【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、たとえば、胃腸の(消化)管などの、組織を凝固させるか、組織のわずかなエリアを切除する目的のために、局所的な方式で、器具と接触している組織内にマイクロウェーブ周波数エネルギを制御しつつ搬送するのに使用できる電気外科器具の要請が存在していることを理解している。
【0007】
本発明者は、組織の局所的な領域にマイクロウェーブ周波数エネルギを制御しつつ搬送することを達成するために有利な方法は、同軸伝送線の露出した端部を組織に対して押圧することにより、同軸伝送線(たとえば、同軸ケーブル)の露出した端部からマイクロウェーブ周波数電磁エネルギを組織に直接結合することになることを理解している。本発明者は、この方式で組織に搬送されたエネルギは、同軸伝送線の露出した端部に隣接し、かつ同軸伝送線の中心軸周りに対称になる、組織のあるエリアに局所化されることを理解している。そのような、マイクロウェーブ周波数エネルギの、組織への局所的な搬送により、たとえば、この局所的な領域または局所的な切除における、組織の制御された凝固を引き起こすことができる。
【0008】
しかし、本発明者は、同軸伝送線の露出した端部と接触した生体組織は、同軸伝送線のインピーダンスに比べ、マイクロウェーブ周波数エネルギに低いインピーダンスを生じる
ことになる(たとえば、同軸伝送線のインピーダンスの1/6)こと、及び、このために、同軸伝送線と生体組織との間に、インピーダンスの著しいミスマッチが生じることになることを理解している。そのようなインピーダンスのミスマッチは、同軸伝送線と組織との間の界面における、マイクロウェーブ周波数エネルギのかなりの割合の反射に繋がることになる。このことは、器具の効率を制限することになり、また、十分なマイクロウェーブエネルギの組織への搬送が妨げられる場合がある。
【0009】
本発明者は、同軸伝送線のインピーダンスを、凝固している組織のインピーダンスによりよくマッチさせるために、同軸伝送線の遠位端にインピーダンス変成器を設けることにより、このインピーダンスのミスマッチの問題を克服することができ、それにより、マイクロウェーブ周波数エネルギが、エネルギが著しく反射されることなく、組織に効率的に結合/搬送されることを理解している。
【0010】
本発明者は、このことが、実際には、第1の同軸伝送線の遠位端に接続されたさらなる同軸伝送線の形態のインピーダンス変成器を提供することにより、同軸伝送線の露出した端部からエネルギを組織に直接結合することの利点を依然として達成しつつ、達成できることを理解している。ここで、さらなる同軸伝送線は、器具の所望の作動周波数において、第1の同軸伝送線のインピーダンスを、凝固することになる組織のインピーダンスによりよくマッチさせるように構成された長さ及び特性インピーダンスを有している。
【0011】
本発明者は、この構成により、エネルギを、マイクロウェーブ周波数エネルギの組織への局所的搬送を制御可能に達成するように、電気外科器具と接触している組織の局所的エリアに直接結合/搬送することができること、及び、組織に搬送されるエネルギの量を、さらなる同軸伝送線によって提供される、よりよいインピーダンスのマッチングによって増大させられることを理解している。
【0012】
したがって、その最も一般的ものとして、本発明は、器具と接触した組織内に、所定の作動周波数を有するマイクロウェーブ周波数電磁エネルギを搬送するための電気外科器具であって、この器具は、第1の同軸伝送線であって、この第1の同軸伝送線の遠位端に接続された第2の同軸伝送線を有する第1の同軸伝送線と、器具が組織と接触している場合に、作動周波数において、第1の同軸伝送線のインピーダンスを、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスによりよくマッチさせるように構成された長さ及び特性インピーダンスを有する第2の同軸伝送線と、を備えた、電気外科器具に関する。
【0013】
本発明の第1の態様によれば、電気外科器具であって、所定の作動周波数を有するマイクロウェーブ周波数エネルギを、器具の遠位端と接触した、所定の特性インピーダンスを有する組織内に搬送するために構成された電気外科器具であって、第1の内側導電体、第1の内側導電体と同軸に形成された第1の外側導電体、及び、第1の内側導電体と第1の外側導電体とを分ける第1の誘電層を備えた、マイクロウェーブ周波数エネルギを搬送するための近位の同軸伝送線と、第1の内側導電体に接続された第2の内側導電体、第2の内側導電体と同軸に形成されるとともに、第1の外側導電体に接続された第2の外側導電体、及び、第2の内側導電体と第2の外側導電体とを分ける第2の誘電層を備えた、マイクロウェーブ周波数エネルギを搬送するための遠位の同軸伝送線と、を備え、第2の内側導電体の外径に対する第2の外側導電体の内径の比は、器具の遠位端が組織と接触している場合に、遠位の同軸伝送線の特性インピーダンスが、近位の同軸伝送線の特性インピーダンスと、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスとの間の中間であるようになっており、遠位の同軸伝送線の長さは、所定の動作周波数において、器具の遠位端が、組織と接触している場合、遠位の同軸伝送線が、近位の同軸伝送線と、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスとの間のインピーダンスのマッチを向上させるインピーダンス変成器であるようになっている、電気外科器具が提供される。
