(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
当該光学液体粒子計数器システムの起動中、当該光学液体粒子計数器システムは、前記プロセッサが前記液体中の気泡の不在、前記液体の通常流量状態、又はその両方を示す前記流体監視システムからの前記監視データを受けるまで前記光源に電力を供給しない、請求項3に記載の光学液体粒子計数器システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]上記から、当技術分野において、フローチャンバ内の流れ問題及び気泡による内部構成要素への損傷を減少させる又はなくす改良型液体粒子計数器が依然として必要であることが分かる。さらに、気泡に起因するフォールスポジティブ(誤検知)及び流量の変化に起因する誤特性評価を反映した、分解能及び信頼性を向上させた液体粒子計数器が依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008]本書で提供されるシステム及び方法は、一般に、例えば電磁放射及び熱に起因する損傷を回避することでより長い期待寿命を達成する、光学液体粒子計数器のデータ品質及び光学粒子計数器の制御の改善に関する。このシステム及び方法は、フローセルを流れる流体を特性評価するセンサを使用し、それによって精度を高めフォールスポジティブの数を減少させる。このシステム及び方法は、粒子計数器の構成要素を損傷させ得る状態を検出し、粒子計数器のフローセル又は検出システムに入る電磁放射の量を減少させる又はなくすことによりシステムへの潜在的損傷を防止する又は最小限に抑える。さらに、気泡の量及びサイズを液体粒子計数器のフローチャンバに入る前に減少させる方法及びシステムが本書で提供される。このシステム及び方法は用途が広く、検出ゾーンの上流側又は下流側に配置されるセンサを含む、気泡又は流量を検出するための様々なセンサで使用することができる。諸実施形態では、例えば、光学粒子計数器は、流量の変化又は気泡の存在を検出すると光源に供給される電力量を変える。一実施形態では、例えば、粒子計数器は、例えば、フローチャンバに入るものから又は収集システム若しくは検出システムに到達するものからの、電磁放射ビームを反射すること、屈折させること、拡散すること、又は阻止することによって、フローチャンバに供給される電磁エネルギー量を減少させる。諸実施形態では、変化流量又は気泡の期間に記録されるデータは、フラグを立てられる、無視される、又は修正される。
【0009】
[0009]提供されるシステム及び方法は用途が広く、例えば、散乱式光学粒子計数器、放出式光学粒子計数器、光遮蔽式光学粒子計数器、及び1次元もしくは2次元の光検出器アレイを有する粒子計数器、を含めて、様々な液体粒子計数器に実装され得る。本システム及び方法は、粒子計数器の上流側又は下流側の追加外部センサを利用する、あるいは気泡を検出しかつ/又は流量を測定するために粒子計数器内に複数のセンサを含む。
【0010】
[0010]一態様では、光学液体粒子計数器システムであって、(i)a)粒子を含む液体を流れ方向に沿って電磁放射ビームを横切って流すためのフローチャンバ、b)電磁放射ビームを供給するための、フローチャンバと光連通する光源、及びc)電磁放射の少なくとも一部を収集し光検出器へと導くための光学収集システムを備える液体粒子計数器であって、光検出器が、検出される粒子の数及び/又はサイズの特性を示す電気信号を生成する、液体粒子計数器と、(ii)液体中の気泡、液体の流量状態(flow rate condition)、又は気泡と流量状態の両方を検出する、フローチャンバと流体連通する流体監視システムと、(iii)流体監視システム及び光学液体粒子計数器と機能的に通信可能な状態となるプロセッサであって、流体監視システムから監視データを受信し、光学液体粒子計数器又は光学液体粒子計数器の構成要素に制御信号を与えて光源の出力を増大又は減少させ、それによって電磁放射ビームが低出力で特性評価される、プロセッサと、を備える光学液体粒子計数器システムが提供される。いくつかの実施形態では、例えば、低出力は、通常動作出力に関して言及され、例えば、フローチャンバに入る電磁放射のフルエンスを少なくとも25%、少なくとも33%又は随意に少なくとも50%だけ減少させている。いくつかの実施形態では、流量状態は、流量の増大又は減少、例えば10%、25%、又は随意に50%を超える流量の変化を指す。諸実施形態では、流量状態は、ある種類の流量(例えば、通常流量、低流量、流れ停止、又は高流量)から別の種類の流量への変化を指す。諸実施形態では、流量状態は、ある種類の流量、例えば、(粒子計数器が較正又は設計される対象の流量に対する)低流量、高流量、通常流量、又は流れ停止を指すことがある。いくつかの実施形態では、例えば、流量状態は、液体粒子計数器の通常流量の25%、33%又は50%以上の流量の差である。流量状態は、停止流量又はゼロに略近い流量を指すこともある。
【0011】
[0011]一態様では、光学液体粒子計数器システムであって、(i)a)粒子を含む液体を流れ方向に沿って電磁放射ビームを横切って流すためのフローチャンバ、b)電磁放射ビームを供給するための、フローチャンバと光連通する光源、及びc)電磁放射の少なくとも一部を収集し光検出器へと導くための光収集システムを備える液体粒子計数器であって、光検出器が、検出される粒子の数及び/又はサイズの特性を示す電気信号を生成する、液体粒子計数器と、(ii)液体中の気泡、液体の流量状態、又は気泡と流量状態の両方を検出する、フローチャンバと流体連通する流体監視システムと、(iii)流体監視システム及び光学液体粒子計数器と機能的に通信可能な状態となるプロセッサであって、流体監視システムから監視データを受信し、光学液体粒子計数器又は光学液体粒子計数器の構成要素に制御信号を与えて、流体中の気泡を検出すると光源の出力の減少をもたらす、又は流体中に気泡が検出されない期間に光源の出力の増大をもたらす、プロセッサと、を備える光学液体粒子計数器システムが提供される。これに関して、「出力の減少」という表現は、光源の出力パワーをゼロに減少させること(すなわち、レーザを止めること)を含むが、これに限定されるものではない、光源の出力パワーの低下をもたらす光源の出力の変化を指し、「出力の増大」という表現は、光源の出力パワーをゼロから非ゼロに増大させること(すなわち、レーザの電源を入れること)を含むが、これに限定されるものではない、光源の出力パワーの上昇をもたらす光源の出力の変化を指す。
【0012】
[0012]一態様では、光学液体粒子計数器システムであって、(i)a)粒子を含む液体を流れ方向に沿って電磁放射ビームを横切って流すためのフローチャンバ、b)電磁放射ビームを供給するための、フローチャンバと光連通する光源、及びc)電磁放射の少なくとも一部を収集し光検出器へと導くための光学収集システムを備える液体粒子計数器であって、光検出器が、検出される粒子の数及び/又はサイズの特性を示す電気信号を生成する、液体粒子計数器と、(ii)液体中の気泡、液体の流量状態、又は気泡と流量状態の両方を検出する、フローチャンバと流体連通する流体監視システムと、(iii)フローチャンバに入る光源からの電磁放射の量を方向転換させる、再形成する、又は減少させることができる光学インタラプタ(optical interrupter)を作動させ又はその作動状態を解除(「作動解除」ともいう)させるためのアクチュエータと、(iv)流体監視システム及びアクチュエータと機能的に通信可能な状態となるプロセッサであって、流体監視システムから監視データを受信し、光学インタラプタを作動させ又は作動解除するためのアクチュエータに制御信号を与える、プロセッサと、を備える、光学液体粒子計数器システムが提供される。
【0013】
