(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973896
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】タービン部品の修理方法
(51)【国際特許分類】
B23P 6/04 20060101AFI20211118BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20211118BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20211118BHJP
B23P 15/02 20060101ALI20211118BHJP
B22F 3/105 20060101ALI20211118BHJP
B22F 3/16 20060101ALI20211118BHJP
B22F 7/06 20060101ALI20211118BHJP
B22C 9/04 20060101ALI20211118BHJP
B22C 9/24 20060101ALI20211118BHJP
B22D 23/06 20060101ALI20211118BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20211118BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20211118BHJP
【FI】
B23P6/04
F01D25/00 X
F02C7/00 D
B23P15/02
B22F3/105
B22F3/16
B22F7/06 A
B22C9/04 A
B22C9/24 C
B22D23/06
B33Y10/00
B33Y80/00
【請求項の数】15
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-545942(P2019-545942)
(86)(22)【出願日】2018年2月15日
(65)【公表番号】特表2020-509943(P2020-509943A)
(43)【公表日】2020年4月2日
(86)【国際出願番号】US2018018277
(87)【国際公開番号】WO2018156408
(87)【国際公開日】20180830
【審査請求日】2019年10月11日
(31)【優先権主張番号】15/439,451
(32)【優先日】2017年2月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ガライ、グレゴリー テレンス
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー、マーク ケビン
(72)【発明者】
【氏名】コニッツァー、ダグラス ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】カーター、ウィリアム トーマス
【審査官】
村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−185129(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0200189(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0314403(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0139841(US,A1)
【文献】
特表2010−500502(JP,A)
【文献】
特表2016−536516(JP,A)
【文献】
特表2017−504714(JP,A)
【文献】
特開2005−319518(JP,A)
【文献】
特開平04−009245(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第2995410(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 6/04
F01D 25/00
F02C 7/00
B23P 15/02
B22F 3/105
B22F 3/16
B22F 7/06
B22C 9/04
B22C 9/24
B22D 23/06
B33Y 10/00
B33Y 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)液体金属(608)を凝固させて鋳造部品(610)を形成するために、前記液体金属をセラミック鋳型(600)に注ぐことであって、前記セラミック鋳型(600)は、前記セラミック鋳型(600)及び前記鋳造部品(610)の除去部分の指標となるウィットネス・フィーチャ(614)を含むセラミックコア(604)を含み、前記セラミックコア(604)が前記鋳造部品(610)の内側空洞を満たすことと、
(b)鋳造部品の表面部分(612)及び前記セラミックコアの表面部分(612)を作成するために、前記セラミック鋳型(600)及び前記鋳造部品(610)の一部を前記ウィットネス・フィーチャ(614)が現れるまで除去することと、
(c)前記表面部分(612)上に金属粉末の層を堆積させることと、
(d)融着層を形成するために、前記金属粉末の少なくとも一部にエネルギービームを照射することと、
(e)金属物体が形成されるまで工程(c)〜(d)を繰り返すことと
を含む、金属物体の製造方法。
【請求項2】
前記表面部分(612)は平面である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セラミック鋳型(600)は、セラミックシェル(602)と、前記セラミックシェル(602)及び前記セラミックコア(604)間の少なくとも1つの内側空洞とをさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
セラミックの汚染を防ぐために前記表面部分(612)を処理することをさらに含む、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
工程(c)〜(e)が、誘導加熱、放射加熱、又は両方の組み合わせの存在下で実行される、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記金属物体がタービンブレード又はベーンであり、前記鋳造部品がエーロフォイルである、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
(a)液体金属(608)を凝固させて鋳造部品(610)を形成するために、前記液体金属をセラミック鋳型(600)に注ぐことであって、前記セラミック鋳型(600)は、前記セラミック鋳型(600)及び前記鋳造部品(610)の除去部分の指標となるウィットネス・フィーチャ(614)を含むセラミックコア(604)を含み、前記セラミックコア(604)が前記鋳造部品(610)の内側空洞を満たすことと、
(b)鋳造部品の表面部分(612)及び前記セラミックコアの表面部分(612)を作成するために、前記セラミック鋳型(600)及び前記鋳造部品(610)の一部を前記ウィットネス・フィーチャ(614)が現れるまで除去することと、
(c)前記表面部分(612)上に金属粉末の層を堆積させることと、
(d)融着層を形成するために、前記金属粉末の少なくとも一部にエネルギービームを照射することと、
(e)ブレード又はベーンが形成されるまで工程(c)〜(d)を繰り返すことと
を含む、タービンブレード又はベーンの製造方法。
【請求項8】
前記表面部分(612)は平面である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記セラミック鋳型(600)は、外部シェル(602)と、前記外部シェル(602)及び前記セラミックコア(604)間の少なくとも1つの内側空洞とを含む、請求項7又は請求項8に記載の方法。
【請求項10】
セラミックの汚染を防ぐために前記表面部分(612)を処理することをさらに含む、請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
