(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[キャップ](第1実施形態)
図1は、本発明のキャップの第1実施形態であるキャップ1の斜視図である。
図2は、キャップ1を用いた閉止装置を示す斜視図である。
図3は、キャップ1の平面図である。
図4は、キャップ1の断面図であり、
図3におけるI−I断面を示す図である。以下の説明において、「上」および「下」は
図1および
図2における上下方向に応じて定められる。上下方向は、キャップ1の中心軸C1に沿う方向である。上方向を高さ方向ともいう。中心軸C1周りの方向(筒部3の周方向)を「キャップ周方向」ということがある。
【0012】
図1および
図4に示すように、キャップ1は、キャップ本体4と、外装体5と、を備えている。
図4に示すように、キャップ本体4は、円形の天板部2と、その周縁から垂下した筒部3とを備えている。
天板部2には、容器20の口元部21に嵌入して口元部21の内面に当接する内側シール突起12と、口元部21の開口端面に当接する開口端シール突起13とが形成されている。
【0013】
筒部3は、スコア6(弱化部)によって、主部8と、ブリッジ(図示略)によって主部8に連結されたタンパーエビデンスリング部(TEリング部)9とに区画されている。主部8の内周面には、容器20の雄ネジ22に螺合するネジ部10が形成されている。
TEリング部9の内周面には、開栓時に容器20の係止段部23に係止してTEリング部9の移動を阻止する係止突起11が形成されている。
キャップ本体4は、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂材料で構成することができる。
【0014】
図1に示すように、外装体5は、基層部14と、外装体ナール部15とを備えている。
基層部14は、筒部3の主部8の外周面8aに、全周にわたって設けられている。基層部14は、例えば一定の厚さとされており、主部8の外周面8aのほぼ全領域に形成されている。基層部14は主部8の外周面8aに接合されている。
外装体ナール部15は、基層部14の外周面14aのうち1または複数のナール領域16に形成されている。ナール領域16は、キャップ周方向の一部領域であって外周面14aのほぼ全高さにわたる領域である。
【0015】
図3に示すように、基層部14の外周面14aは、例えばキャップ周方向に間隔をおいて2つのナール領域16を有する。2つのナール領域16は、例えば、中心軸C1周りの回転対称となる位置(すなわち、中心軸C1周りに180°ずれた位置)にある。
符号17は、基層部14の外周面14aのうち、キャップ周方向に隣り合うナール領域16の間のナール非形成領域である。ナール非形成領域17は凹凸がなく平滑に形成されている。キャップ1は、凹凸がないナール非形成領域17を有するため、外装体ナール部15による手指の痛みを緩和できる。
【0016】
図1に示すように、外装体ナール部15とナール非形成領域17とは、キャップ周方向の位置が異なる。詳しくは、外装体ナール部15とナール非形成領域17とは、キャップ周方向に交互に配置されている。ナール非形成領域17は、外装体ナール部15とはキャップ周方向の位置を違えて配置されているため、この領域ではナール凸部による手指への食い込みを回避できる。そのため、開栓時および閉栓時の手指の痛みを緩和できる。
【0017】
外装体ナール部15は、ナール領域16に形成された複数のナール凸部18からなる。ナール凸部18は、筒部3の径方向外方に突出して形成されている。ナール凸部18の断面形状(中心軸C1に直交する断面の形状)は特に限定されず、例えば、多角形状(例えば矩形状)、円弧形状などとすることができる。ナール凸部18は、基層部14の上部から下部にかけて、上下方向に沿って直線状に形成されている。複数のナール凸部18は、キャップ周方向に間隔をおいて形成されている。
【0018】
図3に示すように、ナール凸部18の突出高さH1(外周面14aからの高さ)は、0.1mm以上(好ましくは0.3mm以上)とするのが好適である。突出高さH1を前記範囲とすることによって、開栓の際に手指を確実に第1ナール凸部15に係止させることができるため、キャップ1の開栓操作が容易となる。突出高さH1は、例えば0.5mm以下とすることができる。突出高さH1を前記範囲とすることによって、開栓時の手指の痛みを緩和できる。
【0019】
ナール凸部18の幅W3は、0.2mm以上(好ましくは0.5mm以上)とするのが好適である。幅W3は、例えば0.2mm〜1.5mm(好ましくは0.5mm〜1.2mm)とすることができる。
【0020】
ナール凸部18のピッチP1(例えば、隣り合う2つのナール凸部18の頂点間のキャップ周方向の距離)は、0.5〜3mm(好ましくは1〜3mm)とするのが好適である。ピッチP1を前記範囲とすることによって、開栓時に手指をナール凸部18に確実に係止させることができ、かつ、手指の痛みを緩和できる。
