(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モード切替区間は、複数車線分の幅員を有する無車線区間、又は渋滞している合流先車線へ自車線が合流する合流区間であることを特徴とする請求項1又は2に記載の運転支援方法。
前記車線変更区間が渋滞していない場合には、前記車線変更区間において追越車線より走行車線を優先して走行するように、走行車線から追越車線への車線変更案内地点を定めることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の運転支援方法。
前記モード切替区間と前記車線変更区間とが連続せず、且つ前記車線変更区間が渋滞している場合には、前記車線変更区間の走行車線及び追越車線のうち走行車線上で自車両を自動運転モードにより走行させた後、前記車線変更区間内に予め定めたモード切替案内地点で自動運転モードから手動運転モードへの切替案内を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の運転支援方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下において、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構成、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1を参照する。運転支援装置1は、運転支援装置1を搭載する車両(以下、「自車両」と表記する)の周囲の走行環境に基づいて、自車両を自動的に操舵したり停車させる走行支援制御と、運転者が関与せずに自車両を自動で運転する自動運転制御を行う。
運転支援装置1は、周囲環境センサ群10と、ナビゲーションシステム20と、車両センサ群30と、コントローラ40と、切替スイッチ43と、車両制御アクチュエータ群50を備える。
【0010】
周囲環境センサ群10は、自車両の周囲環境、例えば自車両の周囲の物体を検出するセンサ群である。周囲環境センサ群10は、測距装置11とカメラ12を含んでよい。測距装置11とカメラ12は、自車両周囲に存在する物体、車両と物体との相対位置、車両と物体との距離等の車両の周囲環境を検出する。
測距装置11は、例えば、レーザレンジファインダ(LRF:Laser Range-Finder)やレーダであってよい。
【0011】
カメラ12は、例えばステレオカメラであってよい。カメラ12は、単眼カメラであってもよく、単眼カメラにより複数の視点で同一の物体を撮影して、物体までの距離を計算してもよい。
測距装置11とカメラ12は、検出した周囲環境の情報である周囲環境情報をコントローラ40へ出力する。
【0012】
ナビゲーションシステム20は、自車両の現在位置と、その現在位置における道路地図情報を認識する。ナビゲーションシステム20は、乗員が入力した目的地までの走行経路を設定し、この走行経路に従って乗員に経路案内を行う。さらにナビゲーションシステム20は、設定した走行経路の情報をコントローラ40へ出力する。
自車両の走行状態が自動運転モードである場合、コントローラ40は、ナビゲーションシステム20が設定した走行経路に沿って走行するように自車両を自動で運転する。
【0013】
ナビゲーションシステム20は、ナビコントローラ21と、測位装置22と、地図データベース23と、表示部24と、操作部25と、音声出力部26と、通信部27を備える。なお、
図1において地図データベースを地
図DBと表記する。
ナビコントローラ21は、ナビゲーションシステム20の情報処理動作を制御する電子制御ユニットである。ナビコントローラ21は、プロセッサとその周辺部品とを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。
【0014】
周辺部品には記憶装置等が含まれる。記憶装置は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
測位装置22は、自車両の現在位置を測定する。測位装置22は、例えばGPS(Global Positioning System)受信器であってよい。また測位装置22は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)等の他の衛星測位システムの衛星信号に基づいて自車両の現在位置を測定してもよい。また測位装置22は、慣性航法装置であってもよい。
【0015】
地図データベース23は、道路地図データを記憶している。道路地図データは、道路線種、道路形状、勾配、車線数、法定速度(制限速度)、合流地点の有無等に関する情報を含む。道路線種には、例えば一般道路と高速道路が含まれる。
表示部24は、ナビゲーションシステム20において様々な視覚的情報を出力する。例えば、表示部24には、自車両周囲の地図画面や推奨経路の案内を表示してよい。
【0016】
操作部25は、ナビゲーションシステム20において乗員の操作を受け付ける。操作部25は、例えばボタン、ダイヤル、スライダなどであってよく、表示部24に設けられたタッチパネルであってもよい。例えば操作部25は、乗員による目的地の入力操作や、表示部24の表示画面の切り替え操作を受け付けてよい。
音声出力部26は、ナビゲーションシステム20において様々な音声情報を出力する。音声出力部26は、設定した走行経路に基づく運転案内や、自車両周囲の道路地図データに基づく道路案内情報を出力してよい。
通信部27は、自車両の外部の通信装置との間で無線通信を行う。通信部27による通信方式は、例えば公衆携帯電話網による無線通信や、車車間通信、路車間通信、又は衛星通信であってよい。
【0017】
車両センサ群30は、車両の走行状態を検出するセンサと、運転者により行われた運転操作を検出するセンサとを含む。
車両の走行状態を検出するセンサには、車速センサ31と、加速度センサ32と、ジャイロセンサ33が含まれる。
運転操作を検出するセンサには、操舵角センサ34と、アクセルセンサ35と、ブレーキセンサ36が含まれる。
【0018】
車速センサ31は、自車両の車輪速を検出し、車輪速に基づいて自車両の速度を算出する。
加速度センサ32は、自車両の前後方向の加速度、車幅方向の加速度及び上下方向の加速度を検出する。
ジャイロセンサ33は、ロール軸、ピッチ軸及びヨー軸を含む3軸回りの自車両の回転角度の角速度を検出する。
【0019】
操舵角センサ34は、操舵操作子であるステアリングホイールの現在の回転角度(操舵操作量)である現在操舵角を検出する。
アクセルセンサ35は、車両のアクセル開度を検出する。例えばアクセルセンサ35は、車両のアクセルペダルの踏み込み量をアクセル開度として検出する。
ブレーキセンサ36は、運転者によるブレーキ操作量を検出する。例えばブレーキセンサ36は、車両のブレーキペダルの踏み込み量をブレーキ操作量として検出する。
車両センサ群30の各センサが検出した自車両の速度、加速度、角速度、操舵角、アクセル開度、ブレーキ操作量の情報を総称して「車両情報」と表記する。車両センサ群30は車両情報をコントローラ40へ出力する。
【0020】
コントローラ40は、自車両の運転制御を行う電子制御ユニットである。コントローラ40は、プロセッサ41と、記憶装置42等の周辺部品とを含む。プロセッサ41は、例えばCPUやMPUであってよい。
記憶装置42は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置42は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM及びRAM等のメモリを含んでよい。
なお、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路でコントローラ40を実現してもよい。例えば、コントローラ40はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
【0021】
自車両の自動運転制御が実行される自動運転モードでは、コントローラ40は、周囲環境センサ群10から入力した周囲環境情報と、車両センサ群30から入力した車両情報とに基づいて、ナビゲーションシステム20により設定された走行経路を自車両に走行させる走行軌道を生成する。
コントローラ40は、生成した走行軌道を自車両が走行するように車両制御アクチュエータ群50を駆動して自動的に車両を走行させる。
【0022】
