(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
貯蔵容器内の液体を、加圧により供給管を通して注出装置へ供給して冷却を行い、上記注出装置から飲用容器へ注出する液体供給システムに付加可能な液体品質管理装置であって、
上記注出装置に設置され、上記注出装置に対して配置した飲用容器の温度を非接触にて連続して検出する温度センサと、該温度センサと電気的に接続され上記飲用容器の温度を求める温度判断部と、を備え、
上記温度センサは、さらに上記飲用容器内へ注出された液体の温度も非接触にて連続して検出し、
上記温度判断部は、上記温度センサが連続して送出する検出温度情報において、トリガー情報の供給後の検出温度情報を飲用容器内の液体の温度と判断し、上記トリガー情報の供給前の検出温度情報を飲用容器の温度と判断する、
ことを特徴とする液体品質管理装置。
上記供給管に設置され、上記注出装置から液体の注出を停止する流体ストッパ装置を有する流体流路調整装置と、上記温度判断部と電気的に接続され、かつ通信回線と情報の送受信を行う送受信部と、上記送受信部及び上記流体流路調整装置と電気的に接続され、送受信部に供給された情報により上記流体ストッパ装置の作動を制御する制御部と、をさらに備えた、請求項1から4、6、7のいずれかに記載の液体品質管理装置。
上記注出装置に取り付け可能であり、該注出装置の注出口に対して飲用容器を載置する載置部材を有し、かつ載置部材に載置した飲用容器へ自動で液体注出を実行する変換装置をさらに備えた、請求項1から10のいずれかに記載の液体品質管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態である液体品質管理装置について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において、同一又は同様の構成部分については同じ符号を付している。また、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け当業者の理解を容易にするため、既によく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。また、以下の説明及び添付図面の内容は、特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0011】
以下に説明する実施形態における液体品質管理装置は、
図1に示すように、既存の液体供給システム70に対して付加可能な、つまり電気的に及び機械的に接続可能な、液体品質管理装置101である。本実施形態では、1セットの液体供給システム70に対して1台の液体品質管理装置101を取り付けている。
【0012】
本実施形態では、扱う液体の一例としてビールを例に採るが、液体はビールに限定するものではなく、発泡酒、リキュール、チューハイ、ウイスキー、ワイン等のアルコール飲料、飲料水、清涼飲料、炭酸飲料などであってもよい。
【0013】
ここで液体供給システム70は、貯蔵容器10と、加圧源15と、供給管30と、注出装置50とを有し、貯蔵容器10内の液体(上述のように実施形態ではビール)20を、加圧源15による加圧によって供給管30を通して注出装置50へ供給つまり圧送し、注出装置50から飲用容器(例えばジョッキ)40へ注ぎ出すシステムである。ここで貯蔵容器10は、実施形態では、ビールメーカーにてビールが充填された、いわゆるビール樽と呼ばれるステンレス製容器であり、例えば5L、10L、19L等の内容量のものがある。加圧源15は、炭酸ガスボンベである。供給管30は、貯蔵容器10と注出装置50との間でビールの通液を可能にする、可撓性を有する例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル等製の樹脂チューブである。後述するように、供給管30には、液体品質管理装置101に含まれる機器が取り付けられる。また、供給管30から注出装置50における液体注出口54に至るまで、流体の通液管路の内径は、スポンジ洗浄が容易なように全て同寸法にて設計されているのが好ましい。
【0014】
上述の注出装置50の一例として、本実施形態ではビールディスペンサー(「ビールサーバー」と称されることもある。)を例に採り説明を行う(よって以下では、ビールディスペンサー50と記す場合もある。)。上で既に説明したように、ビールディスペンサー50は、冷却槽51内に配置した液体冷却管(実施形態ではビール冷却管)52、冷凍機53、及び液体注出口54