【0014】
本発明の第1の態様に係る器具では、遠位の同軸伝送線は、器具の遠位端が組織と接触している場合に、所定の作動周波数において、近位の同軸伝送線のインピーダンスを、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスに良好にマッチさせるインピーダンス変成器として機能する。したがって、組織からのエネルギの反射が低減されることから、この器具は、電磁エネルギを組織内に、より効率的に結合するのに使用することができる。
【0015】
遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンス(load impedance)という用語は、(組織に向かって見る場合に)遠位の同軸伝送線の遠位端から見たインピーダンスを意味している。
【0016】
電気外科器具は、組織を、遠位の同軸伝送線の遠位端と直接接触させ、近位の同軸伝送線の近位端にマイクロウェーブ周波数電磁エネルギを、所定の周波数で提供することにより、マイクロウェーブ周波数エネルギを組織内に結合するのに使用され得る。この場合、同軸伝送線の遠位端が組織と接触している際の遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスは、組織の所定の特性インピーダンスによって判定されることになる。しかし、負荷インピーダンスは、独立した組織内の平面波のインピーダンスとはならず、代わりに、遠位の同軸伝送線の遠位の先端が存在し、組織と接触している組織内の波のインピーダンスとなる。これらのインピーダンスは異なっている。マッチすることになる正確な負荷インピーダンスは、組織の所定の特性インピーダンス、及び、遠位の同軸伝送線の特性に基づいて、シミュレーション、計算、または実験によって判定され得る。
【0017】
代替的には、以下に論じるように、さらなる遠位の同軸伝送線がいくつかの実施形態で提供される場合がある。この場合、電気外科器具は、組織を、さらなる遠位の同軸伝送線の遠位端と直接接触させ、近位の同軸伝送線の近位端にマイクロウェーブ周波数電磁エネルギを、所定の周波数で提供することにより、マイクロウェーブ周波数エネルギを組織内に結合するのに使用され得る。この場合、さらなる遠位の同軸伝送線の遠位端が組織と接触している際の遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスは、組織の所定の特性インピーダンスと、さらなる遠位の同軸伝送線の特性、たとえば、さらなる遠位の同軸伝送線のインピーダンスとの、両方に依存することになる。
【0018】
いずれの場合でも、エネルギは、組織との接触ポイントに隣接する組織の局所的エリアにおいて、組織に、より効率的に結合/搬送され、それにより、マイクロウェーブ周波数エネルギを組織内に制御しつつ搬送することが、この局所的エリアにおいて達成できるようになっている。
【0019】
器具は、特定の作動周波数を有するマイクロウェーブ周波数エネルギを、特定の特性インピーダンスを有する特定のタイプの組織に搬送するために最適化されている。当然、実際には、器具は、特定の特性インピーダンスに類似の特性インピーダンスを有する異なるタイプの組織で、及び/または、特定の作動周波数に類似の周波数を有するマイクロウェーブ周波数エネルギで、許容可能なレベルの性能で使用され得る。
【0020】
「インピーダンスのマッチを向上させる(improve the impedance match)」というフレーズは、器具の遠位端が組織と接触している場合に、第1の同軸伝送線の特性インピーダンスと、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスとの間のインピーダンスのミスマッチを低減することを意味している。「インピーダンスのマッチを向上させる(improve the impedance match)」というフレーズは、インピーダンスのミスマッチに起因する器具の反射損失を低減すること、すなわち、インピーダンスのミスマッチに起因して、組織から反射される(発
生源に向かって戻される)マイクロウェーブ周波数放射の比率またはパーセンテージを低減することを意味する場合がある。
【0021】
「インピーダンスのマッチを向上させる(improve the impedance match)」というフレーズは、器具の遠位端が組織と接触している場合に、第1の同軸伝送線の特性インピーダンスの実数部分(成分)と、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスの実数部分(成分)との間のインピーダンスのミスマッチを低減することを意味する場合がある。
【0022】
