【文献】
Noevir,Retinol Enrich 77,Mintel GNPD,2019年01月,ID#:6248885,URL:https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
イワベンケイ抽出物を化粧料に配合することにより、コラーゲンの産生を促進させることが知られている(特許文献1特開2003−26532号公報)
加水分解ノグルミ抽出物を含有する化粧料がコラーゲン合成促進作用を有することが知られている(特許文献2特開2012−136452号公報)。
ツボクサ抽出物をメイラード反応阻害剤として配合する化粧料が知られている(特許文献3特開2004−189663号公報)。
加水分解大豆抽出物を水中油型乳化化粧料に配合することが知られている(特許文献4特開平2−90936号公報)。
ホホバ葉抽出物を含有する化粧料が活性酸素抑制作用を発揮することが知られている(特許文献5特開2000−154135号公報)
ビルベリー抽出物を含有する化粧料が紫外線照射による皮膚の障害を抑制又は改善することが知られている(特許文献6特開2005−306850号公報)。
セイヨウナシ抽出物を含有する化粧料が美白作用を有することが知られている。(特許文献7特開昭62−10006号公報)。
また、植物抽出物を併用して化粧料に配合することも数多く検討されている。しかしながら、植物抽出物は単に併用すれば効果が相乗的に向上するものではなく、相加的に効果が向上するもの、効果を相殺するものなど、その併用による効果は、予測不可能な効果であり、より少量で、より高い効果の得られる植物抽出物の併用に関するニーズは非常に高い。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明を実施するための形態を説明する。
【0009】
本発明の化粧料はイワベンケイ抽出物、ノグルミ抽出物、ツボクサ抽出物、ダイズ抽出物、ホホバ抽出物、ビルベリー抽出物及びセイヨウナシ抽出物を必須成分として含有する。
【0010】
本発明で使用するイワベンケイ抽出物は、イワベンケイ(Rhodiola rosea;Hylotelephium rosea)の根を用いる。
【0011】
抽出物を調製する際には、生の植物をそのまま、若しくは乾燥させて用いる。
【0012】
抽出溶媒としては、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等の低級アルコール、1,3-ブチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル,プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル類、アセトン,エチルメチルケトン等のケトン類などの極性有機溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。また、生理食塩水,リン酸緩衝液,リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。
【0013】
上記溶媒による抽出物は、そのままでも用いることができるが、濃縮,乾固したものを水や極性溶媒に再度溶解したり、或いはそれらの皮膚生理機能向上作用を損なわない範囲で脱色,脱臭,脱塩等の精製処理を行ったり、カラムクロマトグラフィーによる分画処理を行った後に用いてもよい。また、抽出物を酸、アルカリ、酵素などを用いて加水分解したものを用いてもよい。また保存のため、精製処理の後凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
【0014】
本発明のイワベンケイ抽出物は、50%エタノール水溶液を抽出溶媒として用いることが、効果の点から好ましい。
【0015】
本発明で使用するノグルミの抽出物を得る際の抽出部位としては特に限定されないが、果実を用いることが好ましい。抽出方法としては、イワベンケイ抽出物を得る際と同様である。
【0016】
本発明においてはノグルミの果実を水、低級アルコール、多価アルコールの1種または2種以上を抽出溶媒として用いて得られる抽出物を、グルコシダーゼ活性を有する酵素を用いて加水分解して得られる、加水分解ノグルミ抽出物を用いることが好ましい。かかる抽出物としては、市販の抽出物を用いることができ、例えばSK Bioland社製BIO−PSE(VI)が例示される。
