(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
(本開示にかかる実施の形態の概要)
本開示の実施形態の説明に先立って、本開示にかかる実施の形態の概要について説明する。
図1は、本開示の実施の形態にかかる中継装置1の概要を示す図である。中継装置1は、例えばサーバ等のコンピュータである。したがって、中継装置1は、中継サーバとして機能する。
【0014】
中継装置1は、構内交換機(PBX)と通信可能に接続されている。中継装置1は、受信部2と、生成部4と、送信部6とを有する。受信部2は、受信手段としての機能を有する。生成部4は、生成手段としての機能を有する。送信部6は、送信手段としての機能を有する。受信部2、生成部4及び送信部6の処理について、以下に説明する。
【0015】
図2は、
図1に示した中継装置1によって実行される中継方法を示すフローチャートである。受信部2は、構内交換機から、内線代表番号に着信があったことの通知である着信通知を示す着信通知情報を受信する(ステップS12)。生成部4は、着信通知情報に基づいて、内線代表番号のグループに属する複数のモバイル端末それぞれについて、着信通知に対応するプッシュ通知要求を生成する(ステップS14)。送信部6は、プッシュ通知要求を、対応するモバイル端末に対して送信するための処理を行う(ステップS16)。例えば、送信部6は、プッシュ通知要求を、プッシュ通知サーバに送信してもよい。これにより、プッシュ通知要求が、モバイル端末に送信される。なお、プッシュ通知サーバは、中継装置1と通信可能に接続されている。プッシュ通知サーバは、プッシュ通知をモバイル端末に送信するサーバである。
【0016】
図3は、内線代表番号に着信があったときの着信通知の流れを概念的に示す図である。構内交換機に対して、内線着信又は外線着信によって、内線代表番号a1に着信があったとする。この場合、中継装置1は、内線代表番号a1のグループである内線代表番号グループa2に属する複数のモバイル端末のモバイル端末番号a3について、着信通知に対応するプッシュ通知要求を生成する。そして、中継装置1は、例えばプッシュ通知サーバを介して、プッシュ通知要求を、各モバイル端末に送信する。
【0017】
このようにして、中継装置1は、内線代表番号グループa2に属する複数のモバイル端末に、着信呼を分配する。これにより、各モバイル端末に、着信通知を表示させる。なお、着信があった後、構内交換機に対して応答不可通知があった場合も、中継装置1は、内線代表番号グループa2に属する複数のモバイル端末のモバイル端末番号a3について、応答不可通知に対応するプッシュ通知要求を生成する。
【0018】
このように、本実施の形態にかかる中継装置1は、構内交換機に対して内線代表番号に着信があった場合に、内線代表番号のグループに属する複数のモバイル端末それぞれについて、着信通知に対応するプッシュ通知要求を生成するように構成されている。これにより、構内交換機が、内線代表番号のグループに属する複数のモバイル端末に対する着信通知情報を生成して各モバイル端末に送信することが、不要となる。したがって、構内交換機の負荷(ネットワーク負荷等)を軽減することが可能となる。これにより、構内交換機が、他の交換処理(電話の着信、応答及び転送などネットワーク上で情報をやり取りする処理)をスムーズに行うことができる。なお、
図2に示した中継方法及びこの中継方法を実現するプログラムによっても、構内交換機の負荷を軽減することが可能となる。また、中継装置1と構内交換機とを有する通信システムによっても、構内交換機の負荷を軽減することが可能となる。
【0019】
(実施の形態1)
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0020】
図4は、実施の形態1にかかる通信システム10の構成を示す図である。通信システム10は、電話機20と、構内交換機40(PBX)と、中継サーバ100と、プッシュ通知サーバ60と、複数のモバイル端末70(70A,70B,・・・)とを有する。構内交換機40は、内線又は外線の電話網11を介して、電話機20に接続されている。また、構内交換機40は、インターネット12を介して、中継サーバ100に接続されている。また、構内交換機40は、インターネットを介してモバイル端末70と接続されてもよい。また、1つの中継サーバ100が、複数の構内交換機40に接続されてもよい。この場合、複数の構内交換機40が、1つの中継サーバ100を共有し得る。
【0021】
中継サーバ100は、インターネット13を介して、プッシュ通知サーバ60に接続されている。また、プッシュ通知サーバ60は、携帯キャリアネットワーク14を介して、モバイル端末70に接続されている。なお、図では、インターネット12とインターネット13とが別個に示されているが、両者は同じインターネット(例えばインターネット12)であってもよい。
