【文献】
木村勝美 et al.,超音波探傷用点集束斜角探触子の設計方法,非破壊検査,31巻第1号,社団法人日本非破壊検査協会,1982年01月,p2-p10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の探傷装置に関する各実施形態について
図1乃至
図14を参照しながら説明する。
【0016】
本発明の探傷装置が適用される管は、例えば、
図1に表されるように、溶接部が多層盛(多パス)溶接されている。従って、管を構成する溶接部の組織は複雑である。特に溶接金属部及び熱影響部の金属組織は、凝固、急加熱、及び、急冷等の複雑で非平衡的な熱履歴を受けることから、母材部の金属組織と異なる。そのため、溶接金属部及び熱影響部に超音波を直接照射すると、母材部に比して超音波が散乱されやすくなるために超音波探傷が困難となる。
【0017】
従って、本発明の探傷装置では、超音波を溶接金属部及び熱影響部に直接照射するのではなく、管の外表面に直交する直線に対する斜め方向から照射可能なように圧電素子及び音響レンズの形状を工夫して、溶接部における超音波散乱の影響を極力少なくしている。例えば、
図1に表されるように、溶接部の外縁である熱影響部HZは、管OBの中心軸CAに対する径方向に対してやや傾斜しているため、本発明では、溶接金属部及び熱影響部に超音波を照射する場合、超音波を溶接金属部及び熱影響部に、管の外表面に直交する直線に対する斜め方向から照射できるように工夫している。
【0018】
そのため、本発明の探触子は、少なくとも音響レンズと圧電素子とで構成され、これら音響レンズと圧電素子は、超音波を溶接金属部及び熱影響部に、管の外表面に直交する直線に対する斜め方向から照射することができるような形状を有している。なお、照射角度と形状の詳細については後述する。
【0019】
また、超音波は、当該超音波の周波数が高くなるほど大きく減衰しやすい。また、超音波の周波数が低くなるほど、検出可能な欠陥の大きさが大きくなりやすい(換言すると、空間分解能が低下しやすい)。
【0020】
当業者は、欠陥を検出するためには、当該欠陥の大きさの20倍以下の波長に対応する周波数を有する超音波を用いる必要があると考えていた。例えば、10μmの大きさの欠陥を検出する場合、30MHz以上の周波数の超音波を用いる必要があると考えられていた。
【0021】
しかしながら、30MHz以上の周波数を有する超音波は、十分に大きい強度を維持しながら、管のうちの外表面と内表面との間の比較的深い位置に到達できない。このため、管の欠陥を十分に高い精度にて検出できない。
【0022】
本発明の探傷装置は、音響レンズの端面と管の外表面とが媒体(例えば、水等の液体)を介して接しているため、超音波を減衰させる空気の存在を排除できる。これにより、超音波が伝搬される経路におけるインピーダンスの変化量を低減できるので、超音波の減衰を抑制できる。
【0023】
更に、本発明の探傷装置において、圧電素子の端面は、音響レンズの端面と管の外表面とが媒体を介して接する状態において、圧電素子の端面と超音波の焦点位置との間を超音波が伝搬するために要する伝搬時間が、圧電素子の端面内の任意の位置間で互いに一致する形状を有する。
【0024】
これにより、ある時点において圧電素子の端面にて生成されたすべての超音波を、焦点位置に同時に到達させることができる。従って、焦点位置における超音波の強度が大きくなるため、比較的低い周波数の超音波を用いても、空間分解能を十分に高めることができる。換言すると、超音波の周波数を低くすることができるので、十分に大きい強度の超音波を、管のうちの外表面と内表面との間の比較的深い位置に到達させることができる。この結果、管の欠陥を十分に高い精度にて検出できる。
【0025】
<第1実施形態>
(概要)
第1実施形態の探傷装置は、探触子と、制御回路と、を備える。
探触子は、駆動信号に応じて超音波を生成するとともに、超音波が対象物にて反射されることにより到来する反射波としての超音波に応じて検出信号を生成する、少なくとも1つの圧電素子を有する。制御回路は、駆動信号を探触子に供給するとともに、探触子からの検出信号に基づいて対象物の欠陥を検出する。対象物は、溶接により形成されるとともに内表面及び外表面を有する管である。
【0026】
探触子は、音響レンズを有する。音響レンズは、互いに対向する第1端面及び第2端面を有する。第1端面は、上記少なくとも1つの圧電素子が有する第3端面と接する。
第3端面は、第2端面が管の外表面と媒体を介して接している状態において、管のうちの外表面と内表面との間の焦点位置と、第3端面と、の間を超音波が伝搬するために要する伝搬時間が、第3端面内の任意の位置間で互いに一致する形状を有する。
【0027】
第3端面は、第2端面が管の外表面と媒体を介して接している状態において、第3端面内の所定の基準位置と焦点位置との間を超音波が伝搬する経路のうちの、管のうちの外表面と内表面との間の部分と、外表面に直交し且つ焦点位置を通る直線と、により形成される第1角度が、管のうちの溶接に伴って生じた熱影響(HAZ;Heat Affected Zone)部と、上記直線と、により形成される第2角度よりも大きくなる形状を有する。
