(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のアンテナセット(A1)及び前記第2のアンテナセット(A2)は、運転条件下で、前記第1のアンテナセット(A1、A11、A12)の軸線が前記第2のアンテナセット(A2、A21、A22)の軸線に対してほぼ垂直となるように、前記車両(10)の凸形状の車両屋根(101)上に、前記屋根の高さ以下に搭載されている、請求項1に記載の車載システム。
前記固定アンテナ局(11−1、11−2)と前記アンテナセット(A1、A2)との間のMIMO通信リンクとして動作可能である、請求項1〜2のいずれか一項に記載の車載システム。
前記アンテナ(A11、A12、A21、A22)は、前記車両(10)の中継器(12)及び/又は内部アンテナ(13)に結合されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車載システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1Aは、2つの固定アンテナ局11−1、11−2の間を移動する列車10の上面を概略的に示す図である。列車10は、機関車15といくつかの客車とを備え、そのうちの客車C1及びC2を図示している。列車10は鉄道線路19上を移動している。
【0011】
さらに、第1のアンテナシステム11−1Aに通信可能に結合されている第1の送受信機11−1Bを備える第1のアンテナ局11−1を示している。アンテナシステム11−1Aは、RFアンテナコリドー17−1と呼ばれる例示的な第1の放射パターンを生成することができる。
【0012】
さらに、第2のアンテナシステム11−2Aに通信可能に結合されている第2の送受信機11−2Bを備える第2のアンテナ局11−2を示している。アンテナシステム11−2Aは、RFアンテナコリドー17−2と呼ばれる例示的な第2の放射パターンを生成することができる。図示のように、第1の放射パターン17−1と第2の放射パターン17−2とは、第1のアンテナシステム11−1Aの位置と第2のアンテナシステム11−2Aの位置との間に位置する線路19の少なくとも一部に沿って、重なり合っていてもよい。
【0013】
客車C1、C2は、内部アンテナ13、信号中継器12、アンテナセットA1、アンテナセットA2、又は客車のそれぞれの内部と外部との間で信号を送信するための同様の機器を備えていてもよい。アンテナセットA1は複数のアンテナを備えていてもよく、そのうちの2つであるA11及びA12は、黒い点(図示を分かりやすくするために、C1においては符号を付していない)で示している。アンテナセットA2は同様に複数のアンテナを備え、そのうちの2つであるA21及びA22は、黒い点(図示を分かりやすくするために、C1においては符号を付していない)で示している。アンテナA11及びA12は、距離d1だけ離間している。同様に、アンテナA21及びA22は、距離d1だけ離間している。アンテナセットA1及びA2は、アンテナA12とアンテナA22との間の距離d2によって示しているように、距離d2だけ離間している。一般に、一方のセットのアンテナ、たとえばA1は、他方のセットのアンテナ、たとえばA2に対して車両の反対側に搭載されている。典型的には、アンテナセットA1、A2の双方の間に生じる見通し線は、列車の湾曲した屋根101によって遮られる可能性がある。
図1Aでは、セットA1のアンテナA11及びA12は右側(走行方向に)に搭載され、セットA2のアンテナA21及びA22は左側に搭載されている。信号中継器12は、内部アンテナ13と、アンテナセットA1及びA2とに通信可能に結合されている。
【0014】
アンテナセットA1のアンテナA11、A12は、アンテナA11の良好な受信/送信領域又はパターン方向とは異なる、恐らくこれに対向する方向に指向される、良好な受信/送信領域をアンテナA12が有するような、パターンダイバーシティを示していてもよい。たとえば列車10の走行方向を基準にして、アンテナA11のパターン方向は列車10の後方を指し得、アンテナA12の良好な受信/送信領域は走行方向を指している。アンテナセットA2のアンテナA21、A22は、典型的には実質的に同様の態様で構成されている。その結果、たとえば2つのアンテナA12、A22は、それらの良好な受信/送信領域が列車10の前方に指向されるように構成され、また2つのアンテナA11、A21は、それらの良好な受信及び/又は送信領域若しくは指向性が列車10の後方に指向されるように構成されている。
【0015】
列車10は、図示しているように客車C1、C2に機械的に結合されており、且つ鉄道線路19に沿って位置するアンテナ局11−1、11−2に向かって列車10を移動させるか、又はこれらから離間させる機関車15によって、動力供給されている。
【0016】
アンテナ局11−1、11−2は、たとえば一般に4G、LTE、HSDPA、又は5Gと呼ばれる移動体通信規格などの1又は複数のRF技術によって、無線周波数信号を送受信するように動作可能であってもよい。
【0017】
アンテナ局11−1は、移動体通信規格に従って無線及び/又はベースバンド信号を生成且つ処理するための適切なロジック、回路及び/又はコードを含む送受信機11−1Bと、アンテナシステム11−1Aとを備える。送受信機11−1Bは、以下に説明するように、たとえば分散アンテナシステム(DAS)などの適切なアンテナシステムに接続することができる。
【0018】