【0022】
構内交換機40は、例えばコンピュータであってもよい。構内交換機40は、電話機20とモバイル端末70との間の通信を、電話網11及びインターネット12を介して中継する。また、構内交換機40は、電話機20から内線代表番号への着信を受けると、内線代表番号グループのデータベースを用いて、その内線代表番号に関する内線代表番号グループに属するモバイル端末70のモバイル端末番号を検索する。そして、構内交換機40は、検索されたモバイル端末番号を、中継サーバ100に送信する。また、構内交換機40は、電話機20から内線代表番号への着信を受けると、内線代表番号グループに関する情報を含む着信通知情報を、中継サーバ100に送信する。ここで、内線代表番号は、例えば、企業等におけるある組織の任意の(全ての)端末宛ての内線番号である。
【0023】
中継サーバ100は、
図1に示した中継装置1に対応する。中継サーバ100は、例えばコンピュータである。中継サーバ100は、構内交換機40の代わりにプッシュ通知サーバ60との通信を行う。言い換えると、中継サーバ100は、構内交換機40とプッシュ通知サーバ60との間の通信を中継する。したがって、中継サーバ100は、プロキシサーバ(プッシュプロキシサーバ)として機能する。中継サーバ100の構成については後述する。
【0024】
中継サーバ100は、構内交換機40から受け取った内線代表番号グループの情報から、モバイル端末番号ごとのプッシュ通知要求を生成し、プッシュ通知サーバに送信する。具体的には、中継サーバ100は、構内交換機40から送信された内線代表番号グループに関する着信通知情報を、それぞれのモバイル端末70宛ての着信通知情報に変換する。そして、中継サーバ100は、変換された着信通知情報をプッシュ通知要求として、プッシュ通知サーバ60に送信する。ここで、中継サーバ100は、プッシュ通知サーバ60の仕様に合うように、構内交換機40から送信された着信通知を、プッシュ通知要求に変換する。
【0025】
プッシュ通知サーバ60は、例えばコンピュータである。プッシュ通知サーバ60は、中継サーバ100から受信されたプッシュ通知要求に基づいて、対応するモバイル端末70にプッシュ通知を送信する。
【0026】
モバイル端末70は、例えばコンピュータである。モバイル端末70は、構内交換機40と内線電話網またはインターネット12を介して接続している。モバイル端末70は、構内交換機40を介して内線通話及び外線通話を行うことができる。また、モバイル端末70は、携帯キャリアネットワーク14を介して、プッシュ通知サーバ60からプッシュ通知を受信する。そして、モバイル端末70は、プッシュ通知の内容に基づいて、画面表示、音又は振動等によって着信通知を行う。これにより、モバイル端末70のユーザは、内線代表番号に対する着信に応答する操作を行うことができる。
【0027】
図5は、実施の形態1にかかる内線代表番号グループのデータベースを例示する図である。
図5の例では、例えば、内線代表番号グループ「1100」に属するモバイル端末70のモバイル端末番号は、モバイル端末番号#1−1、モバイル端末番号#1−2、モバイル端末番号#1−3及びモバイル端末番号#1−4を含む。ここで、モバイル端末番号#1−1は、「内線電話番号1101,外線電話番号090−1234−1101」である。また、モバイル端末番号#1−2は、「内線電話番号1102,外線電話番号090−1234−1102」である。また、モバイル端末番号#1−3は、「内線電話番号1103,外線電話番号090−1234−1103」である。また、モバイル端末番号#1−4は、「内線電話番号1104,外線電話番号090−1234−1104」である。内線代表番号グループ「1200」等についても同様である。
【0028】
構内交換機40は、例えば、電話機20から内線代表番号「1100」への着信を受けると、
図5に例示したデータベースを用いて、モバイル端末番号#1−1、モバイル端末番号#1−2、モバイル端末番号#1−3及びモバイル端末番号#1−4を検索する。そして、構内交換機40は、これらのモバイル端末番号#1−1、モバイル端末番号#1−2、モバイル端末番号#1−3及びモバイル端末番号#1−4を、中継サーバ100に送信する。また、構内交換機40は、内線代表番号グループ「1100」に関する情報を、中継サーバ100に送信する。
【0029】
上述したように、実施の形態1にかかる通信システム10では、構内交換機40は、内線代表番号グループ内のモバイル端末番号を検索する。そして、構内交換機40は、検索されたモバイル端末番号と内線代表番号グループの情報とを含む着信通知情報を、中継サーバ100に送信する。中継サーバ100は、送信されたモバイル端末番号と内線代表番号グループの情報とを組み合わせて、プッシュ通知サーバ60の仕様に合わせた形に、各モバイル端末70に対するプッシュ通知要求を生成する。
