【実施例1】
【0028】
図1は、本発明で使用する預金通帳の構造とその発行例の説明図である。
この図には、それぞれ異なる形式の預金通帳16A、16B、16Cを採用する金融機関のホストコンピュータ28A、28B、28Cが、専用の通帳記帳機24A、24B、24Cを制御して、各預金通帳16A、16B、16Cに、バーコード20を印刷する例を示す。
【0029】
この図のように、預金通帳16A、16B、16Cには、それぞれ別々の位置に形状の異なる磁気ストライプ18A、18B、18Cが設けられている。
【0030】
例えば、始めに、預金通帳16Aを通帳記帳機24Aに挿入する。通帳記帳機24Aは、預金通帳16Aの磁気ストライプ18Aを読み取る。ホストコンピュータ28Aは、磁気ストライプ18Aに記録された口座番号から、あとで説明する方法によりデータ圧縮処理をしてバーコード20を生成する。通帳記帳機24Aは、そのバーコード20を預金通帳16Aの所定箇所に印刷する。他の金融機関のホストコンピュータ28B、28Cも、同様の処理を実行する。
【0031】
なお、ホストコンピュータ28A、28B、28Cは、それぞれあとで説明するように、例えば、印刷をしたバーコード20の示すデータと、利用者の口座番号とを対応付けたデータベースを生成してその記憶装置に記憶させておく。
【0032】
ここで、
図1の例では、ホストコンピュータ28Cは、RFID22が埋め込まれた預金通帳16Dを取り扱う例も示した。この場合には、磁気ストライプ18に記録された口座情報をそのままRFID22に書き込む。また、ATMに大サイズの一次元バーコードや二次元バーコードの読み取り機能があれば、口座情報をそのまバーコードにしてもよい。以上のようにして、本発明で使用する預金通帳が得られる。
【0033】
即ち、上記のように、バーコード20は、一次元形式ものでも二次元形式のものでも構わない。また、預金通帳16に印刷された文字で現れている口座情報48は、秘密にする必要が無いので必ずしも暗号化しなくてもよい。
【0034】
なお、預金通帳16の場合には、バーコード20を印刷できるスペースが限られている場合も少なくない。また、通帳記帳機能を持つATMの場合には、通帳のページをめくるために、通帳の各ページに印刷されたバーコード20を読み取るようにしている。
【0035】
このページ制御用のバーコード20を読み取る装置によりそのまま読み取ることができる位置に、読み取り可能なデータサイズのバーコード20を印刷すれば、既存のATMを改造することなく、本発明を実現できる。バーコード20は、通帳の表紙あるいはいずれかのページに印刷されればよい。
【0036】
既知の預金通帳のページ制御用のバーコードにはページ番号や科目を示すデータが含まれている。しかしながらデータサイズはごく短い。したがって、磁気ストライプ18に記録された口座情報48の全てを表示したバーコード20を読み取らせることができない。
【0037】
そこで、口座情報48を圧縮してバーコード20のデータサイズを短くする。ATMに挿入された預金通帳が利用者本人のものかどうかを判断できればよい。このために、バーコードデータを所定のユニークなものにする。
【0038】
例えば、過去に発行したすべての預金通帳16に対してユニークな、一連番号を付してもよい。しかしながら、それでも、十分にデータサイズを小さくすることは難しい。そこで、例えば、口座情報48を暗号化処理したり、ハッシュデータ等のチェックコードにしたり、口座番号の下数桁だけを使用したりする。
【0039】
また、データサイズを縮小してバーコード化すれば、口座情報48をそのまま読み取れない内容にできるという効果もある。十分にデータサイズを縮小圧縮しても、口座番号の性質を利用して高い精度で本人確認できる場合がある。この場合には、サーバ側で復号化して口座番号が得られるから、上記のバーコード20と口座番号とを対応付けたデータベースは不要になる。
【0040】
また、預金通帳に印刷されたバーコードを圧縮した場合に、そのデータは絶対的にユニークなものではなくなることもある。そこで、本人確認処理を確実にするために、以下の実施例ではキャッシュカードの読み取りデータを併用する。
【0041】
図2は、上記預金通帳を使用した通帳記帳処理の説明図である。
この
図2に示すように、ATM14は様々な金融機関のホストコンピュータ28A、28B、28Cと通信をして通帳記帳の制御行うように構成されている。
【0042】
ATM14には、バーコード読み取り装置30とカード読み取り装置32と通信装置34と印刷装置36とが備えられている。
