(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ベース部、前記遮蔽部、前記第1の内側リブ及び前記第2の内側リブにより前記開口から隔離された空気層を有し、前記空気層内に風向ベーンを駆動するモータが配置される請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧パネル。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。ここで、参照符号について、同一の符号を付したものは、同一であり、このことは、明細書の全文において共通することである。そして、明細書全文に表されている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定されるものではない。特に構成要素の形状は、実施の形態における形状のみに限定されるものではない。そして、図面は実際の構造を簡略化して表す場合がある。さらに、図面では各構成物の大きさ又は、及び、構成物同士の位置関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0012】
実施の形態1.
図1(a)はこの発明の実施の形態1における空気調和機である天井埋込型空気調和機100の全体構造を示す斜視図である。本実施の形態に係る天井埋込型空気調和機100は、その一部を天井に埋め込まれた状態で設置されるものである。
【0013】
天井埋込型空気調和機100は、空気循環などを行う機器を内蔵するユニット本体1と、ユニット本体1と着脱可能に取り付けられる化粧パネル2とを備えている。ユニット本体1の外周の各角部には、吊金具3が設けられている。ユニット本体1は、
図1(b)に示すように、前記吊金具3に天井裏内の梁等に設けられた吊ボルト4を通した後、吊ボルト4にナット5を取り付けることによって天井裏に固定される。また、ユニット本体1は、ナット5を回転させて吊ボルト4に対する吊金具3の高さ位置を調整することにより、ユニット本体1の天井裏内の空間に対する位置が調整可能になっている。
【0014】
ユニット本体1を天井裏内の空間に設置したとき、ユニット本体1は、室内側の面46(後述する
図4に示される。
図4は、
図2の断面線B−B´における天井埋込型空気調和機100の断面図である)に空気の吸込み口59を有する。化粧パネル2は、ユニット本体1の室内側の面46を覆い隠すようにユニット本体1に着脱可能に取り付けられ、空調対象となる室内側に設置されている。化粧パネル2は、ユニット本体1の空気の吸込み口59に対応する位置に空気吸込口41を有する。化粧パネル2は、天井に設けられたユニット本体1設置用の天井穴を覆い、吊金具3の高さ位置を調整することにより天井と隙間のない状態でユニット本体1に取り付けられている。
【0015】
図2はユニット本体1を天井裏内の空間に設置したときに、ユニット本体1に取り付けられた化粧パネル2を室内側から見た平面図である。化粧パネル2は、天井穴を覆うためのパネル6と、パネル6の四隅に着脱自在に設けられたカバー7と、で構成されている。パネル6にカバー7を取り付けることで覆われる領域をコーナー部という。
図3(a)は、パネル6の四隅のコーナー部のうち、
図2においてCで示されるコーナー部と周辺の領域を室内側から見た概略図であり、内部構造を示すために化粧パネル2からカバー7を取り外した状態のものである。
図3(b)はパネル6のコーナー部と周辺の領域を室内側から見た概略斜視図である。
【0016】
化粧パネル2は、
図2に示すように、略矩形状であり、中央部にユニット本体1の空気の吸込み口に連通する空気吸込口41を有し、空気吸込口41の周辺にユニット本体1から送風された空気を吹き出すための吹出口8を有する。吹出口8は、ここでは4方向にそれぞれ設けた構成となっているが、これに限らない。吹出口8は、3方向、2方向または1方向に設けてもよい。空気吸込口41は、吸込グリル40により覆われている。
【0017】
化粧パネル2の各吹出口8には、風向きを変更する風向偏向板となる風向ベーン(フラップ)9が設置される。
図3(a)に示されるように、各風向ベーン9には、軸10が設けられており、軸10に取り付けられたモータ11により軸10を中心に回転制御可能な構成となっている。軸10の一部を覆うように軸受12a及び軸受12bが取り付けられており、軸受12a及び軸受12bをパネル6にはめ込むことにより、風向ベーン9をパネル6に回動自在に固定している。また、化粧パネル2には、室内の状況を検出する赤外線センサーなどの検出装置13を設置している。そして、ユニット本体1と、モータ11および検出装置13は電気的に接続され、ユニット本体1からモータ11および検出装置13に電力供給をするとともに、信号通信などを行う。