工程(c)〜(e)が、誘導加熱、放射加熱、又は両方の組み合わせの存在下で実行される、請求項7〜請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記鋳造部品がエーロフォイルである、請求項7〜請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ウィットネス・フィーチャ(614)を含むセラミックコア(604)を備えた金属ブレード又はベーン部分(610)と、
金属部分及びセラミック部分を含むワークピース(612)の実質的に平面の上面と
を含む鋳造金属タービンブレード又はベーンワークピース(610〜600)。
【請求項14】
前記セラミックコア(604)が、前記金属ブレード又はベーンの内側空洞を満たす、請求項13に記載の鋳造金属タービンブレード又はベーンワークピース(610〜600)。
【請求項15】
セラミックの汚染を防ぐための保護層をさらに含む、請求項13又は請求項14に記載の鋳造金属タービンブレード又はベーンワークピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、中空金属物体を製造又は修理する方法に関する。より具体的には、中空金属物体は、付加製造(AM)技術、又はAM技術とインベストメント鋳造技術の混合を使用して作製される。製造方法に利用するAM技術は、直接金属レーザ溶解(DMLM)又はその他のレーザ粉末床溶解付加製造に限定されない。生産される中空金属物体は、航空機エンジン又は他の発電タービンの部品、例えばブレード又はステータベーンとして特に有用である。
【背景技術】
【0002】
超合金材料は、溶接凝固割れやひずみ時効割れの影響を受けやすいため、溶接が最も難しい材料の1つである。本明細書で使用される「超合金」という用語は、優れた機械的強度と高温での耐クリープ性とを備えた高耐腐食性及び耐酸化性の合金を意味する。通常、超合金にはニッケル又はコバルトが多く含まれている。超合金の例には、ハステロイ、インコネル合金(IN738、IN792、IN939など)、レネ合金(ReneN5、Rene80、Rene142、Rene195)、ヘインズ合金、Mar M、CM247、CM247LC、C263、718、X−750、ECY768、282、X45、PWA1483及びCMSX(CMSX−4など)単結晶合金などの商標及びブランド名で販売されている合金が含まれる。
【0003】
回転ブレード及びステータベーンの両方のガスタービンエーロフォイルは、一過性のセラミックコアの周りに超合金材料を鋳造し、その後セラミックコアを除去して、ブレード内に冷却室及びチャネルを形成することによってしばしば製造される。通常、高強度の超合金金属材料からこれらのタービンブレードを製造するには、タービンブレード内部に所望される複雑な冷却通路に適合する精密なセラミックコアを最初に製造する必要がある。エーロフォイル、プラットフォーム及び一体型ダブテールを含むタービンブレードの正確な3次元外面を画定する精密なダイ又はモールドも作成される。そのようなモールド構造10の概略図が
図1に示されている。セラミックコア11は、結果として生じるブレードの金属部分を画定する空間又は空隙を間に形成する2つのダイの半体の内側に組み立てられる。組み立てられたダイにワックスが注入されて空隙を満たし、その中に封入されたセラミックコアを囲む。2つのダイの半体は分割され、成形されたワックスから除去される。成形されたワックスは、所望のブレードの正確な形状を有し、セラミック材料でコーティングされて周囲のセラミックシェル12を形成する。次に、ワックスが溶解されシェル12から除去され、セラミックシェル12と内部セラミックコア11と先端部プレナム14との間に対応する空隙又は空間13が残る。次に、溶解超合金金属がシェルに注がれてその中の空隙を満たし、シェル12に含まれるセラミックコア11及び先端部プレナム14が再びカプセル化される。溶解金属は冷却されて凝固し、次いで外部シェル12、内部コア11及び先端部プレナム14が適切に除去され、内部冷却通路が見られる所望の金属タービンブレードが残る。浸出プロセスによってセラミックコア材料を除去するための経路を提供するために、ボールシュート15及び先端部ピン16が設けられ、これらは浸出時にタービンブレード内にボールシュート及び先端部穴を形成し、これらはその後ろう付けして閉じなければならない。
【0004】
米国特許出願公開第2010/0200189号(General Electric Companyに付与)は、
図2A及び
図2Bに示すように、エーロフォイル18の外側端部を閉じることができる方法を開示している。
図2Aに示すように、第1の工程では、エーロフォイル18の断面形状を正確に規定する先端部プレート50が、エーロフォイル18の外端部に(セラミック鋳型なしで)外壁19に接触して設置される。先端部プレート50は、レーザ溶接により外壁19に結合されている。次に、端部又は周辺縁部から先端部プレート50にレーザエネルギーを向けて(
図2Aの矢印「W」を参照)、貫通溶接を行い、先端部プレート50の外周を外壁19に融着させる。次に、
図2Bに示すように、先端部壁34は、自由形状レーザ製作プロセスにより形成され、溶解合金粉末が1又は複数のパスで先端部プレート50上に堆積される。
【0005】
別の態様では、米国特許出願公開第2010/0200189号が、代替方法によって形成されたエーロフォイル18’’を示している。
図3Aは、外壁19’’を備えた鋳放し状態(セラミック鋳型なし)のエーロフォイル18’’を示す。エーロフォイル18’’の内部には、適切な金属合金粉末68が充填されており、この粉末は、外壁19’’の外端部と同一平面に削り取られるか、又は平坦化される。粉末68は一緒に焼結され、
図3Aの矢印「L」で概略的に示すように、レーザエネルギーをそこに向けることによって外壁19’’に結合される。
図3Bは、完成した先端部キャップ36’’に粉末68が焼結され、過剰の粉末68が除去された後のエーロフォイル18’’を示す。先端部キャップ36’’が形成されると、
図3Cに示すように、自由形状レーザ製作プロセスを使用して、先端部キャップ36’’の上部に先端部壁34’’が形成される。
【0006】
米国特許出願公開第2015/0034266A1号(Siemens Energy,Inc.に付与)は、ブレードの空洞がブレード先端部のその後の形成のための支持材料でも満たされているタービンブレードの製造方法を記載している。
図4に示すように、方法80は、ブレード先端部キャップなしで先端部壁を有する超合金タービンブレードを最初に鋳造する工程82を含む。工程84で、ブレードの空洞に支持要素が配置される。次いで工程86で、金属粉末を含む付加充填材料が開口にかけて支持要素上に支持される。次に工程88で、エネルギービームが付加充填材料を横切って横断して材料を溶解し、それによりブレード先端部を横切って超合金キャップを形成し、既存のブレード先端部壁に融着させる。方法80は、付加溶接によってキャップの周囲に半径方向に延出するスクイーラリッジを構築する工程90をさらに含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述を鑑みて、また現行のブレード及びベーンは交換するのが非常に高価なその先端部で特に寿命が制限される傾向があるという事実を考慮すると、新しく鋳造されるエーロフォイル及びフィールドリターン修理用エーロフォイルの先端部又は他のコンポーネントを製造する新規方法の必要性が残っている。時間のかからない、費用対効果の高い方法を提供することが望ましいであろう。例えば、エーロフォイル製造施設に既に存在する材料を利用する方法及び/又はそのような材料の新しい二次用途を見つける方法を提供し、それによって新しい材料を取得し廃棄する必要性を回避することが特に有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様では、本発明は、金属物体の製造方法に関する。この方法は、(a)液体金属を凝固させて鋳造部品を形成するために、液体金属をセラミック鋳型に注ぐことであって、セラミック鋳型はウィットネス・フィーチャを含むセラミックコアを含み、セラミックコアが鋳造部品の内側空洞を満たすことと、(b)鋳造部品の表面部分及びセラミックコアの表面部分を作成するために、セラミック鋳型及び鋳造部品の一部をウィットネス・フィーチャが現れるまで除去することと、(c)表面部分上に金属粉末の層を堆積させることと、(d)融着層を形成するために、金属粉末の少なくとも一部を照射することと、(e)ブレード又はベーンが形成されるまで工程(c)〜(d)を繰り返すこととを含む。好ましくは、表面部分は平面である。
