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特許6973872タブレット端末、制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6973872
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】タブレット端末、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20211118BHJP
【FI】
   G06F3/041 534
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-121790(P2020-121790)
(22)【出願日】2020年7月16日
【審査請求日】2020年7月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】今井 拓也
【審査官】 岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−039990(JP,A)
【文献】 特開2012−093932(JP,A)
【文献】 特開2018−139158(JP,A)
【文献】 特開2015−156154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに対するマルチタッチ入力を検出することが可能なタッチパネルと、
前記タッチパネルに対するタッチダウン及びタッチアップを検出する検出部と、
前記ディスプレイの所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、前記最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定する制御部と、
を備え
前記制御部は、前記他のタッチ操作の回数が閾値以上であるか否かを判定し、前記閾値以上である場合に前記警告の出力を決定する
タブレット端末。
【請求項2】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに対するマルチタッチ入力を検出することが可能なタッチパネルと、
前記タッチパネルに対するタッチダウン及びタッチアップを検出する検出部と、
前記ディスプレイの所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、前記最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定する制御部と、
を備え
前記制御部は、前記他のタッチ操作の回数が閾値以上であるか否かを判定し、前記閾値以上である場合に前記最初のタッチダウンを強制的に解放する、
タブレット端末。
【請求項3】
前記所定の領域は、前記タッチパネルの端部近傍である、
請求項1又は2に記載のタブレット端末。
【請求項4】
前記警告は前記ディスプレイに出力される、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のタブレット端末。
【請求項5】
前記他のタッチ操作の回数が前記閾値以上である場合、その日時を含むタッチ操作の情報を記憶装置に格納する記録部をさらに備える、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のタブレット端末。
【請求項6】
ディスプレイへのマルチタッチ入力を検出することが可能なタッチパネルに対するタッチダウン及びタッチアップの検出情報を取得するステップと、
前記検出情報に基づいて前記ディスプレイの所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、前記最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定するステップと、
を備え
前記警告の出力を決定するステップでは、前記他のタッチ操作の回数が閾値以上であるか否かが判定され、前記閾値以上である場合に前記警告の出力が決定される、
制御方法。
【請求項7】
ディスプレイへのマルチタッチ入力を検出することが可能なタッチパネルに対するタッチダウン及びタッチアップの検出情報を取得するステップと、
前記検出情報に基づいて前記ディスプレイの所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、前記最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定するステップと、
を備え
前記警告の出力を決定するステップでは、前記他のタッチ操作の回数が閾値以上であるか否かが判定され、前記閾値以上である場合に前記最初のタッチダウンが強制的に解放される、
制御方法。
【請求項8】
ディスプレイへのマルチタッチ入力を検出することが可能なタッチパネルに対するタッチダウン及びタッチアップの検出情報を取得するステップと、
前記検出情報に基づいて前記ディスプレイの所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、前記最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定するステップと、を備える方法をコンピュータに実行させ、
前記警告の出力を決定するステップでは、前記他のタッチ操作の回数が閾値以上であるか否かが判定され、前記閾値以上である場合に前記警告の出力が決定される、
制御プログラム。
【請求項9】
ディスプレイへのマルチタッチ入力を検出することが可能なタッチパネルに対するタッチダウン及びタッチアップの検出情報を取得するステップと、