【0030】
図6は、実施の形態1にかかる中継サーバ100の構成を示す図である。中継サーバ100は、主要なハードウェア構成として、制御部102と、記憶部104と、通信部106と、インタフェース部108(IF;Interface)とを有する。制御部102、記憶部104、通信部106及びインタフェース部108は、データバスなどを介して相互に接続されている。なお、
図4に示した電話機20、構内交換機40、プッシュ通知サーバ60及びモバイル端末70も、
図6に示したハードウェア構成を有し得る。
【0031】
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部102は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。記憶部104は、例えばメモリ又はハードディスク等の記憶デバイスである。記憶部104は、例えばROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部104は、制御部102によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。また、記憶部104は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。記憶部104は、データベースを含み得る。
【0032】
通信部106は、構内交換機40及びプッシュ通知サーバ60と通信を行うために必要な処理を行う。通信部106は、通信ポート、ルータ、ファイアウォール等を含み得る。インタフェース部108(IF;Interface)は、例えばユーザインタフェース(UI)である。インタフェース部108は、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力装置と、ディスプレイ又はスピーカ等の出力装置とを有する。インタフェース部108は、システム管理者によるデータの入力の操作を受け付け、システム管理者に対して情報を出力する。
【0033】
また、実施の形態1にかかる中継サーバ100は、構成要素として、受信部112と、生成部114と、送信部116とを有する。受信部112は、
図1に示した受信部2に対応する。受信部112は、受信手段としての機能を有する。生成部114は、
図1に示した生成部4に対応する。生成部114は、生成手段としての機能を有する。送信部116は、
図1に示した送信部6に対応する。送信部116は、送信手段としての機能を有する。受信部112、生成部114及び送信部116の処理については、後述するシーケンス図を用いて説明する。
【0034】
なお、上述した各構成要素は、例えば、制御部102の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、記憶部104に格納されたプログラムを、制御部102が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、各構成要素は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。
【0035】
図7及び
図8は、実施の形態1にかかる通信システム10で実行される通信方法(中継方法)を示すシーケンス図である。
図7は、着信通知に対していずれかのモバイル端末70が応答する場合の処理フローを示す。電話機20は、内線代表番号に発信する(ステップS102)。これにより、構内交換機40は、電話機20から、内線代表番号への着信を受け付ける。構内交換機40は、中継サーバ100に対し、着信通知情報を送信する(ステップS104)。
【0036】
中継サーバ100は、各モバイル端末70宛てのプッシュ通知要求を送信する(ステップS106)。具体的には、受信部112は、インターネット12及び通信部106を介して、構内交換機40から、モバイル端末番号及び内線代表番号グループに関する情報を含む着信通知情報を受信する。受信部112は、受信された着信通知情報を、生成部114に出力する。生成部114は、着信通知情報を解析して、内線代表番号グループに属する複数のモバイル端末70それぞれについて、着信通知情報に対応するプッシュ通知要求を生成する。送信部116は、通信部106及びネットワークを介して、プッシュ通知要求を、プッシュ通知サーバ60に送信する。
【0037】
