(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6973977
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年12月1日
(54)【発明の名称】液圧式車両ブレーキ装置のスリップコントロールの液圧アッセンブリのための液圧ブロック
(51)【国際特許分類】
B60T 8/34 20060101AFI20211118BHJP
B62L 3/08 20060101ALI20211118BHJP
【FI】
B60T8/34
B62L3/08
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-547268(P2019-547268)
(86)(22)【出願日】2018年2月1日
(65)【公表番号】特表2020-508926(P2020-508926A)
(43)【公表日】2020年3月26日
(86)【国際出願番号】EP2018052468
(87)【国際公開番号】WO2018162149
(87)【国際公開日】20180913
【審査請求日】2019年8月29日
(31)【優先権主張番号】102017203752.0
(32)【優先日】2017年3月8日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ツァンダー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】レフラー,ミヒャエル
【審査官】
山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−069664(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第19621230(DE,A1)
【文献】
特開平10−329699(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102009000580(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 8/32−8/96
B62L 1/00−5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧式車両ブレーキ装置のスリップコントロールの液圧アッセンブリのための液圧ブロック(1)であって、該液圧ブロック(1)の外観を構成する第1面(2)に設けられる、前記スリップコントロールの複数の弁のための複数の受容部(3,4,5,6)と、前記第1面に対向せず前記液圧ブロック(1)の外観を構成する第2面(9)に設けられる、前記スリップコントロールの1つの液圧ポンプのための1つの受容部(10)と、を備えた前記液圧ブロックにおいて、
前記第1面(2)には、前記第1面(2)および前記第2面(9)に対向せず前記液圧ブロック(1)の外観を構成する第3面(7)に平行な第1の列に4つの吸入弁の受容部(3)が並んで配置され、前記第3面(7)に平行な第2の列に4つの排出弁の受容部(4)が並んで配置され、前記第3面(7)に平行な第3の列に2つの仕切弁の受容部(5)および2つの吸込弁の受容部(6)が並んで配置され、前記仕切弁の受容部(5)が前記吸込弁の受容部(6)の外側に配置されており、
前記第2の列は、前記第3の列より前記第3面側に配置され、前記1の列は、前記第2の列および前記第3の列より前記第3面側に配置されており、
前記第3面(7)に対向して前記液圧ブロック(1)の外観を構成する第4面が、前記液圧ポンプのための前記受容部(10)内に配置される液圧ポンプを駆動する電気モータ(11)を取り付けるためのモータ側側面として設けられている
ことを特徴とする液圧ブロック。
【請求項2】
前記液圧ブロック(1)が、前記液圧ポンプのための受容部(10)内に配置される液圧ポンプを駆動するポンプ偏心体のための偏心室(12)を前記モータ側側面に有していることを特徴とする、請求項1に記載の液圧ブロック。
【請求項3】
前記液圧ブロック(1)が、前記スリップコントロールの複数の弁のための前記受容部(3,4,5,6)を備えた前記第1面(2)に対向して前記液圧ブロック(1)の外観を構成する第5面(13)に、前記スリップコントロールの液圧リザーバーのための少なくとも1つの受容部(14)を有していることを特徴とする、請求項1に記載の液圧ブロック。