前記検出情報に基づいて前記ディスプレイの所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、前記最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定するステップと、を備える方法をコンピュータに実行させ、
前記警告の出力を決定するステップでは、前記他のタッチ操作の回数が閾値以上であるか否かが判定され、前記閾値以上である場合に前記最初のタッチダウンが強制的に解放される、
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タブレット端末、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗等において業務用タブレット端末の導入が進められている。タブレット端末は、ユーザがディスプレイに表示された文字や図形を直接タッチすることでタッチパネルが反応し、入力を受け付ける。このようなタブレット端末によれば、ユーザはマウスやキーボードなどの入力装置を用いることなく、所望の操作を行い、業務を進めることができる。
このようなタブレット端末では、ディスプレイ周辺にあるものが、ユーザが意図しないうちにディスプレイに触れ続け、タッチパネルが反応してしまうことがある。このような場合、ユーザがその後にタッチを行っても、タッチパネルはそれを受け付けることができない。そのため、ディスプレイに触れ続けているものに気付いてそれを取り除くまで、ユーザが必要な操作を行うことができないという問題が生じる。
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、周辺物等によりタッチパネルが押下されていることをユーザに容易に把握させることが可能な情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019−021106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、POS(Point of sale)端末の顧客側のディスプレイ近傍にPOP(Point Of Purchase advertising)広告などが貼り付けられている場合に、このPOP広告の位置がずれ、ディスプレイに接触するケースが示されている。このような場合、タッチパネルがPOP広告により意図せず押下されてしまうために、ユーザがタッチしてもタッチパネルが反応しない。例えば、POS端末で精算を行おうとしてもタッチパネルが反応せず、精算処理ができないという問題が生じる。この問題を解決するため、特許文献1では、タッチパネル上の同一の位置が基準時間以上継続して押下された場合に、ユーザにその位置を知らせる技術が開示されている。
【0005】
ところで、上記のような問題は、タッチパネルが2点以上のタッチを同時に認識する、いわゆるマルチタッチ入力に対応していれば生じることはないはずである。仮にPOP広告がPOS端末のディスプレイに接触していたとしても、タッチパネルはユーザのタッチを2点目のタッチとして検出することが可能だからである。
近年、店舗で使用される業務用タブレット端末のタッチパネルには、マルチタッチ入力が可能な静電容量方式が採用されることが多くなっている。しかし、店舗においてマルチタッチに対応したタブレット端末へのリプレースが行われる一方、端末に搭載されるアプリケーションプログラムは過去の資産がそのまま流用されることが多い。このような場合、タッチパネルはマルチタッチが可能であるにも関わらず、搭載されているアプリケーションプログラムがマルチタッチに対応していないために、マルチタッチが受け付けられないという事態が生じる。ユーザは、マルチタッチに対応しているはずの端末がマルチタッチを認識しないため、端末の故障を疑い、端末が修理・交換の対象であると誤認識する。このような、実際には正常なタブレット端末が修理等に出されると、各種手続のために不要な作業が発生することとなる。特許文献1で開示されている技術では、このような点については考慮されていない。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、ディスプレイがタッチされたままであることをユーザが容易に認識できるタブレット端末、制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかるタブレット端末は、
ディスプレイと、
前記ディスプレイに対するマルチタッチ入力を検出することが可能なタッチパネルと、
前記タッチパネルに対するタッチダウン及びタッチアップを検出する検出部と、
前記ディスプレイの所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、前記最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定する制御部と、
を備えるものである。
【0008】
本発明にかかる制御方法は、
ディスプレイへのマルチタッチ入力を検出することが可能なタッチパネルに対するタッチダウン及びタッチアップの検出情報を取得するステップと、
前記検出情報に基づいて前記ディスプレイの所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、前記最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定するステップと、
を備えるものである。
【0009】
本発明にかかる制御プログラムは、
ディスプレイへのマルチタッチ入力を検出することが可能なタッチパネルに対するタッチダウン及びタッチアップの検出情報を取得するステップと、