[0013]本書では、「電磁放射の少なくとも一部を収集し光検出器へと導くための光学収集システム」という表現は、電磁放射がフローチャンバを伝搬すること、電磁放射がフローチャンバ内の粒子によって散乱させられること、及び/又は電磁放射がフローチャンバ内の粒子から放出されること、を指すことがある。
【0014】
[0014]一実施形態では、制御信号は、プロセッサが監視データを分析し、液体中の気泡の存在、液体の流量状態、又は気泡と流量状態の両方を判定した場合、プロセッサによって与えられる。諸実施形態では、例えば、プロセッサは
、液体中の気泡の存在を示す監視データに
、フローチャンバ内の液体の一部に対応するものとしてフラグを立て、制御信号は
、液体の一部
が電磁放射ビーム
を通
るのに対応するときに
光源の出力を減少させる又は光学インタラプタを作動させるためのタイミング命令を備える。いくつかの実施形態では、プロセッサ又は追加のプロセッサは光検出器から電気信号を受信し、光源の出力が低下した期間又は光学インタラプタを作動させていた期間に得られた電気信号の任意の部分が、検出された粒子の数の測定中に除外又は無視され、例えば他のデータにはあまり大きな重みをつけられない。いくつかの実施形態では、プロセッサは、流体監視システムから監視データを受信し、
監視データが液体中の気泡の不在、液体の通常流量状態、又はその両方を示すと、光学液体粒子計数器又は光学液体粒子計数器の構成要素に制御信号を与えて、光源の出力を全動作出力に増大させる、又は
、光学インタラプタの作動状態を解除する。
【0015】
[0015]諸実施形態では、システムの起動中、光学液体粒子計数器システムは、プロセッサが液体中の気泡の不在、液体の通常流量状態、又はその両方を示す流体監視システムからの監視データを受信するまで光源に電力を供給しない。いくつかの実施形態では、例えば、全動作出力は20mW、40mW又は随意に100mW以上であり、通常流量は2000mL/分、1000mL/分又は随意に500mL/分以下である。
【0016】
[0016]諸実施形態では、粒子が電磁放射ビームを横切って流れ、それによって散乱又は放出電磁放射を発生させ、光学収集システムは、散乱又は放出電磁放射の少なくとも一部を収集し光検出器へと導く。いくつかの実施形態では、粒子が電磁放射ビームを横切って流れ、それによってフローチャンバを通る電磁放射の伝搬を減少させ、光学収集システムは、フローチャンバを伝搬した電磁放射を収集し方向づける。
【0017】
[0017]好適には、本システム及び方法は、光学液体粒子計数器の上流側及び下流側又は光学液体粒子計数器の検出ゾーンに配置される気泡検出器を含む、広範囲の気泡検出システムで使用することができる。いくつかの実施形態では、例えば、流体監視システムは気泡を光学的に、電子的に、音響的に、圧力差で、密度で、又はそれらを組み合わせて検出する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、気泡の直径が検出されている粒子の直径以上であり、例えば、金属の検出では9.8nm以上、又はポリスチレンやラテックスなどのポリマーでは20nm以上である場合、光源の出力を減少させる。諸実施形態では、流体監視システムは、超音波気泡検出器、第2の光学粒子計数器、相を監視する第2の光学粒子計数器、容量性変換器、光学インタラプタ、圧力調整センサ、CCDもしくはCMOSカメラ、又はそれらを組み合わせたものを備える。諸実施形態では、流体監視システムは、気泡の量、サイズ、密度、屈折率、圧縮率、流体静電容量、音響特性、又はそれらを組み合わせたものを測定する。いくつかの実施形態では、例えば、気泡は、空気、N
2、O
2、CO
2、プロセスガス、又はそれらを組み合わせたものを含む。
【0018】
[0018]いくつかの実施形態では、流体監視システムは、相を監視する第2の光学粒子計数器であり、この粒子計数器はフローストリームの相変調を検出し、屈折率に基づいて固体粒子と気泡を区別し得る。相を監視する光学粒子計数器の一例が、共に本書と矛盾しない範囲で参照によりそれらの全体が本書に組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0260628号明細書及び米国特許第7,746,469号明細書に見られる。
【0019】
[0019]フローチャンバを通る液体の流量の変化を認識することは、液体粒子計数器への損傷を減少させるためにも、粒子が光源と様々な流量で相互作用する仕方での変化によるエラー又は数え違いを回避するためにも有益である。提供されるシステム及び方法は、粒子計数器が較正される対象の最適な流量又は流量範囲に関して、流れ停止もしくは流量ゼロ、低流量又は高流量を検出し得る。高流量は、例えば負圧システムにおいて問題となり、また高流量は、液体のキャビテーションにつながり、それによって本書に記載されている気泡に関連する問題の多くを引き起こし得る。諸実施形態では、流量状態は、高流量、低流量、通常流量又は流れ停止である。諸実施形態では、流量状態は通常流量に対応しており、プロセッサは、光源の出力を増大させるために光学液体粒子計数器又は光学液体粒子計数器の構成要素に制御信号を与える。諸実施形態では、流量状態は通常流量に対応しており、プロセッサは、光学インタラプタを作動解除させるための制御信号アクチュエータを与える。
【0020】
[0020]いくつかの実施形態では、流体監視システムは、差圧流量計、トランジットタイム超音波流量計、ロータメータ、フロートセンサ、ドップラー超音波流量計、熱質量流量計、電磁流量計、タービン/パドルホィールメータ、渦流量計、フロースイッチ、コリオリ質量流量計、CCDもしくはCMOSカメラ、又はそれらを組み合わせたものである。諸実施形態では、例えば、流量状態は、光学液体粒子計数器の通常動作流量の50%の増大又は減少に対応する。
【0021】
[0021]本書で提供されるシステム及び方法は、いくつかの実施形態では、液体粒子計数器のフローチャンバに入る気泡の量を減少させる液体調節器を含む。いくつかの実施形態では、上記システム及び方法は液体調節器をさらに備え、液体調節器は、液体粒子計数器システムへの入口をフローチャンバと流体連通するサンプリングストリーム及びバイパスストリームに分割し、サンプリングストリームの外への気泡及びバイパスストリームの中への気泡の除去を促進する。諸実施形態では、例えば、サンプリングストリームはバイパスストリームの下に重力の作用で配置される。いくつかの実施形態では、液体調節器は、液体調節器内の液体の直線速度を液体調節器の前又は後の液体の直線速度に対して低下させる。いくつかの実施形態では、液体調節器は、液体調節器内の液体の直線速度を液体調節器の外側の液体の直線速度に対して少なくとも10%だけ、少なくとも20%だけ、又は随意に少なくとも30%だけ低下させる。一実施形態では、液体調節器はT字路である。
【0022】
[0022]場合によっては、光源が一定動作出力を維持するとともに、リセット又は電力再供給するために追加の時間を必要としないように、流量状態又は気泡に対応する短い期間に電磁放射ビームを遮断することが有効となり得る。いくつかの実施形態では、ビームは、一部の電磁放射がフローチャンバに入るのを可能にするために完全には阻止されず、部分的に阻止されるが、液体粒子計数器の構成要素を損傷させるほど十分ではない。いくつかの実施形態では、光源はフローチャンバの中に通常の電磁放射量を供給し続けるが、放射は収集又は検出システムに入る前に遮断される。
【0023】
[0023]諸実施形態では、光学インタラプタは、鏡、光学フィルタ、偏光光スイッチ、シャッタ、ビームダンプ、ビーム拡大レンズ、ヒートシンク、又はそれらを組み合わせたものである。諸実施形態では、光学インタラプタは、電磁放射ビームの横断面より小さい面積を有する開口部を備える。いくつかの実施形態では、例えば、光学インタラプタは、フローチャンバに入る電磁放射のフルエンスを少なくとも25%、少なくとも33%、又は随意に少なくとも50%だけ減少させる。
【0024】