換言すると、遠位の同軸伝送線によるインピーダンスのマッチに言及する場合、マッチされることになるインピーダンスは、問題となっているインピーダンスの実数部分(成分)である場合がある。このため、遠位の同軸伝送線の特性インピーダンスの実数部分は、器具の遠位端が組織と接触している場合に、近位の同軸伝送線の特性インピーダンスの実数部分と、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスの実数部分との間の中間である場合がある。さらに、遠位の同軸伝送線は、器具の遠位端が組織と接触している場合に、近位の同軸伝送線の特性インピーダンスの実数部分と、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスの実数部分との間のインピーダンスのマッチを向上させるインピーダンス変成器である場合がある。
【0023】
近位端(proximal end)という用語は、この明細書を通して、器具の、マイクロウェーブ周波数電磁エネルギがジェネレータから入力される端部に最も近い端部を意味するために使用される。遠位端(distal end)との用語は、この明細書を通して、器具の、マイクロウェーブ周波数エネルギがジェネレータから入力される端部に最も遠い端部を意味するために使用される。換言すると、器具の、マイクロウェーブ周波数エネルギが組織に搬送される端部に最も近い端部である。
【0024】
実際には、組織は、近位の同軸伝送線よりも低いインピーダンスを有すると考えられる。したがって、実際には、遠位の同軸伝送線のインピーダンスは、近位の同軸伝送線のインピーダンスより低いが、組織のインピーダンスより高いと考えられる。たとえば、遠位の同軸伝送線のインピーダンスは、異なるタイプの組織の範囲に適切である場合がある8オームから30オームの間であるか、8オームから15オームの間である場合がある。組織は、以下にさらに詳細に論じるように、そのインピーダンスの反応性(虚数)部分(要素)をも有する場合がある。一実施形態では、遠位の同軸伝送線のインピーダンスは約10オームである場合がある。8オームから15オームの範囲の、遠位の同軸伝送線のインピーダンスは、対象の多くの組織のタイプに適切であり、30オーム以下のインピーダンスは、脂肪に適切である。
【0025】
本発明の第1の態様に係る電気外科器具は、以下の任意選択的特徴のいずれか1つ、または、それらが互換性のある範囲においては、任意の組合せを有する場合がある。
【0026】
第1の内側導電体及び/または第2の内側導電体は中実である場合がある。換言すると、第1の内側導電体及び/または第2の内側導電体は中空ではない。第1の内側導電体及び/または第2の内側導電体は、中実円柱、たとえば、中実ワイヤである場合がある。
【0027】
遠位の同軸伝送線の近位端は、近位の伝送線の遠位端に直接接続されている場合がある。
【0028】
遠位の同軸伝送線は、その中心軸周りに対称である場合がある。このため、器具の作動中の、結果として得られる、遠位の同軸伝送線の遠位端と接触している組織の出力吸収パターンも、遠位の同軸伝送線の中心軸周りに対称である場合がある。
【0029】
近位の同軸伝送線は、その中心軸周りに対称である場合がある。
近位の同軸伝送線及び遠位の同軸伝送線は、それらの中心軸が同一線上に整列された状態で配置され得る。
【0030】
第1の内側導電体及び/または第2の内側導電体(複数可)は、円柱状である場合がある。第1の内側導電体及び/または第2の内側導電体は、単一の金属を含む場合があるか、2つ以上の金属、たとえば、銅及び/または銀でメッキされたスチールワイヤを含む場合がある。
【0031】
第1の外側導電体及び/または第2の外側導電体(複数可)は、筒状である場合がある。第1の外側導電体及び/または第2の外側導電体は、ワイヤブライドから形成される場合がある。ワイヤブライドは、スズでメッキされた銅線から形成される場合がある。
【0032】
遠位の同軸伝送線の長さは、(2n+1)λ/4にほぼ等しい場合がある。ここで、λは、所定の作動周波数を有するマイクロウェーブ周波数エネルギの遠位の同軸伝送線内の波長であり、nは0以上の整数である。
【0033】
このため、遠位の同軸伝送線は、器具の遠位端が組織と接触している場合に、近位の同軸伝送線のインピーダンスを、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスに良好にマッチさせる、4分の1波長波インピーダンス変成器として機能する場合がある。
【0034】
遠位の同軸伝送線の長さが(2n+1)λ/4にほぼ等しい場合、長さが長くなると出力の損失が増大することになることから、遠位の同軸伝送線の好ましい長さはλ/4である。しかし、許容可能な性能は、より長い長さで達成することができる。本質的には、遠位の同軸伝送線の実用的(有用な)長さを得ることと、遠位の同軸伝送線の出力の許容可能な損失を得ることとの間のバランスを取ることができる。
【0035】
遠位の同軸伝送線の、(2n+1)λ/4の長さは、所定の動作周波数において、器具の遠位端が、組織と接触している場合、近位の同軸伝送線と、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスとの間の最適なインピーダンスのマッチを提供する場合がある。しかし、許容可能な(最適ではない)インピーダンスのマッチの性能は、正確には(2n+1)λ/4に等しくない長さ、たとえば、(2n+1)λ/4よりも10%以下だけ長いか短い長さ、または、(2n+1)λ/4よりも20%以下だけ長いか短い長さで達成され得る。より長いか短い長さでは、反射され、したがって、組織に搬送されないマイクロウェーブ周波数エネルギの割合は、より大きくなることになり、そのため、電気外科器具の効率はより低くなる。しかし、許容可能な(準最適な)効率が依然として達成され得る。