(以下単に、「注出口54」と記す場合もある。)を有し、冷却槽51内の冷却水55の一部を冷凍機53にて氷結させ、該冷却水55にてビール冷却管52内を通過する液体(ビール)20の冷却を行う。加圧源15にて圧送されるビール20は、注出口54におけるレバー56の操作によりビール冷却管52内を通過し冷却され、例えばジョッキ等の飲用容器40へ注出されて、顧客に提供される。
【0015】
尚、ビールディスペンサー50は、一般には、外気温度が5℃以上、40℃以下である環境にて使用される。また、注出装置50が扱う液体はビールに限定されず、上述の飲料水等であってもよい。また、実施形態では、ビールディスペンサー50は、対象液体であるビールの冷却も行うが、実施形態に含まれる注出装置50は、対象液体を加熱あるいは保温するものであってもよい。
【0016】
以下では、本実施形態における液体品質管理装置101について、詳しく説明する。
液体品質管理装置101は、注出装置50からの液体20が注がれる飲用容器40の温度を測定して、提供する液体20の温度品質管理を行う装置であり、基本構成として
図1に示すように、温度センサ120と、温度判断部130とを有する。さらにまた液体品質管理装置101は、
図2に示すように、流量センサ111、警告部140、送受信部150、制御部160、流体流路調整装置170、変換装置180、及び飲用容器配置センサ190を備えることができる。
図2の構成において液体品質管理装置101は、少なくとも飲用容器40の温度を、さらに、飲用容器40の温度及び飲用容器40内の液体20の温度を測定して、提供する液体20の温度品質管理を行う。また液体品質管理装置101は、飲用容器40内の液体20の温度のみを測定して、提供する液体20の温度品質管理を行うこともできる。
これらの構成部分について、以下に順次説明を行う。
【0017】
温度センサ120は、注出装置50の注出口54に対して配置した飲用容器40の温度を、飲用容器40に非接触な状態で検知するセンサである。ここで、注出口54に対する飲用容器40の配置は、人が飲用容器40を保持している状態で配置される場合、あるいは、詳細後述する変換装置180を有した形態では、載置部材181に載置された状態で配置される場合(
図5)がある。以下では、主として人が飲用容器40を保持している状態で配置する場合を例に採り説明を行う。
【0018】
このような温度センサ120として、例えば、いわゆるサーモパイル、赤外線アレイセンサ等の市販の非接触型温度センサが利用可能である。サーモパイルは、対象物が放射する赤外あるいは可視光によって対象物の温度を計測するセンサであり、検出範囲に対する指向性を向上させるための工夫、例えばレンズ等を含む機構等を追加して使用するのが好ましい。赤外線アレイセンサは、平面に格子状に配置した複数の測温素子を有したサーモパイルセンサであり、これらの測温素子のうち飲用容器40の検出範囲に対応した領域における測温素子が赤外線を感知して、飲用容器40の温度を計測する。いずれの温度センサ120においても、飲用容器40における測温場所は、以下に説明するようにトリガー情報となる温度変化が顕著に表れる場所が好ましく、一例として飲用容器40の内側底部を目標にするのが好ましい。
【0019】
また、温度センサ120には、液体20がかかる等の事象が考えられることから、例えばセンサ表面の汚れ防止対策等を施すのが好ましい。
【0020】
注出装置50における温度センサ120の設置位置は、特に限定しないが、測温対象物に近い注出口54あるいはその付近が好ましい。
またこのような温度センサ120は、本実施形態では、測温動作実行をオンオフするのではなく、常時、連続して温度検出を実行する。よって温度センサ120は、液体注出前における空の飲用容器40自体の温度を検出するだけでなく、配置された飲用容器40へ注出中の液体20の温度、さらに該飲用容器40に注出後の液体20の温度も検出することができる。
【0021】
次に、温度判断部130について説明する。
温度判断部130は、温度センサ120と電気的に接続され、温度センサ120から得られる検出温度情報を基に、少なくとも注出装置50の注出口54に対して配置された飲用容器40の温度を求める。後述するように、温度判断部130は、さらに飲用容器40内の液体20の温度、並びに、飲用容器40の温度及び飲用容器40内の液体20の温度も求めることができる。
詳しく説明すると、温度判断部130は、温度センサ120が連続して送出する検出温度情報のうち、トリガー情報が供給された後の検出温度情報を飲用容器40内の液体20の温度と判断し、トリガー情報の供給前における検出温度情報を飲用容器40の温度と判断する。ここでトリガー情報としては、温度センサ120から供給される検出温度情報における瞬間的な温度上昇情報、温度下降情報、さらには流量センサ111から得られる、液体20が流れたことを示す検知信号が利用可能である。