前記検出情報に基づいて前記ディスプレイの所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、前記最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定するステップと、を備える方法をコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ディスプレイがタッチされたままであることをユーザが容易に認識できるタブレット端末、制御方法及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1にかかるタブレット端末の構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態2にかかるタブレット端末のハードウエア構成例を示す図である。
図3】実施の形態2にかかるタブレット端末の構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態2において、マルチタッチの対応有無によるタッチ情報の受け取り方の違いを示す図である。
図5】実施の形態2におけるディスプレイの表示領域をx及びy座標を用いて表した図である。
図6】実施の形態2におけるディスプレイ上の所定の領域及びユーザのタッチ位置の一例を示す図である。
図7図6に示すタッチ操作におけるそれぞれのタッチ情報を示す図である。
図8】実施の形態2にかかるタブレット端末の処理を示すフローチャートである。
図9】実施の形態2にかかるタブレット端末における警告表示の一例を示す図である。
図10】実施の形態3にかかるタブレット端末の構成を示すブロック図である。
図11】実施の形態3において、最初のタッチダウンを解放するタッチアップを含むタッチ情報を示す図である。
図12】実施の形態3にかかるタブレット端末の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかるタブレット端末100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、タブレット端末100は、ディスプレイ2、タッチパネル1、検出部10、制御部20を備えている。
ディスプレイ2は、文字や画像などを表示する。ユーザは、ディスプレイ2に表示された文字等をタッチすることでタブレット端末100を操作する。
タッチパネル1は、ディスプレイ2に対するマルチタッチ入力を検出することが可能である。
検出部10は、タッチパネル1に対するタッチダウン及びタッチアップを検出する。
制御部20は、ディスプレイ2の所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、その最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定する。
以上説明したように、本実施の形態にかかるタブレット端末100によれば、ディスプレイがタッチされたままであることをユーザが容易に認識することができる。
【0013】
<実施の形態2>
次に、図2から図9を用いて本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1で説明したタブレット端末100について詳細に説明する。
【0014】
(ハードウエアの構成例)
まず、図2に示すブロック図を用いて、タブレット端末100のハードウエア構成を説明する。本実施の形態にかかるタブレット端末100において、後述する各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよい。また、各機能構成部はハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下では、タブレット端末100の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について説明する。
【0015】
図2に示すように、タブレット端末100は、ディスプレイ2、タッチパネル1、プロセッサ3、メモリ4、ストレージ5、プログラム6、アプリケーションプログラム7、バスライン8を備えている。タブレット端末100は、例えば可搬型のコンピュータであり、例えば店舗などの業務に使用される。タブレット端末100のユーザは、例えば、店舗スタッフ、来店した客などである。タブレット端末100及びそのユーザは、上記に限られない。タブレット端末100は、個人が家庭で使用するものであってもよい。
【0016】
ディスプレイ2は、文字や画像などを表示する表示装置である。ディスプレイ2には、後述するアプリケーションプログラム7の画面が表示され、ユーザは、表示された文字等を指でタッチすることにより、所望の入力操作を行う。ディスプレイ2は、タッチパネル1と一体化して設けられ、ユーザは、直接的にはディスプレイ2に対してタッチを行い、タッチパネル1がそのタッチを検出する。以降の説明では、ディスプレイ2を介したタッチパネル1へのタッチ操作を「タッチパネル1へのタッチ」と称して説明することがある。
ディスプレイ2は、例えば、液晶ディスプレイであるが、これに限られない。また、ディスプレイ2へのタッチ操作は指に限らず、例えばスタイラスペンなどであってもよい。タッチ操作の詳細については後述する。
【0017】
ここで、図5を用いて、アプリケーションプログラム7が表示する画面について説明する。図5は、ディスプレイ2における表示領域を、x座標及びy座標を用いて表した図である。
【0018】
図5の左側から右側に水平方向に向かう軸をx軸、図5の上側から下側に垂直方向に向かう軸をy軸とし、ディスプレイ2の左上隅の座標を(x , y)=(0 , 0)とする。例えば、ディスプレイ2が1920x1080 (単位:pixel)の表示領域を有しているとすれば、ディスプレイ2の右下隅の座標は(1920 , 1080)と表すことができる。