【請求項4】
前記液圧ブロック(1)が、前記モータ側側面に対向する前記第3面(7)に、液圧車輪ブレーキのための接続穿孔部(8)を有し、且つ/または、前記スリップコントロールの複数の弁のための前記受容部(3,4,5,6)を備えた前記第1面(2)に対向して前記液圧ブロック(1)の外観を構成する第5面(13)に、ブレーキマスタシリンダのための接続穿孔部(15)を有していることを特徴とする、請求項1に記載の液圧ブロック。
【請求項5】
前記液圧ブロック(1)が、前記第1面(2)に、前記スリップコントロールの複数のソレノイド弁のためのすべての受容部(3,4,5,6)を有していることを特徴とする、請求項1に記載の液圧ブロック。
【請求項6】
前記液圧ブロック(1)が、前記モータ側側面に対し平行な列に、複数の吸入弁のための複数の受容部(3)を有し、且つ前記モータ側側面に対し平行な他の列に、複数の排出弁のための複数の受容部(4)を有していることを特徴とする、請求項1に記載の液圧ブロック。
【請求項7】
前記液圧ブロック(1)が、前記モータ側側面に対し平行な列に、前記スリップコントロールの1つの仕切弁のための1つの受容部(5)と、前記スリップコントロールの1つの吸込弁のための1つの受容部(6)とを有していることを特徴とする、請求項6に記載の液圧ブロック。
【請求項8】
前記液圧ブロック(1)が、該液圧ブロック(1)の前記第2面(9)に、前記スリップコントロールの1つの液圧ポンプのための1つの受容部(10)を複数有し、前記スリップコントロールの1つの液圧ポンプのための1つの受容部(10)の複数のうちの少なくとも1つは、他の少なくとも1つの前記スリップコントロールの1つの液圧ポンプのための1つの受容部(10)に比較して中心軸が傾いていることを特徴とする、請求項1に記載の液圧ブロック。
【請求項9】
前記液圧ブロック(1)が、前記中心軸が傾いている複数の前記スリップコントロールの1つの液圧ポンプのための1つの受容部(10)の設けられている領域で他の領域より肉厚であることを特徴とする、請求項8に記載の液圧ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部の構成を備えた、液圧式車両ブレーキ装置のスリップコントロールの液圧アッセンブリのための直方体状の液圧ブロックに関するものである。
【0002】
スリップコントロールはたとえばアンチロックプログラム、トラクションコントロールプログラム、および/または、ダイナミックドライブコントロールプログラム/エレクトロニックスタビリティプログラムであり、一般にABS、ASR、FDR/ESPと略記されているものである。液圧式車両ブレーキ装置のこのようなスリップコントロールは乗用車および自動二輪車から知られており、ここでこれ以上説明しない。
【背景技術】
【0003】
このようなスリップコントロールの中核部材は液圧アッセンブリであり、液圧アッセンブリは液圧ブロックを有し、液圧ブロックは、スリップコントロールの液圧構成要素を備えるとともに、ブレーキパイプによってブレーキマスタシリンダに接続され、液圧ブロックには、ブレーキパイプによって1つまたは複数の液圧式車輪ブレーキが接続されている。液圧構成要素とはとりわけソレノイド弁、液圧ポンプ(ほとんどの場合ピストンポンプ)、逆止弁、液圧リザーバー、緩衝室、圧力センサである。液圧ブロックは、典型的には、スリップコントロールの液圧構成要素を機械的に固定して液圧的に相互連結するために用いられる直方体状の金属ブロックである。相互連結とは、スリップコントロールの液圧接続図に対応して複数の液圧構成要素を液圧結合させることを言う。
【0004】
液圧ブロックは、スリップコントロールの液圧構成要素のための受容部を有している。受容部とは、通常、液圧ブロック内に設けられる筒状の、ほとんどの場合直径が段状の沈降部、袋穴または貫通穴であり、これら沈降部、袋穴または貫通穴のなかに液圧構成要素が完全にまたは部分的に挿入され、たとえば圧入されている。たとえば、液圧ポンプは通常液圧ブロック内のその受容部に完全に挿入され、これに対しソレノイド弁の場合は、通常液圧部分のみが液圧ブロックの受容部に挿入され、ソレノイド弁の電磁部分は液圧ブロックから突出している。これらの受容部は、通常デカルト座標に従って液圧ブロックを穿孔することにより、スリップコントロールの液圧接続図に対応して互いに結合されている。デカルト座標に従ってとは、互いに平行または直角に且つ液圧ブロックの複数の面およびエッジに対し平行または直角に液圧ブロック内に設けられる穿孔部を意味している。液圧構成要素を装備すれば、液圧ブロックは液圧アッセンブリを形成する。