【0022】
図3Aから
図3Cを参照して具体的に説明する。注出装置50から注出される液体20の温度としては、例えばビールディスペンサー50から注出される冷却されたビール20の場合には約5℃である。これに対して飲用容器40の温度は、例えば、飲用容器40が室温環境に置かれている場合には、ほぼ室温Rと同じ温度であり、飲用容器40が冷蔵庫内に収納されている場合には冷蔵庫内温度C、例えば約2℃程度の温度である。
【0023】
よって、室温と同程度の温度Rの飲用容器40が注出装置50の注出口54に対して配置された状態では、連続検出している温度センサ120は、
図3Aに示すように、計測済の室温Rと同程度にある、飲用容器40の温度Rを検出する。
次に、時刻t0にて、冷却された液体20が注出口54から飲用容器40内へ注出されると、温度センサ120は、飲用容器40へ注出された液体20の温度L1を検出する。このように、注出装置50から注出される液体20の温度に対して飲用容器40の温度Rが高い場合には、温度センサ120は、連続して送出している検出温度情報において、瞬間的な温度下降情報を提供することができる。
【0024】
温度センサ120から検出温度情報が供給される温度判断部130は、この現象を利用して、瞬間的な温度下降情報をトリガー情報とする。そして、温度下降情報が供給された時刻t0よりもΔt時間前における時刻t−1における、温度センサ120からの検出温度情報を飲用容器40の温度と判断し、時刻t0よりもΔt時間後における時刻t+1における、温度センサ120からの検出温度情報を飲用容器40内の液体温度と判断する。
この例では、空の飲用容器40は温度Rを有し、注出後の、飲用容器40内の液体20は、温度L1を有すると判断できる。
ここで、Δt時間としては、一例として1秒から5秒程度の範囲であり、以下の各例においても同時間である。
【0025】
一方、冷蔵庫内温度、例えば約2℃、と同程度の温度Cの飲用容器40が注出装置50の注出口54に対して配置される場合について説明する。この場合、
図3Bに示すように、連続検出している温度センサ120は、まず室温に相当する温度Rを検出しており、飲用容器40の配置に伴い、冷却された飲用容器40の温度Cを検出する。よって、温度センサ120は、瞬間的な温度下降情報を送出する。
次に、時刻t0にて、上述のように一例として約5℃に冷却された液体20が注出口54から飲用容器40内へ注出されると、温度センサ120は、飲用容器40へ注出された液体20の温度L2を検出する。このように、飲用容器40の温度Cに対して飲用容器40内の液体温度L2が高い場合には、温度センサ120は、連続して送出している検出温度情報において、瞬間的な温度上昇情報を提供することができる。
【0026】
このように
図3Bの例では、温度判断部130は、温度下降情報及び温度上昇情報の2回のトリガー情報を得ることになる。そこで、
図3Aの場合も含めて、温度判断部130は、1回目のトリガー情報の供給を起点として留保時間Tを有している。そして、留保時間T内に2回目のトリガー情報の供給を受けた場合には、温度判断部130は、2回目の供給をトリガー情報と判断する。
【0027】
したがって
図3Bの例の場合、温度判断部130は、留保時間T内における2回目の瞬間的な温度上昇情報がトリガー情報であると判断する。そして温度判断部130は、
図3Aの場合と同様に、この温度上昇情報が供給された時刻t0よりもΔt時間前における時刻t−1における、温度センサ120からの検出温度情報を飲用容器40の温度と判断し、時刻t0よりもΔt時間後における時刻t+1における、温度センサ120からの検出温度情報を飲用容器40内の液体温度と判断する。
この例では、空の飲用容器40は温度Cを有し、注出後の、飲用容器40内の液体20は、温度L2を有すると判断できる。
【0028】
さらにまた、飲用容器40の温度と、注出装置50から注出される液体20の温度とが等しい、あるいは顕著な差がない場合もあり得る。この場合、以下のように温度判断部130は、判断する。
図3Cに示すように、飲用容器40の温度と液体20の温度と顕著な差がないことから、
図3Cの例では、
図3A及び
図3Bの場合のように検出温度情報の変化をトリガー情報として利用することはできない。
そこで、温度判断部130は、
図2に示す流量センサ111で検知される、供給管30を液体20が流れたことを示す注出開始情報をトリガー情報として利用する。
【0029】
流量センサ111は、実施形態では、貯蔵容器10の出口と注出装置50との間の適所において、供給管30を通過するビールを挟むように設置されている。尚、設置位置はこれに限定されず、例えば注出装置50における供給管30に取り付けられてもよい。流量センサ111として、本実施形態では超音波センサを用いる。