【0019】
タッチパネル1は、ディスプレイ2に対するマルチタッチを検出することが可能なタッチパネルである。タッチパネル1は、例えば一般的な静電容量方式を用いており、10点までのマルチタッチ入力が可能である。タッチパネル1は、ユーザがディスプレイ2をタッチした場合に、タッチを検出し、そのタッチ情報を取得し、保持する。タッチパネル1が取得するタッチ情報やその処理方法については後述する。
【0020】
プロセッサ3は、後述するプログラム6及びアプリケーションプログラム7を実行し、各種演算やアプリケーションプログラム7の内容をディスプレイ2に表示する。プロセッサ3は、タッチパネル1の入力を監視し、ユーザがディスプレイ2にタッチした場合にその座標情報をタッチパネル1から取得し、プログラム6に送信する。プロセッサ3は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は FPGA(Field−Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサを用いることができる。
【0021】
メモリ4は、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置である。メモリ4上には、プログラム6やアプリケーションプログラム7が展開され、実行される。また、メモリ4には、これらのプログラムの命令の読み込みや計算結果の書き込みがプロセッサ3によって行われる。
【0022】
ストレージ5は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置である。ストレージ5は、プログラム6及びアプリケーションプログラム7を格納する。
【0023】
プログラム6は、プロセッサ3から送信されるタッチパネル1の座標情報を取得し、その座標情報をアプリケーションプログラム7に送信するプログラムである。また、プログラム6は、取得した座標情報により、ユーザがタッチパネル1を正常に扱えていないと判定した場合は、アプリケーションプログラム7にその旨を通知する。この判定等の処理については後述する。
【0024】
アプリケーションプログラム7は、ユーザがタッチパネルを正常に扱えていない旨の通知をプログラム6から受けた場合に、ユーザに対し、正常にタッチパネル1を扱うためのメッセージをディスプレイ2に表示する。本実施の形態では、アプリケーションプログラム7はマルチタッチを実装しておらず、マルチタッチ操作が行われてもアプリケーション上では無視されるものとする。
【0025】
バスライン8は、プロセッサ3、メモリ4、及びその他各デバイスを接続し、相互のデータの送受信を可能とする。ただし、これらを接続する方法は、バスライン8に限定されない。
【0026】
(各機能の構成例)
続いて、図3に示すブロック図を用いてタブレット端末100における各機能部の構成を説明する。図3に示すように、本実施の形態にかかるタブレット端末100は、検出部10と制御部20とを備えている。
【0027】
検出部10は、タッチパネル1に対するタッチダウン及びタッチアップを検出する。具体的には、検出部10は、タッチパネル1に対するタッチダウンやタッチアップが行われたときに、そのタッチ情報をタッチパネル1から取得する。なお、上述のように、タッチパネル1に対するタッチ操作は、実際にはディスプレイ2を介して行われる。
【0028】
検出部10が取得するタッチ情報には、以下の(1)から(3)が含まれる。
(1)タッチの種類がタッチダウンであるかタッチアップであるか
(2)タッチされた場所の(x , y)座標
(3)タッチがプライマリであるか否か
なお、検出部10が取得するタッチ情報には、上記以外のものが含まれてもよい。例えば、検出部10は、タッチを検出した日時を取得し、各タッチを識別するための識別情報などと関連付けて保持してもよい。
以下では、上記の(1)から(3)について詳細を説明する。
【0029】
(1)タッチの種類がタッチダウンであるかタッチアップであるか
検出部10は、検出したタッチの種類がタッチダウンであるか、又はタッチアップであるかを検出する。検出部10は、ユーザの指がタッチパネル1(ディスプレイ2)に触れるとタッチダウン、ユーザの指がタッチパネル1から離れるとタッチアップとして検出する。後述するカウント部21は、タッチダウンと、それに対するタッチアップの組を1回のタッチとしてカウントを行う。
タッチ操作には、単純なタッチダウン及びタッチアップだけでなく、ロングタッチ、スワイプ、ドラッグ、フリックなどの各種タッチ操作が含まれる。これらのタッチについても、検出部10は、ユーザの指がタッチパネル1に触れたときにタッチダウンを検出し、最終的にタッチパネル1から指が離れたときにタッチアップを検出する。
【0030】
ここで、マルチタッチ入力に対応しているタッチパネルと、そうでないタッチパネルとの差について、具体的なタッチ入力パターンを用いて説明する。
次のように、ユーザによる1回目のタッチ1と2回目のタッチ2の入力情報があるとする。それぞれのタッチ操作では、タッチパネル1に指を触れるタッチダウンと、タッチパネル1から指を離すタッチアップとが組となっている。
・タッチ1(タッチダウン1、タッチアップ1)
・タッチ2(タッチダウン2、タッチアップ2)
マルチタッチに対応しているタッチパネル又はアプリケーションは、複数のタッチ操作を同時に処理することができる。したがって、上記の例ではタッチ1とタッチ2を同時に処理することができる。例えば、タッチダウン1の後に、連続してタッチダウン2を受け取ることができる。
【0031】