送受信機11−1Bで受信且つ/又は生成される信号は、アンテナシステム11−1Aを介してそれぞれ送受信される。アンテナシステム11−1Aは、一般に1又は複数のアンテナを備えていてもよいが、典型的には、たとえば列車客車C1、C2用に図示している例示的なシステムなどの、移動送受信機システムとの2×2通信などの様々なプロトコルの多重入力多重出力(MIMO)通信を可能にするために、複数のアンテナを備えていてもよい。
【0019】
たとえば、アンテナシステム11−1Aは、交差偏波RF信号を送受信するように、すなわち、たとえば水平及び垂直に、又はプラスマイナス45度にそれぞれ異なって偏波される2つの信号を、同時に送受信するように構成されていてもよい。アンテナシステム11−1Aはまた、本発明の種々の実施形態によれば、以下に記載する別のアンテナセットと併せて、4×4MIMOなどの他のMIMO方式をサポートするように適切に構成されていてもよい。
【0020】
アンテナシステム11−1Aは、鉄道線路19に沿って良好に送受信する(又はパターン指向性を有する)ように構成されていてもよい。このような良好な受信/送信領域については、アンテナシステム11−1Aのパターンの実例と見なすこともできる例示的なRFアンテナコリドー17−1によって示している。
【0021】
第2アンテナ局11−2は、線路19に沿って第1アンテナ局11−1から離間している。隣接するアンテナ局間の距離は、通信のタイプ、利用可能な信号強度、及び地形などの制約によって決定され、たとえば40〜5000メートルの範囲内、又は500〜2000メートルの範囲内であり得る。第2のアンテナ局11−2は、第1のアンテナ局11−1と同様に構成されている。しかしながら、例示的なRFアンテナコリドー17−2によって示しているアンテナシステム11−2Aの良好な受信/送信領域又は放射パターンは、典型的には、第1のアンテナシステム11−1AのRFアンテナコリドー又は放射パターン17−1に対向するか、若しくはこれとは異なる方向に指向されている。したがって、第1のアンテナ局11−1において、RFアンテナコリドー又は放射パターン17−1は、線路19に沿って、隣接する第2のアンテナ局11−2の方向に指向されていてもよい。第2のアンテナ局11−2において、RFアンテナコリドー又は放射パターン17−2は、線路19に沿って、隣接する第1のアンテナ局11−1の方向に指向されていてもよい。RFアンテナコリドー又はパターン17−1、17−2は、アンテナ局11−1、11−2の双方の間に位置する線路の一部に沿って重なり合っていてもよい。
【0022】
アンテナ局11−1及び11−2が、1又は複数のアンテナシステム11−1A、11−1Bとの多重アンテナセクタ又は放射パターンを備えていてもよく、前記アンテナシステム11−1A、11−1Bが、たとえばアンテナ局、この場合11−1が線路19に沿って配置されている場合、アンテナ局から離間する線路の各方向にRFアンテナコリドーが生じ得ることから、複数の方向に放射してもよいことは、当業者には明らかである。
【0023】
したがって、一連のアンテナ局において、各アンテナ局は、第1のアンテナ局11−1として構成されている部分と、第2のアンテナ局11−2として構成されている部分とを備えていてもよく、このため、線路19に沿って一方向にRFアンテナコリドー17−1を発生させ、またその反対方向にRFアンテナコリドー17−2を発生させることになる。したがって、隣接するアンテナ局と共に、線路19の全部分を重複RFアンテナコリドー、この場合17−1、17−2でカバーすることが可能となり得る。
【0024】
客車C1、C2を、人及び/又は物品の運搬を含むが、これに限定されない任意の目的に適合させてもよい。内部アンテナ13は、典型的には客車(図示せず)、たとえば、内部アンテナ13が配置されている客車C1、C2の内部に配置される移動送受信機に対して、且つこれらから無線周波数信号を送受信するための適切なロジック、回路、及び/又はコードを備えていてもよい。内部アンテナ13から受信、若しくはこれに対して送信する前記移動送受信機は、たとえば列車の乗客が操作する携帯電話機又は携帯端末機であってもよく、或いは、たとえば機械対機械の通信に使用する送受信機などの、機械で動作する移動体通信送受信機であってもよい。内部アンテナ13は、典型的には客車の内部に配置され、その動作周波数に適した任意のタイプのRFアンテナタイプを備えていてもよい。当業者には明らかであるように、これにはプリントアンテナ、漏洩フィーダ、又は移動体通信技術に適合する他の任意のアンテナ技術が含まれ得る。
【0025】
信号中継器12は、内部アンテナ13又はアンテナセットA1、A2から受信する無線信号を処理するための適切なロジック、回路、及び/又はコードを備えていてもよい。さらに、信号中継器12は、アンテナセットA1及びA2の構成を制御、形成且つ適合させるように動作可能であってもよい。また、信号中継器12は、内部アンテナ13又はアンテナセットA1、A2を介した送信のために、無線信号を処理するように動作可能である。信号中継器12は、アンテナA11、A12、A21、A22によって送受信される複数の、たとえば4つの信号チャネルにおける信号の平衡化を行うための適切なロジック、回路、及び/又はコードをさらに備えていてもよい。
【0026】
典型的には、ダウンリンクシナリオでは、信号中継器12は、たとえば1又は複数のアンテナセットA1、A2を介してアンテナ局11−1から無線信号を受信してもよい。その後、前記信号は、内部アンテナ13を介して再送信のために処理されてもよい。本発明の種々の実施形態によれば、前記処理は、無線信号の増幅、復号化及び/又は再符号化を含み得るが、これらに限定されず、また無線周波数、中間周波数、又はベースバンド周波数において行われてもよい。同様に、アップリンクシナリオでは、信号中継器12は、内部アンテナ13で無線信号を受信し、且つアンテナセットA1、A2を介して受信機、この場合アンテナ局11−1、11−2へ送信するために、これらを適切に処理してもよい。