【0030】
このような流量センサ111を利用して、温度判断部130は、注出開始情報が供給された時刻t0よりもΔt時間前における時刻t−1における、温度センサ120からの検出温度情報を飲用容器40の温度と判断し、時刻t0よりもΔt時間後における時刻t+1における、温度センサ120からの検出温度情報を飲用容器40内の液体温度と判断する。またこのとき、上述の留保時間Tを適用することができる。
【0031】
また、温度判断部130は、温度センサ120及び流量センサ111の両方からの情報をトリガー情報として利用してもよい。
また、温度判断部130は、入力部132を有することができ、入力部132を用いて、例えば、上述のΔt時間、及び留保時間T等の値を入力することができる。またこれらの値は、後述する送受信部150を介して外部から入力、制御することもできる。
【0032】
また、温度判断部130は、時刻情報を生成する時間情報生成部131を有してもよい。ここで時間情報生成部131は、月日時分の時刻情報を生成する。したがって温度判断部130は、上述のように求めた、少なくとも飲用容器40の温度に対して、さらに、飲用容器40の温度及び飲用容器40内の液体20の温度に対して、月日時分の時刻情報を付加することができる。また、温度判断部130は、飲用容器40内の液体20の温度のみに対して月日時分の時刻情報を付加することもできる。
【0033】
また本実施形態では、時刻t−1及び時刻t+1を求めるためのΔt時間は、同じ時間に設定しているが、異ならせてもよい。例えば、飲用容器40内の液体温度を判断する時刻t+1は、時刻t0に対して、飲用容器40の温度を判断する時刻t−1よりも長く設定してもよい。
【0034】
また、温度判断部130は、求めた飲用容器40の温度及び飲用容器40内の液体20の温度について既定値との比較を行う比較部133を有してもよい。ここでの比較は、飲用容器40の温度、飲用容器40及び飲用容器40内の液体20の温度、並びに、飲用容器40内の液体20の温度のうち、少なくとも飲用容器40の温度について行う。尚、既定値は、飲用容器40、液体20に対応した異なる値である。
【0035】
説明した温度判断部130は、実際にはコンピュータを用いて実現され、上述の、温度センサ120及び流量センサ111、時間情報生成部131、さらには以下に説明する警告部140等の他の構成部分との関連動作を含めて、それぞれの機能に対応するソフトウェアと、これらを実行するためのCPU(中央演算処理装置)及びメモリ等のハードウェアから構成されている。尚、上記コンピュータは、実際には当該液体品質管理装置101に組み込まれたマイクロコンピュータに相当するのが好ましいが、スタンドアロン型のパーソナルコンピュータを用いることもできる。
【0036】
次に、飲用容器配置センサ190について説明する。
上述したように、注出口54に対する飲用容器40の配置は、人が飲用容器40を保持している場合もある。この場合、飲用容器40は、注出口54に近接して配置されるものの、温度センサ120の温度検出範囲に対して飲用容器40の位置にはバラツキが生じる。
そこで、液体品質管理装置101は、注出口54に対する飲用容器40の配置を検知する飲用容器配置センサ190を有することができ、飲用容器配置センサ190は、温度センサ120の温度検出範囲に対して飲用容器40が適正位置に配置されるように、飲用容器40の位置を検知する。このような飲用容器配置センサ190として、例えば、画像処理センサ、赤外線側距離センサ等を使用することができる。
【0037】
また、飲用容器配置センサ190を使用することなく、注出装置50における注出口54付近等の箇所に、飲用容器40を物理的に、ガイドするあるいは位置決めするための部品等を設けてもよい。
【0038】
飲用容器配置センサ190は、温度判断部130と電気的に接続でき、温度判断部130は、飲用容器配置センサ190の検知情報を基に、温度センサ120の温度検出範囲に対して飲用容器40が適正位置か否かの判断を行う。そして、例えば、飲用容器40が適正位置に配置されている状態において、上述したように、飲用容器40の温度、飲用容器40及び飲用容器40内の液体20の温度、並びに、飲用容器40内の液体20の温度のうち、少なくとも飲用容器40の温度を求めるようにしてもよい。あるいはまた、例えば、適正位置か否かの判断に対応して、緑、赤等の色表示を行い、飲用容器40を保持しているスタッフへの注意を喚起してもよい。
【0039】
