【実施例1】
【0012】
まず、側面枠体21を用いたキャビネット10について説明する。
図1から
図3に示すことから理解されるように、外径の一部を形成する側面枠体21と底板22と天板23を組み立てることでキャビネット10の骨格をなるキャビネット本体2が形成されている。また、本実施例のキャビネット10は、側面枠体21の枠に嵌るように、側面パネル24が取り付けられている。正面側には回動式の扉5が取り付けられ、背面側には、背面板が取り付けられている。なお、キャビネット本体2は金属製であり、キャビネット10には電気機器が収納される。
【0013】
図4及び
図5に示すことから理解されるように、側面枠体21は縦フレーム61と深さフレーム62を略四角形状に組むことで構成されている。本実施例では、側面枠体21に補強部材4が取り付けられている。この補強部材4は側面枠体21を構成する各部材の厚みより厚い部材により構成されている。この補強部材4は、キャビネット本体2の角部の内側の切り欠き部11の周辺を複数面で支えることができるため、側面枠体21や底板22や天板23の厚みを抑制することができる。
【0014】
図6に示すように、本実施例の補強部材4は、少なくともその一部が深さフレーム62の内側に挿入された状態となり、溶接固定される。補強部材4が取り付けられた深さフレーム62は、
図7に示すように、縦フレーム61と固定されるが、実施形態では、
図8に示す、補強部材4と縦フレーム61と深さフレーム62が重なる位置で一体となるように溶接固定される。
【0015】
側面枠体21を構成する深さフレーム62の両端には、塗料などを排出可能な切り欠き71が設けられている。縦フレーム61は、この切り欠き71の機能を妨げないように接続する。
図7に示した例では、深さフレーム62の上端は縦フレーム61の上端よりも高い位置で固定されている。なお、深さフレーム62を縦フレーム61の内側に屈曲した部位81に当接させれば、このような位置関係を確保できるように構成されている。
【0016】
縦フレーム61と深さフレーム62を略四角形状に組合せて構成された側面枠体21には天板23が接続されるが、
図9乃至
図11に示すように、平面視略矩形状となる天板23は、角に相当する部位が切り欠かれており、深さフレーム62の両端に設けられた切り欠き71の機能を妨げないようになっている。なお、
図12に示すことから理解されるように、補強部材4も深さフレーム62の両端に設けられた切り欠き71の機能を妨げないようになっている。
【0017】
図10に破線で示すことから理解されるように、実施形態では、キャビネット本体2の角部となる部分に、角部を構成する三面全てにわたる切り欠き部11を備えた構成としている。より具体的には、
図10及び
図11に示すように、天板23の角に相当する部位の切り欠きは、平面視で三角形状となるように設けられている。これにより、天板23の角に相当する部位は、天面、側面及び正面について、開放された状態となっている。また、この切り欠きは深さフレーム62の切り欠き71と重なるように構成されている。
【0018】
天板23の前後方向の端部であって、三角形状に切り欠いた部分以外の部分は、折り曲げ形成された折曲部27を備えている。この折曲部27と補強部材4が当接した状態で固定されることにより、天板23側、側面枠体21側、正面側の三面に渡る切り欠き部11が構成される。このため、電着塗装によりキャビネット本体2に塗料を付着させても、塗装不良が生じることが抑制される。なお、天板23の正面側に設けた切り欠き部11について説明したが、天板23の背面側に設けた切り欠き部11や底板22の前後に設けた切り欠き部11についても、同様な構成となっている。
【0019】
側面枠体21と底板22と天板23を組み立てることで形成された略直方体状のキャビネット本体2は、その角部となる八箇所全てにおいて、角部を構成する三面全てにわたる切り欠き部11を備えた構成となっており、この切り欠き部11から、塗料などを排出可能となっている。なお、切り欠き部11はキャビネットの内部を直線的に三方向に貫通している。複数面にわたる切り欠き部11をキャビネット本体2の各コーナー部に設けておくことにより、空気及び塗料はフレーム間を直線的に移動し切り欠き部11から外部に排出される。また、塗装時におけるキャビネット本体2を傾ける向きや角度に応じて、適切な切り欠き部11から効果的に空気及び塗料を排出することができる。特に塗料などが溜まりやすい角部を切り欠くことにより、より塗装不良が抑制される。
【0020】
なお、実施形態の切り欠き部11は、外面に露出するものであるため、コーナー部材3で覆う。
図13〜
図15に示すように、コーナー部材3は略L字状に形成されており、角部に差し込むことにより、角部の複数の面にわたる切り欠き部11を覆うことができる。角部は、
図16〜
図18に示すことから理解されるように、コーナー部材3を挿入することが可能なスペースを備えている。なお、樹脂製のコーナー部材3で角部が覆われることにより、利用者が角部に引っ掛かることを抑制することができる。
【0021】
コーナー部材3は深さフレーム62側に挿入される部位と、天板23若しくは底板22に挿入される部位を備えているが、天板23などに挿入される部位には弾性変形可能な係止部32を備えている。
図19に示すように、コーナー部材3をキャビネット本体2に取り付けた際には、
図20に示すように、係止部32が天板23などに設けた係止孔91に嵌り、コーナー部材3がキャビネット本体2に対してしっかりと固定される。なお、コーナー部材3をキャビネット本体2から取り外したい場合は、係止部32を押圧して係止孔91から外したうえで、コーナー部材3を引っ張ればよい。
【0022】