車両制御アクチュエータ群50は、コントローラ40からの制御信号に応じて、車両のステアリングホイール、アクセル開度及びブレーキ装置を操作して、車両の車両挙動を発生させる。車両制御アクチュエータ群50は、ステアリングアクチュエータ51と、アクセル開度アクチュエータ52と、ブレーキ制御アクチュエータ53を備える。
ステアリングアクチュエータ51は、車両のステアリングの操舵方向及び操舵量を制御する。
アクセル開度アクチュエータ52は、車両のアクセル開度を制御する。
ブレーキ制御アクチュエータ53は、車両のブレーキ装置の制動動作を制御する。
【0023】
手動運転モードでは、コントローラ40は、例えば、車両センサ群30により検出された操舵角、アクセル開度及びブレーキ操作量に応じて車両制御アクチュエータ群50を駆動して、運転者の操作に応じた車両挙動を発生させる。
運転者は切替スイッチ43を操作することにより、自車両の走行状態を自動運転モードと手動運転モードとの間で切り替えることができる。
【0024】
コントローラ40は、運転者による切替スイッチ43の操作に応じて自車両の走行状態を自動運転モードと手動運転モードとの間で切り替える。
また、コントローラ40は、自動運転中の運転者によるステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルの何れかの操作、すなわちオーバライドが起こったときに、自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替える。
【0025】
さらに、コントローラ40は、自動運転の走行経路上に自動運転による走行が困難な区間がある場合には、自動運転モードから手動運転モードへの自車両の走行状態の切り替えを案内する。
例えば、コントローラ40は、自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替えることを運転者に促す案内メッセージをナビゲーションシステム20から出力する。以下、運転者に呈示される自車両の走行状態の切り替え案内を「モード切替案内」と表示することがある。
【0026】
運転者が、モード切替案内に従って切替スイッチ43を操作するか又はステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルの何れかの操作を操作すると、コントローラ40は、自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替える。
なお、コントローラ40は、モード切替案内を出力してから所定時間経過後に自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ自動で切り替えてもよい。
【0027】
このようなモード切替案内が行われる区間、すなわち自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替える区間(例えば自動運転による自車両の走行の難度が高い区間)を、以下「モード切替区間」と表記することがある。
モード切替区間は、例えば混雑度などの交通状況によって自車両の難度が高くなる区間であってよい。例えばモード切替区間は、複数の道路が合流する合流場所において自車線が他の車線(すなわち合流先車線)に合流し、且つ合流先車線が渋滞している合流区間であってよい。以下、合流先車線を「本線」と表記する。
【0028】
図2Aは、自車線61が本線62に合流する合流区間を示す。本線62が渋滞していると、自車両60が本線62へ進入しようとする際に、自車両の進入の障害となる他車両が本線62上に存在する。渋滞のため他車両が順次絶えずに本線62上に存在すると、他車両の前に割り込まなければ本線へ進入できないため、自動運転では本線62へ車線変更を行うことが困難になる。
【0029】
このためコントローラ40は、本線62が渋滞している場合に合流区間63において自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを案内する。
なお、本明細書において合流区間とは、
図2Aに示すような自車線61と本線62とが道路区分線(破線)で区分されている合流区間だけでなく、合流する複数車線が道路区分線で区分されていない合流区間をも含む(
図3を参照)。
【0030】
また、例えばモード切替区間は、複数車線分の幅員を有する無車線区間であってもよい。無車線区間では、他車両の前への割り込みが発生するため自動運転が困難になる。
このためコントローラ40は、無車線区間において自動運転モードから手動運転モードへの自車両の走行状態の切り替えを案内する。
無車線区間は、例えば
図2Bに示す有料道路の料金所70手前の無車線区間であってもよい(以下、料金所手前の無車線区間を単に「料金所」と表記することがある)。
【0031】
また、自動運転の走行経路上には、自車両が車線変更を行う車線変更区間が存在する。
図2Aの例では、自動運転の走行経路上に車線変更区間64及び65が存在する。
車線変更は様々な要因によって発生する。例えば車線変更区間64では、合流区間63において自車両60が本線62へ進入するために追越車線以外の車線(以下「走行車線」と表記する。
図2Aの例では左側車線が走行車線である)から追越車線(
図2Aの例では一番右側の車線)へ車線変更する。
【0032】
また車線変更区間65では、自車両60が本線62から分岐する分岐路66へ進出するために走行車線から追越車線へ車線変更する。
このような、自車両の車線変更の要因となる地点を、以下「要因地点」と表記することがある。要因地点は、例えば、車線変更区間64における車線変更の要因となる合流地点や、車線変更区間65における車線変更の要因となる分岐地点であってよい。
【0033】
また、
図2Bの例では、自動運転の走行経路上に車線変更区間71及び72が発生する。
例えば車線変更区間71では、追越車線以外の車両通行帯を通行する原則、すなわち車両の左側通行を定めた国における「キープレフト」(道路交通法第20条)又は車両の右側通行を定めた国における「キープライト」を遵守するために、追越車線(
図2Bの例では一番右側の車線)から走行車線(
図2Bの例では左側車線)へ車線変更する。
【0034】
以下、車両の左側通行が定められた場合、すなわち追越車線以外の車両通行帯を通行する上記原則が「キープレフト」である場合について説明するが、本発明は、車両の右側通行が定められた場合であっても同様に適用できる。
一方、車線変更区間72では、料金所70を通過した際に自車両60が追越車線を走行した場合に、自車両60が分岐路73へ進出するため、又はキープレフトを遵守するために追越車線から走行車線へ車線変更する。
【0035】
車線変更区間が渋滞している場合、他車両の前に割り込まなければ車線変更できないため、車線変更区間において自動運転による車線変更が困難になり、自車両の走行状態を、自動運転モードから手動運転モードへ切り替える必要がある。
ここで、
図2Aの車線変更区間64の例では、キープレフトを遵守して走行車線を走行し続けた後に合流区間63から所定距離手前の地点で車線変更する。このとき、車線変更地点と合流区間63とが近ければ、車線変更区間64で手動運転モードに切り替えてから直ぐに合流区間63に至るので、自動運転モードに一度戻すことなく合流区間63を手動運転モードのままで走行できる。
【0036】
一方で、
図2Aの車線変更区間65では、キープレフトを遵守するため分岐路66の分岐地点近くまで走行車線を走行して、合流区間63(すなわちモード切替区間)から離れた地点67で車線変更する。
ここで、合流区間63を通過後に自車両60の走行状態を自動運転モードに一度戻すと、車線変更区間65において車線変更する際に自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが再び発生する。
【0037】
また、
図2Bの車線変更区間71では、キープレフトを遵守するために、早期に追越車線から走行車線へ車線変更する。このため、モード切替区間である料金所70から離れた地点74で車線変更する。
ここで、車線変更区間71で車線変更した後に自車両60の走行状態を自動運転モードに一度戻すと、料金所70において自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが再び発生する。
【0038】