【0036】
さらに、遠位の同軸伝送線の幾何学形状または組織の負荷の他の態様は、インピーダンスのマッチのために、遠位の同軸伝送線の最適な長さに影響する場合がある。たとえば、遠位の同軸伝送線が急に終端するなどの端部の影響、組織の負荷の性質、ならびに、遠位の同軸伝送線の内側導電体及び外側導電体の直径のステップ状の変化は、インダクタまたはコンデンサなどの集中素子に対する同等の影響を有する場合があり、したがって、伝達線が短くなるか長くなることに類似の影響を有する、わずかな位相の変化をもたらす場合がある。これらの影響は、実際には、(2n+1)λ/4の長さに比べ、遠位の同軸伝送線の長さをわずかに変化させることによって有効にキャンセルされ得る。このため、実際には、インピーダンスのマッチのための、遠位の同軸伝送線の最適な長さは、正確には(2n+1)λ/4に等しくない場合がある。特定の構成に関する遠位の同軸伝送線の最適な長さは、計算、シミュレーション、または実験によって判定され得る。
【0037】
上述のように、遠位の同軸伝送線の最適な長さを判定するための、関連するλは、遠位の同軸伝送線におけるマイクロウェーブ周波数放射の波長である。(2n+1)λ/4に等しくなる長さに関する第2の同軸伝送線の必要な長さは、遠位の同軸伝送線の幾何学形状に少なくとも部分的に依存する。たとえば、遠位の同軸伝送線が(以下に記載する例示的実施形態の1つのような)円錐形状を有する場合、波長は、円錐形状の先端からの距離とともに変化する。この変化は、Bessel関数を使用して数学的に記載することができる。円錐形状の先端に近いと、先端から数波長よりも、波長は著しく長くなる。この変化が考慮されない場合、円錐形状の2つのポイント間で計算された波長の数は、波長の顕著な部分だけ外に出る場合がある。そのような円錐形状では、(2n+1)λ/4の長さに等しい遠位の同軸伝送線の長さは、遠位の同軸伝送線の一様な円筒形状に関する等しい長さよりも大である。
【0038】
電気外科器具は、組織を凝固させるためのものである場合がある。組織を凝固させる(coagulating tissue)という用語は、組織内の血液を凝固させること、たとえば、組織内の血管または管腔内の血液を凝固させることを意味する場合がある。組織の凝固は、マイクロウェーブエネルギを組織内に搬送することによる、組織の加熱を通して達成される。
【0039】
代替的には、電気外科器具は、別の目的のためのものである場合がある。たとえば、電気外科器具は、組織を切除するためのものである場合がある。このため、電気外科器具は、組織を加熱することによってその組織を切除する(組織を破壊するか除去する)ために、遠位の同軸伝送線の遠位端と接触している組織の局所的エリア内にマイクロウェーブ周波数エネルギを搬送するために構成されている場合がある。このことは、たとえば、生体組織の表面の小さい腫瘍または病巣を除去する場合に有用である場合がある。
【0040】
第2の内側導電体の外径に対する第2の外側導電体の内径の比は、器具の遠位端が組織と接触している場合に、遠位の同軸伝送線の特性インピーダンスが
【0041】
【数1】
【0042】
にほぼ等しく、ここで、Z
inが近位の同軸伝送線の特性インピーダンスであり、Z
Lが遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスであるようになっている場合がある。たとえば、遠位の同軸伝送線の遠位端が、組織に直接接触するために使用される場合、Z
Lは、組織の所定の特性インピーダンスに基づく(具体的には、遠位の同軸伝送線の遠位の先端が存在し、組織に接触している、組織内の波のインピーダンスである)。
【0043】
遠位の同軸伝送線の特性インピーダンスが
【0044】
【数2】
【0045】
に等しい場合、器具の遠位端が組織と接触しており(遠位の同軸伝送線の最適な長さを仮定する)、マイクロウェーブ周波数エネルギの最大量が組織に搬送される際に、近位の同軸伝送線のインピーダンスは、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスに正確にマッチする場合がある。したがって、この比の値は、特に有利な値である。当然、器具の許容可能な性能は、この値とは異なる、遠位の同軸伝送線のインピーダンスで達成
可能である場合がる。たとえば、電気外科器具の許容可能な(最適ではない)性能は、最適な値より10%以下だけ高いか低い、または最適な値の20%以下だけ高いか低い遠位の同軸伝送線のインピーダンスで達成され得る。
【0046】
第2の内側導電体、第2の外側導電体、及び第2の誘電層は、組織に接触するために、遠位の同軸伝送線の遠位端面において露出している場合がある。このため、マイクロウェーブエネルギは、組織を、遠位の同軸伝送線の露出した端面と接触させることによって組織に結合/搬送され得る。上述のように、この場合、器具の遠位端が組織と接触している場合の遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスは、組織の所定の特性インピーダンスに基づいている(具体的には、負荷インピーダンスは、遠位の同軸伝送線の遠位の先端が存在し、組織に接触している、組織内の波のインピーダンスである)。