[0024]一態様では、光学液体粒子計数器への損傷を防止する又は最小限に抑える方法が提供され、この方法は、(i)液体粒子計数器を用意するステップであって、液体粒子計数器が、a)粒子を含む液体を流れ方向に沿って電磁放射ビームを横切って流すためのフローチャンバ、b)電磁放射ビームを供給するための、フローチャンバと光連通する光源、及びc)電磁放射の少なくとも一部を収集し光検出器へと導くための光学収集システムを備え、光検出器が、検出される粒子の数及び/又はサイズの特性を示す電気信号を生成する、ステップと、(ii)液体中の気泡、流量状態、又は気泡と流量状態の両方を検出するステップと、(iii)気泡又は流量状態を検出すると光源に供給される電力を減少させ、それによって電磁放射ビームの出力を減少させるステップであって、電磁放射ビームが低出力電磁放射ビームとして特性評価される、ステップと、を含む。
【0025】
[0025]一態様では、光学液体粒子計数器への損傷を防止する又は最小限に抑える方法が提供され、この方法は、(i)液体粒子計数器を用意するステップであって、液体粒子計数器が、(a)粒子を含む液体を流れ方向に沿って電磁放射ビームを横切って流すためのフローチャンバ、(b)電磁放射ビームを供給するための、フローチャンバと光連通する光源、及び(c)電磁放射の少なくとも一部を収集し光検出器へと導くための光学収集システムを備え、光検出器が、検出される粒子の数及び/又はサイズの特性を示す電気信号を生成する、ステップと、(ii)液体中の気泡、流量状態、又は気泡と流量状態の両方を検出するステップと、(iii)液体中の気泡、流量状態、又は気泡と流量状態の両方を検出すると光源からの電磁放射の少なくとも一部がフローチャンバに入るのを妨げることによってビームを遮断するステップと、を含む。
【0026】
[0026]一態様では、光学液体粒子計数器システムであって、(i)a)粒子を含む液体を流れ方向に沿って電磁放射ビームを横切って流し、それによって液体中の粒子から散乱又は放出電磁放射を発生させるためのフローチャンバ、b)電磁放射ビームを供給するための、フローチャンバと光連通する光源、及びc)粒子からの散乱又は放出電磁放射の少なくとも一部を収集し光検出器へと導くための光学収集システムを備える液体粒子計数器であって、光検出器が、検出される粒子の数及び/又はサイズの特性を示す電気信号を生成する、液体粒子計数器と、(ii)液体中の気泡を検出するための、フローチャンバ及び光源と流体連通する気泡検出器と、を備える光学液体粒子計数器システムが提供される。
【0027】
[0027]一実施形態では、光学液体粒子は、流体監視システム及び光学液体粒子計数器と機能的に通信可能な状態となるプロセッサをさらに備え、プロセッサは気泡検出器から監視データを受信し、光学液体粒子計数器又は光学液体粒子計数器の構成要素に制御信号を与えて光源の出力を減少させ、それによって光源の電源を切る。一実施形態では、気泡検出器は、例えば、液体中の気泡の量、サイズ、密度、屈折率、圧縮率、流体静電容量、音響特性、又はそれらを組み合わせたものを判定することにより、液体中の気泡を特性評価する。いくつかの実施形態では、光学液体粒子計数器システムは気泡検出器及び光学液体粒子計数器と機能的に通信可能な状態となるプロセッサをさらに備え、プロセッサは気泡検出器によって与えられる気泡に対応する信号を分析し、気泡を特性評価し、プロセッサは、気泡の特性評価に基づいて液体粒子計数器の動作パラメータ又は出力を調整する。諸実施形態では、気泡検出器は液体粒子計数器の上流側又は下流側に配置される。
【0028】
[0028]一態様では、光学液体粒子計数器システムであって、(i)a)粒子を含む液体を流れ方向に沿って電磁放射ビームを横切って流すためのフローチャンバ、b)電磁放射ビームを供給するための、フローチャンバと光連通する光源、及びc)電磁放射の少なくとも一部を収集し光検出器へと導くための光学収集システムを備える液体粒子計数器であって、光検出器が、検出される粒子の数及び/又はサイズの特性を示す電気信号を生成する、液体粒子計数器と、(ii)液体流量を監視する、フローチャンバと流体連通する流量監視システムと、(iii)流量監視システム及び光検出器と機能的に通信可能な状態となるプロセッサであって、液体流量に基づいて液体粒子計数器の動作パラメータ又は出力を調整する、プロセッサと、を備える光学液体粒子計数器システムが本書で提供される。
【0029】
[0029]諸実施形態では、動作パラメータは、粒子に対応する電磁放射の閾値である。いくつかの実施形態では、動作パラメータは光源に供給される電力であり、電力は、光検出器が流量と無関係に粒子に対応する同じ電気信号を生成するように増大又は減少させられる。諸実施形態では、出力は液体粒子計数器によって分析される全体積である。諸実施形態では、粒子は電磁放射ビームを横切って流れ、それによって散乱又は放出電磁放射を発生させ、光学収集システムは、散乱又は放出電磁放射の少なくとも一部を収集し光検出器へと導く。諸実施形態では、粒子は電磁放射ビームを横切って流れ、それによって散乱又は放出電磁放射の少なくとも一部を遮蔽し、光学収集システムは、遮蔽されていない電磁放射を収集し光検出器へと導く。諸実施形態では、例えば、流量状態は高流量、低流量、通常流量又は流れ停止である。
【0030】
[0030]一態様では、例えば、本発明は、光学液体粒子計数器システムであって、(i)(1)粒子を含む液体を流れ方向に沿って電磁放射ビームを横切って流すためのフローチャンバ、(2)電磁放射ビームを供給するための、フローチャンバと光連通する光源、及び(3)電磁放射の少なくとも一部を収集し光検出器へと導くための光学収集システムを備える液体粒子計数器であって、光検出器が、検出される粒子の数及び/又はサイズの特性を示す電気信号を生成する、液体粒子計数器と、(ii)フローチャンバと流体連通する流体監視システムと、(iii)流体監視システムから監視データを受信するために流体監視システムと機能的に通信可能な状態となるプロセッサであって、通常動作状態又は非通常動作状態に対応する光学液体粒子計数器の状態を判定するために監視データを分析する、プロセッサと、を備える光学液体粒子計数器システムを提供する。一実施形態では、プロセッサは、光学液体粒子計数器システムの状態を時間の関数として判定し、例えば、光学液体粒子計数器システムの連続的な状態を判定する。一実施形態では、例えば、時間の関数とする上記状態の変化は、光学液体粒子計数器システムの制御のための入力を提供する。一実施形態では、例えば、時間の関数とする上記状態の変化は、液体中の粒子の数及び/又はサイズを定めるために、光検出器からの電気信号の入力又は解析を提供する。
【0031】
[0031]この態様の一実施形態では、非通常動作モードの判定の後で通常動作状態を判定すると、システムは非通常動作モードから通常動作モードに移行する。一実施形態では、例えば、非通常動作モードから通常動作モードへの移行は、第1の時間尺度、例として15秒以上、30秒以上、又は随意に60秒以上の第1の時間尺度で起こる。諸実施形態では、第1の時間尺度は、1〜15秒、1〜30秒、又は随意に1〜60秒の範囲から選択される。一実施形態では、例えば、通常動作モードは、液体中に検出された気泡なし、液体中の流れ停止の検出なし、事前選択値より大きい流量の変化の検出なし、及び検出された漏れなし、からなる群から選択された基準のうちの1つ又は複数に対応する。
【0032】