このように、モード切替区間と車線変更区間とが連続しており、これらの区間でそれぞれ自動運転モードから手動運転モードへの切り替えると、モード切替が短期間で繰り返されることになる。この結果、手動運転の操作の準備や、手動運転の後に自動運転モードに戻す操作などにより、運転者が煩わしさを感じ運転負荷の増加要因となる。
そこで、コントローラ40は、モード切替区間と車線変更区間とが連続し、且つモード切替区間と車線変更区間とが渋滞している場合には、車線変更区間にて手動運転で車線変更を行う地点とモード切替区間との間で手動運転モードを継続する。
【0039】
例えば、
図2Aの車線変更区間65の場合、コントローラ40は、モード切替区間である合流区間63から、車線変更区間65にて車線変更を行う地点67まで手動運転モードを継続する。これにより、車線変更区間65における自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを省略できる。
このときコントローラは、車線変更区間65において走行車線から追越車線への車線変更を運転者に案内する。例えば、コントローラ40は、走行車線から追越車線への車線変更を促す案内メッセージをナビゲーションシステム20から出力する。
以下、運転者に呈示される車線変更の案内を「車線変更案内」と表記することがある。車線変更案内には、手動運転モードにおいて運転者に車線変更を促す案内と、自動運転モードにおいて自動的に行われる車線変更を運転者に予告する案内が含まれる。
【0040】
地点67において運転者が手動運転モードで車線変更を行うと、コントローラ40は、手動運転モードから自動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
例えば、コントローラ40は、自車両の走行状態を手動運転モードから自動運転モードへ切り替えることを運転者に促す案内メッセージをナビゲーションシステム20から出力する。
モード切替案内に従って、運転者が切替スイッチ43を操作すると、コントローラ40は、自車両の走行状態を手動運転モードから自動運転モードへ切り替える。
【0041】
一方で、
図2Bの車線変更区間71の場合には、コントローラ40は、車線変更区間71にて車線変更を行う地点74から、モード切替区間である料金所70まで手動運転モードを継続する。これにより、料金所70手前における自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを省略できる。
このときコントローラ40は、車線変更区間71にて自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
【0042】
モード切替案内に応じて、運転者が自車両の走行状態を手動運転モードへ切り替えると、コントローラ40は、追越車線から走行車線への車線変更案内を運転者に呈示して車線変更を実行させる。
このように、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを省略することにより、コントローラ40は自動運転モードから手動運転モードへの切り替え回数を低減することができる。この結果、手動運転の操作の準備や自動運転モードに戻す操作などにより運転者が煩わしさを感じる機会が低減され、運転者の運転負荷を軽減できる。
【0043】
一方で、車線変更区間の車線変更地点とモード切替区間との間で自動運転モードに戻さずに手動運転モードを継続すると、手動運転モードの走行距離が伸びることにより、運転者の運転負荷が増加することがある。
そこでコントローラ40は、車線変更区間の車線変更地点とモード切替区間との間の手動運転モードの走行距離を短縮する。
【0044】
例えば、モード切替区間に車線変更区間が連続し、且つ車線変更区間が渋滞している場合に、コントローラ40は、車線変更区間が渋滞していない場合に比べて車線変更区間における車線変更地点をモード切替区間へ近付ける。
例えば、
図4Aに示すようにモード切替区間である合流区間63の先に車線変更区間65が連続し、合流区間63と車線変更区間65とが渋滞している場合には、コントローラ40は、車線変更を早めることにより、車線変更区間65が渋滞していない場合に比べて車線変更地点67を合流区間63に近付ける。
【0045】
具体的には、コントローラ40は、車線変更区間65において走行車線から追越車線への車線変更案内を呈示する車線変更案内地点を、車線変更区間65が渋滞していない場合よりも合流区間63に近付けることにより、車線変更地点67を合流区間63に近付ける。
手動運転モードから自動運転モードの切り替えは車線変更の後に行われるので、車線変更地点67を合流区間63に近付けて車線変更を早めることにより手動運転モードの走行距離を短縮できる。
【0046】
また例えば、
図4Bに示すようにモード切替区間である料金所70の手前に車線変更区間71が連続し、モード切替区間70と車線変更区間71とが渋滞している場合には、コントローラ40は、車線変更を遅らせることにより、車線変更区間71が渋滞していない場合に比べて車線変更地点74を料金所70の無車線区間に近付ける。
【0047】
具体的には、コントローラ40は、車線変更区間71において自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を呈示するモード切替案内地点を、車線変更区間71が渋滞していない場合よりも料金所70に近付ける。
運転者がモード切替案内に従って自車両の走行状態を手動運転モードへ切り替えた後、コントローラ40は、追越車線から走行車線への車線変更案内を呈示する。したがって、モード切替案内地点を料金所70に近付けて車線変更を遅らせることにより手動運転モードの走行距離を短縮できる。
【0048】
次に、コントローラ40の機能構成を説明する。
図5を参照する。コントローラ40は、区間抽出部80と、パッケージ設定部81と、記憶部82と、パッケージ読出部83と、渋滞判定部84と、車線変更制御部85と、切り替え制御部86を備える。
区間抽出部80、パッケージ設定部81、パッケージ読出部83、渋滞判定部84、車線変更制御部85、及び切り替え制御部86の機能は、コントローラ40のプロセッサ41が、記憶装置42に格納されたコンピュータプログラムを実行することによって実現されてよい。
【0049】
ナビゲーションシステム20が、乗員により入力された目的地まで自動運転で自車両を走行させる走行経路を設定したとき、区間抽出部80は、走行経路の情報をナビゲーションシステム20から読み込む。
区間抽出部80は、地図データベース23から、走行経路上に存在するモード切替区間の候補であるモード切替区間候補を抽出する。
【0050】
モード切替区間候補は、例えば、合流区間及び複数車線分の幅員を有する無車線区間を含んでよい。
合流区間は、自車線が合流しようとする本線が渋滞していると判断される場合にはモード切替区間となり、本線が渋滞していないと判断される場合にはモード切替区間にならない区間である。
複数車線分の幅員を有する無車線区間は、渋滞の発生有無に関わらずモード切替区間となる区間である。
【0051】
次に、区間抽出部80は走行経路上に存在する車線変更区間を抽出する。
パッケージ設定部81は、区間抽出部80が抽出した車線変更区間のそれぞれについて、区間抽出部80が抽出したモード切替区間候補と車線変更区間とが連続するか否かを判定する。
車線変更区間がモード切替区間候補に連続する場合、パッケージ設定部81は、モード切替区間候補と、このモード切替区間候補に連続する全ての車線変更区間とを組み合わせたパッケージを設定する。
車線変更区間がモード切替区間候補に連続しない場合、パッケージ設定部81は、モード切替区間候補に連続しない当該車線変更区間のみからなるパッケージを設定する。
パッケージ設定部81は、設定したパッケージを記憶部82へ格納する。
【0052】
運転者が切替スイッチ43を操作して自動運転モードを開始すると、パッケージ読出部83は、記憶部82に格納されたパッケージを読み出す。パッケージ読出部83は、読み出したパッケージのうち自車両前方の最も近いパッケージを選択する。
又はパッケージ読出部83は、パッケージ読出部83に格納されているパッケージのうち自車両前方の最も近いパッケージを選択して読み出してもよい。
【0053】
パッケージ読出部83は、自車両前方の最も近いパッケージの情報を渋滞判定部84、車線変更制御部85、及び切り替え制御部86へ出力する。
また、パッケージ読出部83は、自車両前方の最も近いパッケージが、連続するモード切替区間候補と車線変更区間とを組み合わせたパッケージであるか、モード切替区間候補に連続しない車線変更区間のみからなるパッケージであるかを判定する。
