(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973797
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】容器用の蓋の搬送装置、および該搬送装置を備えた蓋の検査装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/84 20060101AFI20211118BHJP
G01N 21/89 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
B65G47/84 B
G01N21/89 T
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-208978(P2018-208978)
(22)【出願日】2018年11月6日
(65)【公開番号】特開2020-75777(P2020-75777A)
(43)【公開日】2020年5月21日
【審査請求日】2019年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014661
【氏名又は名称】キリンテクノシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 剛
【審査官】
小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−025516(JP,A)
【文献】
特開平06−144558(JP,A)
【文献】
特開2016−199401(JP,A)
【文献】
特開平09−077242(JP,A)
【文献】
特開2012−078120(JP,A)
【文献】
実開平01−132612(JP,U)
【文献】
特開昭59−128114(JP,A)
【文献】
特開平03−031114(JP,A)
【文献】
特開2010−042928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/84
G01N 21/89
E01C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の蓋をその天面が下を向いた状態で搬送するためのスターホイール型コンベヤであって、
前記蓋の天面を支持する搬送面を有する蓋支持構造体と、
前記搬送面上の前記蓋を移動させるスターホイールを有する駆動機構と、
前記スターホイールの外周部に沿って湾曲したガイドレールを備え、
前記蓋支持構造体は、前記搬送面に形成された溝を有しており、前記溝は前記蓋の搬送方向に延び、かつ前記ガイドレールに沿って湾曲しており、かつ前記蓋の天面に形成された突起を収容する形状を有している、スターホイール型コンベヤ。
【請求項2】
請求項1に記載のスターホイール型コンベヤと、
前記スターホイール型コンベヤによって搬送される蓋を撮像する撮像装置と、
前記蓋の画像に基づいて前記蓋を検査する画像処理装置を備える、蓋の検査装置。
【請求項3】
容器の蓋をその天面が下を向いた状態で搬送するためのバキュームコンベヤであって、
前記蓋の天面を支持する搬送面を有する搬送ベルトと、
前記搬送面上の前記蓋を移動させる駆動機構を備え、
前記搬送ベルトは、前記搬送面に形成された溝を有しており、前記溝は前記蓋の搬送方向に延び、かつ前記蓋の天面に形成された突起を収容する形状を有しており、
前記蓋支持構造体は、前記溝に沿って配列された複数の吸着孔を有しており、前記複数の吸着孔は前記溝の両側に配列されている、バキュームコンベヤ。
【請求項4】
請求項3に記載のバキュームコンベヤと、
前記バキュームコンベヤによって搬送される蓋を撮像する撮像装置と、
前記蓋の画像に基づいて前記蓋を検査する画像処理装置を備える、蓋の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料などを内部に保持するための容器の口部を塞ぐための蓋(キャップ)を搬送するための搬送装置に関する。また、本発明は、そのような搬送装置を備えた、蓋の検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料などを内部に保持するための容器は、通常、その口部を塞ぐための着脱可能な蓋(キャップ)を備えている。蓋には、通常、文字や模様が印刷されている。そのため、蓋の製作後に変形の有無、印刷時等に生じた汚れの有無、異物付着の有無等の外観検査を行う必要がある。