【0009】
一実施形態では、セラミック鋳型は、セラミックシェルと、シェル及びコア間の少なくとも1つの内側空洞とをさらに含む。したがって、この方法の実施形態は、工程(b)の前にセラミックシェルを除去することをさらに含む。
【0010】
特定の実施形態において、この方法は、セラミックの汚染を防ぐために表面部分を処理することをさらに含む。
【0011】
一実施形態では、方法の工程(c)〜(e)は、誘導加熱、放射加熱、又は両方の組み合わせの存在下で実行される。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法は、金属物体からセラミック鋳型を除去することをさらに含む。
【0013】
好ましくは、金属物体はタービン部品である。好ましくは、タービン部品はブレード又はベーンであり、鋳造部品はエーロフォイルである。
【0014】
第2の態様では、本発明は、タービンブレード又はベーンの製造方法に関する。
【0015】
第3の態様では、本発明は、ウィットネス・フィーチャを含むセラミックコアを備えた金属ブレード又はベーン部分と、金属部分及びセラミック部分を含むワークピースの実質的に平面の上面とを含む鋳造金属タービンブレード又はベーンワークピースに関する。
【0016】
一実施形態では、セラミックコアは、金属ブレード又はベーンの内側空洞を満たす。
【0017】
一実施形態では、ブレード又はベーンは、セラミックシェルによってさらに囲まれている。
【0018】
一実施形態では、鋳造金属タービンブレードは、セラミックの汚染を防ぐための保護層をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来のインベストメント鋳造プロセスによって作製されたボールシュートを備えたコアシェル型の従来のスキームの一例を示した概略図である。
【
図2A】先端部プレートが鋳放しエーロフォイルに追加され(セラミック鋳型が除去され)先端部壁が先端部プレート上に構築されるブレード先端部を製造する従来技術の方法を示した概略図である。
【
図2B】先端部プレートが鋳放しエーロフォイルに追加され(セラミック鋳型が除去され)先端部壁が先端部プレート上に構築されるブレード先端部を製造する従来技術の方法を示した概略図である。
【
図3A】鋳放しエーロフォイル(セラミック鋳型が除去された)の中空内部が、粉末が外壁の外端部と同じ高さになるまで金属合金粉末で満たされ、焼結されて先端部キャップが形成され、次いで先端部キャップ上に先端部壁が構築される、ブレード先端部を製造する別の従来技術の方法を示した概略図である。
【
図3B】鋳放しエーロフォイル(セラミック鋳型が除去された)の中空内部が、粉末が外壁の外端部と同じ高さになるまで金属合金粉末で満たされ、焼結されて先端部キャップが形成され、次いで先端部キャップ上に先端部壁が構築される、ブレード先端部を製造する別の従来技術の方法を示した概略図である。
【
図3C】鋳放しエーロフォイル(セラミック鋳型が除去された)の中空内部が、粉末が外壁の外端部と同じ高さになるまで金属合金粉末で満たされ、焼結されて先端部キャップが形成され、次いで先端部キャップ上に先端部壁が構築される、ブレード先端部を製造する別の従来技術の方法を示した概略図である。
【
図4】鋳放しエーロフォイル(セラミック鋳型なし)の中空内部が支持要素で満たされ、その後ブレード先端部にわたる付加充填材料が続く、ブレード先端部のさらに別の従来技術の方法を示したフローチャートである。エネルギーが付加充填材料全体に適用されて材料を溶解し、ブレード先端部を横切る超合金キャップが形成され、既存のブレード先端部壁に融着される。
【
図5A】本発明の実施形態による、外部シェルと、シェル及びコア間に1又は複数の内側空洞を有する内部コアとを有するセラミック鋳型を示した図である。
【
図5B】エーロフォイルを鋳造するために液体金属で満たされている
図5Aのセラミック鋳型の内側空洞を示した図である。
【
図5C】液体金属で満たされた
図5Bのセラミック鋳型の一部が研削されて平坦又は平面の表面を形成する様子を示した図である。
【
図5D】装置が外部熱制御機構を備えている、本発明の実施形態によるブレード先端部を製造するDMLMプロセスを示した図である。
【
図5E】
図5DのDMLMプロセスの拡大図であり、金属セラミック中間体が構成要素並進機構によって支持され、シールによってさらに固定され、外部加熱機構が中間体に近接した位置にあることを示した図である。
【
図5F】DMLMシステムがセラミックスラリーの堆積のための直接インク書き込み(DIW)リソグラフィシステムを備えている、本発明の実施形態によるブレード先端部を製造するDMLMプロセスを示した図である。
【
図6A】コアが埋め込みウィットネス・フィーチャを有する本発明の実施形態による、外部シェルと、シェル及びコア間に1又は複数の内側空洞を備えた内部コアとを有するセラミック鋳型を示した図である。
【
図6B】
図6Aのセラミック鋳型(液体金属で満たされている)が、ウィットネス・フィーチャが露出するまで研削されていることを示した図である。
【
図7A】円周方向に向けられた複数のタービュレータを有するタービンブレード(前方を見てブレードの後方側)の断面図である。
【
図7B】軸方向に向けられた複数のタービュレータを有するタービンブレード(前方を見てブレードの後方側)の断面図である。
【
図8A】先端部プレナムコア及び先端部ピンを有する先行技術のセラミック鋳型を示した図である。
【
図8B】本発明の実施形態による開いた端部鋳造を有するセラミック鋳型を示した図である。
【
図9A】損傷した先端部を有するフィールドリターン・タービンブレードを示した図である。
【
図9B】
図9Aの中空のフィールドリターン・タービンブレードにセラミックスラリーを注入することによる、内部セラミックコア及び任意で外部シェルの修復を示した図である。
【
図10】本発明の実施形態によるフィールドリターン・タービンブレードの修理方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書で説明される概念が実施され得る唯一の構成を表すことを意図していない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を提供する目的で特定の詳細を含む。しかし、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実施されてもよいことは当業者には明らかであろう。例えば、本発明は、金属物体の特定の構成要素を付加的に製造するための好ましい方法を提供し、これらの構成要素及びこれらの物体は、ジェット航空機エンジンの製造に使用されることが好ましい。具体的には、タービンブレード及びステータベーンなどの単結晶、ニッケルベースの超合金又は元素チタンの中空金属物体の生産は、本発明に従って有利に生産することができる。しかし、本明細書に記載の技術及び方法を使用して、タービンの他の金属部品を作製してもよい。同様に、他の適切な非タービン構成要素も、本明細書で提供される技術及び方法を使用して作製され得る。
【0021】
背景で確認したように、ブレード又はステータベーンの先端部分は、直接金属レーザ溶解(DMLM)、又は米国特許第9,064,671号(Arcam ABに付与され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているEBMプロセスなどの電子ビーム溶解(EBM)プロセスによって、エーロフォイル及び他の部分(例えば、ブレード根元部及びベーントラニオン)の鋳造に続いて製造できることが知られている。
