部分22aを押さえる凸部が形成されていても良い。同様に、第2内蓋部材130bの第2ベース部材120b側の面には、凹部122bに嵌め込まれて第2部分22bを押さえる凸部が形成されていても良い。ここで、第1ベース部材120aと第1内蓋部材130aとを組み合わせた状態で凹部122aと第1内蓋部材130aの凸部との間には、隙間が空いても良い。また、第2ベース部材120bと第2内蓋部材130bとを組み合わせた状態で凹部122bと第2内蓋部材130bの凸部との間には、隙間が空いても良い。これらの隙間のz方向の幅は、それぞれ触角20の第1部分22aおよび第2部分22bの太さ程度の幅である。また、これらの隙間の大きさは、触角20を取り付けた状態で導電材料30が隙間から流れでない程度の大きさである。
【0049】
第1ベース部材120aと第1内蓋部材130aとを組み合わせた状態において、第1貫通孔131aの第1ベース部材120aとは反対側の開口から第1凹部121aの底までの深さd
3は5mm以上5.5mm以下であることが好ましい。同様に、第2ベース部材120bと第2内蓋部材130bとを組み合わせた状態において、第2貫通孔131bの第2ベース部材120bとは反対側の開口から第2凹部121bの底までの深さd
4は5mm以上5.5mm以下であることが好ましい。そうすれば、導電材料30の量を抑えつつ、触角20の切断作業が容易に行える。なお、第1貫通孔131aおよび第2貫通孔131bの上記開口の縁の位置がz軸方向に一様でなかったり、第1凹部121aおよび第2凹部121bの底が水平な平面でなかったりする場合、深さd
3および深さd
4は底の最低部から縁の最上部までの長さである。また、切断作業のしやすさの観点から、第1貫通孔131aの第1凹部121aとは反対側の開口の面積は、第1凹部121aの開口の面積以上であることが好ましい。同様に、第2貫通孔131bの第2凹部121bとは反対側の開口の面積は第2凹部121bの開口の面積以上であることが好ましい。
【0050】
第1内蓋部材130aの第1ベース部材120a側の面、および第1ベース部材120aの第1内蓋部材130a側の面にはそれぞれ、互いに嵌め合わされる凹または凸が設けられていても良い。同様に、第2内蓋部材130bの第2ベース部材120b側の面、および第2ベース部材120bの第2内蓋部材130b側の面にはそれぞれ、互いに嵌め合わされる凹または凸が設けられていても良い。また、第1接続部191の第2接続部192側の面、および第2接続部192の第1接続部191側の面にはそれぞれ、互いに嵌め合わされる凹または凸が設けられていても良い。
【0051】
第1外蓋部材150aは、第1内蓋部材130aに積層されることにより、第1内部空間140aを密封する。また、第2外蓋部材150bは、第2内蓋部材130bに積層されることにより、第2内部空間140bを密封する。第1外蓋部材150aおよび第2外蓋部材150bにより導電材料30の漏れが避けられるため、保持具10は可搬性に優れる。また、導電材料30からの水分等の揮発が抑制されるため、保持具10に保持した触角20を長時間、検出に用いることができる。
【0052】
第1外蓋部材150aの第1内蓋部材130a側の面、および第1内蓋部材130aの第1外蓋部材150a側の面にはそれぞれ、互いに嵌め合わされる凹または凸が設けられていても良い。同様に、第2外蓋部材150bの第2内蓋部材130b側の面、および第2内蓋部材130bの第2外蓋部材150b側の面にはそれぞれ、互いに嵌め合わされる凹または凸が設けられていても良い。また、第2接続部192の第3接続部193側の面、および第3接続部193の第2接続部192側の面にはそれぞれ、互いに嵌め合わされる凹または凸が設けられていても良い。
【0053】
さらに、第1外蓋部材150aには、第1貫通孔131aに嵌る凸部が設けられていても良い。そして、この凸部は一部が第1凹部121aにも挿入されても良い。また、第2外蓋部材150bには、第2貫通孔131bに嵌る凸部が設けられていても良い。そして、この凸部は一部が第2凹部121bにも挿入されても良い。
【0054】
また、第1外蓋部材150aおよび第2外蓋部材150bは、一部が第1ベース部材120aおよび第2ベース部材120bにそれぞれ直接接し、第1ベース部材120aおよび第2ベース部材120bに対してそれぞれ固定されても良い。この場合、第1内蓋部材130aは第1外蓋部材150aと第1ベース部材120aとの間に挟み込まれることでこれらの間に保持され、第2内蓋部材130bは第2外蓋部材150bと第2ベース部材120bとの間に挟み込まれることでこれらの間に保持される。
