(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記距離計測ユニットは、前記制御装置との通信回路(CI)と出力回路(OC)と、第1の入力回路(IC1)と、第2の入力回路(IC2)と、時間デジタル変換回路(TDC)と、前記機能切り替えスイッチを有し、前記制御装置による前記機能切り替えスイッチによる操作により、前記計測器と前記測定物との機能が切り替えられる請求項2に記載の距離計測装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の光学式の距離計測装置には、基本的には次のような問題があった。
【0009】
すなわち、光源としてレーザーが広く使われているが、固定式のレーザーは安価な反面、光源からの拡散が少ない為に照射角が狭く、位置が不定の測定物を自動で計測することはできない。従って、作業者が測定物にレーザーを当てる必要がある場合であって、測定物が遠方にある場合、レーザーを合わせるのは至難である。
【0010】
他方、走査式のレーザーであれば自動でターゲットを検出して計測できるが、大変高価である。また、レーザーを拡散性の高いLEDに換えればビームを測定物に合わせる必要はなくなるが、測定物の周囲に他の物体があると、測定物か周囲の物体かどちらの反射光かを判別することはできない。
【0011】
また、計測距離と計測精度は、測定物の反射率に大きく依存する。そのため、反射率が低い測定物の場合、計測距離は短くなり、計測精度は低下する。また光沢が強い物体では反射光が計測器の受光部に入射する保証はないので、測定物の表面は拡散反射でなければならない、という課題があった。
【0012】
また、同様に、従来の電波式の距離計測装置には、基本的には次のような問題があった。
【0013】
すなわち、電波は視野(照射角)が広く測定物にビームを合わせる必要はないが、距離分解能、すなわち、近くにある複数の物体を分離して検知できる能力が低い。そのため、最新の79GHz帯ミリ波でも距離分解能は37.5mmしかなく、測定物の近くに他の物体がある環境では高精度の計測は不可能である。
【0014】
また、計測距離と計測精度は、測定物のRCS(Radar Cross-Section:レーダー反射断面積)に大きく依存する。RCSとはレーダーから電波の照射を受けた時にアンテナの方向に電波を反射させる能力で、測定物の大きさ・形状・材質により異なる。測定物が大きく、三角錐の形状に近く、電波反射率の高い素材であれば、計測距離は長く計測精度は上がるが、この条件から外れると距離と精度は低下してゆく、という課題があった。
【0015】
そこで、本発明は、上記課題を解決することを目的としており、低コストでありながら計測時に測定物にビームを合わせる必要が無く、測定物が他の物体と近接している場合や、測定物の方位角に近い角度線上に他の物体が存在する場合、或いは、測定物に到達する計測器から照射される光(或いは電波)が微弱になる場合であっても、容易に計測器と測定物との間の距離の測定が可能な、距離計測装置及び距離計測方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために本発明は、計測器と測定物との間の距離を計測する距離計測装置であって、前記距離計測装置は、前記計測器と前記測定物と制御装置とを備え、前記制御装置は、無線により前記計測器と前記測定物とに接続されると共に、前記計測器と前記測定物との制御を行い、前記計測器は、前記制御装置の計測開始信号に基づいて、前記測定物に出力信号を送信すると共に、前記測定物からの応答信号を受信し、前記測定物は、前記計測器からの出力信号に応じて、前記計測
器に応答信号を送信し、前記制御装置は、前記計測開始信号を出力した時間と前記測定物からの応答信号を受信した時間、及び、前記制御装置からの計測開始信号に応じて前記計測
器が出力信号を送信するまでの前記計測器における回路遅延時間、並びに、前記測定物が前記計測器からの出力信号に応じて応答信号を送信するまでの前記測定物における回路遅延時間に基づいて、前記計測器と前記測定物との間の距離を計測
し、前記計測器は、前記制御装置との計測器側通信回路(MCI)と、計測器側出力回路(MOC)と、第1の計測器側入力回路(MIC1)と、第2の計測器側入力回路(MIC2)と、計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)とを有し、前記測定物は、前記制御装置との測定物側通信回路(OCI)と、測定物側出力回路(OOC)と、第1の測定物側入力回路(OIC1)と、第2の測定物側入力回路(OIC2)と、測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)とを有し、前記制御装置は、計測開始信号を前記計測器に送信し、前記計測器は、前記計測開始信号に基づいて、前記計測器側通信回路(MCI)を介して、前記計測器側出力回路(MOC)に第1の起動信号(ST1)を入力すると共に、前記計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)に前記第1の起動信号(ST1)を入力し、前記計測器側出力回路(MOC)は、前記第1の起動信号(ST1)に応じて、前記測定物の前記第2の測定物側入力回路(OIC2)に前記出力信号を送信すると共に、前記出力信号の一部は、前記第1の計測器側入力回路(MIC1)に入力され、それに応じて、前記第1の計測器側入力回路(MIC1)は、前記計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)に、計測器側遅延信号(MDS1)を入力し、前記測定物の前記第2の測定物側入力回路(OIC2)は、前記計測器からの前記出力信号を受信することにより、前記測定物側出力回路(OOC)に第2の起動信号(OST2)を入力し、前記測定物側出力回路(OOC)は、前記第2の起動信号(OST2)に応じて、前記第2の計測器の計測器側入力回路(MIC2)に前記応答信号を送信すると共に、前記応答信号の一部は、前記第1の測定物側入力回路(OIC1)に入力され、それに応じて、前記第1の測定物側入力回路(OIC1)は、前記測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)に、測定物側遅延信号(ODS1)を入力し、前記第2の計測器側入力回路(MIC2)は、前記測定物からの前記応答信号を受信することにより、前記計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)に停止信号(STS)を入力し、前記制御装置は、前記計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)に入力された、前記第1の起動信号(ST1)と前記計測器側遅延信号(MDS1)と前記停止信号(STS)の時間、及び、前記測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)に入力された、前記第2の起動信号(OST2)と前記測定物側遅延信号(ODS1)の時間に基づいて、前記計測器と前記測定物との間の距離を計測することを特徴とする距離計測装置を提供する。
【0018】
また、上記課題の解決は、前記距離計測装置は、前記計測器と前記測定物との機能を併存すると共に、機能切り替えスイッチを有する距離計測ユニットと、前記制御装置とからなり、前記機能切り替えスイッチにより、少なくとも2台の前記距離計測ユニットの1台を前記計測器とし、他の1台を前記測定物とすることで、前記距離計測ユニットの間の距離の計測を行う事により、或いは、前記距離計測ユニットは、前記制御装置との通信回路(CI)と出力回路(OC)と、第1の入力回路(IC1)と、第2の入力回路(IC2)と、時間デジタル変換回路(TDC)と、前記機能切り替えスイッチを有し、前記制御装置による前記機能切り替えスイッチによる操作により、前記計測器と前記測定物との機能が切り替えられることにより、或いは、前記制御装置による、前記計測器と前記測定物との接続は、ブルートゥース(登録商標)通信規格に基づく通信プロトコルによることにより、或いは、前記計測器と前記計測物には、更にGPS受信回路を備えることにより、更に効果的に達成される。
【0019】
また、上記課題の解決は、前記距離計測装置を用いた距離計測方法であって、前記制御装置からの前記計測開始信号に基づいて、前記計測器が、前記測定物に前記出力信号を送信するステップと、前記制御装置からの計測開始信号に基づいて、前記計測器から前記出力信号が送信されるまでの前記計測器における回路遅延時間を記録するステップと、前記計測器からの前記出力信号を受信して、前記測定物が前記計測器に前記応答信号を送信するステップと、前記計測器からの前記出力信号を受信して、前記測定物から前記応答信号を送信するまでの前記測定物における回路遅延時間を記録するステップと、前記制御装置が、前記計測開始信号を出力した時間と前記測定物からの応答信号を受信した時間、及び、前記計測器における回路遅延時間、並びに、前記測定物における回路遅延時間に基づいて、前記計測器と前記測定物との間の距離を計測するステップとからなる、距離計測方法により、更に効果的に達成される。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、計測器と測定物とを測距したい2地点のそれぞれに設置し、制御装置による操作によって、計測器から出力信号を測定物に発信すると、測定物は、かかる出力信号を受けて応答信号を計測器に送信する構成になっている。
【0021】
そのため、測定物の反射を利用しないで、測定物そのものが発する応答信号に基づいてTOF(飛行時間計測)を行っている。したがって、本発明によれば、反射光を用いる従来の方式のように、測定物の反射率や拡散度、RCSなどに左右されずに測定が可能である。
【0022】
また、光を用いた場合には、測定物からの応答に直接光を使用できることから、反射光に比べて信号レベルが高く、ノイズにも強い。これにより、本発明によれば、精度の高い安定した計測値を得ることが可能である。
【0023】
また、位置が不正確な測定物を測距する場合、従来のレーザー方式では、作業者が測定物にビームを合わせるか、もしくはビームを走査するための高価な機構が必要であった。
【0024】
しかし、本発明では、測定物に計測器からの光(もしくは電波)が当たりさえすれば計測が可能である。そのため、例えば、
図3に示したように、広拡散のLEDや電波を使えば、任意の位置にある測定物を安価な機構で作業者なしに計測することが可能である。そして、その計測範囲は360°(全方位)まで広げることも可能である。
【0025】
また、レーザー方式を除く従来の方式でも、広拡散LEDや広角アンテナを使えば、ビーム合わせやビーム走査は不要であった。ただしそれは、「測定物の近くに他の物体がない」場合である。そのため、測定物の近くに他の物体があると、LED式では測定物との判別はできず、電波式でも他の物体との距離が数cm以上ないと判別できない。レーザー式はこのような影響を受けないが前述の問題がある。
【0026】
しかし、本発明によれば、
図4に示したように、測定物の近くに他の物体がある場合であっても、応答発光(応答送信)と反射光(反射波)のレベルにかなりの差があるので、その差に基づいて、簡単に判別することができる。
【0027】
また、レーザー方式を除く従来の方式では、測定物の方位角に近い角度線上に他の物体が存在すると、測定物との判別はできない。