【0027】
アンテナセットA1、A2は、アンテナ局11−1、11−2からの受信及びこれらに対する送信に適した無線通信プロトコルに従って、無線信号を送受信するための適切なロジック、回路、及び/又はコードを備えていてもよい。これには、アンテナ局11−1、11−2について上述したように、典型的には1又は複数の移動体通信プロトコル/規格が含まれていてもよい。アンテナセットA1、A2は、例示的な複数のアンテナA11、A12、及びA21、A22をそれぞれ使用しながら、たとえば多重入力多重出力(MIMO)、特に4×4MIMOなどの多重アンテナプロトコルを利用するように動作可能であってもよい。アンテナA11、A12、A21、A22は、それぞれの無線動作周波数で無線周波数信号を送受信するための適切なロジック、回路、及び/又はコードを備えていてもよい。
【0028】
図1Bは、
図1Aの列車の例示的な概略断面図を示す。
図1Bを参照すると、鉄道線路19上にある列車10の客車C1と、例示的な送受信機アンテナシステム11−2Aとが示されている。さらに、客車C1の断面図においては、アンテナA11とアンテナA21とを示している。アンテナA11は、たとえば
図1Aに示すアンテナセットA1の一部である。アンテナA21は、たとえば
図1Aに示すアンテナセットA2の一部である。さらに、典型的には、たとえば金属などの導電性材料製の列車屋根101を示している。
【0029】
また、アンテナA11及びアンテナA21のある軸線間に角度γを示しているが、これは主に屋根101上にあるアンテナA11及びA21の位置並びに向きに起因している。セットのアンテナの向き又は偏波は、アンテナセットA1、A2の向きと見なすこともできる。
図1Bで使用している参照番号は、
図1Aに示し、記載しているそれぞれの要素に対応している。
【0030】
図示しているように、固定通信システムの送受信機アンテナシステム11−2Aは、列車10の高さよりも高い位置に設置されていてもよい。
図1Aに示すように、アンテナシステム11−2Aが、本質的に障害物とならないRFアンテナコリドー17−2を有する状態で列車10の現在位置の後方に位置する場合、見通し線(LOS)通信チャネルはアンテナA11、A21をもって確立されてもよい。アンテナA11及びA21の双方は、上述したように、それらの良好な受信/送信領域が列車10の後方に向かうように指向されていてもよい。アンテナA12、A22は、それらの良好な受信/送信領域が列車10の前方に向かうように指向されていてもよく、同様の方法でアンテナシステム11−1Aを介してアンテナ局11−1と通信してもよい(ただし、
図1Bには図示せず)。
【0031】
列車屋根101は、
図1Bの例示的な断面図に見られるように、典型的には湾曲している(若しくはアーチ状)か、又は凸形状であってもよい。たとえば屋根101は、凸状であるが、複数の直線状セグメントによって示しているように、湾曲した屋根101に近似していてもよい。角度yは、有利には90度に近くなるように選択してもよく、実際には約70〜110度であってもよい。約90度の角度yを有するこの例示的な構成では、アンテナA11及びA21は、互いに対して交差偏波され得るRFフィールドを送受信するように動作可能であってもよい。たとえば、アンテナA11は、送受信機アンテナシステム11−2Aから送信される、マイナス45度の偏波を有する交差偏波RF信号の信号成分を主に受信してもよく、またアンテナA21は、送受信機アンテナシステム11−2Aから送信される、プラス45度の偏波を有する交差偏波RF信号の信号成分を主に受信してもよい。
図1BにおいてアンテナA11及びA21を示す際の向きは、本例におけるそれぞれの偏波に対応するように意図されている。導電性屋根は、アンテナA11、A21、A12、及びA22の接地板として動作してもよい。当業者には周知であるように、このような構成は、アンテナA11及びA21を介して交差偏波信号を送信するために同様に使用することができる。
【0032】
アンテナを異なる角度で位置決めすること(角度yによって示している)により、アンテナA11及びA21で受信した信号が偏波ダイバーシティによってほぼ直交し、そのため無相関となるようにすることができる。これに伴い、そのような設定は、MIMOを含む様々な多重アンテナプロトコルに適している可能性がある。たとえば、送受信機アンテナシステム11−2Aで2つの交差偏波アンテナを使用する場合、客車(たとえばC2)のアンテナA11及びA21とアンテナシステム11−2Aとの間に2×2MIMOチャネルが形成されてもよい。
【0033】
アンテナA12、A22(
図1Bには図示せず)は、アンテナA11、A21と同様の仕方で列車10の屋根101に搭載されてもよい。同様に、アンテナA12、A22を異なる角度で位置決めすることによってもまた、アンテナA12及びA22で受信した信号がほぼ直交し、且つ無相関となるようにすることができ、これによってMIMOを含む様々な多重アンテナプロトコルで使用することが可能となる。たとえば、アンテナシステム11−1A(
図1Bには図示せず)で2つの交差偏波アンテナを使用する場合、客車(たとえばC1)のアンテナA12及びA22とアンテナシステム11−1Aとの間に有効な2×2MIMOチャネルが形成されてもよい。
【0034】