【0022】
典型的なDMLMプロセスの説明は、ドイツ特許第DE19649865号で提供され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。DMLMプロセスでは、所望の部品形状の製作をサポートするためのビルドプラットフォーム又は表面が必要であるため、従来の方法では、エーロフォイルの中空内部を閉鎖するためだけでなく、DMLMプロセスの表面としても機能するように、カスタムメイドの先端部プレート又は先端部キャップの構築(すなわち、エーロフォイルの断面形状を正確に規定すること)がしばしば必要であった。
【0023】
従来のインベストメント鋳造プロセスで使用されるセラミック鋳型は、注がれた液体金属の冷却及び凝固の直後に除去される一過性材料と見なされることが多い。本発明者らは、内部セラミックコア及び任意で外部シェルが、先端部又はブレード或いはベーンの他の構成要素のその後のDMLM形成のための支持構造として簡明、且つ便利に機能できることを発見した。本明細書で使用される「一過性」という用語は、例えば機械的プロセス、流体フラッシング、化学的浸出、及び/又は一過性材料をその位置から除去できる他の既知のプロセスにより、金属の溶解及び冷却後に除去可能であることを意味する。特定の実施形態では、損傷した先端部又は摩耗した先端部を有するフィールドリターン・エーロフォイルで作業する場合、セラミックスラリーをエーロフォイルの中空内部又は内側空洞に注入して、セラミックコアを再形成することができる。コアとエーロフォイルの組み合わせは、DMLMによって交換用先端部を形成するための支持面を提供する。
【0024】
セラミックコアを後続の付加製造作業の支持構造として使用することは、費用及び時間対効果が高いだけでなく、実行可能性も高い。これは、セラミックが化学的に不活性であり、高強度、高破壊靭性、高弾性率硬度、高融点、低熱膨張、優れた耐摩耗性などを備えているためである。このような物理化学的特性により、セラミックは付加製造プロセスの条件(すなわち、高温及び高圧)に耐える理想的な材料になる。さらに、製造プロセス(すなわち、鋳造及び印刷)の完了後に、例えば機械的力又は化学的浸出(例えば、アルカリ浴)又は好ましくは両方の組み合わせによってセラミックコアを除去することは難しくない。本発明のセラミック鋳型、コア、シェル及びスラリーは、好ましくは光重合セラミック、より好ましくは硬化した光重合セラミックで構成される。
【0025】
図5A〜
図5Dは、本発明による新規鋳造タービンブレードの製造方法を示す。最初に、
図5Aに示すように、外部シェル502及び内部コア504を有するセラミック鋳型500が提供される。空洞506は、セラミック鋳型500の鋳造及び除去の際にタービンブレードの形状を画定するように適合されている。
図5Bに見られるように、鋳造プロセス中に、液体金属508が空洞506に注がれ、放置されて冷却及び凝固し、タービンブレードの少なくともエーロフォイル構成要素510を形成する。いくつかの実施形態では、タービンブレードの根元部又はステータベーンの内側トラニオン及び外側トラニオンも鋳造中に形成される(図示せず)。次に、
図5Cに示すように、エーロフォイル510とセラミック鋳型500との組み合わせの一部が、例えば、研削、機械加工、切断又は他の既知の技術により除去される。
図5Cは、グラインダーブレード又はディスクを使用して、エーロフォイル510とセラミック鋳型500との組み合わせの上部を除去する実施形態を示す。その結果、平坦又は平面の表面512が現れ、金属セラミック中間体516が生産される。平面512は、
図5Dに示すタービンブレードの先端部品を製造するDMLMプロセスにおける原料金属粉末のその後の堆積のための連続的、且つ密封された支持構造として機能する。
【0026】
本発明によるブレード又はステータベーンの先端部は、スキーラ先端部と呼ばれることもある周辺先端部壁と、エーロフォイルの内部を閉鎖する先端部キャップとを含む。しかし、いくつかの実施形態では、先端部キャップを除去して、エーロフォイルに空洞を残したままにすることができる。
【0027】
DMLMプロセスの初期段階で、セラミック金属ビルド表面512上に堆積された原料金属粉末は、一緒に溶解され、レーザエネルギーをエーロフォイル510に向けることによりエーロフォイル510の外壁に結合される。正確なプロセスパラメータは、特定の用途に応じて異なる場合がある。一実施形態では、1〜100Wの平均出力、1Hz〜200kHzのパルス周波数を有する短パルス赤外レーザビームが使用される。レーザビームをスキャナで使用する場合の並進速度又は走査速度は、約5mm/秒(0.197インチ/秒)〜約500mm/秒(19.7インチ/秒)である。
【0028】
或いは、好ましくは、先端部の第1の付加層は、米国特許第8,925,792号(General Electric Companyに付与され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示された超合金の結合方法を用いてエーロフォイル510に接合される。この方法は、一般に、ガンマプライムソルバスg’1を有する第1の超合金副成分と、ガンマプライムソルバスg’2を有する第2の超合金副成分とを、第1及び第2の超合金副成分の間に配設された少なくとも1.5重量%のホウ素を含む充填材料と位置合わせすることと、温度T1で第1の熱処理を実行し、ここでT1は充填材料の固相線より上であり、充填材料の液相線より下であることと、温度T2で第2の熱処理を実行し、ここでT2はT1よりも大きく、またT2はg’1及びg’2の下限以上であることとを含む。
【0029】
DMLMプロセスパラメータの適切な制御により、このプロセスは、必要に応じて、エーロフォイル510と同じ微細構造(例えば、方向性凝固又は単結晶)を付加製造された先端部壁に生成することができる。例えば、約0.25cm/秒(0.1インチ/秒)〜約0.76cm/秒(0.3インチ/秒)、好ましくは約0.44cm/秒(0.175インチ/秒)〜約0.51cm/秒(0.200インチ/秒)のトラバース速度で、約300W〜約1000Wの電力の連続波ビームを使用することができる。約100〜200回通過すると、適切な高さの先端部壁とニアネット形状が得られ、各層は20〜100μm、好ましくは20〜50μm、より好ましくは30〜50μmである。一実施形態では、各付加層は30μmである。本明細書で使用する場合、「ニアネット」という用語は、完成部品に到達するために実質的な追加の機械加工プロセスを必要とする構造を指す。DMLMプロセスが終了すると、既知の機械加工、研削、コーティングなどのプロセスによって先端部壁をさらに形成することができる。
【0030】
付加製造で使用される原料金属粉末と鋳造で使用される液体金属に適した材料の代表例には、優れた耐酸化性を持つように開発された合金、ガスタービンエンジンの動作における高温で許容できる強度を有する既知の「超合金」、例えばハステロイ、インコネル合金(IN738、IN792、IN939など)、レネ合金(Rene N4、Rene N5、Rene80、Rene142、Rene195など)、ヘインズ合金、Mar M、CM247、CM247LC、C263、718、X−750、ECY768、282、X45、PWA1483及びCMSX(CMSX−4など)単結晶合金が含まれる。本発明のエーロフォイル及びブレード先端部は、一方向凝固(「DS」)又は単結晶(「SX」)などの1又は複数の選択された結晶微細構造で形成することができる。特定の実施形態では、本発明のブレード及びベーンは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる出願人の同時係属出願第15/405,656号に開示されている微細構造など、複数の制御された金属粒子配向で形成されてもよい。特定の実施形態では、本発明のエーロフォイルは単結晶構造で形成されるが、ブレード先端部は非単結晶構造で形成される。
【0031】