【0028】
しかし、本発明によれば、
図5に示したように、発光(送信)と応答発光(応答送信)の波長(周波数)を変えることにより、完全な判別が可能である。
従って、本発明によれば、低コストでありながら計測時に測定物にビームを合わせる必要が無く、測定物が他の物体と近接している場合や、測定物の方位角に近い角度線上に他の物体が存在する場合、或いは、測定物に到達する計測器から照射される光(或いは電波)が微弱になる場合であっても、容易に計測器と測定物との間の距離の測定が可能な、距離計測装置及び距離計測方法を提供することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、計測器と測定物との間の距離を測定する距離計測装置に関するものであり、計測器からの光や電波の照射に対する測定物の反射によらずに、測定物そのものの応答出力を利用して測距を行うことを特徴とし、基本的な構成要素は、計測器と測定物とこれらの制御装置とからなっている。
【0031】
そして、本発明では、測距したい地点に置く測定物を、計測器と類似の機能を持つような構成とし、計測器から光(もしくは電波)が出力され、測定物がそれを受光(もしくは受信)すると、測定物は直ちに応答発光(または応答送信)し、それを計測器に入力する。
【0032】
また、本発明では、計測器からの出力と計測器に入力される応答信号の時間差を計測することにより測距を行うが、その際には、計測器と測定物の回路内の遅延時間を考慮して、補正を行い、より正確な測距を行うように構成されている。
【0033】
また、本発明の更に異なる実施形態では、かかる計測器と測定物とを単一のユニットとして構成し、制御装置による操作により、その機能を適宜切り替えて使用し、これを用いて、距離計測等を行う事も可能である。
【0034】
そこで、以下では、最初に、計測器と測定物とこれらの制御装置とからなる距離計測装置の基本的な形態及びその使用方法について具体的に説明し、その後に、計測器と測定物とを一体化した距離計測ユニットについて言及する。
【0035】
なお、以下の説明では、同一の構成要素については、他の形態を採り得るものについても同一の記号を用いる場合があり、重複する構成の説明や記号等については、一部省略する場合がある。また、図面の一部については、分かり易くするために表現を省略している場合もある。
【0036】
図6は、本発明の例による距離計測装置1000の構成例を示したものであり、(A)は制御装置100と、計測器200のブロック図を示したものであり、(B)は、制御装置100と、測定物300のブロック図を示したものである。
【0037】
図6で示したように、本発明の例による距離計測装置1000は、制御装置100と計測器200と測定物300とを、基本的な構成要素として構成されている。(なお、
図6(A)、(B)中では、一点鎖線で囲まれた、GPS(Global Positioning System)衛星とその受信回路を含む構成は、追加的な機能を用いるための任意的な構成要素である。)
本発明の例による距離計測装置1000の構成要素のうち、制御装置100は、距離計測装置1000のホストとして、計測器200と測定物300との制御を行う装置である。
【0038】
そのため、かかる制御装置100は、計測器200及び測定物300との無線通信機能を有していて、後述する計測開始信号の送信や、計測器200側及び測定物300側のそれぞれで生成された各種データの受信が可能である。そして、かかる無線通信機能の形式については特に限定を設けるものではないが、例えば、ブルートゥース(ブルートゥース、Bluetooth、は登録商標)通信規格による通信プロトコルを用いることも可能である。
【0039】
また、制御装置100は、これら計測器200及び測定物300とから送信されたデータの処理機能を有しており、これらのデータに基づいて距離計算を行う事が可能である。
【0040】
更に、制御装置100は、上記の目的のために、計測器200及び測定物300への入出力用インターフェースを有している。
【0041】
そのため、本発明の例による距離計測装置1000では、制御装置100として、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)の他、スマートホンやタブレットPCなどの各種携帯情報端末を用いることも可能であり、計測する対象や状況に応じて、適宜これらを組み合わせて、併用することも可能である。
【0042】
次に、本発明の例による距離計測装置1000の構成要素のうち、計測器200は、制御装置100による操作に応じて、測定物300に対して光や電磁波等による出力信号を送信すると共に、測定物300からの応答信号を受信し、それぞれの送受信のタイミングと測定器200内での回路の遅延時間を記録すると共に、これらのデータを制御装置100に送信する機能を有するものである。
【0043】
そのため、計測器200は、
図6(A)に示したように、少なくとも、計測器側通信回路(MCI)と、計測器側出力回路(MOC)と、第1の計測器側入力回路(MIC1)と、第2の計測器側入力回路(MIC2)と、計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)とを有し、併せて、計測器200の内部でこれらの回路の制御を行う中央演算処理装置(CPU)を有している。
【0044】