【0017】
本発明で使用するツボクサの抽出部位は花、花穂、果皮、果実、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、根、種子又は全草を用いるが、その他、同属種を用いることもできる。抽出方法としては、イワベンケイ抽出物を得る際と同様である。本発明においては、ツボクサの葉及び茎を用いたエタノール抽出物を用いることが好ましい。
【0018】
本発明で使用する大豆の抽出部位は特に限定されないが、種子を用いることが好ましい。また大豆の品種としては、黒大豆を用いることが好ましい。抽出方法としては、イワベンケイ抽出物を得る際と同様である。本発明においては、乾燥、粉砕した大豆種子を水で抽出、ろ過した溶液をプロテアーゼ処理したものを用いることが好ましい。
【0019】
本発明で使用するホホバの抽出部位は葉、花、実から選択される1種又は2種以上の部位を用いることが好ましく、さらに好ましくは葉である。抽出溶媒、抽出方法としては、上述のイワベンケイ抽出物の場合と同様である。好ましい抽出溶媒としてはエタノール水溶液を挙げることができる。
【0020】
本発明で使用するビルベリーは、ビルベリー又はその近縁種を用いる。抽出部位は、葉、茎、花、実、根から選択される1種又は2種以上の部位を用いることができ、好ましくは葉を用いる。抽出溶媒、抽出方法としては、上述のイワベンケイ抽出物の場合と同様である。好ましい抽出溶媒としては1,3−ブチレングリコール水溶液を挙げることができる。
【0021】
本発明で使用するセイヨウナシの抽出部位としては特に限定されないが、果汁を用いることが好ましい。抽出溶媒、抽出方法としては、上述のイワベンケイ抽出物の場合と同様である。本発明においては、セイヨウナシの果汁を乳酸桿菌(Lactobacillus plantarum)を用いて発酵させた後、不溶物をろ過除去したものに、30質量%となるように1,3−ブチレングリコールを添加したものを用いることが好ましい。
【0022】
本発明において上記抽出物の配合量はそれぞれ、エキス純分として0.00001〜5質量%が好ましい。
【0023】
本発明で使用する化粧料には、レチノール誘導体を配合することが好ましい。
【0024】
レチノール誘導体は、特に限定されないが、レチノールそのもの、レチノールと脂肪酸とのエステル、レチノールの酸化物、又は当該酸化物のエステル、レチノールの水素添加物等が含まれる。また、レチノイン酸又はそのエステルも包含する。さらに体内で代謝されてレチノールとなるα−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、β−クリプトキサンチン、エキネノンなどのプロビタミンAも包含する。
【0025】
レチノールと脂肪酸とのエステルについては、具体例として、酢酸レチノール、プロピオン酸レチノール、酪酸レチノール、オクチル酸レチノールステル、ラウリン酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ステアリン酸レチノール、ミリスチン酸レチノール、オレイン酸レチノール、リノレン酸レチノール、リノール酸レチノール等が挙げられる。これらのうち、好ましくはパルミチン酸レチノール、リノール酸レチノールである。
【0026】
レチノールの酸化物としては、例えば、レチノイン酸(「トレチノイン」とも称する。)、レチナール等が挙げられる。また、レチノールの酸化物のエステルとしては、例えば、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、レチノイン酸トコフェロール(トコフェロールは、α、β、γ、δの構造を取り得る)等が挙げられる。これらのうち、レチノイン酸d−δ−トコフェロールを用いることが好ましい。
【0027】
レチノールの水素添加物としては、水添レチノールが挙げられる。
【0028】
プロビタミンAとしては、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、β−クリプトキサンチン、エキネノン等が挙げられ、特にα−カロテン、β−カロテンが好ましい。