図5Dは、ビルドエンクロージャ551が、付加製造されているブレード先端部の少なくとも一部を誘導加熱することを含む、DMLMプロセスの一実施形態を示す。付加製造装置550は、装置550の構成要素を少なくとも部分的に囲むビルドエンクロージャ551を含む。例えば、規定された環境内で粉末床における金属粉末Pの溶融が起こるように、少なくとも1つの粉末床(図示せず)がビルドエンクロージャ551内に設けられている。いくつかの実施形態では、ビルドエンクロージャ551は、実質的に無酸素の雰囲気を画定する。いくつかの実施形態では、ビルドエンクロージャ551は、不活性雰囲気(例えば、アルゴン雰囲気)を画定する。さらなる実施形態では、ビルドエンクロージャ551は、酸化を最小限にするために還元雰囲気を画定する。さらなる実施形態において、ビルド雰囲気551は真空を画定する。
【0032】
図5Dに示すように、ビルドエンクロージャ551は、粉末床内で金属粉末Pの溶融が生じる環境を画定する第1の気密ゾーン552を含む。ビルドエンクロージャ551は、気密であってもなくてもよい第2のゾーン553を含んでもよく、一例では、第1のゾーン552と連通する環境を画定する。装置550はまた、粉末供給機構554、粉末並進機構555、ビルドプラットフォーム556、作業面562、ビルドプレート557、シール558、外部熱制御機構559、及び構成要素並進機構560を含む。生産中、粉末供給機構554のエレベータ561は、規定量の金属粉末「P」をビルドプラットフォーム556の高さよりも上に持ち上げる。次に、粉末並進機構555により、規定量の金属粉末が作業面562及びビルド表面512上に薄く均一な層で広がり、粉末床565を形成する。作業面562からのオーバーフローは、過剰粉末容器563によって収集され、その後任意で粗粒子をふるいにかけるように処理した後に再使用される。
【0033】
ビルドプレート557は、ビルドプレート557から延出する開口部564を含む。開口部564は、粉末床565と連通していてもよく、粉末床565を部分的に形成してもよい。金属粉末「P」は、粉末並進機構555によってビルドプレート557の開口部564を横切って押されると、金属粉末「P」は、開口部564を通って粉末床565内に落下することができる。このようにして、粉末並進機構555は、ビルドプレート557の開口部564を通って粉末床565に金属粉末「P」を堆積させるように動作可能であってもよい。
【0034】
好ましくは、ビルドプレート557は実質的に非導電性の材料(例えば、セラミック、ガラス又は非金属)製であり、外部熱制御機構559(中間体516の所定の温度プロファイルを形成するように動作可能である)が、エーロフォイル510に追加されたブレード先端部の層を形成するために利用される金属粉末「P」の焼結温度までビルドプレート557を加熱することを防ぐように動作可能である。このようにして、外部熱制御機構559は、先端部の層を形成する金属粉末「P」の溶融又は焼結を妨げることなく、エーロフォイル510及び製造される先端部の所定の温度プロファイルを形成することができる。好ましくは、外部熱制御機構559は誘導ベースであるが、放射ベース又はレーザベースの加熱も使用することができる(例えば、加熱ランプ又は補助レーザによる)。
【0035】
図5D及び
図5Eに示す例の外部熱制御機構559は、ビルドプレート557の底面566に近接して配置される。いくつかの実施形態では、
図5Dに示すように、外部熱制御機構559は、ビルドプレート557の底面566から間隔を空けられてもよい。代替実施形態では、外部熱制御機構559は、ビルドプレート557の底面566に当接してもよい。さらに別の代替実施形態では、外部加熱機構559は、ビルドプレート557内の凹部又は空洞に配置されてもよい。別の図示されていない例の外部熱制御機構559は、ビルドプレート557に対して固定された位置関係で構成される。さらに別の例では、外部熱制御機構559は、ビルド表面512上の新しい層の形成に対してできるだけ近くに配置され、(本明細書でさらに説明するように)その温度プロファイルを制御することができる。例えば、外部熱制御機構559は、ビルドプレート557の底面566に対してできるだけ近くに配置されてもよい。別の実施形態において、外部熱制御機構559は、ビルドプレート557の底面566に近接して配置され、ビルド表面512に向かって磁束を集中させてその上に形成される層の温度プロファイルを制御するように構成される軟磁性材料を含むことができる。
図5D及び
図5Eに示すように、外部熱制御機構559は、ビルドプレート557の開口部564と(例えば、垂直方向に)実質的に位置合わせされる内部空間又は空隙を形成し得る。中間体516は、外部熱制御機構559の内部空間又は空隙を通って、ビルドプレート557の開口部564内に延出し得る。言い換えると、外部熱制御機構559の一部は、中間体516の周りに少なくとも部分的に延在してもよい。それにより、構成要素並進機構560は、外部熱制御機構559(及びビルドプレート557)に対して中間体516を並進させるように動作可能であってもよい。
【0036】
外部熱制御機構559は、ビルド表面512の所定の温度プロファイルを形成するように動作可能であってもよい。例えば、一例における外部熱制御機構559は、中間体516がビルドプレート557の開口部564内に配置されたときに中間体516を実質的に囲む少なくとも1つの誘導コイルを含む。エーロフォイル510は導電性であり、製造される先端部であるため、外部熱制御機構559の少なくとも1つの誘導コイルは、コイルに電流が流れ磁場が作成されるときに、中間体516及び先端部の温度を制御することができる。さらに、外部熱制御機構559がビルドプレート557の底面566に近接して配置されると、外部熱制御機構559は、ビルド表面512の温度を制御して、金属粉末「P」によって形成されるブレード先端部の層が割れないことを保証することができる。このようにして、外部熱制御機構559は、ビルド表面512の所定の温度プロファイルを形成してブレード先端部の亀裂を防ぐように動作可能である。
【0037】
一例では、少なくとも凝固すると少なくとも1つの層に亀裂がないように、少なくとも1つの層の焼結温度又は溶融温度からその凝固温度(例えば、金属合金粉末「P」の組成に応じて約1300℃)まで、少なくとも1つの新たに付加形成された層の所定の温度プロファイルが生成される。新しく形成された層の所定の温度プロファイル、例えば焼結又は溶融温度からその凝固温度までの所定の冷却プロファイルは、凝固層に亀裂が生じないように、経験的に決定されるか、実験的に決定されるか、又はそれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、所定の温度プロファイルは、少なくとも凝固すると少なくとも1つの層に亀裂がないように、焼結又は溶融温度からその凝固温度までの、少なくとも1つの新たに付加形成された層の所定の冷却プロファイルの範囲であり得る。少なくとも凝固すると少なくとも1つの層の亀裂を防ぐのに有効な少なくとも1つの新しく付加形成された層から作られた特定の温度プロファイルは、金属粉末「P」の組成、少なくとも1つの層の厚さ、少なくとも1つの層の形状/構成、少なくとも1つの層の初期温度(すなわち、溶融温度)、少なくとも1つの層の凝固温度、少なくとも1つの層と先行及び/又は後続の層又は形成部分との間の温度勾配、凝固後の少なくとも1つの層の所望の微細構造、付加製造された先端部の最終的な動作パラメータ、少なくとも1つの層の所望の形成速度(すなわち、構成要素並進機構560による構成要素の移動)など、多くの要因によって(少なくとも部分的に)影響を受けるか又は依存し得る。一例では、装置550は、少なくとも外部熱制御機構559及び(外部熱制御機構559に対して中間体516を並進させるための)構成要素並進機構560を使用することにより、溶融から凝固までの冷却プロファイルなど、エーロフォイル510の端部(例えば、少なくとも1つの新たに形成された層)に所定の温度プロファイルを形成又は適用する。
【0038】
