(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記絶縁体は、前記装置の筐体の少なくとも一部、前記装置の内部に設けられた部品の筐体の少なくとも一部、前記部品の少なくとも一部を覆うカバー、のうちのいずれか1つの部材である、
請求項1又は2に記載の液体検知装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付して重複する説明は省略されることがある。
【0018】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る液体検知装置の一構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る液体検知装置1は、検知部1aを備え、検知部1aは、絶縁体(不導体)1b及び電極セット1cを有する。
【0019】
そして、検知部1aは、装置の内部への液体の浸入を検知する。液体検知装置1は、この装置に液体検知手段として備えられることになる。液体検知装置1を備えることになるこの装置は、例えば通信制御装置、魚群探知機、PC(Personal Computer)など、様々な種類の装置が挙げられる。なお、通信制御装置としては、ルータ、スイッチ等のネットワーク機器などが挙げられる。
【0020】
液体検知装置1を備えることになる装置は、ここで例示したように、電気回路や電子回路を有する電子機器に分類される装置とすることができるが、機械的な構成要素のみからなる装置(機械的な装置)とすることもできる。機械的な装置であっても、液体の浸入を防止する必要があるものが存在するためである。つまり、本実施形態に係る液体検知装置1は、様々な電子機器、機械的な装置に備えることができる。液体検知装置1が備えられた装置では、液体検知装置1によって液体の浸入を検知することができるようになる。
【0021】
検知部1aにおける絶縁体1bは、樹脂などの絶縁性をもつ材料で形成された部材であればよく、プラスティック、セラミックスなど、誘電体に属するものであっても、液体による導通がない場合に、絶縁体として振る舞うものであればよい。なお、絶縁体1bは、樹脂成形(モールド成形)など、どのような方法で形成されたものであってもよい。
【0022】
電極セット1cは、絶縁体1bに設けられた、2つの電極(端子)でなる。なお、電極セット1cが2つの電極を有するため、
図1では便宜上、電極セット1cと絶縁体1bとを離間させた位置に図示している。
【0023】
検知部1aは、1つの電極セット1c又は複数の電極セット1cを有することができ、それぞれの例は後述する実施形態で説明する。上記2つの電極は、例えば、絶縁体1bの一面の両側又はその近辺に配設することができるが、これに限ったものではない。
【0024】
絶縁体1bは、液体を電極セット1cにおける2つの電極へ向けて誘導する誘導路を有する。例えば、誘導路の一端に2つの電極の一方が配設され、誘導路の他端に2つの電極の他方が配設されることができるが、これに限ったものではない。誘導路は、基本的に、浸入してきた液体を誘導する路となる。但し、後述する実施形態4で例示するように、誘導路は、浸入前の液体を誘導する路を一部に含むこともできる。
【0025】
検知部1aは、電極セット1cにおける2つの電極間が液体で導通した場合に、導通していない場合から電気的状態を変化させることで、液体の浸入を検知する。つまり、検知部1aは、電極セット1cにおける電気的状態の変化を判定する判定部を有することができる。また、検知部1aは、2つの電極間の電気的状態の変化を検知できる構成であればよく、例えば電流の変化、電圧の変化、抵抗の変化のいずれかを検知するように構成することができる。なお、この検知部1aの構成からも分かるように、検知部1aでの検知対象の液体は水等の導電性液体である。また、ここでの水は、雨滴をはじめ、海、湖、池等において生じ得る波のしぶきなどとすることができる。
【0026】
次に、
図2を併せて参照しながら、液体検知装置1による液体検知方法(液体検知装置1を用いた液体検知処理)の一例について説明する。
図2は、実施形態1に係る液体検知装置を用いた液体検知処理の一例を説明するためのフロー図である。
【0027】
この液体検知処理は、装置の内部への液体の浸入を検知する検知ステップを有する。そのため、この装置は、液体検知装置1としての、絶縁体1b及び電極セット1cを備える。また、上述したように、絶縁体1bは、液体を電極セット1cにおける2つの電極へ向けて誘導する誘導路を有する。
【0028】
まず、液体が装置内部に浸入し、絶縁体1bに至ると、その液体は、誘導路により2つの電極に誘導される(ステップS1)。その液体が誘導路に誘導されて2つの電極まで到達した場合(ステップS2でYESとなった場合)、上記検知ステップが実行される(ステップS3)。つまり、ステップS3では、電極セット1cにおける2つの電極間が液体で導通した場合に、導通していない場合から電気的状態を変化させることで、液体の浸入を検知する。
【0029】