自車両前方の最も近いパッケージが連続するモード切替区間候補と車線変更区間とを組み合わせたパッケージである場合、パッケージ読出部83は、車線変更区間がモード切替区間候補の先に連続するか、モード切替区間候補の手前に連続するかを判断する。
【0054】
渋滞判定部84は、自車両前方の最も近いパッケージが渋滞しているか否かを判定する。具体的には、自車両前方の最も近いパッケージが、連続するモード切替区間候補と車線変更区間とを組み合わせのとき、連続するモード切替区間候補と車線変更区間とが連続して渋滞しているか否かを判定する。一方で、自車両前方の最も近いパッケージが、モード切替区間候補に連続しない車線変更区間のみからなるとき、当該車線変更区間が渋滞しているか否かを判定する。
【0055】
渋滞判定部84は、例えばナビゲーションシステム20の通信部27が路車間通信や車車間通信により得た交通情報に基づいて、渋滞しているか否かを判定してよい。また例えば、周囲環境センサ群10が検出した周囲環境情報に基づいて渋滞しているか否かを判定してもよい。
渋滞判定部84は、車線変更制御部85及び切り替え制御部86へ判定結果を出力する。
【0056】
車線変更制御部85は、自車両前方の最も近いパッケージに含まれる車線変更区間において運転者に呈示する車線変更案内を制御する。
車線変更制御部85は、自車両前方の最も近いパッケージが連続するモード切替区間候補と車線変更区間とを組み合わせであるか否か、及び当該パッケージの渋滞状況に応じて車線変更案内を制御する。
車線変更制御部85は、車線変更案内地点設定部87と、車線変更案内生成部88を備える。
【0057】
切り替え制御部86は、自車両前方の最も近いパッケージに含まれる車線変更区間における、自動運転モードから手動運転モードへ、及び手動運転モードから自動運転モードへの自車両の走行状態の切り替えを制御する。
切り替え制御部86は、自車両前方の最も近いパッケージが連続するモード切替区間候補と車線変更区間の組み合わせであるか否か、及び当該パッケージの渋滞状況に応じて走行状態の切り替えを制御する。
切り替え制御部86は、モード切替案内地点設定部89と、モード切替案内生成部90と、モード切替部91を備える。
【0058】
以下、車線変更制御部85と切り替え制御部86の動作を運転シーン別に説明する。
(1:自車両前方の最も近いパッケージが渋滞していない場合)
車線変更制御部85は、キープレフトを遵守しつつ通常の運転ルールに従って自動運転モードで車線変更を実行する。
具体的には、車線変更制御部85は、パッケージに含まれる車線変更区間において、車線変更区間にて行うべき車線変更が走行車線から追越車線への車線変更であるか、追越車線から走行車線への車線変更であるかを判断する。
【0059】
走行車線から追越車線への車線変更の場合、車線変更案内地点設定部87は、車線変更の要因となる要因地点に応じて車線変更区間に予め定められる地点を第1車線変更案内地点PL1として設定する。
例えば車線変更案内地点設定部87は、要因地点よりも第1所定距離D1だけ手前の地点を第1車線変更案内地点PL1として設定してよい。第1車線変更案内地点PL1を、例えば要因地点より100m〜300m手前の地点に定めてよい。
【0060】
車線変更案内生成部88は、自車両が第1車線変更案内地点PL1に到達したとき、走行車線から追越車線への車線変更案内を運転者に呈示する。
例えば、車線変更案内生成部88は、自動運転により車線変更を行うことを運転者に知らせる音声案内メッセージをナビゲーションシステム20の音声出力部26から出力してよい。また例えば車線変更案内生成部88は、自動運転により車線変更を行うことを運転者に知らせる視覚的案内メッセージを表示部24に表示してもよい。
その後、車線変更制御部85は自動運転にて走行車線から追越車線への車線変更を実行する。
【0061】
一方、追越車線から走行車線への車線変更の場合、車線変更案内生成部88は、車線変更区間への進入後に直ちに車線変更案内を運転者に呈示する。その後、車線変更制御部85は自動運転にて追越車線から走行車線への車線変更を実行する。
以上により、追越車線より走行車線を優先して走行するように走行車線から追越車線への車線変更案内地点を定めることが可能となる。
【0062】
さらに、自車両前方の最も近いパッケージがモード切替区間候補と車線変更区間の組み合わせである場合、切り替え制御部86は、パッケージに含まれるモード切替区間候補が合流地点であるか複数車線分の幅員を有する無車線区間であるかを判定する。
パッケージが渋滞していない場合には合流区間はモード切替区間とならない。このため、モード切替区間候補が合流地点である場合、切り替え制御部86は、モード切替区間候補がモード切替区間でないと判断する。
切り替え制御部86は、合流区間において自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを行なわず自動運転モードを継続する。コントローラ40は、自動運転にて本線へ進入するように合流区間で自車両を運転する。
【0063】
一方でモード切替区間候補が無車線区間である場合、切り替え制御部86は、モード切替区間候補がモード切替区間であると判断する。
切り替え制御部86は無車線区間の手前において自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
具体的には、モード切替案内地点設定部89は、無車線区間の手前において運転者が余裕を持って手動運転モードへの切替を完了できるように、自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を呈示する第1モード切替案内地点PM1を設定する。例えば、第1モード切替案内地点PM1は、無車線区間よりも第2所定距離D2だけ手前の地点であってよい。
【0064】
モード切替案内生成部90は、自車両が第1モード切替案内地点PM1に到達したとき、自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
例えばモード切替案内生成部90は、切替スイッチ43の操作により自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替えることを運転者に促す音声案内メッセージをナビゲーションシステム20の音声出力部26から出力してよい。
また例えばモード切替案内生成部90は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルの何れかの操作により自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへの切り替えることを運転者に促す音声案内メッセージを音声出力部26から出力してもよい。
【0065】
また例えば、モード切替案内生成部90は、切替スイッチ43の操作により自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへの切り替えることを運転者に促す視覚的案内メッセージをナビゲーションシステム20の表示部24に表示してもよい。
また例えば、モード切替案内生成部90は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルの何れかの操作により自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへの切り替えることを運転者に促す視覚的案内メッセージを表示部24に表示してもよい。
モード切替部91は、切替スイッチ43又はステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルが操作されると、自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替える。
【0066】
無車線区間(すなわちモード切替区間)の先に車線変更区間が連続する場合には、無車線区間を通過した後、モード切替案内生成部90は、手動運転モードから自動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
モード切替部91は、切替スイッチ43が操作されると、自車両の走行状態を手動運転モードから自動運転モードへ切り替える。
その後、車線変更区間で自動運転による車線変更案内を運転者に呈示する。
【0067】