実施形態のコーナー部材3における天板23などに嵌め込まれる部位は、基部側が太く、先端側が細く形成されており、この太さが変わる段差部35が設けられている。コーナー部材3をキャビネット本体2に取り付ける際には、まず、天板23に段差部35まで嵌め込む。コーナー部材3は、天板23などに嵌め込まれる部位の先端から段差部35までは細く形成されているので、挿入される部位に余裕があり、段差部35付近を中心として回転移動できる。次に、コーナー部材3の段部33側を深さフレーム62に挿入して引っ掛ける。そして、両方を同時に押し込むことで、コーナー部材3を嵌め込むことが可能となる。なお、コーナー部材3に段部33を設けているため、コーナー部材3を嵌め込む切り欠き部11の周囲の板厚が違っていても対応可能となる。
【0023】
実施形態のコーナー部材3は、扉5の蝶番軸51を軸支する蝶番軸支部31を備えている。角部に切り欠き部11を備えた構成としても、
図21に示すように、キャビネット10の端に蝶番軸支部31を設けることができ、開口面積を有効利用できるように扉5を取り付けることができる。なお、本実施例ではキャビネット10の右側面側のコーナー部材3に扉5を取り付けているが、左側面側に扉5を取り付けても良いことは勿論である。なお、コーナー部材3に蝶番軸支部31を設けることにより、右側面側と左側面側のどちらにも扉5を取り付け可能としている。
【実施例2】
【0024】
次に、側面枠体21を備えていないキャビネット10について説明する。
図22に示されたような構成であり、外径の一部を形成する側板25と底板22と天板23を組み立てることで、キャビネット10の骨格となるキャビネット本体2が形成されている。
【0025】
図23に示すことから理解されるように、側板25は、上部及び下部の双方の両端に塗料などを排出可能な切り欠き72が設けられている。
図24〜
図27に示すことから理解されるように、この側板25には、キャビネット本体2の角部の内側を複数面で支えることができる補強部材4が取り付けられる。補強部材4は側板25に溶接固定されるが、補強部材4が側板25の両端に設けられた切り欠き72の機能を妨げないように配置されている。
【0026】
側板25には天板23が接続されるが、
図28に示すように、平面視略矩形状となる天板23は、角に相当する部位が切り欠かれており、側板25の両端に設けられた切り欠き72の機能を妨げないようになっている。なお、天板23は側板25に溶接された補強部材4と溶接固定される。
【0027】
側板25と底板22と天板23を組み立てることで形成された略直方体状のキャビネット本体2は、その角部となる八箇所全てにおいて、角部を構成する三面全てにわたる切り欠き部11を備えた構成となっており、この切り欠き部11から、塗料などを排出可能となっている。
図28及び
図29に示されることから理解されるように、実施例1と同様に、天板23の角に相当する部位の切り欠きは、平面視で三角形状となるように設けられている。これにより、天板23の角に相当する部位は、天面、側面及び正面について、開放された状態となっている。また、この切り欠きは側板25の切り欠き72と重なるように構成されている。天板23の前後方向の端部であって、三角形状に切り欠いた部分以外の部分は、折り曲げ形成された折曲部27を備えている。この折曲部27と補強部材4が当接した状態で固定されることにより、天板23側、側板25側、正面側の三面に渡る切り欠き部11が構成される。このため、電着塗装によりキャビネット本体2に塗料を付着させても、塗装不良が生じることが抑制される。なお、天板23の正面側に設けた切り欠き部11について説明したが、天板23の背面側に設けた切り欠き部11や底板22の前後に設けた切り欠き部11についても、同様な構成となっている。
【0028】
本実施例では、複数面にわたる切り欠き部11をキャビネット本体2の各コーナー部に設けておくことにより、塗装時におけるキャビネット本体2を傾ける向きや角度に応じて、適切な切り欠き部11から効果的に空気及び塗料を排出することができる特に塗料などが溜まりやすい角部を切り欠くことにより、より塗装不良が抑制される
【0029】
本実施例の切り欠き部11は、外面に露出するものであるため、コーナー部材3で覆う。実施例1と同様、コーナー部材3は略L字状に形成しており、角部に差し込むことにより、角部の複数の面にわたる切り欠き部11を覆うことができる。角部は、
図28〜
図32に示すことから理解されるように、コーナー部材3を挿入することが可能なスペースを備えている。なお、実施例1及び実施例2においては、同じ形状のコーナー部材3を用いている。しかしながら、このコーナー部材3には段部33を設けているため、実施例1の深さフレーム62と実施例2の側板25で僅かに板厚が違っていても対応可能となる。
【0030】
コーナー部材3の取り付け取り外し方法は、実施例1と同様に行えばよい。本実施例においても、コーナー部材3は、扉5の蝶番軸51を軸支する蝶番軸支部31を備えているため、角部に切り欠き部11を備えた構成としても、キャビネット10の端に蝶番軸支部31を設けることができ、開口面積を有効利用できるように扉5を取り付けることができる。なお、本実施例ではキャビネット10の右側面側のコーナー部材3に扉5を取り付けているが、左側面側のコーナー部材3に扉5を取り付けても良いことは実施例1と同様であり、コーナー部材3に蝶番軸支部31を設けることにより、右側面側と左側面側のどちらにも扉5を取り付け可能としていることも実施例1と同様である。
【0031】
以上、実施形態を例示して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、切り欠き部11は複数面にわたるものであればよく、三面にわたるものではなく二面にわたるものなどであっても良い。