また温度判断部130には、警告部140を電気的に接続することもできる。警告部140は、温度判断部130が求めた、飲用容器40の温度、飲用容器40及び飲用容器40内の液体20の温度、並びに、飲用容器40内の液体20の温度のうち、少なくとも飲用容器40の温度が既定値を超えたときには、その旨を示す警告情報を生成する。
この警告部140には、上記警告情報を可視的に表示する表示装置141が接続されていてもよい。
【0040】
さらにまた、温度判断部130には、通信回線210と情報の送受信を行う送受信部150を電気的に接続することもできる。送受信部150は、温度判断部130で求めた飲用容器40の温度、飲用容器40及び飲用容器40内の液体20の温度、並びに、飲用容器40内の液体20の温度のうち、少なくとも飲用容器40の温度を通信回線210へ送信する。また、送受信部150は、通信回線210から受信した情報を温度判断部130へ供給することもできる。また、送受信部150は、警告部140で生成された警告情報を通信回線210へ送信することもできる。このとき、温度判断部130にて付加された月日時分の時刻情報と共に送信してもよい。
【0041】
また、通信回線210を介して送受信部150にて受信した情報を温度判断部130へ供給することもできる。例えば、入力部132を用いて入力する代わりに、上述のΔt時間、及び留保時間Tの値を送受信部150から入力することもできる。
【0042】
次に、
図2に示す流体流路調整装置170について、
図4Aから
図4Dを参照して説明する。
流体流路調整装置170は、本願出願人による例えば特許5649801号に開示されるような装置であり、供給管30に設置されて、液体注出口54から飲用容器40へのビール(液体20)注出中に、貯蔵容器10内のビールが無くなったとき(貯蔵容器10が空になったとき)、また貯蔵容器10を交換する際に、注出装置50の液体注出口54から加圧気体である炭酸ガスが噴出するのを防止する装置である。
【0043】
このような炭酸ガスの噴出防止を行うため、流体流路調整装置170は、流体ストッパ装置1710及び検出部1720を有している。検出部1720は、
図4A及び
図4Bに示すように、発光素子1721及び受光素子1722、並びに液体状態判断部1723を有する。発光素子1721及び受光素子1722は、流体流路調整装置170内の樹脂製の供給管30を挟むように配置された筐体1724に、供給管30を通過するビールを隔てて対向して位置する。発光素子1721は赤外光を照射し、受光素子1722は、照射された赤外光を受光する。発光素子1721及び受光素子1722は、通過するビールの状態を検知する液体状態判断部1723に電気的に接続されている。即ち、発光素子1721から受光素子1722へ進む光は、供給管30を通過する物体が液体、気体、又はその混合物であるかによって、屈折率が相違する。よって受光素子1722における受光量は、供給管30を通過する物体によって変化する。液体状態判断部1723は、受光量の変化を検知し、通過物体が気体になったときには、流体ストッパ装置1710を作動させる。
【0044】
流体ストッパ装置1710は、
図4C及び
図4Dに示すように、一構成例としてループ状に配置した供給管30、及び供給管30を保持した保持部を移動させる移動機構1711を有し、液体状態判断部1723の制御により移動機構1711が供給管30を矢印方向に移動することで、供給管30を屈曲させ押し潰すことで流路の遮断を行う。尚、流路遮断された供給管30は、移動機構1711にて復帰する。
【0045】
また、制御部160を介して流体流路調整装置170と送受信部150とを電気的に接続してもよい。このように構成することで、通信回線210を介して送受信部150にて受信した情報にて、制御部160は、例えば、流体ストッパ装置1710の移動機構1711の作動を制御することも可能である。例えば、警告部140にて上記警告情報が生成されたとき、つまり、温度判断部130で求めた飲用容器40の温度、飲用容器40及び飲用容器40内の液体20の温度、並びに、飲用容器40内の液体20の温度のうち、少なくとも飲用容器40の温度が対応の既定値を超えたときには、後述の分析装置200からの指示を受けて制御部160は、移動機構1711を作動させて液体20の注出を停止させてもよい。
【0046】
次に、
図2に示す変換装置180について説明する。
図1に示すような注出装置50は、注出口54におけるレバー56を人が操作して液体20を飲用容器40へ注出するタイプである。変換装置180は、このような手動の注出装置50に取り付けて、自動で、注出口54から液体20を飲用容器40へ注出するように変換する装置である。このような変換装置180は、本願出願人によって既に提案され(例えば特許第6180916号、特許第6227394号)、販売されている。具体的には、変換装置180は、