以上、本実施形態に係る液体検知装置1は、主に絶縁体1bと電極セット1cとで液体を検知できる構造であるため、安価且つ簡易な構造とすることができ、また、絶縁体1bに液体の誘導路を有するため、液体の浸入をできるだけ早く検知することができる。また、例えば装置内部の基板等の部品の筐体又はカバーとして検知部1aを設けることで、浸入した液体の部品との接触を防ぐことができる。また、本実施形態では、絶縁体1bに設けた誘導路で電極側に液体を誘導できるため、絶縁体1bとして強度の大きい部材を用いておけば液体検知装置1としての故障の可能性も低くすることができる。また、液体の浸入は、特に屋外に設置する装置に生じ易いため、液体検知装置1はそのような屋外設置型(屋外据え置き型)の装置に設けることが特に有益となる。なお、液体の浸入は、結露によって生じることもあり、液体検知装置1では結露によって生じた液体も検知対象とすることができる。
【0030】
<実施形態2>
実施形態2について、
図3〜
図7を併せて参照しながら、実施形態1との相違点を中心に説明するが、実施形態1で説明した様々な例が適用できる。
図3は、実施形態2に係る液体検知装置を備えた装置の一構成例を示すブロック図である。
図4は、実施形態2に係る液体検知装置の装置への搭載例を示す概略図である。
図5は、実施形態2に係る液体検知装置の一構成例を示す図で、
図6は、
図5の液体検知装置における絶縁体をVI−VI方向から見た断面図である。
【0031】
図3に示すように、装置20は、装置本体10とともに、電源プラグ11、電源アダプタ12、及びDC(Direct Current)ジャック13を備えることができる。電源プラグ11は、外部からの電源(商用電源)を取得するためのAC(Alternating Current)プラグである。電源アダプタ12は、AC/DCコンバータを有し、電源プラグ11及びDCジャック13に接続される。装置本体10には、これらの構成要素によりAC電源から変換されたDC電源が供給されることになる。
【0032】
装置本体10は、主電源スイッチ14、電源デバイス15、回路16、データ通信コネクタ17、検知機能付きカバー18、及び電源制御部19を備えることができる。
【0033】
主電源スイッチ14は、電源制御部19からの制御に従い、DCジャック13から供給された電源電圧を遮断するか電源デバイス15へ供給するかを切り替える。電源制御部19は、主電源スイッチ14を制御することで装置20の主電源を制御することができる。電源デバイス15は、主電源スイッチ14から供給された電圧をさらに回路16で必要な電圧値に変換するDC/DCコンバータ等のデバイスである。
【0034】
回路16は、例えばCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリ等の作業用メモリ、プログラムを記憶した不揮発性の記憶装置、他の素子などを含むことができる。回路16は、装置20の全体を制御する制御部を含むことができる。この制御部は、例えば、上述したCPU、作業用メモリ、及び記憶装置などで実現することができるが、集積回路(Integrated Circuit)によって実現することもできる。
【0035】
データ通信コネクタ17は、データ通信を行うためのコネクタである。装置本体10は、データ通信コネクタ17を介して、例えば、装置20の管理者等の使用者が使用する外部装置に検知信号を通知することや、その他の汎用の信号を出力することができる。なお、外部装置は、装置20にネットワーク経由で又は直接接続された装置とすることができる。
【0036】
検知機能付きカバー18は、回路16等、装置20に設けられた回路の少なくとも一部を覆ってその回路を保護するためのカバーであり、液体の浸入(漏水)を検知する漏水検知機能を有する。装置20の内部部品のうち、漏水からの保護の対象とする部品は、装置20の設計等による。
【0037】
装置本体10の筐体に元々放熱孔や隙間が存在する場合、或いは部材間をシールしていた場合であってもそのシール部分が劣化していた場合には、液体が装置本体10の内部に浸入することがある。液体の浸入は
図4に示す矢印の方向、つまり装置本体10を設置した状態における上方から(装置本体10の天面側から)生じることが多い。
【0038】
よって、ここでは典型的な上面(天面)側からの液体の浸入を例に挙げて説明する。より具体的には、
図4において装置20への搭載例の概略を示すように、装置本体10の筐体の内部に基板としての回路16が設けられ、その回路16の上側を覆う検知機能付きカバー18が装置本体10の筐体の内部に設けられている例を挙げて説明する。つまり、ここでの例は、装置本体10の筐体の上面と回路16との間に検知機能付きカバー18が設けられている。
【0039】
この例では、装置本体10の内部に上方より液体が浸入した場合、検知機能付きカバー18上に液体が移動することになる。検知機能付きカバー18は、このような浸入があった場合でも、液体が回路16に到達しないように回路16を覆うものとする。
【0040】
検知機能付きカバー18は、上記漏水検知機能として、絶縁体1bの一例としての漏水防止カバーを有するとともに漏水検知のための電極セット1cを有する。このように、検知機能付きカバー18は、