【0003】
従来から、蓋の外観検査を行うために、蓋を撮像し、蓋の画像に基づいて蓋を検査する検査装置が用いられている。この検査装置においては、蓋を搬送装置で搬送しながら、撮像装置によって蓋の外観を撮像して蓋の検査を行っている。搬送装置は、バキュームコンベヤ、スターホイール型コンベヤ、またはこれらの組み合わせから構成される。蓋は、搬送装置の搬送面上に置かれ、搬送面とともに移動されるか、または搬送面上でスライドされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−78120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図7は、従来の搬送装置の搬送面上に置かれた蓋を示す図である。蓋1は、その天面1aが搬送装置の搬送面200に支持された状態で搬送される。しかしながら、蓋1の天面1a(搬送時の下面)は、完全に平坦ではなく、蓋1の製造に伴う微小な突起1bが天面1aの中央に残っていることがある。他の例では、
図8に示すように、蓋1の天面1aの全体がやや膨らんでいるものもある。このような蓋1を搬送装置によって搬送しているとき、蓋1の全体が搬送面200に対して傾いてしまう。結果として、蓋1の画像に基づいた検査精度が低下する。さらに、バキュームコンベヤ上で蓋1が傾くと、搬送面200と蓋1の天面1aとの間に隙間が生じ、蓋1を真空で搬送面200上に固定することができない。結果として、撮像時の蓋1の位置が安定せず、検査精度の低下を招いてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、蓋の傾きを防止して安定した姿勢で蓋を搬送することができる搬送装置を提供する。また、本発明は、そのような搬送装置を備えた蓋の検査装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、容器の蓋を
その天面が下を向いた状態で搬送するためのスターホイール型コンベヤであって、前記蓋
の天面を支持する搬送面を有する蓋支持構造体と、前記搬送面上の前記蓋を移動させるスターホイールを有する駆動機構と、前記スターホイールの外周部に沿って湾曲したガイドレールを備え、前記蓋支持構造体は、前記搬送面に形成された溝を有しており、前記溝は前記蓋の搬送方向に延び、かつ前記ガイドレールに沿って湾曲して
おり、かつ前記蓋の天面に形成された突起を収容する形状を有している、スターホイール型コンベヤが提供される。
一態様では、上記スターホイール型コンベヤと、前記スターホイール型コンベヤによって搬送される蓋を撮像する撮像装置と、前記蓋の画像に基づいて前記蓋を検査する画像処理装置を備える、蓋の検査装置が提供される。
【0008】
一態様では、容器の蓋を
その天面が下を向いた状態で搬送するためのバキュームコンベヤであって、前記蓋
の天面を支持する搬送面を有する
搬送ベルトと、前記搬送面上の前記蓋を移動させる駆動機構を備え、前記
搬送ベルトは、前記搬送面に形成された溝を有しており、前記溝は前記蓋の搬送方向に延び、
かつ前記蓋の天面に形成された突起を収容する形状を有しており、前記蓋支持構造体は、前記溝に沿って配列された複数の吸着孔を有しており、前記複数の吸着孔は前記溝の両側に配列されている、バキュームコンベヤが提供される。
一態様では、上記バキュームコンベヤと、上記バキュームコンベヤによって搬送される蓋を撮像する撮像装置と、前記蓋の画像に基づいて前記蓋を検査する画像処理装置を備える、蓋の検査装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
搬送面上に形成された溝は、蓋の天面の中央に形成されている微小な突起を収容することができるので、蓋の傾きを防止することができる。また、蓋の天面の大部分は、搬送面に接触しているので、蓋の回転も防止される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】容器の蓋を検査する検査装置の一実施形態を示す上面図である。
【
図3】天面の全体が外側に膨らんでいる蓋が搬送面上に載置された状態を示す図である。
【
図7】従来の搬送装置の搬送面上に置かれた蓋を示す図である。
【