所定の温度プロファイルは、通常、周囲温度よりも高く、堆積された材料を溶解するのに必要な温度よりも低い、すなわち200〜1200℃、好ましくは500〜1200℃、より好ましくは1000〜1200℃である。一実施形態では、外部熱制御機構は、DMLM中に約1000℃で温度を維持する。このような温度で加熱すると、ブレード先端部に形成された結晶粒の成長が促進され、それにより、複数の極薄付加層(厚さ約20〜100μm)の形成を可能にし、その結果ブレード先端部の形状分解能が向上する。さらに、そのような温度に加熱することによって、低温で発生する堆積物の割れを回避する。
【0039】
図5Dに示すように、装置550でブレード先端部を製造する方法は、中間体516のビルド表面512が開口部564内(潜在的にビルドプレート557の上面568の下)に配置されシール558と係合するように、ビルドプレート557に対して構成要素並進機構560などを介してブレード先端部を並進させることを含む。ビルドプレート557の開口部564、シール558、及びビルド表面512が協働して、金属粉末「P」を保持するための粉末床565を形成してもよい。そのような状態の間、粉末供給機構554は、
図5Dにも示すように、金属粉末「P」を露出させる場合がある。金属粉末「P」が露出した状態で、粉末並進機構555は次に、開口部564を通してシール558及びビルド表面512上に露出した金属粉末「P」を堆積させることにより、粉末床565を充填してもよい。それにより、粉末床565は、ビルド表面512の上方又は上に金属粉末「P」の層を形成することができる。上述のように、一例では、構成要素「C」の端部64の上方又は上の金属粉末「P」の層の厚さは、30〜50μmの範囲内である。
【0040】
図5Dに示すように、金属粉末「P」が粉末床565内に堆積され、それにより金属粉末「P」の層がビルド表面512の上方又は上に形成されると、指向性エネルギー源569及びビーム指向機構570は、新しい断面層として金属粉末「P」をビルド表面512に融着させるパターンで、堆積した金属粉末「P」の層にエネルギーのビームを向けてもよい。新しい断面層がビルド表面512に形成された後、外部熱制御機構559を使用して、少なくとも新しく形成された断面層の温度プロファイルを形成し、亀裂を防ぐ。また、ビルド表面512上に新しい断面層が形成された後、潜在的に少なくとも新しく形成された断面層の温度プロファイルの形成中又は形成の一部において、ブレード先端部(
図5Dに図示せず)は、構成要素並進機構560によってビルドプレート557及び外部熱制御機構559に対して並進してもよい。ブレード先端部は、新たに形成された層を備えたビルド表面512が開口部564内(潜在的に上面568の下)に配置されシール558と係合するように、粉末床565内のより低い位置に並進してもよい。次いで、ビルド表面512は、粉末床565における金属粉末「P」の堆積及び融着のための状態であり、その上に別の層を形成してもよい。このようにして、ブレード先端部を並進させ、金属粉末「P」を堆積させ、金属セラミック中間体516のビルド表面512上に金属粉末「P」層を融着させ、温度プロファイルを形成することにより、金属ブレード先端部を断面層様式で断面層に製造又は形成するために複数回実行され得るサイクルを形成することができる。
【0041】
ビーム指向機構570は、DMLMプロセス中にビルド表面512を横切って指向性エネルギー源569によって放出された非集束レーザ又は電子ビームの焦点を移動又は走査する。DMLMプロセスにおけるビーム指向機構570は、典型的には固定位置であるが、その中に含まれる光学(例えば、テレセントリックレンズ、ミラー、ビームスプリッタ)又は電子(例えば、偏向コイル、集束コイル)は、制御及び調整されるレーザビームの様々な特性を可能にするために可動であり得る。しかし、いくつかの実施形態では、ビーム指向機構570自体が、そのような調整のために異なる位置に移動してもよい。レーザが走査される速度は、制御可能な重要なプロセスパラメータであり、レーザ出力を特定のスポットに適用する時間に影響を与える。通常のレーザ走査速度は、1秒あたりおよそ10〜100ミリである。
【0042】
特定の実施形態では、指向性エネルギー源569は、それぞれが放射ビームを放出する複数のダイオードレーザ又はエミッタを含むダイオードファイバ・レーザアレイ(例えば、ダイオードレーザバー又はスタック)である。ダイオードレーザと複数の光ファイバとの間に円柱レンズが配置されてもよい。円柱レンズは、レーザのダイオード接合に垂直な方向の大きな角度発散を補正し、通常、ファスト軸のビーム発散をスロー軸の発散よりも小さくし、それにより、いずれの結合光学系も使用しないアセンブリ(すなわち、各ファイバが結合先のレーザに極めて近接して単純に設置されているアセンブリ)と比較して、システム全体のアセンブリ公差を緩和する。しかし、結合光学系を使用しないダイオードファイバ・レーザアレイが本技術と共に使用され得ることを理解されたい。特定の実施形態では、複数の光ファイバは、それぞれの端部に、光ファイバからコリメートされた又は発散するレーザビームを提供するように構成されたレンズをさらに含んでもよい。また、これらのレンズがなくても、光ファイバ109の端部は、コリメートされた又は発散したレーザビームを提供するように適合され得ることを理解されたい。
【0043】
誘導加熱の代替として、本発明のDMLMプロセスは放射加熱を装備することができ、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第2013/0101746号(現在Aerojet Rocketdyne、Inc.に付与されている)に開示されている付加製造プロセスなど、付加製造されているブレード先端部の少なくとも一部及びビルドチャンバを規定する保持壁は、所望の温度に加熱される。複数の加熱要素を保持壁に装着又は支持してもよい。好ましくは、少なくとも、付加製造されたブレード先端部及び非集束照射ビームの近位の保持壁が放射加熱される。より好ましくは、ブレード先端部及びビルドチャンバ内の作業空間全体が放射加熱を受ける。加熱要素は、作業空間全体を所望の温度に維持する放射熱を生成する。所望の温度は、通常、周囲温度よりも高く、堆積した材料を溶解するのに必要な温度よりも低い。
【0044】
上述のDMLM装置及び方法は、潜在的に他の方法と組み合わせて、ブレード先端部の全て又は一部を構築するために使用されてもよい。例えば、上述の装置550及び方法によってブレード先端部の全てを構築するために、最初にシード成分を利用して、その上に第1層を形成することができる。他の実施形態では、上述の装置550及び方法によってブレード先端部の一部を構築するために、既存の部分的に形成された先端部に層を形成することができる。
【0045】
特定の一実施形態では、本発明によるDMLM装置又はシステム(誘導/放射加熱の有無にかかわらず)は、コンピュータ制御によるセラミックスラリーの堆積のために、別の付加製造システム及び技術、すなわち「ロボキャスティング」としても知られる直接インク書き込み(DIW)と組み合わされてもよい。
図5Fに示すように、DIWロボット又はシステム571(概略的に表示)は、「インク」のフィラメント(この場合はセラミックスラリー)をノズル又はシリンジ572から押し出し又は圧搾して、セラミック部分を層ごとに形成する(押し出されたセラミックスラリーは最終的に乾燥して凝固する)。DIWプロセスは、例えば、セラミックコア及び/又はセラミックシェルを再形成するために、又は機械加工工程後にビルド表面512を改良するために利用され得る。しかし、本発明はDIWに限定されず、任意の適切なコンピュータ制御セラミック付加製造技術をDMLMと組み合わせて使用できることに留意されたい。
【0046】
図5A〜
図5Dに示すように、セラミック外側シェル502は、鋳造プロセスの後、及びその後のブレード先端部の付加製造中であっても、エーロフォイル510に取り付けられたままである。或いは、鋳造が完了した後、先端部の製造前にシェルを除去してもよい(コアは保持される)。しかし、シェルを保持することは、エーロフォイル510とセラミック鋳型500との組み合わせの一部を除去してビルド表面512を作成する工程の視覚的対比を改善するなどの追加の利点を提供し得る。視覚的対比により、ブレード先端部の自動認識及び登録が改善される。ロボットは、各々の(わずかに異なる)ブレード先端部を見つけ、それに応じてDMLMプログラムを調整することができる。保持されたシェルによって、加熱されたDMLMプロセス中に親エーロフォイル510を均一に加熱又は断熱することもでき、これにより結晶粒の成長が促進される。