これに対し、マルチタッチに対応していないタッチパネル又はアプリケーションは、同時に複数点を処理することができない。したがって、上記の例ではタッチ1とタッチ2を同時に処理することができない。例えば、タッチダウン1が行われた場合、タッチダウン1に対するタッチアップ1が行われない限りはタッチダウン2の情報を受け取ることができない。タッチダウン1がされた後にタッチダウン2を処理するためには、タッチダウン2の前にタッチアップ1を行い、タッチダウン1が行われた状態を終了させる必要がある。
【0032】
上記の比較をまとめた表を図4に示す。図4は、タッチパネル又はアプリケーションにおいて、マルチタッチの対応有無による、タッチ情報の受け取り方の違いを示す表である。
図4に示すように、タッチダウン1、タッチダウン2、タッチアップ1、タッチアップ2の順に、連続してタッチ操作が行われるとする。マルチタッチ対応のタッチパネル等の場合、これら全てのタッチ操作を受け取ることができる。
【0033】
一方、マルチタッチに対応していないタッチパネル等では、タッチダウン1の情報を受け取った(入力順1)後、連続して行われたタッチダウン2については、その情報を受け取ることはできない(入力順2)。このタッチダウン2の後にタッチアップ1が行われた場合、このタッチアップ1の情報は受け取ることはできるが(入力順3)、その後にタッチアップ2が行われても、その情報を受け取ることはできない(入力順4)。入力順2において、タッチダウン2を受け取っていないからである。
【0034】
本実施の形態では、タッチパネル1はマルチタッチに対応しているため、プログラム6は、上記の入力順のタッチ入力を全て受け取ることができる。しかし、後述するアプリケーションプログラム7はマルチタッチ未対応であるため、入力順2及び4のタッチ入力を受け取ることができない。よって、装置としては入力順1から4のタッチを認識しているが、アプリケーションプログラム7の画面上では入力順2及び4のタッチが無視される動作となる。
【0035】
(2)タッチされた場所の(x , y)座標
検出部10は、図5を用いて説明した(x , y)座標を取得する。
【0036】
(3)タッチの種類がプライマリであるかどうか
検出部10は、タッチパネル1に対して行われたタッチが、最初のタッチであるか否かの情報を取得する。上述のタッチ1及びタッチ2の例では、タッチ1(タッチダウン1、タッチアップ1)はプライマリのタッチであり、タッチ1が終了しないうちに連続して行われるタッチ2はプライマリではない。また、タッチ2以降に例えばタッチ3、タッチ4が連続して行われた場合、これらもプライマリではない。
【0037】
続いて、制御部20の構成を説明する。制御部20は、カウント部21、判定部22、通知部23を備えている。この構成により、制御部20は、検出部10がディスプレイ2の所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、その最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視する。また、制御部20は、この監視結果に基づいて警告の出力を決定する。ここで、タッチダウンの解放とは、タッチダウンが、これに対応するタッチアップによって終了することをいう。制御部20の各構成要素について、以下で説明する。
【0038】
カウント部21は、検出部10がディスプレイ2の所定の領域で、プライマリのタッチダウンを検出すると、そのプライマリのタッチダウンに対応するタッチアップが検出されるまで、その後に行われたタッチ操作の回数をカウントする。所定の領域については後述する。本実施の形態では、カウント部21は、タッチダウンと、それに対するタッチアップの組を1回のタッチ操作としてカウントを行う。
【0039】
判定部22は、カウント部21がカウントしたタッチ操作の回数が閾値以上であるか否かを判定する。閾値は、警告を出力させる程度により予め設けることができる。例えば、閾値を低く設ければ早めに警告を出力することができるため、1回のタッチ操作の重要度が高い場合などには適している。逆に、警告を頻繁に出力したくない場合などには、閾値を高く設けることで警告表示の煩わしさを軽減できる。
【0040】
カウント部21及び判定部22は、上記のカウント及び判定の処理を繰り返すことによって、プライマリのタッチダウンの後に行われるタッチ操作を監視する。また、判定部22は、この監視結果に基づいて、警告の出力を決定する。
【0041】
通知部23は、上記のタッチ回数が閾値以上の場合、アプリケーションプログラム7に対して、タッチパネル1が正常に扱われていないことを通知する。アプリケーションプログラム7は、通知部23の通知を受けて警告の出力を行う。警告は、例えば、図9に示すように、ディスプレイ2に文字や図形などの画像情報を表示することにより行うことができる。警告は、これに限らず、タブレット端末100が有するスピーカ(不図示)などを用いて音声として出力させてもよい。
【0042】
(所定の領域)
続いて、図6を用いて、上述した所定の領域について説明する。図6は、ディスプレイ2上の所定の領域及びユーザのタッチ位置の一例を示す図である。点2−1から点2−5は、ユーザによりディスプレイ2がタッチされた場所を示している。所定の領域とは、例えば、図6に示すディスプレイ2(タッチパネル1)の左右の端部近傍である。
【0043】