第1のアンテナシステム11−1Aと第2のアンテナシステム11−2Aとを、アンテナA11、A21、A12、A22と共に併用することにより、列車10の客車C1、C2とアンテナシステム11−1及び11−2との間に有効な4×4MIMOチャネルが形成されてもよく、前記アンテナシステム11−1及び11−2は、あるバックエンド(図示せず)を介して協調的に動作可能であってもよい。
【0035】
このようなシステムの動作中、列車10は、たとえばC1などの客車に対して、アンテナシステム11−2Aの第1のアンテナがアンテナシステム11−1Aよりも高い信号強度を示す区域を最初に通過することにより、アンテナ局11−2とアンテナ局11−1との間にある、たとえば線路19の一部を通過している。次いで前記列車は、双方のアンテナの信号強度が同じである区域を通過し、最後に、11−1Aの2つのアンテナにおける第2のアンテナがより高い信号強度を示す区域を通過する。このパターンは、列車10が線路19に沿って設置される様々なアンテナシステムを通過するときに繰り返される。当業者には明らかであるように、列車10が線路19の同じ部分を逆方向に通過するとき、この区域の通過パターンも逆方向となる。
【0036】
アンテナシステム11−1A、11−2Aからの送受信信号の電力平衡化を行うにあたり、いくつかの方法が考えられる。本発明の種々の実施形態によれば、たとえばアンテナA11、A12、A21、A22(又はそれらのサブセット)における受信信号電力などのように信号電力が平衡化されることは、あるMIMOプロトコルにとって有用である可能性がある。1つの例示的な実施形態では、信号の平衡化は、客車C1、C2の中継器12がアンテナA11、A12、A21、A22との間の各信号を増幅又は減衰することによって行うことができる。しかしながら、他の実施形態では、たとえば固定アンテナ局11−1、11−2が放射する信号の強度を低減又は増加させることによって、平衡化を行ってもよい。後者の場合、上記の通信システムを4×4モードで動作させるために必要となる追加の信号処理の多くは、たとえば固定通信システム11−1、11−2の送受信機11−1B、11−2Bのような部品によって実行されてもよい。
【0037】
図2Aは、アンテナ局11−1及び11−2との間で通信信号を分配するための例示的なシステム並びに方法を示す。この図は、線路19に沿って隣接する2つのアンテナ局11−1、11−2を示しており、これらはそれぞれ、アンテナシステム11−1A、11−2A、及び送受信機11−1B、11−2Bを備える。各アンテナシステム11−1A、11−2Aについては、線路19上に吊り下げられたマストの上に搭載されるアンテナのクラスタとして、
図2Aに象徴的に図示している。当業者には明らかであるように、図示したアンテナシステム11−1A、11−2Aの搭載は例示的なものであるので、前記アンテナシステムは、線路19上の単一のマストの上又はある他の構造体の上に代替的に搭載されてもよい。
図1A及び
図1Bを参照しながら上述したように、アンテナシステム11−1A、11−2A及びこれらのそれぞれのRFアンテナコリドー17−1、17−2は、アンテナシステム11−1A、11−2A及びRFアンテナコリドー17−1、17−2と実質的に同様である。
【0038】
各送受信機11−1B、11−2Bを、アンテナシステム11−1A、11−2Aと分散アンテナシステム(DAS)20との間の信号経路をそれぞれ形成している8つの送受信機ポートs1〜s8と共に示している。DAS20は、バックボーン24と基地局(BTS)21とを備える。バックボーン24は、送受信機11−1B、11−2Bを基地局21に通信可能に結合している。基地局21は、アンテナ局11−1、11−2からの信号経路を、たとえば公衆回線網22などのネットワークの他の部分に接続している。基地局21は、バックボーン24を介してアンテナ局11−1、11−2に対して送受信を行うに際し、公衆回線網22との間で信号を処理するための適切なロジック、回路、及び/又はコードを備えていてもよい。基地局21は、分散アンテナシステムプロトコルの種々の実施形態に従って動作するように、アンテナ局11−1、11−2の機能を制御し、構成し、且つ適合させてもよい。たとえば、基地局21は、アンテナ局11−1、11−2を介して送信を行うために適切な方法で複数の信号を処理してもよく、またバックボーン24上に存在する信号のサブセットを送信するように、アンテナ局11−1、11−2を構成してもよい。同様に、基地局21は、アンテナ局11−1、11−2からの信号の受信を構成し、且つ適合させてもよい。バックボーン24は、基地局21とアンテナ局11−1、11−2との間で信号転送を可能にするための適切なロジック、回路、及び/又はコードを備えていてもよい。バックボーン24は、たとえば光ファイバケーブルの敷設を利用する光リンクに基づくものであってもよいし、電気的に送受信するための同軸ケーブルの敷設を含んでいてもよい。公衆回線網22は、様々なネットワーク(たとえば、インターネット、PSTNなど)を基地局21を含む移動体通信網に相互接続できるように、適切なロジック、回路、及び/又はコードを備えていてもよい。
【0039】
動作時、送受信機11−1B、11−2Bは、アンテナシステム(DAS)20のデジタル型又はアナログ型分散バックボーン24のいずれかを介して、信号の送受信を行うために接続されてもよい。DAS20は、基地局21(BTS/eNB)からの信号を送受信してもよく、基地局21自体は回線網22に接続され、且つ線路19に沿って設置され、たとえば数十から数千メートル離間している複数のアンテナ局11−1、11−2に対して信号を分配している。送受信機11−1B、11−2Bは、光ドメインからの信号を無線周波数ドメインへと変換し、且つその逆の変換も行うための光/RF変換器を備えていてもよい。送受信機11−1B、11−2Bは、たとえば変換後の無線周波数信号として送受信機ポートs5〜s8を介して送受信するために、送受信機ポートs1〜s4で、たとえば光信号を送受信するための適切なロジック、回路、及び/又はロジックを備えていてもよい。