図1の絶縁体1b及び電極セット1cの一例であると言える。ここでは、回路16に、電極セット1cにおける電気的状態変化を判定する判定部(図示せず)を有するものとして説明するが、この判定部は回路16の外部に設けておくこともできる。このように、
図1の検知部1aは、検知機能付きカバー18及び後述する
図5の判定部33で構成することができる。
【0041】
ここでは、絶縁体1bが装置20の内部に設けられたある部品の少なくとも一部を覆うカバーとなる例を挙げているが、絶縁体1bは装置20におけるどの部位であってもよい。つまり、絶縁体1bは、装置の筐体の少なくとも一部、装置の内部に設けられた部品の筐体の少なくとも一部、上記部品の少なくとも一部を覆うカバー、のうちのいずれか1つの部材とすることができる。無論、装置の内部に複数の部品が設けられている場合には、そのうちの一部又は全部を覆うカバーのそれぞれの部材を絶縁体1bとすることができる。
【0042】
そして、本実施形態における誘導路は、毛細管現象により液体が電極セット1cにおける2つの電極間を導通させるように、液体を誘導する溝(微細な溝)を有する。この溝は、毛細管現象を生じさせることで液体を電極へ向けて誘導する(拡散させて誘導する)。誘導路は、全てがこのような毛細管現象を生じさせる溝であること(つまり毛細管現象を生じさせる溝が2つの電極間を結ぶこと)が望ましい。但し、誘導路は、一部のみが毛細管現象を生じさせる溝であっても、つまり毛細管現象を生じさせる溝の両端が2つの電極のそれぞれと直接繋がっていなくてもよい。
【0043】
毛細管現象を生じさせる溝は、毛細管現象を生じさせるサイズ(幅及び深さ)の溝であればよく、例えば幅は深さ方向に一定でなくてもよい。毛細管現象を生じさせる溝は、検知対象とする液体の種類によって適宜サイズを決めておけばよい。つまり、溝のサイズは、使用状況にて漏水が想定される液体の成分構成を考慮して決定することもできる。また、溝のサイズは、検知部において(絶縁体上において)液体を保持しておく目的も考慮して決定しておくこともできる。なお、装置20の大小は問わないが、溝のサイズは装置20のサイズも考慮して決定しておくこともできる。また、溝の形成方法は問わず、例えば、機械的な工具又はレーザ加工で彫り込むことで、或いは溝を有するように絶縁体を樹脂成形することで、溝を形成することができる。
【0044】
特に、本実施形態では、
図5及び
図6で例示するような構成の検知部1aを採用することができる。つまり、検知部1aは、電極セット1cとして、電極31a,31bで例示した電極セットを1つ有するとともに、電極31a,31bに接続された判定部33を有することができる。さらに、検知機能付きカバー18の一部である絶縁体31c(
図1の絶縁体1bに対応)上の誘導路は、毛細管現象により液体Lが2つの電極31a,31b間を導通させるように、液体Lを誘導する複数の溝31dを有することができる。換言すれば、検知部1aは、上記複数の溝31dのそれぞれの両端位置に、電極31a,31bを配設することができる。
【0045】
これにより、検知部1aでは、液体Lが浸入した場合に液体Lは毛細管現象により複数の溝31dで2つの電極31a,31bへ誘導され、その浸入量が一定量に達すると2つの電極31a,31b間が液体で導通することになる。判定部33は、この導通による電流等の電気的状態の変化を検知することで、装置本体10への液体の浸入を検知することができる。
【0046】
また、装置本体10は、判定部33で漏水したと判定された場合(検知部1aで液体の浸入が検知された場合)に通知する通知部を、液体検知装置の一部として備えることができる。通知先は、装置本体10の回路16の判定部33以外の部位とすることができる。
【0047】
また、最終的な通知先は外部装置であってもよい。後者の場合、通知部は、データ通信コネクタ17で例示することができ、データ通信コネクタ17は外部装置に検知信号を出力することができる。検知信号を受けた外部装置は、検知情報を報知するように構成しておくことができる。ここでの報知は、液体の浸入を示す情報の文字表示、インジケータによる表示、及び音声出力など様々な方法で行うことができ、よって、上記外部装置は表示部、音声出力部等の報知部を有することができる。また、最終的な通知先は装置本体10における部位とすることができる。この場合における報知部は、装置本体10に備えられ、上記通知部として機能することになる。
【0048】
また、本実施形態に係る液体検知装置は、検知部1aで液体の浸入が検知された場合に、装置20の主電源を遮断するための信号(遮断指示信号又は通知信号など)を出力する出力部を備えることができる。なお、この出力部は、上記の通知部の一部として具備することができる。
【0049】
次に、
図7を併せて参照しながら、本実施形態に係る液体検知装置を用いた液体検知処理の一例について説明する。
図7は、本実施形態に係る液体検知装置を用いた液体検知処理の一例を説明するためのフロー図である。
【0050】
ここでも、