【0018】
図3(a)に示すように、パネル6は四隅のコーナー部に開口14を有する。開口14は、開口14から吊ボルト4に対してユニット本体1を固定する吊金具3が天井裏側に確認できる位置に設けられている。ユニット本体1を吊ボルト4に取り付けた後、ユニット本体1に化粧パネル2を取り付ける。その際、天井と化粧パネル2に隙間が生じる場合がある。その場合は、開口14から吊ボルト4に取り付けられたナット5を回転させ、吊金具3の高さ位置を調整する。この調整により、化粧パネル2をユニット本体1に取り付けた状態のまま、ユニット本体1の吊り下げ高さを調整し、天井と化粧パネル2との間の隙間を解消できるようになっている。開口14を囲むように第1のリブ15がコーナー部に設けられる。
天井埋込型空気調和機100を設置後、開口14はカバー7により室内側から覆われる。
【0019】
図4は、
図2の断面線B−B´における天井埋込型空気調和機100の断面図を示した図である。化粧パネル2は、天井58と隙間がないようにユニット本体1に取り付けられる。ユニット本体1は、筐体51の室内側の面46に空気の吸込み口59を有し、筐体51の内部に空気の吸込み口59と連結する空気吸込通路部56を、空気吸込通路部56の外側に空気吹出通路部57を有し、空気吸込通路部56と空気吹出通路部57との間に室内から吸い込まれた空気を熱交換する室内熱交換器55が配置されている。
ユニット本体1は、筐体51の空気吸込通路部56内に室内送風機52を備える。室内送風機52は、ファンモータ53とターボファン54を有し、ターボファン54はファンモータ53により駆動する。室内送風機52が化粧パネル2の空気吸込口41に設けられた吸込グリル40、フィルタ(図示せず)を通して空気の吸込み口59からユニット本体1内に室内の空気を吸い込み、空気吸込通路部56に空気を送風する。空気吸込通路部56に送風された空気は室内熱交換器55を通り、室内熱交換器55と熱交換を行い、空気吹出通路部57に入り、化粧パネル2の吹出口8から室内へ吹き出される。
【0020】
ここで、天井埋込型空気調和機100の空気調和機能を実現する冷凍サイクルについて説明する。
図5は天井埋込型空気調和機100の冷凍サイクルを示す概略図である。天井埋込型空気調和機100の冷凍サイクルは、ユニット本体1及び圧縮機510、四方弁520、室外熱交換器530及び膨張弁540を有している室外機500にて構成されている。ユニット本体1は室外機500とガス冷媒配管600、液冷媒配管700により配管接続され、冷凍サイクルを構成する。
【0021】
圧縮機510は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。ここで、特に限定するものではないが、圧縮機510はたとえばインバータ回路等により、運転周波数を任意に変化させ、圧縮機510の容量を変化させるものなどでよい。ここで、圧縮機510の容量とは、単位時間あたりの冷媒を送り出す量を示す。四方弁520は、たとえば冷房運転時と暖房運転時とによって冷媒の流れを切り換えるための弁である。
【0022】
室外熱交換器530は、冷媒と室外の空気との熱交換を行う。たとえば、暖房運転時においては蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させ、気化させる。また、冷房運転時においては凝縮器として機能し、冷媒を凝縮して液化させる。
【0023】
膨張弁540は冷媒を減圧して膨張させるものであり、絞り装置、流量制御手段等から構成される。たとえば電子式膨張弁等で構成した場合には、図示しない制御手段等の指示に基づいて開度調整を行う。
【0024】
ユニット本体1における冷房運転について冷媒の流れに基づいて説明する。冷房運転においては、圧縮機510により圧縮されて吐出した高温、高圧のガス冷媒が四方弁520を通過し、室外熱交換器530に流入する。そして、室外熱交換器530内を通過して、室外の空気と熱交換することで凝縮、液化した冷媒である液冷媒は、膨張弁540へ流入する。膨張弁540で減圧されて気液二相状態となった冷媒は室外機500から流出する。
【0025】