一方で、無車線区間(すなわちモード切替区間)の手前に車線変更区間が連続している場合には、上述と同様に車線変更区間において自動運転で車線変更を実行する。
具体的には、車線変更区間で走行車線から追越車線への車線変更を行う場合、車線変更案内生成部88は、自車両が第1車線変更案内地点PL1に到達したとき、走行車線から追越車線への自動運転による車線変更案内を運転者に呈示する。
追越車線から走行車線への車線変更の場合には、車線変更案内生成部88は、車線変更区間への進入後に直ちに自動運転による車線変更案内を運転者に呈示する。
その後、車線変更制御部85は自動運転にて車線変更を実行する。
【0068】
そして、自車両が第1モード切替案内地点PM1に到達したとき、モード切替案内生成部90が、自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を呈示する。
モード切替案内に従って、切替スイッチ43又はステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルが操作されると、モード切替部91は自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替える。
【0069】
(2:自車両前方の最も近いパッケージが、連続しない車線変更区間のみからなるパッケージであり、当該車線変更区間が渋滞している場合)
車線変更区間が渋滞している場合には、車線変更を行うために自動運転モードから手動運転モードへ自車両の走行状態を切り替える必要がある。
このため、切り替え制御部86は、キープレフトを遵守しつつ通常の運転ルールに従って車線変更できるように、手動運転モードへのモード切替案内を呈示する。
【0070】
モード切替部91は、モード切替案内に従って切替スイッチ43又はステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルが操作されると、自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替える。
車線変更制御部85は、自車両の走行状態を手動運転モードへ切り替えたことを確認すると、通常の運転ルールに従って車線変更案内を運転者に呈示する。
【0071】
具体的には、車線変更案内地点設定部87は、車線変更を行う予定地点として第1車線変更案内地点PL1を設定する。
モード切替案内地点設定部89は、第1車線変更案内地点PL1までに運転者が余裕を持って手動運転モードへの切替を完了できるように自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を呈示する第2モード切替案内地点PM2を設定する。
【0072】
モード切替案内地点設定部89は、第1車線変更案内地点PL1に応じて車線変更区間に予め定められる地点を、第2モード切替案内地点PM2として設定してよい。例えば、第2モード切替案内地点PM2は、第1車線変更案内地点PL1よりも第3所定距離D3だけ手前の地点であってよい。
【0073】
モード切替案内生成部90は、自車両が第2モード切替案内地点PM2に到達したとき、自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
運転者がモード切替案内に従って自車両の走行状態を手動運転モードへ切り替えたことを確認すると、車線変更制御部85は、自車両が第1車線変更案内地点PL1を過ぎたか否かを判定する。
【0074】
自車両が第1車線変更案内地点PL1を過ぎていない場合、車線変更制御部85は、自車両が第1車線変更案内地点PL1に到達するまで待機する。
自車両が第1車線変更案内地点PL1を過ぎていた場合、又は自車両が第1車線変更案内地点PL1に到達した場合、車線変更案内生成部88は、車線変更案内を運転者に呈示する。
【0075】
(3:自車両前方の最も近いパッケージが、連続しない連続するモード切替区間候補と車線変更区間の組み合わせであり、当該パッケージが渋滞している場合)
モード切替区間候補が渋滞している場合、合流区間であるか無車線区間であるかに関わらずモード切替区間候補はモード切替区間となる。
モード切替区間では手動運転モードにより自車両を走行させる必要がある。
一方で、車線変更区間が渋滞している場合には手動運転モードで車線変更を行う必要がある。
【0076】
このとき、連続するモード切替区間候補と車線変更区間のそれぞれで自動運転モードから手動運転モードへ自車両の走行状態を切り替え、短期間の間に走行状態の切替が繰り返されると、運転者が煩わしさを感じ運転負荷を増加させる要因となる。
そこで、切り替え制御部86は、車線変更区間にて手動運転で車線変更を行う地点とモード切替区間との間で手動運転モードを継続する。すなわち、車線変更区間にて行う手動運転モードへの切り替えとモード切替区間にて行う手動運転モードへの切り替えをまとめて1回で行う。
【0077】
また、手動運転モードの継続により手動運転モードの走行距離が伸びると運転者の運転負荷が増加することがある。
そこで車線変更制御部85と切り替え制御部86は、車線変更区間にて手動運転で車線変更を行う地点とモード切替区間との間の手動運転モードの走行距離が短くなるように、モード切替案内地点と車線変更地点を設定する。
以下、モード切替区間の手前に連続する車線変更区間と、モード切替区間の先に連続する車線変更区間の場合に分けて、車線変更制御部85及び切り替え制御部86による処理を説明する。
【0078】
(A)モード切替区間の手前に連続する車線変更区間
車線変更案内地点設定部87は、車線変更を行う予定地点として第2車線変更案内地点PL2を設定する。
第2車線変更案内地点PL2は、第1車線変更案内地点PL1と同様に定めてよい。すなわち、車線変更の要因となる要因地点が存在する場合、要因地点よりも第1所定距離D1だけ手前の地点を第2車線変更案内地点PL2として設定してよい。
一方で、キープレフトを維持するための追越車線から走行車線への車線変更である場合には、車線変更区間の終端よりも第1所定距離D1だけ手前の地点を第2車線変更案内地点PL2として設定してよい。
【0079】
モード切替案内地点設定部89は、第2車線変更案内地点PL2までに運転者が余裕を持って手動運転モードへの切替を完了できるように自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を呈示する第3モード切替案内地点PM3を設定する。
モード切替案内地点設定部89は、第2車線変更案内地点PL2に応じて車線変更区間に予め定められる地点を、第3モード切替案内地点PM3として設定してよい。例えば、第3モード切替案内地点PM3は、第2車線変更案内地点PL2よりも第3所定距離D3だけ手前の地点であってよい。
【0080】
モード切替案内生成部90は、自車両が第3モード切替案内地点PM3に到達したとき、自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
モード切替案内に従って運転者が自車両の走行状態を手動運転モードへ切り替えたことを確認すると、車線変更制御部85は、自車両が第2車線変更案内地点PL2を過ぎたか否かを判定する。
【0081】
自車両が第2車線変更案内地点PL2を過ぎていない場合、車線変更制御部85は、その後に自車両が第2車線変更案内地点PL2に到達するまで待機する。
自車両が第2車線変更案内地点PL2を過ぎていた場合、又は自車両が第2車線変更案内地点PL2に到達した場合、車線変更案内生成部88は、走行車線から追越車線への車線変更案内を運転者に呈示する。
モード切替案内生成部90は、車線変更が完了しても手動運転モードでモード切替区間を通過するまで、手動運転モードから自動運転モードへのモード切替案内の呈示を停止する。
【0082】
ここで、パッケージが渋滞していない場合に追越車線から走行車線への車線変更を行う際には、上記の通り、車線変更区間進入後直ちに自動運転による車線変更案内が呈示される。
これと比較すると、パッケージが渋滞している場合には、モード切替案内を第3モード切替案内地点PM3まで遅らせることにより車線変更地点をモード切替区間へ近付けることができる。すなわち、自動運転モードから手動運転モードへのモード切替を遅らせて、手動運転モードの走行距離を短縮できる。
【0083】
なお、車線変更案内を呈示する予定時期を遅らせて、第2車線変更案内地点PL2を第1車線変更案内地点PL1よりもモード切替区間に近付けてもよい。これにより、車線変更地点をモード切替区間へさらに近付けることができる。