【0047】
本明細書に記載の付加製造プロセスのいずれかよりも前に、セラミック金属ビルド表面は、例えば、バキューミング、アルカリ媒体による化学処理、又はビルド表面を覆う保護層、又はこれらの2つ以上の組み合わせにより、セラミックの汚染について処理されてもよく、それにより鋳造された親エーロフォイルへの付加金属のきれいな結合が促進される。
【0048】
本発明のセラミックコアには、特別な設計特徴、例えば1又は複数のウィットネス・フィーチャを組み込むことができる。いくつかの実施形態では、ウィットネス・フィーチャは、この特徴がコア表面から突き出すことなく、ウィットネス・フィーチャの一方の表面のみが示されるようにセラミックコアに埋め込まれる。つまり、ウィットネス・フィーチャはコア表面と同一平面上にある。或いは、ウィットネス・フィーチャは、コア表面から突出するノッチを形成する。特定の実施形態では、ウィットネス・フィーチャは、セラミック以外の材料でできている。他の実施形態では、ウィットネス・フィーチャもコアのようにセラミックで作られており、例えば、出願人の同時係属出願第15/377,673号、第15/377,796号、第15/377,728号、第15/377,759号、第15/377,787号、第15/377,746号、第15/377,766号、及び第15/377,783号に開示されている1又は複数の技術を使用して、コアと一緒に付加製造することができる。これらの各出願の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。或いは、ノッチウィットネス・フィーチャとセラミック鋳型は、選択的レーザ活性化(SLA)技術を使用して製造される。例えば、ノッチは、後にワックスコアを形成するために使用されるSLA金型に形成されてもよい。
【0049】
図6Aは、1又は複数の内側空洞606を画定する外側シェル602と内側コア604とを含むセラミック鋳型600を示す。内側コア604は、ウィットネス・フィーチャ614をさらに含む。内側空洞606が液体金属608で満たされてエーロフォイル610が形成された後、エーロフォイル610とセラミック鋳型600の一部は、ウィットネス・フィーチャ614が露出するまで除去される(
図6Bを参照)。或いは、エーロフォイル610とセラミック鋳型600の一部は、ウィットネス・フィーチャ614が露出し且つ除去されるまで、除去される。さらに代替的には、エーロフォイル610とセラミック鋳型600の一部が迅速に除去され、ウィットネス・フィーチャ614が露出すると除去プロセスは減速され、ウィットネス・フィーチャ614は、エーロフォイル610とセラミック鋳型600をさらにどれくらい除去する必要があるかを決定するのに役立つ。このようにして、セラミックコアに1又は複数のウィットネス・フィーチャを持たせることで、第1の付加面の反復可能な位置付けを可能にする。
【0050】
別の実施形態では、本発明のセラミックコアは、コアの除去時に、先端部キャップの下側に形成される複数のタービュレータに対応する特徴を含む。これらの鋳放しタービュレータは、エーロフォイルの加熱された側壁と内部冷却空気との間の熱伝達を促進及び/又は増加させる。
図7A及び
図7Bは、前方を見てブレードの後方側の部分的なタービンブレード700の断面図であり、エーロフォイル702、エーロフォイル外壁706、後縁部710、先端部704及び先端部壁708を示す。エーロフォイル702及び先端部704は、円周方向(
図7A)又は軸方向(
図7B)に配向された複数のタービュレータ714を有する先端部キャップ712によって分離されている。
【0051】
代替実施形態では、上述の一連の熱伝達タービュレータを有する先端部キャップは、鋳造ではなく付加製造される。
【0052】
本発明のセラミックコア設計には、これらの型から作られた鋳造部品に穴(すなわち流出冷却穴)を形成するために利用できる、型のコアとシェルとの間に一体化されたセラミックフィラメントを含むが必ずしも限定されない、さらに他の特定の特徴又は輪郭を組み込むことができる。
コアとシェルとの間に十分なセラミックフィラメントを使用してコアの蛇行のための浸出経路を位置付け提供することはまた、ボールろう付けシュートの排除を可能にする。先端部プレナムコアとシェルとの間にセラミックフィラメントを設けて、浮動先端部プレナムを支持し、伝統的な先端部ピンの必要性及びその後のろう付けによる閉鎖をなくしてもよい。
【0053】
図8Aに示すコア800Aのような従来のセラミックコアは、先端部ピン804を有する先端部プレナム802を含み、浸出時に、鋳造されたエーロフォイル810A内に先端部穴を形成し、これはその後ろう付けして閉じなければならない。本発明では、
図8Bのコア800Bなどの開口先端部鋳造(すなわち、先端部プレナム及び先端部ピンが排除されている)を備えたセラミックコアを提供することができる。先端部が開いた設計により、エーロフォイルの壁(厚さなど)の制御が改善され、セラミックコアの浸出が迅速、且つ容易になり、ろう付けの必要がなくなる。
図8Bに示すように、溶解金属をセラミックコア800Bに注ぎ、冷却及び凝固させて、鋳造されたエーロフォイル810Bを形成した後、セラミックコア800Bの上部の部分を除去して、ブレード先端部のその後のDMLM製造のための平面を作成することができる。
【0054】
本発明のブレード先端部は、付加製造プロセス中にそこに形成される1又は複数の穴を組み込むことができる。セラミックコアは、これらの穴を通って浸出してもよい。
【0055】
図9は、本発明による、損傷した先端部を有するフィールドリターン・タービンブレードの修理方法を示す。
図9Aには、外壁902と内側空隙904とを有するフィールドリターン・エーロフォイル900が提供されている。空隙904にセラミックスラリーが注入され、次いでそれが硬化して内部セラミックコア906を再形成する。特定の実施形態では、ブレード900全体を包む外部セラミックシェル908も再形成することができる。修理のその後の工程は、新規鋳造タービンブレードの製造方法で説明した工程と同様であり、すなわち、エーロフォイルとコアの上部を除去してビルド表面を現し、交換用ブレード先端部を付加製造する。
【0056】
さらに別の態様では、本発明は、交換用先端部の付加製造にセラミック金属ビルド表面を利用しない、損傷した先端部を有するフィールドリターン・タービンブレードの代替の修理方法を提供する。
図10を参照すると、工程S1002で、損傷したブレード先端部又はエーロフォイル1010の上部に超薄型シム1012が設置され、平坦又は平面の表面1012を提供して、工程S1004で(本明細書に開示されるような所望により存在する誘導加熱又は放射加熱による)新規又は交換用のブレード先端部の後続の付加製造を支持する。いくつかの実施形態では、ブレード先端部の付加製造の前に、セラミックコア及び/又はセラミックシェル(
図10には図示せず)が存在してもよい。
【0057】
超薄型シム1012は、ブレード先端部を付加的に製造するために使用される金属粉末と同じ材料で作られていることが好ましい。重要なことは、超薄型シム1012は、その厚さがわずか1000μm未満、例えば25〜900μm(0.025〜0.9mm)、好ましくは200〜750μm(0.02〜0.75mm)、より好ましくは250〜500μm(0.25〜0.5mm)であるために、先に参照した米国特許出願公開第2010/0200189号に開示された薄板50及びシム50’と比較して、エーロフォイル1010の外壁により容易、且つより簡単に接合することができる。接合は、本明細書で説明されているプロセスと同じプロセスを使用して行われ得る。また重要なことに、超薄型シム1012はその幾何学的形状によって制限されないが、ブレード先端部の付加製造のために1又は複数のオーバーハング1016を備えた連続的、且つ密封された支持面を形成するために、エーロフォイル1010の外壁を完全に覆うことが好ましい。オーバーハング(複数可)1016は、その後、工程S1006で、例えば、機械加工又は研削又は任意の他の既知の同等の技術によって除去される。