【0028】
以下、第1実施形態の探傷装置について、より詳細に説明する。
【0029】
(構成)
以下、
図2乃至
図10に表されるように、X軸、Y軸及びZ軸を有する右手系の直交座標系を用いて、第1実施形態の探傷装置1を説明する。
図2に表されるように、探傷装置1は、探触子10と、駆動装置20と、支持体30と、媒体保持装置40と、制御回路50と、を備える。
【0030】
探触子10は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、探触子10の底面は、長方形状を有する。なお、探触子10の底面は、長方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、正方形、又は、多角形等)を有してもよい。本例では、探触子10のうちの、Z軸の正方向側の端部は、駆動装置20に固定される。
【0031】
駆動装置20は、支持体30により支持される。本例では、駆動装置20のうちの、Z軸の正方向側の端部は、支持体30に固定される。駆動装置20は、駆動装置20のうちのZ軸の負方向側の端部にて探触子10を支持する。
【0032】
本例では、駆動装置20は、探触子10のXY平面における位置を、X軸方向及びY軸方向のそれぞれにおいて、予め定められたピッチ距離毎に変更可能に構成される。XY平面は、Z軸に直交する平面である。本例では、ピッチ距離は、略1μmの距離(例えば、1μm)である。なお、ピッチ距離は、0.5μm乃至10μmの距離であってもよい。駆動装置20は、制御回路50による制御に従って、探触子10の位置をXY平面において変更する。本例では、XY平面における位置の変更は、管OBの外表面WOに平行な方向における位置の変更に対応する。本例では、駆動装置20は、位置変更部に対応する。
【0033】
管OBは、鋼からなる。本例では、管OBは、クロム及びモリブデンを含む鋼からなる。本例では、管OBは、中空の円柱形状(換言すると、円筒形状)を有する。本例では、管OBは、対象物に対応する。
【0034】
図1に表されるように、管OBは、外表面WOと内表面WIとを有する。本例では、管OBは、管OBの中心軸に平行な直線に沿って溶接されることにより形成される。管OBは、外表面WOと内表面WIとの間に、管OBのうちの溶接に伴って生じた熱影響部HZを有する。
【0035】
支持体30は、管OBの外表面WOに着脱可能に固定される。例えば、支持体30は、支持体30のうちのZ軸の負方向側の端部に磁石を備え、磁石の磁力によって、管OBの外表面WOに固定される。
【0036】
支持体30は、探触子10のうちのZ軸の負方向側の端面EF0と、管OBの外表面WOと、の間の距離が、予め定められたギャップ距離に一致するように駆動装置20を支持する。ギャップ距離は、略3mmの距離(例えば、3mm)である。なお、ギャップ距離は、1mm乃至10mmの距離であってもよい。
【0037】
媒体保持装置40は、探触子10のうちのZ軸の負方向側の端面EF0と、管OBの外表面WOと、の間の空間を媒体MDが満たす(換言すると、端面EF0及び外表面WOのそれぞれと媒体MDが接する)ように、媒体MDを保持する。本例では、媒体保持装置40は、Z軸に沿って延びる、中空の柱体形状を有する。本例では、媒体MDは、水である。なお、媒体MDは、水以外の液体、又は、ゲルであってもよい。
【0038】
制御回路50は、パルサ部51と、レシーバ部52と、駆動制御部53と、を備える。
パルサ部51は、中心周波数が所定の送信周波数に一致する超音波を探触子10が生成するための駆動信号を探触子10に供給する。中心周波数は、超音波が有する周波数の帯域の中心の周波数である。本例では、駆動信号は、スパイク状のパルス波である。なお、駆動信号は、矩形状のパルス波、又は、ステップ状のパルス波であってもよい。また、駆動信号は、バースト波であってもよい。本例では、送信周波数は、略10MHzの周波数(例えば、10MHz)である。なお、送信周波数は、5MHz乃至15MHzの周波数であってもよい。
【0039】
レシーバ部52には、探触子10により生成された検出信号が、探触子10から入力される。検出信号は、探触子10により生成された超音波が管OBにて反射されることにより到来する反射波としての超音波に応じて探触子10により生成される。本例では、検出信号は、反射波の強度を表す。レシーバ部52は、入力された検出信号に基づいて、管OBの欠陥(換言すると、損傷)を検出する。レシーバ部52による欠陥の検出については、後述する。例えば、欠陥は、タイプIVと呼ばれる型の欠陥である。
【0040】
駆動制御部53は、駆動装置20を制御する。本例では、駆動制御部53は、探触子10による超音波の生成と、探触子10による反射波の検出と、が行なわれる毎に、探触子10の位置を変更するように駆動装置20を制御する。
【0041】