例えば、要因地点よりも第4所定距離D4(<第1所定距離D1)だけ手前の地点を第2車線変更案内地点PL2として設定してよい。
また、第3所定距離D3と第4所定距離D4との和(D3+D4)を第1所定距離D1よりも短くすることにより、パッケージが渋滞していない場合の第1車線変更案内地点PL1と比較して、第3モード切替案内地点PM3をモード切替区間へ近付けてもよい。
【0084】
一方で、走行車線から追越車線への車線変更の場合にも、パッケージが渋滞していない場合よりも、車線変更地点をモード切替区間へ近付けることができる。
例えば、第2車線変更案内地点PL2を、パッケージが渋滞していない場合の第1車線変更案内地点PL1よりもモード切替区間へ近付けてもよく、第3モード切替案内地点PM3を第1車線変更案内地点PL1よりもモード切替区間へ近付けてもよい。
このように、自動運転モードから手動運転モードへの切替を遅らせることにより手動運転モードの走行距離を短縮できる。
【0085】
なお、モード切替区間の手前に車線変更区間が連続しない場合には、切り替え制御部86は、モード切替区間の手前において自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
具体的には、モード切替案内地点設定部89は、モード切替区間の手前において運転者が余裕を持って手動運転モードへの切替を完了できるように自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を呈示する第1モード切替案内地点PM1を設定する。第1モード切替案内地点PM1は、モード切替区間よりも第2所定距離D2だけ手前の地点であってよい。
【0086】
モード切替案内生成部90は、自車両が第1モード切替案内地点PM1に到達したとき、自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
モード切替部91は、切替スイッチ43又はステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルが操作されると、自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替える。
【0087】
(B)モード切替区間の先に連続する車線変更区間
手動運転モードで自車両がモード切替区間を走行した後、モード切替案内生成部90は、車線変更区間にて手動運転モードで車線変更を行うまで、手動運転モードから自動運転モードへのモード切替案内の呈示を停止する。
車線変更制御部85は、モード切替区間の先に連続する車線変更区間にて行うべき車線変更が走行車線から追越車線への車線変更であるか、追越車線から走行車線への車線変更であるかを判断する。
【0088】
追越車線から走行車線への車線変更の場合、車線変更案内生成部88は、車線変更区間への進入後に直ちに車線変更案内を運転者に呈示する。
モード切替案内生成部90は、車線変更案内に従って運転者が追越車線から走行車線へ車線変更したことを確認すると、手動運転モードから自動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
モード切替部91は、切替スイッチ43が操作されると、自車両の走行状態を手動運転モードから自動運転モードへ切り替える。
【0089】
走行車線から追越車線への車線変更の場合、車線変更案内地点設定部87は、第1車線変更案内地点PL1よりもモード切替区間に近い第3車線変更案内地点PL3を、車線変更案内を呈示する地点として設定する。
例えば、要因地点よりも第5所定距離D5(>第1所定距離D1)だけ手前の地点を第3車線変更案内地点PL3として設定してよい。
また例えば、車線変更案内地点設定部87は、自車両が車線変更区間に進入すると直ぐに車線変更案内を運転者に呈示できるように、モード切替区間から第6所定距離以下の地点を第3車線変更案内地点PL3として設定してもよい。
【0090】
車線変更案内生成部88は、自車両が第3車線変更案内地点PL3に到達したとき、走行車線から追越車線への車線変更案内を運転者に呈示する。
このため、パッケージが渋滞していない場合の第1車線変更案内地点PL1よりも、モード切替区間に近い第3車線変更案内地点PL3にて自動運転での車線変更の案内が行われる。したがって、車線変更地点をモード切替区間へ近付けることができる。すなわち、自動運転モードから手動運転モードへのモード切替を早めて、手動運転モードの走行距離を短縮できる。
【0091】
モード切替案内生成部90は、車線変更案内に応じて運転者が走行車線から追越車線へ車線変更したことを確認すると、手動運転モードから自動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
モード切替部91は、切替スイッチ43が操作されると、自車両の走行状態を手動運転モードから自動運転モードへ切り替える。
【0092】
(動作)
次に、
図6〜
図9を参照して運転支援装置1の動作の一例を説明する。
図6のステップS1においてナビゲーションシステム20は、乗員により入力された目的地まで自動運転で自車両を走行させる走行経路を設定する。
ステップS2において区間抽出部80は、地図データベース23から、走行経路上に存在するモード切替区間候補を抽出する。さらに区間抽出部80は、走行経路上に存在する車線変更区間を抽出する。
【0093】
ステップS3においてパッケージ設定部81は、連続するモード切替区間候補と車線変更区間とを組み合わせたパッケージと、モード切替区間候補に連続しない車線変更区間のみからなるパッケージを設定する。パッケージ設定部81は、設定したパッケージを記憶部82へ格納する。
運転者が切替スイッチ43を操作して自動運転モードを選択すると、ステップS4においてコントローラ40は自動運転モードによる自車両の運転を開始する。
【0094】
ステップS5においてパッケージ読出部83は、記憶部82へ格納されたパッケージのうち自車両前方の最も近いパッケージを選択する。
ステップS6においてパッケージ読出部83は、選択したパッケージが、連続するモード切替区間候補と車線変更区間とを組み合わせたパッケージか否かを判定する。
選択したパッケージが連続するモード切替区間候補と車線変更区間との組み合わせである場合(ステップS6:Y)に処理はステップS7へ進む。
選択したパッケージが連続するモード切替区間候補と車線変更区間との組み合わせでない場合、すなわちモード切替区間候補に連続しない車線変更区間のみからなるパッケージの場合(ステップS6:N)に処理はステップS10へ進む。
【0095】
ステップS7において渋滞判定部84は、選択したパッケージが渋滞しているか否かを判断する。パッケージが渋滞している場合(ステップS7:Y)に処理はステップS9へ進む。パッケージが渋滞していない場合(ステップS7:N)に処理はステップS8へ進む。
ステップS8では、連続するモード切替区間候補と車線変更区間とを組み合わせたパッケージが渋滞していない場合におけるモード切替案内及び車線変更案内を行う第1案内処理を行う。
【0096】
ステップS9では、連続するモード切替区間候補と車線変更区間とを組み合わせたパッケージが渋滞している場合におけるモード切替案内及び車線変更案内を行う第2案内処理を行う。
ステップS10では、モード切替区間候補に連続しない車線変更区間のみからなるパッケージにおけるモード切替案内及び車線変更案内を行う第3案内処理を行う。
第1案内処理、第2案内処理及び第3案内処理は、
図7〜
図9を参照してそれぞれ後述する。
【0097】
第1案内処理、第2案内処理及び第3案内処理の後、処理はステップS11へ進む。
ステップS11においてパッケージ読出部83は、まだ選択していないパッケージが記憶部82に残っているか否かを判定する。
選択していないパッケージが記憶部82に残っている場合(ステップS11:Y)に処理はステップS5へ戻る。選択していないパッケージが記憶部82に残っていない場合(ステップS11:N)に処理は終了する。
【0098】
(第1案内処理)
図7を参照して、
図6に示す第1案内処理S8を説明する。
ステップS20においてパッケージ読出部83は、
図6のステップS5で選択したパッケージにおいて、モード切替区間候補の手前に車線変更区間が連続するか否かを判定する。