【0055】
第1ベース部材120a、第1内蓋部材130a、および第1外蓋部材150aは、向きを変えてもバラバラにならないように互いに固定されることが好ましい。また、第2ベース部材120b、第2内蓋部材130b、および第2外蓋部材150bは、向きを変えてもバラバラにならないように互いに固定されることが好ましい。そうすれば、保持具10を持ち運び可能とすることができる。第1ベース部材120a、第1内蓋部材130a、および第1外蓋部材150aは、それら自体の構造により、互いに固定されても良いし、保持具10に別途備えられた、バンド等の固定部材により固定されても良い。同様に、第2ベース部材120b、第2内蓋部材130b、および第2外蓋部材150bは、それら自体の構造により、互いに固定されても良いし、保持具10に別途備えられた、バンド等の固定部材により固定されても良い。
【0056】
第2ベース部材120b、第2凹部121b、第2内蓋部材130b、第2貫通孔131b、第2内部空間140b、第2外蓋部材150b、および第2電極160bの形状は、それぞれ第1ベース部材120a、第1凹部121a、第1内蓋部材130a、第1貫通孔131a、第1内部空間140a、第1外蓋部材150a、および第1電極160aの形状と同じとすることができる。ただし、各機能を果たせる限り、第2ベース部材120b、第2凹部121b、第2内蓋部材130b、第2貫通孔131b、第2内部空間140b、第2外蓋部材150b、および第2電極160bの形状は、それぞれ第1ベース部材120a、第1凹部121a、第1内蓋部材130a、第1貫通孔131a、第1内部空間140a、第1外蓋部材150a、および第1電極160aの形状と異なっていても良い。また、第1保持部110aと第2保持部110bとは構造的に面対称とすることができる。
【0057】
また、第2ベース部材120b、第2内蓋部材130b、第2外蓋部材150b、および第2電極160bの材質は、それぞれ第1ベース部材120a、第1内蓋部材130a、第1外蓋部材150a、および第1電極160aの材質と同じとすることができる。ただし、各機能を果たせる限り、第2ベース部材120b、第2内蓋部材130b、第2外蓋部材150b、および第2電極160bの材質は、それぞれ第1ベース部材120a、第1内蓋部材130a、第1外蓋部材150a、および第1電極160aの材質と異なっていても良い。
【0058】
図8は、第1の実施形態に係る触角20の保持方法について説明するための図である。本方法は、触角を保持する方法である。本方法では、第1ベース部材120aに設けられた第1凹部121aに導電材料30を導入する。また、第1ベース部材120aと、第1凹部121aに連通する第1貫通孔131aが設けられた第1内蓋部材130aとの間に触角20の第1端部21aより内側の第1部分22aを保持させる。次いで、第1貫通孔131aを介して触角20を切断し、少なくとも第1凹部121aおよび第1貫通孔131aにより構成される第1内部空間140aを、第1外蓋部材150aで密封する。触角20の第1端部21aは、第1内部空間140a内で導電材料30と接触し、少なくとも第1内部空間140aに収容される導電材料30を介して第1電極160aと電気的に接続される。
【0059】
また、本実施形態に係る触角20の保持方法では触角20の両端が保持される。すなわち本方法では、第2ベース部材120bに設けられた第2凹部121bに導電材料30を導入する。また、第2ベース部材120bと、第2凹部121bに連通する第2貫通孔131bが設けられた第2内蓋部材130bとの間に、触角20の第2部分22bを保持させる。次いで、第2貫通孔131bを介して触角20を切断し、少なくとも第2凹部121bおよび第2貫通孔131bにより構成される第2内部空間140bを、第2外蓋部材150bで密封する。ここで、触角20の第2部分22bは、第1部分22aと、第1端部21aとは反対側の第2端部21bとの間に位置する。触角20の第2端部21bは、第2内部空間140b内で導電材料30と接触し、少なくとも第2内部空間140bに収容される導電材料30を介して第2電極160bと電気的に接続される。
【0060】
本実施形態に係る触角20の保持方法は、上記したような保持具10を用いて実現される。以下に詳しく説明する。
【0061】