1つの外装体ナール部15を構成するナール凸部18の数は、1または複数であり、好ましくは3以上である。
図1に示す例では、1つの外装体ナール部15は、10のナール凸部18から構成されている。
ナール凸部18は、基層部14と一体に形成されている。ナール凸部18は基層部14と同じ材料からなる(すなわち同材質である)ことが好ましい。
【0021】
図1に示すように、外装体ナール部15の幅W1(キャップ周方向の寸法)は、例えば1mm〜5mmである。ナール非形成領域17の幅W2(キャップ周方向の寸法)は、例えば1mm〜5mmである。外装体ナール部15の幅W1と、ナール非形成領域17の幅W2との比率W1/W2は、例えば0.5〜2である。幅比率W1/W2を前記範囲とすることによって、開栓時に使用者が手指に感じる痛みを緩和する効果を高めることができる。
【0022】
外装体5は、キャップ本体4より低硬度である。外装体5は、樹脂、ゴムなどの低硬度材料からなる。硬度の指標としては、例えば、JIS K6253−3に準拠するデュロメータタイプAの硬度を採用できる。外装体5の硬度は、例えば50〜90である。硬度の指標としては、JIS K7215に規定するデュロメータタイプDの硬度を採用してもよい。
【0023】
外装体5の構成材料(低硬度材料)としては、樹脂、ゴム等が使用できる。外装体5の構成材料(低硬度材料)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブデン、結晶性ポリブタジエン、ポリブタジエン、スチレンブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビリニデン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、シリコーンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、ポリエステル系ゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴムなどが使用できる。
【0024】
図2に示すように、キャップ1が装着される容器20は、ベース部30と、袋状容器40と、を備えている。
ベース部30は、キャップ1が装着される筒状の口元部21と、基筒部24と、フランジ部25と、接合部26とを備えている。口元部21の外面には雄ネジ22が形成されている。
接合部26は、内容液が流通する筒部27を有する。接合部26の外面には袋状容器40がヒートシール等により接合されている。
袋状容器40は、例えば、熱接着性を有するフィルムにより袋状に形成されている。
容器20とキャップ1とは、閉止装置を構成する。
【0025】
次に、キャップ1を開栓する過程について説明する。
図4に示すように、使用者がキャップ1を開栓方向に回すと、主部8が回転する一方、係止突起11は係止段部23に係止するため、TEリング部9の回転は阻止され、主部8とTEリング部9とを連結しているブリッジ(図示略)に引張力が作用する。前記引張力によりブリッジは破断し、TEリング部9は主部8から切り離される。これによって、キャップ1が開栓されたことが明示される。
【0026】
キャップ1では、外装体5が低硬度であるため、開栓時および閉栓時に使用者がキャップ1を把持する際に、外装体ナール部15から手指に加えられる力を軽減できる。よって、外装体ナール部15による手指の痛みを緩和できる。外装体5は低硬度であるため表面の摩擦が大きいことから、キャップ1の滑り止め性能を高めることができる。従って、キャップ1では、開閉栓操作が容易であり、かつ使用者がキャップを把持して回転させる際の手指の痛みを小さくできる。
【0027】
[キャップ](第2実施形態)
図5は、本発明のキャップの第2実施形態であるキャップ501の斜視図である。
図6は、キャップ501の平面図である。
図7は、キャップ501の断面図であり、
図6におけるII−II断面を示す図である。なお、既出の実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図5および
図7に示すように、キャップ501は、キャップ本体504と、外装体505と、を備えている。
図7に示すように、キャップ本体504は、円形の天板部502と、その周縁から垂下した筒部503とを備えている。
天板部502には、内側シール突起12と、開口端シール突起13とが形成されている。
【0028】
図5に示すように、筒部503は、スコア506(弱化部)によって、主部508と、ブリッジ507によって主部508に連結されたTEリング部509とに区画されている。
図7に示すように、主部508の内周面には、ネジ部10が形成されている。
TEリング部509の内周面には、開栓時に容器20の係止段部23に係止してTEリング部509の移動を阻止する係止突起511が形成されている。