室外機500を流出した気液二相冷媒は、液冷媒配管700を通過してユニット本体1に流入し、室内熱交換器55を通過する。そして、室内熱交換機55を通る空気と熱交換することで蒸発、ガス化した冷媒であるガス冷媒は、ユニット本体1から流出する。
【0026】
ユニット本体1から流出したガス冷媒はガス冷媒配管600を通過して室外機500に流入する。そして、四方弁520を通過して再度圧縮機510に吸入される。以上のようにしてユニット本体1の冷媒が循環し、空気調和による冷房を行う。
【0027】
上記の冷凍サイクルによってユニット本体1が室内空気の冷房を行うとき、室内熱交換機55を通過し、室内熱交換機55と熱交換することにより冷やされた空気が吹出口8から室内に吹出され、室内の空気温度を冷却する。このとき、ユニット本体1の冷房により室内側の空気温度と天井裏側の空気温度に温度差が発生する。室内側の空気温度と天井裏側の空気温度の差が大きく、天井裏側の空気温度が室内側より高い場合、天井裏側の高温高湿の空気がパネル6の開口14を通じてパネル6とカバー7の間に流れ込むと、カバー7の裏面16b(
図6(b)を参照)及び化粧パネル2の側面に結露が生じる問題がある。本発明はこのようなカバー7の裏面16b及び化粧パネル2の側面に生じる結露を抑制するものである。以下、結露を抑制するためにパネル6とカバー7に設けられる構造に関して述べる。
【0028】
図6(a)及び
図6(b)は、
図2の化粧パネル2から取り外されたカバー7の概略図である。カバー7は、パネル6の開口14を覆う遮蔽部16と、遮蔽部16から突出して設けられる第2のリブ17及びフック18a、18b及び18cを有する。
図6(a)は、カバー7をパネル6に取り付けたとき室内側から確認できる遮蔽部16の面(遮蔽部16の意匠面16a)を示した概略図である。
図6(b)は、遮蔽部16の、意匠面16aに対する裏面16bを示した概略図である。
図6(c)は、遮蔽部16の裏面16bの概略斜視図である。第2のリブ17及びフック18a、18b及び18cは遮蔽部16の裏面16b上に設けられている。遮蔽部16は略矩形状であり、パネル6に取り付けた際に中央部側となる一角に切り欠きを有する。遮蔽部16の切り欠きには、裏面16b側に部材19が設けられている。部材19は、カバー7をパネル6に取り付けたとき遮蔽部16の切り欠きからパネル6のコーナー部側に延伸するカバー壁部19aと、カバー壁部19aから連続的に形成され遮蔽部16の外側に突き出すように延伸する固定部19bとを有する。固定部19bは、ネジなどによりカバー7をパネル6に固定するための孔を有している。
【0029】
第2のリブ17は、遮蔽部16の端部20c及び20d側に設けられた第2の外側リブ17aと、切り欠き側に設けられた第2の内側リブ17bとで構成されている。第2の内側リブ17bは、第2の外側リブ17aから連続的に形成され、第2の内側リブ17bの両端は第2の外側リブ17aの切り欠きが設けられている側の側面と接続する。
【0030】
また、カバー7は、遮蔽部16をパネル6に係止するためのフック18a、18b及び18cを、遮蔽部16の切り欠きが設けられていない3か所の角部の内側にそれぞれ1つずつ有する。
【0031】
遮蔽部16は、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、切り欠き部の角部23aと、端部20cと20dの間の角部23bとを結んだ対角線D―D´上の一点24から、端部20cと20dに沿って、それぞれ略並行に設けられた屈曲部25bと25cを有する。また、遮蔽部16は、対角線D―D´上の一点24から、角部23´まで設けられた屈曲部25aを有する。屈曲部25a、25b及び25cは、カバー7をパネル6に取り付けたとき、室内側に凸となる向きに曲がっている。遮蔽部16は、屈曲部25a、25b及び25cにより、パネル6に取り付けられたとき、パネル6のコーナー部よりも室内側に凸となるように設置される。遮蔽部16をこのような形状とすることで、化粧パネル2の意匠性を向上させている。
【0032】
遮蔽部16の、屈曲部25b、屈曲部25c、端部20a及び端部20bにより囲まれた裏面16bの領域を遮蔽部基準面47と呼ぶ。
図6(c)に示すように、第2の内側リブ17bは、第2の外側リブ17aより遮蔽部基準面47からの高さが低くなるように形成されている。
【0033】