【0029】
本発明におけるレチノール誘導体について、その原料、製造方法、精製方法等は特に限定されない。動物等から自ら単離及び精製したものを用いてもよく、或いは市販品を用いてもよい。レチノール誘導体の市販品としては、例えば、理研ビタミン株式会社、DSMニュートリションジャパン株式会社、小華薬品株式会社、BASFジャパン株式会社、日光ケミカルズ株式会社、Wacker Chemie AG,東京化成工業株式会社等で製造又は販売されている商品が挙げられる。
【0030】
本発明の化粧料におけるレチノール誘導体の含有量は、特に限定されないが、レチノール誘導体の総量として0.0001〜5質量%であり良い好ましくは0.0001〜1質量%である。
【0031】
本発明で使用する化粧料は、上述の成分の他に、通常の化粧料、医薬部外品に用いられる任意成分を、本発明の効果を阻害しない程度に配合することができる。具体的には、油剤、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、抗酸化剤、抗炎症剤、抗菌剤等を挙げることができる。
【0032】
本発明の化粧料の剤型は、特に限定されず、水系、油系、乳化型等いずれの剤型でもよい。
【0033】
本発明の化粧料は定法により調製することができる。
【0034】
本発明の化粧料は、例えば、ローション剤、乳剤、軟膏の剤型で用いることができる。
【0035】
本発明の美容方法(医療行為は除く)は、上述の化粧料を顔面に塗布しながらマッサージするステップを含む。かかるマッサージは、美容方法の一手段であり、医療行為を含むものではない。本発明の方法は、化粧品等の製造者、販売者、メイクアップ・アーティスト、美容スタッフ、またはエステティシャン等が行うことができる。マッサージは、
(1)さするステップ
(2)たたくステップ
(3)密着させるステップ
(4)クールダウンするステップ
を順に含むことができる。
【0036】
より具体的には、次のステップを含むことが好ましい。
(1)さするステップ
本ステップは化粧料を適量塗布し塗り拡げるステップである。
更に詳細には、化粧料を適量(全顔で約0.4〜0.8g)手の甲にとり、額、頬、小鼻、あごに左右対称となるように置く。(以下のステップはすべて左右対象となるように、指の腹を用いて行う。)
額は引き揚げるようにらせんを6回描き、最後にこめかみをゆっくりプレスする。
らせんの回数は6回が好ましい。
眼頭神経を1回プレスした後、手を横にして瞼の上からこめかみまで滑らせる。その後目の下を通り眼頭神経をプレスし、目の下を通りこめかみで手を止める。
鼻の側面を下から上に王府sく、小鼻の周りを下から上に往復する。
口の周りを半円を描くように下から上に3往復する。
下から上への往復は3回が好ましい。
頬は顎先からこめかみに向かってらせんを、最後にこめかみをゆっくりプレスする。
らせんの回数は6回が好ましい。
(2)たたくステップ
頬を4指の腹を使ってリズミカルにたたく。目安は20〜30秒。
(3)密着させるステップ
額に手のひらを縦方向において密着させ、勢いよく離す。
頬に手のひらを斜め上方向において密着させ、勢いよく離す。
顎に手のひらを横方向において密着させ、勢いよく離す。
このステップは2セット行うことが好ましい。
(4)クールダウンするステップ
顔の中央から外方向に向かって額、まぶた、鼻、口の順に手を滑らせる。
【0037】
本発明の美容方法を採用することにより、化粧料によるシワ改善効果が非常に向上する。
【0038】
マッサージは、1日1〜3回以上、1週間以上継続して行うことが好ましい。さらには1日2回以上、4週間以上継続して行うことが好ましい。
【実施例】
【0039】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのない限り質量%である。
【0040】
まず、実施例等に用いる植物抽出物の調製方法を示す。
【0041】
[イワベンケイ抽出物]
乾燥させたイワベンケイの根を細切した。続いて20倍量の50容量%エタノール水溶液に24時間浸漬した。ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去したエキス末を得た。得られたエキス末を0.5質量%の濃度となるよう50質量%1,3−ブチレングリコール水溶液に溶解し、イワベンケイ抽出物とした。