【0005】
液圧ブロックをブレーキマスタシリンダと結合させるため、および、車輪ブレーキを液圧ブロックと結合させるため、公知の液圧ブロックはブレーキパイプのための接続穿孔部を有している。接続穿孔部は、典型的には筒状の沈降部または袋穴であり、たとえばブレーキパイプのねじ付きニップルとのねじ結合のために雌ねじを有しており、或いは、好ましくはいわゆるセルフクリンチ技術でブレーキパイプの圧入ニップルを圧入してかしめるためにねじなしのものである。セルフクリンチとは、圧入ニップルが、液圧ブロックの接続穿孔部内に圧入した時に液圧ブロックの材料の塑性変形の下で圧力が漏れないように液圧ブロックの接続穿孔部内で自らかしめることを意味している。
【0006】
特許文献1は、スリップコントロールのソレノイド弁のためのすべての受容部が直方体状の液圧ブロックのカバー面(弁側側面と呼ぶこともできる)に配置されている、液圧式車両ブレーキ装置のスリップコントロールの液圧アッセンブリ用液圧ブロックを開示している。カバー面は、立方体状ではなくて厚さよりも長尺で且つ幅広である直方体状の液圧ブロックの2つの大きな側面の1つである。カバー面は正方形または長方形であってよい。
【0007】
この公知の液圧ブロックは、液圧ブロックの縦方向中心面の中央にして横方向中心面に対しずらして、基面に偏心室を有している。モータ側側面と呼ぶこともできる基面はカバー面に対向し、且つこれに対し合同である。偏心室は筒状の、直径が段状の沈降部であり、2つの液圧ポンプの駆動に用いられるポンプ偏心体を収納するために設けられている。ポンプ偏心体は、液圧ブロックのモータ側側面の外側に装着されるポンプモータとしての電気モータによって駆動される。
【0008】
この公知の液圧ブロックでは、液圧ポンプのための、すなわちピストンポンプのための2つの受容部は、偏心室に対し半径方向に互いに対向するように配置されている。すなわち液圧ポンプのための両受容部は、液圧ブロックの縦側面に配置され、或いは、これに開口している。液圧ポンプを形成する両ピストンポンプは、ポンプ要素と見なすこともできる。
【0009】
この公知の液圧ブロックの場合、液圧式車輪ブレーキに通じているブレーキパイプ用の4つの接続穿孔部は1つの横側面に設けられ、2回路型ブレーキマスタシリンダから来ているブレーキパイプ用の2つの接続穿孔部はモータ側側面に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第102006059924A1号明細書
【発明の概要】
【0011】
請求項1の前提部の構成を備えた本発明による液圧ブロックは、液圧式車両ブレーキ装置のスリップコントロールの液圧アッセンブリのために設けられている。液圧ブロックは、スリップコントロールの弁のための、特にソレノイド弁のための複数の受容部を、直方体状の液圧ブロックの、互いに対向しあっている2つの大きな側面の1つに有している。これら2つの大きな側面は、一般的に、直方体の場合には基面およびカバー面と呼ばれるものである。ここでは、スリップコントロールの弁のための受容部を有している、液圧ブロックの大きな側面を、弁側側面とも呼ぶことにする。スリップコントロールのソレノイド弁とは吸入弁、排出弁、仕切弁、吸込弁である。吸入弁と排出弁とを通じて車輪ブレーキはスリップコントロールに接続されている。吸入弁と排出弁とは、車輪ブレーキ内の車輪ブレーキ圧を車輪ごとに調整させる車輪ブレーキ圧調整弁装置を形成している。仕切弁を用いて、スリップコントロール中にブレーキマスタシリンダを液圧的に車両ブレーキ装置から切り離すことができ、吸込弁により、高速圧力発生のために液圧ポンプを直接ブレーキマスタシリンダまたはブレーキ液貯留器と結合させることができる。吸込弁はどのスリップコントロールにもあるわけではないが、吸入弁と排出弁と仕切弁とは通常設けられている。
【0012】