【0047】
遠位の同軸伝送線の露出した端面は、遠位の同軸伝送線の中心軸にほぼ垂直である場合がある。
【0048】
遠位の同軸伝送線の露出した端面は、ほぼ平坦である場合がある。
電気外科器具は、第2の内側導電体に接続された第3の内側導電体、第3の内側導電体と同軸に形成されるとともに、第2の外側導電体に接続された第3の外側導電体、及び、第3の内側導電体と第3の外側導電体とを分ける第3の誘電層を備えたさらなる遠位の同軸伝送線を備えている場合がある。
【0049】
第3の内側導電体、第3の外側導電体、及び第3の誘電層は、組織に接触するために、さらなる遠位の同軸伝送線の遠位端面において露出している場合がある。このため、マイクロウェーブ周波数エネルギは、組織を、遠位の同軸伝送線の露出した端面と接触させることによって組織に結合/搬送され得る。上述のように、この場合、さらなる遠位の同軸伝送線の遠位端が組織と接触している際の遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスは、さらなる遠位の同軸伝送線のインピーダンスを含め、組織の所定の特性インピーダンスと、さらなる遠位の同軸伝送線の特性との、両方に依存する。
【0050】
さらなる遠位の同軸伝送線は、同軸ケーブルの長さである場合がある。さらなる遠位の同軸伝送線は、近位の同軸伝送線と同じタイプの同軸ケーブルを備える場合がある。
【0051】
さらなる遠位の同軸伝送線の断面は、近位の同軸伝送線の断面と同じである場合がある。たとえば、第1の内側導電体の直径と第3の内側導電体の直径とは同じである場合があり、第1の外側導電体の直径と第3の外側導電体の直径とは同じである場合がある。
【0052】
さらなる遠位の同軸伝送線は、近位の同軸伝送線と同じ材料で形成される場合がある。
さらなる遠位の同軸伝送線の特性インピーダンスは、近位の同軸伝送線の特性インピーダンスと同じである場合がある。たとえば、近位の同軸伝送線と、さらなる遠位の同軸伝送線とは、両方とも50オームのインピーダンスを有する場合がある。
【0053】
さらなる遠位の同軸伝送線の長さは、さらなる遠位の同軸伝送線が、所定の作動周波数において、組織の所定の特性インピーダンスの反応性部分をほぼキャンセルするようになっている場合がある。このため、さらなる遠位の同軸伝送線は、所定の特性インピーダンスの反応性部分をキャンセルし、遠位の同軸伝送線は、その後の純粋な実数のインピーダンスと、近位の同軸伝送線の特性インピーダンスの実数部分とをマッチさせる(または、それらの間のマッチを向上させる)。このため、インピーダンスの実数部分と反応性部分との両方は、遠位の同軸伝送線と、さらなる遠位の同軸伝送線との組合せによって説明される。
【0054】
上述のように、近位の同軸伝送の特性インピーダンスの実数部分にマッチする、後の純粋な実数のインピーダンスは、さらなる遠位の同軸伝送線のインピーダンスを含め、組織の所定の特性インピーダンスと、さらなる遠位の同軸伝送線の特性との、両方に依存する。
【0055】
さらなる遠位の同軸伝送線の適切な長さは、所望の実施態様のパラメータ、たとえば、組織の負荷の特性と、マイクロウェーブ放射の特性に基づく計算によって判定され得る。適切な長さは、コンピュータシミュレーション/モデリング、または実験によっても判定され得る。
【0056】
さらなる遠位の同軸伝送線は、剛体である場合がある。換言すると、さらなる遠位の同軸伝送線は、可撓性ではない場合がある。これにより、さらなる遠位の同軸伝送線が、圧力下で器具の先端が変形することなく、組織に対して押圧することができる、剛性の器具の先端を形成することから、電気外科器具の動作の間、助けになる場合がある。
【0057】
電気外科器具は、さらなる遠位の同軸伝送線に並列に接続された、開回路または短絡回路のスタブ(stub)を備えている場合がある。スタブは、遠位の同軸伝送線の遠位端に接続されている場合がある。スタブの特性(たとえば、スタブの長さ及び特性インピーダンス)は、組織の所定の特性インピーダンスの反応性部分をキャンセルするように選択される場合がある。スミスチャート(Smith Chart)に関しては、さらなる遠位の同軸伝送線は、インピーダンスの反応性部分を、一定のコンダクタンス円上に移動するように考慮され、遠位の同軸伝送線に接続された開回路または短絡回路のスタブは、遠位の同軸伝送線の近位端において見られる反応性インピーダンス(+/−jB)を無効にするかキャンセルする。
【0058】
スタブの特性インピーダンスは、さらなる遠位の同軸伝送線の特性インピーダンスと同じである場合がある。代替的には、スタブの特性インピーダンスは、さらなる遠位の同軸伝送線の特性インピーダンスと同じではない場合がある。
【0059】
電気外科器具は、さらなる遠位の同軸伝送線に並列に接続された、複数の開回路スタブまたは短絡回路スタブを備えている場合がある。
【0060】
遠位の同軸伝送線は、剛体である場合がある。換言すると、遠位の同軸伝送線は、可撓性ではない場合がある。これにより、遠位の同軸伝送線が、圧力下で器具の先端が変形することなく、凝固されることになる組織に対して押圧することができる、剛性の器具の先端を形成することから、電気外科器具の動作の間、助けになる場合がある。