図4に示す矢印の方向、つまり装置本体10を設置した状態における上方から液体が浸入する場合を例に挙げて説明する。装置本体10の内部に上方より液体が浸入した場合、検知機能付きカバー18上に(絶縁体31c上に)液体Lが流れることになる(ステップS11)。ここでは、判定部33は、一定以上の電流値を検出することで漏水であると判定するような例を挙げる。液体Lが両端の電極に到達すると(ステップS12でYES)、接続されている電極31a,31b間に電流が流れ、判定部33が一定の電流値を検出して漏水であると判定する(ステップS13)。
【0051】
漏水を検知した場合は、使用者に漏水を通知するために、報知部に対してデータ通信コネクタ17を介して漏水検知信号(浸水アラーム信号)を通知する(ステップS14)。漏水を検知した場合、判定部33はさらに、電源制御部19にも同様の浸水アラーム信号の通知を行い、電源制御部19がこの通知を受けて装置20の主電源スイッチ14を遮断する(ステップS15)。これにより、漏水検知時に主電源をOFFすることができるため、回路16上での漏水による電気的短絡の事象を防止することができる。主電源スイッチ14が自動的に遮断された後は、使用者側での操作等によって主電源を復旧(ON)させる(ステップS16)、若しくは一定の条件の下で自動的に復旧させるように構成しておけばよい。
【0052】
以上、本実施形態に係る液体検知装置によれば、実施形態1に係る液体検知装置と同様の効果を奏し、安価且つ簡易な構造で漏水をできるだけ早く検知することができる。特に、本実施形態では、検知部の誘導路として液体の毛細管現象を利用できるような溝を有しているため、実施形態1に比べ、より早く漏水を検知することができる。さらに、本実施形態では、誘導路として複数の溝を有することで、液体との接触面を大きくすることができ、ある程度の液体量を検知部の表面にて保持することができ、回路16等の内部部品への液体到達を遅延させることができる。また、本実施形態では、液体を検知した場合に使用者に通知することにより、漏水を使用者に知らしめることができる。
【0053】
また、本実施形態では、液体を検知した場合に装置20の電源をOFFするように制御することにより、装置20の稼働時に液体が回路16に浸入してしまい、回路16のショートによる装置20の二次故障を未然に防止することできる。
【0054】
また、上述のように、検知機能付きカバー18は、装置20の回路16に対して浸水防止の蓋と検知機能とを兼ねたものである。よって、本実施形態の構成では、一定量の液体の浸入を防止することができるため、例えば装置20を防水構造で覆わずに済み、回路動作による放熱での温度上昇を抑えることが可能である。但し、装置20を防水構造で覆わない場合には、安全性を考慮して、上述したような電源遮断による回路破壊を防止する構成を採用することが望ましいと言える。
【0055】
ここで、装置20の放熱に関して補足する。装置20は、部材間の隙間をシリコン樹脂等でシールするなどして装置本体10の筐体を密閉できるが、回路16の動作により内部温度が上昇し、その温度により内部で使用しているCPU等のデバイスが動作保証温度を超えて動作しなくなることも想定される。また、装置20は、回路16を覆うカバー又は筐体により回路16を密閉状態にしていた場合にも、同様に動作しなくなることが想定される。なお、これらの点は、一般的な装置についても言えることであり、例えば機械的な装置であっても部品間の摩擦により熱が生じる。
【0056】
このような懸念を払拭するために、内部の温度上昇を抑制することを目的とする貫通孔(通気孔又は放熱孔)や凹凸などの放熱構造を、装置本体10の筐体表面や、回路16を覆うカバー又は筐体の表面に具備することが望ましい。しかし、一般的に、放熱構造をもたせながら防水構造をもたせることは構造面及びコスト面から難しいと言える。
【0057】
これに対し、本実施形態では、筐体やカバーを防水構造で覆わなくて済むため、このような貫通孔や凹凸などの放熱構造を設けておくことができる。さらに、本実施形態では、絶縁体31cの溝31dで例示したように、凹凸による放熱構造は絶縁体1bの誘導路とすることができる、つまり液体検知のための誘導構造と放熱構造とを共通の構造で実現することができる。よって、本実施形態では、この点からも簡易且つ安価に液体検知装置を構成することができると言える。
【0058】
なお、装置20が商用電源で駆動する例を挙げたが、液体検知装置を搭載する装置(
図3の例では装置本体10)は一次電池又は二次電池で駆動するような装置であってもよい。また、液体検知装置1を機械的な装置に搭載する場合にも、液体検知装置1を商用電源からの電源により、又は一次電池或いは二次電池で駆動するように構成することもできる。なお、本実施形態に係る液体検知装置1は、このように毛細管現象により液体を誘導させるため、設置型の装置に搭載されることが望ましいが、可搬型の装置に搭載することもできる。
【0059】
<実施形態3>
実施形態3について、
図8を併せて参照し、その効果も含めた実施形態2との相違点を中心に説明する。但し、実施形態3は、実施形態1,2で説明した様々な例が適用できる。