本発明による液圧ブロックは、複数の縦側面に、スリップコントロールの液圧ポンプのために複数の受容部を有している。液圧ポンプは逆送ポンプと呼ばれることもあり、ほとんどの場合ピストンポンプであるが、(内歯)歯車ポンプであることもある。
【0013】
本発明による液圧ブロックの1つの横側面は、液圧ブロックの複数の液圧ポンプのための複数の受容部内に配置されているスリップコントロールの複数の液圧ポンプを駆動する電気モータを取り付けるために設けられている。液圧ポンプを駆動する電気モータを取り付けるために設けられている、液圧ブロックの横側面を、ここではモータ側側面とも呼ぶことにする。横側面は液圧ブロックの縦側面よりも短いか、同じ長さであるか、より長くてよい。
【0014】
従属請求項の対象は、請求項1に記載した本発明の有利な構成および更なる構成である。
【0015】
本発明は、スリップコントロールのすべてのソレノイド弁を液圧ブロックの1つの側面に配置することを可能にし、より厳密には、この種の公知の液圧ブロックと同様にそれぞれの列に4つのソレノイド弁を備えた3列で配置することを可能にする。さらに、複数の液圧車輪ブレーキと1つのブレーキマスタシリンダとのための複数の接続穿孔部を、この種の多くの公知の液圧ブロックでも設けられている、液圧ブロックの複数の側面および複数の個所に配置することが可能である。スリップコントロールの複数の構成要素を備えている液圧ブロックは、自動車のエンジンルーム内の通常の個所に収納することができ、且つ通常のブレーキパイプに変更なしに接続させることができる。
【0016】
穿孔部とは、その製造の方式とは関係なく、貫通穴または袋穴と理解すべきである。すなわち穿孔部は必ずしも穿孔加工によって形成されている必要はなく、たとえばフライス加工またはその他の態様で形成されていてよい。
【0017】
次に、本発明を、図面に図示されている実施形態に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明による液圧ブロックを、弁側側面から見た斜視図である。
【
図2】
図1の液圧ブロックを、反対側のリザーバー側側面から見た斜視図である。
【
図3】本発明による液圧ブロックの第2実施形態を、
図2に対応する方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1および
図2に図示した本発明による液圧ブロック1は、該液圧ブロック以外は図示していない液圧式車両ブレーキ装置のスリップコントロールの液圧アッセンブリのために設けられている。このようなスリップコントロールはたとえばアンチロックプログラム、トラクションコントロールプログラム、および/または、ダイナミックドライブコントロールプログラム/エレクトロニックスタビリティプログラムであり、一般にABS、ASR、FDR/ESPと略記されているものである。液圧ブロック1は直方体状の金属ブロックであり、ここで使用する用語で言えば、厚さよりも幅広で長尺の金属ブロックである。液圧ブロックは互いに対向しあっている2つの大きな側面を有し、これらの側面は正方形または長方形で、合同である。
図1において観察者側の大きな側面を、ここでは弁側側面2と記すことにする。
【0020】
液圧ブロック1は、弁側側面2に、スリップコントロールの図示していないソレノイド弁のための受容部3,4,5,6を有している。2つのブレーキ回路と4つの車輪ブレーキ(各ブレーキ回路に2つの車輪ブレーキ)を備えた液圧式車両ブレーキ装置のために、液圧ブロック1は、吸入弁のための4つの受容部3と、排出弁のための4つの受容部4と、仕切弁のための2つの受容部5と、吸込弁のための2つの受容部6とを有している。吸入弁のための4つの受容部3は液圧ブロック1の横側面7に対し平行に第1の列で設けられ、排出弁のための4つの受容部4は同様に横側面7に対し平行に第2の列で設けられ、外側の仕切弁のための2つの受容部5と内側の吸込弁のための2つの受容部6とは液圧ブロック1の弁側側面2に横側面7に対し平行になるように第3の列で設けられている。弁側側面2以外の他の側面に液圧ブロック1はスリップコントロールのソレノイド弁のための受容部を有していない。弁側側面2のソレノイド弁のための受容部3,4,5,6の他の数量および他の配置が可能である。
【0021】