モード切替区間候補の手前に車線変更区間が連続する場合(ステップS20:Y)に処理はステップS21へ進む。モード切替区間候補の手前に車線変更区間が連続しない場合(ステップS20:N)ステップS21をスキップして処理はステップS22へ進む。この場合、自車両は車線変更区間を経由せずにモード切替区間候補へ進入する。
【0099】
ステップS21においてコントローラ40は、自動運転で自車両を車線変更区間で走行させる。
走行車線から追越車線へ車線変更する場合、車線変更案内生成部88は、車線変更区間に予め定められる第1車線変更案内地点PL1に自車両が到達した時に、走行車線から追越車線への車線変更案内を呈示する。
追越車線から走行車線へ車線変更する場合、車線変更案内生成部88は、車線変更区間への進入後に直ちに車線変更案内を呈示する。
その後、車線変更制御部85は自動運転にて車線変更を実行する。
【0100】
ステップS22において切り替え制御部86は、モード切替区間候補が合流区間であるか料金所であるか(すなわち料金所手前の無車線区間であるか)を判定する。
モード切替区間候補が料金所である場合(ステップS22:料金所)、切り替え制御部86はモード切替区間候補がモード切替区間であると判断する。処理はステップS23へ進む。モード切替区間候補が合流区間である場合(ステップS22:合流区間)に処理はステップS27へ進む。
【0101】
ステップS23においてコントローラ40は、料金所の手前において自車両前方にある料金所の案内を運転者に呈示する。モード切替案内生成部90は、料金所の手前に設定された第1モード切替案内地点PM1に自車両が到達したとき、自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
モード切替部91は、切替スイッチ43又はステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルが操作されると、自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替える。
【0102】
ステップS24においてパッケージ読出部83は、モード切替区間候補の先に車線変更区間が連続するか否かを判定する。モード切替区間候補の先に車線変更区間が連続する場合(ステップS24:Y)に処理はステップS25へ進む。モード切替区間候補の先に車線変更区間が連続しない場合(ステップS24:N)に処理はステップS30へ進む。
【0103】
料金所を通過した後、ステップS25においてモード切替案内生成部90は、手動運転モードから自動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
モード切替案内に従って切替スイッチ43が操作されると、モード切替部91は、自車両の走行状態を手動運転モードから自動運転モードへ切り替える。車線変更制御部85は、自動運転モードへの切替完了を確認する。
ステップS26においてコントローラ40は、自動運転で自車両を車線変更区間で走行させる。ステップS26の処理はステップS21の処理と同様である。その後に第1案内処理は終了する。
【0104】
一方で、パッケージのモード切替区間候補が合流区間である場合(ステップS22:合流区間)には、パッケージが渋滞していないため、切り替え制御部86はモード切替区間候補がモード切替区間でないと判断する。ステップS27において切り替え制御部86は、合流区間において自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを行なわず自動運転モードを継続する。コントローラ40は、自動運転にて本線へ進入するように合流区間で自車両を運転する。
【0105】
ステップS28においてパッケージ読出部83は、モード切替区間候補の先に車線変更区間が連続するか否かを判定する。モード切替区間候補の先に車線変更区間が連続する場合(ステップS28:Y)に処理はステップS29へ進む。
モード切替区間候補の先に車線変更区間が連続しない場合(ステップS28:N)に第1案内処理は終了する。
ステップS29においてコントローラ40は、自動運転で自車両を車線変更区間で走行させる。ステップS29の処理はステップS21の処理と同様である。その後に第1案内処理は終了する。
【0106】
料金所の先に車線変更区間が連続しない場合(ステップS24:N)には、無車線区間を通過した後、ステップS30においてモード切替案内生成部90は、手動運転モードから自動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
モード切替案内に従って切替スイッチ43が操作されると、モード切替部91は、自車両の走行状態を手動運転モードから自動運転モードへ切り替える。その後に第1案内処理は終了する。
【0107】
(第2案内処理)
図8を参照して、
図6に示す第2案内処理S9を説明する。第2案内処理S9はパッケージが渋滞している場合に実行される(
図6のステップS7:Y)。したがって、合流区間であっても無車線区間であってもモード切替区間候補はモード切替区間となる。
ステップS40においてパッケージ読出部83は、
図6のステップS5で選択したパッケージにて、モード切替区間の手前に車線変更区間が連続するか否かを判定する。
【0108】
モード切替区間の手前に車線変更区間が連続する場合(ステップS40:Y)に処理はステップS41へ進む。モード切替区間の手前に車線変更区間が連続しない場合(ステップS40:N)に処理はステップS44へ進む。
ステップS41において車線変更案内地点設定部87及びモード切替案内地点設定部89は、車線変更区間における車線変更地点が、パッケージが渋滞していない場合に比べてモード切替区間に近づくように、車線変更案内地点とモード切替案内地点を設定する。
【0109】
例えば、車線変更案内地点設定部87は、上記の通り要因地点よりも第1所定距離D1だけ手前の地点を第2車線変更案内地点PL2として設定してよい。そして、モード切替案内地点設定部89は、第2車線変更案内地点PL2よりも第3所定距離D3だけ手前の地点を、モード切替案内を呈示する第3モード切替案内地点PM3として設定してよい。
【0110】
上記の通り、パッケージが渋滞していない場合、追越車線から走行車線への車線変更を行う際には、上記の通り、車線変更区間進入後直ちに車線変更案内が呈示される。このようにパッケージが渋滞していない場合と比較すると、第3モード切替案内地点PM3へ至るまでモード切替案内を遅らせることにより車線変更地点をモード切替区間へ近付けることができる。
一方、走行車線から追越車線への車線変更の場合には、第2車線変更案内地点PL2や第3モード切替案内地点PM3をパッケージが渋滞していない場合の第1車線変更案内地点PL1よりもモード切替区間へ近付けてもよい。これにより、車線変更地点をモード切替区間へ近付けることができる。
【0111】
ステップS42においてモード切替案内生成部90は、自車両が第3モード切替案内地点PM3に到達したとき、自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
モード切替案内に従って切替スイッチ43又はステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルが操作されると、モード切替部91は、自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替える。
車線変更制御部85が手動運転モードへの切り替え完了を確認した後、車線変更案内生成部88は車線変更案内を運転者に呈示する。
【0112】
ステップS43においてコントローラ40は、モード切替区間(すなわち合流区間又は料金所手前の無車線区間)の手前において、モード切替区間の案内を運転者に呈示する。
その後、モード切替案内生成部90は、モード切替区間を通過するまで、手動運転モードから自動運転モードへのモード切替案内の呈示を停止する。これにより手動運転モードが維持される。その後に処理はステップS45へ進む。
モード切替区間の手前に車線変更区間が連続しない場合(ステップS40:N)には、ステップS44において切り替え制御部86は、モード切替区間の手前において、モード切替区間の案内と、自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
【0113】