まず、第1電極160aおよび第2電極160bが取り付けられた状態の第1ベース部材120aおよび第2ベース部材120bを準備する。そして、第1ベース部材120aの第1凹部121aおよび第2ベース部材120bの第2凹部121bに導電材料30をそれぞれ導入する。導電材料30の導入には、たとえばニードルを装着した注射器を用いることができる。ここで、第1凹部121aと第2凹部121bは、導電材料30で満たされることが好ましい。ただし、導電材料30は、凹部122aや凹部122bから流れでない程度に導入される。
【0062】
次いで、触角20を、第1ベース部材120aおよび第2ベース部材120bの上に配置する。具体的には、触角20を凹部122aと凹部122bとの間に渡すように配置する。こうすることにより、触角20の両端はそれぞれ第1電極160aおよび第2電極160bの近傍に位置することとなる。触角20は第1電極160aおよび第2電極160bの上に乗せられても良い。
【0063】
次いで、導電材料30をさらに触角20の上に導入する。具体的には、触角20の両端を導電材料30で覆うようにする。導電材料30が導電性ゲルである場合、こうすることにより、ゲルの粘性を用いて触角20をある程度固定することができる。
【0064】
次いで、第1ベース部材120aおよび第2ベース部材120bにそれぞれ第1内蓋部材130aおよび第2内蓋部材130bを重ね、触角20の第1部分22aおよび第2部分22bを挟むようにする。こうすることで、触角20が機械的に固定される。
【0065】
そしてこの状態で、
図8で示すように、第1内蓋部材130aの第1貫通孔131aを介して、切断手段40で触角20の端をわずかに切断する。また、第2内蓋部材130bの第2貫通孔131bを介して、切断手段40で触角20の端をわずかに切断する。切断手段40はたとえばハサミまたはカッターナイフである。触角20の切断は、導電材料30中で行うことができる。こうすることにより、触角20の新鮮な切断面を容易に形成できるとともに、切断面の乾燥を防ぐことができる。ひいては良好な電気信号を得ることができる。
【0066】
さらに、第1内蓋部材130aの第1貫通孔131aおよび第2内蓋部材130bの第2貫通孔131bに導電材料30を導入する。ここで、第1貫通孔131aおよび第2貫通孔131bの全体が導電材料30で満たされることがより好ましい。次いで、第1外蓋部材150aおよび第2外蓋部材150bをそれぞれ第1内蓋部材130aおよび第2内蓋部材130bに取り付ける。こうすることで、第1内部空間140aおよび第2内部空間140bが密封される。ここで、導電材料30からの水分等の揮発を防ぐため、導電材料30が少なくとも部分的に第1外蓋部材150aおよび第2外蓋部材150bに触れる程度に、第1内部空間140aおよび第2内部空間140bがそれぞれ導電材料30で満たされていることが好ましい。なお、第1内部空間140aおよび第2内部空間140bは第1外蓋部材150aおよび第2外蓋部材150bによりほぼ閉じた空間になれば良く、必ずしも強固に密封される必要は無い。したがって、第1内蓋部材130aと第1外蓋部材150aとの間、および第2内蓋部材130bと第2外蓋部材150bとの間にわずかな隙間が生じても良い。
【0067】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態に係る保持具10および保持方法によれば、端部の切断を伴う触角20の取り付けを容易に行うことができる。
【0068】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係る検出装置50の構成を例示する図である。本実施形態に係る検出装置50は、第1の実施形態に係る保持具10と、検出手段510とを備える。検出手段510は、第1電極160aと第2電極160bと間の、電圧および電流の少なくとも一方を検出する。
【0069】
また、本実施形態に係る検出方法では、第1の実施形態に係る保持方法で触角20を保持し、第1電極160aと第2電極160bと間の、電圧および電流の少なくとも一方を検出する。本実施形態に係る検出方法は、たとえば検出装置50を用いて実現される。本実施形態に係る検出装置50および検出方法において、触角20および導電材料30は、第1の実施形態で説明した通りである。
【0070】
本実施形態に係る検出装置50および検出方法によれば、触角20のうち、第1保持部110aおよび第2保持部110bの外部に露出した部分に作用する匂い、化学物質、およびガスの少なくともいずれかを検出することができる。
【0071】