本例では、探触子10の位置は、所定の走査領域を走査するように変更される。換言すると、探触子10の位置は、走査領域に含まれる複数の位置に順次に変更される。本例では、探触子10の位置が、走査領域に含まれる複数の位置に順次に変更されることは、後述する焦点位置が互いに異なる複数の位置のそれぞれに一致するように探触子10が移動することに対応する。
【0042】
本例では、
図3に表されるように、走査領域SRは、正方形状を有する。なお、走査領域は、正方形状と異なる形状(例えば、円形、楕円形、長方形、又は、多角形等)を有してもよい。本例では、走査領域SRに含まれる複数の位置SPは、格子点間の距離がピッチ距離PDに一致する正方格子を構成する。
【0043】
例えば、走査領域SRの走査は、点線矢印SOにより表されるように、探触子10の位置を、Y軸方向における位置が同一である複数の位置SPに、X軸の正方向にて順次に変更するX軸方向変更処理が実行される毎に、当該X軸方向変更処理の対象となるY軸方向における位置を、Y軸の正方向にて順次に変更することにより実行される。なお、探触子10の位置は、
図3に表される順序と異なる順序に従って変更されてもよい。
【0044】
制御回路50は、処理装置及び記憶装置を備え、処理装置が、記憶装置に記憶されているプログラムを実行することにより、上述した制御回路50の機能の少なくとも一部を実現する。
【0045】
例えば、処理装置は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又は、DSP(Digital Signal Processor)を含む。
【0046】
例えば、記憶装置は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、半導体メモリ、有機メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、又は、SSD(Solid State Drive)を含む。
【0047】
なお、制御回路50は、処理装置及び記憶装置に代えて、又は、処理装置及び記憶装置に加えて、LSI(Large Scale Integration)回路、又は、プログラム可能な論理回路(例えば、PLD、又は、FPGA)を備えてもよい。PLDは、Programmable Logic Deviceの略記である。FPGAは、Field−Programmable Gate Arrayの略記である。
【0048】
以下、探触子10について説明を加える。
図4は、探触子10の斜視図である。
図5は、探触子10をZ軸の正方向にて見た図(換言すると、底面図)である。
図6は、
図5のI−I線により表される平面により切断された探触子10の断面をX軸の負方向にて見た図である。
図7は、探触子10をY軸の正方向にて見た図(換言すると、左側面図)である。
図8は、探触子10をY軸の負方向にて見た図(換言すると、右側面図)である。
【0049】
図4乃至
図8に表されるように、探触子10は、筐体11と、音響隔離体12と、第1バッキング体13と、第1圧電素子14と、第1音響レンズ15と、第2バッキング体16と、第2圧電素子17と、第2音響レンズ18と、を備える。なお、探触子10は、音響隔離体12を備えなくてもよい。
【0050】
筐体11は、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、筐体11の底面は、X軸に沿って延びる短辺と、Y軸に沿って延びる長辺と、を有する長方形状を有する。
図6に表されるように、筐体11は、探触子10のうちの、Z軸の負方向側の端面EF0にて開口する収容空間11aを形成する。収容空間11aは、凹部、又は、底を有する穴と捉えられてもよい。
【0051】
収容空間11aは、Z軸に沿って延びる柱体形状を有する。本例では、収容空間11aの底面は、X軸に沿って延びる短辺と、Y軸に沿って延びる長辺と、を有する長方形状を有する。
【0052】
音響隔離体12は、超音波を遮断する材料からなる。本例では、音響隔離体12は、コルクからなる。なお、音響隔離体12は、樹脂(例えば、アクリル樹脂、エラストマー、ゴム、又は、エポキシ樹脂等)を主成分とする材料からなっていてもよい。音響隔離体12は、音響隔離壁と表されてもよい。
【0053】
図4乃至
図6に表されるように、音響隔離体12は、Y軸に直交する平板状である。音響隔離体12は、Y軸方向にて収容空間11aを見た場合に、収容空間11aと同じ形状を有する。音響隔離体12は、収容空間11aのうちのY軸方向における中央に位置する。
【0054】
音響隔離体12は、収容空間11aをY軸方向において分割する。本例では、音響隔離体12は、収容空間11aをY軸方向において等分する。これにより、音響隔離体12は、第1圧電素子14と第2圧電素子17との間の超音波の伝搬を遮断する。本例では、音響隔離体12は、遮断体に対応する。
【0055】