図8は、実施形態3に係る液体検知装置の一構成例を示す図である。
【0060】
本実施形態は、実施形態1,2で説明した液体の浸入を検知することができる構成に加え、液体の浸入位置も特定できる構成としたものである。
【0061】
そのため、本実施形態における検知部1aは、電極セット(
図1,
図2の電極セット1cに対応)を複数有する。また、本実施形態における誘導路は、毛細管現象により液体が電極セット1cにおける2つの電極間を導通させるように、液体を誘導する溝を、電極セット毎に有する。ここで、電極セット1c毎に有する溝(複数の溝)は、実質的に格子状に配置されている。なお、2以上の溝が1つの電極セット1cに対応して形成されていてもよい。
【0062】
このような構成の一例について説明する。
図8に示すように、本実施形態における検知部1aは、n個の電極41aとn個の電極41bとで構成されるn個の電極セットを有するとともに、m個の電極41cとm個の電極41dとで構成されるm個の電極セットを有する。そして、絶縁体41eには、誘導路として、n個の電極41aとn個の電極41bとの間にそれぞれ縦軸方向(x方向)の溝41fが形成されるとともに、m個の電極41cとm個の電極41dとの間にそれぞれ横軸方向(y方向)の溝41gが形成される。
【0063】
図8では、n=m=5の例を挙げているが、n≠mであってもよいし、またn、mはいずれも1以上の整数であればよい。但し、n+m>2であることが後述する位置の特定のためには必要であると言える。また、格子を形成する各溝は、
図8において溝41f,41gで例示するような直線状の溝に限らず、曲線状であってもよい。
【0064】
また、
図8で例示する検知部1aは、5つの電極41aに接続されたデコード部(デコーダ)42xと、5つの電極41cに接続されたデコード部42yと、判定部43と、を有する。なお、便宜上図示していないが、デコード部42xには5つの電極41bが接続され、デコード部42yには5つの電極41dが接続されている。
【0065】
デコード部42xには、2つの電極41a,41bでなる電極セットが5セット(
図8においてA,B,C,D,Eを図示した位置の電極41aとそれぞれに対応する電極41bとのセット)接続されている。これにより、デコード部42xは、液体Lを一定量以上検知したセットが5つのセットのうちどのセットであるかを判定し、その情報(例えばA,B,C,D,Eのいずれか1又は複数を示す情報)を判定部43に伝送する。同様に、デコード部42yには、2つの電極41c,41dでなる電極セットが5セット(
図8において1,2,3,4,5を図示した位置の電極41cとそれぞれに対応する電極41dとのセット)接続されている。これにより、デコード部42yは、液体Lを一定量以上検知したセットが5つのセットのうちどのセットであるかを判定し、その情報(例えば1,2,3,4,5のいずれか1又は複数を示す情報)を判定部43に伝送する。
【0066】
判定部43は、
図5の判定部33に対応するものであるが、デコード部42x,42yに接続され、それらからの情報を得ることで、漏水の判定だけでなくその位置の判定も可能となっている。
図8では、位置[B−2]に液体Lがある場合を示している。この場合、液体Lは毛細管現象により、溝を伝わり縦及び横方向に進行していくが、距離が近く、早い時間で電極に接触するのが「B」及び「2」となる。
【0067】
よって、この場合、液体Lが「B」で示す列の電極間に誘導されるとともに「2」で示す行の電極間に誘導されるため、判定部43はデコード部42xから「B」を示す情報を受け取るとともに、デコード部42yから「2」を示す情報を受け取る。なお、判定部43は、その後、他の位置についても液体Lが誘導され、その位置を検知することができるが、時間的に早い縦軸方向位置及び横軸方向位置が示す位置を漏れ位置として判定するようにしておけばよい。時間的に早い位置とは、縦軸方向について一番早い位置、横軸方向について一番早い位置とすることができる。但し、判定部43は、例えば二番目に早い位置であっても一番目との検知時間に所定時間以上の開きがない場合には双方を漏れ位置として判定するなど、デコード部42x,42yから受け取った各電極の状況を所定条件に従い判定し、漏れ位置を判定してもよい。
【0068】
また、図示しないが、本実施形態における検知部1aは、検知がなされた電極セットを示す情報を、検知結果として出力することが好ましい。この出力先は、例えば、実施形態2で説明した通知部とすることができる。よって、例えば、検知部1aは、
図3のデータ通信コネクタ17に対し、検知がなされた電極セットを示す情報を出力するように構成することができる。
【0069】
これにより、判定部43は、通知部に(例えば
図3のデータ通信コネクタ17に)位置[B−2]で漏水を検知したことを示す信号を通知すること、これにより使用者にその旨を通知することができるようになる。また、本実施形態においても判定部43はどの位置において漏水を検知した場合にも主電源をOFFするような信号を出力することが望ましい。但し、例えばpカ所(pは2以上の整数)以上で検知した場合、或いはある特定の位置で検知した場合に限り、主電源をOFFするように制御するようにしてもよい。