検出手段510はたとえば電圧計または電流計である。検出手段510はプリアンプ等の増幅器、フィルタ回路、およびAD変換回路等を含んでも良い。検出手段510により、たとえば保持具10に保持された触角20の触角電図を得ることができる。また、検出手段510は、検出した匂い等の強さを示す、信号を出力したり、数値を表示したりしてもよい。検出手段510は、第1電極160aと第2電極160bと間の、電圧および電流の少なくとも一方を検出することにより、第1端部21aと第2端部21bとの間の電圧および電流の少なくとも一方を検出する。
【0072】
本実施形態に係る検出方法の例について以下に説明する。まず、第1の実施形態で説明した保持方法で、触角20を保持具10に保持させる。その上で、保持具10の第1電極160aと第2電極160bとの間の電圧をモニタする。触角20のうち、第1保持部110aと第2保持部110bとの間に露出した部分に匂い等が作用すると、第1電極160aと第2電極160bとの間に電圧変化が生じる。その電圧変化を検出することにより、触角20が露出された空間の匂い等を検出することができる。
【0073】
本実施形態によれば、保持具10により触角20を容易に安定して保持し、匂い等を検出することができる。また、導電材料30からの水分等の揮発や触角20の乾燥を抑制し、長時間の検出が可能である。さらに、保持具10が可搬性に優れるため、持ち運び可能な検出装置を実現することができる。
【0074】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。くわえて、安定した長時間の検出を実現できる。
【実施例】
【0075】
以下、本実施形態を、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
【0076】
図10は、
図1から
図7に示したような保持具を用いて得られた触角電図である。触角20としては、カイコガの触角を用いた。そして、電磁弁を操作することにより、カイコガの性フェロモンであるボンビコールを触角に対してパルス状に供給した。ここで、パルス幅は20msとし、パルス周期は500msとした。触角からの電圧信号はプリアンプにより約70倍に増幅した。
【0077】
図10に示すように、保持具に保持させた触角から正常に触角電図が得られることが確認された。この信号は、約5時間持続し、保持具を用いて長時間の計測が可能であった。また、触角に5m/sの風を当てても、触角が脱落すること無く、安定的な信号を得ることができた。
【0078】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0079】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
1−1. 触角を保持する保持具であって、
導電材料を収容する第1凹部が設けられた第1ベース部材と、
前記第1凹部に連通する第1貫通孔が設けられた第1内蓋部材と、
少なくとも前記第1凹部および前記第1貫通孔により構成される第1内部空間を、密封する第1外蓋部材と、
少なくとも前記第1内部空間に収容される前記導電材料を介して、前記触角の第1端部と電気的に接続される第1電極とを備え、
前記第1端部が前記第1内部空間内で前記導電材料と接触し、
前記触角の前記第1端部より内側の第1部分が前記第1ベース部材と前記第1内蓋部材との間で保持される保持具。
1−2. 1−1.に記載の保持具において、
前記導電材料は流動性を有する保持具。
1−3. 1−1.または1−2.に記載の保持具において、
前記導電材料は水分を含む保持具。
1−4. 1−1.から1−3.のいずれか一つに記載の保持具において、
前記導電材料は導電性ゲルである保持具。
1−5. 1−1.から1−4.のいずれか一つに記載の保持具において、
前記導電材料のナトリウムイオンの濃度が1mM以下であり、
前記導電材料の塩化物イオンの濃度が1mM以下である保持具。
1−6. 1−1.から1−5.のいずれか一つに記載の保持具において、
前記導電材料を収容する第2凹部が設けられた第2ベース部材と、
前記第2凹部に連通する第2貫通孔が設けられた第2内蓋部材と、
少なくとも前記第2凹部および前記第2貫通孔により構成される第2内部空間を、密封する第2外蓋部材と、
少なくとも前記第2内部空間に収容される前記導電材料を介して、前記触角の前記第1端部とは反対側の第2端部と電気的に接続される第2電極とをさらに備え、
前記第2端部が前記第2内部空間内で前記導電材料と接触し、