【0061】
所定の作動周波数は、5.8GHzである場合がある。
換言すると、遠位の同軸伝送線の長さは、5.8GHzの所定の動作周波数において、器具の遠位端が組織と接触している場合、遠位の同軸伝送線が、近位の同軸伝送線と、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスとの間のインピーダンスのマッチを向上させるインピーダンス変成器であるようになっている場合がある。たとえば、遠位の同軸伝送線の長さは、(2n+1)λ/4にほぼ等しい場合がある。ここで、λは、5.8GHzの所定の作動周波数を有するマイクロウェーブ周波数エネルギの遠位の同軸伝送線内の波長である。
【0062】
5.8GHzは、たとえば、組織の凝固を達成するように、局所的エリアにおける組織内にマイクロウェーブ周波数エネルギを制御可能に搬送することを達成するための、適切な周波数である。
【0063】
第2の内側導電体の外径と、第2の外側導電体の内径との間の間隔は、第1の内側導電体の外径と第1の外側導電体の内径との間の間隔未満である場合がある。換言すると、第2の誘電層の厚みは、第1の誘電層の厚みよりも小である場合がある。遠位の同軸伝送線の内側導電体と外側導電体との間の間隔を低減することの利点は、遠位の同軸伝送線の特性インピーダンスがより小さくされることである。
【0064】
しかし、代替的実施形態では、第2の内側導電体の外径と、第2の外側導電体の内径との間の間隔は、代わりに、特に、二酸化チタンなどの高絶縁定数の材料が第2の誘電層内に使用されている場合に、第1の内側導電体の外径と、第1の外側導電体の内径との間の間隔より大である場合がある。
【0065】
第2の内側導電体の外径は、第1の内側導電体の外径より大である場合がある。換言すると、第2の内側導電体は第1の内側導電体より幅広である場合がある。代替的には、第2の内側導電体の外径は、第1の内側導電体の外径より小である場合がある。換言すると、第2の内側導電体は第1の内側導電体より細い場合がある。
【0066】
第2の外側導電体の外径は、第1の外側導電体の外径より大である場合がある。換言すると、第2の外側導電体は第1の外側導電体より幅広である場合がある。代替的には、第2の外側導電体の外径は、第1の外側導電体の外径より小である場合がある。換言すると、第2の外側導電体は第1の外側導電体より細い場合がある。
【0067】
第1の内側導電体と第2の内側導電体との間、または、第1の外側導電体と第2の外側導電体との間に、直径の差が存在する場合、遠位の同軸伝送線の長さをわずかに調整して、直径の段差または複数の段差の影響を補償する場合がある。調整の適切なサイズは、実験的に、またはシミュレーションにより、計算されるか、検索されるか、判定され得る。
【0068】
第1の内側導電体と第2の内側導電体との間、及び、第1の外側導電体と第2の外側導電体との間に、直径の差が存在する場合、各内側導電体間の直径の段差の軸方向の位置は、直径の各段差の影響を補償するために、外側導電体間の直径の段差の軸方向の位置とは異なる場合がある。
【0069】
遠位の同軸伝送線は、近位の同軸伝送線よりも大である外径を有する場合がある。換言すると、遠位の同軸伝送線は、近位の同軸伝送線よりも幅広である場合がある。
【0070】
第2の誘電層は、第1の誘電層とは異なる誘電材料で形成される場合がある。第2の誘電層は、第1の誘電層よりも高い相対誘電率を有する場合がある。たとえば、第2の誘電層は、MACORなどの、ガラスセラミック誘電材料で形成される場合がある。第1の誘電材料は、PTFEである場合がある。第2の誘電層に、より高い相対誘電率の誘電体を使用することにより、同じ厚みの第2の誘電層に関する、第2の誘電層のインピーダンスがより低くなる結果となる。
【0071】
近位の同軸伝送線の特性インピーダンスは、50オームである場合がある。
近位の同軸伝送線は、同軸ケーブルである場合がある。たとえば、同軸ケーブルは、Sucoform 86の同軸ケーブル、または、Sucoform 47の同軸ケーブルである場合がある。
【0072】
遠位の同軸伝送線は、同軸ケーブルである場合がある。
遠位の同軸伝送線は、そのより広い近位端から、そのより細い遠位端に向かってテーパが付されている場合がある。換言すると、遠位の同軸伝送線は、その近位端からその遠位端に向かって、線形的に細くなり、それにより、遠位端が近位端よりも細くなっている場
合がある。このことは、遠位の同軸伝送線が円錐台形状を有する結果となる場合がある。遠位の同軸伝送線の遠位端は、近位端の直径の半分の直径を有する場合がある。遠位の同軸伝送線のこの構成により、遠位の同軸伝送線の遠位端において、組織のより小さいエリアにマイクロウェーブエネルギが搬送される結果となる。マイクロウェーブ周波数エネルギの組織内への搬送の、このさらなる局所化は、いくつかの外科上の工程において、たとえば、小さい管を凝固させることを試みる場合、または、わずかな表面の腫瘍または病巣を切除することを試みる場合に、特に有用である場合がある。
【0073】
代替的実施形態では、遠位の同軸伝送線は、代わりに、そのより広い遠位端から、そのより細い近位端に向かってテーパが付されている場合がある。換言すると、遠位の同軸伝送線のテーパは、すぐ上に記載したものとは逆方向である場合がある。