【0070】
以上のように、本実施形態に係る液体検知装置によれば、実施形態2に係る液体検知装置と同様の効果を奏するとともに、漏水の位置も検知することができる。
【0071】
また、図示しないが、電極セット1c毎に有する溝(複数の溝)は、実質的に全て平行に配置されている。各溝は直線であってもよいが、折れ線、又はそれ以外の曲線であってもよい。なお、2以上の溝が1つの電極セット1cに対応して形成されていてもよい。この場合にも、検知部1aは、検知がなされた電極セット1cを示す情報を、検知結果として出力する。これにより、正確な位置までは分からないものの、どのラインで生じた漏れであるかを判定することができる。
【0072】
<実施形態4>
実施形態4について、
図9〜
図11を併せて参照し、その効果も含めた実施形態2,3との相違点を中心に説明する。但し、実施形態4は、実施形態1〜3で説明した様々な例が適用できる。
図9は、実施形態4に係る液体検知装置の装置への搭載例を示す概略図である。
図10は、実施形態4に係る液体検知装置の一構成例を示す図で、カバーの裏面側から見た図である。また、
図11は、
図10の液体検知装置における絶縁体及び吸収体をXI−XI方向から見た断面図である。
【0073】
実施形態2,3では、装置本体10の筐体と回路16との間に漏水を検知するための検知部1aを挟む形で実装した例を主に説明したが、装置本体10又は回路16の放熱の効率をより考慮することもでき、本実施形態ではそのような例を説明する。
【0074】
まず、本実施形態における絶縁体(
図1の絶縁体1bに対応)は、装置の筐体の少なくとも一部、装置の内部に設けられた部品の筐体の少なくとも一部、部品の少なくとも一部を覆うカバー、のうちのいずれか1つの部材であるものとする。ここでは、その一例として、上記絶縁体が回路16におけるカバーであること、つまり
図2で例示した検知機能付きカバー18と称される回路16用のカバーを有することを前提にして説明するが、他の場合にも同様に説明ができる。
【0075】
図9及び
図11においては、このカバーをカバー51cとして図示し、カバー51cと吸収体51dとのセットをセット50として図示している。ここでも、
図9に示す矢印の方向、つまり装置本体10を設置した状態における上方から液体が浸入する場合を例に挙げて説明している。
【0076】
そして、本実施形態における誘導路は、
図9〜
図11で例示するように、上記部材(この例では回路16用のカバー51c)に設けられた貫通孔52と、そのカバー51cの裏面に、液体を吸収、拡散できる吸収体51dと、を有する。液体が水等の場合、吸収体51dは吸水体と称されるものである。
【0077】
なお、貫通孔52は、放熱等を目的として形成されたものを液体の誘導路の一部として機能させたものであると言え、その数やサイズ等は問わない。また、貫通孔52を、細管現象を生じさせるようなサイズとしておくことで、貫通孔52を通過する液体の速度も速めることができる。また、カバー51cの裏面とは、カバー51cにおける貫通孔52の内部側に位置する面を指す。
【0078】
また、吸収体51dは、和紙等、様々な材質のものを採用することができ、その厚みとともに、検知速度、保水性、及び強度などの兼ね合いから決めておけばよい。吸収体51dは、貫通孔52の領域を塞ぐように設けることができるが、放熱等を優先し、貫通孔52の領域を少なくとも除く領域に設けることもできる。なお、カバーの表面側に、液体を貫通孔52に誘導するための、毛細管現象を生じさせる溝を設けることもできる。但し、例えば少しの降雨により漏水を生じさせたくない場合にはこのような溝を設けない方がよく、逆に、少しの降雨でも液体を検知したい場合にはこのような溝を設けるとよい。
【0079】
また、そのカバーの裏面には、液体検知用の電極セット(
図1の電極セット1cに対応)を有することができる。つまり、検知部1aは、1つの電極セットを有し、その1つの電極セットとして、吸収体51dの両端に配設された2つの電極51a,51bを有する。なお、吸収体51dの両端とは、吸収体51dの厚み方向の両端ではなく、
図10で例示したように平面方向の両端である。
【0080】
このような構成により、本実施形態では、貫通孔52に液体が浸入すると、カバー裏面に実装された吸収体51dに浸透し、カバー裏面を拡散し、2つの電極51a,51bに到達する。これにより、
図5の判定部33に対応する判定部53が漏水したことを判定する。また、
図10及び
図11においては、2つの電極51a,51bでなる電極セットは、1つであるが、複数の電極セットを設けておくこともできる。この場合には、各電極セットに対応する吸収体が設けられること、つまり複数の吸収体が離間して設けられることになる。
【0081】
以上のように、本実施形態に係る液体検知装置によれば、実施形態2に係る液体検知装置と同様の効果を奏するとともに、貫通孔52によって放熱効果を高めることができ、且つ、吸収体51dによって漏水をより食い止めることができる。このように、本実施形態では、液体が浸入した場合であっても、吸収体51dにより一定の液量を保持することができる。よって、本実施形態では、吸収体51d側の液体が飽和に達するまでに漏水を検知して装置の電源を遮断すれば、内部の回路を保護するための対策は不要である。