【0029】
図5および
図7に示すように、主部508の外周面508aのうち、最上部を含む高さ範囲の領域(上部領域516)には、複数のナール凸部512からなる本体ナール部513が形成されている。ナール凸部512は、キャップ本体504と同じ材料からなる(すなわち同材質である)。ナール凸部512は、上部領域516に形成された複数のナール形成凹部519によって形成されている。ナール形成凹部519は、上部領域516の上部から下部にかけて、上下方向に沿って直線状に形成されている。複数のナール形成凹部519は、キャップ周方向に間隔をおいて形成されている。本体ナール部513は、外周面508aのキャップ周方向の全領域に形成されている。
図5では、上部領域516は、主部508の全高さのうち約4分の1の領域である。上部領域516より低い領域を下部領域517という。
キャップ本体504は、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂材料で構成することができる。
【0030】
図5に示すように、外装体505は、基層部514と、外装体ナール部515とを備えている。
基層部514は、筒部503の主部508の外周面508aに、筒部503の全周にわたって設けられている。基層部514は、上部領域516には形成されておらず、下部領域517に形成されている。基層部514は主部508の外周面508aに接合されている。
【0031】
外装体ナール部515は、基層部514の外周面514aに形成された複数のナール凸部518からなる。ナール凸部518は、筒部503の径方向外方に突出して形成されている。ナール凸部518の断面形状(中心軸C1に直交する断面の形状)は特に限定されず、例えば、多角形状(例えば矩形状)、円弧形状などとすることができる。ナール凸部518は、基層部514の上部から下部にかけて、上下方向に沿って直線状に形成されている。複数のナール凸部518は、キャップ周方向に間隔をおいて形成されている。外装体ナール部515は、外周面508aのキャップ周方向の全領域に形成されている。
【0032】
図6に示すように、ナール凸部518の突出高さH2(外周面514aからの高さ)は、0.1mm以上(好ましくは0.3mm以上)とするのが好適である。突出高さH2を前記範囲とすることによって、開栓の際に手指を確実にナール凸部518に係止させることができるため、キャップ501の開栓操作が容易となる。突出高さH2は、例えば0.5mm以下とすることができる。突出高さH2を前記範囲とすることによって、開栓時の手指の痛みを緩和できる。
【0033】
ナール凸部518の幅W4は、0.2mm以上(好ましくは0.5mm以上)とするのが好適である。幅W4は、例えば0.2mm〜1.5mm(好ましくは0.5mm〜1.2mm)とすることができる。
【0034】
ナール凸部518のピッチP2(例えば、隣り合う2つのナール凸部518の頂点間のキャップ周方向の距離)は、0.5〜3mm(好ましくは1〜3mm)とするのが好適である。ピッチP2を前記範囲とすることによって、開栓時に手指をナール凸部518に確実に係止させることができ、かつ、手指の痛みを緩和できる。
ナール凸部518は、基層部514と一体に形成されている。ナール凸部518は基層部514と同じ材料からなる(すなわち同材質である)ことが好ましい。
【0035】
外装体505は、キャップ本体504より低硬度である。外装体505は、第1実施形態における外装体5と同様に、樹脂、ゴムなどの低硬度材料からなる。硬度の指標としては、例えば、JIS K6253−3に準拠するデュロメータタイプAの硬度を採用できる。外装体505の硬度は、例えば50〜90である。硬度の指標としては、JIS K7215に規定するデュロメータタイプDの硬度を採用してもよい。
【0036】
図7に示すように、キャップ501は、容器20の口元部21に装着できる。容器20とキャップ501とは、閉止装置を構成する。
【0037】
次に、キャップ501を開栓する過程について説明する。
図7に示すように、使用者がキャップ501を開栓方向に回すと、主部508が回転する一方、係止突起511は係止段部23に係止するため、TEリング部509の回転は阻止され、主部508とTEリング部509とを連結しているブリッジ507に引張力が作用する。前記引張力によりブリッジ507は破断し、TEリング部509は主部508から切り離される。これによって、キャップ501が開栓されたことが明示される。
【0038】
キャップ501では、外装体505が低硬度であるため、開栓時および閉栓時に使用者がキャップ501を把持する際に、外装体ナール部515から手指に加えられる力を軽減できる。よって、外装体ナール部515による手指の痛みを緩和できる。外装体505は低硬度であるため表面の摩擦が大きいことから、キャップ501の滑り止め性能を高めることができる。従って、キャップ501では、開閉栓操作が容易であり、かつ使用者がキャップを把持して回転させる際の手指の痛みを小さくできる。