モード切替案内に従って切替スイッチ43又はステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルが操作されると、モード切替部91は、自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替える。これにより自車両は手動運転モードでモード切替区間を走行する。
ステップS45においてパッケージ読出部83は、モード切替区間の先に車線変更区間が連続するか否かを判定する。
【0114】
モード切替区間の先に車線変更区間が連続する場合にモード切替案内生成部90は、車線変更区間にて車線変更を行うまで、手動運転モードから自動運転モードへのモード切替案内の呈示を停止する。これにより手動運転モードが維持される。その後に処理はステップS46へ進む(ステップS45:Y)。
モード切替区間の先に車線変更区間が連続しない場合(ステップS45:N)に処理はステップS48へ進む。
【0115】
ステップS46において車線変更案内地点設定部87及びモード切替案内地点設定部89は、車線変更区間における車線変更地点が、パッケージが渋滞していない場合に比べてモード切替区間に近づくように、車線変更案内地点とモード切替案内地点を設定する。
走行車線から追越車線への車線変更の場合、車線変更案内地点設定部87は、パッケージが渋滞していない場合の第1車線変更案内地点PL1よりもモード切替区間に近い第3車線変更案内地点PL3を、車線変更案内を呈示する地点として設定する。
【0116】
ステップS47において車線変更案内生成部88は、自車両が第3車線変更案内地点PL3に到達したとき、走行車線から追越車線への車線変更案内を運転者に呈示する。
このため、パッケージが渋滞していない場合の第1車線変更案内地点PL1よりも、モード切替区間に近い第3車線変更案内地点PL3にて自動運転での車線変更の案内が行われる。
追越車線から走行車線への車線変更の場合、車線変更案内生成部88は、車線変更区間への進入後に直ちに車線変更案内を運転者に呈示する。
【0117】
ステップS48においてモード切替案内生成部90は、車線変更案内に応じて運転者が走行車線から追越車線へ車線変更したことを確認すると、手動運転モードから自動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
モード切替部91は、切替スイッチ43が操作されると、自車両の走行状態を手動運転モードから自動運転モードへ切り替える。その後、第2案内処理は終了する。
【0118】
(第3案内処理)
図9を参照して、
図6に示す第3案内処理S10を説明する。
ステップS50において渋滞判定部84は、
図6のステップS5で選択したパッケージが渋滞しているか否かを判断する。パッケージが渋滞している場合(ステップS50:Y)に処理はステップS51へ進む。パッケージが渋滞していない場合(ステップS50:N)に処理はステップS53へ進む。
【0119】
ステップS51において車線変更案内地点設定部87は、車線変更を行う予定地点として第1車線変更案内地点PL1を設定する。モード切替案内地点設定部89は、第1車線変更案内地点PL1に応じて第2モード切替案内地点PM2を設定する。
モード切替案内生成部90は、自車両が第2モード切替案内地点PM2に到達したとき、自動運転モードから手動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
【0120】
モード切替部91は、モード切替案内に従って切替スイッチ43又はステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルが操作されると、自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替える。
手動運転モードへの切り替え完了後に、車線変更案内生成部88は、車線変更案内を運転者に呈示する。
【0121】
ステップS52においてモード切替案内生成部90は、車線変更案内に応じて運転者が走行車線から追越車線へ車線変更したことを確認すると、手動運転モードから自動運転モードへのモード切替案内を運転者に呈示する。
モード切替部91は、切替スイッチ43が操作されると、自車両の走行状態を手動運転モードから自動運転モードへ切り替える。その後、第3案内処理は終了する。
ステップS53においてコントローラ40は、自動運転で自車両を車線変更区間で走行させる。ステップS53の処理は、
図7のステップS21の処理と同様である。その後に第3処理は終了する。
【0122】
(実施形態の効果)
(1)区間抽出部80及び切り替え制御部86は、走行経路上の区間が、道路構造により自動運転の継続が困難な場合に、自車両の走行状態を自動運転モードから手動運転モードへ切り替えるモード切替区間であるか否かを判定する。パッケージ設定部81は、走行経路上で自車両が車線変更を行う車線変更区間がモード切替区間と連続するか否かを判定する。
【0123】
切り替え制御部86は、モード切替区間と車線変更区間とが連続し、且つ車線変更区間が渋滞し自動運転による車線変更を行えない場合には、車線変更区間にて手動運転で車線変更を行う地点とモード切替区間との間で手動運転モードを継続する。
これにより、車線変更区間にて行う手動運転モードへの切り替えとモード切替区間にて行う手動運転モードへの切り替えをまとめて1回で行うことができる。この結果、連続する車線変更区間とモード切替区間における手動運転モードへの切り替え回数が低減される。このため、手動運転モードへ切替が頻繁に発生することによる煩わしさを軽減して、運転者の運転負荷を軽減できる
【0124】
(2)モード切替区間は、複数車線分の幅員を有する無車線区間、又は渋滞している合流先車線へ自車線が合流する合流区間であってよい。
これらの区間では手動運転モードへの切替が発生するため、これらの区間における手動運転モードへの切替を、車線変更区間における手動運転モードへの切替とまとめることにより手動運転モードへの切り替え回数を低減できる。
【0125】
(3)車線変更制御部85及び切り替え制御部86は、モード切替区間と車線変更区間とが連続し、且つ車線変更区間が渋滞している場合に、車線変更区間が渋滞していない場合に比べて車線変更区間における車線変更地点をモード切替区間へ近付けてよい。
これにより、車線変更区間にて車線変更を行う地点とモード切替区間との間で手動運転モードで走行する距離を短縮できる。
【0126】
(4)モード切替区間の手前に車線変更区間が連続し、且つ車線変更区間が渋滞していない場合に、車線変更制御部85は、車線変更区間の走行車線及び追越車線のうち走行車線上で自車両を自動運転モードにより走行させた後、車線変更区間内に予め定めた車線変更案内地点で走行車線から追越車線への車線変更案内を行ってよい。
これにより、渋滞していない車線変更区間では、追越車線以外の車両通行帯を通行する原則(例えば、日本国における「キープレフト」)を遵守するように自動運転を継続することができる。
【0127】
(5)モード切替区間の先に車線変更区間が連続し、且つ車線変更区間が渋滞していない場合に、車線変更制御部85は、車線変更区間において手動運転モードから自動運転モードへ切り替え、車線変更区間の走行車線及び追越車線のうち走行車線上で自車両を自動運転モードにより走行させた後、車線変更区間内に予め定めた車線変更案内地点で走行車線から追越車線への車線変更案内を行ってよい。
これにより、渋滞していない車線変更区間では、追越車線以外の車両通行帯を通行する原則(例えば、日本国における「キープレフト」)を遵守するように自動運転を継続することができる。
【0128】
(6)車線変更区間が渋滞していない場合には、車線変更制御部85は、車線変更区間において追越車線より走行車線を優先して走行するように、走行車線から追越車線への車線変更案内地点を定める。
これにより、渋滞していない車線変更区間では、追越車線以外の車両通行帯を通行する原則(例えば、日本国における「キープレフト」)を遵守するように自動運転を継続することができる。
【0129】
(7)モード切替区間と車線変更区間とが連続せず、且つ車線変更区間が渋滞している場合には、車線変更制御部85及び切り替え制御部86は、車線変更区間の走行車線及び追越車線のうち走行車線上で自車両を自動運転モードにより走行させた後、車線変更区間内に予め定めたモード切替案内地点で自動運転モードから手動運転モードへの切替案内を行う。
これにより、追越車線以外の車両通行帯を通行する原則(例えば、日本国における「キープレフト」)を遵守するように自動運転を継続し、適切な地点で自動運転モードから手動運転モードへの切替が可能になる。