[0032]一実施形態では、例えば、通常動作状態の判定の後で非通常動作状態を判定すると、システムは通常動作モードから非通常動作モードに移行する。一実施形態では、例えば、通常動作モードから非通常動作モードへの移行は、第2の時間尺度、例として2秒以下、5秒以下、10秒以下、又は随意に15秒以下の第2の時間尺度で起こる。諸実施形態では、第2の時間尺度は、1〜2秒、1〜1秒、又は随意に1〜15秒の範囲から選択される。一実施形態では、例えば、システムの非通常動作モードは、液体中の1つ又は複数の気泡の検出、流れ停止の検出、及び事前選択値より大きい流量変化の検出からなる群から選択された1つ又は複数の基準に対応する。一実施形態では、例えば、流体監視システムからの監視データはバッファ内に設けられ、液体中の1つ又は複数の気泡の検出が、バッファ内の監視データを評価して隣接ドライ要素の数、ドライ要素の総数、及びドライ要素とウェット要素の比からなる群から選択された1つ又は複数の状態を特定することによって実現される。一実施形態では、例えば、非通常動作状態を判定すると、システムは、少なくとも、プロセッサが通常動作状態に対応する光学液体粒子計数器システムの1つ又は複数のその後の状態を判定するまでの期間に、光検出器からの液体粒子計数器データにフラグを立てる。一実施形態では、例えば、非通常動作状態を判定すると、システムは、少なくとも、プロセッサが通常動作状態に対応する光学液体粒子計数器システムの1つ又は複数のその後の状態を判定するまでの期間に、光源又は放射ビームの少なくとも1つの特性、例として、放射ビームの出力、強度、フルエンス及び空間的強度分布からなる群から選択された光源又は放射ビームの少なくとも1つの特性を調整する。
【0033】
[0033]一態様では、光学液体粒子計数器システムであって、(i)a)粒子を含む液体を流れ方向に沿って電磁放射ビームを横切って流すためのフローチャンバ、b)電磁放射ビームを供給するための、フローチャンバと光連通する光源、及びc)電磁放射の少なくとも一部を収集し光検出器へと導くための光学収集システムを備える液体粒子計数器であって、光検出器が、検出される粒子の数及び/又はサイズの特性を示す電気信号を生成する、液体粒子計数器と、(ii)液体中の気泡、液体の流量状態、又は気泡と流量状態の両方を検出する、フローチャンバと流体連通する流体監視システムと、(iii)流体監視システム及び光学液体粒子計数器と機能的に通信可能な状態となるプロセッサであって、プロセッサは非通常動作状態を判定し、システムは、少なくとも、プロセッサが通常動作状態に対応する光学液体粒子計数器システムの1つ又は複数のその後の状態を判定するまでの期間に、光検出器からの液体粒子計数器データにフラグを立てる、プロセッサと、を備える光学液体粒子計数器システムが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[0040]一般に、本書で使用される用語及び語句は、当業者に知られる標準的な文書、ジャーナル参照文献及び文脈を参照することによって見ることができる、当該技術分野で認識されている意味を有する。以下の定義は、本発明の文脈でそれらの定義の特定使用を明瞭にするために提供される。
【0036】
[0041]「流体監視システム」は、流体特性を測定するための1つ又は一連の装置、例えば、気泡を検出する、流量を測定する、又はその両方を行う装置又はセンサを指す。諸実施形態では、例えば、流体監視システムは、光学センサ、電子センサ、音響センサ、又は圧力センサを指す。いくつかの実施形態では、流体監視システムは、超音波気泡検出器、第2の光学粒子計数器、容量性変換器、光学インタラプタ、圧力調整センサ、CCDもしくはCMOSカメラ、差圧流量計、トランジットタイム超音波流量計、ロータメータ/フロートセンサ、ドップラー超音波流量計、熱質量流量計、電磁流量計、タービン/パドルホィールメータ、渦流量計、フロースイッチ、コリオリ質量流量計、又はそれらを組み合わせたものを指す。諸実施形態では、流れ監視システムは、液体粒子計数器の上流側に配置される。流れ監視システムは、信号流れ監視システムの処理及び光源の制御(例えば、出力の減少、インタラプタの作動、電源オフ)のための十分な時間を可能にするために、システムの流量に基づいて液体粒子計数器からある距離を置いて配置され得る。
【0037】
[0042]「光学インタラプタ」は、電磁放射のフルエンスを抑える装置を指す。いくつかの実施形態では、光学インタラプタは、液体粒子計数器のフローチャンバ、収集システム、検出システム、又はそれらを組み合わせたものに電磁放射が入らないようにする。いくつかの実施形態では、光学インタラプタは、電磁放射を偏向させる、吸収する、拡散させる、遮蔽する、方向転換させる、又は阻止する。諸実施形態では、例えば、光学インタラプタは、鏡、光学フィルタ、光学マスク、偏光光スイッチ、シャッタ、ビームダンプ、ビーム拡大レンズ、ヒートシンク、開口部、又はそれらを組み合わせたものである。
【0038】
[0043]「流量状態」は、流体運動の速度、移動流体の体積、距離もしくは時間に対する速度の変化、距離もしくは時間に対する体積の変化、又はそれらを組み合わせたものなど、移動する流体に関連する1つ又は複数のパラメータを指す。いくつかの実施形態では、流量状態は流れの停止を指す。いくつかの実施形態では、流量状態は、流量の変化、例えば、10%、25%、又は随意的には50%を超える流量の変化を指す。諸実施形態では、流量状態は、ある種類の流量(例えば、通常流量、低流量、流れ停止、又は高流量)から別の種類の流量への変化を指す。いくつかの実施形態では、例えば、流量状態は、液体粒子計数器の最適流量の25%、33%又は50%以上の流量の差である。いくつかの実施形態では、流量状態は、通常流量、最適流量、又は粒子を計数するのに好適な流量を指す。
【0039】
[0044]「液体調節器」は、1つの流れを、気泡が一方のストリームに他方よりも入りやすい少なくとも2つのストリームに分ける装置を指す。一実施形態では、例えば、液体調節器は、調節器に流れる液体の直線速度を低下させるT字路であり、液体流中の気泡は、浮力によりT字路の上部に上がり、上方に流れるストリームに入る傾向があり、下方に流れるストリームは気泡を含みにくい。
【0040】
[0045]「流れ方向」は、流体が流れているときに流体の大部分が動いている方向に平行な軸線を指す。真っすぐなフローセルを流れる流体の場合、流れ方向は流体の大部分がとる経路と平行である。湾曲したフローセルを流れる流体の場合、流れ方向は流体の大部分がとる経路に対して接線方向と見なされ得る。
【0041】
[0046]「光連通」は、光又は電磁放射が構成要素相互間を伝達するのを可能にするように配置される構成要素を指す。
【0042】
[0047]「光源」は、電磁放射を試料に送出することができる装置又は装置構成要素を指す。この用語は、可視光ビームなどによる可視放射には限定されず、広義には任意の電磁放射を含むように使用される。光源は、ダイオートレーザ、ダイオートレーザアレイ、ダイオートレーザ励起固体レーザ、LED、LEDアレイ、気相レーザ、固体レーザ、又はそれらを組み合わせたものなどのレーザ又はレーザアレイとして具現化され得る。
【0043】
[0048]「電磁放射」及び「光」という用語は、本書では同義に使用され、電場及び磁場の波を指す。本発明の方法に有用な電磁放射には、以下に限定するものではないが、紫外光、可視光、赤外光、又は約100ナノメートル(nm)〜約15ミクロン(μm)の波長を有するこれらの光を任意に組み合わせたものが含まれる。
【0044】
[0049]「粒子を検出すること」という表現は、粒子の存在を検知し、特定し、かつ/又は粒子を特性評価することを指す。いくつかの実施形態では、粒子を検出することは粒子を計数することを指す。いくつかの実施形態では、粒子を検出することは、直径、断面寸法、形状、サイズ、空力サイズ、又はこれらを任意に組み合わせたものなどの粒子の物理的特性を特性評価しかつ/又は測定することを指す。
【0045】