かかる計測器200の構成要素のうち、計測器側通信回路(MCI)は、計測器200と制御装置100との送受信を行う回路であり、本発明においては、制御装置100からの開始信号の受信を行ったり、後述する計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)に入力されたデータに基づく各種信号の情報を制御装置100側に送信したりする他、計測器200の起動や停止などの遠隔操作のための信号の送受信機能を付加することも可能である。そして、計測器側通信回路(MCI)は、制御装置100との無線通信による送受信機能を有しているが、かかる無線通信機能の形式については特に限定を設けるものではないため、制御装置100の構成に対応して、例えば、ブルートゥース(登録商標)通信規格による通信プロトコルを用いることも可能である。
【0045】
同じく、計測器200の構成要素のうち、計測器側出力回路(MOC)は、測定物300に対して出力信号を送信するための回路である。かかる出力信号は、レーザーや広拡散のLED、若しくは、その他の電磁波でも良く、電磁波を用いる場合には、広角アンテナを使用することも可能であり、計測する対象や状況に応じて、予め任意に選択しておくことが可能である。
【0046】
また、同じく、計測器200の構成要素のうち、第1の計測器側入力回路(MIC1)は、計測器側出力回路(MOC)により出力された出力信号の一部がフィードバックされて入力される回路である。本発明においては、正確な測距のために計測器200において、制御装置100からの計測開始信号(第1の起動信号ST1)が入力されてから、計測器側出力回路(MOC)による出力信号が送信されるまでの時間を計測している。そして、かかる計測は、計測器200に設けられた計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)を用いているために、第1の計測器側入力回路(MIC1)からは、計測器側出力回路(MOC)による発信がされた際に、計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)に計測器側遅延信号(MDS1)が出力される構成となっている。
【0047】
また、同じく、計測器200の構成要素のうち、第2の計測器側入力回路(MIC2)は、測定物300からの応答信号が入力される回路であり、応答信号が入力された場合には、後述する計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)に停止信号(STS)を入力する。そして、第2の計測器側入力回路(MIC2)は、基本的には応答信号を受信するための受信機であるため、応答信号の種別(光若しくは電波等の電磁波)や照射角に応じて最適な構成がなされており、例えば、計測物300からの応答信号が計測器200からの出力信号と異なる波長等が用いられる場合には、そのような応答信号に応じた受信回路が構成される。
【0048】
また、同じく、計測器200の構成要素のうち、計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)は、入力時間、或いは、複数の信号入力時間の差をデジタル情報に変換する回路である。
【0049】
そして、計測器200内部においては、計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)には、制御装置100からの開始信号が第1の起動信号(ST1)として入力される他、第1の計測器側入力回路(MIC1)からは、出力回路(MOC)により出力信号が発信された際に、計測器側遅延信号(MDS1)が入力され、更に、第2の計測器側入力回路(MIC2)からは、応答信号の受信に伴い停止信号(STS)が入力される。
【0050】
そのため、計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)では、第1の起動信号(ST1)を開始信号(START)とする他、計測器側遅延信号(MDS1)を第1の停止信号(STOP1)とし、停止信号(STS)を第2の停止信号(STOP2)として処理し、これらの間の経過時間(時間間隔)を正確に計測することが可能である。そして、これらの計測データは、上述のように、計測器側通信回路(MCI)を介して、制御装置100に送信される。
【0051】
次に、本発明の例による距離計測装置1000の構成要素のうち、測定物300は、計測器200からの出力信号に応じて、計測器200に応答信号を送信する機能を有するとともに、出力信号の受信から応答信号の送信までの測定物300内での回路の遅延時間を計測して、そのデータを制御装置100に送信する機能を有するものである。
【0052】
そのため、かかる測定物300は、
図6(B)に示したように、少なくとも、測定物側通信回路(OCI)と、測定物側出力回路(OOC)と、第1の測定物側入力回路(OIC1)と、第2の測定物側入力回路(OIC2)と、測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)とを有し、併せて、測定物300の内部でこれらの回路の制御を行う中央演算処理装置(CPU)を有している。
【0053】
かかる測定物300の構成要素のうち、測定物側通信回路(OCI)は、制御装置100との送受信を行う回路であり、本発明においては、専ら、測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)による、測定物300内での回路の遅延時間のデータの送信が行われるが、更に、測定物300の起動や停止などの遠隔操作のための信号の送受信機能を付加することも可能である。そのため、測定物側通信回路(OCI)は、制御装置100との無線通信による送受信機能を有しているが、かかる無線通信機能の形式については特に限定を設けるものではないため、制御装置100の構成に対応して、計測器200の場合と同様に、ブルートゥース(登録商標)通信規格による通信プロトコルを用いることも可能である。
【0054】