図8】従来の搬送装置の搬送面上に置かれた蓋を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、飲料などを内部に保持するための容器の蓋を検査する検査装置の一実施形態を示す上面図である。本実施形態で使用される蓋は、PETボトルなどのプラスチック容器を密閉するための樹脂製の蓋(キャップ)であるが、蓋のタイプは特に限定されない。
【0012】
検査装置は、入口シュート2上を移送される複数の蓋1を受け取り、これら蓋1を搬送する第1搬送装置5と、第1搬送装置5によって搬送される蓋1を撮像する第1撮像装置7と、第1搬送装置5から蓋1を受け取って蓋1をさらに搬送する第2搬送装置8と、第2搬送装置8によって搬送される蓋1を撮像する第2撮像装置9と、第1撮像装置7および第2撮像装置9によって生成された蓋1の画像に基づいて蓋1を検査する画像処理装置10を備えている。第1撮像装置7および第2撮像装置9は、画像処理装置10に電気的に接続されている。
【0013】
本実施形態では、第1搬送装置5は、スターホイール型コンベヤであり、第2搬送装置8はバキュームコンベヤである。蓋1は、その天面が下を向いた状態で第1搬送装置5および第2搬送装置8によって搬送される。本実施形態では、検査装置は、2つの搬送装置、すなわち第1搬送装置5および第2搬送装置8を備えているが、一実施形態では、検査装置は、第1搬送装置5および第2搬送装置8のうちのいずれか一方のみを備えてもよい。
【0014】
第1搬送装置5は、入口シュート2から蓋1を受け取って蓋1を円形軌道に沿って一定間隔で搬送する入口スターホイール12を備えている。入口スターホイール12は回転装置14に連結されており、この回転装置14によって回転される。入口スターホイール12は、その外周部に、蓋1の外周面に沿った形状の複数の凹部(ポケット)12aを有している。複数の蓋1は、これら凹部12aにそれぞれ係合した状態で、回転する入口スターホイール12によって搬送される。
【0015】
第1搬送装置5は、入口スターホイール12から蓋1を受け取って蓋1を円形軌道に沿って一定間隔で搬送する搬送する検査スターホイール16をさらに備えている。検査スターホイール16は回転装置17に連結されており、この回転装置17によって回転される。検査スターホイール16は、その外周部に、蓋1の外周面に沿った形状の複数の凹部(ポケット)16aを有している。複数の蓋1は、これら凹部16aにそれぞれ係合した状態で、回転する検査スターホイール16によって搬送される。回転装置14および回転装置17のそれぞれは、電動機、または電動機と減速機との組み合わせによって構成されている。
【0016】
第1搬送装置5は、入口スターホイール12の外周部に沿って湾曲したガイドレール20と、検査スターホイール16の外周部に沿って湾曲したガイドレール22を備えている。ガイドレール20は入口スターホイール12の外側に配置され、ガイドレール22は検査スターホイール16の外側に配置されている。
【0017】
入口スターホイール12は、ガイドレール20によって入口シュート2に連結されている。ガイドレール20の一端は、入口シュート2に接続されており、ガイドレール20の他端は、検査スターホイール16の外周部の上方に位置している。ガイドレール22の一端は、入口スターホイール12の外周部の上方に位置しており、ガイドレール22の他端は、第2搬送装置8の上方に位置している。
【0018】
蓋1は、ガイドレール20によってガイドされながら、回転する入口スターホイール12によって搬送され、さらにガイドレール22によってガイドされながら、回転する検査スターホイール16によって搬送される。ガイドレール20およびガイドレール22は湾曲しているので、第1搬送装置5での蓋1の搬送方向も湾曲している。
【0019】
第1搬送装置5は、検査スターホイール16の外周部の下方に位置する蓋支持構造体24を備えている。ガイドレール22は蓋支持構造体24に固定されている。ガイドレール22と蓋支持構造体24は一体的な構造体であってもよい。蓋支持構造体24の上面は、蓋1を支持する搬送面25を構成している。同じように、第2搬送装置8は、蓋1を支持する搬送面51を有する搬送ベルト50を有している。蓋支持構造体24の端部は、搬送ベルト50の上方に位置している。
【0020】
第1撮像装置7は搬送面25を向いて配置されている。第1撮像装置7は、CCDセンサまたはCMOSセンサなどのイメージセンサを備えたカメラである。蓋1は、その天面が下を向いた状態で、回転する検査スターホイール16によって搬送される。第1撮像装置7は、蓋支持構造体24の搬送面25上を搬送される蓋1を斜め上方から撮像し、蓋1の内面の画像を生成する。蓋1の画像は画像処理装置10に送信され、画像処理装置10は、蓋1の内面の画像に基づいて、蓋1の欠陥を検査する。