生成部114の具体的な処理について説明する。生成部114は、着信通知情報を、各モバイル端末70宛てのプッシュ通知要求に変換する。さらに具体的には、生成部114は、内線代表番号グループ内のモバイル端末番号と、内線代表番号とから、対応するモバイル端末70宛てのプッシュ通知要求を、モバイル端末70の数だけ生成する。このとき、生成部114は、内線代表番号グループ内のモバイル端末番号を宛先(送信先)とするように、プッシュ通知要求を生成してもよい。
【0038】
また、例えば、生成部114は、コールピックアップ特番と、内線代表番号と、発信者番号とを含むプッシュ通知要求を生成する。ここで、コールピックアップ特番は、内線代表番号への着信呼に応答するための番号である。また、発信者番号は、内線代表番号に発信を行った電話機20の番号である。これにより、後述するように、モバイル端末70と電話機20との間の通話が確立され得る。
【0039】
また、例えば、
図5の例において、電話機20から内線代表番号「1100」への一斉呼出発信(ページング)があったとする(S102)。この場合、構内交換機40は、内線代表番号「1100」への一斉呼出発信の通知(着信通知情報)を、中継サーバ100に送信する(S104)。この場合、中継サーバ100の生成部114は、内線代表番号「1100」が示された着信通知情報を、この内線代表番号グループに所属する携帯電話番号を示す着信通知情報(プッシュ通知要求)に変換する。つまり、生成部114は、内線代表番号「1100」が示された着信通知情報を、当該内線代表番号グループに所属する携帯電話番号「090−1234−1101」を示す着信通知情報に変換する。同様に、生成部114は、中継サーバ100の生成部114は、内線代表番号「1100」が示された着信通知情報を、当該内線代表番号グループに所属する携帯電話番号「090−1234−1102」を示す着信通知情報に変換する。携帯電話番号「090−1234−1103」及び携帯電話番号「090−1234−1104」等についても同様である。そして、送信部116は、プッシュ通知サーバ60を介して、変換された着信通知情報(プッシュ通知要求)を、それぞれ、変換された着信通知情報で示される携帯電話番号に対応するモバイル端末70に送信する。
【0040】
プッシュ通知サーバ60は、中継サーバ100からプッシュ通知要求を受信すると、各モバイル端末70に対して、プッシュ通知要求に対応するプッシュ通知を送信する(ステップS108)。これにより、携帯キャリアネットワーク14を介して、内線代表番号グループに属するモバイル端末70A,70Bに、プッシュ通知が配信される。これにより、モバイル端末70A,70Bにおいて、着信通知が開始する。
【0041】
そして、モバイル端末70は、受信されたプッシュ通知に応じて、電話機20によって着信中の内線代表番号に対して応答することができるようになる。
図7の例では、モバイル端末70A(モバイル端末A)が応答操作を行う。これにより、モバイル端末70Aは、構内交換機40に対して、コールピックアップ応答を行う(ステップS112)。
【0042】
具体的には、生成部114によって生成されたプッシュ通知要求によって、プッシュ通知には、コールピックアップ特番と、内線代表番号と、発信者番号といった、応答操作に必要な情報(番号)が含まれている。したがって、モバイル端末70Aがプッシュ通知を受信した後で応答操作を行うと、モバイル端末70Aは、上述した番号を用いて、構内交換機40に対して、応答要求の発信操作(コールピックアップ応答)を行う。
【0043】
構内交換機40は、モバイル端末70Aから応答要求を受信すると、電話機20に対して、発信(S102)に対する応答を行う(ステップS114)。具体的には、構内交換機40は、モバイル端末70Aから発信された上述した番号を解析し、電話機20からの発信への応答要求を、電話機20に送信する。これにより、構内交換機40は、電話機20とモバイル端末70Aとの接続処理を行う。このようにして、電話機20とモバイル端末70Aとの通話が開始する(ステップS116)。
【0044】
さらに、着信通知中に、内線代表番号グループに属するモバイル端末70の1つが応答すると、着信通知時(S104〜S108)と同様の経路で、応答不可通知情報がモバイル端末70に配信され、着信通知が終了する(S124〜S128)。具体的には、内線代表番号グループに属するモバイル端末70の1つが応答すると、構内交換機40は、応答不可通知情報を送信する(ステップS124)。また、応答不可通知情報は、現在着信している内線代表番号への着信呼に応答しないように指示する旨の通知を示す情報である。なお、このケースにおいて、応答不可通知情報は、内線代表番号に対する着信について複数のモバイル端末70の1つが応答したことの通知を示す。応答不可通知情報は、あるモバイル端末70が応答した内線代表番号を示してもよい。例えば、内線代表番号「1100」に対してモバイル端末70が応答した場合、応答不可通知情報は、内線代表番号「1100」を示す。