パネル6は、ベース部26、第1のリブ15及び留め具27a、27b及び27cで構成される。ベース部26は、中央部に空気吸込口41と、空気吸込口41の周辺のコーナー部に開口14を有する。第1のリブ15は、開口14を囲み、ベース部26から室内側に突出して設けられる。留め具27a、27b及び27cは遮蔽部16を係止するためにベース部26から室内側に突出して設けられる。
【0034】
ベース部26のコーナー部は、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、ベース部26に設けられた段部28a及び28b及びベース部26の外周30a及び30bで囲まれた領域である。ベース部26は、
図3(b)に示すように、段部28aからコーナー部の面に向かって延びる側壁部31aと、段部28bからコーナー部の面に向かって延びる側壁部31bを有する。側壁部31aには軸受12aが挿入される。側壁部31bには軸受12bが挿入される。コーナー部のカバー7の切り欠き部に対応する位置に、それぞれ側壁部31aと31bから連続的に形成された壁部29aと29bが設けられる。カバー7をパネル6に取り付けるとき、遮蔽部16の端部20aがベース部26の側壁部31aと接続し、遮蔽部16の端部20bがベース部26の側壁部31bと接続し、遮蔽部16の端部20cがベース部26の外周30aに沿う位置に接続し、遮蔽部16の端部20dがそれぞれベース部26の外周の30bに沿う位置に接続される。カバー壁部19aが壁部29aと29bに接続され、ネジにより固定部19bとベース部26が固定される。以上のようにして、パネル6にカバー7が取り付けられる。
【0035】
第1のリブ15は、パネル6の外周側に設けられた第1の外側リブ15aと、パネル6の中央部側に設けられた第1の内側リブ15bとで構成される。
第1の内側リブ15bは、空気吸込口41と開口14との間に設けられ、その両端がそれぞれパネル6の側壁部31a及び31bに接するように配置されている。第1の内側リブ15b、側壁部31a及び31bで囲まれるベース部26の領域39bには、室内側から見て、風向ベーン9を駆動させるモータ11と、隣り合う風向ベーン9が取り付けられる軸10が配置されるような構成となっている。また、第1の外側リブ15a、第1の内側リブ15b、側壁部31a、側壁部31b、外周30a及び外周30bで囲まれるベース部26の領域39aには、留め具27a、27b及び27cが設けられている。領域39aと領域39bは略同一平面上に位置する。
第1の外側リブ15aは、パネル6の外周30a及び30bと開口14との間に設けられる。第1の外側リブ15aは、第1の内側リブ15bとともに開口14を囲むように設けられ、第1の外側リブ15aの両端は、第1の内側リブ15bの開口14側の側面と接続し、第1の内側リブ15bから連続的に形成されている。
【0036】
なお、
図3(a)に示すように、パネル6のベース部26に設けられた第1のリブ15には溝33が形成されている。パネル6にカバー7を取り付けたときの、コーナー部における第1のリブ15に対する第2のリブ17の配置を
図3(c)に示す。
図3(c)において、第2のリブ17が配置される領域42は斜線で示されている。第1の外側リブ15aの開口14側と反対側の側面と、第2の外側リブ17aの切り欠きが設けられている側の側面とが当接し、第1の内側リブ15bの開口14側の側面と、第2の内側リブ17bの切り欠きが設けられている側の側面とが当接するように、第1のリブ15と第2のリブ17が配置される。溝33は、第1のリブ15と第2のリブ17が重なる領域に設けられている。第1のリブ15に溝33を設けることで、カバー7をパネル6に取り付けたとき、溝33の内側に第2の内側リブ17bの一部が配置される。このように、第1のリブ15に溝33を形成することで、第1のリブ15と第2のリブ17とが接触してカバー7が浮き上がることを回避している。
【0037】
また、パネル6の外周側に位置するコーナー部角部の3か所には、カバー7を係止するための留め具27a、27b及び27cがそれぞれ設けられている。コーナー部の空気吸込口41側の角部には、カバー7の固定部19bをネジ34で固定するためのネジ穴35が設けられる。
一方、カバー7には、カバー7をパネル6に取り付けたときにパネル6の留め具27a、27b及び27cに対応する位置にフック18a、18b及び18cが設けられている。遮蔽部16の切り欠きには、固定部19bが外側に突き出すように設けられている。
【0038】
図7は、
図2の化粧パネル2のA−A´における断面図である。