【0082】
また、貫通孔52から直接液体を吸収し、電極セットに誘導するため、そのような構成を採用しない場合に比べ、例えば貫通孔の下に設けた内部の筐体又はカバーに、検知部を設ける場合に比べ、検知速度を速めることができる。
【0083】
<他の実施形態等>
[a]
実施形態1〜4では液体検知装置の各構成要素について説明したが、液体検知装置としてこれらの構成要素が有する機能が実現できればよく、上述した例に限定されるものではない。また、実施形態1〜4では液体検知装置を備える装置の各構成要素について説明したが、装置としてこれらの構成要素が有する機能が実現できればよく、上述した例に限定されるものではない。さらに、実施形態1,2において液体検知方法について説明したが、本開示は、それ以外の実施形態で説明した様々な例を適用した液体検知方法としての形態も含む。
【0084】
[b]
実施形態1〜4に係る液体検知装置を備えた装置は、次のようなハードウェア構成を有していてもよい。
図12は、実施形態1〜4に係る液体検知装置を備えた装置のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、上記他の実施形態[a]についても同様である。
【0085】
図12に示す装置100は、プロセッサ101、メモリ102、及びインタフェース103を有する。実施形態1〜4で説明した液体検知装置における判定を行う部位(漏水判定部等)は、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを読み込んでインタフェース103と協働しながら実行することにより実現される。インタフェース103は、電極セットとの接続用のインタフェース(例えば接続線)を含むとともに、例えばデータ通信コネクタ17との接続用のインタフェース、電源制御部19との接続用のインタフェースなどを含むことができる。なお、
図5、
図8、及び
図10で説明した判定部についても、同様のハードウェア構成を採用することができる。換言すれば、実施形態1〜4に係る液体検知装置も同様のハードウェア構成を有することができる。
【0086】
上述の例において、上記プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、この例は、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/Wを含む。さらに、この例は、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0087】
[c]
本開示は、上記プログラムとしての形態も含む。上記プログラムは、装置が備える制御コンピュータに、その装置の内部への液体の浸入を検知する検知ステップ(検知処理)を実行させるためのプログラムである。制御コンピュータは、その装置の制御部とすることができ、例えば、上述したプロセッサ101、メモリ102、及びインタフェース103とすることができる。
【0088】
この検知処理は、液体検知方法について説明した通りであり、電極セットにおける2つの電極間が液体で導通した場合に、導通していない場合からの電気的状態の変化を検知することで、液体の浸入を検知する。その他の例については、実施形態1〜4に説明した通りである。特に、プログラムとして有益な一例(実施形態4の例)のみを次に説明するが、上述した様々な実施形態で説明したように、他の例もプログラムを用いて検知処理を実現させることができる。
【0089】
実施形態4に対応するプログラムは、装置に備えられた制御コンピュータに、次の検知ステップ(検知処理)及び出力ステップ(出力処理)を実行させるためのプログラムである。上記検知処理は、装置に備えられた絶縁体を用いるとともに、その絶縁体に設けられた2つの電極でなる電極セットを複数用い、上記装置の内部への液体の浸入を検知する。また、上記出力処理は、上記検知処理での検知結果を出力する。出力先は問わないが、一般的に上記装置に設けられた通知部(及び電源制御部)などとすることができる。
【0090】
そして、上記絶縁体は、液体を電極セットにおける2つの電極へ向けて誘導する誘導路を有し、この誘導路は、毛細管現象により液体が電極セットにおける2つの電極間を導通させるように、液体を誘導する溝を、電極セット毎に有する。さらに、電極セット毎に有する溝(複数の溝)は、実質的に全て平行に配置されているか、若しくは、実質的に格子状に配置されている。そして、検知処理は、電極セットにおける2つの電極間が液体で導通した場合に、導通していない場合からの電気的状態の変化を検知することで、液体の浸入を検知する。上記出力処理は、上記検知処理で検知がなされた電極セットを示す情報を出力する。これにより、液体が浸入した箇所を特定することができる。なお、このプログラムに適用可能な他の例については、実施形態4で説明した通りである。
【0091】