ソレノイド弁のための受容部3,4,5,6は、液圧ブロック1に設けた筒状の、直径が段状の沈降部であり、これらの沈降部内にスリップコントロールの図示していないソレノイド弁がいわゆるセルフクリンチ技術で圧入される。これは、ソレノイド弁が機械的に保持され且つ圧力漏れなしに受容部3,4,5,6内で密封されるように、圧入時にソレノイド弁が液圧ブロック1の材料を塑性変形させることを意味している。
【0022】
吸入弁のための受容部3を備えた第1の列に最も近くに位置する横側面7に、液圧ブロック1は、スリップコントロールの図示していない液圧式車輪ブレーキを接続するための4つの接続穿孔部8を有している。車輪ブレーキのための接続穿孔部8は、弁側側面2に対し平行に一列で横側面7に配置されている。接続穿孔部8は、たとえばねじ付きニップルを備えたブレーキパイプをねじ接続するための雌ねじを備える筒状の沈降部であり、または、かしめによってブレーキパイプを接続するための雌ねじなしの筒状の沈降部である。かしめは特殊なニップルを用いていわゆるセルフクリンチ技術で行うことができ、特殊なニップルは、これらニップルが機械的に保持され且つ圧力漏れなしに接続穿孔部8内で密封されるように、該ニップルを接続穿孔部8内へ圧入する際に液圧ブロック1の材料を変形させる。接続穿孔部8は穿孔加工によって形成される必要はなく、他の態様で形成されていてよく、たとえばフライス加工されていてよい。
【0023】
液圧ブロック1は、縦側面9に、スリップコントロールのピストンポンプのための2つの受容部10を有している。ピストンポンプのための受容部10は、互いに同軸に対向するように液圧ブロック1内に取り付けられている。縦側面9は横側面7よりも長い必要はなく、
図1および
図2に示した液圧ブロック1では、縦側面9は横側面7よりも短く、
図3ではより長い。液圧ポンプのための受容部10は筒状の、直径が段状の穴であり、図示していない液圧式車両ブレーキ装置のスリップコントロールの液圧ポンプとしての図示していないピストンポンプを組み込むために設けられている穴である。典型的には、このようなピストンポンプは1つの液圧ブロックの複数のポンプ穿孔部に圧入されている。
【0024】
液圧ブロック1の、接続穿孔部8を備えた横側面7に対向している横側面(ここではモータ側側面と記し、図面では液圧ブロック1の下部にある)は、液圧ポンプのための受容部10内に配置される液圧ポンプを駆動する、破線で示唆した電気モータ11を取り付けるために設けられている。液圧ポンプのための受容部10は、電気モータ11の軸線に対し半径方向に位置するように液圧ブロック1内に配置され、この場合電気モータ11は液圧ブロック1の外側に取り付けられる。電気モータ11に対し同軸に、液圧ブロック1のモータ側側面に偏心室12が取り付けられている。偏心室12は、電気モータ11により駆動可能で液圧ポンプを駆動する図示していないポンプ偏心体の収納に用いる。
図1および
図2で破線で示唆している、液圧ポンプのための受容部10は、
図1および
図2で同様に破線で示唆した偏心室12に半径方向から開口している。
【0025】
図2で観察者側にあって、弁側側面2に対向している第2の大きな側面13に、液圧ブロック1は、液圧リザーバーのための受容部14として2つの筒状の沈降部を有している。液圧リザーバーのための受容部14は、液圧ブロック1の横側面7とモータ側側面との間のほぼ中央に配置され、すなわちおおよそ、排出弁、仕切弁および吸込弁のための受容部4,5,6を備えた第2の列および第3の列の高さに配置され、ソレノイド弁のための受容部3,4,5,6よりも大きな直径を有している。図示し、説明している本発明の実施形態では、液圧リザーバーのための受容部14は低く、図示していない液圧リザーバーはかしめによって圧力漏れなしに液圧ブロック1に固定されて該液圧ブロック1から外側へ突出している。もし液圧ブロック1内に構成空間が十分に提供されていれば、図示していない液圧リザーバーを部分的にまたは完全に液圧ブロック1内に埋設してもよい(図示せず)。
【0026】
車輪ブレーキ用の接続穿孔部8を備えた横側面7の近くにして、弁側側面2に対向して液圧リザーバーのための受容部14を備えた大きな側面13に、液圧ブロック1は、図示していない2回路型ブレーキマスタシリンダのための2つの接続穿孔部15を有している。ブレーキマスタシリンダのための接続穿孔部15は、車輪ブレーキのための接続穿孔部8と同一に実施されている。
【0027】