図7の上方向が天井裏側であり、下方向が室内側となる。化粧パネル2はパネル6とカバー7で構成される。パネル6はベース部26、第1のリブ15及び留め具27a、27b及び27cで構成される。カバー7は遮蔽部16、第2のリブ9及びフック18a、18b及び18cで構成される。
ベース部26は開口14を有する。開口14は、開口14から吊ボルト4に対してユニット本体1を固定する吊金具3及びナット5が天井裏側に確認できる位置に設けられている。
第1のリブ15は第1の外側リブ15aと第1の内側リブ15bとで構成され、ベース部26から室内側に突出して設けられる。第1の外側リブ15aは第1の内側リブ15bとともに開口14を囲む。第2のリブ17は第2の外側リブ17aと第2の内側リブ17bとで構成され、遮蔽部16から天井裏側に突出して設けられる。第1の外側リブ15aには第2の内側リブ15bを納めるための溝33a及び溝33bが設けられる。
【0039】
フック18a、18b及び18cは、それぞれ、カバー7をパネル6に取り付けたときに、遮蔽部16からパネル6に向かって延伸する突出部21と、突出部21から連続的に形成され、パネル6のコーナー部の平面に略並行に、遮蔽部16の切り欠き部が設けられる方向に延伸する係止部22を有する。
【0040】
留め具27a、27b及び27cは、それぞれベース部26の領域39aに対して略垂直に突出した支持部37と、支持部から連続的に形成され、パネル6の外周側に延伸して設けられ、フック18a、18b及び18cの係止部22を支持する係受部38とを有する。
【0041】
パネル6の留め具27a、27b及び27cに、それぞれ対応するカバー7のフック18a、18b及び18cが係合されている。また、ネジ止め用の固定部19bとパネル6とがネジ34により固定されている。以上の方法により、パネル6にカバー7が固定され、化粧パネル2が構成される。
【0042】
化粧パネル2は、第1の外側リブ15aの開口14側と反対側の側面と、第2の外側リブ17aの切り欠きが設けられている側の側面とが当接し、第1の内側リブ15bの開口14側の側面と、第2の内側リブ17bの切り欠きが設けられている側の側面とが当接する構造を有する。化粧パネル2は、ベース部26と遮蔽部16の間に、第1の外側リブ15a、第2の外側リブ17a及び第1の内側リブ15bとで開口14から隔離された略密閉の空気層36aを有する。また、化粧パネル2は、ベース部26と遮蔽部16の間に、第1の内側リブ15b、第2の内側リブ17b及び第2の外側リブ17aで開口14から隔離された略密閉の空気層36bを有する。
図7で図示しないが、空気層36b内に、風向ベーン9を駆動させるモータ11と、隣り合う風向ベーン9が取り付けられる軸10が配置される。
【0043】
次に、パネル6にカバー7を取り付ける方法について
図8(a)及び図(b)を用いて説明する。
図8(a)はカバー7をパネル6に取り付ける直前のパネル6に対するカバー7の位置を示した断面図である。最初に、カバー7を、パネル6の角部から空気吸込口41に向かう方向にスライドさせる。その際、第1の外側リブ15aと第2の内側リブ17bとが当たらないように、カバー7をベース部26の領域38aに対し角度をつけながらスライドさせて、カバー7の3か所のフック18a、18b及び18cをそれぞれ対応するパネル6の留め具27a、27b及び27cに係合させる。その後、ネジ34をネジ穴35に通してカバー7の固定部19bとパネル6とを固定する。以上の取り付けによりパネル6にカバー7が設置され、化粧パネル2が構成される。
【0044】
図8(b)はパネル6にカバー7を取り付けた後の、パネル6に対するカバー7の位置を示した断面図である。
カバー7は、遮蔽部16に設けられたフック18a、18b及び18cがそれぞれパネル6の留め具27a、27b及び27cに係合し、固定部19bがネジ34によりパネル6に固定されることでパネル6に固定される。カバー7は、パネル6に取り付けると、遮蔽部16の2辺20c及び20dがそれぞれパネル6の外周の2辺30a及び30bに沿う位置に固定される。また、カバー7の遮蔽部16の2辺20a及び20bは、それぞれパネル6に設けられた段差部28a及び28bの側壁部31a及び31bと突き当てられて固定される。
【0045】