[0050]「粒子」は、しばしば汚染物質と見なされる小さい物体を指す。粒子は、例えば2つの表面が機械的に接触して機械的な動きが存在するときに、摩擦の作用によって生成される任意の物質であってもよい。粒子は、塵埃、汚れ、煙、灰、水、すす、金属、鉱物、又は、これらの任意の組合せ、或いは、他の材料及び汚染物質などの材料の集合体から構成され得る。また、「粒子」は、生物学的粒子、例えば、細菌、真菌、古細菌、原生生物、他の単細胞微生物を含むウイルス、胞子、及び、微生物、特に1〜15μm程度のサイズを有する微生物を指す場合もある。粒子は、光を吸収又は散乱し、したがって光学粒子計数器によって検出可能な任意の小さい物体を指すものとしてもよい。本書で使用される「粒子」は、キャリア流体の個々の原子又は分子、例えば、水分子、プロセス化学分子、酸素分子、ヘリウム原子、窒素分子などを排除することを意図している。本発明の幾つかの実施形態は、10nm超、20nm超、30nm超、50nm超、100nm超、500nm超、1μm以上、又は10μm以上のサイズを有する材料の集合体を含む粒子を検出し、寸法で分類し、かつ/又は計数することができる。特定の粒子は、20nm〜50nm、50nm〜50μmから選択されたサイズ、100nm〜10μmから選択されたサイズ、又は500nm〜5μmから選択されたサイズを有する粒子を含む。
【0046】
[0051]「光学液体粒子計数器」及び「粒子計数器」という用語は、本書では区別なく使用され、液体中に懸濁される粒子を検出することができるシステム、液体中に懸濁される粒子のサイズを測定することができるシステム、液体中に懸濁される粒子を計数することができるシステム、液体中に懸濁される粒子を分類することができるシステム、又はこれらのシステムを任意に組み合わせたものを指す。典型的な光学液体粒子計数器は、電磁放射ビームを発生させるための光源、ビームを流体試料が流れている領域、例えば液体又はガスがフローセルを横切って流れている領域内に向けるための光学系などのいくつかの構成要素で構成される。典型的な光学液体粒子計数器は、2次元光検出器などの光検出器と、ビームを通過する粒子によって、遮蔽された(obscured)、散乱された、又は放出された電磁放射を検出するための集光学系と、電流電圧変換器、信号フィルタリング電子回路、及び信号増幅電子回路を含む、光検出器によって生成された電気信号を処理し解析するための他の電子回路とによっても構成される。光学粒子計数器は、液体試料を電磁ビームが存在する検出領域に導入するための流れを作るためのポンプでも構成され得る。
【0047】
[0052]「流体連通」は、物体を通り過ぎて、経由して、又は、ある物体から別の物体へ流体を輸送できるような2つ以上の物体の配置を指す。例えば、幾つかの実施形態では、流体流路が2つの物体の間に直接に設けられる場合には、2つの物体が互いに流体連通していることになる。幾つかの実施形態では、2つの物体の間に1つ以上の他の物体又は流路を含むなど、2つの物体の間に流体流路が間接的に設けられる場合にも、2つの物体が互いに流体連通している。一実施形態において、流体の主要部に存在する2つの物体は、第1の物体からの流体が流路に沿うなどして第2の物体に引き寄せられ、第2の物体を通り過ぎ及び/又は経由しなければ、必ずしも互いに流体連通しているとは限らない。
【0048】
[0053]「流量」は、液体粒子計数器の検出域を通過するなど、特定のポイントを通過して又は特定の領域を経由して流れる流体の量を指す。一実施形態において、流量は、質量流量、すなわち、特定のポイントを通過して又は特定の領域を経由して流れる流体の質量を指す。一実施形態においては、流量は、体積流量、すなわち、特定のポイントを通過して又は特定の領域を経由して流れる流体の体積を指す。
【0049】
[0054]本発明はさらに以下の例において詳述されるが、これらの例は説明例として提供され、本発明の範囲をいかなる形においても限定するものではない。
【0050】
例1:光源出力減少及びデータ調整を用いた流体監視システム
[0055]いくつかの従来型液体粒子計数器は、流量の変化及び/又は分析されている液体中の気泡の存在から生じる問題の影響を受けやすい。状況次第では、例えば、気泡からの光学散乱が固体粒子から生じるものと区別できない場合があり、したがって汚染物質として計数され、フォールスポジティブカウントになる。さらに、高出力粒子計数器では、気泡が大量の放射線を屈折させ、それによってビームの顕著な散乱又は方向転換を引き起こして、光源(例えばレーザ)自体を含む内部構成要素に損傷を与えることになり得る。流量の変化は、低流量が、流体試料がフローセル内で望まれない相変化(例えば沸騰)を受け得る状態の影響を受けやすく、したがって気泡を生成するので、又は粒子計数器の構成要素を過熱して熱的に損傷させるので、同様の問題を引き起こし得る。より大きな粒子で汚染された液体をサンプリングすると、流れが減少又は停止したときにこれらの大きい粒子が高放射場中で静止した場合にフローセル内側の観察窓を燃やすことによりフローセル損傷を引き起こす可能性がある。液体粒子計数器はまた、通常は特定の流量に対して較正され、したがって、流量の変化は、粒子計数器が粒子を例えばサイズに関して正確に特性評価する能力に影響を与え得る。さらに、高流量はキャビテーションを引き起こして、空気もしくは気泡のポケットを生成し、負圧システムにおける同様の課題を引き起こす可能性がある。
【0051】
[0056]これらの問題に対処する一手法が、例えば気泡の存在及び/又は流量の変化を測定するために、分析対象の液体の監視を実施することである。この情報は、粒子計数器の動作を制御しかつ/又は粒子計数データの分析を最適化するために使用される。一実施形態では、流量パラメータの測定結果及び/又は液体中の気泡の識別は、例えば気泡がフローチャンバを通って移送されるときに、又は流量が動作パラメータ以外であるときに、光源の特性(例えば、出力、強度、フルエンス)などの動作状態を調整するための基礎として使用される。さらに、流体を気泡及び流量変化に関して監視することにより、データ分析を調整する手法は、気泡(例えば、最終カウントからそうしたデータ点を除去することによる)及び/又は流量変化(例えば、方向パラメータを調整することによる)を定量的に考慮することを可能にする。気泡又は最適でない流量に対応する動作期間が経過した後、例えば、システムは、最大限の液体が粒子計数器によって確実に分析されるようにするために、すぐに通常動作状態に戻され得る。
【0052】
[0057]統合型の流体監視システム及び液体粒子計数器が
図1に提供される。例えば超音波気泡検出器及び流量計を備える流体監視システム100は、分析対象の液体試料を通すための導管150を流れる液体を分析するように構成されている。液体粒子計数器200は、液体が粒子計数器のフローチャンバ210に流れるように液体導管150と流体連通して設けられる。レーザや発光ダイオードなどの光源220は、フローチャンバ210に通される電磁放射ビーム221を発生させて、粒子がフローチャンバ210に流れるときにビームが粒子と相互作用するようにする。伝搬、散乱又は放出した電磁放射は収集システム230によって収集され、検出器システム240へと導き、検出器システム240は、フローセルを通過する粒子又は粒子の特性に対応する電気信号を生成する。
【0053】
[0058]
図1は、遮蔽式(obscuring)又は除去式(eliminating)の液体粒子計数器を示す概略図を提供する。しかしながら、本書に記載されている概念及び実施形態は、散乱光式又は放出光式の粒子計数器を含む他の型式の粒子計数器にも適用可能である。
図6は、例えば散乱式液体粒子計数器の構成を示し、検出システムは、光源220からの電磁放射221の経路から(例えば90°だけ)オフセットされる。
図6は液体粒子計数器の上面図であり、流れ方向は観察されている面に対して垂直である。この視点では、フローチャンバ210の上流側か下流側のどちらかに設けられる流体監視システムは
図6に示されていない。
【0054】
[0059]