【0045】
中継サーバ100は、各モバイル端末70宛てのプッシュ通知要求を送信する(ステップS126)。具体的には、受信部112は、インターネット12及び通信部106を介して、構内交換機40から、内線代表番号グループに関する情報を含む応答不可通知情報を受信する。受信部112は、受信された応答不可通知情報を、生成部114に出力する。生成部114は、応答不可通知情報を解析して、内線代表番号グループに属する複数のモバイル端末70それぞれについて、応答不可通知情報に対応するプッシュ通知要求を生成する。送信部116は、通信部106及びネットワークを介して、プッシュ通知要求を、プッシュ通知サーバ60に送信する。
【0046】
この場合、生成部114は、着信に応答しているモバイル端末70を含む、内線代表番号のグループに属する全てのモバイル端末70それぞれに対して、応答不可通知情報に対応するプッシュ通知要求を生成する。そして、送信部116は、応答不可通知情報に対応するプッシュ通知要求を、全てのモバイル端末70に対して送信する。例えば、内線代表番号「1100」にモバイル端末70Aが応答した場合、送信部116は、モバイル端末70Aを含む、内線代表番号のグループに属する全てのモバイル端末70それぞれに対して、応答不可通知情報に対応するプッシュ通知要求を送信する。
【0047】
プッシュ通知サーバ60は、中継サーバ100からプッシュ通知要求を受信すると、各モバイル端末70に対して、プッシュ通知要求に対応するプッシュ通知を送信する(ステップS128)。これにより、携帯キャリアネットワーク14を介して、内線代表番号グループに属するモバイル端末70A,70Bに、プッシュ通知が配信される。これにより、モバイル端末70Bにおいて、着信通知が終了する。この場合、電話機20と通話しているモバイル端末70Aでは、このプッシュ通知(応答不可通知)を無視するように構成されている。このように、内線代表番号グループに属する全てのモバイル端末70に一括で応答不可通知を送信することで、構内交換機40において、どのモバイル端末70が応答したかを検索することが不要となる。したがって、構内交換機40の負荷を軽減することができる。
【0048】
図8は、着信通知に対してモバイル端末70が応答する前に電話機20が通話を切断した場合の処理フローを示す。なお、S102〜S108については、
図7に示した処理と実質的に同様であるので、説明を省略する。電話機20が通話を切断すると(ステップS132)、構内交換機40は、電話機20から、内線代表番号の通話の切断を受け付ける。このとき、構内交換機40は、応答不可通知情報を送信する(ステップS134)。なお、この場合の応答不可通知情報は、内線代表番号に対する通話が切断されたので、現在着信している内線代表番号への着信呼に応答しないように指示する旨の通知を示す情報である。応答不可通知情報は、切断された着信に対応する内線代表番号を示してもよい。例えば、内線代表番号「1100」に対する着信が切断された場合、応答不可通知情報は、内線代表番号「1100」を示す。
【0049】
中継サーバ100は、各モバイル端末70宛てのプッシュ通知要求を送信する(ステップS136)。具体的には、受信部112は、インターネット12及び通信部106を介して、構内交換機40から、内線代表番号グループに関する情報を含む応答不可通知情報を受信する。受信部112は、受信された応答不可通知情報を、生成部114に出力する。生成部114は、応答不可通知情報を解析して、内線代表番号グループに属する複数のモバイル端末70それぞれについて、応答不可通知情報に対応するプッシュ通知要求を生成する。送信部116は、通信部106及びネットワークを介して、プッシュ通知要求を、プッシュ通知サーバ60に送信する。
【0050】
プッシュ通知サーバ60は、中継サーバ100からプッシュ通知要求を受信すると、各モバイル端末70に対して、プッシュ通知要求に対応するプッシュ通知を送信する(ステップS138)。これにより、携帯キャリアネットワーク14を介して、内線代表番号グループに属するモバイル端末70A,70Bに、プッシュ通知が配信される。これにより、モバイル端末70A,70Bにおいて、着信通知が終了する。
【0051】
上述した関連技術では、内線代表番号に着信を受けたとき、構内交換機は、着信を受けた内線代表番号グループに属する固定端末及びモバイル端末に、一斉に、着信指示を送信する。つまり、関連技術にかかる構内交換機は、内線代表番号グループを利用することで、内線代表番号に着信した呼を、内線代表番号グループに登録された固定端末および携帯端末へ一斉通知する。これにより、内線代表番号グループに登録された固定端末及び携帯端末が、内線代表番号への着信呼に応答することが可能である。