実施の形態1に示された化粧パネル2では、パネル6のベース部26とカバー7の遮蔽部16との間に、開口14から第1のリブ15と第2のリブ17により隔離された略密閉の空気層36a及び36bが形成される。すなわち、リブ15とリブ17により、天井裏の高温高湿の空気が、開口14を通じて空気層36a及び36bに流れ込むことが抑制される。これにより、化粧パネル2の天井裏側の空間と室内側の空間の温度差が大きく天井裏側の空間のほうが高温高湿である場合に天井埋込型空気調和機100を使用する場合でも、カバー7の遮蔽部16の裏面16b及び化粧パネル2の側面への結露の発生を抑えることができる。また、遮蔽部16の裏面16b及び化粧パネル2の側面への結露の発生を抑えることにより、パネル6のベース部26とカバー7の遮蔽部16との接続部から結露による水滴が室内にしたたり落ちるのを抑えることができる。また、天井裏の高温高湿の空気が、開口14を通じて空気層36bに流れ込むことが抑制されるので、空気層36b内に設けられたモータ11と、軸10への結露の発生を抑えることができる。
【0046】
実施の形態1に示された化粧パネル2では、カバー7の遮蔽部16に第2の外側リブ17aと、第2の外側リブ17aより遮蔽部16からの高さが低い第2の内側リブ17bを設ける。この構造は、第2の内側リブ17bの遮蔽部16からの高さが第2の外側リブ17aと等しい場合と比べて、第1の外側リブ15aに設ける第2の内側リブ17bを納めるための溝33の深さが浅い。すなわち、第1の外側リブ15aの溝33が設けられる領域において、第1の外側リブ15aと第2の外側リブ17aが当接する領域43が大きい。よって、第2の内側リブ17bの遮蔽部16からの高さが第2の外側リブ17aと等しい場合と比べて、ベース部26と遮蔽部16間の、リブ15とリブ17とで開口14から隔離される空気層36a及び36bの密閉性を高めることができる。
【0047】
また、実施の形態1に示された化粧パネル2では、カバー7の結露対策として、断熱材などの追加の部材を必要としない。そのため、従来の閉鎖カバー裏面の結露対策のような追加部品が不要となる。結果、部品点数の増加に伴う工程数の増加や、化粧パネルの重量増加を抑えることができる。
【0048】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2の化粧パネル200について
図9及び
図10を用いて説明する。なお、
図9及び
図10中、
図7及び
図8と同一符号は同一部分を指す。この実施の形態2の化粧パネル200は、実施の形態1の第1の外側リブ15a及び第1の内側リブ15bに替えて、ベース部26上に第1の内側リブ50bと、ベース部26からの高さが第1の内側リブ50bより低い第1の外側リブ50aを設けるように構成したものである。
【0049】
実施の形態2に示された化粧パネル200は、第1の内側リブ50bよりベース部26の領域39aからの高さが低い第1の外側リブ50aを設けることで、第1の外側リブ50aのベース部26の領域39aからの高さが第1の内側リブ50bと等しい場合と比べて、第1の外側リブ50aに対して第2の内側リブ17bをより近づけられるようになる。すなわち、遮蔽部16をベース部26に近づけるときの、ベース部26の領域39aに対する遮蔽部基準面47の角度を平行に近づけることができる。よって、ベース部26の領域39aに対する係受部38の角度θをゼロ(領域39aと略平行)に近づけることができる。このような構造により、化粧パネル2をユニット本体1に取り付けた状態における、留め具27a、27b及び27cのフック18a、18b及び18cを天井面に略垂直な方向に対して固定する機能が向上する。よって、実施の形態1の効果に加え、パネル6のカバー7に対する天井面に略垂直な方向の係合能力を高めることができる。
【0050】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3の化粧パネル300について
図11、
図12及び
図13を用いて説明する。なお、
図11、
図12及び
図13中、
図3、
図7及び
図8と同一符号は同一部分を指す。この実施の形態3の化粧パネル300は、実施の形態1の第1の外側リブ15a及び第2の内側リブ15bに替えて、ベース部26に第1の外側リブ60aを設け、遮蔽部16に第2の内側リブ60bを設ける。第1の外側リブ60aのベース部26の領域39aからの高さL1が、領域39aから第2の内側リブ60bの先端までの距離L2より低い点で実施の形態1と異なる。また、実施の形態3では第1の外側リブ15aに溝33が設けられていない。
【0051】