同じく、測定物300の構成要素のうち、第2の測定物側入力回路(OIC2)は、計測器200からの出力信号を受信すると共に、後述する測定物側出力回路(OOC)、及び、測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)に、第2の起動信号(OST2)を出力する回路である。そして、第2の測定物側入力回路(OIC2)は、基本的には出力信号を受信するための受信機であるため、出力信号の種別(光若しくは電波等の電磁波)や照射角に応じて最適な構成がなされている。
【0055】
同じく、測定物300の構成要素のうち、測定物側出力回路(OOC)は、計測器200からの出力信号に応答して、応答信号を送信する回路である。更に具体的に言えば、測定物側出力回路(OOC)には、第2の測定物側入力回路(OIC2)からの第2の起動信号(OST2)が入力され、これに応じて、計測器200に向けて応答信号を発信するように構成されている。
【0056】
そして、かかる応答信号は、計測器200の場合と同様に、レーザーや広拡散のLED、若しくは、その他の電磁波でも良く、電磁波を用いる場合には、広角アンテナを使用することも可能であり、計測する対象や状況に応じて、予め任意に選択しておくことが可能である。
【0057】
また、測定物側出力回路(OOC)は、必ずしも、計測器200からの出力信号と同様の波長を用いる必要はないため、例えば、使用状況に応じて帯域を変更した応答信号を発信できるように構成する事も可能である。
【0058】
同じく、測定物300の構成要素のうち、第1の測定物側入力回路(OIC1)は、上述の測定物側出力回路(OOC)により出力された出力信号の一部がフィードバックされて入力される回路である。本発明においては、正確な測距のために測定物300において、計測器200からの出力信号が受信されてから、測定物側出力回路(OOC)による応答信号が送信されるまでの時間を計測している。そして、かかる計測は、測定物300に設けられた測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)を用いているために、第1の測定物側入力回路(OIC1)からは、測定物側出力回路(OOC)による応答信号が発信がされた際に、測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)に測定物側遅延信号(ODS1)が出力される構成となっている。
【0059】
同じく、測定物300の構成要素のうち、測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)は、
計測器200に設けられたもの同様に、入力時間、或いは、複数の信号入力時間の差をデジタル情報に変換する回路である。
【0060】
そして、測定物300の内部においては、測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)には、第2の測定物側入力回路(OIC2)からの第2の起動信号(OST2)が入力される他、第1の測定物側入力回路(OIC1)から測定物側遅延信号(ODS1)が入力される。
【0061】
そのため、測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)では、第2の起動信号(OST2)を開始信号(START)とする他、測定物側遅延信号(ODS1)を停止信号(STOP1)として処理し、その間の経過時間(時間間隔)を正確に計測することが可能である。そして、これらの計測データは、上述のように、測定物側通信回路(OCI)を介して、制御装置100に送信される。
【0062】
次に、以上のように構成された距離計測装置1000における、計測器200と測定物300との距離計測の手順について、
図7、8を参照しながら説明する。ここで、
図7は本発明の例による距離計測装置1000における距離計測の一連の流れの概略を示すフローチャートであり、
図8は、同じく、本発明の例による距離計測装置1000において、計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)と測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)に入力される信号を、上側から順に時系列で表したものである。
【0063】
本発明は、上述の記載で例示したように、計測器200と計測物300との距離を計測する距離計測装置1000に関するものであるため、これらの機器を、予め、計測したい2地点に配置し、配置が完了したら、制御装置100から計測器200に向けて計測開始信号を送信する。そうすると、
図7に示すように、それに応じて、計測器200では、計測器側出力回路(MOC)から測定物300に向けて出力信号が発信される(ステップS100)。
【0064】
そして、この際、計測器200側では、計測開始信号は第1の起動信号(ST1)として処理され、計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)にSTART信号として入力される。また、出力信号を発信した計測器側出力回路(MOC)側からは、第1の計測器側入力回路(MIC1)を介して、計測器側遅延信号(MDS1)が、第1の停止信号(STOP1)として入力される。
【0065】
そのため、計測器200側では、計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)に入力されたSTART信号とSTOP1信号との間の時間間隔が、計測器200における回路遅延時間として記録され(ステップS110)、記録されたデータは、制御装置100に送信される。
【0066】