図6に表されるように、収容空間11aのうちの、音響隔離体12に対して、Y軸の負方向側の部分は、第1部分空間11a1と表される。収容空間11aのうちの、音響隔離体12に対して、Y軸の正方向側の部分は、第2部分空間11a2と表される。
【0056】
第1バッキング体13は、超音波を吸収する材料からなる。本例では、第1バッキング体13は、樹脂(例えば、エラストマー、ゴム、発泡シリコン、又は、エポキシ樹脂等)を主成分とする材料からなる。第1バッキング体13は、バッキング材と表されてもよい。
【0057】
図6に表されるように、第1バッキング体13は、第1部分空間11a1のうちの、第1圧電素子14に対して、Z軸の正方向側の部分を満たす。なお、探触子10は、第1バッキング体13を備えなくてもよい。この場合、第1部分空間11a1のうちの、第1圧電素子14に対して、Z軸の正方向側の部分は、空洞であってよい。
【0058】
図4乃至
図7に表されるように、第1圧電素子14は、Z軸に直交する平面と略平行な板状である。第1圧電素子14は、第1部分空間11a1のうちの、Z軸方向における中央部に位置する。
図5に表されるように、第1圧電素子14は、Z軸方向にて第1圧電素子14を見た場合に、Y軸に沿って延びる短辺と、X軸に沿って延びる長辺と、を有する長方形状を有するとともに、第1部分空間11a1の中央部に位置する。
【0059】
第1圧電素子14は、図示されない、圧電体、及び、2つの電極を備える。2つの電極は、第1圧電素子14のうちの、Z軸方向における2つの端面をそれぞれ形成する。圧電体は、2つの電極の間に位置する。本例では、圧電体は、0−3型のコンポジット圧電体である。なお、圧電体は、1−3型のコンポジット圧電体であってもよい。また、圧電体は、チタン酸ジルコン酸鉛(換言すると、PZT)からなっていてもよい。電極は、金属(例えば、金、白金、銀、銅、又は、クロム等)を主成分とする材料からなる。
【0060】
第1圧電素子14は、パルサ部51に接続される。第1圧電素子14は、パルサ部51から供給される駆動信号に応じて超音波を生成する。
図4乃至
図7に表されるように、第1圧電素子14のうちの、Z軸の負方向側の端面は、曲面を形成する。第1圧電素子14の形状については、後述する。
【0061】
第1音響レンズ15は、樹脂(例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、シリコーンゴム、又は、エポキシ樹脂等)を主成分とする材料からなる。なお、第1音響レンズ15は、金属(例えば、アルミニウム、又は、マグネシウム等)、合金(例えば、アルミニウム合金、又は、マグネシウム合金等)、又は、ガラスを主成分とする材料からなっていてもよい。
【0062】
図4及び
図6に表されるように、第1音響レンズ15は、第1圧電素子14のうちの、Z軸の負方向側の端面と接する。第1音響レンズ15は、第1部分空間11a1のうちの、第1圧電素子14に対して、Z軸の負方向側の部分を満たす。第1音響レンズ15は、遅延材、又は、整合層と表されてもよい。
【0063】
第2バッキング体16、第2圧電素子17、及び、第2音響レンズ18は、第1バッキング体13、第1圧電素子14、及び、第1音響レンズ15とそれぞれ同様に構成される。
図4乃至
図8に表されるように、第2バッキング体16、第2圧電素子17、及び、第2音響レンズ18は、音響隔離体12に対して、第1バッキング体13、第1圧電素子14、及び、第1音響レンズ15とそれぞれ面対称である。なお、探触子10は、第2バッキング体16を備えなくてもよい。この場合、第2部分空間11a2のうちの、第2圧電素子17に対して、Z軸の正方向側の部分は、空洞であってよい
【0064】
第2圧電素子17は、パルサ部51の代わりにレシーバ部52に接続される。第2圧電素子17は、第1圧電素子14により生成された超音波が管OBにて反射されることにより到来する反射波としての超音波に応じて検出信号を生成し、生成した検出信号をレシーバ部52へ出力する。
【0065】
なお、探触子10は、第1圧電素子14及び第2圧電素子17に代えて、超音波の生成と検出信号の生成とを行なう1つの圧電素子を備えていてもよい。
【0066】
次に、第1圧電素子14、第1音響レンズ15、第2圧電素子17、及び、第2音響レンズ18の形状について、
図9及び
図10を参照しながら説明を加える。
【0067】
図9の(A)は、
図5のII−II線により表される平面により切断された探触子10の断面をY軸の正方向にて見た図である。
図9の(B)は、
図5のI−I線により表される平面により切断された探触子10の断面をX軸の負方向にて見た図である。
図9の(C)及び
図10は、
図5のIII−III線により表される平面により切断された探触子10の断面をY軸の負方向にて見た図である。なお、
図10において、媒体MDの図示は、省略されている。
【0068】
第1音響レンズ15及び第2音響レンズ18のうちの、Z軸の正方向側の端面EF1は、第1端面と表される。第1音響レンズ15及び第2音響レンズ18のうちの、Z軸の負方向側の端面EF2は、第2端面と表される。
図9及び