実施の形態3に示された化粧パネル300は、第1の外側リブ60aのベース部26の領域39aからの高さL1が、ベース部26の領域39aから第2の内側リブ60bの先端までの距離L2より低くなるよう第1の外側リブ60aと第2の内側リブ60bを設ける。第1の外側リブ60aのベース部26の領域39aからの高さL1が、ベース部26の領域39aから第2の内側リブ60bの先端までの距離L2より低いので、遮蔽部16をベース部26の領域39aに対して平行に移動させてカバー7をパネル6に取り付けることができる。すなわち、ベース部26の留め具27a、27b及び27cにおける係受部38の角度をベース部26の領域39aと略平行(≒0)に設けることができる。このような構造により、化粧パネル2をユニット本体1に取り付けた状態における、留め具27a、27b及び27cのフック18a、18b及び18cを天井面に略垂直な方向に対して固定する機能が向上し、実施の形態1の効果に加え、パネル6のカバー7に対する天井面に略垂直な方向の係合能力を高めることができる。
【0052】
実施の形態3に示された化粧パネル300では、遮蔽部16をベース部26の領域39aに対して平行に移動させてカバー7をパネル6に取り付けることができるため、
図11に示すように、ベース部26の壁部29aと29bの代わりに、固定部19bを通すための固定部用開口44を有する壁部45をベース部26上に設けることができる。
【0053】
なお、上記各実施形態では、パネル6にカバー7を取り付けた際に、第1の外側リブ15aの開口14側と反対側の側面と、第2の外側リブ17aの切り欠き部側の側面とが当接し、第1の内側リブ15bの開口14側の側面と、第2の内側リブ17bの切り欠き部側の側面とが当接し、ベース26と遮蔽体16の間に、開口14から第1のリブ15と第2のリブ17により隔離された略密閉の空気層36a及び36bが形成される構造について述べたが、本発明の実施の形態はこれに限られない。
パネル6及びカバー7の製造時のばらつきにより、第1のリブ15と第2のリブ17の間及び/又はパネル6とカバー7の境界部分に0.数mm程度の隙間が生じる場合がある。その場合でも、第1の外側リブ15aと第2の外側リブ17aの間及び/又は第1の内側リブ15bと第2の内側リブの間に緩衝材を配置することで、実施の形態1〜3と同様に、開口14からリブ15、リブ17及び緩衝材により隔離された略密閉の空気層36a及び36bが形成される。すなわち、リブ15、リブ17及び緩衝材により、天井裏の高温高湿の空気が、開口14を通じて空気層36a及び36bに流れ込むことが抑制される。これにより、化粧パネル2の天井裏側の空間と室内側の空間の温度差が大きく、天井裏側の空間のほうが高温高湿である場合に天井埋込型空気調和機100を使用する場合でも、遮蔽体16の裏面16b及び化粧パネル2の側面への結露の発生を抑えることができる。
【0054】
また、上記各実施形態では、
図3(a)に示すようにパネル6に設けられる開口14を略台形の形状としたが、これに限られない。開口14の形状はメンテナンスのしやすさや吊ボルト4へのアクセスのしやすさが確保され、カバー7をパネル6に取り付けたときに、第1のリブ15及び第2のリブ17で開口14から隔離された略密閉の空気層36a及び36bが形成されれば、円形や5角形などのその他の形状に変更が可能である。
【0055】
また、上記各実施形態では、カバー7の遮蔽部16を略矩形状の形状としたが、これに限定されない。カバー7をパネル6に取り付けたときに、第1のリブ15と第2のリブ17とが当接し、遮蔽部16、カバー壁部19a、ベース26、第1のリブ15及び第2のリブ17で開口14から隔離された略密閉の空気層36a及び36bが形成されれば、その他の形状に変更が可能である。
【0056】
また、上記各実施形態では、ベース部26のコーナー部の領域39aと39bが略同一平面上に位置するとしたが、これに限定されない。コーナー部の領域39aと39bとが同一の平面上にない場合であっても、コーナー部の領域39aが属する面を基準とする第1のリブ15と第2のリブ17の高さが上記各実施形態の条件を満たし、カバー7をパネル6に取り付けたときに、第1のリブ15と第2のリブ17とが当接し、遮蔽部16、ベース26、第1のリブ15及び第2のリブ17により開口14から隔離された略密閉の空気層36a及び36bが形成されれば、コーナー部の領域39bをその他の形状に変更が可能である。
【0057】