【0074】
当然、遠位の同軸伝送線の他の形状も可能である。
遠位の同軸伝送線がテーパ状である場合、第2の内側導電体の外径に対する第2の外側導電体の内径の比は、遠位の同軸伝送線に沿ってほぼ一定であり、それにより、遠位の同軸伝送線のインピーダンスは、その長さに沿ってほぼ一様になっている場合がある。
【0075】
器具が、所定の作動周波数を有するマイクロウェーブ周波数エネルギを、45オームから180オームの範囲、または45オームから60オームの範囲の、所定の特性インピーダンスを有する組織に搬送するために構成されている場合がある。たとえば、対象となっている多くの組織は、約45オームから約60オームの間のインピーダンスを有する場合がある。爪は、約120オームのインピーダンスを有する場合があり、脂肪及び骨は、約180オームのインピーダンスを有する場合がある。上述のように、組織は、そのインピーダンスに対する反応性(虚数)成分をも有する場合がある。
【0076】
電気外科器具は、所定の作動周波数において、近位の同軸伝送線と、組織との間のインピーダンスのマッチを向上させるための、複数の遠位の同軸伝送線を備えている場合がある。換言すると、直列に接続された、複数の遠位の同軸伝送線が存在する場合があり、それらの各々は、所定の作動周波数において、近位の同軸伝送線と、組織との間の、インピーダンスのマッチを向上させるように(内径と外径との比、及び、長さに関して)構成されている。この構成は、近位の同軸伝送線の特性インピーダンスが、組織のインピーダンスと著しく異なっている場合に特に有利である場合があり、この理由は、インピーダンスのマッチが、複数の遠位の同軸伝送線にわたって次第に/徐々に行われ得るためである。
【0077】
本発明の第2の態様によれば、
任意選択的に、上述の1つまたは複数の任意の特徴を有する、本発明の第1の態様に係る電気外科器具と、
近位の同軸伝送線の近位端に接続された電気外科ジェネレータと、を備え、
電気外科ジェネレータが、近位の同軸伝送線に、所定の作動周波数を有するマイクロウェーブ周波数電磁エネルギを供給するように構成されている、電気外科システムが提供され得る。
【0078】
たとえば、コントローラは、近位の同軸伝送線に、所定の作動周波数を有するマイクロウェーブ周波数エネルギを供給するように、予め設定されているか、プログラムされている場合がある。
【0079】
電気外科システムは、組織を凝固させるため、または組織を切除するためのものである場合がある。
【0080】
電気外科システムは、電気外科ジェネレータを制御するためのコントローラを備える場
合があり、このコントローラは、組織に搬送されるマイクロウェーブ周波数エネルギの量を所定の量未満に制限するために、ジェネレータによって供給されるマイクロウェーブ周波数エネルギの出力及び/または持続時間を制御するように構成されている場合がある。
【0081】
たとえば、このコントローラは、マイクロウェーブ周波数エネルギの出力及び/または継続時間を制御して、組織に搬送されるマイクロウェーブ周波数エネルギの量を、組織の穿孔、またはいくつかの他の望ましくない影響が生じ始めると知られている量より下、または、この量の下の安全な許容範囲の量より下に維持するように構成され得る。このため、コントローラは、たとえば、このリミットに達した場合にジェネレータがマイクロウェーブエネルギを供給することを停止することにより、ジェネレータがこれよりも多くのエネルギを供給することを防止するように作動する。
【0082】
穿孔、または、マイクロウェーブ周波数エネルギのいくつかの他の望ましくない影響が生じ始めるマイクロウェーブ周波数エネルギの量は、たとえば計算または実験から、予め知られている場合がある。したがって、コントローラは、器具を使用して処置されることになる組織のタイプ、及び、たとえば凝固または切除など、必要とされる処置のタイプに関する関連情報で、予めプログラムされている場合がある。たとえば、コントローラは、組織に供給することができるマイクロウェーブエネルギの上限に関する特定の値で、予めプログラムされ得る。代替的には、コントローラは、その組織に関するジェネレータによって供給され得る、出力と持続時間との特定の組合せでプログラムされ得る。
【0083】
このため、組織の穿孔またはいくつかの他の望ましくない影響が生じないことの確信を伴って器具を使用することが可能である場合がある。このことは、臨床上の設定においては、重要な考慮事項である。
【0084】
電気外科システムは、組織に搬送されたマイクロウェーブ周波数エネルギの量を示す情報を検知するためのセンサを備えている場合がある。たとえば、センサは、組織に向かって伝達されるマイクロウェーブ周波数エネルギの振幅、及び、組織から反射されるマイクロウェーブ周波数エネルギの振幅を検知する場合があり、また、この情報を使用して、組織に搬送されるエネルギ量を判定する場合がある。当然、この機能は、単一のセンサの代わりに、複数のセンサによって実施され得る。
【0085】
コントローラは、ジェネレータを、4秒までの期間、15Wの出力を提供するように制御するように構成されている場合がある。本発明者は、このことが、組織の穿孔、または他の望ましくない影響を安全に避けつつ、組織の凝固を達成するために、組織に十分なエネルギが搬送される結果となることを理解している。