【0052】
しかしながら、省電力のために、近年のモバイル端末おいて、モバイル端末のアプリケーションが着信指示を受信できるのは、スリープ状態を解除しているときのみとなる場合がある。例えば、モバイル端末のOS(Operating System)によってアプリケーションのバックグラウンドの実行が制限されている場合がある。この場合において、OSの処理によって着信に使用するアプリケーションの実行が制限されていた場合、モバイル端末が通知を受信可能になるのはOSのスリープ状態を解除したタイミングのみとなる。つまり、構内交換機が内線代表番号グループに属するモバイル端末に、一斉に、着信指示を送信したとしても、受信を確認できるモバイル端末は、着信指示を送信したタイミングでアプリケーションのスリープ状態を解除している端末のみとなる。したがって、モバイル端末の利用者は、内線代表番号グループへの着信指示を安定して確認することができない。
【0053】
また、モバイル端末では、SIP(Session Initiation Protocol)方式で着信通知を行っていることが多い。ここで、この方式ではSIPメッセージを待ち受けるために通話アプリケーションを常に起動し続ける必要があり、消費電力が増大するおそれがある。
【0054】
この問題を解決するため、プッシュ通知を使用することで、モバイル端末がスリープ状態の場合にも着信通知を行うことが考えられる。具体的には、プッシュ通知をモバイル端末に送信することで、モバイル端末がスリープの状態から任意のアプリケーションを起動させることができる。つまり、モバイル端末にプッシュ通知を送信し、通話アプリケーションを起動させることにより、モバイル端末は、着信通知情報を受信し、着信通知を行い、応答可能な状態にできる。また、必要なときにのみアプリケーションを動作させることができるようになるので、モバイル端末のバッテリ消費を抑えながら安定して通知を配信できる。
【0055】
ここで、構内交換機がこのようなプッシュ通知をモバイル端末に送信するようにすると、構内交換機の負荷が増大する。すなわち、プッシュ通知サーバの仕様に合わせて着信通知をプッシュ通知に変換しようとすると、構内交換機のネットワーク負荷が増大する。これにより、構内交換機における、電話の着信、応答及び転送といった、ネットワーク上で情報をやり取りする本来の機能に影響を及ぼすおそれがある。
【0056】
また、関連技術のように、内線代表番号グループに属する全てのモバイル端末に送信する通知を構内交換機から送信すると、構内交換機は、内線代表番号への1つの着信ごとに内線代表番号グループに属する全ての端末台数の数だけ通知情報を送信することとなる。したがって、着信時の構内交換機におけるネットワーク負荷が増大する。例えば、内線代表番号への一斉呼出発信(ページング)の場合、発信された内線代表番号を、構内交換機において、内線代表番号グループに所属する携帯電話番号に変換して、それぞれの携帯電話端末に向けて、公衆携帯電話網へ発信しなければならない。したがって、1つの内線代表番号への発信が複数の外線発信となってしまうため、構内交換機に大きな負荷がかかってしまう。
【0057】
これに対し、実施の形態1にかかる中継サーバ100は、着信通知情報を各モバイル端末宛てのプッシュ通知要求に変換するように構成されている。このように、着信通知の負荷を中継サーバ100に分散させることによって、構内交換機のネットワーク負荷を軽減することができる。そして、構内交換機における本来の機能に及ぼす影響を抑制することが可能となる。
【0058】
なお、構内交換機40は、モバイル端末70が内線代表番号への着信に応答するとき、モバイル端末70のアプリケーション上の発信者番号の表示と、実際に応答する内線代表番号にかけている発信者番号とが一致することを確認する機能を有してもよい。この方式では、着信通知を受けたモバイル端末70では、発信者番号及び内線代表番号(または内線代表番号グループ名(例えば「総務部代表」など)が表示される。
【0059】
この場合において、同じ内線代表番号に、別の発信者(電話機)である発信者X,Yが、発信及び切断を順に行ったとする。このとき、インターネット上の混雑などにより、モバイル端末70にプッシュ通知の届く順番が、発信者Xの着信通知、発信者Yの着信通知、発信者Xの応答不可通知、発信者Yの応答不可通知となることがある。この場合、モバイル端末70で着信に応答すると、発信者番号の表示が発信者Xの番号であるにもかかわらず、発信者Yに繋がってしまう問題が発生することがある。
【0060】
この問題を解決するために、モバイル端末70は、内線代表番号への着信に応答する場合(
図7のS112)に、SIPシーケンスのINVITEリクエストの宛先情報に、以下のように発信者番号を付加する。