【0058】
一態様では、本発明は、他の製造方法、装置、及びセラミックコアシェル型の特徴を組み込むか又はそれらと組み合わせた本発明の製造方法に関する。次の特許出願には、これらの方法及び型のこれらの様々な側面の開示が含まれている。
【0059】
米国特許出願第15/406,467号、標題「Additive Manufacturing Using a Mobile Build Volume(モバイルビルドボリュームを使用した付加製造)」、弁護士整理番号037216.00059、2017年1月13日出願。
【0060】
米国特許出願第15/406,454号、標題「Additive Manufacturing Using a Mobile Scan Area(モバイル走査エリアを使用した付加製造)」、弁護士整理番号037216.00060、2017年1月13日出願。
【0061】
米国特許出願第15/406,444号、標題「Additive Manufacturing Using a Dynamically Grown Build Envelope(動的成長ビルドエンベロープを使用した付加製造)」、弁護士整理番号037216.00061、2017年1月13日出願。
【0062】
米国特許出願第15/406,461号、標題「Additive Manufacturing Using a Selective Recoater(選択的リコータを使用した付加製造)」、弁護士整理番号037216.00062、2017年1月13日出願。
【0063】
米国特許出願第15/406,471号、標題「Large Scale Additive Machine(大規模付加機械)」、弁護士整理番号037216.00071、2017年1月13日出願。
【0064】
米国特許出願第15/439584号、標題「METHOD OF MANUFACTURING TURBINE AIRFOIL AND TIP COMPONENT THEREOF(タービンエーロフォイルの製造方法とその先端部品)」、弁護士整理番号037216.00093/315780、2017年2月22日出願。
【0065】
米国特許出願第15/439529号、標題「METHOD OF MANUFACTURING TURBINE AIRFOIL WITH OPEN TIP CASTING AND TIP COMPONENT THEREOF(開口先端部鋳造及びその先端部品を備えたタービンエーロフォイルの製造方法)」、弁護士整理番号037216.00091/315780B、2017年2月22日出願。
【0066】
米国特許出願第15/439548号、標題「METHOD OF MANUFACTURING TURBINE BLADE TIP(タービンブレード先端部の製造方法)」、弁護士整理番号037216.00092/315780C、2017年2月22日出願。
【0067】
米国特許出願第15/439451号、標題「METHOD OF MANUFACTURING TURBINE AIRFOIL AND TIP COMPONENT THEREOF USING CERAMIC CORE WITH WITNESS FEATURE(ウィットネス・フィーチャ付きセラミックコアを使用したタービンエーロフォイル及びその先端部品の製造方法)」、弁護士整理番号037216.00090/315780D、2017年2月22日出願。
【0068】
米国特許出願第15/439643号、標題「METHOD OF TURBINE COMPONENT USING ULTRA−THIN SHIM(超薄型シムを使用したタービン部品の方法)」、弁護士整理番号037216.00101/315780E、2017年2月22日出願。
【0069】
これらの各出願の開示は、本明細書に開示されるコアシェル型と併せて使用できるコアシェル型及び製造方法の追加の態様を開示する範囲でその全体が本明細書に組み込まれる。
【0070】
本明細書は、好ましい実施形態を含めて本発明を開示するために、またあらゆる当業者が任意のデバイス又はシステムを製造及び使用すること並びに任意の組み込まれた方法を実行することを含めて本発明を行うことを可能にするために例を使用する。本発明の特許性のある範囲は特許請求の範囲によって定義され、当業者が思い付く他の例を含み得る。そのような他の例は、特許請求の範囲の文字通りの言葉と異ならない構造要素を持っている場合、又は特許請求の範囲の文字通りの言葉と実質的な違いを持たない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。記載された様々な実施形態からの態様、並びにそのような各態様に対する他の既知の均等物は、本願の原理に従って追加の実施形態及び技術を構築するために当業者によって混合及び適合され得る。
【0071】
本発明のさらなる態様は下記の記載によって示される。
【0072】
(a)液体金属を凝固させて鋳造部品を形成するために、前記液体金属をセラミック鋳型に注ぐことであって、前記セラミック鋳型はウィットネス・フィーチャを含むセラミックコアを含み、前記セラミックコアが前記鋳造部品の内側空洞を満たすことと、
(b)鋳造部品の表面部分及び前記セラミックコアの表面部分を作成するために、前記セラミック鋳型及び前記鋳造部品の一部を前記ウィットネス・フィーチャが現れるまで除去することと、
(c)前記表面部分上に金属粉末の層を堆積させることと、
(d)融着層を形成するために、前記金属粉末の少なくとも一部を照射することと、
(e)金属物体が形成されるまで工程(c)〜(d)を繰り返すことと
を含む、金属物体の製造方法。
【0074】
前記セラミック鋳型が、セラミックシェルと、前記シェル及び前記コア間の少なくとも1つの内側空洞とをさらに含む。
【0075】
工程(b)の前に前記セラミックシェルを除去することをさらに含む。
【0076】
セラミックの汚染を防ぐために前記表面部分を処理することをさらに含む。
【0077】
工程(c)〜(e)が、誘導加熱、放射加熱、又は両方の組み合わせの存在下で実行される。
【0078】
前記金属物体から前記セラミック鋳型を除去することをさらに含む。
【0079】
前記金属物体がタービンブレード又はベーンであり、前記鋳造部品がエーロフォイルである。
【0080】
(a)液体金属を凝固させて鋳造部品を形成するために、前記液体金属をセラミック鋳型に注ぐことであって、前記セラミック鋳型はウィットネス・フィーチャを含むセラミックコアを含み、前記セラミックコアが前記鋳造部品の内側空洞を満たすことと、
(b)鋳造部品の表面部分及び前記セラミックコアの表面部分を作成するために、前記セラミック鋳型及び前記鋳造部品の一部を前記ウィットネス・フィーチャが現れるまで除去することと、
(c)前記表面部分上に金属粉末の層を堆積させることと、
(d)融着層を形成するために、前記金属粉末の少なくとも一部を照射することと、
(e)ブレード又はベーンが形成されるまで工程(c)〜(d)を繰り返すことと
を含む、タービンブレード又はベーンの製造方法。
【0082】
前記セラミック鋳型が、外部シェルと、前記シェル及び前記コア間に少なくとも1つの内側空洞を有する内部コアとを含む。
【0083】
工程(b)の前に前記外部シェルを除去することをさらに含む。
【0084】
セラミックの汚染を防ぐために前記表面部分を処理することをさらに含む。
【0085】
工程(c)〜(e)が、誘導加熱、放射加熱、又は両方の組み合わせの存在下で実行される。
【0086】
前記セラミック鋳型を前記ブレード又はベーンから除去することをさらに含む。
【0087】
前記鋳造部品がエーロフォイルである。
【0088】
ウィットネス・フィーチャを含むセラミックコアを備えた金属ブレード又はベーン部分と、
金属部分及びセラミック部分を含むワークピースの実質的に平面の上面と
を含む鋳造金属タービンブレード又はベーンワークピース。
【0089】
前記セラミックコアが、前記金属ブレード又はベーンの内側空洞を満たす。
【0090】
前記ブレード又はベーンが、セラミックシェルによってさらに囲まれている。
【0091】
セラミックの汚染を防ぐための保護層をさらに含む。