例えば、ユーザがタブレット端末100を左手で支えるように持ち、右手の指を使ってディスプレイ2に対してタッチ操作を行うとする。タブレット端末100は、図6に示すように、ユーザから見て横長に持たれているものとする。このようにタブレット端末100を持つ場合、ユーザの左手の指が、意図せずに常にタッチパネル1の左端近傍(例えば、点2−1)を押した状態のままになっていることがある。このように、所定の領域とは、タッチパネル1においてユーザが意図せずに押した状態を継続しやすい領域である。したがって、ユーザから見て、ディスプレイ2の左端部近傍又は右端部近傍の領域がこれに該当する。ただし、所定の領域はディスプレイ2の左端部近傍又は右端部近傍に限られない。例えば、特許文献1の例のように、タブレット端末100の周辺物が意図せずディスプレイ2に触れる場合がある。このような場合を考慮して、図6で示すような左右の端部近傍だけでなく、上端部近傍又は下端部近傍を所定の領域としてもよい。また、所定の領域は、ディスプレイ2の一部分に限定せず、ディスプレイ2の全領域としてもよい。
一例として、図6では、ディスプレイ2の左端部及び右端部を上記の所定の領域としている。左端部は、ディスプレイ2において、点2−Aと点2−Bを結んだ直線の左側の領域であり、右端部は、点2−Cと点2−Dを結んだ直線の右側の領域である。
【0044】
続いて、図7を用いてカウント部21が行う処理について説明する。図7は、図6に示す点2−1から点2−5へのタッチ操作について、それぞれのタッチ情報を入力順にまとめた図である。
【0045】
図7において、入力順1の点2−1のタッチダウンは、最初のタッチである。よって、このタッチはプライマリと判定される。入力順1のタッチダウンは、その後の入力順2から9において、これに対応するタッチアップが行われていない。つまり、上述したような、ユーザの左手がタッチパネル左端部を押したままとなった状態を表している。本実施の形態では、アプリケーションプログラム7はマルチタッチに対応していないため、入力順1のタッチダウンに対応するタッチアップが行われなければ、入力順2から9に示す処理は行われない。したがって、ユーザがタッチ操作を行っているにもかかわらず、入力順2から9に示す点2−2から2−5のタッチダウン及びタッチアップは、アプリケーション上では無視される。
【0046】
プライマリのタッチダウンが行われると、カウント部21は、このタッチダウンに対応するタッチアップが検出されるまで、その後に行われた他のタッチの回数をカウントする。図7の例では、カウント部21は、プライマリである入力順1のタッチダウンが行われた後、入力順1のタッチダウンに対応するタッチアップが検出されるまで、その後に行われる入力順2以降のタッチの回数をカウントする。入力順2から9においては入力順1に対応するタッチアップが存在しないため、カウント部21は、入力順2から9のタッチの回数をカウントする。タッチの回数は、タッチダウンと、そのタッチダウンに対応するタッチアップとの組み合わせを1回とする。タッチダウンとタッチアップとでは、通常はタッチダウンが先に行われるため、カウント部21は、入力順2以降でタッチダウンが行われたときに回数のカウントアップを行う。したがって、カウント部21は、入力順2、4、6、8でカウントアップを行い、タッチの回数は4となる。
【0047】
続いて、図8に示すフローチャートを用いて、タブレット端末100が実行する処理を説明する。
まず、ユーザがディスプレイ2へのタッチダウンを行う(ステップS1)。検出部10は、このタッチダウンがプライマリのタッチダウンであるか否かを判定する(ステップS2)。プライマリのタッチダウンである場合(ステップS2のYES)は次の処理に進み、そうでなければ(ステップS2のNO)、処理を終了する。
【0048】
検出部10は、ステップS1のタッチダウンにおいて、タッチ座標がディスプレイ2の所定の領域であるか否かを判定する(ステップS3)。タッチ座標が所定の領域である場合(ステップS3のYES)は次の処理へ進み、そうでなければ(ステップS3のNO)、判定対象外の入力として処理を終了する。図7に示す例では、入力順1はプライマリのタッチダウンであるため、次の処理へ進む。
【0049】
カウント部21は、次に入力される新たなタッチ入力を監視する(ステップS4)。新たなタッチ入力があった場合、カウント部21は、その新たなタッチ入力がプライマリのタッチアップであるか否かを判定する(ステップS5)。新たなタッチ入力がプライマリのタッチアップである場合(ステップS5のYES)、プライマリのタッチダウンに対してタッチアップが行われるため、ユーザは操作に支障がない。したがって、処理は終了する。新たなタッチ入力がプライマリのタッチアップ以外である場合(ステップS5のNO)は次の処理へ進む。
【0050】
カウント部21は、新たなタッチ入力がタッチダウンであるか否かを判定する(ステップS6)。新たなタッチ入力がタッチダウンである場合(ステップS6のYES)は次の処理へ進む。図7に示す入力順2のタッチは、プライマリでないタッチダウンであるため、次の処理へ進む。
【0051】
カウント部21は、アプリケーションプログラム7が入力を受け取らなかったタッチダウンの回数をカウントアップする(ステップS7)。ステップS6において、新たなタッチ入力がタッチダウン以外であった場合(ステップS6のNO)は、ステップS7のカウントアップは行わず、次の処理に進む。
【0052】
判定部22は、アプリケーションプログラム7が入力を受け取らなかった回数、すなわちカウント部21がカウントした回数が、閾値未満であるか否かを判定する(ステップS8)。この判定により、判定部22は、他のタッチ操作の監視の結果に基づいて、警告の出力を決定する。回数が閾値未満である場合(ステップS8のYES)、ステップS4に戻り、次のタッチ入力を監視する。回数が閾値未満でない場合(ステップS8のNO)、次の処理へ進む。例えば、閾値を4とした場合、回数が4である図7の例では、アプリケーションプログラム7が入力を受け取らなかった回数が閾値以上となるため、次の処理へ進む。
【0053】