バーコード読み取り装置30は、装置に挿入された預金通帳の所定の場所に印刷されたバーコード20を、ページ制御用のバーコードの読み取りと同様の動作で読み取る機能を持つ。
【0043】
カード読み取り装置32は、預金通帳とともに装置に挿入されたキャッシュカード26の口座情報48を読み取る機能を持つ。通信装置34は、口座情報48から該当する金融機関を分別し、その金融機関のホストコンピュータに対して、上記の口座情報48とバーコードデータ46とを送信する機能を持つ。
【0044】
印刷装置36は、ホストコンピュータで通帳記帳処理が許可されて、ホストコンピュータから通帳印刷データ50が送信されたときに通帳記帳処理を実行する機能を持つ。
【0045】
各ホストコンピュータ28A、28B、28Cは、通信装置38と記帳制御装置42と後処理装置44をそれぞれ備えている。そしてその記憶装置40にはバーコードデータ46、口座情報48、通帳印刷データ50、磁気ストライプ記録データ52等が記憶されている。この例では、これらのデータが、利用者ごとに相互に対応付けられて記憶されている。
【0046】
ホストコンピュータ28A、28B、28Cの通信装置は、金融取引装置(ATM14)に預金通帳16とともに挿入されたキャッシュカード26の口座情報48と、預金通帳16に印刷されたバーコードから読み取ったバーコードデータ46とを、ATM14から受信する機能を持つ。
【0047】
記帳制御装置42は、上記のキャッシュカード26から読み出した口座情報48とデータベースから読み出したバーコードデータ46に対応する口座情報とが一致したとき、ATM14に対して通帳記帳処理を許可して、通帳印刷データ50を送信する機能を持つ。
【0048】
後処理装置44は、ホストコンピュータの記憶装置に記憶された通帳の印刷履歴データ51を更新するとともに、このデータに通帳記帳処理は磁気ストライプの読み書き機能の無いATMにより実行された旨の記録を含める。さらに、磁気ストライプ記録データ52を更新して保存する後処理を実行する機能を持つ。
【0049】
この実施例では、利用者12が通常の入出金取引をして、同時にその記帳を希望している場合でも、記帳のみを希望している場合でも、キャッシュカード26と預金通帳16の両方をATM14に挿入するもとする。
【0050】
ホストコンピュータ28が本人確認処理を実行する場合は、次のような処理を行う。まず、キャッシュカード26から読み取った口座情報48から、ホストコンピュータ側の該当する利用者情報45を記録したデータを読み出す。
【0051】
そして、その中に予め記録しておいたバーコードデータ46と、ATMで読み取ったバーコードデータとを比較する。両者が一致すれば、本人確認が正常に完了する。即ち、この預金通帳16はキャッシュカード26を挿入した利用者12のものであることを確認することができる。これで記帳処理を安全に開始することができる。
【0052】
図3はATM14の通帳記帳動作例を示すフローチャートである。
まず、ステップS11では、利用者12による預金通帳16の投入を検出する。ステップS12では、その預金通帳16の磁気ストライプリード処理を実行する。
【0053】
ステップS13では、磁気ストライプ18が読み取り可能かどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS19の処理に移行し従来どおりの通帳記帳処理を実行する。これは、自行の採用している預金通帳16が挿入された場合の処理である。
【0054】
ステップS13の判断がノーのときはステップS14の処理に移行する。ステップS14では、バーコードリードを実行する。そして、ステップS15で、バーコード20が読み取り可能かどうかという判断をする。
【0055】
この判断の結果がイエスのときはステップS16の処理に移行し、ノーのときは処理不能のため、カードや通帳を排出して処理を終了する。ここは従来どおりの処理のため具体的なフローは記載していない。
【0056】
ステップS16では、キャッシュカードリードを実行する。この場合は正常に読み取れた場合だけについて説明する。ステップS17では、キャッシュカード26から口座情報48の読み取りをする。そして、ステップS18で金融機関を分別する。ATMの記憶装置に口座情報から金融機関を分別できるデータが記憶されていない場合には、ATMを直接制御するホストコンピュータに問い合わせてその結果から該当する金融機関を分別すればよい。
【0057】