【0086】
本発明の第3の態様によれば、任意選択的に、上述のいずれか1つまたは複数の任意の特徴を有する、本発明の第1の態様に係る電気外科器具の製造方法が提供され得る。本方法は、
器具の遠位端が組織と接触している場合に、近位の同軸伝送線の特性インピーダンスと、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスとの間の中間である、遠位の同軸伝送線の特性インピーダンスの結果となる、第2の内側導電体の外径に対する第2の外側導電体の内径の比を判定することと、
第2の内側導電体の外径に対する第2の外側導電体の内径の比を、判定された比になるように設定することと、
器具の遠位端が、組織と接触している場合に、遠位の同軸伝送線が、近位の同軸伝送線と、遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスとの間のインピーダンスのマッチを向上させるインピーダンス変成器である結果となる、遠位の同軸伝送線の長さを判定することと、
遠位の同軸伝送線の長さを、判定された長さに設定することと、を含んでいる。
【0087】
本発明の第3の態様に係る方法は、特定の作動周波数において、特定のタイプの組織を凝固させるために使用されるのに最適化された電気外科器具を製造するために使用され得る。
【0088】
本方法によれば、特定の作動周波数において器具の遠位端が組織と接触している場合の、遠位の同軸伝送線の内側導電体の直径と外側導電体の直径との比、及び、遠位の同軸伝送線の遠位端における、特定の負荷インピーダンスに対する良好なインピーダンスのマッチに必要な、遠位の同軸伝送線の長さが判定される。このため、遠位の同軸伝送線の計算された特性を有する電気外科器具が製造される。結果として得られる電気外科器具は、特定の作動周波数における特定の特性インピーダンスを有する特定の組織を凝固させる際に使用するのに最適化される。
【0089】
本発明の第3の態様に係る方法は、以下の任意選択的特徴のいずれか1つ、または、それらが互換性のある範囲においては、2つ以上を有する場合がある。
【0090】
本方法は、所定の作動周波数を有するマイクロウェーブ周波数エネルギの遠位の同軸伝送線における波長λを判定することと、判定された波長λに基づき、遠位の同軸伝送線を、(2n+1)λ/4にほぼ等しくなるように設定することであって、nが0以上の整数である、設定することと、を含む場合がある。上述のように、このことは、近位の同軸伝送線と組織との間の最適なインピーダンスのマッチを達成することに関し、遠位の同軸伝送線の(概ね)最適な長さになり得る。
【0091】
本方法は、
【0092】
【数3】
【0093】
にほぼ等しい、遠位の同軸伝送線の特性インピーダンスをもたらす、第2の内側導電体の外径に対する第2の外側導電体の内径の比を判定することであって、器具の遠位端が組織と接触している場合に、Z
inが近位の同軸伝送線の特性インピーダンスであり、Z
Lが遠位の同軸伝送線の遠位端における負荷インピーダンスである、判定することと、第2の内側導電体の外径に対する第2の外側導電体の内径の比を、判定された比になるように設定することと、を含む場合がある。上述のように、遠位の同軸伝送線のこのインピーダンスは、最適なインピーダンスのマッチを提供し得る。
【0094】
波長を判定すること、及び/または比を判定することには、波長及び/または比を計算することが含まれる場合がある。代替的には、波長を判定すること、及び/または比を判定することは、表、データベース、または他のプログラムもしくはドキュメント内の関連する情報を見つける/検索することを含み得る。
【0095】
本方法は、
【0096】
【数4】
【0097】
を計算することと、遠位の同軸伝送線の特性インピーダンスが
【0098】
【数5】
【0099】
に等しくなる、第2の内側導電体の外径に対する第2の外側導電体の内径の比を計算することと、を含む場合がある。近位の同軸伝送線の特性インピーダンスは、計算されるか、測定されるか、たとえば、表、データベース、またはデータシートが検索される場合がある。ターゲットの組織の特性インピーダンスは、同様に、計算されるか、測定されるか、たとえば、表、データベース、またはデータシートが検索される場合がある。
【0100】
本方法は、第2の誘電層の相対誘電率に基づき、所定の作動周波数を有するマイクロウェーブ周波数エネルギの、遠位の同軸伝送線における波長を計算することを含む場合がある。このため、波長は、第2の誘電層内の誘電材料の相対誘電率の情報、及び、既知の物理的定数に基づいて計算され得る。
【0101】
電気外科器具がさらなる遠位の同軸伝送線を備えている場合、本方法は、組織の所定の特性インピーダンスの反応性部分がキャンセルされる結果となる、さらなる遠位の同軸伝送線の長さを判定することと、さらなる遠位の同軸伝送線の長さを、判定された長さにほぼ等しくなるように設定することと、を含む場合がある。
【0102】
上述の態様のいずれかにおける、第1、第2、または第3の誘電材料のいずれかは、空気などの気体であるか、固体、または液体である場合がある。
【0103】
本発明の各実施形態をここで、例としてのみの目的で、添付図面を参照して論じる。