キャップ501は、キャップ本体504の上部に本体ナール部513が形成されているため、キャッパー(キャッピングマシン)を用いてキャップ501を容器20の口元部21に装着する際に、キャッパーのチャックによってキャップ501を把持し、確実な装着を実現できる。
【0039】
[キャップ](第3実施形態)
図8は、本発明のキャップの第3実施形態であるキャップ601の斜視図である。なお、既出の実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、キャップ601は、キャップ本体604と、外装体605と、を備えている。
外装体605は、天板部基層部614と筒部基層部615を備えている。
天板部基層部614は、キャップ周方向に沿う環状とされ、天板部602の外面602aに設けられている。
筒部基層部615は、天板部基層部614の周縁から垂下して形成されている。筒部基層部615は、筒部3の主部608の外周面608aに、全周にわたって設けられている。筒部基層部615の外周面は凹凸がなく平滑に形成されている。筒部基層部615は、主部608の外周面608aのうち、最上部を含む高さ範囲の領域(上部領域616)に形成されている。上部領域616は、主部608の全高さのうち約3分の2の領域である。上部領域616より低い領域を下部領域617という。
天板部基層部614および筒部基層部615は、それぞれ天板部602の外面602aおよび主部608の外周面608aに接合されている。
外装体605は、キャップ本体604より低硬度である。外装体605は、第1実施形態における外装体5と同様に、樹脂、ゴムなどの低硬度材料からなる。
【0040】
主部608の外周面608aのうち下部領域617には、複数のナール凸部628からなる本体ナール部625が形成されている。ナール凸部628は、キャップ本体604と同じ材料からなり(すなわち同材質であり)、キャップ本体604と一体に形成されている。ナール凸部628は、下部領域617の上部から下部にかけて、上下方向に沿って直線状に形成されている。複数のナール凸部628は、キャップ周方向に間隔をおいて形成されている。
【0041】
キャップ601では、外装体605が低硬度であるため、開栓時および閉栓時に使用者がキャップ601を把持する際に、手指に加えられる力を軽減し、手指の痛みを緩和できる。外装体605は低硬度であるため表面の摩擦が大きいことから、キャップ601の滑り止め性能を高めることができる。従って、キャップ601では、開閉栓操作が容易であり、かつ使用者がキャップを把持して回転させる際の手指の痛みを小さくできる。
【0042】
キャップ本体604と同材質のナール凸部628は硬度が高いため係止力が高い。そのため、使用者がキャップ601を把持して開栓を開始する操作が容易になる。
キャップ601は、硬度が高いナール凸部628からなる本体ナール部625を有するため、キャッパー(キャッピングマシン)を用いてキャップ601を容器20の口元部21に装着する際に、キャッパーのチャックによってキャップ601を把持し、確実な装着を実現できる。
【0043】
[キャップ](第4実施形態)
図9は、本発明のキャップの第4実施形態であるキャップ101の斜視図である。なお、既出の実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、キャップ101は、キャップ本体104と、外装体105と、を備えている。
キャップ本体104の主部8の外周面8aは、複数の第1ナール領域113と、複数の第2ナール領域114とを有する。第1ナール領域113および第2ナール領域114は、キャップ周方向の一部領域であって主部8の上部から下部にかけての領域である。
【0044】
第1ナール領域113には、1または複数の第1ナール凸部115からなる本体ナール部111が形成されている。
第1ナール凸部115は、第1ナール領域113に、筒部3の径方向外方に突出して形成されている。第1ナール凸部115は、キャップ本体104と同じ材料からなり(すなわち同材質であり)、キャップ本体104と一体に形成されている。第1ナール凸部115の断面形状は特に限定されず、例えば、多角形状(例えば矩形状)、円弧状などとすることができる。第1ナール凸部115のうち主部8の外周面8aに形成された部分は、主部8の上部から下部にかけて、上下方向に沿って直線状に形成されている。この実施形態では、1つの本体ナール部111を構成する第1ナール凸部115の数は1であるが、1つの第1ナール部111を構成する第1ナール凸部115の数は2以上の任意の数であってもよい。
第2ナール領域114(主部8の外周面8a)は、凹凸がなく平滑に形成されている。
【0045】
外装体105は、天板部2の外面2aに設けられた基部106と、基部106から延出する複数の第2ナール凸部116とを備えている。