液圧ブロック1はデカルト座標に従って穿孔されており、すなわちそのエッジおよび側面2,7,9,13に対し平行におよび直角に、且つその縦中心面に対し鏡対称に穿孔されている。縦中心面は縦側面9の間の中央にあり、且つ縦側面9に対し平行に延びている。縦中心面に対し鏡対称とは、スリップコントロールの液圧構成要素のための受容部3,4,5,6,10,14が縦中心面に対し鏡対称に位置するように液圧ブロック1内に設けられているということである。偏心室12および電気モータ11の軸線は縦中心面内にある。対称からの個々の偏りも可能である。
【0028】
図示していない液圧式車両ブレーキ装置のスリップコントロールの図示していないソレノイド弁、液圧ポンプ、他の液圧構成要素を装備させれば、液圧ブロック1は、スリップコントロールの液圧部分の中核を成す液圧アッセンブリを形成する。
【0029】
図1および
図2に示した液圧ブロック1とは異なり、
図3の液圧ブロック1は、液圧ポンプのための2つの(各ブレーキ回路に対し1つの)受容部10を有するのではなく、6つの受容部10を有しており、すなわち2つのブレーキ回路のそれぞれに対し液圧ポンプ用の3つの受容部10を有している。
図3の視線方向は
図1のそれと同じであり、すなわち弁側側面2を見ている。
図3の液圧ブロック1は、液圧ポンプ10のためにさらに4つの受容部が設けられているため、
図1および
図2の液圧ブロック1よりも長尺である。
図1および
図2の液圧ブロック1が有している、液圧ポンプのための2つの受容部10に加えて、
図3の液圧ブロック1は、1つの縦側面9に1つの液圧ポンプのための他の1つの受容部10と、対向する縦側面に1つの液圧ポンプのための1つの受容部10とを有している。液圧ポンプのためのこれら3つの受容部10の軸線はすべて、液圧ブロック1の弁側側面2に対し平行な、電気モータ11および偏心室12の軸面内にあり、この場合前記対向する縦側面9に設けられている1つの液圧ポンプのための前記1つの受容部10の軸線は、液圧ブロック1の前記1つの縦側面9に設けられている液圧ポンプのための2つの受容部10の軸線の間の中央にある。
【0030】
液圧ポンプのための全部で6つの受容部10のうちの前記他の3つの受容部は、同一の側面に対し鋭角で斜めに取り付けられており、すなわち液圧ブロック1の弁側側面2の方向にずらして液圧ブロック1内に取り付けられている。液圧ポンプのための6つのすべての受容部10の軸線は、電気モータ11および偏心室12の軸線に対し半径方向に延びている。弁側側面2に対し垂直に見て、液圧ブロック1内に傾斜して設けられている、液圧ポンプのための1つの受容部10は、液圧ブロック1の1つの縦側面9に設けられた液圧ポンプのための2つの受容部10の間の中央にある。対向している縦側面には、液圧ブロック1内で傾斜して取り付けられている、液圧ポンプのための2つの受容部10が、弁側側面2に対し垂直に見て、1つの液圧ポンプのための1つの受容部10の両側にして、液圧ブロック1の前記1つの縦側面9に設けられた液圧ポンプ用の2つの受容部10と同じ半径方向の面、すなわち電気モータ11および偏心室12の軸線に対し半径方向の同じ面内にある。液圧ブロック1内に傾斜して設けられている液圧ポンプ用の3つの受容部10を収納するため、液圧ブロック1は、弁側側面2に段状の隆起部16を有しており、該段状の隆起部は、液圧ブロック1の一体的構成部材であってよく、或いは、もともと別個の部材として弁側側面2に設けられていてよい。液圧ブロック1は、液圧ポンプのための受容部10の領域でより肉厚である。
【0031】
スリップコントロールのソレノイド弁および液圧リザーバーのための他のすべての受容部3,4,5,6,14と、接続穿孔部8,15と、偏心室12とは、
図1および
図2の場合と同じように
図3の液圧ブロック1内に配置されていてよい。全図において同一の要素には同一の参照符号が付してある。
【符号の説明】
【0032】
1 液圧ブロック
2 弁側側面(液圧ブロックの大きな側面)
3 吸入弁のための受容部
4 排出弁のための受容部
5 仕切弁のための受容部
6 吸込弁のための受容部
7 液圧ブロックの横側面
8 液圧式車輪ブレーキのための接続穿孔部
9 液圧ブロックの縦側面
10 液圧ポンプのための受容部
11 電気モータ
12 偏心室
13 液圧ブロックの第2の大きな側面
14 液圧リザーバーのための受容部
15 ブレーキマスタシリンダのための接続穿孔部