図1に示されているように、流体監視システム100はプロセッサ101とデータ通信可能な状態で設けられ、例えば、流体監視システム100は、例えば気泡及び/又は流れ停止を含むフローセル210を通る流量の変化を検出するとプロセッサ101に信号を与えるようにする。いくつかの実施形態では、プロセッサ101は、光源220と一方向又は双方向のデータ通信可能となっているとともに、検出システム240と一方向又は双方向のデータ通信可能となっている(
図1に点線で示さている)。矢印は流れ方向を示す。一実施形態では、例えば、プロセッサ101は、信号を光源220に送信するように構成されるとともに、検出システム240から信号を受信するように構成される。
【0055】
[0060]一実施形態では、流体監視システム100は、10cm
3/分〜75cm
3/分の流量範囲、5cm
3/分の低流量指示(流量減少の場合)、5cm
3/分の良好流量指示(選択可能なヒステリシスの場合)、15°C〜50°Cの流体温度範囲、20psi〜60psiの流体圧力範囲を有するロータメータなどの流れ監視システムであり、かつ/又は水及び/又は半導体処理化学薬品に適合する。一実施形態では、流体監視システム100は、最小気泡検出サイズ1μm(選択可能)、流体、空気、TTL high及びTTL lowを含む検出指示、及び/又は応答時間50μsを有する超音波気泡検出器である。
【0056】
[0061]流体監視システム100から気泡の検出又は流量状態の変化の検出に対応する信号を受信すると、プロセッサ101は、動作状態を制御しかつ/又はデータ解析を調整するためにいくつかの動作を開始し得る。気泡の検出又は流量の変化を検出した場合、例えば、プロセッサ101は、光源220に供給される電力を低減し、それによってフローチャンバ210に供給される電磁放射221の強度、フルエンス及び/又は出力を減少させ得る。このような機能は、液体粒子計数器200の構成要素に損傷を与える恐れを低下させるのに有用となり得る。諸実施形態では、例えば、出力は、電磁放射の停止及び/又は光源220の再起動を回避するために、フローセル210に電磁放射221を供給し続けながら安全レベル、例えば通常動作に関して50%以下に減少させる。
【0057】
[0062]いくつかの実施形態では、流体監視システム100から信号を受信すると、プロセッサ101は、フローセル210内に気泡がある状態に対応する期間に検出システム240によって与えられる電気信号に、固体粒子に関連していないものとしてフラグを立て得る。いくつかの実施形態では、例えば、フラグ付き信号は、固体粒子に関連していないものとして無視され得る。いくつかの実施形態では、流体監視システム100から信号を受信すると、プロセッサ101は、気泡の不在が流体監視システム100によって検出されると光源220の出力を増大させ、検出システム240によって普通に与えられた信号を解析する。随意に、プロセッサ101は、光源220出力の出力を減少させかつ/又は流量の変化中に得られる粒子計数器データにフラグを立てるために制御信号を与えてもよい。随意に、プロセッサ101は、通常流量が流体監視システム100によって検出されると、光源220の出力を増大させ、検出システム240によって与えられた信号を普通に解析することができる。
【0058】
[0063]さらに、流体監視システム100は、検出システム240からの粒子検出信号の解析を最適化するなどの調整をするために、プロセッサ101に流量データを提供するように構成され得る。一実施形態では、例えば、プロセッサ101は、流量の変化が光学粒子計数器データの解析に及ぼす影響に対処するために、検出及び特性評価パラメータ、例として粒子を検出し特性評価するために使用される強度閾値を選択し又は調整する。あるいは、プロセッサ101は、光源220に供給される電力、したがってフローセルに供給される電磁放射の強度、フルエンス及び/又は出力を増大又は減少させることにより、流量の変化が光学粒子計数器データの解析に及ぼす影響に対処することができる。この手法は、閾値強度が一定に保たれ、流量の変化がフローセルに供給される電磁放射の強度、フルエンス及び/又は出力を調整することによって対処される実施形態に有用となり得る。
【0059】
[0064]いくつかの実施形態では、測定された流量は、一定流量を前提とするのとは対照的に、検出システム240が経時的に分析された液体量を直接測定することを可能にし、それによって体積当たりの粒子のより正確な情報を提供する。
【0060】
例2:光源遮断及びデータ調整を用いた流体監視システム
[0065]気泡又は流量の変化に起因する光学液体粒子計数器における安全性及びデータ完全性の問題(例えば、構成要素への損傷、データ完全性の問題)の別の解決法が、光源を遮断し又はその他の方法で調整し、それによって気泡及び/又は流量の変化に対応する状態に応じて収集及び検出システムの劣化又は損傷を最小限に抑えることによって達成され得る。
【0061】
[0066]遮断流体監視システムの一例が
図2及び
図3に記載されている。しかしながら、本書に記載されている概念及び実施形態は、
図6に示されている散乱光式又は放出光式の粒子計数器を含む他の種類の粒子計数器にも適用可能である。
【0062】
[0067]一実施形態では、流体監視システム100が、流れ停止を含む気泡か流量の変化のどちらかを検出すると、流体監視システム100はプロセッサ101に信号を与える。
図6に示されているように、プロセッサ101は、アクチュエータ102及び/又は検出システム240と一方向又は双方向のデータ通信可能な状態となる。アクチュエータ102は、気泡又は流量の変化を検出すると、光学インタラプタ103、例えば鏡、フィルタ、拡散器又は光学マスクを作動させるように構成される。
図2は、通常動作中のシステムを示す。
図3は、電磁放射221の少なくとも一部がフローチャンバ210に入るのを妨げるように光学インタラプタ103を作動させた状態のシステムを示し、代わりに、放射をレーザビームダンプ104に向ける又はその他の方法でビームの強度及び/又は空間的特性を調整する。矢印は流れ方向を示す。本発明のこの態様に有用な光学インタラプタとしては、光学マスク、反射器、レンズ、拡散器、フィルタ、開口部もしくはシャッタ、又はこれらを組み合わせたものがある。プロセッサ101は、光学インタラプタ103が作動されている期間にわたって検出システム240によって与えられた電気信号にフラグを立てる、又はいくつかの実施形態ではその電気信号を無視することがあり得る。いくつかの実施形態では、光学インタラプタは、その代わりにフローチャンバ210と収集システム230との間に配置されて、電磁放射221がフローチャンバ210に入るが、検出システム240に到達できないことがある。好適には、これにより光源220は通常通り動作し続けることが可能になり、結果として光源220を再起動する又は光源220に電力を再供給するという問題を回避する。流体監視システム100が、気泡がもはや存在せずかつ/又は流量が通常流量状態であることを検出すると、プロセッサ101は、光学粒子計数器が通常動作に戻ることができるように、光学インタラプタ103の作動解除をするためにアクチュエータ102に信号を与えてもよい。
【0063】
[0068]さらに、流量は変化するが内部構成要素にとって問題とならなければ、光学インタラプタ103は作動解除されたままにしてもよく、流体監視システム100は、測定された流量に対応する信号をプロセッサ101に与えてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、プロセッサ101は、検出及び特性評価パラメータ、例えば粒子を検出し特性評価するために使用される強度閾値を調整し、それによって流量の変化中にもデータを正確に監視し収集し続ける。プロセッサ101は、いくつかの実施形態では、光源220に供給される電力を増大又は減少させ、それによって閾値強度を一定に保つが、光源の出力を調整することにより気泡の存在又は流量の変化に対処することができる。
【0064】
例3:流体調節器