基部106は、キャップ周方向に沿う円環状に形成されている。基部106の外径は天板部2の外径より小さい。
【0046】
第2ナール凸部116は、基部106の外周縁から天板部2の外面2aに沿って天板部2の径方向外方に延び、さらに、第2ナール領域114に、主部8の上部から下部にかけて上下方向に沿って直線状に形成されている。第2ナール領域114に形成された部分の複数の第2ナール凸部116は、外装体ナール部112を構成する。
【0047】
第2ナール領域114に形成された第2ナール凸部116は、筒部3の径方向外方に突出して形成されている。第2ナール凸部116の断面形状は特に限定されず、例えば、多角形状(例えば矩形状)、円弧状などとすることができる。複数の第2ナール凸部116は、キャップ周方向に間隔をおいて形成されている。この実施形態では、1つの外装体ナール部112を構成する第2ナール凸部116の数は2であるが、1つの外装体ナール部112を構成する第2ナール凸部116の数は1でもよいし、3以上の任意の数でもよい。
【0048】
本体ナール部111と外装体ナール部112とは、キャップ周方向に位置を違えて形成されている。詳しくは、本体ナール部111と外装体ナール部112とは、キャップ周方向に交互に配置されている。キャップ101は、6つの本体ナール部111および6つの外装体ナール部112を有する。6つの本体ナール部111は、中心軸C1周りの回転対称となる位置(6回対称位置)にある。6つの外装体ナール部112は、中心軸C1周りの回転対称となる位置(6回対称位置)にある。
【0049】
本体ナール部111の幅W11(キャップ周方向の寸法)は、例えば1mm〜5mmである。外装体ナール部112の幅W12(キャップ周方向の寸法)は、例えば1mm〜5mmである。本体ナール部111の幅W11と、外装体ナール部112の幅W12との比率W11/W12は、例えば0.5〜2である。幅比率W11/W12を前記範囲とすることによって、開栓時に使用者が手指に感じる痛みを緩和する効果を高めることができる。
なお、本体ナール部111の幅は第1ナール領域113の幅と同じである。外装体ナール部112の幅は第2ナール領域114の幅と同じである。
【0050】
基部106の内周側には、接続部107が設けられている。接続部107は、中央部107aと、延出部107bとを有する。中央部107aは、天板部2の外面2aの中央に形成されている。延出部107bは、中央部107aから径方向外方に延出して基部106に達する。接続部107は低硬度材料からなり、基部106と一体に形成されている。
【0051】
外装体105は、キャップ本体104より低硬度である。外装体105は、第1実施形態のキャップ1における外装体5と同様に、樹脂、ゴムなどの低硬度材料からなる。
【0052】
キャップ101は、
図2に示す容器20の口元部21に装着することができる。キャップ101と容器20とは、閉止装置を構成する。閉止装置は、飲料を容器20に充填することによって、飲料入り閉止装置とすることができる。
【0053】
キャップ101では、外装体ナール部112を構成する第2ナール凸部116が低硬度であるため、開栓時および閉栓時に手指に加えられる力を軽減できる。よって、手指の痛みを緩和できる。外装体105は低硬度であるため表面の摩擦が大きいことから、キャップ101の滑り止め性能を高めることができる。従って、キャップ101では、開閉栓操作が容易であり、かつ使用者がキャップを把持して回転させる際の手指の痛みを小さくできる。
キャップ本体104と同材質の第1ナール凸部115は硬度が高いため係止力が高い。そのため、使用者がキャップ101を把持して開栓を開始する操作が容易になる。
【0054】
[キャップ](第5実施形態)
図10は、本発明のキャップの第5実施形態であるキャップ201の斜視図である。なお、既出の実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、キャップ201は、キャップ本体204と、外装体205と、を備えている。
キャップ本体204の主部8の外周面8aは、複数の第1ナール領域213と、複数の第2ナール領域214とを有する。
第1ナール領域213および第2ナール領域214は、キャップ周方向の一部領域であって主部8の上部から下部にかけての領域である。
【0055】
第1ナール領域213には、1または複数の第1ナール凸部215からなる本体ナール部211が形成されている。
第1ナール凸部215は、第1ナール領域213に、筒部3の径方向外方に突出して形成されている。第1ナール凸部215は、キャップ本体204と同じ材料からなり(すなわち同材質であり)、キャップ本体204と一体に形成されている。第1ナール凸部215の断面形状は特に限定されず、例えば、多角形状(例えば矩形状)、円弧状などとすることができる。第1ナール凸部215のうち主部8の外周面8aに形成された部分は、主部8の上部から下部にかけて、上下方向に沿って直線状に形成されている。この実施形態では、1つの本体ナール部211を構成する第1ナール凸部215の数は4であるが、1つの本体ナール部211を構成する第1ナール凸部215の数は1〜3でもよいし、5以上の任意の数であってもよい。