【0040】
RF信号は、適切なRF同軸ケーブル又は他の適切な接続によってアンテナシステム11−1A、11−2Aに対して送信され、且つこれらから受信されてもよい。バックボーン24が光学ではない場合、光ドメインから電気ドメインへの変換、又はその逆の変換を行う必要がないことは、当業者には明らかである。
【0041】
たとえば4×4MIMOダウンリンクの場合、DASシステム20は、送受信機ポートs1〜s8とバックボーン24とを介して、送受信機11−1B及び11−2Bに4つの信号チャネルを搬送してもよい。送受信機ポートs1〜s4における4つのMIMO信号間のクリティカルな遅延、たとえばLTEシステムを例にとると、60nsを超えてはならないものである遅延状態を回避するために、4つの信号はDAS20を介してアンテナ局11−1、11−2へと分配されてもよく、これにより、たとえば4つの信号すべてがほぼ同時に同じアンテナ局に到達するようにしている。隣接するアンテナ局11−1、11−2の送受信機11−1B、11−2Bでは、それぞれのアンテナ局のRF信号に必要とされる信号のみが、それぞれのアンテナシステム11−1A、11−2Bに電気的に結合されるが、必要とされないチャネルは、たとえば50オームの終端(50Ω)で終端されてもよく、或いはアンテナシステム11−1A、11−2Aに結合されなくてもよい。
【0042】
たとえば、
図2Aに象徴的に示すように、ダウンリンクシナリオでは、送受信機11−2Bの送受信機ポートs1及びs2で受信される信号は、アンテナシステム11−2Aを介して送信を行うために、適切に処理した後、送受信機ポートs5及びs6を介してそれぞれ出力されてもよい。送受信機ポートs3、s4で受信される信号は、たとえば送受信機ポートs7、s8で終端されてもよい。同様に、送受信機11−1Bの送受信機ポートs3及びs4で受信される信号は、アンテナシステム11−2Aを介して送信を行うために、適切に処理した後、送受信機ポートs7及びs8を介してそれぞれ出力されてもよいが、送受信機11−1Bの送受信機ポートs1、s2で受信される信号は、たとえば送受信機ポートs5、s6で終端されてもよい。本発明の種々の実施形態によれば、
図2Aに示す4×4MIMOシステムは、アンテナ局11−2を介して信号のサブセットを送信し、且つアンテナ局11−1を介して信号の別のサブセットを送信してもよい。本ダウンリンク例では、たとえば2つの信号がアンテナ局11−1を介して送信され、また別の2つの信号がアンテナ局11−2を介して送信されてもよい。当業者には理解されるように、各アンテナ局から送信される信号のサブセットは、採用され得る様々なMIMOプロトコルに従って交差してもよい。当業者には理解されるように、アップリンクシナリオも実質的に同様であってもよい。
【0043】
たとえば、
図2Aに示し、且つ上述しているように、たとえば送受信機ポートs5及びs6の信号は、アンテナシステム11−2Aで異なる偏波を有する(交差偏波された)アンテナを介して送信されてもよい(また、11−1Aでは、送受信機ポートs7、s8の信号がそれぞれ同様に送信されてもよい)。許容可能なチャネル遅延を有する比較的ロバストな4×4MIMO通信システムを、特に同じDASを介してチャネルを上記の方法で各アンテナ局に分配する場合に、このようにして実装することが可能である。
【0044】
図2Aに示すような隣接する送受信機11−1B、11、2Bでポート構成方式を選択することにおいて想定される利点については、
図2B及び
図2Cを用いてさらに例示する。
【0045】
図2B及び
図2Cの双方は、上側パネルと下側パネルとを含む。各図の上側パネルは、隣接する重複RFアンテナコリドーを17−1、17−2、及び17−1’、17−2’を線路19に沿ってそれぞれ生成するためのアンテナシステム11−1A、11−2A、11−1A’を備え、且つDAS20に接続されている3つのアンテナ局11−1、11−2、11−1’で使用されるポート構成方式について、概略的に示している。例示的な送受信機ポートs1〜s8を示している。各図の下側パネルは、線路19に沿った距離の関数として、信号チャネルs5〜s8に対して受信される際の該当する信号強度又は信号電力を、概略的に示している。
【0046】
典型的には、線路19の広い部分は、線路19に沿って局11−1、11−1’、11−2などの複数のアンテナ局を分散させることによって、通信目的のためにカバーされていてもよい。各局11−1、11−1’、11−2は、線路19に沿って一方向に(便宜上、「順」方向と呼ぶ)指向されるアンテナコリドー17−1、17−1’と、別の、概ね反対の方向に(便宜上、「逆」方向と呼ぶ)指向されるアンテナコリドー17−2、17−2’とを形成するように構成されていてもよい。その結果、重複RFコリドー17−1、17−2及び重複RFコリドー17−1’及び17−2’などの複数組の重複RFコリドーが、それぞれ線路19に沿って生じる。
【0047】
図2Bのポート構成方式は、アンテナ局11−1、11−1’、11−2のそれぞれにおいてDASシステム20によって形成される4つの入力信号チャネルs1〜s4が別々に処理されるという点で、FIG2C(よって、同様に
図2Aに)に示す方式とは異なる。