通知部23は、アプリケーションプログラム7に通知を行う(ステップS9)。通知部23は、タッチパネル1の左端部を押したままの状態で閾値以上のタッチダウン入力があったため、アプリケーションプログラム7に対し、タッチパネルが正常に扱われていないことを通知する。
【0054】
通知を受け取ったアプリケーションプログラム7は、図9に示すような、押したままとなっている左端部のタッチダウンを離す旨のメッセージをディスプレイ2上に表示する。これにより、ユーザは、タッチパネル1の左端部を押したままになっていることに気付いて手を離し、タッチパネル1に適切に入力を行うことが可能となる。
【0055】
以上説明したように、本実施の形態にかかるタブレット端末100によれば、ユーザが意図せずにディスプレイをタッチしたままになっていることを、ユーザが容易に認識することができる。これにより、タッチパネルがマルチタッチに対応しているにもかかわらず、アプリケーションプログラムがマルチタッチに対応していない場合であっても、装置が故障しているとユーザが誤解する可能性を低減することができる。また、装置の交換等の対応によって発生する機会や各種費用の損失を防ぐことができる。
【0056】
<実施の形態3>
実施の形態2では、ユーザがタッチパネル1を意図せず押したままになっていることをユーザに気付かせるため、所定の条件下でディスプレイ2上に警告を表示させる処理について説明を行った。本実施の形態では、警告を表示するタイミングで、意図せず継続しているタッチダウンを強制的に解放する方法を説明する。また、ディスプレイ2への警告表示が難しい場合などにログを残す方法についても説明する。
【0057】
図10及び図11を用いて、本実施の形態にかかるタブレット端末101について説明する。図10は、本実施の形態にかかるタブレット端末101における各機能部の構成を示すブロック図である。
図10に示すように、本実施の形態にかかるタブレット端末101は、検出部10、制御部20、記録部30を備えている。また、制御部20は、カウント部21、判定部22、通知部23、解放部24を備えている。解放部24及び記録部30以外の構成は、実施の形態2において説明したタブレット端末100と同様であるので説明を省略する。
【0058】
解放部24は、カウント部21がカウントした回数が閾値以上である場合に、最初のタッチダウンを強制的に解放する。タッチダウンの解放とは、既に説明したように、対応するタッチアップによってタッチダウンが終了することをいう。解放部24は、対となるタッチアップが存在しないタッチダウンに対し、タッチアップを強制的に発生させることで、そのタッチダウンを終了させる。解放部24は、具体的には、疑似的に、プライマリのタッチアップ入力をアプリケーションプログラム7に送信する。これにより、ユーザが意図せずディスプレイ2を押したままとなっている状態を解消することができる。
【0059】
例えば、図11に示す例において、ユーザが入力順1のタッチダウンを意図せず継続させているとする。その後、入力順2、4、6、8において4回のタッチダウンが行われているが、入力順1のタッチダウンが解放されていないために、これらは受け付けられない。ここで、解放部24は、入力順1のタッチダウンに対応する入力順10のタッチアップを発生させる。入力順1のタッチダウンと入力順10のタッチアップとが対になるので、入力順1のタッチダウンは解放される。これにより、その後に行われるタッチを受け付けることができる。
解放部24のタッチダウンの解放は、図9に示すような警告表示と共に行ってもよいし、このような警告表示に代えて行ってもよい。警告表示と共に行うことで、ユーザは、以降の操作の際に手などがディスプレイ2に触れたままにならないよう、留意することができる。
【0060】
記録部30は、カウント部21がカウントした回数が閾値以上である場合に、その日時を含むタッチ操作の情報を記憶装置に格納する。記録部30は、警告表示のタイミングで、その日時を含むタッチ情報を記録する。
例えば、ディスプレイ2に警告を表示することができない場合には、ユーザはタッチ操作が正しく受け付けられていないことを認識することができない。しかし、記録部30がその記録を残すことによって、タブレット端末101が装置交換等の対象となった場合でも、タッチが受け付けられなかったときの状況を把握することが可能となる。記録部30は、上記の回数が閾値以上となった日時情報をタッチ情報と共に記録するが、これに限らず、上記回数が閾値未満であっても情報を記録してよい。例えば、タッチが行われた日時とそのタッチ情報を関連付けて記録することで、状況の把握に役立てることができる。
【0061】
図12に示すフローチャートを用いて、本実施の形態にかかるタブレット端末101が行う処理を説明する。図12に示すフローチャートにおいて、ステップS1からS8については、既に説明した図8と同様であるので説明を省略する。
【0062】
ステップS8において、判定部22が、アプリケーションプログラム7が入力を受け取らなかった回数が閾値未満でないと判定した場合(ステップS8のNO)、解放部24は、プライマリのタッチダウンを解放する(ステップS101)。記録部30は、その日時を含むタッチ操作の情報をログとして記録する(ステップS102)。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態にかかるタブレット端末101によれば、プライマリのタッチダウンに対応するタッチアップを強制的に発生させて、そのタッチダウンを解放するので、ユーザは、タブレット端末の操作を適切に継続することができる。また、警告表示が行えない場合でも、タッチ状況を記録しておくことで、後に状況を把握することが容易となる。
【0064】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記の説明では、タブレット端末100及び101として可搬型のコンピュータを用いて説明したが、これに限られない。例えば、デスクトップ型PCに接続されたタッチパネル式のディスプレイに本発明を適用してもよい。