(コールピックアップ特番)+(内線代表番号)+(セパレータ)+(発信者番号)@(ドメイン)
例えば、コールピックアップ特番が「#123」、着信した内線代表番号が「1000」、発信者番号が「8000」、セパレータが「sep」、ドメインが「sample.com」の場合、INVITEリクエストの宛先情報は、「#1231000sep8000@sample.com」となる。
【0061】
構内交換機40は、このINVITEリクエストを受信すると、セパレータとドメインとの間の番号を、発信者番号として読み取る。構内交換機40は、この読み取った発信者番号と、内線代表番号を呼び出し中の発信者番号とを比較する。構内交換機40は、両者が一致する場合は、応答可能として、発信者とモバイル端末70との間の通話を接続する。一方、構内交換機40は、両者が一致しない場合は、応答不可として、通話を接続しない。このような処理にすることで、応答不可通知情報のプッシュ通知が正常なタイミングでモバイル端末70に配信されなかった場合にも、モバイル端末70における発信者番号の表示と実際に応答する発信者番号との不一致を抑制することができる。
【0062】
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上述したフローチャート及びシーケンスにおいて、各処理(ステップ)の順序は、適宜、変更可能である。また、複数ある処理(ステップ)のうちの1つ以上は、省略されてもよい。
【0063】
また、上述した実施の形態では、着信通知をモバイル端末70に送信する場合について説明したが、このような構成に限られない。例えば、
図7に示したS104〜S108の処理と同様にして、モバイル端末70には、応答、保留及び転送等の呼状態の情報も通知されてもよい。つまり、構内交換機40は、呼状態の情報を中継サーバ100に送信する(S104)。中継サーバ100は、内線代表番号グループに属するモバイル端末70宛ての、呼状態の情報に対応するプッシュ通知要求を、プッシュ通知サーバ60に送信する(S106)。プッシュ通知サーバ60は、各モバイル端末70に、プッシュ通知を送信する(S108)。これにより、各モバイル端末70には、呼状態が表示される。
【0064】
また、
図7に示したS104〜S108の処理において、着信通知情報が送信される際に、通話相手(発信者)の情報が付加情報として合わせて送信されてもよい。なお、付加情報は、発信者の履歴又はメモを含む。具体的には、構内交換機40は、着信通知情報を送信する際に、発信者に関する情報を検索し、検索された情報を付加情報として着信通知情報と合わせて送信する(S104)。中継サーバ100は、内線代表番号グループに属するモバイル端末70宛ての、着信通知情報及び付加情報に対応するプッシュ通知要求を、プッシュ通知サーバ60に送信する(S106)。プッシュ通知サーバ60は、各モバイル端末70に、プッシュ通知を送信する(S108)。これにより、各モバイル端末70には、着信時の発信者(通話相手)の付加情報が表示される。
【0065】
また、構内交換機40からの通知内容を、着信通知から構内放送に変更することで、内線代表番号グループに属するモバイル端末70に構内放送を出力させることができる。具体的には、構内交換機40は、構内放送を出力させるための情報(構内放送情報)を中継サーバ100に送信する(S104)。中継サーバ100は、内線代表番号グループに属するモバイル端末70宛ての、構内放送情報に対応するプッシュ通知要求を、プッシュ通知サーバ60に送信する(S106)。プッシュ通知サーバ60は、各モバイル端末70に、プッシュ通知を送信する(S108)。これにより、各モバイル端末70から、構内放送が出力される。
【0066】
また、上述した実施の形態では、内線代表番号は企業等の組織の任意の端末宛ての内線番号であるとしたが、このような構成に限られない。内線代表番号は、ある一人の個人の複数の任意の端末宛ての内線番号としてもよい。したがって、内線代表番号グループを、ある一人の個人の複数の端末からなるグループとしてもよい。この場合、例えば、内線代表番号を自席の固定電話番号とし、内線代表番号グループに属するモバイル端末を、個人の所有するモバイル端末番号としてもよい。これにより、その個人が自席を離れているときにもモバイル端末で着信を受けることができる。
【0067】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0068】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
構内交換機から、内線代表番号に着信があったことの通知である着信通知を示す着信通知情報を受信する受信手段と、