また、上記各実施形態では、カバー7をパネル6に取り付けるときのカバー7の移動方向を、ベース部26のコーナー部の領域39aが位置する面に対し斜め又は平行としたが、これに限定されない。留め具27a、27b及び27c及びフック18a、18b及び18cの構造を適宜変更することにより、カバー7をパネル6に取り付けるときの移動方向を第1のリブ15の開口側の側面に対して並行に行うことも可能である。
このような場合、カバー7をパネル6に取り付けたときに、第2の外側リブ17aを第1のリブ15aの開口側の側面に沿って当接するような位置に設け、第2の内側リブ17bを、第1の内側リブ15bの開口側の側面に沿って当接するような位置に設ける。上記の構造とすることで、カバー7をパネル6に取り付けたとき、第2のリブ17を取り囲むように第1のリブ15が当接する。又は、カバー7をパネル6に取り付けたときに、第2のリブ17が第1のリブ15を取り囲んで当接するよう第2のリブ17を遮蔽部16上に設けることが可能である。上記の構成とすることで、遮蔽部16、ベース26、第1のリブ15及び第2のリブ17により開口14から隔離された略密閉の空気層36a及び36bが遮蔽部16とベース部26の間に形成される。
【0058】
また、上記各実施形態では、遮蔽部16は、
図6(a)及び
図6(b)に示すように屈曲部25a、25b及び25cを有し、カバー7をパネル6に取り付けたときに室内側に凸となる形状を有するが、これに限定されない。遮蔽部16が緩やかに湾曲した形状を持ち、カバー7をパネル6に取り付けたときに室内側に凸となる形状を有する場合では、第2の内側リブ17bが突出する領域が属する平面を遮蔽部基準面47とする。第2の内側リブ17bが第2の外側リブ17aより遮蔽部基準面47からの高さが低く、第1のリブ15と第2のリブ17が上記各実施形態の条件を満たし、カバー7をパネル6に取り付けたときに、第1のリブ15と第2のリブ17とが当接し、遮蔽部16、ベース26、第1のリブ15及び第2のリブ17により開口14から隔離された略密閉の空気層36a及び36bが形成されれば、遮蔽部の形状を湾曲した形状に変更が可能である。
【0059】
また、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、第2の内側リブ17bは、第2の外側リブ17aより遮蔽部基準面47からの高さが低くなるように形成されているが、第1のリブ15と第2のリブ17の形状は限定されるものではなく、カバー7をパネル6に取り付けたときに、第1のリブ15と第2のリブ17とが当接し、遮蔽部16、ベース26、第1のリブ15及び第2のリブ17により開口14から隔離された略密閉の空気層36a及び36bが形成される限りにおいて、その他の形状に変更が可能である。
【0060】
1…ユニット本体、2…化粧パネル、3…吊金具、4…吊ボルト、5…ナット、6…パネル、7…カバー、8…吹出口、9…風向ベーン、10…軸、11…モータ、12a…軸受、12b…軸受、13…検出装置、14…開口、15…第1のリブ、15a…第1の外側リブ、15b…第1の内側リブ、16…遮蔽部、16a…遮蔽部16の意匠面、16b…遮蔽部16の裏面、17…第2のリブ、17a…第2の外側リブ、17b…第2の内側リブ、18a…フック、18b…フック、18c…フック、19…部材、19a…カバー壁部、19b…固定部、20a…遮蔽部16の端部、20b…遮蔽部16の端部、20c…遮蔽部16の端部、20d…遮蔽部16の端部、21…突出部、22…係止部、23a…角部、23b…角部、25a…屈曲部、25b…屈曲部、25c…屈曲部、26…ベース部、27a…留め具、27b…留め具、27c…留め具、28a…段差部、28b…段差部、29a…壁部、29b…壁部、30a…パネル6の外周、30b…パネル6の外周、31a…側壁部、31b…側壁部、33…溝、33a…溝、33b…溝、34…ネジ、35…ネジ穴、36a…空気層、36b…空気層、37…支持部、38…係受部、39a…ベース部26の領域、39b…ベース部26の領域、40…吸込グリル、41…空気吸込口、42…領域、43…領域、45…壁部、46…室内側の面、47…遮蔽部基準面、50a…第1の外側リブ、50b…第1の内側リブ、51…筐体、52…室内送風機、53…ファンモータ、54…ターボファン、55…室内熱交換器、56…空気吸込通路部、57…空気吹出通路部、58…天井、59…空気の吸込み口、60a…第1の外側リブ、60b…第2の内側リブ、100…天井埋込型空気調和機、200…化粧パネル、300…化粧パネル、500…室外機、510…圧縮機、520…四方弁、530…室外熱交換器、540…膨張弁、600…ガス冷媒配管、700…液冷媒配管