図10に表されるように、第1端面EF1と第2端面EF2とは、互いに対向する。また、上述したように、第2端面EF2は、平面である。本例では、
図9及び
図10に表されるように、第2端面EF2が管OBの外表面WOと媒体MDを介して接している状態において、第2端面EF2と外表面WOとは、互いに略平行である。
【0069】
また、第1圧電素子14及び第2圧電素子17のうちの、Z軸の負方向側の端面EF3は、第3端面と表される。
図9及び
図10に表されるように、第1端面EF1は、第3端面EF3と接する。
【0070】
第1端面EF1及び第3端面EF3は、第2端面EF2が管OBの外表面WOと媒体MDを介して接している状態において、管OBのうちの外表面WOと内表面WIとの間の焦点位置FPと、第3端面EF3と、の間を超音波が伝搬するために要する伝搬時間が、第3端面EF3内の任意の位置間で互いに一致する形状を有する。
【0071】
本例では、伝搬時間は、超音波(本例では、縦波)が、第3端面EF3内の位置から、当該位置にて第3端面EF3に直交する方向(換言すると、当該位置における第3端面EF3の法線方向)へ伝搬するとともに、スネルの法則に従って伝搬することを想定することによって算出される。
【0072】
更に、
図10に表されるように、第1端面EF1及び第3端面EF3は、第1角度θが第2角度γよりも大きくなる形状を有する。
図10は、焦点位置FPが、管OBのうちの溶接に伴って生じた熱影響部HZ内の位置TP1に一致する場合を表す。
【0073】
第1角度θは、第2端面EF2が管OBの外表面WOと媒体MDを介して接している状態において、第3端面EF3内の第1基準位置RP1又は第2基準位置RP2と焦点位置FPとの間を超音波が伝搬する経路のうちの、管OBのうちの外表面WOと内表面WIとの間の部分と、所定の基準直線SLと、により形成される角度である。基準直線SLは、外表面WOに直交し、且つ、焦点位置FPを通る直線である。
図10に表されるように、第2角度γは、熱影響部HZと、基準直線SLと、により形成される角度である。
【0074】
第1基準位置RP1は、第1参照直線RL1が第3端面EF3と交わる位置である。第1参照直線RL1は、Z軸に沿って延びるとともに、第1部分空間11a1のうちの、X軸方向における中央であり、且つ、Y軸方向における中央である位置を通る。第2基準位置RP2は、第2参照直線RL2が第3端面EF3と交わる位置である。第2参照直線RL2は、Z軸に沿って延びるとともに、第2部分空間11a2のうちの、X軸方向における中央であり、且つ、Y軸方向における中央である位置を通る。
【0075】
従って、第1端面EF1及び第3端面EF3は、球面と異なる曲面(換言すると、非球面)を形成する。
【0076】
本例では、第1角度θは、略45度の角度(例えば、45度)である。なお、第1角度θは、15度乃至70度の角度であってもよい。本例では、第2角度γは、略10度の角度(例えば、10度)である。本例では、焦点位置FPと外表面WOとの間の距離は、略30mmの距離(例えば、30mm)である。なお、焦点位置FPと外表面WOとの間の距離は、5mm乃至60mmの距離であってもよい。
【0077】
次に、レシーバ部52による欠陥の検出について説明を加える。
上述したように、駆動制御部53は、探触子10の位置(換言すると、焦点位置FP)を、走査領域に含まれる複数の位置に順次に変更することにより走査領域を走査するように駆動装置20を制御する。パルサ部51は、探触子10の位置が変更される毎に、探触子10が超音波を生成するように駆動信号を探触子10へ供給する。
【0078】
レシーバ部52は、探触子10の位置が変更される毎に、探触子10から入力された検出信号が表す反射波の強度を、探触子10の位置と関連付けて記憶する。
【0079】
レシーバ部52は、走査領域の走査が完了した場合、記憶されている、反射波の強度及び探触子10の位置に基づいて強度閾値を決定する。本例では、レシーバ部52は、強度閾値以上の強度と関連付けられた位置の数を、走査領域に含まれる位置の総数により除した値が、所定の目標値(本例では、0.01)に一致するように、当該強度閾値を決定する。なお、目標値は、0.001乃至0.1の値であってもよい。
【0080】
この場合、レシーバ部52は、
図11に表されるような頻度分布を取得し、取得された頻度分布に基づいて強度閾値αを決定してもよい。頻度分布は、走査領域に含まれる複数の位置とそれぞれ関連付けられた、複数の反射波の強度に対する、強度毎に当該強度が出現する頻度を表す分布である。
【0081】
レシーバ部52は、走査領域に含まれる複数の位置のそれぞれに対して、当該位置と関連付けられた強度が、決定された強度閾値以上である場合、当該強度を第1強度に補正し、一方、当該位置と関連付けられた強度が、当該強度閾値よりも小さい場合、当該強度を第2強度に補正する。本例では、第1強度は、第2強度よりも大きい。第1強度及び第2強度は、予め定められる。
【0082】