ステップS19では、該当するホストコンピュータへの送信データの準備をする。送信データは、口座情報48とバーコードデータ46である。ステップS20では、これらのデータをホストコンピュータ28に送信する。
【0058】
ステップS21では、ATM14がホストコンピュータから通帳記帳許可を受信したかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS22の処理に移行し、ノーのときは本人確認ができなかったのだから、処理を終了する。
【0059】
ATM14は、利用者12の求めに応じて、ホストコンピュータ28と通信をしながら通常の預貯金取引を実行する。そして、ステップS22で、通帳への印刷要求をホストコンピュータ28に送信して、ホストコンピュータから通帳印刷データ50と磁気ストライプデータの受信をする。
【0060】
最後に、ステップS23で、受信した通帳印刷データ50を使用して通帳記帳処理を実行する。このとき、ステップS22で受信した磁気ストライプデータには、通帳のどのページの何行目から印刷するかという情報が含まれており、これを利用して印刷制御がされる。なお、ステップS12で磁気ストライプリードが可能な場合には、通帳記帳処理のあとで、通帳に新たな磁気ストライプデータの書き込みを行う。これは既存の処理なので、このフローチャートでの説明は省略する。
【0061】
図4はホストコンピュータの通帳記帳制御動作例フローチャートである。
このフローチャートは、口座情報が上記のいずれかの方法で圧縮されて小サイズのバーコードになっている場合の処理例である。まず、ホストコンピュータは、ステップS31で、ATM14から上記の口座情報48の受信をする。続いてステップS32では、上記のバーコードデータ46の受信をする。
【0062】
ステップS33で、ホストコンピュータは、データベースを参照する。そして、口座情報48が一致する利用者情報45を読み出す。次に、ステップS34で口座情報48の圧縮処理をする。通帳発行時(バーコードの生成時)に行ったのと同じ処理である。
【0063】
ステップS35では、圧縮処理をした口座情報48とバーコードデータ46とを照合する。ステップS36では、照合結果が一致したかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS37の処理に移行する。ノーのときは本人確認ができないので、処理を終了する。図示していないが、ATMには処理を終了する旨の通知をする。
【0064】
ステップS37では、ATM14に対して通帳記帳許可を送信する。続いてATMから要求があると、ホストコンピュータ28は、通帳の印刷履歴データ51を参照して、ステップS38で最新の磁気ストライプデータと新規に印刷すべき通帳印刷データ50をATM14に送信する。ホストコンピュータには、通帳の磁気ストライプに書き込むべき最新の磁気ストライプデータが記録されている。
【0065】
印刷フォームや印刷手順は全てホストコンピュータ28からATM14に送信されるので、ATM14はそのとおり印刷処理を実行すればよい。上記の最新の磁気ストライプデータで通帳を印刷制御すれば、磁気ストライプデータを読み取れない通帳にも正しく印字ができる。
【0066】
ホストコンピュータは、ステップS39で、通帳の印刷履歴データ51の更新をする。記帳済みのデータと未記帳のデータを区別するためである。また、ステップS40では、磁気ストライプ未更新記録をする。印刷履歴データ51あるいは磁気ストライプ記録データ52にその旨のフラグを立てればよい。
【0067】
ステップS41では、磁気ストライプ記録データ52の更新をする。このように、ホストコンピュータ28では、磁気ストライプ18の読み書き機能の無いATM14により実行された旨を記録しておき、磁気ストライプに記録すべきデータを更新して保存する。
【0068】
その後、磁気ストライプ18の読み書き機能のあるATM14等に預金通帳16が挿入された場合に、更新されたデータがその磁気ストライプ18に書き込まれる。
【0069】
なお、RFID22に記録された口座情報48を読み取ったときや、全ての口座情報48を示すバーコード20の読み取りを行った場合には、キャッシュカード26から読み取った口座情報と一致したら本人確認を正常終了させてよい。
【0070】
また、この場合に、キャッシュカード26の読み取り情報を使用しないで、ホストコンピュータに記憶されている口座情報との照合をして本人確認をしてもよい。その場合にも、後処理では、磁気ストライプ18の読み書き機能の無いATM14により通帳記帳が実行された旨を記録し、磁気ストライプに記録すべきデータを更新して保存する。