また、測定物300側では、ステップS100における、計測器200の計測器側出力回路(MOC)による出力信号を受けて、測定物側出力回路(OOC)から、計測器200側の第2の計測器側入力回路(MIC2)に向けて応答信号が発信される(ステップS120)。
【0067】
そして、この際、測定物300側では、第2の測定物側入力回路(OIC2)により、出力信号を受信した際に生成された第2の起動信号(OST2)が、測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)にSTART信号として入力され、また、応答信号を発信した測定物側出力回路(OOC)側からは、第1の測定物側入力回路(OIC1)を介して、測定物側遅延信号(ODS1)が、測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)に停止信号(STOP1)として入力される。
【0068】
そのため、測定物300側では、測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)に入力されたSTART信号とSTOP1信号との間の時間間隔が、測定物300における回路遅延時間として記録され(ステップS130)、記録されたデータは、制御装置100に送信される。
【0069】
また、計測器200側では、測定物300からの応答信号が、第2の測定器側入力回路(MIC2)に入力され、第2の測定器側入力回路(MIC2)からは、停止信号(STS)が、計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)に第2の停止信号(STOP2)として入力される。そして、計測器200側では、計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)に入力されたSTART信号とSTOP2信号との間の時間間隔が、計測器200と測定物300における送受信に要した時間として記録され、記録されたデータは、制御装置100に送信される(ステップS140)。
【0070】
そして、以上の経過により、制御装置100に送られた、計測開始信号を出力した時間と測定物300からの応答信号を受信した時間、及び、計測器200における回路遅延時間、並びに、測定物300における回路遅延時間に基づいて、計測器200と測定物300との間の距離の計測計算が行われ(ステップS150)、制御装置100に、その結果が表示される。
【0071】
すなわち、制御装置100では、
図8中にイ〜ホにより時系列で示したような、計測器200の計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)及び、測定物300の測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)によるデータが入力される。そして、
図8に示したように、aは、計測器200内における、計測開始信号に基づく第1の起動信号(ST1)による計測の開始から、停止信号(STS)による計測の終了までの合計時間、bは、計測開始信号に基づく第1の起動信号(ST1)による計測の開始から、測定器200から出力信号が送信され、それが計測器側遅延信号(MDS1)として記録されるまでの計測器200内での回路の遅延時間、cは、計測器200から測定物300までの送信信号の飛行時間、dは、測定物300側において第2の起動信号(OST2)が生じてから応答信号(ODS1)が生成されるまでの測定物300内での回路の遅延時間、eは、測定物300から計測器200までの応答信号の飛行時間である。
【0072】
そのため、以上のことから、計測器200と測定物300との間の距離Lは、光乃至電波の伝搬速度をCとした場合に、L=(a−b−d)C/2として計測される。
【0073】
なお、本発明では、上記のように、計測器200側と測定物300側とで、それぞれの時間デジタル変換回路(TDC)で計算された時間間隔が分かれば、制御装置100と計測器200と測定物300との相互間で、厳密に同期を採らなくても機能を発揮することが可能である。
【0074】
したがって、本発明によれば、計測器からの光や電波の照射に対する測定物の反射によらずに、測定物そのものの応答出力を利用して測距を行うことが可能であり、更に、計測器と測定物の回路内の遅延時間を考慮して補正を行う事で、一層正確な測距を行う事が可能である。
【0075】
そのため、本発明によれば、低コストでありながら計測時に測定物にビームを合わせる必要が無く、測定物が他の物体と近接している場合や、測定物の方位角に近い角度線上に他の物体が存在する場合、或いは、測定物に到達する計測器から照射される光(或いは電波)が微弱になる場合であっても、容易に計測器と測定物との間の距離の測定が可能な、距離計測装置及び距離計測方法を提供することが可能である。
【0076】
次に、
図9に示したような、本発明の例による、計測器と測定物とを単一のユニットとして構成し、制御装置による操作により、その機能を適宜切り替えて使用する距離測定装置について説明する。ここで、
図9は、本発明の例による距離計測装置について、上述したような、計測器と測定物とを単一の距離計測ユニット(600)として構成した、距離計測装置(5000)の例を示したブロック図である。なお、
図9において、
図6に示したと同様に、一点鎖線で囲まれた、GPS衛星とその受信回路を含む構成は、追加的な機能を用いるための任意的な構成要素である。
【0077】
図9に示したような距離計測装置(5000)は、基本的には、ホストとなる制御装置500と、少なくとも2台の距離計測ユニット(600)とから構成される。少なくとも2台とするのは、本距離計測ユニット(600)は、単一の筐体を機能切り替えスイッチにより計測器と測定物として使用するため、少なくとも2点間の測距を行う場合には、2台必要だからである。