図2Bにおいて、最初の2つの出力信号チャネルs5、s6(たとえば、s1、s2の入力信号に基づく)は、順方向RFコリドー17−1、17−1’を生成するアンテナシステムに結合され、2つの出力信号チャネルs7、s8(たとえば、s3、s4の入力信号に基づく)は、逆方向RFコリドー17−2、17−2’を生成するアンテナシステムに結合されている。一方、
図2Cの例では、
図2Aに示す構成と本質的に同じ入力ポート構成s1〜s4を示しているが、各アンテナ局11−1、11−1’、11−2では、4つの入力信号チャネルs1〜s4のうちの2つのみが処理されている。この場合、出力ポートのうちの2つは、同じ出力信号ポートが順方向及び逆方向のRFコリドー17−1、17−2、17−1’、17−2’を生成するアンテナ局に結合されるように、RFコリドーを生成するアンテナシステムに結合されるが、他の2つの信号チャネルは使用されない。どちらの2つの出力ポートが前記アンテナ局に結合されるかは、アンテナ局ごとに変動する。たとえば、出力ポートs7、s8(たとえば、ポートs3、s4の入力信号に基づく)がアンテナ局11−1を通して使用され、出力ポートs5、s6(たとえば、ポートs1、s2の入力信号に基づく)がアンテナ局11−2を通して使用され、出力ポートs7、s8(たとえば、ポートs3、s4の入力信号に基づく)がアンテナ局11−1’を通して使用されているなどの例が挙げられる。この方式では、4つの入力チャネルs1〜s4のすべてがs5〜s8で、線路19に沿った重複RFコリドーにおいて処理される形式で存在することが再度確実となる。
【0048】
なお、
図2Bの例で使用する構成方式では、信号送信のために送受信機のRFポートs4〜s8を使用しているが、
図2A及び
図2Cの実施形態では、これらのポートのうちの2つが終端されている。
【0049】
図2Bに示すシステムによれば、アンテナ局11−1、11−1’、11−2のそれぞれにおいて、1つのアンテナコリドー17−1、17−1’が入力信号s1、s2を一方向に搬送する(ポートs5、s6を介して)ために使用され、1つのアンテナコリドー17−2、17−2’が入力信号s3、s4を逆方向に搬送する(ポートs7、s8を介して)ために使用されている。
図2Bに示す中央アンテナ局11−2を例にとると、局11−2は、入力信号s1、s2に基づく出力信号ポートs5、s6の出力信号のために、順方向(パネルの左側)のアンテナコリドー17−1を確立し、s3、s4の入力信号に基づく出力ポートs7、s8の出力信号のために、逆方向(パネルの右側)のアンテナコリドー17−2を確立している。局11−2の左側に対する線路19に沿った4×4信号カバレッジは、局11−1からの重複アンテナコリドー17−2によって補完され、右側に対しては、局11−1’からの重複アンテナコリドー17−1’によって補完されている。
【0050】
図2Bの下側パネルでは、例示的なダウンリンクに関して、線路19に沿った放射信号強度又は放射信号電力Pを概略的に示している。横軸は線路19に沿った距離を示し、縦軸は信号電力Pを示している。なお、
図2Bの上側パネルに示す構成方式は、アンテナ局11−1、11−2、11−1’のそれぞれにおいて信号が通過する際の信号強度の急変につながる。再度中央アンテナ局11−2を例にとり、列車が左側から右側に進むと仮定すると、出力ポートs5、s6からの信号の信号チャネル強度P(s5、s6)は、列車が駅に接近した際、したがってアンテナコリドー17−1のソースに接近した際に最大強度から、アンテナ局11−1’から右側に放射されたものと同じ信号のアンテナコリドー17−1’の最小信号強度まで急低下する可能性がある。
図2Bの下側パネルの図から分かるように、信号チャネル強度P(s7、s8)においてはその逆が成り立つ。ここでは、列車が中央アンテナ局11−2に接近する際に、信号強度が最小となり、次いでアンテナ局11−2を通過した直後に最大強度まで急上昇している。このような単一チャネル上の信号強度の急変は、特に信号中継器12にとっては望ましくない可能性がある。
【0051】
このような信号強度の急変を回避するために、
図2C(及び
図2A)に示すポート構成を使用してもよい。再度
図2Cの中央アンテナ局11−2を例にとると、ポートs5、s6(たとえば、s1、s2の入力信号に基づく)の信号のアンテナコリドー17−1が左側に生成され、アンテナコリドー17−1’が右側に生成されている。隣接する2つのアンテナ局11−1及び11−1’は、中央アンテナ局11−2の信号と相補的な、出力ポートs7、s8(たとえば、s3、s4の入力信号に基づく)の信号のアンテナコリドー17−2と17−2’とを確立している。
【0052】
図2Cの下側パネルは、処理される入力信号チャネルs1、s2、s3、s4と、関連する出力信号ポートs5、s6、s7、s8それぞれに対して結果として得られる信号強度P(s5、s6)、P(s7、s8)を示している。本構成方式の結果として、信号強度P(s6、s6)は中央局11−2の近傍で最大値となり、隣接する2つの局11−1、11−1’の近傍で最小値へと漸減する。
図2Bに示すような信号強度の急変又は急上昇や急低下が回避され得る。このような構成方式の結果として、線路19に沿った信号強度の急激な変化が低減する状態で、線路19に沿った4×4MIMOチャネルカバレッジを確立することができる。
【0053】
図1及び
図2に記載した想定される4×4MIMO通信システムは、異なる原則に基づく1又は複数の別の4×4MIMO通信システムによってさらに補完されてもよい。線路に沿って様々なシステムを使用することにより、通信事業者は様々なロケーション設定、様々なインフラストラクチャ要件、及び様々な規制要件に通信システムを適合させることができる。このような背景下では、