【0065】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
ディスプレイと、
前記ディスプレイに対するマルチタッチ入力を検出することが可能なタッチパネルと、
前記タッチパネルに対するタッチダウン及びタッチアップを検出する検出部と、
前記ディスプレイの所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、前記最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定する制御部と、
を備えるタブレット端末。
(付記2)
前記所定の領域は、前記タッチパネルの端部近傍である、
付記1に記載のタブレット端末。
(付記3)
前記警告は前記ディスプレイに出力される、
付記1又は2に記載のタブレット端末。
(付記4)
前記制御部は、前記他のタッチ操作の回数が閾値以上であるか否かを判定し、前記閾値以上である場合に前記警告の出力を決定する、
付記1から3のいずれか1項に記載のタブレット端末。
(付記5)
前記制御部は、前記他のタッチ操作の回数が閾値以上であるか否かを判定し、前記閾値以上である場合に前記最初のタッチダウンを強制的に解放する、
付記1から4のいずれか1項に記載のタブレット端末。
(付記6)
前記他のタッチ操作の回数が前記閾値以上である場合、その日時を含むタッチ操作の情報を記憶装置に格納する記録部をさらに備える、
付記4又は5に記載のタブレット端末。
(付記7)
ディスプレイへのマルチタッチ入力を検出することが可能なタッチパネルに対するタッチダウン及びタッチアップの検出情報を取得するステップと、
前記検出情報に基づいて前記ディスプレイの所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、前記最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定するステップと、
を備える制御方法。
(付記8)
前記所定の領域は、前記タッチパネルの端部近傍である、
付記7に記載の制御方法。
(付記9)
前記警告は前記ディスプレイに出力される、
付記7又は8に記載の制御方法。
(付記10)
前記警告出力の決定ステップでは、前記他のタッチ操作の回数が閾値以上であるか否かが判定され、前記閾値以上である場合に前記警告の出力が決定される、
付記7から9のいずれか1項に記載の制御方法。
(付記11)
前記警告出力の決定ステップでは、前記他のタッチ操作の回数が閾値以上であるか否かが判定され、前記閾値以上である場合に前記最初のタッチダウンが強制的に解放される、
付記7から10のいずれか1項に記載の制御方法。
(付記12)
前記他のタッチ操作の回数が前記閾値以上である場合、その日時を含むタッチ操作の情報を記憶装置に格納するステップをさらに備える、
付記10又は11に記載の制御方法。
(付記13)
ディスプレイへのマルチタッチ入力を検出することが可能なタッチパネルに対するタッチダウン及びタッチアップの検出情報を取得するステップと、
前記検出情報に基づいて前記ディスプレイの所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、前記最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定するステップと、を備える方法をコンピュータに実行させる、
制御プログラム。
(付記14)
前記所定の領域は、前記タッチパネルの端部近傍である、
付記13に記載の制御プログラム。
(付記15)
前記警告は前記ディスプレイに出力される、
付記13又は14に記載の制御プログラム。
(付記16)
前記警告出力の決定ステップでは、前記他のタッチ操作の回数が閾値以上であるか否かが判定され、前記閾値以上である場合に前記警告の出力が決定される、
付記13から15のいずれか1項に記載の制御プログラム。
(付記17)
前記警告出力の決定ステップでは、前記他のタッチ操作の回数が閾値以上であるか否かが判定され、前記閾値以上である場合に前記最初のタッチダウンが強制的に解放される、
付記13から16のいずれか1項に記載の制御プログラム。
(付記18)
前記他のタッチ操作の回数が前記閾値以上である場合、その日時を含むタッチ操作の情報を記憶装置に格納するステップをさらに備える、
付記16又は17に記載の制御プログラム。
【符号の説明】
【0066】
1 タッチパネル
2 ディスプレイ
3 プロセッサ
4 メモリ
5 ストレージ
6 プログラム
7 アプリケーションプログラム
8 バスライン
10 検出部
20 制御部
21 カウント部
22 判定部
23 通知部
24 解放部
30 記録部
100、101 タブレット端末
【要約】      (修正有)
【課題】ディスプレイがタッチされたままであることをユーザが容易に認識できるタブレット端末、制御方法及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】タブレット端末100は、ディスプレイ2と、ディスプレイ2に対するマルチタッチ入力を検出することが可能なタッチパネル1と、タッチパネル1に対するタッチダウン及びタッチアップを検出する検出部10と、ディスプレイ2の所定の領域で最初のタッチダウンを検出すると、最初のタッチダウンを解放するタッチアップを検出するまで他のタッチ操作を監視し、この監視結果に基づいて警告の出力を決定する制御部20と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12