【0078】
そのため、距離計測装置(5000)に用いられる制御装置500は、少なくとも2台の距離計測ユニット(600)の制御を行う機能を有しており、後述するような多点計測を行う場合には、更に多くの距離計測ユニット(600)の制御機能を備えたものとなっている。
【0079】
次に、距離計測装置(5000)に用いられる距離計測ユニット(600)は、基本的には、上述した距離計測装置(1000)に用いられる計測器200と測定物300との同様の機能を併せ持つものであるが、それぞれの機能を機能切り替えスイッチ(SW1、SW2)の操作により切り替えて使用するようになっている。そして、かかる機能切り替えスイッチ(SW1、SW2)は、基本的には制御装置500の操作により行うようになっている。
【0080】
また、距離計測ユニット(600)では、計測器200と測定物300とを1台のユニットとしてまとめたことで、時間デジタル変換回路(TDC)も単一のものとなっており、上記機能切り替えスイッチ(SW1、SW2)により、上述した距離計測装置(1000)における、計測器側時間デジタル変換回路(MTDC)と測定物側時間デジタル変換回路(OTDC)の機能を単一の時間デジタル変換回路(TDC)で置き換えるように構成されている。
【0081】
そのため、距離計測装置(5000)に用いられる距離計測ユニット(600)は、基本的には、上述した距離計測装置(1000)と同様に、通信回路(CI)と、出力回路(OC)と、第1の入力回路(ICI)と、第2の入力回路(IC2)と時間デジタル変換回路(TDC)と上述した機能切り替えスイッチ(SW1、SW2)を有しており、併せて、これら距離計測ユニット(600)内で制御するCPUを備えている。
【0082】
かかる距離計測ユニット(600)の構成要素のうち、通信回路(CI)は、距離計測装置(1000)の場合と同様に制御装置との送受信を行う。
【0083】
また、出力回路(OC)は、距離計測ユニット(600)を計測器として使用する場合には出力信号を発信し、測定物として使用する場合には応答信号を発信する。
【0084】
また、第1の入力回路(IC1)は、距離計測装置(1000)の場合と同様に、出力回路(OC)からの信号をフィードバックして入力する回路である。そのため、本距離計測ユニット(600)が計測器として使用される場合には、第1の入力回路(IC1)からは、入力されたフィードバック信号に基づいて、出力信号が送信されるまでの回路内での遅延時間を計測するための信号(MDS1)が出力される。そして、その一方、本距離計測ユニット(600)が測定物として使用される場合には、第1の入力回路(IC1)からは、入力されたフィードバック信号に基づいて、応答信号が送信されるまでの回路内での遅延時間を計測するための信号(ODS1)が出力される。
【0085】
また、第2の入力回路(IC2)も、距離計測装置(1000)の場合と同様であり、本距離計測ユニット(600)を測定物として使用する場合には出力信号を受信し、計測器として使用する場合には応答信号を受信する。そして、受信された信号に基づいて、本距離計測ユニット(600)が計測器として機能する場合には、距離計測装置(1000)について上述したような停止信号(STS)を生成し、測定物として機能する場合には上述したような第2の起動信号(OTS2)を生成し、その信号は時間デジタル変換回路(TDC)に入力される。
【0086】
また、機能切り替えスイッチ(SW1、SW2)は、上述のように、本距離計測ユニット(600)を計測器と使用するか測定物として使用するかを切り替えるスイッチである。
【0087】
そして、かかる機能切り替えスイッチ(SW1、SW2)は、
図9の記載上では、SW1とSW2の2つが記載されており、本距離計測ユニット(600)において、それぞれのスイッチをa側に接続すると計測器として機能するようになり、b側に接続すると測定物として機能するようになる。但し、かかる機能切り替えスイッチの形態や数などは例示したものであり、本距離計測ユニット(600)においてその機能が達せられれば、それらについて限定を設けるものでは無い。
【0088】
そして、以上の様な、距離計測ユニット(600)を用いた距離測定装置5000によれば、例えば、次の
図10から
図13で示したような計測が可能である。
【0089】
図10は、本発明による距離計測ユニット(600)をUA,UBとして用いて、機能をそれぞれ切り替える距離計測装置(5000)用いて、2地点間の距離Lを計測する例を示したものであり、本発明の例による距離計測装置の基本機能を示したものである。
【0090】
そのため、本発明による距離計測ユニットを用いる距離計測装置(5000)によっても、例えば、本距離計測ユニット(600)の向きが相互にずれていたり、水平や垂直が出ない場合であっても、支障なく、UAとUBの2地点間の距離計測が可能である。
【0091】
また、
図11は、本発明による距離計測ユニット(U1〜U6)を備える距離測定装置5000を用いて、多点平面測定の例を示した図である。
図11中で、U1からU6は、距離計測ユニット(600)をそれぞれ配置した例を示したものであり、平面測量したい場所をこのように複数の距離計測ユニット(U1〜U6)で取り囲み、三角形の集合体とすれば、各ユニットの機能を適宜、計測器と測定物とに切り替えることで、図形/長さ/角度/面積を自動計測することが可能である。
【0092】
また、
図12は、本発明による距離計測ユニットを備える距離測定装置を用いて多点立体測定を行う例を示したものであり、(A)は、距離計測ユニットUを用いて、平面計測を行った後に、既知の距離L‘だけ距離計測ユニットUを持ち上げて、高さを含む立体測量を行う例を示した概念図であり、(B)は、かかる立体測定を行った多点計測の例を