なお、本開示は上記の各実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0092】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
<付記>
【0093】
(付記1)
装置の内部への液体の浸入を検知する検知部を備え、
前記検知部は、絶縁体と、前記絶縁体に設けられた2つの電極でなる電極セットと、を有し、
前記絶縁体は、液体を前記電極セットにおける2つの電極へ向けて誘導する誘導路を有し、
前記検知部は、前記電極セットにおける2つの電極間が液体で導通した場合に、導通していない場合から電気的状態を変化させることで、液体の浸入を検知する、
液体検知装置。
【0094】
(付記2)
前記誘導路は、毛細管現象により液体が前記電極セットにおける2つの電極間を導通させるように、液体を誘導する溝を有する、
付記1に記載の液体検知装置。
【0095】
(付記3)
前記検知部は、前記電極セットを1つ有し、
前記誘導路は、毛細管現象により液体が前記電極セットにおける2つの電極間を導通させるように、液体を誘導する複数の溝を有する、
付記2に記載の液体検知装置。
【0096】
(付記4)
前記検知部は、前記電極セットを複数有し、
前記誘導路は、毛細管現象により液体が前記電極セットにおける2つの電極間を導通させるように、液体を誘導する溝を、前記電極セット毎に有する、
付記2に記載の液体検知装置。
【0097】
(付記5)
前記電極セット毎に有する前記溝である複数の溝は、実質的に全て平行に配置されているか、若しくは、実質的に格子状に配置されている、
付記4に記載の液体検知装置。
【0098】
(付記6)
前記検知部は、検知がなされた前記電極セットを示す情報を、検知結果として出力する、
付記5に記載の液体検知装置。
【0099】
(付記7)
前記絶縁体は、前記装置の筐体の少なくとも一部、前記装置の内部に設けられた部品の筐体の少なくとも一部、前記部品の少なくとも一部を覆うカバー、のうちのいずれか1つの部材である、
付記1から6のいずれか1項に記載の液体検知装置。
【0100】
(付記8)
前記絶縁体は、前記装置の筐体の少なくとも一部、前記装置の内部に設けられた部品の筐体の少なくとも一部、前記部品の少なくとも一部を覆うカバー、のうちのいずれか1つの部材であり、
前記誘導路は、前記部材に設けられた貫通孔と、前記部材における前記貫通孔の内部側に位置する面に配設された吸収体と、を有し、
前記検知部は、前記電極セットとして、前記吸収体の両端に配設された2つの電極を有する、
付記1に記載の液体検知装置。
【0101】
(付記9)
前記検知部で液体の浸入が検知された場合に通知する通知部を備えた、
付記1から8のいずれか1項に記載の液体検知装置。
【0102】
(付記10)
前記検知部で液体の浸入が検知された場合に、前記装置の主電源を遮断するための信号を出力する出力部を備えた、
付記1から9のいずれか1項に記載の液体検知装置。
【0103】
(付記11)
付記1から10のいずれか1項に記載の液体検知装置を備えた装置。
【0104】
(付記12)
装置の内部への液体の浸入を検知する検知ステップを備え、
前記装置は、絶縁体と、前記絶縁体に設けられた2つの電極でなる電極セットと、を備え、
前記絶縁体は、液体を前記電極セットにおける2つの電極へ向けて誘導する誘導路を有し、
前記検知ステップは、前記電極セットにおける2つの電極間が液体で導通した場合に、導通していない場合から電気的状態を変化させることで、液体の浸入を検知する、
液体検知方法。
【0105】
(付記13)
装置が備える制御コンピュータに、前記装置の内部への液体の浸入を検知する検知処理を実行させるためのプログラムであって、
前記装置は、絶縁体と、前記絶縁体に設けられた2つの電極でなる電極セットと、を備え、
前記絶縁体は、液体を前記電極セットにおける2つの電極へ向けて誘導する誘導路を有し、
前記検知処理は、前記電極セットにおける2つの電極間が液体で導通した場合に、導通していない場合からの電気的状態の変化を検知することで、液体の浸入を検知する、
プログラム。
【0106】
(付記14)
装置に備えられた制御コンピュータに、前記装置の内部への液体の浸入を検知する検知処理と、前記検知処理での検知結果を出力する出力処理と、を実行させるためのプログラムであって、
前記装置は、絶縁体と、前記絶縁体に設けられた2つの電極でなる電極セットと、を備え、
前記絶縁体は、液体を前記電極セットにおける2つの電極へ向けて誘導する誘導路を有し、
前記誘導路は、毛細管現象により液体が前記電極セットにおける2つの電極間を導通させるように、液体を誘導する溝を、前記電極セット毎に有し、
前記電極セット毎に有する前記溝である複数の溝は、実質的に全て平行に配置されているか、若しくは、実質的に格子状に配置されており、
前記検知処理は、前記電極セットにおける2つの電極間が液体で導通した場合に、導通していない場合からの電気的状態の変化を検知することで、液体の浸入を検知し、
前記出力処理は、前記検知処理で検知がなされた前記電極セットを示す情報を出力する、
プログラム。