[0069]保護手段、及び気泡及び流量変化の検出に基づいて粒子計数器データの解析を最適化することに加えて、いくつかの実施形態では、システムに入り得る気泡の量を制御しかつ/又は減少させることも有効である。フローチャンバに入る気泡は、分析されている流体中の気泡の数及びサイズを減少させるために、例えば粒子計数器の上流側に液体調節器を含めることによって制御され得る。一実施形態では、例えば、液体調節器は、分析されている液体ストリームを分割して、一方のストリームが高濃度の気泡を有する2つの別々のストリームにすることができる。
【0065】
[0070]
図4は液体調節器を利用したシステムの概略図を提供し、
図5は例示的な液体調整装置を示す。
図4において、分析されている液体ストリーム50は、液体調節器110を通過してから2つの別々のストリーム、すなわちバイパスストリーム51及び試料ストリーム52に分割される。液体調節器110は流体の直線速度を低下させるので、気泡は、気泡の密度が低いのでストリームの上部に上昇することとなる。したがって、気泡は、試料ストリーム52の上に重力の作用で配置されるバイパスストリーム51に、より入りやすくなる。この構成では、試料ストリームに入る流体は、この流体が流体監視システム100及び液体粒子計数器200を通過するときに含んでいる気泡は少なくなる。したがって、この構成は、気泡の存在から生じる問題、例えばフォールスポジティブの発生を抑制するために有益である。
【0066】
例4:統合型システム
[0071]本書で提供される流体監視を統合した粒子計数器は、従来のシステムに勝るいくつかの利点を実現する。
【0067】
[0072]損傷:高レーザエネルギー密度は、流体流れが試料セル内で過熱又は沸騰するのを回避するのに不十分である場合、器具損傷の可能性の原因となり得る。流れの減少又は停止の識別により、適切な流量が回復されるまで、レーザエネルギーを終了する、減少させる又は方向転換させることが可能となり得る。
【0068】
[0073]試料セルの測定領域を通過する気泡は粒子と同様に光を散乱させる。光学粒子計数器が散乱光を測定するので、光学粒子計数器は、媒体と光散乱を引き起こす粒子との間の屈折率差異に依拠する。試料媒体と異なる屈折率を有する気泡は、粒子と同じように光を散乱させることになる。気泡が十分に大きい場合、気泡は、粒子計数器内の敏感な構成要素に損傷を与えるのに十分なレーザエネルギーを散乱させかつ方向転換させることができる。これらの構成要素は、レーザ自体、試料セル構成要素及び光検出器もしくは他の電子回路を含むことができる。
【0069】
[0074]データ品質:流量を監視しかつ動作パラメータを調整してデータに流量変動を補償している間に、追加の利点が得られる。気泡の場合、気泡活動を識別することにより、報告された測定結果からのデータの除去を支援する、又はそのデータに、精度に問題があるものとしてフラグを立てることを支援するであろう。こうした両機能の利点は、データの品質及び信頼性が向上することである。
【0070】
[0075]試料調整:気泡検出に加えて、光学粒子計数器によって分析されている流体流れから気泡を分離する装置の統合はデータ品質を向上させる。調整装置は、例えば、気泡が浮力により上がるのを可能にする容器とすることができ、試料流れは容器の底部から取り出される。気泡を有する流れの一部は試料領域を迂回し、それによってデータ品質に影響を及ぼすことはない。浸透膜、管又は他の脱ガス機構を用いた他の装置も使用できる。一実施形態の一例が
図5に提供される。
【0071】
例5:流体監視システムの切り替え
[0076]いくつかの実施形態では、流体監視システムは、通常動作とレーザへの電力が変更される変性安全状態とを迅速に切り替えるために液体粒子計数器に制御信号を与え、光学インタラプタが作動される、あるいは、データ完全性を向上させるために、出力データにフラグを立てられる、又はいくつかの実施形態では出力データが無視される。これにより、気泡が通過したときに又は流量が通常流量状態に戻ったときに通常動作に自動的に戻る間の液体粒子計数器のリアルタイムでの制御と損傷及び不正確なデータ解析の回避とが可能になる。各切替タイプは個々に有効又は無効にすることができる。
【0072】
[0077]一実施形態では、例えば、プロセッサは、気泡の存在又は流量状態の変化に対応する信号を流体監視システムから受信すると、液体粒子計数器内の状態又は光学検出システムによって与えられるフラグデータを切り替える論理回路を含む。プロセッサは、液体粒子計数器に制御信号を与えるべきときを判定するために、切替「Reading」及び切替「State」を分析する。Readingは、切替入力が明確に1つの状態(例えば、気泡の存在又は低流量状態)であると判定されるかどうかを見分ける時間/基準に依存する。Stateは、切替入力がBad又はGoodであると判定されるかどうかを見分ける時間/基準に依存する。
【0073】
[0078]いくつかの実施形態では、Bad状態は、光源の保護処理を開始する状態であり、例えば、光学インタラプタを起動するもしくはレーザ出力を低減すること及びBad状態に対応するフラグを立てることである。Good状態は、光源を光源の通常ランタイム構成に戻す。ユニットは、ブート後に良好なスタートアップ値が各有効切替から判定される場合に光源を光源の通常ランタイム構成に設定するだけである(例えば、気泡の不在又は通常の流れ状態、いくつかの実施形態ではその両方)。読取り時間/基準は、各切替タイプの2つの可能性のどちらの間の移行についても同じである。Good状態からBad状態への移行時間/基準は、Bad状態からGood状態への移行と異なってもよい。読取り間の移行は、虚偽表示の可能性を最小限に抑える時間/基準を利用する。
【0074】
[0079]気泡検出器用の基準は、タイミングに加えて他のパラメータを含んでいてもよい。
公称システム流量(例えば1mSec)に比べて比較的高い速度でウェット/ドライ読取りを行う
ウェット/ドライ読取値の循環バッファ(例えば100個の要素)を維持する
バッファがロードされるたびにバッファ全体を処理する。
隣接ドライ要素の数>Xであれば不合格
全ドライ要素の数>Yであれば不合格
ドライ/ウェットの数>N/Mであれば不合格
【0075】
[0080]バッファサイズが増大するときに実行され得る追加「パターン」がある。いくつかの実施形態では、気泡の存在を判定するためにさらに複雑なパターンが分析され得る。
【0076】
例6:システム制御
光源(レーザ)コントローラ
[0081]器具のファームウェア内のレーザコントローラが、所望のレーザ出力を設定するために使用することができる。例えば、レーザコントローラは、レーザコントローラの測定済みレーザ出力、レーザコントローラの温度読取りに関してレーザモジュールをポーリングすることができ、要求されたレーザオン/オフ命令があれば処理する。
【0077】
[0082]レーザコントローラは、有効な流体チェック(Fluid Check)スイッチのいずれか/すべての状態を要求することができる。有効なスイッチのいずれか/すべてがトリガを引いた場合(すなわち不良スイッチ状態)、レーザは自動的に止められる。初期化中に、レーザコントローラは、レーザのスイッチをオンする前にすべての有効な流体監視システム(又は流体チェックスイッチ)が良好状態を判定するまで待機する。流体監視システムはBubble検出器及びFlow表示器を含むが、これらに限定されるものではない。
【0078】
[0083]レーザコントローラのモード例がAutoである。すなわち、流体チェックスイッチ状態が不良から良好になると、レーザは自動的に電源を入れられ、流体チェックスイッチ状態が良好から不良になると、レーザは自動的に電源を切られる。
【0079】
流体監視/流体チェック処理