第1強度及び第2強度は、走査領域に含まれる複数の位置のそれぞれにおける反射波の強度を表す画像を、モノクロに二値化処理した場合の、白及び黒にそれぞれ対応する2つの強度である。欠陥の有無を判定するためには、第1強度及び第2強度は、白及び黒にそれぞれ対応する2つの強度に限られず、何らかの(予め定められた)2つの強度であればよい。当該画像は、焦点位置からの反射波の最大振幅に基づいて生成される。
【0083】
本例では、第1強度は、欠陥が存在する確率が相対的に高いことに対応し、且つ、第2の強度は、欠陥が存在する確率が相対的に低い(換言すると、結晶粒界等の健全な金属組織部が相対的に多く存在する)ことに対応する。例えば、欠陥は、鋼との間のインピーダンスの差が比較的大きい、数μm以下のボイドを含む。
【0084】
レシーバ部52は、補正された強度に基づいて第1強度領域の数を検出し、検出された第1強度領域の数に基づいて、管OBの欠陥を検出する。本例では、第1強度領域は、補正された強度が第1強度である位置が連続する領域であり、且つ、当該領域の面積が所定の面積閾値以上である領域である。
【0085】
本例では、レシーバ部52は、検出された第1強度領域の数を走査領域の面積により除した値である領域数が、予め定められた領域数閾値よりも大きい場合、管OBに欠陥が存在することを検出し、一方、当該領域数が当該領域数閾値以下である場合、管OBに欠陥が存在しないことを検出する。
【0086】
図12は、補正された強度を、走査領域に含まれる複数の位置のそれぞれと関連付けて表す。
図12の(A)における第1強度領域の数と、
図12の(B)における第1強度領域の数と、は等しい。従って、第1強度領域の数に基づいて欠陥を検出した場合、
図12の(B)に表される強度に対して欠陥が検出される確率は、
図12の(A)に表される強度に対して欠陥が検出される確率と等しい。しかしながら、
図12の(B)に表される強度が検出された管OBは、
図12の(A)に表される強度が検出された管OBよりも多くの欠陥を有する確率が高い。
【0087】
そこで、レシーバ部52は、第1強度領域の数に代えて、第1強度領域の面積に基づいて欠陥の検出を行なってもよい。この場合、レシーバ部52は、第1強度領域の面積を検出し、検出された面積に基づいて、管OBの欠陥を検出する。例えば、レシーバ部52は、検出された第1強度領域の面積を、走査領域の面積により除した値である面積率が、予め定められた面積率閾値よりも大きい場合、管OBに欠陥が存在することを検出し、一方、当該面積率が当該面積率閾値以下である場合、管OBに欠陥が存在しないことを検出する。
【0088】
また、レシーバ部52は、第1強度領域の数と、第1強度領域の面積と、の両方に基づいて欠陥の検出を行なってもよい。
【0089】
(動作)
次に、探傷装置1の動作について説明する。
先ず、探傷装置1のユーザは、支持体30を管OBの外表面WOに固定する。これにより、支持体30は、探触子10のうちのZ軸の負方向側の端面EF0と、管OBの外表面WOと、の間の距離が、予め定められたギャップ距離に一致するように駆動装置20を支持する。
【0090】
更に、探傷装置1のユーザは、探触子10のうちのZ軸の負方向側の端面EF0と、管OBの外表面WOと、の間の空間に媒体MDを満たす。これにより、第1音響レンズ15及び第2音響レンズ18のうちのZ軸の負方向側の端面である第2端面EF2は、管OBの外表面WOと媒体MDを介して接する。
【0091】
次いで、駆動制御部53は、探触子10の位置を、走査領域に含まれる複数の位置に順次に変更することにより走査領域を走査するように駆動装置20を制御する。これにより、探触子10の位置は、走査領域に含まれる複数の位置に順次に変更される。この結果、焦点位置FPは、走査領域に含まれる複数の位置にそれぞれ対応する複数の位置に順次に変更される。
【0092】
パルサ部51は、探触子10の位置が変更される毎に、探触子10が超音波を生成するように駆動信号を探触子10へ供給する。これにより、探触子10の第1圧電素子14は、パルサ部51から供給される駆動信号に応じて超音波を生成する。
【0093】
更に、探触子10の第2圧電素子17は、第1圧電素子14により生成された超音波が管OBにて反射されることにより到来する反射波としての超音波に応じて検出信号を生成し、生成した検出信号をレシーバ部52へ出力する。これにより、レシーバ部52は、探触子10の位置が変更される毎に、探触子10から入力された検出信号が表す反射波の強度を、探触子10の位置と関連付けて記憶する。
【0094】
次いで、レシーバ部52は、走査領域の走査が完了した場合、記憶されている、反射波の強度及び探触子10の位置に基づいて強度閾値を決定する。
【0095】
そして、レシーバ部52は、走査領域に含まれる複数の位置のそれぞれに対して、当該位置と関連付けられた強度が、決定された強度閾値以上である場合、当該強度を第1強度に補正し、一方、当該位置と関連付けられた強度が、当該強度閾値よりも小さい場合、当該強度を第2強度に補正する。
【0096】