図5に示すように、手動のレバー56を有する手動タイプの注出装置50に対して、当該注出装置50には加工を施すことなく装着が可能である。また、このような変換装置180は、注出口54に対して飲用容器40を載置する載置部材181を有しており、操作者は、載置部材181に飲用容器40を載せ、当該変換装置180に備わる操作ボタンを押下するだけで、変換装置180がレバー56を操作して自動的に液体20を飲用容器40へ注ぐように構成されている。
【0047】
このような変換装置180を装着した注出装置50にあっては、載置部材181において飲用容器40の位置決めが可能となる。よって、温度センサ120に対する飲用容器40の位置ずれが比較的少なくなり、温度センサ120による温度検知精度の向上が図れる。また、上述した飲用容器配置センサ190を設置する必要もなくなる。
【0048】
以上説明した構成を有する、実施形態の液体品質管理装置101の動作について、簡単に説明する。
液体供給システム70では、既に説明したように、注出装置(ビールディスペンサー)50におけるレバー56の店スタッフによる操作により、液体(ビール)20が飲用容器40に注出される。このとき、液体20は、液体冷却管52の通過時に冷却水55との熱交換によって冷却され注出される。温度上昇した冷却水55は、注出装置50内の冷凍機53の作動により、略0℃に維持される。
【0049】
また、飲用容器40への液体注出のため、注出装置50の注出口54に対して飲用容器40を配置したとき、そして飲用容器40への液体20の注出を行うことで、連続して周囲温度を検知している温度センサ120は、検出温度情報を温度判断部130へ連続して送出する。また、液体20の注出操作に伴い、流量センサ111は、注出開始情報を温度判断部130へ送出する。
【0050】
温度判断部130は、既に説明したように、検出温度情報のうち瞬時的な温度上昇情報、温度下降情報、又は注出開始情報を基に、液体20が注入される前の空の飲用容器40の温度、飲用容器40及び飲用容器40内の液体20の温度、並びに、飲用容器40内の液体20の温度のうち、少なくとも飲用容器40の温度を求める。
【0051】
以上のように、温度判断部130を備えた液体品質管理装置101によれば、以下の効果を得ることができる。
即ち、液体20が注入される前の空の飲用容器40の温度、飲用容器40及び飲用容器40内の液体20の温度、並びに、飲用容器40内の液体20の温度のうち、少なくとも飲用容器40の温度を求めることが可能になる。よって、飲用容器40の温度が液体(ビール)20の温度よりも高い場合、顧客に提供される液体(ビール)20の温度が「ぬるく」なってしまうことが予想される。しかしながら本実施形態の液体品質管理装置101によれば、飲用容器40の温度に着目して提供される液体20の温度品質管理を行うことが可能になる。
【0052】
また、送受信部150を備えたことで、温度判断部130で求めた、空の飲用容器40の温度、飲用容器40及び飲用容器40内の液体20の温度、並びに、飲用容器40内の液体20の温度のうち、少なくとも飲用容器40の温度を、通信回線210に接続している、例えばビールメーカー側の分析装置200(コンピュータ)に送信することができる。温度判断部130は、時刻情報を生成する時間情報生成部を有してもよく、生成された月日時分の時刻情報と共に温度情報を送信することができる。
よって、分析装置200では、例えば各飲食店等における、空の飲用容器40の温度、さらには提供している液体20の温度情報を得ることが可能であり、各飲食店等における液体20の温度品質管理状況を把握することが可能になる。
【0053】
また、警告部140、さらには表示装置141を有する構成においては、温度判断部130で求めた温度情報が、設定した既定値を超えた状態では警告情報を作成、さらには、液体品質管理装置101に表示することが可能である。よって、飲食店等のスタッフに警告情報を認識させることができ、顧客に対する液体20の品質管理上、有益となる。
また、このような警告情報を、さらには月日時分の時刻情報と共に、送受信部150から通信回線210を介して分析装置200へ送信することも可能である。
【0054】
さらにまた、このような警告情報を受信した場合には、分析装置200は、送受信部150を介して制御部160に対して、流体ストッパ装置1710の移動機構1711の作動を制御して注出装置50からの液体20の注出を停止させることも可能である。
【0055】
また、上述した各構成部分を組み合わせることも可能である。また、本実施形態において、「電気的に接続」とは、有線での接続は勿論、無線による接続も含む概念である。