第2ナール領域214(主部8の外周面8a)は、凹凸がなく平滑に形成されている。
【0056】
外装体205は、天板部2の外面2aに設けられた一対の基部206と、基部206から延出する複数の第2ナール凸部216とを備えている。
基部206は、キャップ周方向に沿う円弧状に形成されている。基部206の外径は天板部2の外径より小さい。2つの基部206は、中心軸C1周りの回転対称となる位置にある。
【0057】
第2ナール凸部216は、基部206の外周縁から天板部2の外面2aに沿って天板部2の径方向外方に延び、さらに、第2ナール領域214に、主部8の上部から下部にかけて上下方向に沿って直線状に形成されている。第2ナール領域214に形成された部分の複数の第2ナール凸部216は、外装体ナール部212を構成する。
【0058】
第2ナール凸部216は、筒部3の径方向外方に突出して形成されている。第2ナール凸部216の断面形状は特に限定されず、例えば、多角形状(例えば矩形状)、円弧状などとすることができる。複数の第2ナール凸部216は、キャップ周方向に間隔をおいて形成されている。この実施形態では、1つの外装体ナール部212を構成する第2ナール凸部216の数は5であるが、1つの外装体ナール部212を構成する第2ナール凸部216の数は1〜4でもよいし、6以上の任意の数でもよい。
【0059】
本体ナール部211と外装体ナール部212とは、キャップ周方向に位置を違えて形成されている。詳しくは、本体ナール部211と外装体ナール部212とは、キャップ周方向に交互に配置されている。キャップ201は、2つの本体ナール部211および2つの外装体ナール部212を有する。2つの本体ナール部211は、中心軸C1周りの回転対称となる位置にある。2つの外装体ナール部212は、中心軸C1周りの回転対称となる位置にある。
【0060】
本体ナール部211の幅W21(キャップ周方向の寸法)は、例えば1mm〜5mmである。外装体ナール部212の幅W22(キャップ周方向の寸法)は、例えば1mm〜5mmである。本体ナール部211の幅W21と、外装体ナール部212の幅W22との比率W21/W22は、例えば0.5〜2である。幅比率W21/W22を前記範囲とすることによって、開栓時に使用者が手指に感じる痛みを緩和する効果を高めることができる。
【0061】
外装体205は、キャップ本体204より低硬度である。外装体205は、第1実施形態における外装体5と同様に、樹脂、ゴムなどの低硬度材料からなる。
なお、本体ナール部211の幅は第1ナール領域213の幅と同じである。外装体ナール部212の幅は第2ナール領域214の幅と同じである。
【0062】
基部206の内周側には、接続部207が設けられている。接続部207は、中央部207aと、延出部207bとを有する。中央部207aは、天板部2の外面2aの中央に形成されている。延出部207bは、中央部207aから径方向外方に延出して基部206に達する。接続部207は低硬度材料からなり、基部206と一体に形成されている。
【0063】
キャップ201は、
図2に示す容器20の口元部21に装着することができる。キャップ201と容器20とは、閉止装置を構成する。閉止装置は、飲料を容器20に充填することによって、飲料入り閉止装置とすることができる。
【0064】
キャップ201では、外装体ナール部212を構成する第2ナール凸部216が低硬度であるため、開栓時および閉栓時に手指に加えられる力を軽減できる。よって、手指の痛みを緩和できる。外装体205は低硬度であるため表面の摩擦が大きいことから、キャップ201の滑り止め性能を高めることができる。従って、キャップ201では、開閉栓操作が容易であり、かつ使用者がキャップを把持して回転させる際の手指の痛みを小さくできる。
キャップ本体204と同材質の第1ナール凸部215は硬度が高いため係止力が高い。そのため、使用者がキャップ201を把持して開栓を開始する操作が容易になる。
【0065】
[キャップ](第6実施形態)
図11は、本発明のキャップの第6実施形態であるキャップ301の斜視図である。なお、既出の実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、キャップ301は、キャップ本体304と、外装体305と、を備えている。
キャップ本体304の主部8の外周面8aは、複数のナール領域313と、複数の非ナール領域314とを有する。
ナール領域313は、キャップ周方向の一部領域であって主部8の上部から下部にかけての領域である。非ナール領域314は、キャップ周方向の一部領域であって主部8の上部から下部にかけての領域である。
【0066】