図1及び
図2に記載している4×4MIMO通信システムがカバーしていない線路19の拡張部に沿って、このような好意的な4×4MIMO通信システムを提供するために、たとえば漏洩フィーダケーブル(LFC)(時には放射ケーブルとも呼ばれる)を使用する可能性があると考えられる。
【0054】
図3Aは、LFCを使用した第2の固定通信システムの近傍にある列車の一例を示す。列車10と、鉄道線路19と、アンテナ局11−3とを示している。アンテナ局11−3は、アンテナシステム11−3A、11−3A’に通信可能に結合される送受信機11−3Bを備えていてもよい。アンテナシステム11−3A、11−3A’は、線路19の一方側において、一点鎖線30、31によって示しているアンテナシステム11−3A用の複数の漏洩フィーダケーブルと、線路19の他方側において、アンテナシステム11−3A’用のLFC32、33における第2のセットを備えていてもよい。ここでは、LFC30に関連付けられた例示的な放射パターン30−1、30−2、30−3、30−4と、LFC31に関連付けられた放射パターン31−1、31−2、31−3と、LFC32に関連付けられた放射パターン32−1、32−2、32−3と、LFC33に関連付けられた放射パターン33−1、33−2、33−3、33−4とを示している。例示的な放射パターン30−1、30−2、30−3、30−4は、単に放射パターン30としてグループ化されてもよく、LFC31、32、及び33の放射パターンについても同様であってもよい。送受信機11−3Bは、
図2Aを参照しながら上述したように、DASシステム20(図示せず)に接続されてもよい。DASシステム20は、送受信機11−3Bとの間で4つの信号チャネルs1〜s4を送受信してもよい。4つの入力信号チャネルのうち2つの関連出力チャネルs5、s6は、線路19の右側に設置されるLFCアンテナシステム11−3Aに結合されてもよく、また2つのチャネルs7、s8は、線路19の左右側に設置されるLFCアンテナシステム11−3A’に結合されてもよい。したがって、4×4MIMO通信の場合、チャネルは線路19の両側のLFC間で分割されている。
【0056】
送受信機アンテナシステム11−3のアンテナシステム11−3A、11−3A’の漏洩フィーダ30、31、32、33は、たとえば4G、LTE、又は5G、WiMAX802.16などの移動体通信規格のような1又は複数のRF技術により、無線周波数信号を送受信するように動作可能であってもよい。送受信機アンテナシステム11−3の漏洩フィーダケーブル30〜33は、鉄道線路19とほぼ平行に走っていてもよい。
【0057】
図3Bは、
図3Aの列車の例示的な概略断面図を示す。アンテナ局11−3(図示せず)は、アンテナシステム11−3A、11−3A’において複数の漏洩フィーダケーブルを備えていてもよく、そのうちのLFC30、31は、アンテナシステム11−3A用にマウント18に取り付けられ、線路19の右側に点で示されており、またそのうちのLFC32、33は、アンテナシステム11−3A’用にマウント18’に取り付けられ、線路19の左側に点で示されている。ここには漏洩フィーダ間の離間距離d3も示しており、これは11−3A、11−3A’のアンテナセット30、31及び32、33の双方について通常等しくなっている。
図3Bの参照番号は、
図1A、
図1B、及び
図2で記載した番号と同じ番号を有する、実質的に同様の要素を指していてもよい。
【0058】
マウント18、18’については、アンテナ局11−3の漏洩フィーダケーブル30、31、32、33を、鉄道線路19に対して所望の位置に取り付けることが可能となっていてもよい。たとえば
図3Bに示すように、マウント18、18’には、地上のある高さに、且つ/又は客車C1に対してある位置において、鉄道線路19に対して実質的に平行となるように複数の漏洩フィーダケーブル30〜33を取り付けてもよい。さらに、マウント18、18’では、漏洩フィーダケーブル30〜33を相互に対して所望の離間距離d3で取り付けることが可能となっていてもよい。距離d3は、双方のケーブルが共に束ねられている場合、ゼロから任意の適正な距離まで変化してもよい。具体的には、距離d3は通信チャネルの中心搬送波における波長の0.5〜5倍であってもよい。
【0059】
図3Bに示すように、アンテナ局が客車C1(又は列車10の他の任意の客車)に送信しているとき、たとえばアンテナシステム11−3A、11−3A’のLFC30〜33などの漏洩フィーダケーブルは、通常列車の客車屋根101の高さよりも低く、すなわち屋根の高さ以下に取り付けられていてもよい。本シナリオでは、アンテナ局11−3A、11−3A’から、物理的にアンテナシステム11−3A又は線路19の他方側のアンテナ11−3A’により接近している、列車の側部に搭載されるアンテナセットまでの見通し線(LOS)が、度々出現する可能性がある。
図3A及び
図3Bで示す例では、アンテナセットA2の一式は、アンテナ局11−3のアンテナ11−3AとLOS通信してもよく、アンテナセットA1は、アンテナ局11−3のアンテナ11−3A’とLOS通信してもよい。
【0060】
漏洩フィーダ30〜32を備えるアンテナ局11−3が、
図1及び
図2を参照しながら記載したアンテナと同じタイプのアンテナA11、A12、A21、A22を使用しながら操作されてもよいことは、注目に値する。これにより、線路19に沿ってLFC部用に追加のアンテナを設置する必要性が軽減されるが、各セットA1、A2内のアンテナ間のパターンダイバーシティにより、困難が生じる可能性がある。通常、既知の漏洩フィーダシステムは、無指向性アンテナと通信するように設計されている。