【0021】
蓋支持構造体24の搬送面25には、検査スターホイール16の外周部に沿って湾曲する溝35が形成されている。溝35は、回転する検査スターホイール16によって搬送される蓋1の搬送方向に延びている。すなわち、溝35は、湾曲するガイドレール22に沿って湾曲している。回転装置17が検査スターホイール16を回転させると、蓋1は、搬送面25上をスライドしながら溝35に沿って移動する。本実施形態では、搬送面25上の蓋1を移動させる駆動機構は、少なくとも回転装置17および検査スターホイール16から構成される。
【0022】
図2は、
図1のA−A線断面図である。溝35は、ガイドレール22によってガイドされている蓋1の天面1a(搬送時の下面)の中央に位置している。溝35は、蓋1の天面1aの中央に形成されている微小な突起1bを収容することができるので、蓋1の傾きを防止することができる。特に、溝35は、蓋1の搬送方向に延びているので、第1搬送装置5によって蓋1が搬送されているときの蓋1の傾きが防止される。また、蓋1の天面1aの大部分は、搬送面25に接触しているので、蓋1の回転も防止される。さらに、蓋1の突起1bが搬送面25に接触しないので、搬送面25の局所的な摩耗が防止される。
【0023】
溝35は、微小な突起1bを有する蓋1のみならず、
図3に示すように、天面1aの全体が外側に膨らんでいる蓋1の傾きも防止することができる。すなわち、蓋1の天面1aは、溝35の両縁にある2つの角部(すなわち2点)で支えられるので、蓋1の傾きおよび回転が防止できる。
図3に示す溝35の幅は、
図2に示す溝35の幅よりも大きいが、
図2に示す溝35の幅と同じでもよい。
【0024】
溝35の幅および深さは、蓋1の微小な突起1bを収容でき、かつ蓋1の傾きを防止できる限りにおいて、特に限定されない。一例では、溝35の幅は、蓋1の直径の20%〜80%である。
【0025】
図1に示す第2搬送装置8の搬送ベルト50は、蓋1を支持する搬送面51を有している。搬送ベルト50は、蓋支持構造体として機能する。搬送ベルト50は、その搬送面51に形成された溝40を有している。溝40は、第2搬送装置8によって搬送される蓋1の搬送方向に延びている。本実施形態では、溝40は直線状に延びており、上から見たときに、溝40は第1搬送装置5の溝35の端部につながっている。
【0026】
次に、第2搬送装置8について詳細に説明する。
図4は、
図1に示す第2搬送装置8の上面図であり、
図5は第2搬送装置8の側面図である。第2搬送装置8は、蓋1を真空吸着して搬送するバキュームコンベヤである。第2搬送装置8は、内部に空間45が形成された筐体47と、溝40および複数の吸着孔48を有する搬送ベルト50と、この搬送ベルト50をその長手方向に送るベルト送り機構52と、吸着孔48に負圧を形成する真空源53を備えている。第2搬送装置8は、搬送ベルト50上の蓋1を吸着孔48を介して真空吸着して蓋1を搬送するように構成されている。搬送ベルト50は、無端ベルトであり、筐体47の全周を囲むように配置されている。筐体47には、搬送ベルト50を支持する複数のローラー61,62,63,64,65,66,67が回転可能に取り付けられている。
【0027】
筐体47の下方に配置されたローラー65は、プーリー70に連結されている。このプーリー70に隣接してプーリー71が配置されている。このプーリー71は、電動機75の駆動軸に固定されており、電動機75によってプーリー71が回転されるようになっている。電動機75は、筐体47に固定されたブラケット77に固定されている。プーリー70とプーリー71は、駆動ベルト79によって連結されている。
【0028】
電動機75を駆動すると、電動機75の回転がプーリー71および駆動ベルト79を介してプーリー70に伝達され、プーリー70に連結されたローラー65が回転する。したがって、このローラー65に支持された搬送ベルト50がその長手方向に移動する。本実施形態では、ベルト送り機構52は、電動機75、プーリー70,71、駆動ベルト79から構成される。
【0029】
筐体47の上面は、ベルト支持面47aを構成している。このベルト支持面47aには、該ベルト支持面47aの長手方向に延びるスリット47bが形成されている。搬送ベルト50は、スリット47bを覆うようにベルト支持面47a上に支持されている。