次いで、レシーバ部52は、補正された強度に基づいて第1強度領域の数を検出し、検出された第1強度領域の数に基づいて、管OBの欠陥を検出する。
【0097】
以上、説明したように、第1実施形態の探傷装置1の探触子10は、第1音響レンズ15及び第2音響レンズ18を有する。第1音響レンズ15及び第2音響レンズ18は、互いに対向する第1端面EF1及び第2端面EF2を有する。第1端面EF1は、第1圧電素子14及び第2圧電素子17が有する第3端面EF3と接する。
【0098】
第3端面EF3は、第2端面EF2が管OBの外表面WOと媒体MDを介して接している状態において、外表面WOと内表面WIとの間の焦点位置FPと、第3端面EF3と、の間を超音波が伝搬するために要する伝搬時間が、第3端面EF3内の任意の位置間で互いに一致する形状を有する。
【0099】
第3端面EF3が上記形状を有するので、第1音響レンズ15及び第2音響レンズ18の第2端面EF2が管OBの外表面WOと媒体MDを介して接している状態において、第1圧電素子14及び第2圧電素子17の第3端面EF3内の任意の位置にて生成された超音波が同一のタイミングにて焦点位置FPに到達できる。これにより、比較的低い周波数の超音波を用いても、空間分解能を十分に高めることができる。換言すると、超音波の周波数を低くすることができるので、十分に大きい強度の超音波を、管OBのうちの外表面WOと内表面WIとの間の比較的深い位置に到達させることができる。この結果、管OBの欠陥を十分に高い精度にて検出できる。
【0100】
更に、第3端面EF3は、第2端面EF2が管OBの外表面WOと媒体MDを介して接している状態において、第3端面EF3内の第1基準位置RP1又は第2基準位置RP2と焦点位置FPとの間を超音波が伝搬する経路のうちの、外表面WOと内表面WIとの間の部分と、外表面WOに直交し且つ焦点位置FPを通る基準直線SLと、により形成される第1角度θが、管OBのうちの溶接に伴って生じた熱影響部HZと、基準直線SLと、により形成される第2角度γよりも大きくなる形状を有する。
【0101】
第3端面EF3が上記形状を有するので、超音波が熱影響部HZにて伝搬する距離を短縮できる。この結果、管OBのうちの外表面WOと内表面WIとの間の目標位置(換言すると、焦点位置FP)にて反射された超音波に対する雑音を抑制できる。従って、管OBの欠陥を十分に高い精度にて検出できる。
【0102】
更に、第1実施形態の探傷装置1において、超音波は、中心の周波数が略10MHzである帯域を有する。
【0103】
本発明の発明者らは、試行の結果、中心の周波数が略10MHzである帯域を有する超音波を用いることにより、管OBのうちの外表面WOと内表面WIとの間の比較的深い位置において空間分解能を十分に高めることができることを見出した。従って、探傷装置1によれば、タイプIVの欠陥のように、管OBのうちの外表面WOと内表面WIとの間の比較的深くに位置する微小な欠陥を十分に高い精度にて検出できる。
【0104】
更に、第1実施形態の探傷装置1において、第1角度θは、略45度である。
【0105】
第2角度γは、5度乃至20度であることが多い。従って、探傷装置1によれば、超音波が熱影響部HZにて伝搬する距離を短縮できる。この結果、管OBのうちの外表面WOと内表面WIとの間の目標位置(換言すると、焦点位置FP)にて反射された超音波に対する雑音を抑制できる。従って、管OBの欠陥を十分に高い精度にて検出できる。
【0106】
更に、第1実施形態の探傷装置1において、焦点位置FPと外表面WOとの間の距離は、略30mmである。
【0107】
タイプIVの欠陥は、管OBの外表面WOからの距離が30mmである位置に生じることがある。従って、探傷装置1によれば、タイプIVの欠陥を十分に高い精度にて検出できる。
【0108】
更に、第1実施形態の探傷装置1において、第2端面EF2は、平面である。加えて、第2端面EF2が管OBの外表面WOと媒体MDを介して接している状態において、第2端面EF2と外表面WOとは、互いに略平行である。
【0109】
これによれば、探触子10を管OBの外表面WOに平行な方向にて移動させることにより、焦点位置FPと当該外表面WOとの間の距離を一定に維持しながら、焦点位置FPを移動させることができる。これにより、管OBの外表面WOからの距離が同一である複数の位置における反射波を検出できる。この結果、管OBの欠陥を十分に高い精度にて検出できる。
【0110】
更に、第1実施形態の探傷装置1は、探触子10の、外表面WOに平行な方向における位置を略1μmのピッチ距離毎に変更可能な駆動装置20を備える。
【0111】
探触子10が管OBの外表面WOに平行な方向にて移動可能な距離の最小値(換言すると、ピッチ距離)が管OBの欠陥の大きさに対して大き過ぎると、当該欠陥を検出できない虞がある。これに対し、探傷装置1においては、ピッチ距離が管OBの欠陥の大きさに対して十分に小さい。従って、管OBの欠陥を十分に高い精度にて検出できる。
【0112】