ナール領域313には、1または複数の第1ナール凸部315からなる本体ナール部311が形成されている。
第1ナール凸部315は、ナール領域313に、筒部3の径方向外方に突出して形成されている。第1ナール凸部315は、キャップ本体304と同じ材料からなり(すなわち同材質であり)、キャップ本体304と一体に形成されている。第1ナール凸部315の断面形状は特に限定されず、例えば、多角形状(例えば矩形状)、円弧状などとすることができる。第1ナール凸部315のうち主部8の外周面8aに形成された部分は、主部8の上部から下部にかけて、上下方向に沿って直線状に形成されている。この実施形態では、1つの本体ナール部311を構成する第1ナール凸部315の数は4であるが、1つの本体ナール部311を構成する第1ナール凸部315の数は1〜3でもよいし、5以上の任意の数であってもよい。
非ナール領域314(主部8の外周面8a)は、凹凸がなく平滑に形成されている。
【0067】
外装体305は、一対の層体306を備えている。層体306は、基部307と、基部307に連なって形成された外層部308とを備えている。
基部307は、例えば一定厚さを有する層状とされる。基部307は、内周縁および外周縁がキャップ周方向に沿う扇形状とされ、天板部2の外面2aに設けられている。
外層部308は、例えば一定厚さを有する層状であり、その表面(外周面)は平滑である。外層部308は、基部307の外周縁から下方に向かって形成されている。外層部308は、非ナール領域314を覆って形成される。外層部308は、主部8の上部から下部にかけて上下方向に沿って形成されている。外層部308は、非ナール領域314のほぼ全領域に形成することができる。
2つの層体306は、中心軸C1周りの回転対称となる位置にある。
【0068】
本体ナール部311と層体306とは、キャップ周方向に位置を違えて形成されている。詳しくは、本体ナール部311と層体306とは、キャップ周方向に交互に配置されている。キャップ301は、2つの本体ナール部311および2つの層体306を有する。2つの本体ナール部311は、中心軸C1周りの回転対称となる位置にある。2つの層体306は、中心軸C1周りの回転対称となる位置にある。
【0069】
本体ナール部311の幅W31(キャップ周方向の寸法)は、例えば1mm〜5mmである。層体306の幅W32(キャップ周方向の寸法)は、例えば1mm〜5mmである。本体ナール部311の幅W31と、層体306の幅W32との比率W31/W32は、例えば0.5〜2である。幅比率W31/W32を前記範囲とすることによって、開栓時に使用者が手指に感じる痛みを緩和する効果を高めることができる。
【0070】
外装体305は、キャップ本体304より低硬度である。外装体305は、第1実施形態における外装体5と同様に、樹脂、ゴムなどの低硬度材料からなる。
なお、本体ナール部311の幅は第1ナール領域313の幅と同じである。外層部308の幅は非ナール領域314の幅と同じである。
【0071】
基部306の内周側には、接続部307が設けられている。接続部307は、中央部307aと、延出部307bとを有する。中央部307aは、天板部2の外面2aの中央に形成されている。延出部307bは、中央部307aから径方向外方に延出して層体306に達する。接続部307は低硬度材料からなり、基部306と一体に形成されている。
【0072】
キャップ301は、
図2に示す容器20の口元部21に装着することができる。キャップ301と容器20とは、閉止装置を構成する。閉止装置は、飲料を容器20に充填することによって、飲料入り閉止装置とすることができる。
【0073】
キャップ301では、外層部308が低硬度であるため、開栓時および閉栓時に手指に加えられる力を軽減できる。よって、手指の痛みを緩和できる。外装体305は低硬度であるため表面の摩擦が大きいことから、キャップ301の滑り止め性能を高めることができる。従って、キャップ301では、開閉栓操作が容易であり、かつ使用者がキャップを把持して回転させる際の手指の痛みを小さくできる。
キャップ本体304と同材質の第1ナール凸部315は硬度が高いため係止力が高い。そのため、使用者がキャップ301を把持して開栓を開始する操作が容易になる。
【0074】
外層部308は、表面(外周面)が平滑であるため手指との接触面積が大きくなることから、摩擦力により滑り止め性能を高めることができる。
【0075】
[キャップ](第7実施形態)
図12は、本発明のキャップの第7実施形態であるキャップ401の斜視図である。なお、既出の実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
図12に示すように、キャップ401は、キャップ本体4と、外装体405と、を備えている。
外装体405は、基層部414と、外装体ナール部415とを備えている。