図4に示すように、スリット47bは、搬送ベルト50の長手方向に延びる細長い切り欠きである。本実施形態では、1つの細長いスリット47bがベルト支持面47aに形成されているが、搬送ベルト50の長手方向に延びる複数のスリットがベルト支持面47aに形成されていてもよい。
【0030】
スリット47bは、筐体47内に形成されている空間45に連通している。筐体47は、空間45に連通する開口部80を有しており、この開口部80は真空源53に接続されている。真空源53は、開口部80を通じて筐体47の空間45に連通している。したがって、真空源53によって空間45およびスリット47bには負圧が形成される。一例では、真空源53には、真空ポンプが使用される。
【0031】
搬送ベルト50の上面は、蓋1を支持する搬送面51を構成し、搬送ベルト50は、蓋1を支持する蓋支持構造体を構成する。搬送ベルト50は、搬送面51に形成された溝40を有している。溝40は、搬送面51の長手方向に延び、かつ蓋1の搬送方向に延びている。複数の吸着孔48は、溝40に沿って配列されている。本実施形態では、溝40の両側に複数の吸着孔48が一定の間隔で配列されている。溝40および吸着孔48は搬送ベルト50の全周に形成されている。
【0032】
ベルト支持面47aに支持されている搬送ベルト50の吸着孔48は、スリット47bに連通している。したがって、真空源53によって空間45およびスリット47bに負圧が形成されると、吸着孔48内にも負圧が形成される。蓋1は、ベルト支持面47aに支持されている搬送ベルト50の搬送面51上に載置され、吸着孔48に形成されている負圧によって搬送ベルト50に保持される。ベルト送り機構52が搬送ベルト50をその長手方向に移動させる(すなわち、搬送ベルト50を循環させる)と、搬送面51上の蓋1が移動される。本実施形態によれば、蓋1は真空吸着によって搬送面51上に保持されているので、風圧で蓋1が飛ばされることなく、第2搬送装置8は、複数の蓋1を
図4および
図5の矢印で示す方向に高速で搬送することができる。本実施形態では、ベルト送り機構52は、搬送面51上の蓋1を移動させる駆動機構を構成する。
【0033】
第2撮像装置9は、搬送ベルト50の搬送面51の両側に配置されている。第2撮像装置9は、CCDセンサまたはCMOSセンサなどのイメージセンサを備えたカメラである。第2撮像装置9は、搬送ベルト50の搬送面51上の蓋1の外周面を向いて配置されている。本実施形態では、4つの第2撮像装置9が配置されているが、第2撮像装置9の数は本実施形態に限定されない。
【0034】
搬送ベルト50の循環に伴い、搬送ベルト50の搬送面51上の蓋1は、
図4に示す撮像位置に到達する。第2撮像装置9は蓋1を側方から撮像し、蓋1の外周面の画像を生成する。蓋1の画像は画像処理装置10に送信され、画像処理装置10は、蓋1の外周面の画像に基づいて、蓋1の欠陥を検査する。
【0035】
図6は、搬送ベルト50の断面図である。蓋1は、その天面1a(搬送時の下面)が下を向いた状態で、第2搬送装置8によって搬送される。溝40は、搬送ベルト50の搬送面51の中央に位置している。溝40は、蓋1の天面1aの中央に形成されている微小な突起1bを収容することができるので、蓋1の傾きを防止することができる。さらに、吸着孔48は蓋1の天面1aによって閉じられるので、吸着孔48内の負圧の破壊が防止される。溝40の幅および深さは、蓋1の微小な突起1bを収容できる限りにおいて、特に限定されない。一例では、溝40の幅は、蓋1の直径の20%〜80%である。
【0036】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0037】
1 蓋
2 入口シュート
5 第1搬送装置
7 第1撮像装置
8 第2搬送装置
9 第2撮像装置
10 画像処理装置
12 入口スターホイール
14 回転装置
16 検査スターホイール
17 回転装置
20 ガイドレール
22 ガイドレール
24 蓋支持構造体
25 搬送面
35,40 溝
45 空間
47 筐体
47a ベルト支持面
47b スリット
48 吸着孔
50 搬送ベルト
51 搬送面
52 ベルト送り機構
53 真空源
61,62,63,64,65,66,67 ローラー
70,71 プーリー
75 電動機
79 駆動ベルト
80 開口部