更に、第1実施形態の探傷装置1において、制御回路50は、反射波の強度が、所定の閾値以上である場合、当該強度を第1強度に補正し、一方、反射波の強度が当該閾値よりも小さい場合、当該強度を第2強度に補正し、補正された強度に基づいて管OBの欠陥を検出する。
【0113】
タイプIVの欠陥における反射波の強度は、タイプIVの欠陥と異なる要因に基づく反射波の強度よりも大きくなりやすい。従って、探傷装置1によれば、タイプIVの欠陥を十分に高い精度にて検出できる。
【0114】
更に、第1実施形態の探傷装置1において、制御回路50は、焦点位置FPが互いに異なる複数の位置のそれぞれに一致するように探触子10が移動することにより生成された、当該複数の位置のそれぞれに対する検出信号に基づいて、補正された強度が第1強度である領域の数を検出し、当該領域の数に基づいて管OBの欠陥を検出する。
【0115】
反射波の強度が閾値以上である領域の数は、管OBの欠陥を反映しやすい。従って、探傷装置1によれば、管OBの欠陥を高い精度にて検出できる。
【0116】
更に、第1実施形態の探傷装置1は、超音波を生成する第1圧電素子14と、検出信号を生成する第2圧電素子17と、を備える。
【0117】
圧電素子の入力インピーダンスが、制御回路の出力インピーダンスに対して小さくなり過ぎると、十分に大きい強度の超音波を生成できない虞がある。これに対し、探傷装置1によれば、超音波の生成と検出信号の生成とを行なう1つの圧電素子を探触子が有する場合よりも、第1圧電素子14の入力インピーダンスを大きくすることができる。これにより、第1圧電素子14の入力インピーダンスを、制御回路50の出力インピーダンスに近づけることができる。この結果、生成される超音波の強度を十分に大きくすることができる。
【0118】
更に、第1実施形態の探傷装置1において、第1圧電素子14は、0−3型のコンポジット圧電体を含む。
【0119】
これによれば、圧電素子が、例えば、1−3型のコンポジット圧電体を含む場合よりも、第1圧電素子14の入力インピーダンスを大きくすることができる。これにより、第1圧電素子14の入力インピーダンスを、制御回路50の出力インピーダンスに近づけることができる。この結果、生成される超音波の強度を十分に大きくすることができる。
【0120】
更に、第1実施形態の変形例の探傷装置1において、制御回路50は、焦点位置FPが互いに異なる複数の位置のそれぞれに一致するように探触子10が移動することにより生成された、当該複数の位置のそれぞれに対する検出信号に基づいて、補正された強度が第1強度である領域の面積を検出し、当該面積に基づいて管OBの欠陥を検出する。
【0121】
反射波の強度が閾値以上である領域の面積は、管OBの欠陥を反映しやすい。従って、探傷装置1によれば、管OBの欠陥を高い精度にて検出できる。
【0122】
図13は、
図10に表される母材部内の位置TP2に焦点位置FPが一致する場合と、
図10に表される熱影響部HZ内の位置TP1に焦点位置FPが一致する場合と、のそれぞれにおいて、第1実施形態のレシーバ部52により取得された領域数[個/mm
2]を表す。同様に、
図13は、
図10に表される母材部内の位置TP2に焦点位置FPが一致する場合と、
図10に表される熱影響部HZ内の位置TP1に焦点位置FPが一致する場合と、のそれぞれにおいて、第1実施形態の変形例のレシーバ部52により取得された面積率[%]を表す。
【0123】
更に、
図13は、管OBを切断した後に、管OBの切断面を研磨し、研磨後の切断面における位置TP1及び位置TP2にて、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定したボイド個数密度[個/mm
2]を表す。ボイド個数密度は、単位面積あたりのボイドの数を表す。
なお、
図13に係る管OBにおける第2角度γは、10度であり、且つ、
図13に係る探触子10における第1角度θは、30度である。
【0124】
図13に表されるように、探傷装置1によれば、管OBのうちの外表面WOと内表面WIとの間の比較的深くに位置する微小な欠陥を十分に高い精度にて検出できる。ボイド個数密度は、高損傷材において、1000[個/mm
2]程度まで達することがある。従って、
図13の熱影響部におけるボイド個数密度である135.33[個/mm
2]は、低損傷材に相当する値であると言える。このように、探傷装置1によれば、低損傷材に相当する管OBにおいても、微小な欠陥を十分に検出できる。
【0125】
なお、上述した実施形態においては、探傷装置1は、長手溶接により形成された管OBの欠陥を検出するために用いられている。ところで、探傷装置1は、周溶接により形成された管OBの欠陥を検出するために用いられてもよい。
図14に表されるように、周溶接は、管OBの中心軸CAに対する周方向に沿った溶接である。
図14は、管OBの中心軸CAを含む平面により管OBを切断した断面を表す。
【0126】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。