基層部414は、筒部3の主部8の外周面8aに、全周にわたって設けられている。基層部414は、主部8の外周面8aのうち、最上部を含む高さ範囲の領域(上部領域416)に設けられている。基層部414は主部8の外周面8aに接合されている。
図12では、基層部414は、主部8の全高さのうち約3分の2の上部領域416に形成されている。
【0076】
外装体ナール部415は、基層部414の外周面414aのうち1または複数のナール領域に形成されている。外装体ナール部415は、外周面414aのうち、キャップ周方向に離れた複数のナール領域に形成されている。
外装体ナール部415は、複数のナール凸部418からなる。ナール凸部418は、基層部414と一体に形成されている。ナール凸部418は基層部414と同じ材料からなる(すなわち同材質である)ことが好ましい。
【0077】
外装体405は、キャップ本体4より低硬度である。外装体405は、第1実施形態における外装体5と同様に、樹脂、ゴムなどの低硬度材料からなる。
【0078】
主部8の外周面8aのうち外装体ナール部415が形成されていない高さ範囲(下部領域417)は、1または複数のナール領域を有する。当該ナール領域には、複数のナール凸部428からなる本体ナール部425が形成されている。ナール凸部428は、キャップ本体4と同じ材料からなり(すなわち同材質であり)、キャップ本体4と一体に形成されている。本体ナール部425は、主部8の外周面8aの下部領域417のうち、キャップ周方向に離れた複数のナール領域に形成されている。
ナール凸部428の、キャップ周方向の形成位置は外装体ナール部415の形成位置と一致していることが好ましい。ナール凸部428の形状、大きさ、数、ピッチ等は、ナール凸部418と同じであることが望ましい。
【0079】
キャップ401では、外装体405が低硬度であるため、開栓時および閉栓時に使用者がキャップ401を把持する際に、外装体ナール部415から手指に加えられる力を軽減できる。よって、外装体ナール部415による手指の痛みを緩和できる。外装体405は低硬度であるため表面の摩擦が大きいことから、キャップ401の滑り止め性能を高めることができる。従って、キャップ401では、開閉栓操作が容易であり、かつ使用者がキャップを把持して回転させる際の手指の痛みを小さくできる。
【0080】
キャップ本体4と同材質のナール凸部428は硬度が高いため係止力が高い。そのため、使用者がキャップ401を把持して開栓を開始する操作が容易になる。
また、硬度が高いナール凸部428からなる本体ナール部425を有するため、キャッパー(キャッピングマシン)を用いてキャップ401を容器20の口元部21に装着する際に、キャッパーのチャックによってキャップ401を把持し、確実な装着を実現できる。
【0081】
キャップの具体的構成については、本発明の主旨を逸脱しない限り、上述の実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することができる。
例えば、
図1に示すキャップ1では、2つの外装体ナール部15を有するが、外装体ナール部の数はこれに限定されず、1でもよいし、3以上の任意の数であってもよい。外装体ナール部は、基層部の外周面に全周にわたって形成されていてもよい。外装体ナール部は、基層部の外周面の全域に形成されていてもよい。基層部は、筒部の外周面の全体に形成されていてもよいが、主部の外周面のみに形成されているのが好ましい。基層部は、主部の外周面に全周にわたって形成されていることが望ましいが、主部の外周面のうちキャップ周方向の一部に形成されていてもよい。
【0082】
図9に示すキャップ101では、6つの本体ナール部111および6つの第2ナール凸部116を有するが、本体ナール部の数は1でもよいし、2以上の任意の数でもよい。第2ナール凸部の数は1でもよいし、2以上の任意の数でもよい。
図10に示すキャップ201では、2つの本体ナール部211および2つの第2ナール凸部216を有するが、本体ナール部の数は1でもよいし、2以上の任意の数でもよい。第2ナール凸部の数は1でもよいし、2以上の任意の数でもよい。
図11に示すキャップ301では、2つの本体ナール部311と、2つの層体306とを有するが、本体ナール部3の数は1でもよいし、2以上の任意の数でもよい。層体の数は1でもよいし、2以上の任意の数でもよい。
図9に示すキャップ101において、主部8の外周面8aのうち第2ナール領域114は、第1ナール領域113を除く全領域であるが、第2ナール領域114は、主部8の外周面8aのうち第1ナール領域113を除く領域のうち一部領域であってもよい。
図9〜
図11に示すキャップでは、外装体は、少なくとも主部の外周面に形成された部分がキャップ本体より低硬度であればよい。
図12に示すキャップでは、主部の上部に低硬度の外装体が設けられ、かつ主部の下部に高硬度の本体ナール部が形成されているが、逆に、主部の上部に高硬度の本体ナール部が形成され、かつ主部の下部に低硬度の外装体が設けられていてもよい。