前記着信通知情報に基づいて、前記内線代表番号のグループに属する複数のモバイル端末それぞれについて、前記着信通知に対応するプッシュ通知要求を生成する生成手段と、
前記プッシュ通知要求を、対応する前記モバイル端末に対して送信するための処理を行う送信手段と、
を有する中継装置。
(付記2)
前記生成手段は、前記着信通知情報を各モバイル端末宛てのプッシュ通知要求に変換する、
付記1に記載の中継装置。
(付記3)
前記生成手段は、前記着信通知情報に含まれる前記内線代表番号のグループに属する複数の前記モバイル端末の端末番号と、前記内線代表番号とから、前記プッシュ通知要求を生成する、
付記2に記載の中継装置。
(付記4)
前記生成手段は、前記内線代表番号への着信呼に応答するための番号であるコールピックアップ特番と、前記内線代表番号と、前記内線代表番号に発信を行った電話機の番号である発信者番号とを含む前記プッシュ通知要求を生成する、
付記3に記載の中継装置。
(付記5)
前記送信手段は、プッシュ通知を前記モバイル端末に送信するプッシュ通知サーバに、前記プッシュ通知要求を送信する、
付記1から4のいずれか1項に記載の中継装置。
(付記6)
前記受信手段が、前記構内交換機から、前記内線代表番号に対する着信について前記複数のモバイル端末の1つが応答したことの通知を示す応答不可通知情報を受信した場合に、
前記生成手段は、前記着信に応答している前記モバイル端末を含む、前記内線代表番号のグループに属する全ての前記モバイル端末それぞれに対して、前記応答不可通知情報に対応するプッシュ通知要求を生成し、
前記送信手段は、前記応答不可通知情報に対応するプッシュ通知要求を、全ての前記モバイル端末に対して送信する、
付記1から5のいずれか1項に記載の中継装置。
(付記7)
付記1から6のいずれか1項に記載の中継装置と、
前記構内交換機と、
を有する通信システム。
(付記8)
前記構内交換機は、前記内線代表番号に発信を行った電話機の番号である発信者番号と、着信に応答した前記モバイル端末から送信されたリクエストに含まれる発信者番号とを比較して、両者が一致する場合に、前記電話機と着信に応答した前記モバイル端末との間の通話を接続する、
付記7に記載の通信システム。
(付記9)
プッシュ通知をモバイル端末に送信するサーバであるプッシュ通知サーバ
をさらに有し、
前記送信手段は、プッシュ通知を前記モバイル端末に送信するプッシュ通知サーバに、前記プッシュ通知要求を送信する、
付記7又は8に記載の通信システム。
(付記10)
構内交換機から、内線代表番号に着信があったことの通知である着信通知を示す着信通知情報を受信し、
前記着信通知情報に基づいて、前記内線代表番号のグループに属する複数のモバイル端末それぞれについて、前記着信通知に対応するプッシュ通知要求を生成し、
前記プッシュ通知要求を、対応する前記モバイル端末に対して送信するための処理を行う、
中継方法。
(付記11)
前記着信通知情報を各モバイル端末宛てのプッシュ通知要求に変換する、
付記10に記載の中継方法。
(付記12)
前記着信通知情報に含まれる前記内線代表番号のグループに属する複数の前記モバイル端末の端末番号と、前記内線代表番号とから、前記プッシュ通知要求を生成する、
付記11に記載の中継方法。
(付記13)
前記内線代表番号への着信呼に応答するための番号であるコールピックアップ特番と、前記内線代表番号と、前記内線代表番号に発信を行った電話機の番号である発信者番号とを含む前記プッシュ通知要求を生成する、
付記12に記載の中継方法。
(付記14)
プッシュ通知を前記モバイル端末に送信するプッシュ通知サーバに、前記プッシュ通知要求を送信する、
付記10から13のいずれか1項に記載の中継方法。
(付記15)
前記構内交換機から、前記内線代表番号に対する着信について前記複数のモバイル端末の1つが応答したことの通知を示す応答不可通知情報を受信した場合に、
前記着信に応答している前記モバイル端末を含む、前記内線代表番号のグループに属する全ての前記モバイル端末それぞれに対して、前記応答不可通知情報に対応するプッシュ通知要求を生成し、
前記応答不可通知情報に対応するプッシュ通知要求を、全ての前記モバイル端末に対して送信する、
付記10から14のいずれか1項に記載の中継方法。
(付記16)
構内交換機から、内線代表番号に着信があったことの通知である着信通知を示す着信通知情報を受信するステップと、
前記着信通知情報に基づいて、前記内線代表番号のグループに属する複数のモバイル端末それぞれについて、前記着信通知に対応するプッシュ通知要求を生成するステップと、
前記プッシュ通知要求を、対応する前記モバイル端末に対して送信するための処理を行うステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。