前記触角の前記第1部分と前記第2端部との間の第2部分が前記第2ベース部材と前記第2内蓋部材との間で保持される保持具。
1−7. 1−6.に記載の保持具において、
前記第1ベース部材と前記第2ベース部材とは一体であり、
前記第1内蓋部材と前記第2内蓋部材とは一体であり、
前記第1外蓋部材と前記第2外蓋部材とは一体である保持具。
1−8. 1−6.または1−7.に記載の保持具において、
前記第1内部空間に収容される前記導電材料と前記第2内部空間に収容される前記導電材料とは電気的に絶縁される保持具。
1−9. 1−6.から1−8.のいずれか一つに記載の保持具において、
前記触角の前記第1部分と前記第2部分との間が、前記第1内部空間外かつ前記第2内部空間外に露出する保持具。
1−10. 1−6.から1−9.のいずれか一つに記載の保持具において、
前記第1貫通孔の前記第1凹部とは反対側の開口の、少なくとも第1方向の幅は5mm以上であり、
前記第1方向は前記第1部分と前記第2部分とを通る直線に非平行となる保持具。
1−11. 1−6.から1−10.のいずれか一つに記載の保持具と、
前記第1電極と前記第2電極と間の、電圧および電流の少なくとも一方を検出する検出手段とを備える検出装置。
2−1. 触角を保持する保持方法であって、
第1ベース部材に設けられた第1凹部に導電材料を導入し、
前記第1ベース部材と、前記第1凹部に連通する第1貫通孔が設けられた第1内蓋部材との間に前記触角の第1端部より内側の第1部分を保持させ、
前記第1貫通孔を介して前記触角を切断し、
少なくとも前記第1凹部および前記第1貫通孔により構成される第1内部空間を、第1外蓋部材で密封し、
前記触角の前記第1端部は、前記第1内部空間内で前記導電材料と接触し、少なくとも前記第1内部空間に収容される前記導電材料を介して第1電極と電気的に接続される保持方法。
2−2. 2−1.に記載の保持方法において、
前記導電材料は流動性を有する保持方法。
2−3. 2−1.または2−2.に記載の保持方法において、
前記導電材料は水分を含む保持方法。
2−4. 2−1.から2−3.のいずれか一つに記載の保持方法において、
前記導電材料は導電性ゲルである保持方法。
2−5. 2−1.から2−4.のいずれか一つに記載の保持方法において、
前記導電材料のナトリウムイオンの濃度が1mM以下であり、
前記導電材料の塩化物イオンの濃度が1mM以下である保持方法。
2−6. 2−1.から2−5.のいずれか一つに記載の保持方法において、
第2ベース部材に設けられた第2凹部に前記導電材料を導入し、
前記第2ベース部材と、前記第2凹部に連通する第2貫通孔が設けられた第2内蓋部材との間に、前記触角の第2部分を保持させ、
前記第2貫通孔を介して前記触角を切断し、
少なくとも前記第2凹部および前記第2貫通孔により構成される第2内部空間を、第2外蓋部材で密封し、
前記触角の前記第2部分は、前記第1部分と、前記第1端部とは反対側の第2端部との間に位置し、
前記触角の前記第2端部は、前記第2内部空間内で前記導電材料と接触し、少なくとも前記第2内部空間に収容される前記導電材料を介して第2電極と電気的に接続される保持方法。
2−7. 2−6.に記載の保持方法において、
前記第1ベース部材と前記第2ベース部材とは一体であり、
前記第1内蓋部材と前記第2内蓋部材とは一体であり、
前記第1外蓋部材と前記第2外蓋部材とは一体である保持方法。
2−8. 2−6.または2−7.に記載の保持方法において、
前記第1内部空間に収容される前記導電材料と前記第2内部空間に収容される前記導電材料とは電気的に絶縁される保持方法。
2−9. 2−6.から2−8.のいずれか一つに記載の保持方法において、
前記触角の前記第1部分と前記第2部分との間が、前記第1内部空間外かつ前記第2内部空間外に露出する保持方法。
2−10. 2−6.から2−9.のいずれか一つに記載の保持方法において、
前記第1貫通孔の前記第1凹部とは反対側の開口の、少なくとも第1方向の幅は5mm以上であり、
前記第1方向は前記第1部分と前記第2部分とを通る直線に非平行となる保持方法。
2−11. 2−6.から2−10.のいずれか一つに記載の保持方法で前記触角を保持し、
前記第1電極と前記第2電極と間の、電圧および電流の少なくとも一方を検出する検出方法。
【0080】
この出願は、2018年8月28日に出願された日本出願特願2018−159240号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。