【0042】
[ノグルミ抽出物]
ノグルミ抽出物として、SK Bioland社製BIO−PSE(VI)を用いた。
【0043】
[ツボクサ抽出物]
乾燥させたツボクサの葉及び茎を細切した。続いて20倍量の無水エタノールに浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去して得られたエキス末をツボクサ抽出物とした。
【0044】
[ダイズ抽出物]
乾燥させた黒ダイズの種子を粉砕し、20倍量の精製水を用いて抽出した、ろ過後ろ液をプロテアーゼで処理し、酵素を失活させた。ろ過後のろ液をダイズ抽出物とした。
【0045】
[ホホバ抽出物]
ホホバの葉を乾燥後細切し、10質量倍量の50質量%エタノール水溶液に浸漬し、ろ過後ろ液を採取し、溶媒を留去した。得られた抽出物を50質量%1,3−ブチレングリコール水溶液に溶解後熟成し、再度ろ過したものをホホバ抽出物とした。
【0046】
[ビルベリー抽出物]
乾燥させたビルベリーの果実を細切し、50容量%1,3−ブチレングリコール水溶液に浸漬した。ろ過後ろ液を採取し、ビルベリー抽出物とした。
【0047】
[セイヨウナシ抽出物]
セイヨウナシの果汁を乳酸桿菌(Lactobacillus plantarum)を用いて発酵させた後、不溶物をろ過除去したものに、30質量%となるように1,3−ブチレングリコールを添加したものをセイヨウナシ抽出物とした。
【0048】
[混合植物抽出物]
イワベンケイ抽出物を0.5質量部、ノグルミ抽出物を0.01質量部、ツボクサ抽出物を0.0025質量部、ダイズ抽出物を1質量部、ホホバ抽出物を0.1質量部、ビルベリー抽出物を0.5質量部、セイヨウナシ抽出物を0.01質量部となるように植物抽出物を混合し、混合植物抽出物とした。
【0049】
【表1】
【0050】
[使用試験]
使用した化粧料:表1に示した処方にて定法により化粧料を調製し、試験に供した。
被験者:30〜60代女性30名を被験者とした。
使用方法:一日2回以上、スキンケアの際、化粧水使用後に上記化粧料を、下記の方法で使用する。
使用量:統一されたポンプ式容器を用い全顔で3プッシュ(約0.6g)とする。
期間:8週間
n数:マッサージ 有16名 / 無14名
[使用方法]
(1)さするステップ
上記の化粧料をを手の甲にとり、額、頬、小鼻、あごに左右対称となるように置く。(以下のステップはすべて左右対象となるように、指の腹を用いて行う。)
額は引き揚げるようにらせんを6回描き、最後にこめかみをゆっくりプレスする。
眼頭神経を1回プレスした後、手を横にして瞼の上からこめかみまで滑らせる。その後目の下を通り眼頭神経をプレスし、目の下を通りこめかみで手を止める。
鼻の側面を下から上に3往復、小鼻の周りを下から上に3往復する。
口の周りを半円を描くように下から上に3往復する。
頬は顎先からこめかみに向かってらせんを6回描き、最後にこめかみをゆっくりプレスする。
(2)たたくステップ
頬を4指の腹を使ってリズミカルにたたく。目安は20〜30秒。
(3)密着させるステップ
額に手のひらを縦方向において密着させ、勢いよく離す。
頬に手のひらを斜め上方向において密着させ、勢いよく離す。
顎に手のひらを横方向において密着させ、勢いよく離す。
このステップは2セット行う。
(4)クールダウンするステップ
顔の中央から外方向に向かって額、まぶた、鼻、口の順に手を滑らせる。
【0051】
[シワの測定]
解析装置:皮膚画像解析装置 VISIA(登録商標)
解析方法:撮影したカラー写真の解析範囲を100%としたときのシワ(線状の部分)の面積と色の濃さの情報をスコア化し(Visia Wrinkles)、使用前のシワのスコアを100とした場合の使用後(8週後の)の相対値を算出した。
測定方法:被験者は顔をクレンジング、洗顔後、温度:20〜22℃、湿度:45〜55%にて調整された室内にて15分馴化することで初期条件を整え、測定を行った。
【0052】
【表2】
【0053】
表2に示した通り、本発明の美容方法を採用することにより、化粧料によるシワ改善効果が明らかに高くなっていた。