[0084]流体チェック処理はレーザコントローラにのみ関連する。流体チェック機能の主目的は、問題がある場合にレーザを止める又は遮断することである。流体は、例えば、独立に有効又は無効にすることができる3つの電気機械スイッチを使用してチェックされてもよい。3つの流体チェックスイッチは気泡、低流量、及び漏れである。トリガされる有効な流体スイッチ入力(すなわち故障表示)のいずれか又はすべてが流れ状態エラーを発生させ、続いて出力を低下させ、レーザを止める又は遮断する。レーザは、故障が取り除かれるまでこの方法を維持する。
【0080】
気泡スイッチ処理
[0085]気泡検出は、システムのAuxiliary Interrupt(補助遮断)を利用して行われる。遮断は1ミリ秒の速さで実行され、100個の要素でなる循環バッファにドライ又はウェット表示をロードする。すべての更新は、バッファについてバッファのドライ要素の総数及び隣接ドライ要素の数もチェックする。異なる粒子検出システム、例えばUltraDI−20又はChem−20は、異なる故障限界に反映された異なる流量を有する。
【0081】
[0086]読取り及び良好状態から不良状態への移行は下記のときに起こる。
モデルA 全ドライ要素>30
モデルA 全隣接ドライ要素>15
モデルB 全ドライ要素>14
モデルB 全隣接ドライ要素>7
不良状態から良好状態への移行は、最初の良好読取りが行われてから所定の期間が経過したときに生じる。
【0082】
フロースイッチ処理
[0087]フロースイッチは、この設置のために適切に較正されるものとする。読取りには1秒かかる。良好状態から不良状態への状態移行には、最初の不良読取りが行われてから約2秒かかる。不良状態から良好状態への移行は、最初の良好読取りが行われてから所定の期間が経過したときに生じる。
【0083】
参照による組込み及び変形形態に関する記述
[0088]この出願の全体にわたって挙げられる全ての引用文献、例えば、発行済み或いは許可済みの特許又はその同等物、特許出願公開を含む特許文献、及び、非特許文献、又は、他の原資料は、あたかも各引用文献がこの出願における開示と少なくとも部分的に矛盾しない程度まで参照により個別に組み込まれるかのように、それらの全体が参照により本書に組み込まれる(例えば、部分的に矛盾する引用文献は、引用文献の部分的に矛盾する部分を除いて参照により組み込まれる)。
【0084】
[0089]本書で使用されてきた用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定の用語として使用されておらず、また、そのような用語及び表現の使用においては図示されて説明された特徴又はその一部の任意の等価物を排除する意図はないが、特許請求の範囲に記載される発明の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。したがって、好ましい実施形態、典型的な実施形態、及び、随意的な特徴により本発明を具体的に開示してきたが、本書にて開示される概念の変更及び変形が当業者により成されてもよく、また、そのような変更及び変形が添付の特許請求の範囲により規定されるこの発明の範囲内にあると見なされることが理解されるべきである。本書で与えられる特定の実施形態は、本発明の有用な実施形態の例であり、また、当業者であれば分かるように、本発明は、この明細書本文に記載された装置、装置構成要素、及び、方法ステップの多数の変形を用いて実行されてもよい。当業者に明らかなように、この方法に有用な方法及び装置は、多数の随意的な組成物及び処理要素及びステップを含むことができる。
【0085】
[0090]置換物のグループが本書に開示される場合には、そのグループの全ての個々の要素及び全てのサブグループが別々に開示されることが理解される。本書でマーカッシュグループ又は他のグループ分けが使用される場合、そのグループの全ての個々の要素及びそのグループの想定し得る全ての組合せ及び部分組合せは、個別に開示に含まれることように意図される。
【0086】
[0091]本書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」及び「その(the)」は、文脈が別段に明確に指示しなければ、複数形を含むことに留意すべきである。したがって、例えば、「セル」への言及は、複数のそのようなセル、及び、当業者に知られているその等価物等を含む。同様に、「1つ(a)」(又は「1つ(an)」)、「1つ以上」、及び、「少なくとも1つの」という用語は、本書では置き換え可能に使用され得る。また、「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び、「有する(having)」という用語が置き換え可能に使用され得ることにも留意されるべきである。「請求項XX−YYのいずれかに記載の」(XX及びYYは請求項番号を指す)という表現は、複数の従属請求項を選択的形態で与えるように意図され、幾つかの実施形態では、「請求項XX−YYのいずれか一項に記載の」という表現と置き換え可能である。
【0087】
[0092]本書中で範囲、例えば温度範囲、時間範囲、或いは、組成又は濃度の範囲が与えられるときは常に、全ての中間範囲及び部分範囲、並びに、与えられたその範囲に含まれる全ての個々の値が開示内に含まれるように意図される。言うまでもなく、本書の説明に含まれる任意の部分範囲或いは1つの範囲内又は部分範囲内にある個々の値は、特許請求の範囲から排除され得る。
【0088】
[0093]本書中で言及される全ての特許及び公報は、本発明が関連する技術における当業者のレベルを示す。本書で挙げられる引用文献は、それらの公開日又は出願日の技術の状態を示すために参照によりそれらの全体が本願に組み込まれ、また、従来技術にある特定の実施形態を排除すべく、必要に応じて、この情報を本書で使用できることが意図される。例えば、物質の組成が特許請求の範囲に記載される場合、本書に引用される文献で可能な開示が与えられている化合物を含めて、出願人の発明の前に当該技術分野で知られて入手可能な化合物は、本書中の物質請求項の組成に含まれるように意図されないことが理解されるべきである。
【0089】
[0094]本書で使用される「備える」は、「含む」、「包含する」、又は、「によって特徴付けられる」と同義であるとともに、包括的或いは非制限的であり、更なる挙げられていない要素又は方法ステップを排除しない。本書で使用される「から成る」は、特許請求の範囲に記載される要素で特定されない任意の要素、ステップ、又は、成分を排除する。本書で使用される「から本質的に成る」は、特許請求の範囲の基本的で新規な特徴に実質的に影響を与えない材料又はステップを排除しない。いずれの場合にも、用語「備える」、「から本質的に成る」、及び、「から成る」は、他の2つの用語のいずれかと置き換えられてもよい。本書に例示的に記載される発明は、本書に具体的に開示されない任意の1つ又は複数の要素、1つ又は複数の限定の不存在下で実施されてもよい。
【0090】
[0095]当業者であれば分かるように、具体的に例示されたもの以外の出発材料、生物学的材料、試薬、合成方法、精製方法、分析方法、検定方法、及び、生物学的方法を過度の実験を用いることなく本発明の実施で使用できる。任意のそのような材料及び方法の当該技術において知られる全ての機能的等価物は、本発明に含まれるように意図される。使用されてきた用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定の用語として使用されておらず、また、そのような用語及び表現の使用においては図示されて説明された特徴又はその一部の任意の等価物を排除する意図はないが、特許請求の範囲に記載される発明の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。したがって、好ましい実施形態及び随意的な特徴により本発明を具体的に開示してきたが、本書に開示される概念の変更及び変形が当業者により成されてもよく、また、そのような変更及び変形が添付の特許請求の範囲により規定されるこの発明の範囲内にあると見なされることが理解されるべきである。