図1Aに記載したパターンダイバーシティでは、たとえばアンテナA11(順方向)とアンテナA12(逆方向)との間において、LFCケーブル内の異なる信号チャネルを十分に分離することは困難であり得る。その理由から、放射パターン30、31、32及び33で示しているように、線路の各側のLFCに対して、一致する指向性又はパターンダイバーシティを導入することを提案している。
【0061】
図3Aに示すように、漏洩フィーダケーブル30〜33におけるパターンダイバーシティは、たとえばLFC30及びLFC31で示している各LFCの両端部から異なる信号チャネルに給電することによって達成してもよく、ここではLFC30及び31については、無給電端部において、例示的な50オームの終端で終端されるように示している。その結果、ケーブルは、
図3Aにおいて破線による輪郭で示す概略的な放射ローブの向きによって表示されているように、異なる向き又は放射パターンを有する。
【0062】
本例のアンテナセットA1、A2の各々は少なくとも2つのアンテナA11、A12、及びA21、A22をそれぞれ含み、各セットの少なくとも1つのアンテナは順方向に指向され、また少なくとも1つのアンテナは逆方向に指向されているので、たとえばアンテナセットA1、A2のパターンダイバーシティとアンテナセット11−3A、11−3A’のLFC30、31及び32、33のパターンダイバーシティとをそれぞれ利用することにより、列車10の客車C1、C2の各々に対して例示的なLFCコリドー11−3A、11−3A’の範囲内に4×4MIMO通信リンクを確立することができる。
図3A及び
図3Bの例を使用すると、チャネルs5がLFC30からアンテナA21に送信され、チャネルs6がLFC31からアンテナA22に送信され、チャネルs7がLFC33からアンテナA11に送信され、チャネルs8がLFC32からアンテナA12に送信されている。
【0063】
図3A及び
図3Bについて上述したような、車両に搭載されるパターンダイバーシティを有する異なる指向性のアンテナセットと組み合わせて、車両の両側にパターンダイバーシティを有する漏洩フィーダケーブルを使用することについては、たとえば
図1及び
図2を参照して記載している本発明の態様からは独立して行ってもよい。
【0064】
単一のケーブルの異なる端部からの異なるチャネルの給電を維持しながら、2つではなく単一のケーブルからなる漏洩フィーダアンテナを使用して、効果的なパターンダイバーシティを実現することも可能であり得る。そのような変形形態を
図3Cに示している。
【0065】
図3Cの例は、既に
図3Aを参照しながら記載したコンポーネントを含む。しかしながら、アンテナ局11−3A並びに11−3A’は、複数のLFC30、31及びLFC32、33の代わりに、それぞれ1つのLFC35、36を備えていてもよい。LFC35、36は両端部から給電されてもよく、このために、各端部は図示のように異なる信号によって給電されてもよい。たとえばLFC35は、入力ポートs1及びs2の信号にそれぞれ基づいて信号を出力できるポートs5及びs6からの信号によって給電されてもよい。LFCケーブル35、36内の波の伝搬方向に依存して、前記波は一定の位相遅延を伴いケーブル内の各スロットに到達する。これらのスロットから波が自由空間を伝播して、車両10の一方側のアンテナセットA1におけるアンテナA11、A12に、又は車両10の他方側のアンテナセットA2におけるアンテナA21、A22にそれぞれ到達し、ここで前記波は重畳して受信電圧/信号サンプルを生成する。LFCケーブル35又はケーブル36などの同一のケーブルに両端部から給電する場合、LFCケーブル内で波は反対方向に進み、これらの波が同一のスロットに到達する際の位相は異なる。その他の場合は、これらの波は同一の受信アンテナに到達するために同一の経路を進むので、2つの受信信号間における唯一の差異は、LFC35、36内の各スロットで異なる方向に伝播する波の到達位相に専ら依存する。
【0066】
その移動の間に、列車10は、主な通信モードが、
図1〜
図2に示すアンテナシステム11−1A、11−2AなどのRFアンテナによって提供される区域から、主な通信モードが、
図3に示す漏洩フィーダアンテナシステム11−3Aなどの漏洩フィーダによって提供される区域へと進むことができ、その逆もまた同様となる。
【0067】
上記のような通信システムは、2つ以上の異なる固定通信システム構成を使用して、移動車両への通信リンクを確立することによって列車との間の移動体通信を向上させることができ、たとえば好ましい固定通信システムの設置を実現することができず、通常は第2のあまり好ましくない固定通信システムを代わりに使用しなければならない領域において、有用性をもたらす。
【0068】
上述したような通信システムでは、
図1〜
図2を参照しながら上述したアンテナコリドーから
図3を参照しながら上述したLFCを装備した区域への移行時に特定のスイッチング装置を必要とせずに、列車上で同じアンテナと中継器装置とを使用できることが理解される。また、両タイプの区域に同じDASシステムを使用することが可能であってもよい。
【0069】
列車10を例として記載しているが、上述したシステム及び方法は、車両の軌道に沿った2つ以上の異なる固定通信システム間において車載機器の高速スイッチングを必要とするあらゆる通信システムに適用することができる。車両は列車10の客車、前記列車そのもの、又はガイドウェイバス、車などの異なるタイプであってもよい。