図11の場合と同様に示したものである。
図12(A)に示すように、例えば、本距離計測装置(5000)では、平面測定を行った後に、既知の距離だけ、距離計測ユニットUを持ち上げて再度計測すれば、高さを含む立体測量を行う事が可能である。そのため、これを多点計測に利用すれば、
図12(B)に示したように、多点計測を立体的に行う事も可能である。
【0093】
したがって、距離計測ユニット(600)を有する本発明の例による距離計測装置(5000)によっても、測定物が他の物体と近接している場合や、測定物の方位角に近い角度線上に他の物体が存在する場合、或いは、測定物に到達する計測器から照射される光(或いは電波)が微弱になる場合であっても、容易に計測器と測定物との間の距離の測定が可能な、距離計測装置及び距離計測方法を提供することが可能であり、更に、多点計測等の有効な利用が可能である。
【0094】
なお、上記に記載の例は、本発明の実施の一例を示したものであり、本発明の趣旨の範囲で各構成要素の変更も可能である。
【0095】
そのため、例えば、上記記載の制御装置では、上記の送受信機能に加えて、例えば、出力信号や応答信号の種別や使用周波数の選択指示等ができるようにしても良いし、また、距離計測ユニットを複数接続する場合には、これらの操作を自動化し、計測器と測定物との機能の切り替えを自動化したものであっても構わない。
【0096】
また、本発明においては、
図6又は
図9内に一点鎖線で示したようなGPS受信回路をそれぞれの構成に加えることにより、絶対位置と絶対方位を算出することも可能である。
【0097】
すなわち、GPSの精度は最高性能のRTKでも40mm程度しかなく精度が低いが、多点測距において、少なくとも2つのユニットがGPSを受信できれば、すべての点について、絶対位置と絶対方位を算出することも可能である。
【0098】
また、本発明では、ブルートゥース(登録商標)通信を利用する形態も可能であるが、多点計測に応用することで、絶対位置と絶対方位とを算出することも可能である。
【0099】
すなわち、ブルートゥース(登録商標)5.1では、AoA(Angle of Arrival)やAoD(Angle of Departure)といった電波の方向まで探知する技術も実用化されている。こうしたブルートゥース(登録商標)技術を利用すれば、ホスト(制御装置)と任意の1つか2つの距離計測ユニットが通信することにより、制御装置と距離計測ユニットの位置関係(距離と角度)を特定することが可能である。制御装置はGPSを実装することにより、自身の絶対位置を知ることができるので、制御装置の位置情報を基点として、全ての点について絶対位置と絶対方位を算出することが可能である。
【0100】
また、本発明による距離計測ユニットによる計測範囲については、次のように、拡大することも可能である。
【0101】
すなわち、多点測距では、少なくとも周囲3ユニット間の距離が最大距離範囲(光や電波の信号強度によって決まるユニット間の最大距離)にあれば、どれほど広いエリアでも計測可能である。しかしホストとの距離が問題になる場合がある。すべてのユニットはホストと通信する必要があるが、広大なエリアを計測する場合、遠くにあるユニットはホスト(制御装置)と通信できない可能性があるためである。
【0102】
そこで、そのような場合には、本発明による制御装置と距離計測ユニットの間をブルートゥース(登録商標)通信を用いて、かかるブルートゥース(登録商標)の機能を用いることにより、計測範囲の拡大を行うことも可能である。
【0103】
更に具体的には、本発明において全ての距離計測ユニットにブルートゥース(登録商標)を搭載し、ブルートゥース(登録商標)・メッシュネットワークを構築することにより、制御装置は遠くにある距離計測ユニットとも通信できる。メッシュネットワークとは、自分の近傍にあるユニット(ノード)に情報を送り、バケツリレーのようにして次々に情報を伝達してゆく方式である。合わせてこの機能により、制御装置はclass1のような強力なブルートゥース(登録商標)回路を持つ高性能品でなくても、普及品でも、使用可能になる。
【0104】
図13は、本発明による距離計測ユニットに、このようなメッシュネットワークを応用した例を示した概念図である。図中の二重丸は距離計測ユニットを示し、黒線がメッシュネットワーク、斜線で示した領域がホストである制御装置からのブルートゥース(登録商標)による接続が及ぶ領域である。図中の矢印は、制御装置のブルートゥース(登録商標)が届くユニットαから、届かないユニットβに、どのようにホストのデータが伝わるかの例を示したものである。
【0105】
そのため、本発明では、このような機能を活用することによっても、計測範囲の拡大を図ることが可能である。
【課題】低コストでありながら計測時に測定物にビームを合わせる必要が無く、測定物が他の物体と近接している場合や、計測器からの光又は電波が微弱な場合でも、容易に計測器と測定物との測距が可能な、距離計測装置及び方法の提供。
【解決手段】計測器200は、制御装置の計測開始信号に基づき測定物に出力信号を送信すると共に測定物からの応答信号を受信し、測定物300は、計測器からの出力信号に応じて計測装置に応答信号を送信し、制御装置100は、無線により計測器と測定物とに接続されて、計測開始信号の出力時と測定物からの応答信号の受信時、及び、制御装置からの計測開始信号に応じて計測装置が出力信号を送信する迄の計測器における回路遅延時間、並びに、測定物が計測器からの出力信号に応じて応答信号を送信する迄の測定物における回路遅延時間に基づいて、計測器と測定物との間の距離を計測する。